JP2001091414A - 異常判定方法および装置 - Google Patents

異常判定方法および装置

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JP2001091414A
JP2001091414A JP26468599A JP26468599A JP2001091414A JP 2001091414 A JP2001091414 A JP 2001091414A JP 26468599 A JP26468599 A JP 26468599A JP 26468599 A JP26468599 A JP 26468599A JP 2001091414 A JP2001091414 A JP 2001091414A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動部を有する製品の種々の正常、異常を安
定して判定することができるようにした異常判定方法お
よび装置を提供する。 【解決手段】 計測データを保存することと、入力され
た計測データまたは保存データから人による検査対象物
の異常判定結果と装置による検査対象物の異常判定結果
とを記録することと、記録した人による異常判定結果と
装置による異常判定結果との一致度合いを検証すること
と、検証結果が所定レベル以下の場合は保存データを元
にして上記判定基準値を修正することと、を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、モータやコンプ
レッサ等の振動部を有する製品の異常を判定する異常判
定方法および装置に関し、詳しくは、異常判定の自動化
立ち上げをシミュレーションで実施することにより最適
な異常判定基準を簡易迅速に獲得することができ、かつ
精度のよい異常判定ができるようにした異常判定方法お
よび装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、生産工場において、モータやコ
ンプレッサ等の振動部を有する機器やこれら振動部を有
する機器を用いた製品、これら振動部を有する機器によ
り駆動される製品の正常、異常を判定する場合は、製品
出荷前に製品を実際に稼動させて、検査員が、異常音が
発生しないか否かを耳で聞いたり、手で触って振動を確
認したりするいわゆる官能検査で正常、異常を判定し、
これによって品質保証を行なっている。
【0003】しかし、上記検査員による官能検査による
製品の正常、異常の判定結果は、個人差や時間による変
化などによりばらつきが大きく、さらに、上記官能検査
による判定結果は、データ化、数値化が難しく、その管
理も困難であるという問題がった。
【0004】そこで、上記製品の正常、異常の判定の自
動化が考えられており、この自動化を可能にする従来の
技術としては、図31に示す自動判定装置が提案されて
いる。
【0005】図31において、この自動判定装置は、検
査対象物10に、加速度センサ11を配設し、この加速
度センサ11の計測信号に基づき検査対象物10の正
常、異常を判定する。
【0006】検査対象物10に配設された加速度センサ
11から出力される検査対象物10の測定信号は、ま
ず、アンプ12で増幅され、その後、A/D変換器(ア
ナログ/ディジタル変換器)13でディジタル計測デー
タに変換され、特徴量抽出部14に入力される。特徴量
抽出部14では、上記ディジタル計測データの特徴量を
抽出し、この特徴量データを判定部15に入力する。判
定部15では特徴量抽出部14から入力された特徴量デ
ータに基づいて検査対象物10の正常、異常を判定し、
外部に判定結果を出力する。図31において、A/D変
換器13、特徴量抽出部14及び判定部15より識別機
構20が構成されている。
【0007】図32は、図31に示した識別機構20を
FFT(高速フーリエ変換)アナライザという計測器を
組み込んだコンピュータシステムで構成した場合の構成
図である。
【0008】図32において、検査対象となる製品に取
り付けた加速度センサ等のセンサからのアナログ信号は
まずFFTアナライザ17に入力される。FFTアナラ
イザ17では、入力されたアナログ信号をディジタル信
号に変換するとともに所定の前処理をしてFFTによる
周波数軸波形へ変換し、この周波数軸波形へ変換された
信号から特定周波数帯の成分を抽出する。コンピュータ
18は、この抽出された特定周波数帯の成分から特定周
波数帯の特徴量を算出し、この特徴量を予め設定された
しきい値と比較して検査対象物10の正常、異常を判定
する。
【0009】ここで、FFTアナライザ17における処
理は、図33に示すように、時間波形χ(t)はフーリ
エ変換により周波数成分X(ω)に変換することがで
き、周波数成分X(ω)はフーリエ逆変換により時間波
形χ(t)に変換できるという関係を利用したFFTを
用いて周波数解析を行なうもので、前処理された信号を
FFTを用いた周波数解析技術を用いて周波数成分X
(ω)の集合からなる周波数軸波形へ変換するものであ
る。
【0010】また、上記FFTを用いた周波数解析以外
の手法を用いた技術としては、図34に示すような、い
わゆるフィルタ方式という手法が知られている。
【0011】図34において、このフィルタ方式による
解析手法は、検査対象となる製品に取り付けた加速度セ
ンサ等のセンサからのセンサ信号をアナログ/ディジタ
ル変換部(A/D変換部)31によりディジタル信号に
変換する。このA/D変換部31により変換されたディ
ジタル信号を周波数フィルタなどの前処理部32で前処
理し、この前処理された信号から特定周波数帯成分や指
標関数による特徴量抽出部33で特徴量を抽出する。そ
して、この特徴量をファジィやニューロによる判定部3
4で予め設定されたしきい値と比較して判定することに
より製品の正常、異常を判定する。
【0012】ここで、検査対象物10の正常、異常は、
図32に示したコンピュータ18、図34に示した判定
部34で行なわれるが、図32では抽出された特定周波
数帯の特徴量を予め設定されたしきい値と比較すること
によって検査対象物10の正常、異常を判定し、図34
では特定周波数帯成分や指標関数による特徴量を予め設
定されたしきい値と比較することによって製品の正常、
異常を判定している。
【0013】ところで、上記の如く、人間の官能検査に
代って自動化しようとする場合、それまでの人間の官能
検査が一般に高い水準にあったので、従来の人間による
官能検査と同等以上の判定能力を具備させるためには、
上記判定のためのしきい値の設定作業に膨大な時間を要
した。
【0014】図35は、従来の上記しきい値の設定作業
の処理手順を示すフローチャートである。
【0015】この処理では、まず、試料をn個(n=1
0〜30)用意し、サンプルテストを行なう(ステップ
100)。このサンプルテストは同一試料について従来
の官能検査員の聴感による検査と、装置による検査を行
ない、官能検査員の聴感による検査結果と装置による検
査結果に一定以上の相関性があるかどうかを調べるため
のものである。試料が片寄っている場合、テスト方法や
テスト対象となる特徴量が適当でない場合等では、正確
な検査ができないからである。
【0016】検査は、例えば図36の評点表40に示す
ごとく、製品(検査対象物)の状態について、「非常に
悪い」の1から「非常に良い」の5までの5段階で評価
し、「非常に悪い」と「悪い」を不合格とし、「やや悪
いが合格レベル」、「良い」及び「非常に良い」を合格
とする。
【0017】次に、ステップ100のサンプルテストが
終了すると、テスト結果を検証する(ステップ10
2)。検証では、同一試料についての官能検査員の聴感
による検査結果と装置による検査結果とを照合し、両者
に一定以上の相関性があるかどうかを調べる。
【0018】次に、テスト結果は良好であるか否かが調
べられ(ステップ104)、テスト結果が良好でない場
合は(ステップ104でNO)、ステップ100の処理
に戻り、試料、テスト方法、テスト対象となる特徴量の
再検討を行ない、ステップ100〜ステップ104の処
理を繰り返す。
【0019】一方、テスト結果が良好である場合、すな
わち、同一試料についての官能検査員の聴感による検査
結果と装置による検査結果とに一定以上の相関性がある
場合は(ステップ104でYES)、次に、試料数nを
増やして(n=200〜1000)、実際の生産ライン
上でのオンライン検査に移行するので、まず、オンライ
ントライ用装置の実際の生産ライン上への設置と、テス
ト条件・しきい値の設定が行なわれる(ステップ10
6)。
【0020】次に、ステップ106で設定されたテスト
条件・しきい値で装置によるn増しテスト、すなわち、
試料数nをn=200〜1000に増やして装置による
テストを行なう(ステップ108)。なお、このステッ
プ108のn増しテストでは、次のステップ110の官
能検査員の聴感による検査結果と検査結果を照合できる
ように、各試料(検査対象物)に番号を付け、紙などに
その番号と検査結果を記録する。
【0021】次に、装置による検査の後に、官能検査員
の聴感による検査を行なう(ステップ110)。ここで
も、紙などにその番号と検査結果を記録する。
【0022】次に、装置による検査結果と官能検査員の
聴感による検査結果を照合し一致度合いを検証する(ス
テップ112)。これは、官能検査員の聴感による検査
結果を基準にして、装置がどのような誤判定をしている
かを検証するもので、具体的には以下の2点について調
べる。
【0023】(1)官能検査員が不合格と判定したもの
を装置がOKと判定した場合、装置の見逃しとみなし、
この見逃し率αを調べる。
【0024】(2)官能検査員が合格と判定したものを
装置がNGと判定した場合、装置の過検出とみなし、こ
の過検出率βを調べる。
【0025】次に、ステップ112の検証結果に基づい
て、装置による自動検査の運用の可否を判断する(ステ
ップ114)。これは上記見逃し率αおよび過検出率β
が予め設定した目標値に達しているか否かを調べること
によって行なわれる。なお、この判定にあたっては、特
定の官能検査員について上記見逃し率αおよび過検出率
βが大きい場合、該検査員のステップ110における官
能検査の誤り率を繰り返しテスト等で検出し、該検出結
果を自動検査の運用の可否判断に反映させるようにする
とよい。
【0026】そして、装置による自動検査の運用が可と
判断されると(ステップ114でYES)、当処理を終
了し、ステップ106で設定したテスト条件・しきい値
を使用して自動官能検査を行なう。
【0027】一方、装置による自動検査の運用が否と判
断されると(ステップ114でNO)、ステップ106
で設定したテスト条件・しきい値の再分析を行ない(ス
テップ116)、ステップ106で設定したテスト条件
・しきい値の再設定を行ない、ステップ106〜ステッ
プ114の処理を行なう。この処理は、ステップ114
の自動検査の運用の可否判断で、自動検査の運用可の判
断が出るまで何回でも行なわれる。
【0028】しかしながら、上記の如き従来の手法では
以下の問題点があった。
【0029】(1)ステップ108のn増しテストで
は、次のステップ110の官能検査員の聴感による検査
結果と検査結果を照合できるように、各試料(検査対象
物)に番号を付けなければならない。
【0030】また、ステップ108とステップ110の
処理ではそれぞれ検査結果を上記試料番号と対応付けて
紙などに記録しなければならない。
【0031】(2)ステップ112の検証処理では、装
置による検査結果と官能検査員の聴感による検査結果
を、各試料(検査対象物)番号と照らし合わせながら検
証しなければならず、この作業は手作業で行なわなけれ
ばならない。
【0032】(3)ステップ112の検証処理で自動検
査不可と判断されると、ステップ112の検証処理で自
動検査可と判断されるまで、ステップ106以下の全て
の処理をやり直さなければならない。
【0033】従って、従来は、人による官能検査から装
置による自動検査に代替するまでには、膨大な時間と工
数をかける必要があり、何度かステップ106以下の処
理をやり直すうちに計画断念に追い込まれる場合も稀で
はないという不具合があった。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明は、
振動部を有する製品の種々の正常、異常を安定して簡易
迅速に判定することができるようにした異常判定方法お
よび装置を提供することを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、検査対象物の計測データを入力
して該検査対象物の異常を所定の判定基準値に基づいて
判定する異常判定方法において、上記計測データを保存
することと、該入力された計測データまたは保存データ
から人による上記検査対象物の異常判定結果と装置によ
る上記検査対象物の異常判定結果とを記録することと、
上記記録した人による異常判定結果と装置による異常判
定結果との一致度合いを検証することと、検証結果が所
定レベル以下の場合は上記保存データを元にして上記判
定基準値を修正することと、を行なうことを特徴とす
る。
【0036】また、請求項2の発明は、検査対象物の計
測データを測定して該検査対象物の異常を判定する異常
判定方法において、上記計測データを複数のデータブロ
ックに分割し、上記分割されたデータブロック単位で複
数の特徴量を並列して演算し、上記分割されたデータブ
ロック単位での特徴量演算により検査対象物の異常を判
定することを特徴とする。
【0037】また、請求項3の発明は、検査対象物の計
測データを測定してファジィ推論によって該検査対象物
の異常を判定する異常判定方法において、上記ファジィ
推論においては、結論信号について異常と判定されるル
ールだけを用いてファジィ推論することを特徴とする。
【0038】また、請求項4の発明は、検査対象物の計
測データを入力して該検査対象物の異常を所定の判定基
準値に基づいて判定する異常判定装置において、上記計
測データを保存する計測データ保存手段と、上記入力し
た計測データまたは上記計測データ保存手段の保存デー
タに基づいて人による上記検査対象物の異常判定結果と
装置による上記検査対象物の異常判定結果とを記録する
判定結果記録手段と、上記判定結果記録手段に記録され
た2つの異常判定結果から上記判定基準値を検証する判
定基準値検証手段と、装置による異常判定が所定レベル
以下の場合は上記計測データ保存手段の計測データを元
にして上記判定基準値を修正する判定基準値修正手段
と、を有することを特徴とする。
【0039】また、請求項5の発明は、検査対象物の計
測データを測定して該検査対象物の異常を判定する異常
判定装置において、上記計測データを複数のデータブロ
ックに分割する計測データ分割手段と、上記計測データ
分割手段で分割されたデータブロック単位で複数の特徴
量を並列して演算する特徴量演算手段と、上記特徴量演
算手段の演算により検査対象物の異常を判定する異常判
定手段と、を有することを特徴とする。
【0040】また、請求項6の発明は、検査対象物の計
測データを測定してファジィ推論によって該検査対象物
の異常を判定する異常判定装置において、結論信号につ
いて異常と判定されるルールを作成するファジィルール
作成手段と、上記ファジィルール作成手段で作成された
ルールに基づいてファジィ推論するファジィ推論手段
と、を有することを特徴とする。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて添付図面を参照して詳細に説明する。
【0042】図1は、この発明に係わる異常判定方法お
よび装置を適用して構成した異常判定システムにおける
異常判定手法の一実施の形態を機能ブロック図で示した
ものである。
【0043】図1において、この異常判定システムにお
ける異常判定手法においては、振動部を有する製品に取
り付けられた計測センサにより計測された計測データの
加工を行ない、その加工データから特徴量を演算し、そ
れを推論することにより製品の正常、異常を判定する。
【0044】すなわち、この異常判定システムは、計測
センサ45と、アンプ46と、判定装置50と、音録音
装置70と、官能検査判定入力装置80と、検査コント
ローラ90を具備して構成される。
【0045】ここで、計測センサ45は、ピックアップ
などの振動センサやマイクロホンより構成され、検査対
象物10に取り付けられて検査対象物10の振動データ
を検知する。
【0046】アンプ46は、計測センサ45から入力さ
れる振動データを増幅してアナログの振動計測データを
判定装置50と音録音装置70に出力する。
【0047】判定装置50はパーソナルコンピュータ等
より構成されて識別機構51と検査実績記録装置60を
具備し、アンプ46から入力される振動データを加工し
て検査対象物10の正常、異常を判定する。
【0048】音録音装置70はMDデッキやDATレコ
ーダ等のオーディオ機器より構成され、アンプ46から
入力される振動データを音記録ディスク71に記録する
とともにヘッドホン72やスピーカ(図示せず)などの
音出力装置へ出力し、検査員に測定した音を聴かせる。
このとき、計測センサ45がマイクロホンの場合は、マ
イクの位置で聴こえるのと同等の音を聴かせることがで
きる。また、センサが加速度ピックアップなどの振動セ
ンサの場合は、聴診棒や聴診器などを介して聴こえるよ
うな音を聴かせることができる。
【0049】また、検査コントローラ90からの信号に
より録音する検査対象物10(ID)の更新をする。
【0050】検査コントローラ90はプログラマブルコ
ントローラ(PLC)等より構成され、検査対象物10
を扱う機械の制御、判定装置50を構成する識別機構5
0への検査指示や人の判定信号の入力、検査実績記録装
置60への出力、音録音装置70のトラック更新制御等
の処理を行う。
【0051】官能検査判定入力装置80は、官能検査員
81が、ヘッドホン72あるいはスピーカ出力を聴い
て、合格・不合格を判定した結果を入力する装置であ
る。合格、不合格のどちらか判定した方のスイッチを入
力する。スイッチは図36の評点表のように5段階構成
にすることもできる。5段階の評点がされた方が、より
装置と人の相関性を検証することができる。
【0052】図2は、図1に示した判定装置50の詳細
を示すブロック図で、判定装置50は識別機構51と検
査実績記録装置60を具備する。
【0053】ここで、判定装置50は、検査対象物10
に配設された計測センサ45から出力される検査対象物
10の測定信号をアンプ46で増幅したアナログの振動
計測信号をディジタル信号に変換するアナログ/ディジ
タル変換器(A/D変換部)52と、A/D変換器52
からのディジタル計測データを格納するメモリ53と、
メモリ53に格納された計測データに基づき計測データ
の特徴量を演算する特徴量演算部54と、特徴量演算部
54の演算結果に基づきファジィ演算を行なうことで検
査対象物の正常、異常を判定するファジィ判定部55
と、検査コントローラ90との信号の授受で検査データ
を管理する検査管理部56より構成されている。
【0054】また、検査実績記録装置は、識別機構51
から出力される検査データをファイルとして記憶するも
ので、波形データファイル61と検査実績ファイル62
より構成されている。識別機構51にパーソナルコンピ
ュータを使用した場合、検査実績記録装置60はハード
ディスクが使用できる。
【0055】ここで、波形データファイル(測定デー
タ)61は識別機構51でA/D変換器52によりディ
ジタル化された計測信号を、検査IDをファイル名とし
て記憶する。なお、検査IDとは、検査対象物10を識
別する識別符号である。
【0056】また、検査実績ファイル62は、検査I
D,検査日時,検査結果,人の判定結果,特徴量値等を
1回の検査毎に1つのレコードとして記録する(図4参
照)。
【0057】図3は、本実施形態におけるしきい値の設
定作業の処理手順を示すフローチャートである。
【0058】この処理では、まず、試料をn個(n=1
0〜30)用意し、サンプルテストを行なう(ステップ
130)。このサンプルテストは同一試料について従来
の官能検査員の聴感による検査と、本実施形態に係わる
装置による検査を行ない、官能検査員の聴感による検査
結果と装置による検査結果に一定以上の相関性があるか
どうかを調べるためのものである。試料が片寄っている
場合、あるいはテスト方法やテスト対象となる特徴量が
適当でない場合等では、正確な検査ができないからであ
る。
【0059】検査は、例えば図36の評点表40に示す
ごとく、製品(検査対象物)の状態について、「非常に
悪い」の1から「非常に良い」の5までの5段階で評価
し、「非常に悪い」と「悪い」を不合格とし、「やや悪
いが合格レベル」、「良い」及び「非常に良い」を合格
とする。
【0060】次に、ステップ130のサンプルテストが
終了すると、テスト結果を検証する(ステップ13
2)。検証では、同一試料についての官能検査員の聴感
による検査結果と装置による検査結果とを照合し、両者
に一定以上の相関性があるかどうかを調べる。
【0061】次に、テスト結果は良好であるか否かが調
べられ(ステップ134)、テスト結果が良好でない場
合は(ステップ134でNO)、ステップ130の処理
に戻り、試料、テスト方法、テスト対象となる特徴量の
再検討を行ない、ステップ130〜ステップ134の処
理を繰り返す。
【0062】一方、テスト結果が良好である場合、すな
わち、同一試料についての官能検査員の聴感による検査
結果と装置による検査結果とに一定以上の相関性がある
場合は(ステップ134でYES)、次に、試料数nを
増やして(n=200〜1000)、実際の生産ライン
上でのオンライン検査に移行する。
【0063】そこで、まず、オンライントライ用装置の
実際の生産ライン上への設置と、テスト条件・しきい値
の設定が行なわれる(ステップ136)。
【0064】ここまでの処理は、図35に示した従来例
と同一である。
【0065】次に、ステップ136で設定されたテスト
条件・しきい値でn増しテスト、すなわち、試料数nを
n=200〜1000に増やして装置によるテストを行
なう。
【0066】ここで、本実施形態では、検査対象物10
に配設された計測センサ45から出力される検査対象物
10の測定信号をアンプ46で増幅したアナログの振動
計測信号は判定装置50と音録音装置70にそれぞれ入
力され、識別機構50による判定と検査員81による判
定が同時に行なわれる(ステップ138)。
【0067】すなわち、検査コントローラ90は、生産
のタイミングにより検査対象物10を扱う機械装置を制
御して、測定する状態としたところで、識別装置50に
対して検査指示を送信する。識別装置50は、その指示
タイミングによりセンサ45からのアナログ信号の計測
を開始する。
【0068】そして、アンプ46から直接識別機構50
に入力された計測信号は、A/D変換器52、メモリ5
3を介してと特徴量演算部54に入力され、ファジィ判
定部55で検査対象物10の正常、異常が判別され、該
判別結果は検査IDとともに検査管理部56に入力され
る。
【0069】一方、音録音装置70に入力された計測信
号は例えばヘッドホン72等によって検査員81に聴か
され、これによって検査対象物10の正常、異常が判別
され、該判別結果は官能検査判定入力装置80、検査コ
ントローラ90を介して検査IDとともに識別機構51
の検査管理部56に入力される。
【0070】こうして、装置による検査と官能検査員の
聴感による判定が同時に行なわれると、次に検査実績の
自動記録が行なわれる(ステップ140)。
【0071】識別装置50の検査管理部56は、こうし
て、検査ID毎に、識別装置50と検査員81の判定結
果を記録し(検査実績レコード生成)、生成された検査
実績レコードは検査実績記録装置60の検査実績ファイ
ル62に格納される。
【0072】図4には、検査実績ファイル62に格納さ
れるファイルの一例が示されており、記録される情報
は、検査ID,検査日時,検査結果,人の判定結果,特
徴量値などの項目である。
【0073】次に、装置に記録された検査実績ファイル
62のデータから、検査員の判定結果に対する識別機構
51による判定の一致度合いを検証する(ステップ14
2)。
【0074】これは、官能検査員の聴感による検査結果
を基準にして、装置がどのような誤判定をしているかを
検証するもので、具体的には、図5に示した検証項目に
基づいて以下の3点について調べる。
【0075】(1)サンプル数(n) :n増しテスト
サンプル数として十分であるか確認する。
【0076】(2)見逃し率(α) :検査員がNG
(不良)判定した検査対象物の内、装置がOK検出した
比率。
【0077】(3)過検出率(β) :検査員がOK
(良品)判定した検査対象物の内、装置がNG判定した
比率。
【0078】次に、ステップ142の検証結果に基づい
て、装置による自動検査の運用の可否を判断する(ステ
ップ144)。これは上記見逃し率αおよび過検出率β
が予め設定した目標値に達しているか否かを調べること
によって行なわれる。
【0079】すなわち、このα及びβが、計画時の目標
値と比較して、両方とも目標値以上であれば検証結果
‘合格’となり(ステップ144でYES)、当処理を
終えて正式な運用(異音検査工程の機械化)に入る。ま
た、両方とも、またはどちらかが目標値以下であれば、
検証結果‘不合格’と判断し、ステップ146に進む
(ステップ144でNO)。
【0080】また、検証に当たっては、n増しテストの
際、音録音装置70により音データが録音されているの
で、検査員の判定ミスを後から発見することができる。
その際は、音録音装置70による録音データを検査コン
トローラ90の制御により、検査検査対象物毎にIDを
インクリメントすることにより検査することができる。
【0081】次に、自動検査による運用が否と判別され
た場合は、ステップ146に進み、図4のデータ中の
‘見逃し’と‘過検出’にあたる検査対象物を抽出し
て、該当する検査IDの波形データ(検査実績記録装置
60の波形データファイル61に保存した測定データ)
の再分析やしきい値の見直しを行い、期待どおりに判定
ができるようにパラメータ判定知識の修正作業を行う。
【0082】その際、それまでの前提が検査員の判定結
果が正しいとして進めているので、ここで特に、過検出
となっている検査対象物の音について複数の検査員で確
認し、誤りがわかれば後述のコンピュータシミュレーシ
ョンの対象から外すか実績を修正してより正しい結果が
出せるようにするとよい。
【0083】次にステップ148に進み、コンピュータ
による再トライシミュレーションを行なう。すなわち、
修正したパラメータと判定知識であれば、判定結果はど
うなるのかを実際の検査対象物を再度測定することなく
検証する。
【0084】図6に、再トライシミュレーションの処理
の流れを記す。例として、n増しテスト時,人の判定が
NG,装置の判定がOKであった‘AAA’という検査
対象物について説明をする。
【0085】検査記録装置60には‘AAA.dat’とい
う波形データファイルと,検査実績ファイルに検査ID
‘AAA’は、人の判定NG,装置判定OKというレコ
ードが記録されている。
【0086】実検査対象物テストでは、検査対象物を測
定したセンサ信号をA/D変換してメモリにロードする
が、ここでは、波形データファイル‘AAA.dat’を読
み込み、メモリ53にロードし、新たなパラメータと判
定知識による再検査結果が新しい検査実績ファイル62
へ書き込まれる。このとき、人の判定データは元のファ
イルから新しいファイルにも同じ情報を記録する。その
実績ファイルを参照すれば、再分析の結果求めるような
判定ができたかどうかを調べることができる。
【0087】例えば、図7に示すように元の検査記録装
置に1053件の検査実績と対応する波形データファイ
ルがあると、検査IDの昇順から順に、該当波形データ
ファイルをメモリにロードし、仮想検査した新しい10
53件の検査実績ファイルを生成する。これにより、従
来のn増しテストやり直しをする必要がなくなる。
【0088】次に、判定の対象となるデータが測定した
データの一部であるときの対処法について説明する。
【0089】検査対象物の駆動に方向性があるなど、測
定・記録した波形データファイルに対し、判定となる対
象がその内の一部の時間である場合がある。例えば、モ
ータが停止→右回転→停止→左回転→停止と駆動し、そ
の間全体を一つの波形データファイルとして記録した場
合、判定の対象となるべきデータはその一部である。こ
の場合は、検査実績ファイルに分析開始位置と分析終了
位置を示すデータを記録する。その上で図6のように再
テストを行う場合に、その2つのデータを読み込み、そ
の部分について処理を行い、正しい結果を得ることがで
きる。この場合は、新しい検査実績ファイルにも元の分
析開始位置と分析終了位置を示すデータを記録する。こ
の方法は、トリガ信号に対して、検査対象物毎の分析対
象となるタイミングが異なる場合にも有効となる。
【0090】上記の如きコンピュータによる再トライシ
ミュレーションを行ない、更に再度ステップ142、1
44の処理を行ない、自動検査による運用が可と判断さ
れると(ステップ144でYES)、当処理を終える。
【0091】以上説明したように、本実施形態では以下
の効果を奏する。
【0092】(1)まず、図3のステップ138に示す
ごとく、計測センサ(マイクロホンや振動センサ)45
からの計測信号を識別装置50への入力前に分配し、音
として検査員側へ出力することにより、従来別々に行う
必要があった工程を1つにして、同時に装置と検査員に
よる検査をすることができる。
【0093】(2)また、ステップ140に示す如く、
装置による検査と官能検査員の聴感による判定が同時に
行なわれ、さらに検査実績が自動記録されるので、従来
のように、装置による検査結果と官能検査員の聴感によ
る検査結果を、各試料(検査対象物)番号と照らし合わ
せながら検証するという作業を省くことができる。
【0094】(3)また、ステップ142に示す如く、
検証は、図4のような検査実績ファイルがあるので、こ
の検査実績ファイルを利用してそのままコンピュータを
使って検証でき、省力化できる。
【0095】また、検証に当たっては、音録音装置70
に記録された音データより、検査員の判定ミスを後から
発見することができるので、検査精度を向上させること
ができる。
【0096】(4)また、ステップ146に示す如く、
判定知識の修正作業では、それまでの前提が検査員の判
定結果が正しいとして進めているので、さらに、過検出
となっている検査対象物の音について複数の検査員で確
認し、誤りがわかれば後のコンピュータシミュレーショ
ンの対象から外すか実績を修正して、より正しい結果が
出せるようになる。
【0097】(5)また、ステップ148に示す如く、
コンピュータによる再トライシミュレーションを行なう
ので、従来のn増しテストやり直しをする必要がなくな
り、従来膨大な工数を要した修正工程をコンピュータを
利用して大幅に省力化することができる。
【0098】次に、本発明の第2の実施形態について説
明する。
【0099】ところで、モータやモータ応用製品などの
完成品・半完成品について、異音の検査を目的として、
官能検査工程を機械化する自動官能検査装置において、
従来のこの分野のシステムでは、分析対象のデータに対
し一度の処理で最終的な特徴量を抽出していた。また、
データブロック単位で特徴量を抽出した場合でも、全体
の平均値を求めて計算していた。
【0100】しかしながら、官能検査は人間の耳に頼っ
て行っているが、人間は限度見本を規準とした絶対値比
較のような検査は不得意であり、逆に時系列の音の変化
に敏感に反応する。すなわち、人間が異音と感じるのは
絶対値としての差よりも、音の変化をとらえて不快に感
じる。一般に「騒音とは、聞き手にとって好ましくない
音」とされているように、このような不快に感じる音の
変化をとらえる必要はある。
【0101】一例として図8に特徴量RMS(自乗平方
根)のデータ配列のグラフを示す。このグラフは横軸に
各フレームの値をとっており、全体の時間をT秒,1
フレームの長さをt秒とする時間による特徴量RMS
の値の変化を示している。同図では、NGとした試料は
OKとした試料より平均値は低い。
【0102】ここで、図8の例において、‘平均値’と
‘降順(大きい値から順に)5個の平均値’及び‘前デ
ータとの差の絶対値・降順5個の平均値’は図9のよう
になる。
【0103】図9のように、単なる平均ではなく、他の
特徴量で有効な代表値が得られる場合がある。
【0104】そこで、第2の実施形態では、特徴量毎の
データ配列から以下のような抽出法を用いることで有効
な代表値を得ることができるようにする。
【0105】[代表値抽出法] ・平均値 ・ピーク値:降順(大きい順)m番目からn個の平均値
〔m≧1〕 ・変化量 :前データとの差の絶対値の降順m番目から
n個の平均値〔m≧1〕 ・ボトム値:昇順(小さい順)m番目からn個の平均値
〔m≧1〕 また、代表値はこれ以外にも他の数学・統計処理を使用
することも有効である。
【0106】このようにして、第2の実施形態の特徴量
演算部はファジィ判定部へ入力する代表特徴量を求め
る。
【0107】次に、第2の実施形態に係わる異常判定シ
ステムの概略構成を図10に示す。
【0108】図10において、検査対象物に配設された
計測センサから出力される検査対象物の測定信号は、A
/D変換器(アナログ/ディジタル変換器)201でデ
ィジタル計測データに変換され、メモリ202に格納さ
れる。メモリ202に格納されたディジタル計測データ
は特徴量演算部203に入力される。特徴量演算部20
3では、上記ディジタル計測データの特徴量を抽出し、
この特徴量データをファジィ判定部204に入力する。
ファジィ判定部204では特徴量演算部203から入力
された特徴量データに基づいて検査対象物の正常、異常
を判定し、外部に判定結果を出力する。
【0109】ここで、特徴量演算部203は、メモリ2
02に格納した集録データから、ファジィ判定部204
に渡す特徴量群を演算するが、この特徴量演算部203
の処理手順を図11に示す。
【0110】特徴量演算部203は、メモリ202に格
納された量子化データをフレーム分割し(ステップ21
0)、次にフレーム毎の特徴量を演算し(ステップ21
2)、代表特徴量演算する(ステップ214)。そし
て、この値を特徴量値として出力する。
【0111】図12に上記ステップ210のフレーム分
割の処理内容を示す。
【0112】図12において、(a)は検査対象物に配
設された計測センサから出力される検査対象物のアナロ
グ測定信号であり、(b)はA/D変換器(アナログ/
ディジタル変換器)201でディジタル計測データに変
換され、メモリ202に格納された量子化データ配列で
ある。特徴量演算部203は、(c)に示す如く、メモ
リ202に格納された量子化データをフレーム分割す
る。
【0113】ここで、連続信号であるアナログ信号につ
いて、実際の装置での測定は有限の時間について判定を
行わなければならない。そこでサンプリング時間をT
秒,A/D変換器のサンプリング周波数をfkHzと
すると、集録されるディジタルデータ数は、T×f
×10となる。
【0114】特徴量演算部203は、集録したデータ配
列を一定長さNのデータブロックに分割して処理を行
う。そして、分割されたデータブロック(フレームと呼
ぶ)毎に実際の特徴量演算は行なっていく。
【0115】特徴量演算で使用するFFTアルゴリズム
は周知のとおり元データ点数は2のべき乗であると非常
に効率的な演算ができることから、N=2とする。
【0116】例えば、T=10秒,f=10KH
z,データブロック長を210(=1,024点)とする
と、以下に示す如く、分割できるフレーム数mは、小数
点以下を切り捨て97フレームを有効フレームとする。
【0117】
【数1】
【0118】上記の如く、判定の対象となるフレームが
確定したら、1フレーム毎に特徴量演算を行っていく。
図13はこの場合の処理手順を示すフローチャートであ
る。
【0119】この処理は、フレームiについてi=1か
らpまでのフレーム毎の特徴量を演算するもので、ファ
ジィめはフレーム1(i=1)のデータを抽出し(ステ
ップ220)、順次フレームiのデータを抽出する(ス
テップ222)。そして、抽出されたフレームi毎のフ
レーム特徴量を演算する(ステップ224)。
【0120】次に、i=pか否かが調べられ(ステップ
226)、i=pでない場合は(ステップ226でN
O)、iの値を1インクリメントし(ステップ22
8)、ステップ222以下の処理を繰り返す。そして、
i=pとなると(ステップ226でYES)、当処理を
終える。
【0121】次に、ステップ224のフレーム毎の特徴
量演算の内容を図14を参照しながら説明する。本実施
形態では特徴量演算はフレーム単位で行い、フレーム毎
に複数の特徴量演算を行う。
【0122】すなわち、メモリ202に格納されたフレ
ームデータは、まず、前処理1(BPF1)部231、
前処理2(BPF2+積分)部232、前処理3(FF
Tによる周波数変換)部233に渡され、ここで上記前
処理が並列に実行される。
【0123】ここで、前処理1(BPF1)部231に
よる前処理は、 1)フレームデータをハイパスフィルタを通す 2)ハイパスフィルタ等のフィルタを通したフレームデ
ータを微小時間にて微分する 等の処理により行われる。この前処理1(BPF1)部
231による前処理は、正常状態のフレームデータにあ
る程度の高周波成分が含まれており、検出すべき異常信
号が高周波領域に存在する場合等に有効である。
【0124】また、前処理2(BPF2+積分)部23
2による前処理は、 1)フレームデータをローパスフィルタを通す 2)ローパスフィルタを通したフレームデータを微小時
間にて積分する 等の処理により行われる。この前処理2(BPF2+積
分)部232による前処理は、正常状態のフレームデー
タにある程度の低周波成分が含まれており、検出すべき
異常信号が低周波領域に存在する場合に有効である。
【0125】また、前処理3(FFTによる周波数変
換)部233による前処理は、フレームデータである時
間軸波形をFFT(高速フーリエ変換)により周波数軸
データに変換するもので、このFFT(高速フーリエ変
換)により変換された周波数軸データを用いると、任意
の周波数帯における成分を特徴量とすることで、異常成
分の含まれている状態を定量化することが可能になる。
なお、FFT(高速フーリエ変換)処理により損失した
情報や検出できない異常状態もあるが、これらの異常状
態の検出はメモリ202に格納されたフレームデータに
基づき行われる上記前処理231、232の処理を用い
た解析で補うことができる。
【0126】前処理1(BPF1)部231で前処理さ
れたデータは、RMS(自乗平方根)1演算231−
1、ピーク値1演算231−2、MVD(極値差)1演
算231−3による特徴量演算が行なわれ、高周波増幅
処理により前処理されたデータの特徴量演算が実行され
る。
【0127】そして、RMS(自乗平方根)1演算23
1−1の演算結果によりRMS1データ配列231−4
が実行され、ピーク値1演算231−2の演算結果によ
りピーク値1データ配列231−5が実行され、MVD
1演算231−3の演算結果によりMVD1のデータ配
列231−6が実行される。
【0128】また、前処理2(BPF2+積分)部23
2で前処理されたデータは、RMS(自乗平方根)2演
算232−1、ピーク値2演算232−2、MVD2演
算232−3による特徴量演算が行なわれ、低周波増幅
処理により前処理されたデータの特徴量演算が実行され
る。
【0129】そして、RMS(自乗平方根)2演算23
2−1の演算結果によりRMS2データ配列232−4
が実行され、ピーク値2演算232−2の演算結果によ
りピーク値2データ配列232−5が実行され、MVD
2演算232−3の演算結果によりMVD2のデータ配
列232−6が実行される。
【0130】また、前処理3(FFTによる周波数変
換)部233で前処理されたデータは、fpa(特定周
波数a成分)演算233−1、fpb(特定周波数b成
分)演算233−2、fpc(特定周波数c成分)演算
233−3による特徴量演算が行なわれ、FFTによる
周波数変換により前処理されたデータの特徴量演算が実
行される。
【0131】そして、fpa(特定周波数a成分)演算
233−1の演算結果によりfpa(特定周波数a成
分)のデータ配列233−4が実行され、fpb(特定
周波数b成分)演算233−2の演算結果によりfpb
(特定周波数a成分)のデータ配列233−5が実行さ
れ、fpc(特定周波数c成分)演算233−3の演算
結果によりfpc(特定周波数c成分)のデータ配列2
33−6が実行される。
【0132】ここで、上記各特徴量演算及びデータ配列
は、上記前処理231〜233と同様に並列実行され
る。
【0133】特徴量演算231−1〜231−3、23
2−1〜232−3、233−1〜233−3における
特徴量演算処理は、計測データの特徴を定量化するもの
で、前処理231〜233で前処理されたデータに基づ
き特定の関数演算を実行することで異常の度合いを示す
情報としての特徴量を抽出する。
【0134】図14のように処理することにより、特徴
量演算は、複数の前処理を行った後、複数の特徴量演算
を行って、フレーム毎に多くの特徴量を計算することが
できる。
【0135】ここで、前処理は、以下のようなものを単
独あるいは組み合わせて使用することができる。なお、
バンドパスフィルタのようにパラメータを変更して異な
る前処理効果を出せるものがあるので、同じ前処理を複
数使用してもよい。
【0136】(1)周波数フィルタリング(バンドパス
フィルタ、ローパスフィルタ) (2)微積分処理 (3)FFT(高速フーリエ変換)による周波数軸変換
【0137】また、その他、従来から一般的に用いられ
ているRMS(自乗平方根)演算、平均演算等の数学関
数、統計関数を用いた演算等を用いることもできる。
【0138】本実施形態で使用する上記RMS(自乗平
方根)は以下のように求める。
【0139】
【数2】
【0140】また、fpa、fpb、fpcは、前処理
FFTによる周波数軸の成分配列から任意周波数帯f
〜fの間のピーク成分を求める。
【0141】また、MVD(極値差)を求める特徴量演
算関数は、元データ配列あるいは前処理後のデータ配列
から波形の極値差を検出する演算を実行するものであ
る。
【0142】極値差を求める特徴量演算関数において
は、極値数を求める特徴量演算関数により求めたデータ
配列中の極値について、前後極値の差の絶対値を計算し
たものの配列を求め、そこから、以下の手順により計算
したものを極値差として演算する。
【0143】すなわち、上記前後極値の差の絶対値を計
算したものの配列内のデータをD1、D2、…Dnとす
ると、その中から大きい順にk個のデータを抽出し、そ
の平均を求めた値を極値差とする。ここで、kは変数で
ある。
【0144】この極値差を求める特徴量演算関数は、変
数kを適当に設定することにより、一定時間内の平均値
やRMS演算などでは正常状態と比べて差異が検出でき
ないが、測定データに一時的あるいは断続的に高周波レ
ベル変化が含まれている場合における正常、異常の検出
に有効である。
【0145】次に、特徴量値のデータ配列231−4〜
231−6、232−4〜232−6、233−4〜2
33−6は、フレームデータ単位でデータを配列するも
ので、一例として図15にRMS1のデータ配列231
−4を示す。
【0146】こうしてフレームデータ単位でデータを配
列すると、すでに述べたように、本実施形態では、特徴
量毎のデータ配列から以下のような抽出法を用いること
で有効な代表値を得るようにする。
【0147】[代表値抽出法] (1)平均値 (2)ピーク値:降順(大きい順)m番目からn個の平
均値 〔m≧1〕 (3)変化量 :前データとの差の絶対値の降順m番目
からn個の平均値〔m≧1〕 (4)ボトム値:昇順(小さい順)m番目からn個の平
均値 〔m≧1〕 また、代表値はこれ以外にも他の数学・統計処理を使用
することも有効である。
【0148】このようにして、第2の実施形態の識別装
置は、特徴量演算部として、ファジィ判定部へ入力する
代表特徴量を求める。
【0149】次に、第3の実施形態として本発明に係わ
る異常判定システムで使用される官能検査に適したファ
ジィ推論法について説明する。
【0150】官能検査の自動化を前提とした判定部にフ
ァジィ推論を応用することは以下の点で効果がある。
【0151】(1)ファジィ推論は多入力であり、本構
成のような多くの特徴量を入力信号とし、AND条件,
OR条件を組み合わせた複雑な知識が作成できること。
【0152】(2)単純な各特徴量を管理基準値と比較
して上回っている場合NG判定とするような2値理論的
判定と異なり、欠点度合いを推論値として表現できるこ
と。
【0153】しかしながら、一般的にファジィ制御とし
て知られているファジィ推論の仕組みは、if〜the
n形式のルールとメンバーシップ関数から成るファジィ
知識に対し、推論方式としてMAX−MIN論理積、確
定出力演算方式として面積重心法が一般的である。
【0154】図16に従来のファジィ推論(面積重心
法)の構成を示す。図16では、特徴量20件を、あら
かじめ作成したファジィ知識にかけて、結論信号である
SPC値、WRG値を出力する。
【0155】その後、図17の判定部にて、SPC値、
WRG値を入力し、OK,GRAY,NGのいずれかに
判定する。
【0156】ここで、上記ファジィ推論においては、以
下のファジィ知識が使用される。()内は使用するラベ
ルを示す。
【0157】 ・使用入力信号 :RMS (SML, MDL, LRG) SHP (SML, MDL, LRG) ・結論部出力信号:SPC (OK , GRY) WRG (OK , GRY) また、入力信号のメンバーシップ関数を図18に示す
が、RMS,SHPとも同じである。
【0158】また、SPCとWRGのメンバーシップ関
数を図19に示す。
【0159】ところで、このファジィ推論モデルでは、
条件部の信号が△△であれば、結論側の信号は××であ
るというようなファジィルールをあらかじめ作成し、正
常品をOK判定、欠点をもつ品をNG、その中間に位置
するようなものをGRAYと判定する。
【0160】従って、不良の検出に有効な特徴量RMS
とSHPの2つの条件信号が両方ともSMLであればO
K品、どちらかがLRGであればNG,両方がMDLで
あればNGという法則をみつけたときは、図20に示す
ルールの作成しなければならない。
【0161】すなわち、andルールを作成した場合
は、そのandに使用した信号の使用したラベルの組み
合わせ以外のラベルの組み合わせが生じた場合に、それ
がどのような判定となるべきかを検証した上でルールと
して作成しておかなければ正しい判定ができない。
【0162】原因として、このファジィモデルは結論の
SPC及びWRGについてそれぞれ、‘良い’と‘悪
い’の2つが結論側ラベルとして出力される仕組みであ
るため、図20のルール2のようにこの組み合わせであ
れば悪いというandルールを加える場合には、組み合
わせで使用した信号の他の全ラベルの組み合わせがでた
ときに推論異常が発生してしまう。ファジィモデルは多
くの特徴量信号に複数のラベルを使用しているため、3
つあるいは4つの信号のandルールを作成した場合
に、それ以外の組み合わせのルールを全て検証して作成
するのは非常に多くの工数がかかってしまう。
【0163】また結論側の信号WRGについて、NGラ
ベルになるandルールを作成したときに、もう一方の
OKになる他のandルールを正しく作成できないと、
推論異常が出ない場合でも、期待する推論値が出力され
なくなってしまう。
【0164】これは、面積重心法が、λをラベルOKの
適合度、μをGRYの適合度としたときに SPC推論値=(0×λ+1×μ)/(λ+μ) で計算しているため、OK側の適合ルールが不足してし
まうことによる。
【0165】つまり、ひとつの結論信号について、悪い
場合のラベルと良いラベルの適合度から、推論値を計算
させるシステムの場合は、以下の2つの問題が発生す
る。
【0166】(1)andルールを使用するときは、そ
れ以外の組み合わせルールを作成する必要がある。
【0167】(2)それが完全でないと推論値が期待す
る値に対し大きな差が発生してしまう。
【0168】そこで、第3の実施形態では図21、22
のブロック図に示す構成で、複数の特徴量からファジィ
推論を応用して人による官能検査に代わる判定結果を出
力する。
【0169】以下、図10の識別装置ブロック図のファ
ジィ判定部204について説明する。
【0170】図21において、ファジィ判定部204
は、ファジィ推論部251と判定部252から成る。こ
こで、図14で求めた代表特徴量をファジィ推論部25
1に入力してn個の推論値を得て、その値から判定部2
52は総合判定及びモード別判定を行う。
【0171】また、上記ファジィ推論においては、以下
のファジィ知識が使用される。()内は使用するラベル
を示す。
【0172】 また、SPCとWRGのメンバーシップ関数を図23に
示す。
【0173】このとき、結論信号であるSPCとWRG
は、悪いメンバーシップラベルを最も右のラベルに設定
する。
【0174】ところで、例えば、風呂のわき加減をファ
ジィシステムのメンバーシップ関数で表すとすると、本
来、「冷たい、ぬるい、適温、熱い、非常に熱い」など
多くのラベルがある方がよい。しかし、官能検査のよう
に人によって欠点のある検査対象物を検出させたい場合
には「悪い」というラベルがあり、その度合いにより、
悪いか悪くないかを判断できればよい。
【0175】そこで、本実施形態では、図22に示した
総合判定部は条件部である特徴量の信号数やラベル数に
制限はないが、結論部の信号のメンバーシップラベル形
状はシングルトンを使用する。
【0176】このファジィ推論の処理として、MAX−
MIN法によって、各結論信号のラベル毎の値を求める
ところまでは、従来と同様に処理する。
【0177】以下、図24のフローチャートを参照しな
がら、この場合の処理手順を説明する。
【0178】まず、入力した特徴量(条件部信号)の値
から、適合するルール行毎の適合度を参照する(ステッ
プ260)。このとき、and条件であるルールは、最
小値を選ぶ(min法)。
【0179】次に、適合する全てのルール行の適合度か
ら、各結論信号のラベルについて最大値を演算する(m
ax法)(ステップ262)。
【0180】そして、各結論信号の最右ラベルの値を、
その信号の結論値として代入する(ステップ264)。
【0181】上記ステップ264の処理は、ファジィ推
論でいう確定演算方式(ディ・ファジィファイ)である
が、この処理を右側高さ代入法とする。
【0182】この方法により、and条件を使用する場
合も含めて、悪い側のルールだけを作成するだけで良い
ことになる。
【0183】例えば、上記不良の検出に有効な特徴量R
MSとSHPの2つの条件信号が両方ともSMLであれ
ばOK品、どちらかがLRGであればNG、両方がMD
LであればNGという法則をみつけたときは、図25に
示すルールを作成するだけでよい。
【0184】この方法により、ファジィ知識の作成が容
易になり、期待する推論値が得られる。
【0185】次に、第4の実施形態としてファジィ推論
を応用した不良原因推論の仕組みについて説明する。
【0186】製造現場では、従来、人により行ってきた
官能検査を自動化し、不良品の検出ができることのメリ
ットは非常に大きいが、検査対象製品の構造が複雑にな
るほど、その不良は複数の要因・種類に起因する。
【0187】そこで、さらに検査装置に不良種類の推論
の機能があることが望まれる。
【0188】例えば、‘モータ+ギヤ’の駆動源を持つ
製品であれば、不良の種類としては、 (1)モータ内ベアリング不良 (2)モータ内コンミテータ・巻線・回転子の異常スレ
不良 (3)ギヤの欠け (4)ギヤのかみ合わせ不良 (5)カバーの共振による異常振動 等を代表として多くの不良種類があり、不良の種類がわ
かれば一部の構成部品を組み直せばよいのか、廃棄すべ
き不良なのかといった対処法がわかり、生産効率の向上
につなげることができる。
【0189】そこで、次に説明する異常判定システムで
は、総合判定のファジィ知識から、判定ルールを追加せ
ずに不良要因の推論機能を持つことができる。
【0190】図26はこの場合の構成を示すブロック図
である。
【0191】ファジィ推論部301及び総合判定部30
2は1台のコンピュータ300で構成され、モード別判
定部310は、検査コントローラ320内の機能として
構成される。なお、構成としては、モード別判定部31
0も1台のコンピュータで構築してもよいが、より製造
現場での対応が可能となるように、ここではPLC側の
機能にしている。
【0192】以下に、総合判定を行う場合のファジィ知
識の作成例を示す。
【0193】ファジィ知識はif〜then形式のルー
ル部と各ルールで使用したラベルのメンバーシップ関数
を記述するMF部から成る。
【0194】<ルール部>ルールは図27に示す如く、
表形式で記述する。
【0195】ここで、ルール6の行のように、同一行の
条件部に複数のラベルが記述されているとandルール
であることを意味する。
【0196】<MF例>図28に各ルールで使用するラ
ベルのメンバーシップ関数を示す。
【0197】次に、不良原因別判定をさせるためのファ
ジィ知識の作成方法を説明する。
【0198】上記の如く、一つの製品種類が対象であっ
ても、検出すべき不良種類は複数あり、装置として判定
用のルールを非常に多く作成する必要があるのはその為
である。
【0199】すなわち、ルールを作成した時点で、この
ルールは何不良に対して有効なものかはサンプルテスト
の結果からだいたい推測ができる。
【0200】そこで、図26のファジィモデルのように
SPC推論値とWRG推論値の他にファジィ出力として
モード別推論も出力するようにし、考えられる不良種類
を割り付けていく。
【0201】例えば、対象となる不良種類を以下のよう
に割り付ける。
【0202】モード1:ベアリング不良 モード2:スレ不良 モード3:ギヤの欠け不良 モード4:製品カバーのびびり
【0203】ここで、サンプルテスト結果から、どのサ
ンプルがどのルールにより検出されるかを先ほどの表に
追加して図29に示すような不良原因判定ルールを作成
する。
【0204】作成に関しては、一つのラベルを使用して
表せばよい。図29では、全てNGとしている。
【0205】ルール6のように、そのルールより検出さ
れる不良種類として2つ以上ある場合には、複数記述し
てもよいし、同じ原因に対し複数のルールが該当しても
よい。このように総合判定を行うためのファジィ知識作
成に対し、ルール行毎に不良原因を割り付けていくだけ
で判定知識ができる。
【0206】次に、不良原因別ファジィ出力について説
明する。
【0207】この装置では、コンピュータ側でファジィ
出力の一部であるSPC推論値とWRG推論値を元に図
22のロジックで総合判定がなされる。
【0208】一方、PLC側では個別のモード推論値毎
に基準値に対する比較を行い、どの不良原因とされるか
を判定する。例えば、基準値0.5に対しモード別推論
値が0.5以上であれば該当するロジックで判定を行
い、表示器により作業者に通知することが可能になる。
【0209】次に、不良原因の作業者への表示器による
通知例を図30に示す。
【0210】これによって、従来、総合判定を正しく出
すことが第一の目的になり、原因推論まで自動検査装置
を発展させていくことは非常に労力がかかり現実的には
困難であったが、本実施形態では、総合判定の知識を確
立中にその進行には影響を与えずに原因推論のしくみを
確立させていくことができる。
【0211】また、検査記録装置に保存する検査実績フ
ァイルに各モード推論値も記録することにより、生産
後、どのワークが何の不良であったかを調査することに
より原因推論の知識も改良していくことができる。
【0212】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
以下の効果を奏する。
【0213】請求項1の発明では、検査対象物の計測デ
ータを入力して該検査対象物の異常を所定の判定基準値
に基づいて判定する異常判定方法において、上記計測デ
ータを保存することと、該入力された計測データまたは
保存データから人による上記検査対象物の異常判定結果
と装置による上記検査対象物の異常判定結果とを記録す
ることと、上記記録した人による異常判定結果と装置に
よる異常判定結果との一致度合いを検証することと、検
証結果が所定レベル以下の場合は上記保存データを元に
して上記判定基準値を修正することと、を行なうように
したので、(1)従来人と装置別々に行う必要があった
工程を1つにして、同時に装置と人による検査をするこ
とができる、(2)装置による検査と人による判定が同
時に行なわれ、さらに計測データが保存されるので、従
来のように、装置による検査結果と人による検査結果
を、検査対象物番号と照らし合わせながら検証するとい
う作業を省くことができる、(3)検証は記録した人に
よる異常判定結果と装置による異常判定結果を利用して
そのままコンピュータを使って検証でき、省力化でき
る、(4)判定基準値の修正作業は、保存データを元に
して行なうのでシミュレーションによる修正によって、
より正しい結果が出せるようになる、等の効果を奏す
る。
【0214】また、請求項2の発明では、計測データを
複数のデータブロックに分割し、分割されたデータブロ
ック単位で複数の特徴量を並列して演算し、分割された
データブロック単位での特徴量演算により検査対象物の
異常を判定するようにしたので、官能検査等に好適な特
徴量演算ができる等の効果を奏する。
【0215】また、請求項3の発明では、ファジィ推論
においては、結論信号について異常と判定されるルール
だけを用いてファジイ推論するようにしたので、ファジ
ィ知識の作成が容易になり、期待する推論値が得られる
等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる異常判定方法および装置を適
用して構成した異常判定システムにおける異常判定手法
の一実施の形態を示す機能ブロック図。
【図2】図1に示した判定装置の詳細を示すブロック
図。
【図3】第1の実施形態におけるしきい値の設定作業の
処理手順を示すフローチャート。
【図4】図2に示した検査実績ファイルに格納されるフ
ァイルの一例を示す図。
【図5】官能検査員の聴感による検査結果を基準にし
て、装置がどのような誤判定をしているかを検証するた
めの検証項目を示す図。
【図6】再トライシミュレーションの処理の流れを示す
ブロック図。
【図7】元の検査記録装置に検査実績と対応する波形デ
ータファイルがあり、検査IDの昇順から順に、該当波
形データファイルをメモリにロードし、仮想検査した新
しい検査実績ファイルを生成する場合の説明図。
【図8】異常判定のための特徴量RMS(自乗平方根)
のデータ配列を示す図。
【図9】図8の例における‘平均値’と‘降順(大きい
値から順に)5個の平均値’及び‘前データとの差の絶
対値・降順5個の平均値’の説明図。
【図10】第2の実施形態に係わる異常判定システムの
概略構成を示す図。
【図11】図10に示した特徴量演算部の処理手順を示
す図。
【図12】図11に示したステップ210のフレーム分
割の処理内容を示す図。
【図13】判定の対象となるフレームが確定したら、1
フレーム毎に特徴量演算を行っていく場合の処理手順を
示すフローチャート。
【図14】図13に示したステップ224のフレーム毎
の特徴量演算の内容を示す図。
【図15】フレームデータ単位で特徴量データを配列す
る場合の説明図。
【図16】従来のファジィ推論(面積重心法)の構成を
示す図。
【図17】従来の判定部の構成図。
【図18】従来の入力信号のメンバーシップ関数を示す
図。
【図19】従来のSPCとWRGのメンバーシップ関数
を示す図。
【図20】従来のファジィ推論モデルにおいてルールの
作成する場合の説明図。
【図21】第3の実施形態におけるファジィ推論モデル
の構成を示すブロック図。
【図22】同じく第3の実施形態におけるファジィ推論
モデルの構成を示すブロック図。
【図23】第3の実施形態で使用されるSPCとWRG
のメンバーシップ関数を示す図。
【図24】第3の実施形態の処理手順を示すフローチャ
ート。
【図25】第3の実施形態で作成されるルールの説明
図。
【図26】第4の実施形態の構成を示すブロック図。
【図27】総合判定を行う場合のファジィ知識の作成例
を示す図で、表形式でルールを記述する場合の一例を示
す図。
【図28】各ルールで使用するラベルのメンバーシップ
関数の説明図。
【図29】サンプルテスト結果から、不良原因判定ルー
ルを作成する場合の説明図。
【図30】不良原因の作業者への表示器による通知例を
示す図。
【図31】従来の製品の正常、異常を自動判定する自動
判定装置の概略ブロック図。
【図32】FFTアナライザを組み込んで構成した従来
のコンピュータシステムによる処理手法を示すブロック
図。
【図33】FFTアナライザにおける処理の説明図。
【図34】フィルタ方式FFTを用いた周波数解析によ
る従来のコンピュータシステムによる処理手法を示すブ
ロック図。
【図35】従来の判定のためのしきい値の設定作業の処
理手順を示すフローチャート。
【図36】検査のために使用される評点表の説明図。
【符号の説明】
10 検査対象物 45 計測センサ 46 アンプ 50 判定装置 51 識別機構 52 アナログ/ディジタル変換器(A/D変換部) 53 メモリ 54 特徴量演算部 55 ファジィ判定部 56 検査管理部 60 検査実績記録装置 70 音録音装置 72 ヘッドホン 80 官能検査判定入力装置 81 官能検査員 90 検査コントローラ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検査対象物の計測データを入力して該検
    査対象物の異常を所定の判定基準値に基づいて判定する
    異常判定方法において、 上記計測データを保存することと、 該入力された計測データまたは保存データから人による
    上記検査対象物の異常判定結果と装置による上記検査対
    象物の異常判定結果とを記録することと、 上記記録した人による異常判定結果と装置による異常判
    定結果との一致度合いを検証することと、 検証結果が所定レベル以下の場合は上記保存データを元
    にして上記判定基準値を修正することと、 を行なうことを特徴とする異常判定方法。
  2. 【請求項2】 検査対象物の計測データを測定して該検
    査対象物の異常を判定する異常判定方法において、 上記計測データを複数のデータブロックに分割し、 上記分割されたデータブロック単位で複数の特徴量を並
    列して演算し、 上記分割されたデータブロック単位での特徴量演算によ
    り検査対象物の異常を判定することを特徴とする異常判
    定方法。
  3. 【請求項3】 検査対象物の計測データを測定してファ
    ジィ推論によって該検査対象物の異常を判定する異常判
    定方法において、 上記ファジィ推論においては、結論信号について異常と
    判定されるルールだけを用いてファジィ推論することを
    特徴とする異常判定方法。
  4. 【請求項4】 検査対象物の計測データを入力して該検
    査対象物の異常を所定の判定基準値に基づいて判定する
    異常判定装置において、 上記計測データを保存する計測データ保存手段と、 上記入力した計測データまたは上記計測データ保存手段
    の保存データに基づいて人による上記検査対象物の異常
    判定結果と装置による上記検査対象物の異常判定結果と
    を記録する判定結果記録手段と、 上記判定結果記録手段に記録された2つの異常判定結果
    から上記判定基準値を検証する判定基準値検証手段と、 装置による異常判定が所定レベル以下の場合は上記計測
    データ保存手段の計測データを元にして上記判定基準値
    を修正する判定基準値修正手段と、 を有することを特徴とする異常判定装置。
  5. 【請求項5】 検査対象物の計測データを測定して該検
    査対象物の異常を判定する異常判定装置において、 上記計測データを複数のデータブロックに分割する計測
    データ分割手段と、 上記計測データ分割手段で分割されたデータブロック単
    位で複数の特徴量を並列して演算する特徴量演算手段
    と、 上記特徴量演算手段の演算により検査対象物の異常を判
    定する異常判定手段と、 を有することを特徴とする異常判定装置。
  6. 【請求項6】 検査対象物の計測データを測定してファ
    ジィ推論によって該検査対象物の異常を判定する異常判
    定装置において、 結論信号について異常と判定されるルールを作成するフ
    ァジィルール作成手段と、 上記ファジィルール作成手段で作成されたルールに基づ
    いてファジィ推論するファジィ推論手段と、 を有することを特徴とする異常判定装置。
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