JP2001089841A - 表面加工用冶具及び表面加工方法 - Google Patents

表面加工用冶具及び表面加工方法

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JP2001089841A
JP2001089841A JP26789099A JP26789099A JP2001089841A JP 2001089841 A JP2001089841 A JP 2001089841A JP 26789099 A JP26789099 A JP 26789099A JP 26789099 A JP26789099 A JP 26789099A JP 2001089841 A JP2001089841 A JP 2001089841A
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mask
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優 山口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板に対して所定の空隙を設けた状態でマス
クの周辺部を治具で固定した場合、マスクに偏った応力
が加わり、マスクが歪んで平面性が損なわれ、基板の表
面に対する平行度が局部的に悪くなる。この結果、表面
加工の品質が損なわれるという課題がある。 【解決手段】 表面加工用治具は、表面加工の対象とな
る表面及びその反対側の裏面を備えた基板1を保持する
ための保持部材2と、所定の間隙を規定するスペーサ6
を介して表面加工に用いるマスク5を基板1の表面に装
着する装着部材3と、基板1の裏面側に配され、表面加
工中マスク5に吸引力を作用させてスペーサ6を介し基
板1の表面にマスク5を圧接しておく吸引部材4とを備
えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は真空蒸着やエッチン
グ等基板表面の加工用に用いる治具及び表面加工方法に
関する。より詳しくは、基板に対して表面加工に用いる
マスクをセッティングする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は、基板の表面加工に用いる蒸着装
置の一般的な構成を示す模式図である。図示するよう
に、蒸着装置200はチャンバ201を主体として構成
されている。チャンバ201の中には蒸着源202が配
置されている。蒸着源202は抵抗加熱方式又は電子線
加熱方式のいずれでもよい。チャンバ201にはポンプ
203が接続されており、内部を真空排気可能にしてい
る。チャンバ201の上部には治具204が組み込まれ
ている。この治具204はモータ205により公転運動
及び自転運動を行うことができる。治具204には処理
対象となる基板1と処理用のマスク5が装着される。マ
スク5は基板1に選択的に蒸着物質を堆積するために用
いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】基板に対して微細な蒸
着処理を施す場合等、基板表面から一定の間隔でマスク
を浮かした状態で治具204に装着したいことがある。
マスク5を基板1に密着させると、位置合わせのとき等
傷が生じる恐れがあるので好ましくない。この場合、ス
ペーサを介して基板1にマスク5を装着することにな
る。従来、基板に対して所定の空隙を設けた状態でマス
ク5の周辺部を治具204で固定していた。このように
すると、マスク5に偏った応力が加わる場合があり、マ
スク5が歪んで平面性が損なわれ、基板1の表面に対す
る平行度が局部的に悪くなる。この結果、蒸着ムラが生
じ、表面加工の品質が損なわれるという課題があった。
尚、マスクは蒸着処理ばかりでなく、基板の表面に対す
る選択的な露光処理等にも用いられる。本明細書では、
蒸着処理や露光処理等を含む上位概念として表面処理若
しくは表面加工という用語を用いている。
【0004】
【課題を解決する為の手段】上述した従来の技術の課題
を解決するために以下の手段を講じた。即ち、本発明に
かかる表面加工用治具は、表面加工の対象となる表面及
びその反対側の裏面を備えた基板を保持するための保持
部材と、所定の間隙を規定するスペーサを介して表面加
工に用いるマスクを該基板の表面に装着する装着部材
と、該基板の裏面側に配され、表面加工中該マスクに吸
引力を作用させて該スペーサを介し該基板の表面に該マ
スクを圧接しておく吸引部材とを備えている。好ましく
は、前記吸引部材は、磁性材料からなるマスクに磁気的
な吸引力を作用させる電磁石又は永久磁石からなる。或
いは、前記吸引部材は、マスクに静電気的な吸引力を作
用させるものでも良い。好ましくは、前記装着部材は該
基板に対して該マスクを位置決めする調整手段を備えて
おり、前記吸引部材は該マスクの位置決め中該吸引力を
解除可能である。好ましくは、前記装着部材は、あらか
じめ該基板の表面に形成されたスペーサを介して該マス
クを該基板の表面に装着する。好ましくは、前記装着部
材は、該基板の表面に対して蒸着加工を行うときに用い
る蒸着マスクを装着する。具体的には、前記装着部材
は、該基板の表面に有機エレクトロルミネッセンス素子
を蒸着で形成するときに用いる蒸着マスクを装着する。
【0005】本発明は、又表面加工方法も包含してい
る。即ち、本発明にかかる表面加工方法は、表面加工の
対象となる表面及びその反対側の裏面を備えた基板を用
意する準備工程と、所定の間隙を規定するスペーサを介
して表面加工に用いるマスクを該基板の表面に装着する
装着工程と、該基板の裏面側から該マスクに吸引力を作
用させて該スペーサを介し該基板の表面に該マスクを圧
接しておく吸引工程と、該マスクを介して該基板の表面
に選択的に表面加工を施す処理工程とからなる。
【0006】更に本発明は、上述した表面加工用治具及
び表面加工方法を応用した表示装置の製造方法を包含し
ている。即ち、本発明に係る表示装置の製造方法は、表
示装置の画素を構成するエレクトロルミネッセンス素子
が蒸着形成されるべき表面及びその反対側の裏面を備え
た基板を用意する準備工程と、所定の間隙を規定する様
にあらかじめ該基板の表面に形成されたスペーサを介し
て蒸着加工に用いる蒸着マスクを該基板の表面に装着す
る装着工程と、該基板の裏面側から該蒸着マスクに吸引
力を作用させて該スペーサを介し該基板の表面に該蒸着
マスクを圧接しておく吸引工程と、該蒸着マスクを介し
て該基板の表面に選択的にエレクトロルミネッセンス素
子を蒸着形成する処理工程とからなる。
【0007】本発明によれば、基板に対してマスクが表
面側に装着される一方、吸引部材が裏面側に配され、表
面加工中マスクの全体に均一な吸引力を作用させて、ス
ペーサを介し基板の表面にマスクを圧接しておく。基板
の裏面側からマスクを吸引するので、表面加工を妨害す
ることなく、マスクの周辺部だけでなく中央部を含めた
全体に均一な吸引力を加えられる。従って、マスクに歪
みが生じにくいので、スペーサを介しマスクの平行度を
精密に維持でき、局所的に蒸着ムラ等が発生することを
防止可能である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態を詳細に説明する。図1は本発明に係る表面加工
用治具の実施形態の一例を示す模式的な断面図である。
図示するように、本表面加工用治具は金属ブロック等か
らなる治具本体0を用いて組み立てられている。具体的
には、治具本体0に、保持部材2、装着部材3及びマグ
ネットシート(吸引部材)4が組み込まれている。保持
部材2は表面加工の対象となる表面(図では下面)及び
その反対側の裏面(図では上面)を備えた基板1を保持
する。装着部材3は、所定の間隙を規定するスペーサ6
を介して表面加工に用いるマスク5を基板1の表面に装
着する。吸引部材は基板1の裏面側に配され、表面加工
中マスク5に吸引力を作用させてスペーサ6を介し、基
板1の表面にマスク5を圧接しておく。本実施形態で
は、吸引部材は、ステンレススチール等の磁性材料から
なるマスク5に磁気的な吸引力を作用させるマグネット
シート4を用いている。マグネットシート4は永久磁石
の一種で、基板1を介しマスク5の全体に対して均一な
磁気吸引力を作用させるので、マスク5は歪むことなく
スペーサ6により基板1に対して精密な平行度を維持で
きる。尚、マグネットシート4等の永久磁石に変え、治
具本体0に電磁石を組み込んで、マスク5に磁気吸引力
を作用させるようにしてもよい。場合によっては、磁気
的な吸引力に代え、マスクに静電気的な吸引力を作用さ
せる構造としてもよい。例えば、マスク5を負極側に帯
電させ、治具本体0の平面部を正極側に帯電させること
で、両者の間に静電気的な吸引力が作用する。尚、本実
施形態では装着部材3は基板1に対しマスク5を位置決
めする調制手段を備えており、吸引部材はマスク5の位
置決め中吸引力を解除可能な構成となっている。具体的
には、マグネットシート4を治具本体0の開口部7から
取り外すことにより、マスク5に加わる磁気吸引力が解
除されるので、マスク5を基板1に対して自由に位置決
め可能である。尚、本実施形態では、装着部材3は、予
め基板1の表面に形成されたスペーサ6を介してマスク
5を基板1の表面に装着している。換言すると、スペー
サ6は例えばストライプ状に予め基板1と一体的に形成
されいている。場合によっては、スペーサ6をマスク5
側に一体的に形成してもよい。本実施形態では、装着部
材3は基板1の表面に対して蒸着加工を行うときに用い
る蒸着マスク5を装着するようにしている。例えば、装
着部材3は、基板1の表面に有機エレクトロルミネッセ
ンス素子を蒸着で形成するときに用いる蒸着マスク5を
装着する。
【0009】図2は、本発明に係る表面加工用治具の他
の実施形態の一例を示す模式的な断面図である。基本的
な構成は、図1に示した実施形態と同様であり、対応す
る部分には対応する参照番号を付して理解を容易にして
いる。本実施形態では、先の実施形態で用いたマグネッ
トシートに代えて、永久磁石4aを吸引部材に用いてい
る。この永久磁石4aは治具本体0の平面部を磁化した
ものである。尚、永久磁石4aに代えて電磁石を治具本
体0の平面部に組み込むこともできる。このように、本
発明に係る表面加工用治具は、基板1とマスク5との平
行性を確保するために、基板1の裏面部全面に平面型の
吸引部材を配置している。本実施形態では、吸引部材
は、治具本体0の一部を磁化した構造である。治具の一
部を磁化することで治具全体の構造を簡単にすることが
できる。尚、永久磁石4aを使用した場合、マスク5を
位置合わせのため移動するとき、磁気吸引力を解除でき
ないので、マスク5はスペーサ6を擦ることになり、ス
ペーサ6の破損に至らなくともゴミ等の微粒子の発生を
招く恐れがある。そこで永久磁石4aに代えて、マスク
5の移動時に磁気吸引力を解除できる、コイル等の電磁
石を使用してもよい。
【0010】図3は、基板1とマスク5の相対的な位置
関係を示す模式的な平面図である。本例は、基板1にR
GB三原色の画素を真空蒸着で形成する場合を表してい
る。基板1の表面には予めスペーサ6がストライプ状に
形成されている。このスペーサ6は有機若しくは無機の
絶縁物からなり、例えばスクリーン印刷により基板1の
表面に形成できる。ストライプ状に形成された各スペー
サ6の間に、RGB三原色に分かれた画素を形成する。
このため、マスク5は図示のようなパタン8を有し、ハ
ッチングが施されていない部分に矩形の開口が開いてい
る。図示の状態では、マスク5のパタン8は基板1側の
画素Rに対応している。この状態で、真空蒸着を行うこ
とにより、画素Rを構成すべき物質が選択的に蒸着され
る。このあと、マスク5を右側に一画素分シフトするこ
とで、パタン8は画素Gの領域に整合することになる。
ここで物質を代えて再び真空蒸着を行うことにより、画
素Gを形成することができる。同様にして、マスク5を
更に右側に一画素分シフトし、画素Bを形成する。
【0011】図示の例では、スペーサ6の配列間隔は例
えば300μmに設定されている。これに対し、マスク
5に形成された開口パタン8の寸法は、例えば70×2
00μmである。又、マスク5は例えばステンレススチ
ールからなり、その厚みは例えば50μm程度である。
これに対し、基板1とマスク5の間隙寸法を規定するス
ペーサ6の厚みは例えば5μm程度である。
【0012】次に、図3に示したマスクを用いてガラス
基板の上にエレクトロルミネッセンス素子からなる画素
を形成する方法の一例を、具体的に説明する。先ず
(A)に示すように、ガラス基板1上に、クロム(C
r)を膜厚200nmでDCスパッタリングにより成膜
する。スパッタガスとしてアルゴン(Ar)を用いて、
圧力を0.2Pa、DC出力を300Wとした。通常の
リソグラフィー技術を用いて、所定の形状にパターニン
グする。エッチング液としてETCH−1(三洋化成工
業(株)製)を用いて、加工する。所定の形状の陽極A
が得られる。クロムは前記エッチング液により高精度か
つ再現性よく加工できる。さらに、加工精度が要求され
る場合は、ドライエッチングによる加工も可能である。
エッチングガスとしては、塩素(C1)と酸素
(O)の混合ガスを用いることができる。特に、リア
クティブイオンエッチング(RlE)を用いれば、高精
度な加工ができ、かつエッチング面の形状の制御が可能
である。所定の条件でエッチングすれば、テーパー状の
加工が可能で、陰極−陽極間ショートを低減できる。続
いて、クロムが所定のパタンに加工された基板1上に絶
縁層15を成膜する。絶縁層15に用いる材料は特に限
定はないが、本実施例では二酸化珪素(SiO)を用
いている。Si0はスパッタリングにより膜厚200
nmに形成する。成膜方法に、特に限定はない。通常の
リソグラフィー技術を用いて、クロム上に開口を設ける
様にSi0を加工する。Si0のエッチングには、
フッ酸とフッ化アンモニウムの混合液を使うことができ
る。また。ドライエッチングによる加工も可能である。
前記開口部が、有機エレクトロルミネッセンス素子の発
光部分となる。尚、前記絶縁層15は本発明に必要不可
欠なものでないが、陽極−陰極間ショートを防ぐために
は設置することが望ましい。この後、前記開口部の両側
にスペーサ6を、例えばスクリーン印刷法で形成する。
【0013】次に(B)に示すように、スペーサ6を介
してガラス基板1の表面側にマスク5を装着する。この
際、ガラス基板1の裏面側から磁気的な吸引力がマスク
5に作用する。これにより、マスク5はスペーサ6を介
しガラス基板1に対して精密な平行度を維持できる。
尚、マスク5に形成された開口パタン8は、前述した絶
縁層15の開口部に整合するよう、位置決めされてい
る。このようにガラス基板1及びマスク5を組み込んだ
治具を真空蒸着装置に投入し、有機層10及び陰極Kの
金属層11を蒸着により形成する。ここで有機層10
は、正孔注入層101として4,4’,4”−トリス
(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルア
ミン(MTDATA)、正孔輸送層102としてビス
(N−ナフチル)−N−フェニルベンジジン(α−NP
D)、発光層103として8−キノリノールアルミニウ
ム錯体(Alq)を用いた。陰極Kの金属層11には、
マグネシウムと銀の合金(Mg:Ag)を用いた。有機
層10に属する各材料は、それぞれ0.2gを抵抗加熱
用のボートに充填して真空蒸着装置の所定の電極に取り
付ける。金属層11のマグネシウムは0.1g、銀は
0.4gをボートに充填して、真空蒸着装置の所定の電
極に取り付ける。真空チャンバを、1.0x10−4
aまで減圧した後、各ボートに電圧を印加し、順次加熱
して蒸着させる。蒸着には、蒸着マスクを用いることに
より所定の部分のみ有機層10およびMg:Agからな
る金属層11を蒸着させた。所定の部分とは、基板1上
で、クロムが露出している部分である。クロムの露出し
ている部分だけに高精度に蒸着することは困難であるの
で、クロムの露出している部分全体を覆うように(絶縁
層15の縁にかかるように)蒸着マスクを設計した。ま
ず、正孔注入層101としてMTDATAを30nm、
正孔輸送層102としてα−NPDを20nm、発光層
103としてAlqを50nm蒸着した。さらに、マグ
ネシウムおよび銀の共蒸着を行なうことにより、有機層
10上に陰極Kの金属層11としてMg:Agを成膜す
る。マグネシウムと銀は、成膜速度の比を9:1として
いる。Mg:Agの膜厚をl0nmとした。
【0014】最後に、(C)に示すように、別の真空チ
ャンバに移し、同じマスクを通して透明導電層12を成
膜する。成膜にはDCスパッタリングを用いる。本実施
例では、透明導電層12として室温成膜で良好な導電性
を示すIn−Zn−O系の透明導電膜を用いる。成膜条
件は、スパッタガスとしてアルゴンと酸素の混合ガス
(体積比Ar:O=1000:5)を用い、圧力0.
3Pa、DC出力40Wとした。膜厚200nmで成膜
した。
【0015】最後に、有機エレクトロルミネッセンス素
子を画素に用いた表示装置を説明する。一般に、アクテ
ィブマトリクス型の表示装置では、多数の画素をマトリ
クス状に並べ、与えられた輝度情報に応じて画素毎に光
強度を制御することによって画像を表示する。電気光学
物質として液晶を用いた場合には、各画素に書き込まれ
る電圧に応じて画素の透過率が変化する。電気光学物質
として有機エレクトロルミネッセンス材料を用いたアク
ティブマトリクス型の表示装置でも、基本的な動作は液
晶を用いた場合と同様である。しかし液晶ディスプレイ
と異なり、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ
は各画素に発光素子を有する自発光型であり、液晶ディ
スプレイに比べて画像の視認性が高い、バックライトが
不要、応答速度が速い等の利点を有する。個々の発光素
子の輝度は電流量によって制御される。即ち、発光素子
が電流駆動型或いは電流制御型であるという点で液晶デ
ィスプレイ等とは大きく異なる。
【0016】液晶ディスプレイと同様、有機エレクトロ
ルミネッセンスディスプレイもその駆動方式として単純
マトリクス方式とアクティブマトリクス方式とが可能で
ある。前者は構造が単純であるものの大型且つ高精細の
ディスプレイの実現が困難であるため、アクティブマト
リクス方式の開発が盛んに行われている。アクティブマ
トリクス方式は、各画素に設けた有機エレクトロルミネ
ッセンス素子に流れる電流を画素内部に設けた能動素子
(一般には、絶縁ゲート型電界効果トランジスタの一種
である薄膜トランジスタ、以下TFTと呼ぶ場合があ
る)によって制御する。このアクティブマトリクス方式
の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイにつき、
一画素分の等価回路を図5に示す。画素PXLは有機エ
レクトロルミネッセンス素子OLED、第一の能動素子
としての薄膜トランジスタTFT1、第二の能動素子と
しての薄膜トランジスタTFT2及び保持容量Csから
なる。有機エレクトロルミネッセンス素子は多くの場合
整流性があるため、OLED(有機発光ダイオード)と
呼ばれることがあり、図ではダイオードの記号を用いて
いる。図示の例では、TFT2のソースSを基準電位
(接地電位)とし、OLEDの陰極KはVdd(電源電
位)に接続される一方、陽極AはTFT2のドレインD
に接続されている。一方、TFT1のゲートGは走査線
Xに接続され、ソースSはデータ線Yに接続され、ドレ
インDは保持容量Cs及びTFT2のゲートGに接続さ
れている。
【0017】PXLを動作させるために、まず、走査線
Xを選択状態とし、データ線Yに輝度情報を表すデータ
電位Vdataを印加すると、TFT1が導通し、保持
容量Csが充電又は放電され、TFT2のゲート電位は
データ電位Vdataに一致する。走査線Xを非選択状
態とすると、TFT1がオフになり、TFT2は電気的
にデータ線Yから切り離されるが、TFT2のゲート電
位は保持容量Csによって安定に保持される。TFT2
を介して有機エレクトロルミネッセンス素子OLEDに
流れる電流は、TFT2のゲート/ソース間電圧Vgs
に応じた値となり、OLEDはTFT2から供給される
電流量に応じた輝度で発光し続ける。
【0018】上述したように、図5に示した画素PXL
の回路構成では、一度Vdataの書き込みを行えば、
次に書き換えられるまで一フレームの間、OLEDは一
定の輝度で発光を継続する。このような画素PXLを図
6のようにマトリクス状に多数配列すると、アクティブ
マトリクス型表示装置を構成することができる。図6に
示すように、本表示装置は、画素PXLを選択するため
の走査線X1乃至XNと、画素PXLを駆動するための
輝度情報(データ電位Vdata)を与えるデータ線Y
とがマトリクス状に配設されている。走査線X1乃至X
Nは走査線駆動回路21に接続される一方、データ線Y
はデータ線駆動回路22に接続される。走査線駆動回路
21によって走査線X1乃至XNを順次選択しながら、
データ線駆動回路22によってデータ線YからVdat
aの書き込みを繰り返すことにより、所望の画像を表示
することができる。単純マトリクス型の表示装置では、
各画素PXLに含まれる発光素子は、選択された瞬間に
のみ発光するのに対し、図6に示したアクティブマトリ
クス型表示装置では、書き込み終了後も各画素PXLの
有機エレクトロルミネッセンス素子が発光を継続するた
め、単純マトリクス型に比べ有機エレクトロルミネッセ
ンス素子のピーク輝度(ピーク電流)を下げられるなど
の点で、とりわけ大型高精細のディスプレイでは有利と
なる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
表面加工用治具は、スペーサを介して表面加工に用いる
マスクを基板の表面に装着する装着部材と、基板の裏面
側に配され、表面加工中マスクに吸引力を作用させてス
ペーサを介し基板の表面にマスクを圧接しておく吸引部
材とを備えている。これにより、基板に対するマスクの
平行度が保たれるため、基板全面に渡ってムラのない正
面加工が可能になる。例えば、磁気的な吸引力を使って
マスクを基板に圧接するので、真空蒸着等真空中の処理
でも使用可能な構造が得られる。裏面側から吸引部材を
作用させるので、治具の構造が簡単化可能である。加え
て、治具から吸引部材を簡単に着脱でき、マスクの位置
合わせが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表面加工用治具の実施形態を示す
模式的な断面図である。
【図2】本発明に係る表面加工用治具の他の実施形態を
示す模式的な断面図である。
【図3】表面加工用治具に組み込まれる基板とマスクの
相対的な位置関係を示す平面図である。
【図4】本発明に係る表面加工用治具を用いて作製され
る表示装置の製造工程図である。
【図5】本発明に従って製造された表示装置の一画素分
を示す等価回路図である。
【図6】同じく表示装置の全体構成図である。
【図7】従来の蒸着装置の一般的な構造を示す模式図で
ある。
【符号の説明】
0・・・治具本体、1・・・基板、2・・・保持部材、
3・・・装着部材、4・・・マグネットシート(吸引部
材)、5・・・蒸着マスク、6・・・スペーサ、7・・
・開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/203 H01L 21/203 Z 21/68 21/68 P

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面加工の対象となる表面及びその反対
    側の裏面を備えた基板を保持するための保持部材と、 所定の間隙を規定するスペーサを介して表面加工に用い
    るマスクを該基板の表面に装着する装着部材と、 該基板の裏面側に配され、表面加工中該マスクに吸引力
    を作用させて該スペーサを介し該基板の表面に該マスク
    を圧接しておく吸引部材とを備えたことを特徴とする表
    面加工用冶具。
  2. 【請求項2】 前記吸引部材は、磁性材料からなるマス
    クに磁気的な吸引力を作用させる電磁石又は永久磁石か
    らなることを特徴とする請求項1記載の表面加工用冶
    具。
  3. 【請求項3】 前記吸引部材は、マスクに静電気的な吸
    引力を作用させることを特徴とする請求項1記載の表面
    加工用冶具。
  4. 【請求項4】 前記装着部材は該基板に対して該マスク
    を位置決めする調整手段を備えており、前記吸引部材は
    該マスクの位置決め中該吸引力を解除可能なことを特徴
    とする請求項1記載の表面加工用冶具。
  5. 【請求項5】 前記装着部材は、あらかじめ該基板の表
    面に形成されたスペーサを介して該マスクを該基板の表
    面に装着することを特徴とする請求項1記載の表面加工
    用冶具。
  6. 【請求項6】 前記装着部材は、該基板の表面に対して
    蒸着加工を行うときに用いる蒸着マスクを装着すること
    を特徴とする請求項1記載の表面加工用冶具。
  7. 【請求項7】 前記装着部材は、該基板の表面に有機エ
    レクトロルミネッセンス素子を蒸着で形成するときに用
    いる蒸着マスクを装着することを特徴とする請求項6記
    載の表面加工用冶具。
  8. 【請求項8】 表面加工の対象となる表面及びその反対
    側の裏面を備えた基板を用意する準備工程と、 所定の間隙を規定するスペーサを介して表面加工に用い
    るマスクを該基板の表面に装着する装着工程と、 該基板の裏面側から該マスクに吸引力を作用させて該ス
    ペーサを介し該基板の表面に該マスクを圧接しておく吸
    引工程と、 該マスクを介して該基板の表面に選択的に表面加工を施
    す処理工程とからなることを特徴とする表面加工方法。
  9. 【請求項9】 前記吸引工程は、磁性材料からなるマス
    クに磁気的な吸引力を作用させる電磁石又は永久磁石を
    利用することを特徴とする請求項8記載の表面加工方
    法。
  10. 【請求項10】 前記吸引工程は、マスクに静電気的な
    吸引力を作用させることを特徴とする請求項8記載の表
    面加工方法。
  11. 【請求項11】 前記装着工程は該基板に対して該マス
    クを位置決めする調整工程を含んでおり、前記吸引工程
    は該マスクの位置決め中は該吸引力を解除しておくこと
    を特徴とする請求項8記載の表面加工方法。
  12. 【請求項12】 前記装着工程は、あらかじめ該基板の
    表面に形成されたスペーサを介して該マスクを該基板の
    表面に装着することを特徴とする請求項8記載の表面加
    工用冶具。
  13. 【請求項13】 前記装着工程は、該基板の表面に対し
    て蒸着加工を行うときに用いる蒸着マスクを装着するこ
    とを特徴とする請求項8記載の表面加工方法。
  14. 【請求項14】 前記処理工程は、該基板の表面に有機
    エレクトロルミネッセンス素子を蒸着で形成することを
    特徴とする請求項13記載の表面加工方法。
  15. 【請求項15】 表示装置の画素を構成するエレクトロ
    ルミネッセンス素子が蒸着形成されるべき表面及びその
    反対側の裏面を備えた基板を用意する準備工程と、 所定の間隙を規定する様にあらかじめ該基板の表面に形
    成されたスペーサを介して蒸着加工に用いる蒸着マスク
    を該基板の表面に装着する装着工程と、 該基板の裏面側から該蒸着マスクに吸引力を作用させて
    該スペーサを介し該基板の表面に該蒸着マスクを圧接し
    ておく吸引工程と、 該蒸着マスクを介して該基板の表面に選択的にエレクト
    ロルミネッセンス素子を蒸着形成する処理工程とからな
    る表示装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記吸引工程は、磁性材料からなる蒸
    着マスクに磁気的な吸引力を作用させる電磁石又は永久
    磁石を利用することを特徴とする請求項15記載の表示
    装置の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記吸引工程は、マスクに静電気的な
    吸引力を作用させることを特徴とする請求項15記載の
    表示装置の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記装着工程は該基板に対して該蒸着
    マスクを位置決めする調整工程を含んでおり、前記吸引
    工程は該蒸着マスクの位置決め中は該吸引力を解除して
    おくことを特徴とする請求項15記載の表示装置の製造
    方法。
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