JP2001090740A - 車両用電動機の軸受給油装置 - Google Patents

車両用電動機の軸受給油装置

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JP2001090740A JP27096199A JP27096199A JP2001090740A JP 2001090740 A JP2001090740 A JP 2001090740A JP 27096199 A JP27096199 A JP 27096199A JP 27096199 A JP27096199 A JP 27096199A JP 2001090740 A JP2001090740 A JP 2001090740A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油の泡立ち現象の増大による給油不安定と油
の劣化を改善でき、油の交換周期を長期化でき、高回転
域での反駆動側軸受への給油量の不足が生ずることを防
止し得るようにした軸受給油装置を得ること。 【解決手段】 電動機1の両側部に設けられた軸受8,
9の各外側面に隣接して、それぞれ対応する軸受に連通
するとともにそれぞれ下方に潤滑油貯溜部11a,23
aが形成された給油室11或は排油室23を配設し、両
潤滑油貯溜部11a,23aを機外に配設された連通路
24によって連通した。そして、給油室11に設けられ
た給油円板22によって汲み上げられた潤滑油を給油管
14を介して排油室23に連通する軸受9に供給するよ
うにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用電動機の軸
受給油装置に係り、特に鉄道車両用電動機の軸受給油装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、鉄道車両用駆動電動機(以下モ
ータという)における軸受の潤滑にはグリースが用いら
れているが、近年高速回転による小型軽量化と潤滑剤の
更新のための分解周期の延長による省力化を図るため、
軸受の油潤滑方式の開発が進められている。
【0003】図10及び図11は、上記開発検討が進め
られている油潤滑方式の軸受の構造を示す図であって、
モータ1はそのフレーム2の外部に設けられた支持部2
a及び2bを台車枠3に固定することによって車両に支
持されている。上記モータ1のフレーム2の内周面には
円筒状の鉄心と複数のコイルからなるステータ4が取り
付けられており、そのステータ4内にこれと同心的にロ
ータ5が配設されている。
【0004】上記フレーム2の駆動側端部にはブラケッ
ト6が取付けられ、反駆動側の端壁にはハウジング7が
取付けられており、そのブラケット6及びハウジング7
にそれぞれ取付けられた軸受8及び9に、前記ロータ5
が取付けられたロータシャフト10が回転自在に軸支さ
れている。上記ロータシャフト10の駆動側端部10a
は機外に突出されており、そのロータシャフト10の駆
動側端部10aは図示しない継手を介して駆動歯車装置
に接続され、モータの回転力を伝達して車両を走行させ
るようにしてある。
【0005】上記ブラケット6の外側面には、下部に潤
滑油貯溜部11aが形成されるととに軸受8に連通する
給油室11が設けられており、その給油室11内にはロ
ータシャフト10に固着された直径Dの給油円板12が
配設されている。そして、その給油円板12の下方外周
部が潤滑油貯溜部11a内の潤滑油に浸されている。ま
た、給油室11の上方には油受け13が設けられてお
り、この油受け13の底部が、フレーム2の外部に設け
られ、反駆動側に向って下方に傾斜するように給油管1
4を介して、反駆動側の軸受9の上方に設けられている
給油孔15に接続されている。
【0006】一方、ロータシャフト10の反駆動側端部
には速度検出用の歯付円板16が取付けられており、そ
の歯付円板16はハウジング7の外側面に装着された端
蓋17によって被覆されている。上記端蓋17の上方外
周部には速度検出センサ18が装着されており、その速
度検出センサ18の先端面が歯付円板16の外周面に空
隙をもって対向されている。
【0007】また、上記軸受9の下方には排油口19が
設けられており、この排油口19が、フレーム2外に設
けられた駆動側に向って傾斜する油戻し管20を介して
給油室11に連通されている。
【0008】しかして、モータ1が駆動されると、その
モータ1の回転によりロータシャフト10を介して給油
円板12が回転され、下部で給油円板12に付着した潤
滑油が振り上げられ、給油室11の上方に設けられてい
る油受け13に供給される。そして、油受け13に供給
された油は給油管14内を流れて反駆動側軸受部の給油
口15を経て軸受9内に達し、その軸受9を潤滑する。
また、給油室11内で上方に振り上げられた潤滑油の一
部は給油室11の内壁を伝わり駆動側の軸受8の内部に
流入し、この潤滑油によって軸受8の潤滑が行われる。
そして、上記軸受9を潤滑した潤滑油は軸受9の下方に
設けられた排油口19から油戻し管20に流入し、給油
室11の潤滑油貯溜部11aに返流される。また軸受8
を潤滑した潤滑油もその軸受8の側面下方より上記給油
室11の潤滑油貯溜部11aに排出される。
【0009】このようにして、給油室11の潤滑油貯溜
部11aに貯溜されている潤滑油が両軸受8,9に循環
給油され、両軸受8,9の潤滑が行われる。なお、鉄道
車両用モータは両方向回転の運転が行われるが、給油円
板12と油受け13の構成により回転方向が変化しても
給油作用は同様に行われる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような軸受給油装
置においては、反駆動側の軸受9の排油を油戻し管20
によって給油室11に戻すように構成されているため、
給油室11の潤滑油貯溜部11a内の油面高さとロータ
シャフト10の軸線との間には、軸受8の直径dの1/
2と油戻し管20の傾斜を確保するための距離Hが必要
である。このため、潤滑油貯溜部11a内の油面はロー
タシャフト10の軸心より下方に離れた位置に設定する
必要があり、これに伴って給油円板12の直径Dはかな
り大きなものとする必要がある。したがって、給油室1
1の上方に設けられる油受け13の位置も高くなり、潤
滑油貯溜部の油面と油受け13間の間隔も大きくする必
要がある。
【0011】ところが、給油円板12が回転することに
より潤滑油に浸っている部分で油への空気の巻込みによ
る泡立ち現象が生じるが、上述のように給油円板12の
直径が大きくなると、回転時の周速が大きくなるためこ
の泡立ち現象が激しくなり、給油性能が不安定となった
り、油の酸化劣化が促進される等の問題がある。
【0012】また、鉄道車両用モータは、床下の台車内
の限られたスペースに設ける必要があるため、モータの
下方、横方向の寸法に制約があり、給油室11の潤滑油
貯溜部11aのスペースも大幅に増大させることはでき
ない。そのため、前記Hの寸法が大きくなる程給油室1
1の潤滑油貯溜部11a内に溜められる潤滑油の量は少
なくなる。一方、軸受の潤滑により、潤滑油は次第に劣
化するため、劣化限度に達したら潤滑油を交換する必要
がある。したがって、上述のように潤滑油の保有量が少
ないと、油の劣化時間が早くなるため、早期の油交換が
必要になる等の問題がある。
【0013】図12は、給油室の給油円板による反駆動
側の軸受9への給油特性を示す図であり、図10等に示
す軸受給油装置においては、曲線Aに示すように、回転
数の増大に伴い1000rpm付近で給油量が最大とな
り、さらに回転数が増大すると給油量は減少し、250
0rpmを過ぎると給油量は殆どなくなる。したがっ
て、通勤形電車のように停車駅間が短い場合は、モータ
の平均回転数が2000rpm程度と低くなるので給油
量は十分であるが、特急形電車のように駅間が長く、モ
ータの平均回転数が高くなるものでは、給油量の不足を
生ずる等の問題がある。また、高回転化により小形軽量
化を図るモータにおいては、通勤形電車用でも給油量が
不足気味となる。
【0014】本発明は、このような点に鑑み、油の泡立
ち現象の増大による給油不安定と油の劣化を改善でき、
油の交換周期を長期化することができ、さらに高回転域
での反駆動側軸受への給油量の不足が生ずることを防止
し得るようにした軸受給油装置を得ることを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1にかか
る発明は、電動機の両側部に設けられた軸受の各外側面
に隣接して、それぞれ対応する軸受に連通するとともに
それぞれ下方に潤滑油貯溜部が形成された給油室或は排
油室を配設し、上記給油室及び排油室に形成された潤滑
油貯溜部を機外に配設された連通路によって連通すると
ともに、上記給油室内におけるロータシャフトに下方の
潤滑油貯溜部内の潤滑油に外周の一部が浸るように給油
円板を取付け、上記給油円板の回転によって汲み上げら
れた潤滑油を給油管を介して排油室に連通する軸受に供
給するようにしたことを特徴とする。
【0016】請求項2にかかる発明は、請求項1にかか
る発明において、給油円板の外周部に、回転軸線を中心
とする周方向に延びる少なくとも1つの環状溝を設けた
ことを特徴とする。
【0017】また、請求項3にかかる発明は、請求項1
または2にかかる発明において、排油室の外側面に、回
転軸に速度検出用の歯付円板を収容したセンサー室を区
画形成するとともに、排油室の潤滑油貯溜部内の油面高
さが、上記歯付円板の外周下端部より高い位置になるよ
うにしたことを特徴とする。
【0018】請求項4にかかる発明は、請求項1乃至3
のいずれかにかかる発明において、軸受支持部材におけ
る軸受と電動機機内空間との間に、電動機軸を中心とす
る環状の油戻し室を形成するとともに、この油戻し室と
給油室または排油室の潤滑油貯溜部とを油戻し穴によっ
て連通し、上記油戻し穴の途中まで潤滑油が達するよう
に上記潤滑油貯溜部の油面高さを設定したことを特徴と
する。
【0019】さらに、請求項5にかかる発明は、請求項
1乃至4のいずれかにかかる発明において、給油室及び
排油室の潤滑油貯溜部の下部を機外に配設された連通室
によって接続するとともに、その連通室の底面に下方に
向って傾斜する傾斜面を形成し、その傾斜面の最下部位
置に必要に応じて開放可能な油抜き口を設けたことを特
徴とする。
【0020】請求項6にかかる発明は、請求項1乃至5
のいずれかにかかる発明において、給油室と排油室の上
部空間を連通路を介して連通したことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至図9を参照して本
発明の実施の形態について説明する。なお、図中図10
及び図11と同一部分には同一符号を付しその詳細な説
明は省略する。
【0022】図1乃至図3は、本発明の一実施の形態を
示す図であって、モータ1のフレーム2の内周面にはス
テータ(図示せず)が取り付けられており、そのステー
タ内にはロータシャフト10に装着されたロータ(図示
せず)が同心的に配設されている。
【0023】上記フレーム2の駆動側端部にはブラケッ
ト6が、反駆動側端壁にはハウジング7が取付けられて
おり、そのブラケット6及びハウジング7にそれぞれ上
記ロータシャフト10を軸支する軸受8及び9が設けら
れている。
【0024】上記ブラケット6の外側面には、下部に潤
滑油貯溜部21aが形成されるとともに軸受8に連通す
る給油室21が設けられており、その給油室21内には
ロータシャフト10に固着された直径D′の給油円板2
2が配設されている。上記給油円板22はその下方外周
部が潤滑油貯溜部21a内の潤滑油に浸されており、そ
の給油円板22の上方には上記給油円板22によって跳
ね上げられた潤滑油を受ける油受け13が設けられてい
る。
【0025】上記油受け13の底部には、フレーム2の
外部に設けられ、反駆動側に向って下方に傾斜された給
油管14が接続され、その給油管14が反駆動側の軸受
9の上方に設けられている給油口15に接続されてい
る。
【0026】一方、反駆動側のハウジング7には下部に
潤滑油貯溜部23aが形成された排油室23が装着され
ている。この排油室23は軸受9内に連通するように形
成されており、その排油室23の上部空間に速度検出用
の歯付円板16が配設されている。そして、上記排油室
23の潤滑油貯溜部23aと給油室21の潤滑油貯溜部
21aは、機外に設けられた連通管24によって連通さ
れている。なお、図1において符号25は潤滑油貯溜部
21a,23aに設けられたドレンボルトである。
【0027】しかして、モータの回転に伴ない給油室2
1内の給油円板22が回転し、給油円板22の下方に付
着した潤滑油が振り切られて上方に飛ばされ、上方の油
受け13に供給される。この油受け13に供給された油
は、給油管14内を流れ給油口15を経て軸受9内に流
入し、軸受9を潤滑する。そして、軸受9を潤滑した潤
滑油は軸受9から排油室23に排出され、潤滑油貯溜部
23a内に貯溜される。
【0028】一方、給油室21内において給油円板22
で上方に飛ばされた潤滑油の一部は給油室21の内壁面
に伝わって流下し軸受8内にも流入しその軸受8を潤滑
し、その後潤滑油貯溜部21aに貯溜される。
【0029】ところで、上記排油室23の下方に形成さ
れた潤滑油貯溜部23aに溜った潤滑油は連通管24を
経て給油室21に戻り、以後同様にして潤滑油の循環が
行われる。したがって、給油室21と排油室23の各潤
滑油貯溜部21a及び23a内の油面の高さは同一高さ
となる。
【0030】しかして、この実施の形態においては、斜
め下方に傾斜した油戻し管が不要となり、潤滑油貯溜部
21a及び23a内の油面を従来より高くすることがで
き、油面とモータシャフトの中心までの距離H′を小さ
くすることができる。そのため、給油円板22の直径
D′も従来より小さくすることができ、同時に給油室2
1内上方の油受け13の高さ位置も低くすることができ
る。
【0031】このような構造の軸受給油装置における給
油特性は図12の実線Bに示すようになる。すなわち、
油面と油受け13の距離が近くなったことにより給油量
が増大するとともに、回転数の増大に伴う給油量の減少
度合がゆるやかになり、従来のものに比し回転数の高い
領域まで給油量を十分確保することができる。
【0032】また、給油円板22の直径D′が小径化さ
れることにより、油に浸っている部分の周速が小さくな
るので、油の泡立ち現象も少なくなり、給油特性の安定
化と潤滑油の酸化劣化を少くすることができる。さら
に、潤滑油貯溜部内の油面高さが高くなったことにより
給油室21に溜められる油量が増大し、しかも排油室2
3の潤滑油貯溜部23aにも潤滑油が溜められるので、
全体の油量が大幅に増大し、酸化劣化を少くすることと
相まって油の劣化による交換周期を大幅に延長すること
ができる。また、潤滑油の保有量が増えたことにより、
油の消耗による油面の低下速度も比較的遅くなり、この
点からも油の補充周期を延ばすことができる。
【0033】ところで、上記実施の形態においては、給
油円板22は平板状のものであるが、図4(a),
(b)に示すように、給油円板26の外径部両側面に周
方向に延びる同心状の環状溝27を形成してもよい。こ
の場合には、給油円板26が潤滑油に浸ったときに上記
環状溝27部に潤滑油が多く付着し、回転によって給油
円板により油が振り切られるまでの時間が平板状のもの
に比し長くなるので、上方の油受けまで運ばれる油の量
を増大させることができる。
【0034】このようにしたものにおける給油特性は、
図12の点線Cに示すようになり、給油量が増大すると
同時に、高回転域にわたって給油量を増すことができ
る。
【0035】図5は電車の運行状況を示す図であり、通
勤形電車は各駅で停車するため、加速、減速時間が多く
なり、高速域で走行する時間が短いため、モータの回転
数の平均は2000rpm付近となる。一方、特急形電
車は停止駅間が長くなるので、加速、減速を行っている
時間に対し、高速で走る時間が長くなり、モータの平均
回転数は3500rpm付近となる。
【0036】したがって、図12のCに示すように、溝
付き給油円板26を使用したものの給油特性では、35
00rpmにおいても給油量が十分確保できることか
ら、特急形電車のモータにもこの油潤滑方式の採用が可
能になる。なお、この給油円板26の環状溝27は回転
中心と同心状に形成されているので、給油円板の回転に
よって油を攪拌する作用は少く、油の泡立ちを増大させ
ることはない。
【0037】図6は本発明の他の実施の形態を示す図で
あり、排油室23の外側方にセンサ室30が壁31によ
り区画形成されており、そのセンサ室30内に歯付き円
板16が収容されている。そして、排油室23の潤滑油
貯溜部23a内の油面高さが歯付き円板16の外周下端
部より高い位置になるようにしてある。
【0038】しかして、この場合、センサ室30が排油
室23と完全に区画されているので、センサ室30内に
潤滑油が流入することがなく、歯付き円板16が潤滑油
に浸ることがない。そのため、潤滑油が歯付き円板16
の歯部で攪拌されることがなく、歯付き円板として大径
のものを使用することができ、しかも攪拌による油の劣
化や、油が霧状になって漏出することを防止することが
できる。
【0039】また、図7は本発明のさらに他の実施の形
態を示す図であり、反駆動側軸受部のハウジング7の軸
受9と機内との間に、軸受9に微小間隙32を介して連
通する、ロータシャフト10を中心とする環状の油戻し
室33が形成され、この油戻し室33の下部が油戻し穴
34を介して排油室23の潤滑油貯溜部23aに連通さ
れている。そして、上記潤滑油貯溜部23a内の油面高
さが、油戻し穴34の途中まで潤滑油が到達するように
してある。しかして、微小間隙32から油戻し室33に
流入した油は、油戻し穴34を経て排油室23の潤滑油
貯溜部23aに戻される。
【0040】ところで、ロータシャフトの高速回転によ
り、軸受9に給油されている潤滑油は攪拌されて霧状と
なり、この霧状の油がラビリンス部35より機内に漏れ
易くなる。特に、車両用モータは回転数が高くなるた
め、機内の軸受近傍の内周側では大きな負圧が生じるた
め、軸受内で発生した霧状の油が機内に漏れ易くなる。
ところが、本実施の形態においては、油戻し穴34の途
中まで潤滑油が充満しているので、軸受9内で発生した
霧状の油が排油室23から油戻し穴34から逆流して油
戻し室33に進入することが阻止され、霧状の油の油戻
し室33への進入は円周状の微小間隙32部分からのも
のに限定され、油戻し室33からラビリンス部35を通
って機内に漏れ出る霧状の油が最小とされる。
【0041】図8は本発明の他の実施の形態を示す図で
あって、給油室11の潤滑油貯溜部11aと排油室23
の潤滑油貯溜部23aとが、フレーム2の外側に設けら
れた比較的断面積が広い連通室36によって連通されて
おり、その連通室36の底部はその中央部に向って下方
に傾斜する傾斜面が形成され、傾斜面の最下部位置に油
抜き口が設けられその油抜き口に油抜き栓37が取付け
られている。
【0042】しかして、この実施の形態においては、上
記連通室36によって保有可能な潤滑油の量をさらに増
大させることができる。したがって、油の消耗による補
給周期を一層延長することができると共に、油の劣化に
よる油の交換周期もさらに延長することができる。また
油交換時の油抜き作業は1カ所の油抜き栓37を外すこ
とにより全ての油を抜き取ることができ、作業性を向上
することができる。
【0043】また、図9は本発明のさらに他の実施の形
態を示す図であって、反駆動側の軸受9の上方に設けら
れている給油孔15と排油室23の上部空間部が空気穴
38によって連通されている。さらに、上記軸受9に潤
滑油を供給する給油管14及び給油孔15はその径が大
きくしてあり、給油される油が流通しても空間が生じる
ようにし、排油室23の空間部と給油室11の空間部と
が連通されている。
【0044】しかして、給油室11及び排油室23の空
間部が空気穴38により常に連通されているので、両室
内の圧力が同一に保たれ、両室の油面の高さを常に同一
に保つことができる。
【0045】空気穴38がない場合でも、給油室空間と
排油室空間は、機内空間と軸受内空間とラビリンス部の
微小間隙とで連通しているが、運転時は機内の圧力と軸
受内の圧力が変化するため、両室の圧力が均等になりに
くく、そのため反駆動側軸受への給油量が多いときに、
排油室の油面のみが上昇し、油の攪拌増大による油洩れ
を生じ易い状態になることもある。
【0046】しかしながら、本実施の形態においては空
気穴38が設けられているので、排油室側の油面のみが
上昇することが確実に防止される。なお、空気穴38の
代りに、機外に空気連通管39を設け、その空気連通管
39によって給油室と排油室の空間を連通させてもよ
い。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は電動機の
両側部に設けられた軸受の各外側面に隣接して設けられ
た給油室或は排油室の下部にそれぞれ潤滑油貯溜部を形
成し、両潤滑油貯溜部を機外に配設された連通路によっ
て連通したので、潤滑油の保有量を増大でき、潤滑油の
補給周期や油の劣化による交換の周期を延ばすことがで
きる。しかも、給油室に設ける給油円板の小径化が可能
で、給油特性を向上させ安定した給油ができ、高回転域
での給油が可能となり、特急形電車用モータにも適用で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の軸受給油装置の縦断面図。
【図2】図1における給油室部の縦断側面図。
【図3】図1の排油室部の縦断側面図。
【図4】(a)、(b)は給油円板の他の例を示す部分
図及び部分断面図。
【図5】車両の運行状況を説明する図。
【図6】本発明の他の実施の形態を示す、排油室部の縦
断面図。
【図7】本発明の他の実施の形態を示す、排油室部の縦
断部分図。
【図8】本発明の他の実施の形態を示す図。
【図9】本発明のさらに他の実施の形態を示す図。
【図10】従来の軸受給油装置の縦断面図。
【図11】従来の軸受給油装置の側面図。
【図12】軸受給油装置の給油特性を示す図。
【符号の説明】
2 フレーム 6 ブラケット 7 ハウジング 8,9 軸受 10 ロータシャフト 11,21 給油室 11a,23a 潤滑油貯溜部 12,22,26 給油円板 13 油受け 15 給油孔 23 排油室 24 連通管 27 環状溝 30 センサ室 33 油戻し室 34 油戻し穴 36 連通室 37 油抜き栓 38 空気穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木 下 力 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 Fターム(参考) 3J101 AA02 AA13 AA24 AA32 AA42 AA52 AA62 BA73 BA77 CA02 CA04 CA08 CA13 CA14 CA16 CA17 FA32 FA48 FA60 GA01 GA24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電動機の両側部に設けられた軸受の各外側
    面に隣接して、それぞれ対応する軸受に連通するととも
    にそれぞれ下方に潤滑油貯溜部が形成された給油室或は
    排油室を配設し、上記給油室及び排油室に形成された潤
    滑油貯溜部を機外に配設された連通路によって連通する
    とともに、上記給油室内におけるロータシャフトに下方
    の潤滑油貯溜部内の潤滑油に外周の一部が浸るように給
    油円板を取付け、上記給油円板の回転によって汲み上げ
    られた潤滑油を給油管を介して排油室に連通する軸受に
    供給するようにしたことを特徴とする、車両用電動機の
    軸受給油装置。
  2. 【請求項2】給油円板の外周部に、回転軸線を中心とす
    る周方向に延びる少なくとも1つの環状溝を設けたこと
    を特徴とする、請求項1記載の車両用電動機の軸受給油
    装置。
  3. 【請求項3】排油室の外側面に、回転軸に速度検出用の
    歯付円板を収容したセンサー室を区画形成するととも
    に、排油室の潤滑油貯溜部内の油面高さが、上記歯付円
    板の外周下端部より高い位置になるようにしたことを特
    徴とする、請求項1または2記載の車両用電動機の軸受
    給油装置。
  4. 【請求項4】軸受支持部材における軸受と電動機機内空
    間との間に、電動機軸を中心とする環状の油戻し室を形
    成するとともに、この油戻し室と給油室または排油室の
    潤滑油貯溜部とを油戻し穴によって連通し、上記油戻し
    穴の途中まで潤滑油が達するように上記潤滑油貯溜部の
    油面高さを設定したことを特徴とする、請求項1乃至3
    のいずれかに記載の車両用電動機の軸受給油装置。
  5. 【請求項5】給油室及び排油室の潤滑油貯溜部の下部を
    機外に配設された連通室によって接続するとともに、そ
    の連通室の底面に下方に向って傾斜する傾斜面を形成
    し、その傾斜面の最下部位置に必要に応じて開放可能な
    油抜き口を設けたことを特徴とする、請求項1乃至4の
    いずれかに記載の車両用電動機の軸受給油装置。
  6. 【請求項6】給油室と排油室の上部空間を連通路を介し
    て連通したことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれ
    かに記載の車両用電動機の軸受給油装置。
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