JP2001091527A - 歯付リング及びその製造方法 - Google Patents

歯付リング及びその製造方法

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JP2001091527A
JP2001091527A JP27022799A JP27022799A JP2001091527A JP 2001091527 A JP2001091527 A JP 2001091527A JP 27022799 A JP27022799 A JP 27022799A JP 27022799 A JP27022799 A JP 27022799A JP 2001091527 A JP2001091527 A JP 2001091527A
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toothed ring
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Yoshinori Nagai
美憲 長井
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Press Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 同じセンサ位置のまま小径のハブにも対応可
能であると共に、センシング孔深さを大きくとれ、か
つ、軽量な歯付リングと、かかる歯付リングをプレス加
工により容易、かつ、安価に製造する方法とを提供する
ものである。 【解決手段】 フランジ状のセンシング部3とその外周
端に折曲状に連なる円筒状の軸受け部2とを有した板金
製歯付リングであって、上記軸受け部2のうち、上記セ
ンシング部3から軸方向に離れた第一部分13を、これ
よりセンシング部3側に位置する第二部分12よりも縮
径させたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯付リング及びそ
の製造方法に係り、特に、回転部材の回転検出のために
用いられるセンサリングとしての板金製歯付リング及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車のアンチロックブレーキ装置に
は、車軸の回転検出のためにセンサリングが用いられて
いる。センサリングは、車軸のハブなどの回転部材に圧
入嵌合される円筒状の軸受け部と、この軸受け部と一体
に形成されたフランジ状のセンシング部とを備えてお
り、このセンシング部に形成されたセンシング孔間の歯
を近接センサ(磁気センサ等)で検出することにより、
回転部材の回転延いては回転数・回転速度を検出してい
る。
【0003】センサリングの一例として、図15に示す
ように、円筒状の軸受け部142と、軸受け部142の
内径側に延出するフランジ状のセンシング部143とを
有したセンサリング141が挙げられる。ここで、セン
シング部143には矩形状のセンシング孔4が全周に亘
って等ピッチで形成されており、そのセンシング孔4間
に歯149が形成されている。
【0004】このセンサリング141の軸受け部142
が、軸心Cを中心として略円筒状に形成された車軸のハ
ブ145に圧入嵌合されている。すなわち、ハブ145
の外周には圧入部147が形成されており、ストッパ面
である段差部146に突き当たるまでセンサリング14
1が圧入部147に圧入嵌合される。さらに、センシン
グ部143のセンシング孔4に対向して、磁気センサ
(近接センサ)14が設置され、回転するセンサリング
141の歯149とセンシング孔4とを交互に検出する
ようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ハブの圧入
部の外径は機種等に応じて様々であり、図示する圧入部
147よりも小径の圧入部を有したハブもある。この小
径ハブに対して図示するセンサリング141を用いるこ
とはできないため、別個にセンサリングが必要となる。
【0006】一方、このような小径ハブを用いる時で
も、磁気センサの位置が変わらない場合がある。この
時、仮に小径ハブに合わせてセンサリングを小径のもの
とすると、歯やセンシング孔の位置が径方向内側にズレ
てしまうことから、磁気センサの位置から外れてしま
い、検出が不可能になってしまう。本来、歯やセンシン
グ孔の径方向中心位置と磁気センサの中心位置とは一致
しているのが理想だが、センサリングの小径化に合わせ
てセンシング孔等の位置を径方向内側に移動させると、
もはや、同じセンサ位置では検出ができなくなってしま
う。
【0007】センサ14の位置は同じまま、小径のハブ
155にも対応可能なセンサリングとして、図16に示
すセンサリング151が挙げられる(特開平10−22
7804号公報)。このセンサリング151は、軸受け
部152のセンシング部側の部分を、センシング部3に
密着するまで径方向内側に折り返すことによって、折返
し部160および重ね合わせ部161を形成すると共
に、センシング部153に垂直な縮径部163を形成し
たものである。
【0008】しかし、このセンサリング151において
は、軸受け部152の縮径度合いを大きくすると、重ね
合わせ部161が、センシング孔4に一部(図16中の
Eの部分)被さってしまう。このため、センサ14から
見た時の実質的なセンシング孔深さHが、センシング孔
4の高さh2 、即ち、金属板材の板厚そのものとなって
しまい、センシング孔深さHを、センシング孔4の高さ
2 よりも高くとることができなかった。
【0009】センシング精度を向上させるには、センシ
ング孔深さHを大きくした方が有利だが、上記構造でこ
れを行おうとすると、センサリング151に用いる金属
板材の厚さを厚くしなければならないため、その結果、
センサリング151の重量増を招いてしまうという問題
があった。
【0010】そこで、本発明の目的は、同じセンサ位置
のまま小径のハブにも対応可能であると共に、センシン
グ孔深さを大きくとれ、かつ、軽量な歯付リング及びそ
の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る歯付リング
は、フランジ状のセンシング部とその外周端に折曲状に
連なる円筒状の軸受け部とを有した板金製歯付リングで
あって、上記軸受け部のうち、上記センシング部から軸
方向に離れた第一部分を、これよりセンシング部側に位
置する第二部分よりも縮径させたものである。
【0012】これによれば、軸受け部のうち、センシン
グ部から軸方向に離れた第一部分のみが縮径され、第一
部分がセンシング部に密着しないので、センシング孔深
さを大きくとることができる。
【0013】ここで、上記センシング部に全周等ピッチ
でセンシング孔が設けられ、該センシング孔の外周端の
径方向位置は、上記第一部分の内周面の径方向位置より
も径方向外側に位置されるものが好ましい。
【0014】さらに、上記センシング孔の外周端の位置
と、上記第二部分の内周面の位置とを、略同じ径方向位
置としたものが好ましい。
【0015】一方、本発明に係る歯付リングの製造方法
によれば、リング状金属板材を、フランジ状のセンシン
グ部とその外周端に折曲状に連なる円筒状の軸受け部と
を有した加工品とする第1工程と、該加工品の軸受け部
のうち、センシング部から軸方向に離れた部分に、縮径
加工を施す第2工程とを備えたものである。
【0016】また、本発明に係る歯付リングの製造方法
は、リング状金属板材に絞り加工を施し、フランジ状の
センシング部とその外周端に折曲状に連なる円筒状の軸
受け部とを有した加工品を形成し、その後、該加工品の
センシング部にピアス加工を施してセンシング孔を形成
した後、上記軸受け部のうち、センシング部から軸方向
に離れた第一部分に縮径加工を施し、該第一部分を、こ
れよりセンシング部側に位置する第二部分よりも縮径さ
せるものである。
【0017】これによれば、かかる歯付リングを容易、
かつ、安価に製造することができる。
【0018】ここで、上記軸受け部の内周面の位置と略
同じ径方向位置に、センシング孔の外周端が位置するよ
うにピアス加工を行うことが好ましい。
【0019】さらに、上記センシング孔に、これより高
さ寸法の大きい金型の突起を嵌合させ、該突起により上
記第二部分の内周面を拘束しつつ、上記第一部分の縮径
加工を行うことが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳述する。
【0021】本発明のセンサリング1とハブ5との取付
け状態を図1に示す。図1におけるD方向矢視図を図2
に示す。尚、図16と同様の部材には同じ符号を付して
いる。
【0022】図1に示すように、本発明のセンサリング
1は、板厚がh2 の金属板材20を曲折してなり、フラ
ンジ状のセンシング部3と、そのセンシング部の外周端
に折曲状に連なり、かつ、軸心Cを中心とした円筒状の
軸受け部2とを有しており、そのセンシング部3の径方
向外側寄りには、矩形状又は略矩形状のセンシング孔4
が全周に亘って等ピッチで形成されている。
【0023】特に、本発明のセンサリング1において
は、軸受け部2のうち、センシング部3から軸方向に距
離h1 (h1 >0)以上離れた軸方向長さlの第一部分
13を、これよりセンシング部3側に位置する第二部分
12よりも縮径させている。
【0024】ここで、第二部分12は、センシング部3
に垂直で、かつ、センシング部3側に位置する垂直部分
12aと、垂直部分12aの上端部で径方向内側に折れ
曲がり、第一部分13に連なる折曲部分12bとで構成
される。また、第一部分13が、車軸のハブ5の後述す
る圧入部7に圧入嵌合される。このように、縮径部とし
ての第一部分13は、センシング部3に密着していな
い。
【0025】センシング孔4の外周端の径方向位置B
は、第一部分13の内周面の径方向位置Aよりも径方向
外側に位置している。また、センシング孔4の外周端の
径方向位置Bと、第二部分12の垂直部分の内周面の径
方向位置(図示せず)とは、略同じ径方向位置となって
いる。
【0026】ハブ5は、軸心Cを中心として略円筒状に
形成されたものであり、その外周には圧入部7が形成さ
れている。第一部分13の端部(図1中では上端部)が
ハブ5の大径側(図1中では上側)の段差部6に突き当
たるまで、センサリング1がハブ5に圧入嵌合される。
この時、圧入長さを長くとるために、第一部分13の軸
方向長さlは、圧入部7の軸方向長さよりも長い方が好
ましい。すなわち、第一部分13は、第二部分12を介
してセンシング部3から軸方向に距離h1 以上離れてい
るため、センシング部3の上面とハブ5の端面8とは密
着せず、その間に隙間S(S≧h1 )が形成される。よ
って、センシング孔深さは、Aの位置よりも径方向外側
ではh2 +h1 、Bの位置よりも径方向内側ではh2
Sとなり、いずれにしてもh2 より大きくなる。
【0027】ここでのセンシング孔4は、図2に示すよ
うに、径方向に長い略長方形状とされる。センシング孔
4における径方向内側および外側の端部の形状は、図2
(a)に示すように両方を角状、図2(b)に示すよう
に両方を丸状、図2(c),(d)に示すように、一方
を丸状とし、他方を角状とすることができる。パンチ、
ダイスの強度および耐久性を向上させるには、丸状の方
が好ましい。
【0028】また、センサリング1を構成する金属板材
20としては、例えば、SPHC(JIS規格)などの
熱間圧延鋼板などが挙げられるが、各種加工(絞り加
工、ピアス加工、縮径加工など)が可能な磁性材料であ
れば特に限定するものではない。
【0029】次に、上記センサリング1の製造方法及び
その作用を説明する。
【0030】本発明のセンサリング1の製造に用いるリ
ング状金属板材21の斜視図を図3に、絞り加工後の第
1加工品31の斜視図を図4に、リストライク加工後の
第2加工品41の斜視図を図5に、ピアス加工後の第3
加工品51の斜視図を図6に示す。
【0031】先ず、図3に示すように、板厚h2 の金属
板材(例えば、熱間圧延鋼板)20にブランク加工を施
して、穴22を有したリング状金属板材21を形成す
る。
【0032】次に、この板材21に絞り加工(縮みフラ
ンジ加工)を施して、図4に示すように、円筒状の壁部
32と底部33を有する第1加工品31を形成する。こ
の壁部32が後工程においてセンサリングの軸受け部に
なり、また、底部33が後工程においてセンサリングの
センシング部になる。
【0033】その後、この第1加工品31の壁部端面3
2aに対して軸方向に圧縮加工(リストライク加工)を
施して、壁部32と底部33との境界部の曲率半径Rを
内・外側とも小さくすると共に、壁部32の厚みはその
ままに高さだけを圧縮し、図5に示すように、軸受け部
42とセンシング部43を有する第2加工品41を形成
する。
【0034】次に、図6、図7に示すように、第2加工
品41のセンシング部43における径方向外側の周縁部
にピアス加工を施して、矩形状のセンシング孔4を全周
に亘って等ピッチで形成し、第3加工品51を形成す
る。これによって、センシング部3のセンシング孔4間
に歯55が形成される。このピアス加工の際、第2加工
品41における軸受け部42の内周面の径方向位置とセ
ンシング孔4の外周端の径方向位置とが、略同じ径方向
位置となるようにする。
【0035】ここで、センシング孔4の加工方法は上述
のごときピアス(プレス)加工に限定するものではな
く、例えば、レーザ切断加工等の他の方法であってもよ
い。また、第1加工品31に対するリストライク加工を
省略し、第1加工品31にピアス加工を施すようにして
もよい。さらに、板材21〜第3加工品51の加工に用
いられる金型は、従来の場合と同じものを使用すること
ができる。
【0036】その後、第3加工品51の軸受け部52の
うち、センシング部3から軸方向に離れた軸方向長さl
の第一部分13を、これよりセンシング部3側に位置す
る第二部分12よりも縮径させるべく、第3加工品51
を、先ず、図10に示す折曲げ装置101aにセットす
る。
【0037】ここで、折曲げ装置101aは、図10に
示すように、基台109と、基台109上面にセットさ
れ、第3加工品51を嵌合させるためのセンシング孔変
形防止型106、下型104、および軸受け部変形防止
型110と、型106および下型104に嵌合された状
態の第3加工品51を上から押さえ付けるための上型1
02と、上型102側から基台109側にプレスを行う
プレス手段107とで構成されるものである。
【0038】基台109上面にセットされるセンシング
孔変形防止型106は、第3加工品51と同じ外径を有
したリング状の型である。型106の上面部には、図1
4に示すように、第3加工品51のセンシング孔4と同
じ形状で、かつ、図6,7に示した歯55の軸方向高さ
より高い突起106aが形成されている。すなわち、突
起106aの上面は、第3加工品51の歯55(センシ
ング部)の上面から突出している。また、突起106a
の径方向外周面と上面とが形成する角部106cは、僅
かにアール面に形成されている。尚、この突起106a
は、型106と一体に形成されたもの又は別体に形成さ
れたもののどちらであってもよい。
【0039】下型104は型106の穴106b内に嵌
合状態でセットされ、その上面部には第3加工品51の
穴22に嵌合する突起104aが形成されている。ま
た、下型104の突起104aを除いた部分の上面と型
106の突起106aを除いた部分の上面とは、共に第
3加工品51の載置面をなし、互いに面一となってい
る。さらに、突起104aは穴22に対する位置決めの
突起であり、その軸方向高さは、第3加工品51の穴2
2の軸方向高さよりも低くなっている。また更に、下型
104の下面にはクッションピン105が接続されてい
る。クッションピン105に選択的に上向き(プレス方
向と逆向き)の力が作用され、プレス加工後に下型10
4がイジェクト力を発生させられるようになっている。
【0040】型110はリング状の一体型であり、型1
06の外周に密着し、かつ、内周壁上端で第3加工品5
1の軸受け部52の曲げR部外周(すなわち、センシン
グ部3の外周端)を外側から拘束するようになってい
る。尚、型110の上面高さ位置は、突起106aの上
面高さ位置と等しくなっている。
【0041】上型102は図1に示したハブ5の圧入部
7外径より僅かに小さい外径を有しており、第3加工品
51の軸受け部52の内径より小さい外径を有する。上
型102の上面にはシリンダのシャフト103が接続さ
れており、上型102が昇降可能になっている。また、
上型102の下面には、第3加工品51の上面に突出し
た突起106aの内周部に嵌合させるべく、嵌合部10
2aおよび段差部102bが形成されている。ここで、
シャフト103は後述する昇降型107aを挿通して設
けられており、上型102とプレス手段107とを独立
して昇降させることが可能となっている。
【0042】プレス手段107は、昇降型107aとリ
ング状の縮径型108とで構成されており、昇降型10
7aの下面側に縮径型108が着脱自在に設けられてい
る。縮径型108の径方向内周側における下部角108
aは、直線部108bと直線部108b両端のアール部
108cとで形成されている。また、昇降型107aの
上面には縮径手段107全体を昇降させるための駆動装
置(図示せず)が接続されている。
【0043】軸受け部52の折曲げ加工は、先ず、折曲
げ装置101aのプレス手段107および上型102を
上昇させておく。
【0044】次に、第3加工品51のセンシング孔4を
型106の突起106aに、穴22を突起104aに嵌
合させ、第3加工品51を型104および型106の上
面に載置し、かつ、型110の内周壁上端で、第3加工
品51の軸受け部52の曲げR部外周を外側から拘束す
る。この時、突起106aはその上面がセンシング孔4
から突出していると共に、突起104aは全体が穴22
内に収まっている。また、センシング孔4の外周端面、
第3加工品51の軸受け部52の内周面、および突起1
06aの径方向外周面が略同じ径方向位置となってい
る。さらに、型110の拘束によって、折曲げ加工時、
第3加工品51の軸受け部52の下端部52a(図7参
照)が径方向外側に変形するのを防止する。
【0045】その後、上型102を下降させて第3加工
品51を押さえ付けた後、プレス手段107を下降させ
て折曲げ加工を行う。これによって、縮径型108の下
部角108aに倣って、かつ、突起106aの角部10
6cを支点にして、軸受け部52が径方向内側に傾けら
れ、第4加工品71となる。
【0046】この時、第3加工品51における軸受け部
52の第二部分12の内周面を、突起106aの径方向
外周面により拘束した状態で、第一部分13の縮径加工
を行っているため、図8に示すように、第二部分12の
内周面におけるセンシング部3側に、センシング部3と
垂直な垂直部分12aが形成される。この垂直部分12
aの軸方向高さh3 は、突起106aの径方向外周面に
おける垂直部の軸方向高さによって決定されるものであ
る。
【0047】折曲げ加工の最終工程後、プレス手段10
7、上型102を順次上昇させる。そして、下型104
にイジェクト力を付加し、第4加工品71を型104,
106から外す。
【0048】その後、ロボットアーム(図示せず)など
の手段を用い、イジェクトされた第4加工品71を、図
12に示す縮径装置101bにセットし、縮径加工を行
う。
【0049】ここで、縮径装置101bと、図10に示
した折曲げ装置101aとは、縮径型108,118の
形状が異なる以外は同じ構成となっている。すなわち、
図12に示すように縮径装置101bにおける縮径型1
18の下部角118aは、折曲げ装置101aにおける
縮径型108の下部角108aよりも小さくなってい
る。
【0050】縮径加工は、折曲げ加工と同様の手順で行
い、第4加工品71の軸受け部72における第一部分1
3を縮径する。
【0051】この時、縮径装置101bの昇降型107
aに取り付けられる縮径型118として、下部角118
aのアール径の異なるものが複数個用意されており、縮
径加工の加工率に応じて、適当なアール径を有した縮径
型118を、昇降型107aに取り付けておく。この縮
径型118の下部角118aのアール径を小さくするこ
とで、後述するセンサリング1の軸受け部2の第二部分
12における折曲部の折曲率が大きくなる。また、上型
102の外径、および図10〜図12に示した縮径型1
08,118の内径を小さくすることで、センサリング
1の軸受け部2の第二部分12における縮径度合いが大
きくなる。
【0052】縮径加工の最終工程後、プレス手段10
7、上型102を順次上昇させる。そして、下型104
にイジェクト力を付加し、第5加工品81を型104,
116から外す。
【0053】その後、ロボットアーム(図示せず)など
の手段を用い、イジェクトされた第5加工品81を、図
13に示すリストライク装置101cにセットし、折曲
げ加工および縮径加工と同様の手順で、リストライク加
工を行う。
【0054】ここで、リストライク装置101cと、図
12に示した縮径装置101bとは、縮径型118,1
28の形状が異なる以外は同じ構成となっている。すな
わち、図13に示すようにリストライク装置101cに
おけるリストライク型128の径方向内周側下端にはリ
ストライク半製品拘束部128aが形成されており、こ
のリストライク半製品拘束部128aと上型102の側
面とで形成される空間に、第5加工品81の軸受け部8
2の上部が収容される。
【0055】このリストライク加工により、第5加工品
81の軸受け部82の内周面が、突起126aの径方向
外周面、角部126c、および上面、及び上型102の
側面に密着し、センサリング半製品91となる。
【0056】リストライク加工の最終工程後、プレス手
段107、上型102を順次上昇させる。そして、下型
104にイジェクト力を付加し、センサリング半製品9
1を型104,126から外す。
【0057】このセンサリング半製品91にトリム加工
を施し、図8に示したセンシング部3の径方向内側にあ
る余剰部3bを切除することで、図9に示すように、軸
受け部2のうち、センシング部3から軸方向に距離h1
以上離れた軸方向長さlの第一部分13が、これよりセ
ンシング部3側に位置する第二部分12よりも縮径され
たセンサリング1が得られる。
【0058】図16に示したセンサリング151におい
ては、軸受け部152の縮径度合いを大きくすると、重
ね合わせ部161がセンシング孔4に被さってしまうた
め、センシング孔深さHを、センシング孔4の高さh2
よりも高くとることができなかった。
【0059】これに対して、図1に示す本発明のセンサ
リング1によれば、軸受け部2のうち、縮径部分である
第一部分13は、センシング部3から軸方向に距離h1
以上離れているため、第一部分13がセンシング部3に
密着することはない。
【0060】このため、第一部分13の縮径度合いを大
きくしても、軸受け部2(第一部分13)がセンシング
孔4に被さってしまうことはなく、第一部分13の縮径
度合いの自由度が増す。
【0061】また、センシング孔深さは、Aの位置より
も径方向外側ではh2 +h1 、Bの位置よりも径方向内
側ではh2 +Sとなり、センシング孔4の高さh2 より
も高く、即ち金属板材20の板厚高さh2 よりも高くと
ることができるようになる。
【0062】さらに、センシング孔深さの調節は、第一
部分13のセンシング部3からの離間距離h1 、第一部
分13の軸方向長さl、および金属板材20の板厚高さ
2を適宜調節することで可能である。よって、センシ
ング精度を高めるべく、センシング孔深さを大きくする
場合、使用する金属板材20の板厚高さh2 はそのまま
で、離間距離h1 のみを高くするという対応も可能であ
る。すなわち、センサリング1の重量増を招くことな
く、センシング孔深さを大きくすることができる。
【0063】また更に、センシング孔4の外周端の径方
向位置Bを、第二部分12の垂直部分の内周面の径方向
位置と、略同じ径方向位置としているため、すなわち、
センシング孔4を可能な限り径方向外側に位置させてい
るため、センシング孔4を可能な限りたくさん形成する
ことができ、延いては、センシングの検出精度向上に寄
与することができる。
【0064】一方、本発明のセンサリング1の製造方法
によれば、かかる特徴を有するセンサリング1を、短時
間で、容易、かつ、安価に板金製造することができる。
【0065】また、100〜300トンクラスの汎用プ
レス機械を使用できると共に、複雑なプレス加工を必要
としないことから一般的な板材及びプレス油を使用で
き、センサリング1の製造のための設備コストおよびラ
ンニングコストを抑えることができる。
【0066】なお、プレス加工以外の方法、すなわち、
焼結加工、機械加工、冷間鍛造加工などの方法でも、本
発明のセンサリング1と同形状のものを製造することが
可能であるが、製造コストの高騰を招いたり、製造に時
間が掛かったり、成形できる歯形状に制限があったりす
るという様々な問題がある。
【0067】以上、本発明の実施の形態は他にも種々の
ものが想定され、周方向の一部を縮径させてもよい。ま
た、本発明は、自動車の車軸の回転を検出するセンサリ
ングに限らず、様々な歯付リングに応用することができ
る。
【0068】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、フランジ
状のセンシング部とその外周端に折曲状に連なる円筒状
の軸受け部とを有した板金製歯付リングの軸受け部のう
ち、センシング部から軸方向に離れた第一部分を、これ
よりセンシング部側に位置する第二部分よりも縮径させ
ることで、縮径部分である第一部分とセンシング部とが
密着することはないという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセンサリング1とハブ5との取付け状
態を示す図である。
【図2】図1におけるD方向矢視図である。
【図3】本発明のセンサリング1の製造に用いるリング
状金属板材21の斜視図である。
【図4】絞り加工後の第1加工品31の斜視図である。
【図5】リストライク加工後の第2加工品41の斜視図
である。
【図6】ピアス加工後の第3加工品51の斜視図であ
る。
【図7】図6の縦断面図である。
【図8】図6における第3加工品51に折曲げ加工を施
してなる第4加工品71の縦断面図である。
【図9】本発明のセンサリング1の縦断面図である。
【図10】第3加工品51を折曲げ装置101aにセッ
トした時の縦断面図である。
【図11】第3加工品51の軸受け部52に折曲げ加工
を施して第4加工品71とした時の縦断面図である。
【図12】第4加工品71に縮径加工を施して第5加工
品81とした時の縦断面図である。
【図13】第5加工品81にリストライク加工を施して
センサリング半製品91とした時の縦断面図である。
【図14】縮径装置101aにおけるセンシング孔変形
防止型106の突起106aと第3加工品51との嵌め
合い状態を示す部分断面斜視図である。
【図15】従来のセンサリング141とハブ145との
取付け状態を示す図である。
【図16】従来のセンサリング151とハブ155との
取付け状態を示す図である。
【符号の説明】
2,32,42,52,92,132,142 軸受け
部 3,33,43 センシング部 4 センシング孔 12 第二部分 13 第一部分 21 リング状金属板材 31 第1加工品(加工品) 106a,116a,126a 突起 A 軸受け部の径方向最内側の位置 B センシング孔の径方向最外側の位置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フランジ状のセンシング部とその外周端
    に折曲状に連なる円筒状の軸受け部とを有した板金製歯
    付リングであって、上記軸受け部のうち、上記センシン
    グ部から軸方向に離れた第一部分を、これよりセンシン
    グ部側に位置する第二部分よりも縮径させたことを特徴
    とする歯付リング。
  2. 【請求項2】 上記センシング部に全周等ピッチでセン
    シング孔が設けられ、該センシング孔の外周端の径方向
    位置は、上記第一部分の内周面の径方向位置よりも径方
    向外側に位置される請求項1記載の歯付リング。
  3. 【請求項3】 上記センシング孔の外周端の位置と、上
    記第二部分の内周面の位置とを、略同じ径方向位置とし
    た請求項2記載の歯付リング。
  4. 【請求項4】 リング状金属板材を、フランジ状のセン
    シング部とその外周端に折曲状に連なる円筒状の軸受け
    部とを有した加工品とする第1工程と、該加工品の軸受
    け部のうち、センシング部から軸方向に離れた部分に、
    縮径加工を施す第2工程とを備えたことを特徴とする歯
    付リングの製造方法。
  5. 【請求項5】 リング状金属板材に絞り加工を施し、フ
    ランジ状のセンシング部とその外周端に折曲状に連なる
    円筒状の軸受け部とを有した加工品を形成し、その後、
    該加工品のセンシング部にピアス加工を施してセンシン
    グ孔を形成した後、上記軸受け部のうち、センシング部
    から軸方向に離れた第一部分に縮径加工を施し、該第一
    部分を、これよりセンシング部側に位置する第二部分よ
    りも縮径させることを特徴とする歯付リングの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 上記軸受け部の内周面の位置と略同じ径
    方向位置に、センシング孔の外周端が位置するようにピ
    アス加工を行う請求項5記載の歯付リングの製造方法。
  7. 【請求項7】 上記センシング孔に、これより高さ寸法
    の大きい金型の突起を嵌合させ、該突起により上記第二
    部分の内周面を拘束しつつ、上記第一部分の縮径加工を
    行う請求項6記載の歯付リングの製造方法。
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