JP2001090009A - 透水性舗装材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 砕石や砂利等の粒状物を利用した透水性舗装
材に係り、特に当該透水性舗装材の上面を車両が通過す
る際に当該舗装材を構成する粒状物の移動を防止し、ま
た透水性に優れた透水性舗装材を提供する。 【解決手段】 鉛直方向に設けられた多数の隔壁（１）
または突起（２）により囲繞部（３）を形成し、当該囲
繞部内にバインダーにより弱接着された粒状物（４）を
充填してなる透水性舗装材、また必要に応じて囲繞部
（３）の下面に透水性シート（５）を敷設してなる透水
性舗装材。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、砕石や砂利等の粒
状物と、当該粒状物が妄りに移動するのを阻止する為に
設けられた隔壁部材等とを使用した透水性舗装材に係
り、特に当該舗装材の上面を車両が通過する際に粒状物
の移動を防止し、また透水性に優れた舗装材に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から透水性舗装構造としては、上下
方向に貫通する多数の中空部を有する例えばハニカム構
造の板状体を使用して、当該中空部に粒状物を充填して
転圧ローラにより粒状物を締め固めて製造されたのもの
が提案されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の透水性
舗装構造のものは、ハニカム構造の中空部に充填される
粒状物を締め固めすぎると透水性が低下し、一方当該粒
状物を締め固めが弱いと粒状物が移動して舗装面を移動
する自動車のタイヤが空転することもある。従って、現
場施工時における粒状物を締め固め度合いの調整に熟練
と手間を要していた。

【０００４】

【課題を解決する手段】本発明は、これらの問題を解決
したものであってその要旨は、（１）鉛直方向に設けら
れた多数の隔壁又は突起により囲繞部を形成し、当該囲
繞部内にバインダーにより弱接着された粒状物を充填し
てなる透水性舗装材である。また、（２）囲繞部の下面
に透水性シートを敷設してなる上記（１）の透水性舗装
材である。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明の透水性舗装材及びマット
状成形体を添付図面に基づいて説明する。図１は本発明
の透水性舗装材の要部の縦断面図であり、図２は隔壁に
て囲繞部を形成したマット状成形体の実施例の斜視図で
あり、図３は突起にて囲繞部を形成したマット状成形体
の実施例の斜視図であり、図４は突起の上端に仕切用の
マーカを嵌合した斜視図である。

【０００６】図１及び２において、１は隔壁であり鉛直
方向に多数設けられており、この隔壁１の端面を互いに
結合させて多数区画された囲繞部３が形成されている。
この囲繞部３を構成する隔壁１は、プラスチックス原料
を用いて射出成形で一体成形して得られる。７は路盤で
あり、当該路盤７の上面に透水性シート５を介在させ
て、上記囲繞部３を有する隔壁１を載置する。そして、
当該囲繞部３内にバインダーにより弱接着された砕石、
砂利、玉砂利、バークチック及び煉瓦屑等の粒状物４を
充填して透水性舗装材とする。

【０００７】図３において、２は突起であり鉛直方向に
多数設けられており、この突起２によって囲繞部３が形
成されており、そして当該突起２の下端は連結バー６に
よって互いに連結されている。この囲繞部３を構成する
突起２も、プラスチックス原料を用いて射出成形で一体
成形して得られる。そして、このように囲繞部３が形成
された突起２を、上記と同様に路盤７の上面に透水性シ
ート５を介して載置した後、囲繞部３内にバインダーに
より弱接着された粒状物４を充填して透水性舗装材とす
る。

【０００８】図４は上記突起２の上端に凹部を設け、ま
た仕切用のマーカー８の下面に凸部片を設けて、両者の
凹凸部を嵌合させて、突起２の上端に仕切用のマーカー
８を取り付けた実施例であり、このような構成にしても
よい。

【０００９】なお、図２及び図３に示した構造のマット
状成形体は、プラスチック原料等を用いて射出成形にて
定尺の大きさに成形し、これら成形された定尺のマット
状成形体の周壁には適宜形状の凹部片及び凸部片を有し
ており、この凹凸部片同士を順次繋ぎ合わせて定尺の構
造のマット状成形体を広範な場所に敷設して使用するも
のである。

【００１０】本発明におけるバインダーは、エポキシ樹
脂系、ウレタン系、アクリル系等の合成樹脂接着剤が好
適に使用できる。本発明の透水性舗装材の上面を重量物
が通過する場合に、囲繞部３内に充填された粒状物４同
士が弱接着であっても、囲繞部３を構成する隔壁１又は
突起２が垂直荷重の一部を負担するので強度的な問題が
ない透水性舗装材を得ることが出来る。そして、粒状物
４同士が弱接着結合であるので、使用するバインダーの
量を極力抑えることが出来き、当該バインダーによる目
詰りが少なく空隙が十分確保された透水性に優れている
と共に適宜の柔軟性を持った透水性舗装材を得ることが
出来る。

【００１１】また、本発明の透水性舗装材は、上記の通
り粒状物４は相互にバインダーによって接着されている
ので経年変化により粒状物４同士が締め固まることがな
いので透水機能の低下が見られない。

【００１２】粒状物４同士を接着の為に使用されるバイ
ンダー容量／粒状物の容量の比が、あまり小さいと粒状
物４同士の接着力に欠け、またあまりこの比が大き過ぎ
るとバインダーの目詰りにより粒状物４同士の空隙が少
なくなり透水性が低下すると共に剛性力が強すぎて柔軟
性に欠ける透水性舗装材となるので、設置場所及び上面
からの荷重の加わり方等を考慮して適宜の値を選定すれ
ばよい。

【００１３】路盤７の上面に不織布等よりなる透水性シ
ート５を敷設することによって、路盤７から泥等が粒状
物４の空隙部に浸入することが防止され長期に亘って当
該空隙を保持することが出来る。尚、路盤７に排水材を
使用すれば、本発明の透水性舗装材の透水効果を一層高
めることが出来る。

【００１４】

【発明の効果】本発明の透水性舗装材を駐車場、道路舗
装等に使用すれば、雨水は粒状物４間の空隙に一時的に
滞留した後順次地中に吸収される一種の貯留浸透タンク
の役割を果たしている。また本発明の透水性舗装材は、
当該舗装材の一部を構成している粒状物４が、バインダ
ーによって適度の強度で弱接着されているので、経年変
化により粒状物４同士が締め固まることがないので透水
機能の低下が見られず、そして粒状物４は妄りに移動し
ないので車両のタイヤの軌跡や陥没の発生を防止するこ
とが出来ると共に、互いに結合された粒状物４は適宜の
柔軟性を有しているので舗装材の上面を歩行する際に感
触が非常に良い。更に、透水性舗装材の囲繞部３を構成
する隔壁１または突起２が、車両の通過時に加わる垂直
荷重の一部を負担するので当該囲繞部に充填される粒状
物４同士が弱接着でも強度的な問題はない透水性舗装材
を得ることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の透水性舗装材の要部の縦断面図。

【図２】隔壁にて囲繞部を形成したマット状成形体の実
施例の斜視図。

【図３】突起にて囲繞部を形成したマット状成形体の実
施例の斜視図。

【図４】突起の上端に仕切用のマーカーを嵌合した斜視
図。

【符号の説明】

１ 隔壁 ２ 突起 ３ 囲繞部 ４ 粒状物 ５ 透水性シート ７ 路盤 ８ 仕切用マーカー

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 鉛直方向に設けられた多数の隔壁又は突
   起により囲繞部を形成し、当該囲繞部内にバインダーに
   より弱接着された粒状物を充填してなる透水性舗装材。
2. 【請求項２】 囲繞部の下面に透水性シートを敷設して
   なる請求項１記載の透水性舗装材。