JP2001091887A - レーザ走査装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 透過部材とハウジングとの当接面に隙間を生
じることなく保持して防音・防塵効果の優れたレーザ走
査装置を提供する。 【解決手段】 光源から出射されたレーザ光を鏡面に受
けて該鏡面を回転させることによりレーザ光を走査する
回転多面鏡５と、この回転多面鏡５を収容するととも
に、回転多面鏡５で反射されたレーザ光を外部に射出す
る射出開口１ｃが形成されたハウジング１と、射出開口
１ｃを塞ぐように設けられ、レーザ光を透過する透過部
材３とを備えたレーザ走査装置において、射出開口１ｃ
の周縁のハウジング１と透過部材３との間にシール部材
７が備えられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリン
タ、ファクシミリ等に用いられるレーザ走査装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】光源からのレーザ光を光偏向手段により
偏向させ、結像光学系により被走査面上に光スポットと
して集光し、光走査を行うレーザ走査装置が広く知られ
ている。また、このようなレーザ走査装置で被走査面に
合致するように配備された光導電性の感光体を光走査
し、電子写真プロセスによって画像形成を行う画像形成
装置も、複写機、プリンタ、ファクシミリ等に使用され
ている。上記の光偏向手段は、通常モータなどにより回
転駆動される回転多面鏡で構成されている。

【０００３】上記のようなレーザ走査装置を画像形成装
置に組み込む場合、多面鏡は防塵のために光源とともに
ハウジング内に納め、外気から遮断している。一方、レ
ーザ走査装置からのレーザ光を外部の感光体に出射する
ために、ハウジングの側面に出射窓を開口する必要があ
る。しかしながら、画像形成装置内にはトナーや作像工
程で種々のほこりやごみ等の塵が発生し、これら塵がレ
ーザ走査装置の出射窓から内部に侵入する可能性があ
る。そこで、これら塵の侵入を防ぐために透過性を有す
るガラスや合成樹脂材で作られた透過部材で出射窓を塞
ぐことが行われている。

【０００４】一方、この透過部材にも塵や汚れが付着す
ることがある。例えば、回転多面鏡の回転で発生する風
により塵が付着したり、回転多面鏡や透過部材の廻りに
浮遊していたホコリなどが付着したり、あるいは、この
レーザ走査装置の組立時やメンテナンス時に作業者が誤
って指などで触れて汚れなどを付着させてしまう場合が
ある。この透過部材に汚れが付着した場合、透過部材が
ハウジングに固定されていると、ハウジングを取り外さ
ない限り、その清掃は極めて困難であり、ハウジングに
取り付けた状態のために、透過部材の汚れが本当にきれ
いに取れたかどうかが判りにくいといった不具合があっ
た。また、透過部材は回転多面鏡に近接しているので、
この清掃時に誤って回転多面鏡に触れて、回転多面鏡に
汚れを付着させる可能性がある。さらに、透過部材や回
転多面鏡に汚れが付着したままであると、形成された画
像にスジが発生したり、画像濃度にムラが生じたりして
しまうため、塵や汚れの付着は完全に除去する必要があ
る。

【０００５】そこで、例えば特開平５−７２４９５号公
報には、汎用樹脂製のカバーで回転多面鏡を覆うととも
に、カバーに形成された射出窓の溝に透過部材であるガ
ラスを保持する汎用樹脂製のホルダを装着することが提
案されている。この先行技術においては、カバーからホ
ルダはカバーの溝に装着されるだけであるので、ホルダ
の取り外しは可能であり、カバーからホルダを外すこと
で、ガラスのみを清掃することは容易に行うことができ
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】レーザ走査装置におけ
るハウジングの一般的な材料は、アルミダイキャストや
樹脂材料が用いられ、また、透過部材はガラスや透過性
の樹脂材料を用いられている。上記特開平５−７２４９
５号公報ではカバーおよびホルダは汎用樹脂で作られ、
透過部材はガラスで作られており、カバーとホルダの合
わせ面およびホルダとガラスの合わせ面はそれぞれ、お
互いの剛性体面の合わせとなってしまう。そのため、お
互いの平面は完全なものとはならず、その合わせ面にお
いては微小な隙間が生じてしまう場合がある。この微小
な隙間が生じた場合、この回転多面鏡の廻りの密閉空間
が崩れ、防音効果・防塵効果が低下してしまうおそれが
生じる。したがって、上記特開平５−７２４９５号公報
の技術であると、透過部材を着脱可能とさせたことで、
すきまが生じることとなり上記の不具合が生じてしまう
ものである。

【０００７】本発明はこのような従来技術の実情に鑑み
てなされたもので、その第１の目的は、透過部材とハウ
ジングとの当接面に隙間を生じることなく保持して、防
音・防塵効果の優れたレーザ走査装置を提供することに
ある。

【０００８】本発明の第２の目的は、透過部材の脱着が
容易なレーザ走査装置を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、光源から出射されたレーザ光を鏡面に受
けて該鏡面を回転させることによりレーザ光を走査する
回転多面鏡と、この回転多面鏡を収容するとともに、前
記回転多面鏡で反射されたレーザ光を外部に射出する射
出開口が形成されたハウジングと、前記射出開口を塞ぐ
ように設けられ、前記レーザ光を透過する透過部材とを
備えたレーザ走査装置において、前記射出開口の周縁の
ハウジングと前記透過部材との間にシール部材を備え、
ハウジングと透過部材との間に隙間が発生するのを防止
し、防音効果・防塵効果の低下を防止している。

【００１０】この場合、前記シール部材を前記ハウジン
グに設け、透過部材を単体とし、清掃作業を行い易くす
るとよい。また、シール部材を前記透過部材に設け、シ
ール部材の取付け作業は透過部材を取り扱うだけにし、
取付け作業を容易にし、生産性を上げることも可能であ
る。さらに、前記シール部材を発泡ポリウレタン樹脂で
作るようにすると、樹脂注入の作業のみでシール部材が
形成でき、組立作業性のアップおよび組立作業のコスト
ダウンが可能になる。加えて、前記ハウジングに前記透
過部材を圧着固定するようにバネ部材をハウジングに固
定すると、このバネ部材の操作で透過部材の脱着を行う
ことができ、透過部材の清掃や交換を容易に行うことが
できる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、本発明の実
施の形態について説明する。

【００１２】図１は本発明の一実施形態におけるレーザ
走査装置の断面図、図２は図１の蓋部材を取り除き、一
部を断面した平面図、図３は図１の板バネおよびシール
部材を示す正面図、図４は図３のシール部材の構成を示
す断面図である。

【００１３】図１および図２において、ハウジング１
は、回転多面鏡５の周囲を矩形に取り囲む側壁１ａと、
この側壁１ａ内において回転多面鏡５を駆動するモータ
４を支持する底部１ｂと、側壁１ａの一辺に形成された
射出開口１ｃに面する部分にほぼ水平に延びるように設
けられた支持部１ｄとから構成されている。ハウジング
１の上部開口はカバー部材２により覆われ、射出開口１
ｃは側壁１ａの外面に位置する透過ガラスあるいは透過
性合成樹脂で作られた透過部材３で塞がれており、回転
多面鏡５のまわりは密閉空間とし、外部からの塵埃類の
進入を防ぐと共に、回転多面鏡４の回転による発生騒音
の外部への漏れを防止している。透過部材３はその下端
が支持部１ｄに支持される形で立設しており、ほぼ逆コ
の字状の板バネ６により側壁１ａに圧着固定されてい
る。板バネ６の基部６ａは、ネジ６ｂにより支持部１ｄ
に固定され、折り曲げられた２つの自由端６ｃ，６ｃに
よって、透過部材３を側壁１ａに圧着している。

【００１４】透過部材３と側壁１ａとの間には射出開口
１ｃを塞がないようにシール部材７が介在されている。
このシール部材７は、一般的な薄手のスポンジ材や発泡
ゴム材などの弾性材で作られている。図４に示すよう
に、シール部材７のハウジング１側の面には両面粘着テ
ープ７ａの一面が貼着されており、両面粘着テープ７ａ
の他方の面を側壁１ａに貼着することにより、ハウジン
グ１の側壁１ａに固定される。８はカバー部材２の裏面
に設けられたシール部材である。

【００１５】以上のように、ハウジング１の側壁１ａと
透過部材３との間には、シール材７が介在するので、両
者間のすきまを埋めることができ、防音効果・防塵効果
が低下することを防いでいる。また、透過部材３は、ハ
ウジング１に対しては板バネ６により係止される構成と
なっているので、透過部材３に汚れ・ホコリなどが付着
した場合、この板バネ６を外すことにより、透過部材３
をハウジング１から取り外すことができ、誤って回転多
面鏡５に汚れを付着させたり、汚れの清掃具合が確認し
づらいといった不具合無しに、透過部材３を清掃するこ
とができる。

【００１６】なお、シール部材７は、図５に示すよう
に、両面粘着テープ７ａによって透過部材３に固着して
もよい。シール部材７を透過部材３に貼り付ける作業
は、上述したハウジング１の側壁１ａに貼り付ける作業
に比べて容易であり、組立作業性を向上させることがで
きる。

【００１７】図６はシール部材のさらに別の構成を図６
により説明する。図６はシール部材のさらに別の構成示
す図で、（ａ）はその断面図、（ｂ）はその正面図であ
る。この例ではシール部材７′は発泡ポリウレタンで作
られている。この樹脂は、一般的に蓋のパッキンなどに
用いられるもので、２成分のポリウレタン材料を混合し
ながら透過部材３の一方の面の周縁に注入している。注
入されたポリウレタンは透過部材３上で発泡し、シール
を形成する。このように、透過部材３の周縁に２成分の
ポリウレタン材料を注入するだけで、シール部材７′が
形成できるので、上述したようにシール部材７を両面粘
着テープ７ａでハウジングまたは透過部材３に貼り付け
るという作業が省略でき、組立作業性のアップおよび組
立作業のコストダウンを図ることができる。なお、発泡
ポリウレタンによるシール部材７′は、ハウジング１の
側壁１ａの射出開口１ｃの周縁部に形成してもよいこと
は言うまでもない。

【００１８】

【発明の効果】これまでの説明から明らかなように、請
求項１記載の発明によれば、射出開口の周縁のハウジン
グと透過部材との間にシール部材が備えられているの
で、ハウジングと透過部材との間に隙間が発生するのを
防止することができ、防音効果・防塵効果の低下を防止
することができる。

【００１９】請求項２記載の発明によれば、シール部材
はハウジングに設けられているので、透過部材は単体と
なり、清掃作業が行い易くなる。

【００２０】請求項３記載の発明によれば、シール部材
は透過部材に設けられているので、シール部材の取付け
作業は透過部材を取り扱うだけで行え、取付け作業が容
易で生産性を上げることができる。

【００２１】請求項４記載の発明によれば、シール部材
は発泡ポリウレタン樹脂で構成されているので、樹脂注
入の作業のみでシール部材を形成でき、組立作業性のア
ップおよび組立作業のコストダウンを図ることができ
る。

【００２２】請求項５記載の発明によれば、ハウジング
に透過部材を圧着固定するようにハウジングに固定され
たバネ部材をさらに備えているので、このバネ部材の操
作で透過部材の脱着を行うことができ、透過部材の清掃
や交換を容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態におけるレーザ走査装置
の断面図である。

【図２】図１を蓋部材を取り除いて示す一部を断面で示
す平面図である。

【図３】図１の板バネおよびシール部材を示す正面図で
ある。

【図４】図３のシール部材の構成を示す断面図である。

【図５】シール部材の別の構成を分解して示す分解斜視
図である。

【図６】シール部材のさらに別の構成を示す図で、
（ａ）はその断面図、（ｂ）はその正面図である。

【符号の説明】

１ ハウジング １ａ 側壁 １ｂ 底部 １ｃ 射出開口 １ｄ 支持部 ３ 透過部材３ ５ 回転多面鏡 ６ 板バネ ７，７′ シール部材 ７ａ 両面粘着テープ

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光源から出射されたレーザ光を鏡面に受
   けて該鏡面を回転させることによりレーザ光を走査する
   回転多面鏡と、この回転多面鏡を収容するとともに、前
   記回転多面鏡で反射されたレーザ光を外部に射出する射
   出開口が形成されたハウジングと、前記射出開口を塞ぐ
   ように設けられ、前記レーザ光を透過する透過部材とを
   備えたレーザ走査装置において、 前記射出開口の周縁のハウジングと前記透過部材との間
   にシール部材が設けられていることを特徴とするレーザ
   走査装置。
2. 【請求項２】 前記シール部材は前記ハウジングに設け
   られていることを特徴とする請求項１記載のレーザ走査
   装置。
3. 【請求項３】 前記シール部材は前記透過部材に設けら
   れていることを特徴とする請求項１記載のレーザ走査装
   置。
4. 【請求項４】 前記シール部材は発泡ポリウレタン樹脂
   であることを特徴とする請求項１ないし３項のいずれか
   １項に記載のレーザ走査装置。
5. 【請求項５】 前記ハウジングに前記透過部材を圧着固
   定するように前記ハウジングに固定されたバネ部材をさ
   らに備えていることを特徴とする請求項１ないし４のい
   ずれか１項に記載のレーザ走査装置。