JP2001091157A - 粉体乾燥装置におけるシール機構 - Google Patents

粉体乾燥装置におけるシール機構

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JP2001091157A
JP2001091157A JP26657999A JP26657999A JP2001091157A JP 2001091157 A JP2001091157 A JP 2001091157A JP 26657999 A JP26657999 A JP 26657999A JP 26657999 A JP26657999 A JP 26657999A JP 2001091157 A JP2001091157 A JP 2001091157A
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powder
stirring shaft
sleeve
seal
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JP26657999A
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Toshiaki Sugawara
敏明 菅原
Kiyoshi Watanabe
潔 渡辺
Takao Kaneda
孝夫 兼田
Hideyuki Hasegawa
英幸 長谷川
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Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
Original Assignee
Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱媒体の温度に関わりなく、ケーシングと攪
拌軸との間に一定のシール状態を維持することができる
粉体の減圧乾燥装置を提供する。 【解決手段】 攪拌軸の外周に沿って設けられたシール
材スリーブと、前記ケーシングの端縁部に設けられたシ
ール材ホルダーと、該シール材ホルダーに保持され且つ
前記シール材スリーブに対して垂直方向に延びて、シー
ル材スリーブとの間にシール部を形成する複数のシール
材リングと、複数のシール材リングの間に加熱又は冷却
ガスを供給するガス注入孔と、前記シール材のスリーブ
を加熱又は冷却するための温度制御機構とから成る粉体
乾燥装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉体乾燥装置に関
するもので、より詳細には、粉体乃至そのケーキを収容
するケーシングと、該ケーシング内に設けられた攪拌軸
と、該攪拌軸に対する軸受けと、該ケーシングと攪拌軸
とをシールするシール機構とを備えた粉体の減圧乾燥装
置におけるシール機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、粉体乃至そのケーキを収容するケ
ーシングと、該ケーシング内に設けられた攪拌軸と、該
攪拌軸に対する軸受けと、該ケーシングと攪拌軸とをシ
ールするシール機構とを備えた粉体乾燥装置は、例えば
パドル型乾燥装置として広く知られている。
【0003】例えば、特開昭51−107553号公報
には、スチームにより加温されるジャケットを有する内
筒内に、周面にパドルを植設した回転シャフトを収めた
パドル型乾燥機と、スチームが通される多数の加熱管が
回転自在に構成された傾斜配置の胴体内に、その内周面
に沿って取り付けられたスチームチューブ型乾燥機とを
組み合わせ、所用の脱水機により適度に脱水された汚泥
を、先ず上記のパドル型乾燥機にかけてその含水率を低
下させ、次いでこの汚泥を上記スチームチューブ型乾燥
機にかけてその乾燥度をあげ、適度の直径を有する粒状
の汚泥に仕上げることを特徴とする汚泥の乾燥方法が記
載されている。
【0004】特開平8−259601号公報には、含水
したセルロースエーテルをシェル内部で高速で回転する
パドル付シャフトを有し、且つシェル外面を蒸気または
温水等により加熱可能なジャケット構造を有する乾燥機
の中に供給し、パドル付シャフトにより連続的に攪拌し
ながら移動させることを特徴とするセルロースエーテル
の乾燥方法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来例に見られ
る粉体乾燥装置の内、加熱減圧下に粉体乃至そのケーキ
の乾燥を行うものでは、攪拌軸とケーシングとのシール
を適切に行うことが重要となる。このシールは、例えば
シール材スリーブとシール材リングとの圧接摺動によっ
てなされるが、この摺動状態がルーズであると、ケーシ
ング内の減圧の程度が十分でなくなり、一方この摺動状
態がタイトすぎると、駆動トルクが過大となったり、シ
ール材の損耗の程度が大きくなるのを避け得ない。
【0006】シール状態の調節は、攪拌軸に通す加熱媒
体の温度によって行われるのが一般的であり、攪拌軸の
径方向への熱膨張によって、シール材スリーブとシール
材リングとの圧接状態がタイトになるのを利用してい
る。
【0007】しかしながら、この方式では、熱媒体の温
度、即ち、加熱すべき粉体の温度で減圧の程度が異な
り、この温度にかかわりなく、所定の真空度を達成する
ことが困難である。加えて、ケーシング内の粉体は流動
状態にあり、粉体の粒子がシール部の隙間に入るとシー
ル材を損傷する原因となるので、シール部には粉体粒子
の逆流を防止するために圧搾空気を流す必要があり、こ
の空気がケーシング内に流入して、減圧の程度を下げる
要因となっている。
【0008】従って、本発明の目的は、熱媒体の温度に
関わりなく、ケーシングと攪拌軸との間に一定のシール
状態を維持することができ、これによりケーシング内の
減圧の程度を所定のレベルに維持できると共に、攪拌軸
のトルクが過大になったり、或いはシール部に損耗が発
生して、耐久性が低下するのを防止できる粉体の減圧乾
燥装置を提供するにある。特に本発明の目的は、高温で
の減圧におけるシール性を高めるために、さらにシール
材の温度による摩耗を防ぎながら、シール材のスリーブ
を加熱冷却するための温度制御機構を設けた粉体の減圧
乾燥装置を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、減圧装
置に接続され、収容する粉体乃至そのケーキを加熱する
ケーシングと、該ケーシング内に設けられた攪拌軸と、
該攪拌軸に対する軸受けと、該ケーシングと攪拌軸とを
シールするシール機構とを備えた粉体の減圧乾燥装置に
おいて、前記シール機構は、攪拌軸の外周に沿って設け
られたシール材スリーブと、前記ケーシングの端縁部に
設けられたシール材ホルダーと、該シール材ホルダーに
保持され且つ前記シール材スリーブに対して垂直方向に
延びて、シール材スリーブとの間にシール部を形成する
複数のシール材リングと、複数のシール材リングの間に
加熱又は冷却ガスを供給するガス注入孔と、前記シール
材のスリーブを加熱又は冷却するための温度制御機構と
から成ることを特徴とする粉体乾燥装置が提供される。
本発明の粉体乾燥装置において、前記ケーシングの周囲
には加熱媒体を通すためのジャケットが設けられ、攪拌
軸は中空であって、内部に加熱媒体の通路が形成されて
いることが好ましく、更に前記攪拌軸の内面には断熱材
層が形成されていることが、加熱媒体の温度にかかわり
なしに、一定のシール状態を得るために好ましい。ま
た、前記温度制御機構と軸受けとの間に断熱壁が形成さ
れていることが、軸受け部の加熱を防止する上で好まし
い。更に、前記ケーシングの下部が半円筒形乃至それに
近い形状のものであり、前記攪拌軸がパドル付きシャフ
トであること及び前記パドルには邪魔板が設けられてい
ることが、好ましい。
【0010】
【発明の実施形態】[作用]本発明では、収容する粉体
乃至ケーキを加熱するケーシングと、該ケーシング内に
設けられた攪拌軸と、攪拌軸の軸受けと、ケーシングと
攪拌軸とをシールするシール部とで減圧乾燥装置を構成
した。攪拌軸はケーシング中央部に一本設置される単軸
型と二本設置される二軸型に大別されるが、大量の粉体
に対して本発明を実施する場合、二軸型が適合する。こ
の乾燥装置に減圧機構を接続し、しかも粉体乃至そのケ
ーキを加熱することにより、粉体を攪拌しながら減圧下
に乾燥することが可能となり、例えば粉体中に存在する
付着水、吸着水、水和水、沸石水、結晶水等を有効に除
去して、乾燥を有効に行うことが可能となる。
【0011】本発明の装置においては、加熱減圧下に粉
体を攪拌しつつ、乾燥を行うことが極めて重要である。
本発明者らの観察によると、上記条件下での攪拌では粉
体の乾燥が進むにつれて、粉体粒子の流動性が著しく向
上し、粉体粒子はあたかも乾燥された砂のごとくサラサ
ラした流動状態となることが確認されている。このよう
な流動状態では、粉体粒子への伝熱が極めて良好に行わ
れるのみならず、水分等の蒸発による除去も著しく速い
速度で効率よく行われる。
【0012】一般に、粉体の付着力は、複合的なもので
あって必ずしも簡単なものではないが、分子間力(ファ
ン・デル・ワールス力)、水分による毛管力、静電力の
3種の力の寄与が大きい。このうち、分子間力は粒子間
の距離の2乗から3乗に逆比例する近接力であるという
ことができるが、厄介なのは水分による毛管力である。
即ち、毛管力は、粒子間に架橋水膜がある限り距離には
関係がないが、水分が少ないほど付着力が大きく作用す
るという特性がある。本発明の装置では、減圧下でしか
も流動状態での加熱により、上記の架橋水膜が有効に除
去され、粒子間の付着力も低減され、粒子間の凝集を解
消しつつ、粉体の乾燥が有効に行われるものである。勿
論、本発明の乾燥処理による製品は、粉体としての流動
性等に優れていると共に、例えば樹脂中への分散性に優
れているという利点をも与えるものである。
【0013】本発明では、このシール機構を、攪拌軸の
外周に沿って設けられたシール材スリーブと、前記ケー
シングの端縁部に設けられたシール材ホルダーと、該シ
ール材ホルダーに保持され且つ前記シール材スリーブに
対して垂直方向に延びて、シール材スリーブとの間にシ
ール部を形成する複数のシール材リングと、複数のシー
ル材リングの間に加熱又は冷却ガスを供給するガス注入
孔と、前記シール材のスリーブを加熱又は冷却するため
の温度制御機構とから構成したことが特徴である。
【0014】本発明の装置では、シール材スリーブに専
属の温度制御機構を設け、加熱冷却機構のオンオフ制
御、PID制御、2自由度PID制御、2自由度PID
+ファジー制御等により、シール材スリーブの昇温によ
る径方向への熱膨張を一定の範囲に制御し、熱媒体の温
度にかかわりなく、適切なシール状態、即ち減圧状態を
維持し、しかも攪拌軸の駆動トルクが過大となったり、
シール材の損耗の程度が大きくなるのを防止して、円滑
で安定した長期間にわたる運転を可能にしている。ま
た、複数のシール材リングの間に加熱又は冷却ガスを供
給するガス注入孔を設け、シール材スリーブとシール材
リングとの間にガスを通すことにより、粉体粒子の逆流
を防止すると共に、シール材の膨張を制御することによ
り適切なシール状態が得られるものである。
【0015】更に、回転軸の内面に断熱材を設けて、内
部通路を通る熱媒体によって回転軸が加熱されるのを防
止し、熱媒体の温度によるシール状態への影響を遮断す
るようにすることができる。更にまた、軸受け及びシー
ル機構の間に、両者の間を熱的に遮断するための断熱壁
を設け、軸受けの過熱を防止することができる。
【0016】本発明の好適な装置では、ケーシングの下
部を半円筒形乃至それに近い形状のものとし、攪拌軸を
パドル付きシャフトで構成する。この攪拌軸とケーシン
グとの組み合わせでは、粉体に実質上剪断力を与えるこ
となしに、攪拌が行われるので、粉体粒子の器壁への衝
突による付着が回避され、かえって粒子のほぐれ状態が
良好なものとなり、粉体粒子が良好な流動状態になると
いう利点がある。また、粉体がケーシング壁に付着堆積
するのを防止するため、パドルには邪魔板を設けること
が好ましい。
【0017】以上説明した本発明によれば、熱媒体の温
度に関わりなく、ケーシングと攪拌軸との間に一定のシ
ール状態を維持することができ、これによりケーシング
内の減圧の程度を所定のレベルに維持できると共に、攪
拌軸のトルクが過大になったり、或いはシール部に損耗
が発生して、耐久性が低下するのを防止できるという利
点がある。
【0018】従来と本発明のシール状態の違いについて
具体的に説明する。シールを発生するための設定温度
は、シール材リングとシール材スリーブの形状サイズ及
び熱膨張率により決定される。従来、装置が熱媒油で6
時間で300℃に到達した場合、シール部への伝熱は1
50℃で、シール発生の為の設定温度に達し、シールが
発生し、装置減圧度は10torr(負圧で750torr)に
なる。更に昇温して350℃に装置が到達した場合、減
圧度が5torr(負圧で755torr)になり、シール部も
185℃に昇温膨張しシール材の摩耗損傷が発生する。
一方、装置を250℃で運転する場合、シール部温度は
105℃でシール発生の設定温度に到達せず、装置に真
空が発生しない。本発明は、シール部に加熱冷却の温度
制御装置をつけて温度制御する場合、シール部の温度は
150℃に1時間以内に到達し、装置の運転温度に関わ
らず、シールを発生する事ができる。また、熱媒油の昇
温により装置が250℃に到達し、250℃で運転する
場合、シール部は温度制御器により、150℃のシール
発生温度を保持しており、10torr(負圧で750tor
r)の装置真空が得られる。更に昇温して350℃で運
転する場合、シール部は冷却温度制御され150℃を保
持するから、シール部は過度に昇温膨張せず、シール材
の摩耗損傷を生ずることなく、10torr(負圧で750
torr)の装置真空が得られる。
【0019】本発明において、乾燥すべき粉体乃至ケー
キとしては、無機或いは有機の各種粉体やその濾過ケー
キなどがあげられ、乾燥すべき液体は水分であるのが普
通であるが、勿論有機溶媒であってもよい。粉体粒子の
粒径は一般に0.5乃至100μm、特に1乃至10μ
mの範囲にあるものが好適である。
【0020】例えば、粉体としては、充填剤、補強剤、
顔料、染料、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線
吸収剤、塩素捕捉剤、赤外線吸収剤、アンチブロッキン
グ剤等の樹脂配合剤や、各種熱可塑性樹脂、各種熱硬化
性樹脂等が挙げられるが、勿論これらの例に限定されな
い。
【0021】粉体乃至ケーキの乾燥は、一般に粉体を1
00乃至400℃、好適には150乃至350℃の温度
に加熱することにより行われる。この加熱に際して、系
内を減圧に維持するのが有効であり、20torr以上、特
に150torr以上の負圧にするのが脱水に有効である。
また、攪拌軸の回転数は、粉体の流動化が行われるよう
なものが好ましく、一般に毎分当たり5回転以上、特に
毎分当たり20乃至40回転程度の回転が適当である。
処理時間は、粉体乃至ケーキの含有液量や、要求される
乾燥の程度によっても相違するが、一般に15乃至60
分間程度の処理が望ましい。
【0022】
【実施例】本発明を添付図面に示す実施例に基づき以下
に詳細に説明する。添付図面において、図1は本発明の
粉体乾燥装置の一例の側面図であり、図2は図1の装置
の断面図であり、図3は図1の装置の軸受け部及びシー
ル部の詳細を示す拡大断面図である。
【0023】本発明の粉体乾燥装置は、図1に示すよう
に、大まかにいって、減圧装置に接続され、収容する粉
体乃至そのケーキを加熱するケーシング2と、ケーシン
グ2内に設けられた回転軸(撹拌軸)3と、回転軸3に
対する軸受け4と、ケーシング2と回転軸3とをシール
するシール機構5とを備えている。
【0024】ケーシング2は、下部断面が半円形となっ
た直方体の形状であり、その長手方向が水平となるよう
に、機枠1により支持されている。このケーシング2の
下面及び側面には加熱媒体を通すためのジャケット21
が形成されており、このジャケット21には加熱媒体の
導入パイプ21a及び排出パイプ21bが設けられてい
る。ケーシング2の両端部には、ブラケット22を介し
て、軸受け支持スリーブ23が取り付けられており、こ
の支持スリーブ23に軸受け4が取り付けられている。
【0025】回転軸3は軸受け4により回転可能に支持
されていて、ケーシング2のほぼ中心を長手方向に延び
るように位置している。機枠1には駆動用モーター11
が設けられており、回転軸3は、スプロケット12、チ
ェーン13、スプロケット14のような駆動伝達手段に
より駆動回転される。
【0026】ケーシング2の上部には乾燥すべき粉体乃
至ケーキを供給するための開閉弁を備えた供給部24が
設けられ、またケーシング2の下部には乾燥後の粉体を
払い出すための開閉弁を備えた払出部25が設けられて
いる。ケーシング2には、フィルター26を介して真空
ポンプなどの減圧装置(図示せず)との接続部27も設
けられている。尚、図示していないが、接続部27と減
圧装置との間には、蒸発液体を凝集させるためのコンデ
ンサーを設けることもできる。
【0027】回転軸3は中空であり、内部に加熱媒体の
通路38(図3参照)が形成されており、一方の端部に
はジョイント28を介して加熱媒体導入パイプ29が設
けられ、他方の端部にはジョイント30を介して加熱媒
体排出パイプ31が設けられている。これにより、ケー
シング2内の粉体は、ケーシングの壁面のみならず、攪
拌羽根(パドル)を通しても加熱可能となり、伝熱の効
率が高くなっている。
【0028】ケーシング2の内部の構造を示す図2にお
いて、回転軸3には、粉体を攪拌するための多数の円盤
状のパドル32が、軸方向に所定の小間隔をおいて、回
転軸3を中心として取り付けられている。パドル取付部
の両側には、粉体を内側に送るための短いスクリュー3
3(図3参照)が形成されている。また、パドルとパド
ルの間には、粉体のケーシング壁への付着堆積を防止す
るための邪魔板34も設けられている。この装置におい
て、パドル32が駆動回転されると、ケーシング2内に
収容されている粉体もパドルの回転方向に回転されて、
粉体の攪拌と粉体粒子の流動化を生じる。
【0029】本発明に用いる軸受け4及びシール機構5
の詳細な構成を示す図3において、軸受け4は回転軸3
の周囲に設けられた軸受けベアリング41と、これを取
り囲む軸受けベアリングボックス42とから成ってい
る。
【0030】一方、シール機構5は、回転軸3の外周に
沿って設けられたシール材スリーブ51と、ケーシング
2のブラケット22に設けられたシール材ホルダー52
と、シール材ホルダー52に保持され且つ前記シール材
スリーブ51に対して垂直方向に延びて、シール材スリ
ーブ51との間にシール部を形成する複数のシール材リ
ング53、53と、複数のシール材リング53、53の
間に加熱又は冷却ガスを供給するガス注入孔54と、前
記シール材スリーブ51を加熱冷却するための温度制御
機構55とスリーブ温度制御用冷却ファン58から成っ
ている。内方側のシール材リング53には、水平方向の
位置調節用の押しスプリング56が設けられている。シ
ール材スリーブとしては、ステンレスSUS316及び
SUS304等が使用されるが、特に耐久性の点で、S
US304が好適に仕様される。
【0031】シール材リングとしては以下に述べるもの
に限定されないが、超硬合金、アルミナ焼結体、炭化珪
素焼結体、炭化珪素/グラファイト/炭素の複合セラミ
ックス体、テフロン、炭化珪素−グラファイト系自己潤
滑性セラミックス複合材、及び黒鉛複合炭化珪素焼結体
や黒鉛複合炭化珪素焼結複合体が使用される。特に、
〔α型炭化珪素粉末/硼素−炭素系焼結助剤/異方性黒
鉛粒子(天然黒鉛及び鱗片状黒鉛粉)/カーボンブラッ
ク/ポリビニルアルコール〕焼結体にフェノール樹脂を
高圧含浸した黒鉛複合炭化珪素焼結複合体が、固体潤滑
性、熱伝導性、均一接触摺動性の点で優れており好適に
使用される。また、温度制御機構55としては、高周波
誘導加熱装置、赤外線ランプ、ニクロム線ヒーター、ガ
スバーナー等のそれ自体公知のものが用いられる。この
温度制御機構は、粉体乃至そのケーキの加熱温度を室温
以上、減圧を負圧で20乃至759.9torrにする場
合、この加熱機構がないとシール性が悪くなり、この加
熱機構がないと所定の減圧にすることが不可能である。
【0032】本発明の装置では、シール材スリーブ51
に専属の温度制御機構55及びスリーブ温度制御用冷却
ファン58を設け、温度制御機構55のオンオフやPI
D制御等又は冷却ファン58の冷却により、シール材ス
リーブ51の径方向への熱膨張を一定とし、熱媒体の温
度にかかわりなく、適切なシール状態、即ち減圧状態を
維持し、また回転軸3の駆動トルクが過大となったり、
シール材51、53の損耗の程度が大きくなるのを防止
して、円滑で安定した長期間にわたる運転を可能にして
いる。また、複数のシール材リング53、53の間に加
熱又は冷却ガスを供給するガス注入孔54を設け、シー
ル材スリーブ51とシール材リング53との間に温度調
節ガスを通すことにより、粉体粒子の逆流を防止すると
共に、シール材51、シール材リング53の熱膨張を制
御し適切なシール状態が得られるものである。
【0033】回転軸3の内面には断熱材層37が設けら
れていて、内部通路38を通る加熱媒体によって回転軸
3が熱伝導の影響を受けないようにし、シール材スリー
ブ51の温度が温度制御機構55及びスリーブ温度制御
用冷却ファン58によって制御されるようにしている。
【0034】また、軸受け4及びシール機構5の間に、
両者の間の輻射熱を遮断するための断熱壁40を設け、
軸受け4の過熱による機能低下を防止している。
【0035】本実施例の装置の運転の一例では、加熱ジ
ャケット21及び攪拌軸通路38に通す加熱媒体の温度
を室温乃至400℃の広い範囲内で任意の温度に設定で
きる一方で、加熱媒体を250℃に設定した場合はシー
ル材スリーブ51及びシール材リング53の温度を、専
属の温度制御機構55の動作及びガス注入孔54からの
ガス注入により、150℃に昇温可能に設定されてい
る。この運転条件で、ケーシング2内の圧力は、10to
rr(負圧で750torr)に維持されることが確認されて
いる。
【0036】粉体乾燥操作に際しては、ケーシング2の
払出部25の弁を閉じ、供給部24の弁を開いて、乾燥
すべき粉体乃至ケーキをケーシング2内に充填し、供給
部24の弁を閉じる。次いで、加熱ジャケット21及び
攪拌軸通路38に所定温度に加熱された加熱媒体を供給
すると共に、専属の温度制御機構55をオンし、ガス注
入孔54から加熱空気を供給して、シール材スリーブ5
1を所定温度に昇温させる。また同時に、回転軸3を駆
動回転させ、ケーシング2内の粉体乃至ケーキを攪拌す
ると共に、ケーシング2のフィルター26を介して、接
続部27を減圧装置に接続し、ケーシング2の内部を減
圧状態に維持する。これにより、ケーシング2内の粉体
は、次第に流動化状態になりながら、乾燥が有効に進行
する。この間、シール材スリーブ51の温度を温度計で
検出し、温度制御機構55をオンオフ制御すると共に、
必要により、シール材スリーブ51の冷却ファン58も
動作させることにより、シール材スリーブ51の温度を
一定の制御レベルに維持する。粉体の乾燥の程度は、ケ
ーシング2に設けた圧力計によって感知することができ
る。粉体の乾燥が進行するに連れて、蒸気圧が低下する
ので、真空度が上がるので、乾燥の程度を確認すること
ができる。勿論、一定の液含有量の粉体乃至そのケーキ
について、一定の操作条件での時間と乾燥程度との関係
を実験的に求め、乾燥の終点を操作時間で知ることもで
きる。乾燥操作が終了した後、減圧装置との接続を解除
して、ケーシング2内を大気圧に復帰させ、ケーシング
2の払出部25の弁を開いて、乾燥された粉体を外部に
払い出し、以後上記の操作を反復する。
【0037】本実施例の装置における運転条件の一例を
次に示す。 1.粉末状の含水珪酸カルシウム15kgをケーシング
2内に投入し、ケーシング2のジャケットとケーシング
内の回転軸3に熱媒油を流通させ、熱媒油を250℃に
昇温し、同時に回転軸3を40rpmで回転させて、粉
末の流動と昇温を行う。 2.粉末温度が220℃に伝熱到達後、真空ポンプにて
ケーシング2を吸引減圧にし、シール材スリーブ51の
温度を、専属の温度制御機構55の動作及びガス注入孔
54からの加熱ガス注入により、150℃に昇温設定す
る。この運転条件で、ケーシング2内の圧力は、10to
rr(負圧で750torr)に維持されることを確認する。
10torr、30分保持して粉末の減圧脱水を完了する。 3.ケーシング2内の温度を熱媒油温を低下させながら
降温し、シール材スリーブ51の温度を、専属の温度制
御機構55の動作及びガス注入孔54からの加熱ガス注
入により、150℃に保持し、ケーシング2内の圧力
を、10torr(負圧で750torr)に維持して粉末温度
を流動下に室温まで降下させ乾燥製品を得た。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、減圧装置に接続され、
収容する粉体乃至そのケーキを加熱するケーシングと、
該ケーシング内に設けられた攪拌軸と、該攪拌軸に対す
る軸受けと、該ケーシングと攪拌軸とをシールするシー
ル機構とを備えた粉体の減圧乾燥装置において、前記シ
ール機構を、攪拌軸の外周に沿って設けられたシール材
スリーブと、前記ケーシングの端縁部に設けられたシー
ル材ホルダーと、該シール材ホルダーに保持され且つ前
記シール材スリーブに対して垂直方向に延びて、シール
材スリーブとの間にシール部を形成する複数のシール材
リングと、複数のシール材リングの間に加熱又は冷却ガ
スを供給するガス注入孔と、前記シール材のスリーブを
加熱又は冷却するための温度制御機構とから構成するこ
とにより、熱媒体の温度に関わりなく、ケーシングと攪
拌軸との間に一定のシール状態を維持することができ、
これによりケーシング内の減圧の程度を所定のレベルに
維持できると共に、攪拌軸のトルクが過大になったり、
或いはシール部に損耗が発生して、耐久性が低下するの
を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粉体乾燥装置の一例の側面図である。
【図2】図1の装置の断面図である。
【図3】図1の装置の軸受け部及びシール部の詳細を示
す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 機枠 2 ケーシング 3 回転軸(攪拌軸) 4 軸受け 5 シール機構 11 駆動用モーター 12 スプロケット 13 チェーン 14 スプロケット 21 ジャケット 21a 導入パイプ 21b 排出パイプ 22 ブラケット 23 軸受け支持スリーブ 24 開閉弁を備えた供給部 25 開閉弁を備えた払出部 26 フィルター 27 減圧装置との接続部 28 ジョイント 29 加熱媒体導入パイプ 30 ジョイント 31 加熱媒体排出パイプ 32 パドル 33 スクリュー 34 邪魔板 37 断熱材層 38 加熱媒体の通路 40 断熱壁 41 軸受けベアリング 42 軸受けベアリングボックス 45 軸受け冷却用の冷却ファン 51 シール材スリーブ 52 シール材ホルダー 53 シール材リング 54 ガス注入孔 55 温度制御機構 56 位置調節用の押しスプリング 58 スリーブ温度制御用冷却ファン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 兼田 孝夫 東京都中央区日本橋室町四丁目1番21号 水澤化学工業株式会社内 (72)発明者 長谷川 英幸 東京都中央区日本橋室町四丁目1番21号 水澤化学工業株式会社内 Fターム(参考) 3L113 AA08 AC01 AC23 AC58 AC68 BA02 BA36 DA19

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減圧装置に接続され、収容する粉体乃至
    そのケーキを加熱するケーシングと、該ケーシング内に
    設けられた攪拌軸と、該攪拌軸に対する軸受けと、該ケ
    ーシングと攪拌軸とをシールするシール機構とを備えた
    粉体の減圧乾燥装置において、前記シール機構は、攪拌
    軸の外周に沿って設けられたシール材スリーブと、前記
    ケーシングの端縁部に設けられたシール材ホルダーと、
    該シール材ホルダーに保持され且つ前記シール材スリー
    ブに対して垂直方向に延びて、シール材スリーブとの間
    にシール部を形成する複数のシール材リングと、複数の
    シール材リングの間に加熱又は冷却ガスを供給するガス
    注入孔と、前記シール材のスリーブを加熱又は冷却する
    ための温度制御機構とから成ることを特徴とする粉体乾
    燥装置。
  2. 【請求項2】 前記ケーシングの周囲には加熱媒体を通
    すためのジャケットが設けられ、攪拌軸は中空であっ
    て、内部に加熱媒体の通路が形成されていることを特徴
    とする請求項1に記載の粉体乾燥装置。
  3. 【請求項3】 前記攪拌軸の内面には断熱材層が形成さ
    れていることを特徴とする請求項2に記載の粉体乾燥装
    置。
  4. 【請求項4】 前記温度制御機構と軸受けとの間に断熱
    壁が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の
    何れかに記載の粉体乾燥装置。
  5. 【請求項5】 前記ケーシングの下部が半円筒形乃至そ
    れに近い形状のものであり、前記攪拌軸がパドル付きシ
    ャフトであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか
    に記載の粉体乾燥装置。
  6. 【請求項6】 前記パドルには邪魔板が設けられている
    ことを特徴とする請求項5に記載の粉体乾燥装置。
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