JP2001091975A - 液晶表示素子及び液晶表示素子の駆動方法 - Google Patents

液晶表示素子及び液晶表示素子の駆動方法

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JP2001091975A
JP2001091975A JP27209499A JP27209499A JP2001091975A JP 2001091975 A JP2001091975 A JP 2001091975A JP 27209499 A JP27209499 A JP 27209499A JP 27209499 A JP27209499 A JP 27209499A JP 2001091975 A JP2001091975 A JP 2001091975A
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voltage
pixel electrode
pixel
gate
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Soichi Sato
宗一 佐藤
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自発分極を有する液晶を用いた表示素子の各
画素の選択期間を抑えつつ、各画素をプリセットする。 【解決手段】 自発分極を有する液晶の駆動用のTFT
14Aとプリセット用のTFT14Bに接続した画素電
極13をマトリクス状に配置する。画素電極13のマト
リクスの行毎にゲートラインGLを配置し、列毎にプリ
セットラインPLとデータラインDLを配置する。デー
タラインDLを対応する列のTFT14Aに、プリセッ
トラインPLを対応する列のTFT14Bに、それぞれ
接続する。ゲートラインGLには、列方向に隣接する2
つの画素電極13のうちの一方に接続したTFT14A
のゲートと、他方の画素電極13に接続したTFT14
Bのゲートを接続する。ゲートラインGLにゲートパル
スを順次印加して2行の画素を選択し、書き込み対象の
画素への階調電圧の書き込みと次に書き込む対象の画素
のプリセットとを同時に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、強誘電性液晶、
反強誘電性液晶等の、自発分極を有し、強誘電相を示す
液晶を用いた液晶表示素子及びその駆動方法に関し、特
に、階調表示に好適な液晶表示素子及びその駆動方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】強誘電性液晶、反強誘電性液晶等の、自
発分極を有する液晶を用いた液晶表示素子は、ネマティ
ック液晶を用いるTNモードの液晶表示素子と比較し
て、高速応答可能で、広い視野角が得られる等の点で注
目されている。
【0003】自発分極を有する液晶を用いた液晶表示素
子では、印加電圧の極性に応じて、液晶分子が第1の方
向に配列する第1の強誘電相または第2の方向に配列す
る第2の強誘電相に配向する。このような液晶表示素子
は上記2つの安定状態を利用して画像を表示する。
【0004】また、近時では、2つの安定状態の間の中
間の配向状態を利用して、階調表示を行うことも試みら
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、自発分極を有
する液晶を用いた液晶表示素子の印加電圧−光透過率特
性は図5に示すようにヒステリシスを有している。この
ため、印加電圧に対する光透過率が一義的に定まらず、
任意の階調を安定して表示することが困難であった。
【0006】印加電圧に対する透過率を一義的に定める
駆動方法として、書き換え対象の画素の各選択期間内に
液晶分子を第1又は第2の強誘電相に配向(プリセッ
ト)させ、次のタイミングで書き込み(書き換え)を行
う駆動方法が提案されている。
【0007】しかし、この駆動方法では、書き換え対象
の各画素の選択期間の前半にプリセットを行い、選択期
間の後半に書き換えを行う。このため、各画素の選択期
間が一定の場合には、プリセット期間の分だけ書き込み
時間を短くしなければならない。また、書き込み時間を
一定に維持するためには、各画素の選択期間を長くしな
ければならない。結果的に、1フレーム当たりの画素の
行数やフレーム周波数が制限される場合があった。
【0008】この発明は、上記実状に鑑みてなされたも
ので、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等の自発分極を有
する液晶を用いつつ、階調表示を好適に行うことが可能
な液晶表示素子及びその駆動方法を提供することを目的
とする。また、この発明は、各画素のプリセットが可能
で、且つ、各画素の選択期間を抑えることが可能な、自
発分極を有する液晶表示素子及びその駆動方法を提供す
ることを他の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1の観点にかかる液晶表示素子は、対向
して配置された第1と第2の基板と、前記第1の基板の
前記第2の基板と対向する内面に、行方向及び列方向に
複数マトリクス状に配置された画素電極と、前記画素電
極に電流路の一端が接続された第1と第2の薄膜トラン
ジスタと、前記画素電極のマトリクスの列毎に配置さ
れ、対応する列の画素電極に電流路の一端が接続された
複数の前記第1の薄膜トランジスタの電流路の他端に接
続された第1の信号ラインと、前記画素電極のマトリク
スの列毎に配置され、対応する列の画素電極に電流路の
一端が接続された複数の前記第2の薄膜トランジスタの
電流路の他端に接続された第2の信号ラインと、前記画
素電極のマトリクスの行毎に配置され、列方向に隣接す
る2つの画素電極のうちの一方に電流路の一端が接続さ
れた前記第1の薄膜トランジスタのゲートに接続される
と共に、他方の画素電極に電流路の一端が接続された前
記第2の薄膜トランジスタのゲートに接続されるゲート
ラインと、前記第2の基板の前記第1の基板と対向する
内面に、前記画素電極と対向させて配置された少なくと
も1つの対向電極と、前記第1の基板と前記第2の基板
との間に封止された自発分極を有する液晶と、を備え
る、ことを特徴とする。
【0010】この構成によれば、ゲートラインに所定の
ゲートパルスを順次印加することにより、隣接する2行
の画素電極を実質的に同時に選択することができる。し
かも、各行の画素電極を1フレームで2回選択すること
ができる。このため、最初の選択期間で、第2の信号ラ
インに十分大きな電圧を印加して画素電極と対向電極と
それらの間に封止された液晶を所定の状態(例えば強誘
電相)に配向せしめ、次の選択期間で、第1の信号ライ
ンに階調表示に対応する電圧を印加し、所定の状態に配
向した液晶を、階調表示に対応する電圧に応じた状態に
配向せしめることができる。従って、各画素の階調表示
に対応する電圧に対する液晶の配向状態を一義的に定め
ることができ、任意の階調を適切に表示することができ
る。しかも、各画素の階調表示のための選択期間全体を
書き込み(充電)に使用することができる。
【0011】前記液晶は、印加された電圧の極性に応じ
て、液晶分子が第1の方向に配列する第1の強誘電相又
は第2の方向に配列する第2の強誘電相を示し、前記液
晶のダイレクタは、印加された電圧の極性と大きさとに
応じて、第1と第2の方向の間の方向に向き、前記第1
と第2の方向の中間の方向に光学軸を有し、前記第1の
基板又は前記第2の基板の外側に配置された第1の偏光
素子と、前記第1の偏光素子の光学軸と実質的に垂直な
方向に光学軸を有し、前記第2の基板の外側又は前記第
1の基板の外側に配置された第2の偏光素子と、をさら
に備える、ことが望ましい。
【0012】前記ゲートラインに接続され、前記ゲート
ラインにゲートパルスを順次印加することにより前記第
1と第2の薄膜トランジスタをオンするゲートドライバ
と、前記第1の信号ラインに接続され、前記第1の信号
ラインとオンした前記第1の薄膜トランジスタとを介し
て、選択された行の画素電極に表示階調に対応する階調
電圧を供給するデータドライバと、前記第2の信号ライ
ンに接続され、前記第2の信号ラインとオンした前記第
2の薄膜トランジスタとを介して、次に選択される行の
画素電極に、当該画素電極と前記共通電極の間に封止さ
れた前記液晶を第1又は第2の強誘電相にせしめる配向
電圧を供給するプリセットドライバと、をさらに備えて
もよい。
【0013】液晶に印加する電圧の直流成分を低減して
液晶表示素子の表示の焼き付きを抑制するため、前記デ
ータドライバは、前記プリセットドライバにより配向電
圧が印加された行の画素電極に、当該配向電圧の極性と
異なる極性の階調電圧を印加してもよく、前記データド
ライバと前記プリセットドライバとは、表示画素のフレ
ーム毎、表示画素の行毎、及び/又は、表示列毎に、前
記第1と第2の信号ラインにそれぞれ印加する電圧の極
性を反転してもよい。
【0014】前記画素電極の列毎に配置された複数の第
2の信号ラインは、共通の導電路を介して一括して前記
プリセットドライバに接続されていてもよい。
【0015】本発明の第2の観点にかかる液晶表示素子
の駆動方法は、上記構成の液晶表示素子を駆動する方法
であって、ゲートラインにゲートパルスを印加すること
により、選択した行の画素電極に接続されている第1の
薄膜トランジスタと、次のタイミングで選択する画素電
極に接続されている第2の薄膜トランジスタをオンする
ステップと、第2の信号ラインとオンした前記第2の薄
膜トランジスタを介して、次のタイミングで選択する行
の画素電極と対向電極の間の液晶の液晶分子を所定の配
列状態に配向させる配向ステップと、第1の信号ライン
とオンした前記第1の薄膜トランジスタを介して、選択
した行の画素電極に表示階調に対応する電圧を供給して
階調表示を行う表示ステップと、を備え、前記配向ステ
ップと前記表示ステップを実質的に同時に行う、ことを
特徴とする。
【0016】本発明の第3の観点にかかる液晶表示素子
の駆動方法は、強誘電相を示す液晶を用い、マトリクス
状に配置された画素を備える液晶表示素子の駆動方法で
あって、前記液晶表示素子の画素のマトリクスの画素の
行を順次選択し、選択した行の画素に表示階調に対応す
る階調電圧を印加して階調表示を行い、実質的に同一の
タイミングで、次のタイミングで選択する行の画素に、
所定の電圧を印加して、前記階調電圧の印加に先立って
液晶分子の配列状態を所定の配向状態に設定する、こと
を特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態にか
かる液晶表示装置について、図面を参照しつつ説明す
る。
【0018】この実施の形態にかかる液晶表示装置は、
図1に示すように、液晶表示素子1と、ゲートドライバ
2と、プリセットドライバ3と、データドライバ4と、
制御回路5と、を備える。
【0019】液晶表示素子1は、図3に断面で示すよう
に、スペーサ20を介して対向して配置された一対の下
基板11と上基板12とを有する。下基板11と上基板
12はガラス等の透明材料から構成されている。
【0020】下基板11には、画素電極13と、該画素
電極13に接続された駆動用薄膜トランジスタ(TF
T)14Aとプリセット用薄膜トランジスタ(TFT)
14Bとがマトリクス状に配置されている。画素電極1
3はITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電材料から
構成される。
【0021】図3の上基板12には、コモン電圧が印加
される共通電極15が、画素電極13に対向して形成さ
れる。
【0022】下基板11及び上基板12の電極形成面に
は、それぞれ配向膜16及び17が形成されている。配
向膜16及び17は、例えば、ポリイミド等の有機高分
子化合物からなる水平配向膜であり、配向膜16及び1
7の対向面にはラビングによって、所定方向に配向処理
が施されている。
【0023】下基板11と上基板12とは、その周縁部
でシール材18により接続されており、基板11と12
及びシール材18で囲まれた領域には、液晶19が封入
されている。
【0024】液晶19は、強誘電性液晶、反強誘電性液
晶等の、自発分極を有するカイラルスメクティック相の
液晶から構成され、スメクティック層の法線の方向を、
配向膜16及び17の配向処理方向(図4では、矢印1
9Cで表す)にほぼ一致させた状態で配列している。ま
た、液晶19は、電圧が印加されていない状態では、ダ
イレクタ(液晶分子の平均的な長軸方向)を、スメクテ
ィック層の法線方向に向けて配向している。また、液晶
19は、十分大きな電圧が印加された状態では、印加さ
れた電圧の極性に応じて、液晶分子が図4の第1の方向
19Aに配列した第1の強誘電相と、第1の方向19A
と異なる第2の方向19Bに配列した第2の強誘電相と
を示す。さらに、液晶19のダイレクタは、中間の大き
さの電圧が印加された状態では、印加された電圧に応じ
て、第1の方向19Aと第2の方向19Bとの間の様々
な方向を向く。
【0025】下基板11及び上基板12の外側には、液
晶19の配向状態の変化に伴う光学的な変化を視覚化す
るための一対の偏光板21,22が配置されている。図
4に示すように、下側の偏光板21は、その光学軸(以
下、透過軸とする)21Aが、配向膜16,17の配向
処理方向である第3の方向19C(スメクティック層の
法線方向)にほぼ直角になるように配置され、上側の偏
光板22は、その光学軸(以下、透過軸とする)22A
が、偏光板21の透過軸21Aにほぼ直角になるように
配置されている。
【0026】階調を表示する各画素は、図3の画素電極
13と共通電極15の対向部分とそれらの間に配置され
た液晶19とから構成される画素容量Cと、該画素容量
Cを挟んで配置された偏光板21,22とから構成され
る。
【0027】偏光板21,22の透過軸を図4に示すよ
うに設定した液晶表示素子1の印加電圧に対する透過率
の関係を図5に示す。図5の特性は、画素電極13と共
通電極15との間に三角波を印加して得られたものであ
る。図示するように、液晶表示素子1の印加電圧−透過
率特性は、明確なしきい値を持たず、印加電圧に応じて
なめらか(連続的)に変化しており、階調を制御するこ
とが可能である。ただし、その特性にヒステリシスを有
する。
【0028】図5に示す印加電圧−透過率特性を有する
液晶表示素子1を階調駆動するには、正極性で十分大き
な電圧を印加して液晶19を第1の強誘電相にせしめた
後、電圧−V2から電圧−V1までの大きさの電圧(階
調電圧)を印加する。これにより、液晶19のダイレク
タは、階調電圧の大きさに応じて一義的に定まり、図4
に示す第2の方向19Bと第3の方向19Cの間で、階
調電圧の大きさに応じた方向を向く。従って、図5の破
線L1で示す印加電圧−透過率特性で階調を表示するこ
とができる。
【0029】また、負極性で十分大きな電圧を印加して
液晶19を第2の強誘電相にせしめた後、電圧+V2か
ら電圧+V1までの大きさの階調電圧を印加する。これ
により、液晶19のダイレクタは、階調電圧の大きさに
応じて一義的に定まり、図4に示す第2の方向19Bと
第1の方向19Aの間の階調電圧の大きさに応じた方向
を向く。従って、図5の破線L2の印加電圧−透過率特
性で階調を表示することができる。
【0030】階調を表示する各画素(画素容量C)は、
図1に示すように、液晶表示素子1の平面方向にマトリ
クス状に配置されている。
【0031】液晶表示素子1には、図1に示すように、
画素(画素容量C)のマトリクス(n行m列とする)の
列毎にデータラインDL1〜DLm及びプリセットライ
ンPL1〜PLmが配置され、マトリクスの行毎にゲー
トラインGL0〜GLnが配置されている。ゲートライ
ンGL0〜GLnはゲートドライバ2に接続され、デー
タラインDL1〜DLmはデータドライバ4に接続さ
れ、プリセットラインPL1〜PLmはプリセットドラ
イバ3に一括して接続されている。
【0032】図2は、画素電極13(第p行第q列、但
し、2≦p≦n、2≦q≦m)の周辺部の拡大平面図で
ある。図示するように、第p行第q列の画素電極13
は、2つの薄膜トランジスタTFT14A、TFT14
Bのソースに接続され、隣接する2本のゲートラインG
Lp−1及びGLpと、プリセットラインPLqとデー
タラインDLqによって囲まれる領域に形成されてい
る。
【0033】TFT14AのゲートはゲートラインGL
pに接続され、ドレインはデータラインDLqに接続さ
れている。一方、TFT14Bのゲートはゲートライン
GLpに隣接するゲートラインGLp−1に接続され、
ドレインはプリセットラインPLqに接続されている。
【0034】図1のゲートドライバ2は、制御回路5か
らのタイミング制御信号に従い、ゲートラインGL0〜
GLnにゲートパルスを順次印加し、プリセット用のト
ランジスタTFT14Bと駆動用のトランジスタTFT
14Aを順次オンする。
【0035】プリセットドライバ3は、制御回路5から
のタイミング制御信号に従い、プリセットラインPLに
フレーム毎及び選択期間毎(ライン毎)に極性を反転し
てプリセット電圧+VP又は−VPを印加する。これに
より、オン状態のTFT14Bを介して、プリセット対
象の画素の画素電極13に、プリセット電圧VPをライ
ン毎及びフレーム毎に極性を反転して印加する。なお、
共通電極15には、画素電極13に正極性のプリセット
電圧+VPが印加されるタイミングでは、負極性のコモ
ン電圧−VCが印加され、負極性のプリセット電圧−V
Pが印加されるタイミングでは、正極性のコモン電圧+
VCが印加されている。プリセット電圧+VPとコモン
電圧−VCとの差分の電圧(=VP+VC)は、液晶1
9の分子長軸を図4の第1の方向19Aに配向させるの
に十分な大きさを有する。一方、プリセット電圧−VP
とコモン電圧+VCとの差分の電圧(=−VP−VC)
は、液晶19の分子長軸を図4の第2の方向19Bに配
向させるのに十分な大きさを有する。
【0036】データドライバ4は、制御回路5からのタ
イミング制御信号に従い、書き込み対象の行の画素の表
示階調に対応する電圧を有する階調電圧+VD又は−V
Dを各データラインDLに印加する。これにより、オン
状態のTFT14Aを介して書き込み対象の行の画素電
極13に階調電圧VDをライン毎及びフレーム毎に極性
を反転して印加する。なお、階調電圧+VDとコモン電
圧−VCとの差分の電圧(=VP+VC)は、第1の方
向19Aに配向している液晶19のダイレクタを図4の
第2の方向19Bと第3の方向19Cとの間の方向に配
向させる大きさを有する。一方、階調電圧−VDとコモ
ン電圧+VCとの差分の電圧(=−VP−VC)は、第
2の方向19Bに配向している液晶19のダイレクタを
図4の第1の方向19Aと第3の方向19Cとの間の方
向に配向させる大きさを有する。
【0037】制御回路5は、ゲートドライバ2、プリセ
ットドライバ3、データドライバ4にタイミング制御信
号を供給する等の、表示装置全体の動作を制御する。
【0038】次に、上記構成の液晶表示装置の動作を図
1を参照して説明する。ゲートドライバ2は、ゲートラ
インGL0〜GLnに、順次、各画素の選択期間に等し
い所定パルス幅のゲートパルスを印加する。
【0039】ゲートパルスが印加されたゲートラインG
L0〜GLnに接続されている駆動用のTFT14Aと
プリセット用のTFT14Bとは共にオンする。プリセ
ットドライバ3は、ゲートパルスの印加に同期して、オ
ンしたTFT14Bを介して、プリセット対象の行の画
素電極13にプリセット電圧VPを行毎及びフレーム毎
に極性を反転して印加する。
【0040】一方、データドライバ4は、ゲートパルス
の印加に同期して、オンされたTFT14Aを介して書
き込み(書き換え)対象行の画素電極13に、その時点
で印加されるプリセット電圧と同一極性の階調電圧VD
(又は−VD)を印加する。また、データドライバ4
は、プリセット電圧VP及び階調電圧VDと反対極性の
コモン電圧VCを共通電極15に印加する。
【0041】このため、ある選択期間で、プリセット対
象となっている行の画素の液晶19(即ち、画素容量
C)には、液晶分子を第1の方向19A又は第2の方向
19Bに配向させる電圧が印加され、液晶分子は、第1
の方向19A又は第2の方向19Bに配向する。
【0042】次の選択期間で、その行の画素は書き込み
対象となり、その画素の液晶19(即ち、画素容量C)
には、プリセット時に印加された電圧と逆極性で、ダイ
レクタを第2の方向19Bと第3の方向19Cとの間の
方向、又は、第1の方向19Aと第3の方向19Cとの
間の方向で、表示階調に対応する方向に配向させる。
【0043】このようにして、各選択期間で、書き換え
対象行の画素の書き換えと、次の選択期間に書き換え対
象となる行の画素のプリセットとを並行して(同一タイ
ミングで)行う。
【0044】この駆動方法によれば、各画素の書き換え
前に、プリセット電圧VP又は−VPの印加により、液
晶分子の配向状態を予め定められた状態に設定しておく
ので、続いて印加する階調電圧VD又は−VDにより、
液晶19のダイレクタが一義的に定まり、任意の表示階
調を安定して表示することができる。
【0045】なお、ゲートライン毎にプリセット電圧及
び階調電圧の極性を反転し、さらに、同一タイミングで
印加するプリセット電圧と階調電圧の極性を同一にする
ことにより、各画素の液晶19に印加されるプリセット
電圧と階調電圧の極性を反転することができる。さら
に、プリセット電圧と階調電圧の極性をフレーム毎に反
転することにより、各画素の液晶19に印加する電圧の
直流成分を相殺することができ、液晶の劣化を抑えるこ
とができる。なお、第1行の画素のプリセットは、最終
行の画素の書き換えを行った後の帰線期間などに、適宜
行う。
【0046】次に、上記構成の液晶表示装置の動作を、
図2の第p行第q列の画素の書き換えを行う場合を例に
して、より具体的に説明する。
【0047】ゲートドライバ2は、制御回路5の制御に
従って、図6(A)に示すように、第1フレームにおい
て、第p−1行の画素を選択するタイミングT1〜T2
の間、ゲートラインGLp−1にゲート電圧VG(ゲー
トパルス)を供給し、第p−1行の画素のTFT14A
と第p行の画素のTFT14Bをオンする。この間、デ
ータドライバ4は、制御回路5の制御に従って、図6
(C)、(D)に示すように、プリセットラインPLに
プリセット電圧+VPを、データラインDLqに階調電
圧+VDを、共通電極15にコモン電圧−VCを、それ
ぞれ印加する。プリセット電圧+VPとコモン電圧−V
Cの差分の電圧は液晶分子を図4の第1の方向19Aに
配向させるのに十分大きな大きさであり、画素容量C
(p,q)は、図6(F)に示すように、この差分の電
圧VC+VPで充電される。これにより、第p−1行の
画素の書き換えと、次のタイミングで選択される第p行
の画素のプリセットとを、同一タイミングで行う。
【0048】次に、ゲートドライバ25は、図6(B)
に示すように、第p行の画素を選択するタイミングT2
〜T3の間、ゲートラインGLpにゲート電圧VGを供
給し、第p行の画素のTFT14Aと第p+1行の画素
のTFT14Bをオンする。この間、データドライバ4
は、図6(C)、(D)、(E)に示すように、プリセ
ットラインPLにプリセット電圧−VPを、データライ
ンDLqに階調電圧−VDを、共通電極15にコモン電
圧+VCを、それぞれ印加する。階調電圧−VDとコモ
ン電圧+VCの差分の電圧は、図4の第1の方向19A
に配向している液晶分子を第2の方向19Bと第3の方
向19Cの間の方向に配向させる大きさを有する。これ
により、プリセットした画素(p,q)を構成している
液晶19のダイレクタを図4の第2の方向19Bと第3
の方向19Cの間で制御することにより、該画素(p,
q)を図5の点線部L1による印加電圧−透過率特性で
階調表示すると共に、次のタイミングで選択される第p
+1行の画素のプリセットを行う。
【0049】以降も同様にして、選択した行の画素の書
き換えと次の選択期間に選択する行の画素のプリセット
を実質的に同時に行う。
【0050】第2フレームでは、ゲートドライバ2は、
図6(A)に示すように、第p−1行の画素を選択する
タイミングT11〜T12の間、ゲートラインGLp−
1にゲート電圧VGを供給し、第p−1行の画素のTF
T14Aと第p行の画素のTFT14Bをオンする。こ
の間、データドライバ4は、図6(C)、(D)、
(E)に示すように、プリセットラインPLにプリセッ
ト電圧−VPを、データラインDLqに階調電圧−VD
を、共通電極15にコモン電圧+VCを、それぞれ印加
する。即ち、第1フレームにおいて供給した電圧(プリ
セット電圧+VP、階調電圧+VD及びコモン電圧−V
C)の極性を反転させて印加する。プリセット電圧−V
Pとコモン電圧+VCの差分の電圧は液晶分子を図4の
第2の方向19Bに配向させるのに十分大きな大きさで
あり、画素容量C(p,q)は、図6(F)に示すよう
に、この差分の電圧−VP−VCで充電される。これに
より、第p−1行の画素の書き換えと、次の選択期間に
選択される第p行の画素のプリセットとを、同一タイミ
ングで行う。
【0051】次に、ゲートドライバ2は、図6(B)に
示すように、第p行の画素を選択するタイミングT12
〜T13の間、ゲートラインGLpにゲート電圧VGを
供給し、第p行の画素のTFT14Aと第p+1行の画
素のTFT14Bをオンする。この間、データドライバ
4は、図6(C)、(D)、(E)に示すように、プリ
セットラインPLにプリセット電圧+VPを、データラ
インDLqに階調電圧+VDを、共通電極15にコモン
電圧−VCを、それぞれ印加する。階調電圧+VDとコ
モン電圧−VCの差分の電圧は、図4の第2の方向19
Bに配向している液晶分子を第1の方向19Aと第3の
方向19Cの間の方向に配向させる大きさを有する。こ
れにより、プリセットした画素(p,q)を構成してい
る液晶19のダイレクタを図4の第1の方向19Aと第
3の方向19Cの間で制御することにより、該画素
(p,q)を図5の点線部L2による印加電圧−透過率
特性で階調表示すると共に、次のタイミングで選択され
る第p+1行の画素のプリセットを行う。
【0052】以降も同様にして、選択した行の画素の書
き換え(書き込み)と次のタイミングで選択する行の画
素のプリセットを実質的に同時に行う。
【0053】このような液晶表示素子1の駆動方法によ
れば、書き込み対象の画素の行の液晶19を一旦強誘電
相にして(プリセットして)から書き込みを行うため、
印加電圧に対する透過率が一義的に定まり、任意の階調
を表示することができる。さらに、選択した画素の行へ
信号データを書き込むのと同時に、次のタイミングで書
き込みを行う画素の行のプリセットを行う。このため、
各画素の選択期間内に該画素のプリセットと書き込みを
順次行う従来の駆動方法と異なり、選択期間全体を書き
込みに使用することができ、画素容量Cを十分充電する
ことができる。従って、フレーム周波数と画素の行数が
一定の場合に書き込み時間を長くとることができ、画素
の行数と書き込み時間が一定の場合にフレーム周波数を
高くすることができ、フレーム周波数と書き込み時間が
一定の場合に画素の行数を増大することができる。ま
た、フレーム毎及びライン毎に液晶19に印加する電圧
の極性を反転させるため、液晶19に直流電圧を印加す
ることを防止することができ、表示の焼き付き等を抑え
ることができる。
【0054】なお、この発明は、上記実施の形態に限定
されず、任意に変形及び応用することが可能である。例
えば、上記実施の形態では、フレーム毎及びライン毎に
画素電極13と共通電極15に印加する電圧の極性を反
転して液晶表示素子1を駆動した。しかし、ドット毎に
印加する電圧の極性を反転するドット反転方式により液
晶表示素子1を駆動してもよく、ドット反転方式とライ
ン反転方式とフレーム反転方式を任意に組み合わせて液
晶表示素子1を駆動してもよい。
【0055】ドット反転方式を用いて液晶表示素子1を
駆動する場合、例えば、画素電極13の列毎に配置した
プリセットラインPLのうち、奇数列のプリセットライ
ンPLを一括してプリセットドライバ3に接続すると共
に、偶数列のプリセットラインPLを一括してプリセッ
トドライバ3に接続する。そして、同一タイミングで、
画素電極13の奇数列に配置したプリセットラインPL
にプリセット電圧+VPを印加し、偶数列に配置したプ
リセットラインPLにプリセット電圧−VPを印加す
る。このようにしても、ドット毎に液晶19に印加する
電圧の極性を反転させるため、液晶19に直流電圧を印
加することを防止することができ、表示の焼き付き等を
抑えることができる。
【0056】また、データドライバ4にプリセットドラ
イバ3の機能を付加させることにより、構成を簡素化し
てもよい。
【0057】なお、図5は印加電圧−透過率特性の一例
であり、印加電圧−透過率特性にヒステリシスを有し、
自発分極を有する液晶表示素子ならば、任意の液晶表示
素子を用いることが可能である。
【0058】また、プリセットラインPLに印加するプ
リセット電圧の立ち上がり(立ち下がり)タイミング
は、データラインDLに印加する階調電圧の立ち上がり
(立ち下がり)タイミングと同一のタイミングでなくて
もよく、多少ずれていてもよい。また、液晶19が第1
又は第2の強誘電相を示すのであれば、画素の選択期間
中ずっとプリセットラインPLにプリセット電圧を印加
し続ける必要はない。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の液晶表示
素子及びその駆動方法によれば、各画素に印加する階調
電圧に対する液晶の配向状態を一義的に定めることがで
き、任意の階調を適切に表示することができる。しか
も、各画素の選択期間全体を書き込み(充電)に使用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる液晶表示素子の構
成を模式的に示す回路構成図である。
【図2】1画素の拡大平面図である。
【図3】液晶表示素子の断面構成を示す図である。
【図4】液晶のダイレクタの向きと偏光板の光学軸の方
向を説明するための図である。
【図5】図1の液晶表示素子の印加電圧−透過率の特性
を示す図である。
【図6】(A)と(B)はゲートラインに印加する電圧
の波形図であり、(C)はデータラインに印加する階調
電圧の波形図である。(D)はプリセットラインに印加
する電圧の波形図であり、(E)は共通電極に印加する
電圧の波形図である。(F)は画素容量Cに充電される
電圧の波形図である。
【符号の説明】
1・・・液晶表示素子、2・・・ゲートドライバ、3・・・プリ
セットドライバ、4・・・データドライバ、5・・・制御回
路、11、12・・・基板、13・・・画素電極、14A駆動
用の薄膜トランジスタ(TFT)、14B・・・プリセッ
ト用の薄膜トランジスタ(TFT)、15・・・共通電
極、16,17・・・配向膜、18・・・シール材、19液
晶、20・・・スペーサ、21,22・・・偏光板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09G 3/36 G02F 1/137 510

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向して配置された第1と第2の基板と、 前記第1の基板の前記第2の基板と対向する内面に、行
    方向及び列方向に複数マトリクス状に配置された画素電
    極と、 前記画素電に電流路の一端が接続された第1と第2の薄
    膜トランジスタと、 前記画素電極のマトリクスの列毎に配置され、対応する
    列の画素電極に電流路の一端が接続された複数の前記第
    1の薄膜トランジスタの電流路の他端に接続された第1
    の信号ラインと、 前記画素電極のマトリクスの列毎に配置され、対応する
    列の画素電極に電流路の一端が接続された複数の前記第
    2の薄膜トランジスタの電流路の他端に接続された第2
    の信号ラインと、 前記画素電極のマトリクスの行毎に配置され、列方向に
    隣接する2つの画素電極のうちの一方に電流路の一端が
    接続された前記第1の薄膜トランジスタのゲートに接続
    されると共に、他方の画素電極に電流路の一端が接続さ
    れた前記第2の薄膜トランジスタのゲートに接続される
    ゲートラインと、 前記第2の基板の前記第1の基板と対向する内面に、前
    記画素電極と対向させて配置された少なくとも1つの対
    向電極と、 前記第1の基板と前記第2の基板との間に封止された自
    発分極を有する液晶と、 を備える、ことを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】前記液晶は、印加された電圧の極性に応じ
    て、液晶分子が第1の方向に配列する第1の強誘電相又
    は第2の方向に配列する第2の強誘電相を示し、前記液
    晶のダイレクタは、閾値未満の電圧が印加されると、印
    加された電圧の極性と大きさとに応じて、第1と第2の
    方向の間の方向に向き、 前記第1と第2の方向の中間の方向に光学軸を有し、前
    記第1の基板又は前記第2の基板の外側に配置された第
    1の偏光素子と、前記第1の偏光素子の光学軸と実質的
    に垂直な方向に光学軸を有し、前記第2の基板の外側又
    は前記第1の基板の外側に配置された第2の偏光素子
    と、をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載
    の液晶表示素子。
  3. 【請求項3】前記ゲートラインに接続され、前記ゲート
    ラインにゲートパルスを順次印加することにより前記第
    1と第2の薄膜トランジスタをオンするゲートドライバ
    と、 前記第1の信号ラインに接続され、前記第1の信号ライ
    ンとオンした前記第1の薄膜トランジスタとを介して、
    選択された行の画素電極に表示階調に対応する階調電圧
    を供給するデータドライバと、 前記第2の信号ラインに接続され、前記第2の信号ライ
    ンとオンした前記第2の薄膜トランジスタとを介して、
    次に選択される行の画素電極に、当該画素電極と前記共
    通電極の間に封止された前記液晶を第1又は第2の強誘
    電相にせしめる配向電圧を供給するプリセットドライバ
    と、 をさらに備える、ことを特徴とする請求項2に記載の液
    晶表示素子。
  4. 【請求項4】前記データドライバは、前記プリセットド
    ライバにより配向電圧が印加された行の画素電極に、当
    該配向電圧の極性と異なる極性の階調電圧を印加する、 ことを特徴とする請求項3に記載の液晶表示素子。
  5. 【請求項5】前記データドライバと前記プリセットドラ
    イバとは、表示画素のフレーム毎、表示画素の行毎、及
    び/又は、表示画素の列毎に、前記第1と第2の信号ラ
    インにそれぞれ印加する電圧の極性を反転する、 ことを特徴とする請求項3又は4に記載の液晶表示素
    子。
  6. 【請求項6】前記画素電極の列毎に配置された複数の第
    2の信号ラインは、共通の導電路を介して一括して前記
    プリセットドライバに接続されている、ことを特徴とす
    る請求項3乃至5のいずれか1項に記載の液晶表示素
    子。
  7. 【請求項7】請求項1に記載の液晶表示素子を駆動する
    方法であって、 ゲートラインにゲートパルスを印加することにより、選
    択した行の画素電極に接続されている第1の薄膜トラン
    ジスタと、次のタイミングで選択する画素電極に接続さ
    れている第2の薄膜トランジスタをオンするステップ
    と、 前記第2の信号ラインとオンした第2の薄膜トランジス
    タを介して、次のタイミングで選択する行の画素電極と
    対向電極の間の液晶の液晶分子を所定の配列状態に配向
    させる配向ステップと、 第1の信号ラインとオンした前記第1の薄膜トランジス
    タを介して、選択した行の画素電極に表示階調に対応す
    る電圧を供給して階調表示を行う表示ステップと、 を備え、前記配向ステップと前記表示ステップを実質的
    に同時に行う、ことを特徴とする液晶表示素子の駆動方
    法。
  8. 【請求項8】強誘電相を示す液晶を用い、マトリクス状
    に配置された画素を備える液晶表示素子の駆動方法であ
    って、 前記液晶表示素子の画素のマトリクスの画素の行を順次
    選択し、 選択した行の画素に表示階調に対応する階調電圧を印加
    して階調表示を行い、実質的に同一のタイミングで、次
    のタイミングで選択する行の画素に、所定の電圧を印加
    して、前記階調電圧の印加に先立って液晶分子の配列状
    態を所定の配向状態に設定する、 ことを特徴とする液晶表示素子の駆動方法。
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JP2009503595A (ja) * 2005-08-02 2009-01-29 テールズ 液晶ディスプレイ装置用の能動マトリックス
CN100460973C (zh) * 2002-12-12 2009-02-11 乐金显示有限公司 铁电液晶在电场下的对准方法

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