JP2001089542A - ゴム変性スチレン系重合体の製造方法 - Google Patents
ゴム変性スチレン系重合体の製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】ゴム変性スチレン系重合体の物性、特に、耐衝
撃性と表面光沢に影響を与えるゴム状重合体へのスチレ
ン系単量体のグラフト反応の制御を広範囲で行えるゴム
変性スチレン系重合体の製造方法、つまり、従来、困難
であったグラフト率を高めることのできる製造方法を開
発することである。 【解決手段】 本発明は、スチレン系単量体にゴム状重
合体を溶解した後、重合させる際に、重合開始剤とし
て、ベンゼン中における10時間半減期温度が35℃〜
85℃の有機過酸化物を重合系に存在させて、重合する
ことにより、高いグラフト率を有する重合体が得られ
る。
撃性と表面光沢に影響を与えるゴム状重合体へのスチレ
ン系単量体のグラフト反応の制御を広範囲で行えるゴム
変性スチレン系重合体の製造方法、つまり、従来、困難
であったグラフト率を高めることのできる製造方法を開
発することである。 【解決手段】 本発明は、スチレン系単量体にゴム状重
合体を溶解した後、重合させる際に、重合開始剤とし
て、ベンゼン中における10時間半減期温度が35℃〜
85℃の有機過酸化物を重合系に存在させて、重合する
ことにより、高いグラフト率を有する重合体が得られ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴム変性スチレン系重
合体の製造方法に関する。
合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴム変性スチレン系重合体の製造におい
て重合開始剤(有機過酸化物)によるグラフト反応が大
きな役割を果たしている。ゴム変性スチレン系重合体の
製造法の例を挙げると、耐衝撃性ポリスチレンの場合、
ゴム状重合体(ポリブタジエン等)1〜10wt%をス
チレン単量体99〜90wt%に溶解して塊状重合や溶
液重合で製造される。通常、重合開始剤として1,1−
ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシク
ロヘキサン等を用いて重合が行われており、グラフト率
を低下させるには、重合開始剤の添加量を減らすこと等
で比較的容易に制御できるが、一方グラフト率を高める
ために、重合開始剤の添加量を増加させても、せいぜい
80%程度のグラフト率を有するゴム変性スチレン系重
合体を得るのが限度であった。
て重合開始剤(有機過酸化物)によるグラフト反応が大
きな役割を果たしている。ゴム変性スチレン系重合体の
製造法の例を挙げると、耐衝撃性ポリスチレンの場合、
ゴム状重合体(ポリブタジエン等)1〜10wt%をス
チレン単量体99〜90wt%に溶解して塊状重合や溶
液重合で製造される。通常、重合開始剤として1,1−
ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシク
ロヘキサン等を用いて重合が行われており、グラフト率
を低下させるには、重合開始剤の添加量を減らすこと等
で比較的容易に制御できるが、一方グラフト率を高める
ために、重合開始剤の添加量を増加させても、せいぜい
80%程度のグラフト率を有するゴム変性スチレン系重
合体を得るのが限度であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ゴム変性スチレン系重
合体の重合に際しては、重合開始剤がポリブタジエン等
のゴム状重合体から水素を引き抜いてスチレン単量体の
グラフト重合が起き、グラフト重合体が生成する。また
同時に、スチレンのホモ重合体も生成する。スチレンホ
モ重合体とポリブタジエン等のゴム状重合体は非相溶で
あるため、スチレン単量体の重合体への転化率が約30
%でゴム状重合体(ポリブタジエン等)を粒子化させ
る。重合初期からこのゴム状重合体の粒子化まではゴム
相が連続相で、それ以降、ゴム粒子として分散相になる
相の転換が起きる。この転相までのグラフト反応が耐衝
撃性スチレン重合体の物性に大きく影響する。特に、耐
衝撃性と表面光沢は、ゴム粒子の分散状態(均一な分
散)と粒子径(微細な粒子)に大きく依存する。このゴ
ム粒子の分散状態と粒子径を決定する要因としては、ス
チレンホモ重合体とポリブタジエンの相溶化剤として働
くグラフト重合体の量つまり、グラフト率(グラフト反
応を起こしたポリブタジエンの百分率)がある。グラフ
ト率が高まると、スチレンホモ重合体との相溶性も向上
し、好ましいと考えられる。また、最近では製品の多様
化に伴って、要求に応じた性能の重合体を作り分ける必
要があり、グラフト反応の制御(ゴム粒子の分散状態や
粒子径の制御)に関心が持たれている。しかしながら、
従来の方法では80%程度のグラフト率を有するゴム変
性スチレン系重合体を得るのが限度であり、グラフト率
をより以上に高めることは困難であった。従って、本発
明はゴム状重合体に対するグラフト率の高いゴム変性ス
チレン系重合体の製造方法を提供しようとするものであ
る。
合体の重合に際しては、重合開始剤がポリブタジエン等
のゴム状重合体から水素を引き抜いてスチレン単量体の
グラフト重合が起き、グラフト重合体が生成する。また
同時に、スチレンのホモ重合体も生成する。スチレンホ
モ重合体とポリブタジエン等のゴム状重合体は非相溶で
あるため、スチレン単量体の重合体への転化率が約30
%でゴム状重合体(ポリブタジエン等)を粒子化させ
る。重合初期からこのゴム状重合体の粒子化まではゴム
相が連続相で、それ以降、ゴム粒子として分散相になる
相の転換が起きる。この転相までのグラフト反応が耐衝
撃性スチレン重合体の物性に大きく影響する。特に、耐
衝撃性と表面光沢は、ゴム粒子の分散状態(均一な分
散)と粒子径(微細な粒子)に大きく依存する。このゴ
ム粒子の分散状態と粒子径を決定する要因としては、ス
チレンホモ重合体とポリブタジエンの相溶化剤として働
くグラフト重合体の量つまり、グラフト率(グラフト反
応を起こしたポリブタジエンの百分率)がある。グラフ
ト率が高まると、スチレンホモ重合体との相溶性も向上
し、好ましいと考えられる。また、最近では製品の多様
化に伴って、要求に応じた性能の重合体を作り分ける必
要があり、グラフト反応の制御(ゴム粒子の分散状態や
粒子径の制御)に関心が持たれている。しかしながら、
従来の方法では80%程度のグラフト率を有するゴム変
性スチレン系重合体を得るのが限度であり、グラフト率
をより以上に高めることは困難であった。従って、本発
明はゴム状重合体に対するグラフト率の高いゴム変性ス
チレン系重合体の製造方法を提供しようとするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来の重合体に求められる物性制御上の問題点を解決する
ために、ゴム変性スチレン系重合体製造用の重合開始剤
の検討を行った結果、完成されたものである。本発明は
スチレン系単量体にゴム状重合体を溶解した後、重合さ
せる際に、重合開始剤として特定の半減期温度を有する
有機過酸化物を重合系に存在させて、重合開始剤がすば
やく分解することにより、高いグラフト率を有する重合
体が得られるというゴム変性スチレン系重合体の製造方
法を提供しようとするものである。即ち、本発明はスチ
レン系単量体にゴム状重合体を溶解させた混合物を重合
させる場合に、重合開始剤として、ベンゼン中における
10時間半減期温度が35℃〜85℃の有機過酸化物を
単独に、またはこれと他の重合開始剤を併用し、ゴム状
重合体の存在下にスチレン系単量体を重合することを特
徴とするものである。これらの重合開始剤はグラフト率
を高めるのに適した分解速度を有するものと考えられ
る。
来の重合体に求められる物性制御上の問題点を解決する
ために、ゴム変性スチレン系重合体製造用の重合開始剤
の検討を行った結果、完成されたものである。本発明は
スチレン系単量体にゴム状重合体を溶解した後、重合さ
せる際に、重合開始剤として特定の半減期温度を有する
有機過酸化物を重合系に存在させて、重合開始剤がすば
やく分解することにより、高いグラフト率を有する重合
体が得られるというゴム変性スチレン系重合体の製造方
法を提供しようとするものである。即ち、本発明はスチ
レン系単量体にゴム状重合体を溶解させた混合物を重合
させる場合に、重合開始剤として、ベンゼン中における
10時間半減期温度が35℃〜85℃の有機過酸化物を
単独に、またはこれと他の重合開始剤を併用し、ゴム状
重合体の存在下にスチレン系単量体を重合することを特
徴とするものである。これらの重合開始剤はグラフト率
を高めるのに適した分解速度を有するものと考えられ
る。
【0005】本発明に用いる重合開始剤は、ベンゼン中
における10時間半減期温度(以下単に10時間半減期
温度という。)が35〜85℃の範囲内にあれば良く、
例えば、ターシャリーブチルパーオキシ2−エチルヘキ
サノエート、ターシャリーブチルパーオキシピバレー
ト、ターシャリーブチルパーオキシネオデカノエート、
ターシャリーブチルパーオキシネオヘプタノエート、タ
ーシャリーブチルパーオキシイソブチレート又はジ−タ
ーシャリーブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレ
ート等のアルキルパーエステル、ビス(3,5,5−ト
リメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ラウロイルパ
ーオキサイド又はベンゾイルパーオキサイド等のジアシ
ルパーオキサイド、ジ−3−メトキシブチルパーオキシ
ジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジ
カーボネート、ビス(4−ターシャリーブチルシクロヘ
キシル)パーオキシジカーボネート又はジ−イソプロピ
ルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネートおよ
び10時間半減期温度が35〜85℃の範囲内にあるこ
れらの化合物の誘導体等が例示できる。さらに、ジ−タ
ーシャリーブチルパーオキシトリメチルアジペートのよ
うな非対称構造等で過酸化結合を二つ以上持ち、その過
酸化結合の分解温度が異なる物でも、いずれかの過酸化
結合の10時間半減期温度が35〜85℃の範囲内にあ
れば良い。また、10時間半減期温度が35〜85℃の
範囲内にあればそれらの誘導体でもかまわない。好まし
いものとしては10時間半減期温度が42〜83℃のア
ルキルパーエステル、ジアシルパーオキサイド、パーカ
ーボネート等を挙げることができ、より好ましくは10
時間半減期温度が60〜80℃のアルキルパーエステ
ル、ジアシルパーオキサイド等を挙げることができる。
における10時間半減期温度(以下単に10時間半減期
温度という。)が35〜85℃の範囲内にあれば良く、
例えば、ターシャリーブチルパーオキシ2−エチルヘキ
サノエート、ターシャリーブチルパーオキシピバレー
ト、ターシャリーブチルパーオキシネオデカノエート、
ターシャリーブチルパーオキシネオヘプタノエート、タ
ーシャリーブチルパーオキシイソブチレート又はジ−タ
ーシャリーブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレ
ート等のアルキルパーエステル、ビス(3,5,5−ト
リメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ラウロイルパ
ーオキサイド又はベンゾイルパーオキサイド等のジアシ
ルパーオキサイド、ジ−3−メトキシブチルパーオキシ
ジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジ
カーボネート、ビス(4−ターシャリーブチルシクロヘ
キシル)パーオキシジカーボネート又はジ−イソプロピ
ルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネートおよ
び10時間半減期温度が35〜85℃の範囲内にあるこ
れらの化合物の誘導体等が例示できる。さらに、ジ−タ
ーシャリーブチルパーオキシトリメチルアジペートのよ
うな非対称構造等で過酸化結合を二つ以上持ち、その過
酸化結合の分解温度が異なる物でも、いずれかの過酸化
結合の10時間半減期温度が35〜85℃の範囲内にあ
れば良い。また、10時間半減期温度が35〜85℃の
範囲内にあればそれらの誘導体でもかまわない。好まし
いものとしては10時間半減期温度が42〜83℃のア
ルキルパーエステル、ジアシルパーオキサイド、パーカ
ーボネート等を挙げることができ、より好ましくは10
時間半減期温度が60〜80℃のアルキルパーエステ
ル、ジアシルパーオキサイド等を挙げることができる。
【0006】これらの有機過酸化物の重合開始剤として
の添加量は、スチレン単量体に対して、0.005〜
0.5重量%であり、0.005重量%未満では実用的
に効果がなく、0.5重量%を超えると重合反応速度が
速くなり、重合熱の除去等の制御が困難となる。
の添加量は、スチレン単量体に対して、0.005〜
0.5重量%であり、0.005重量%未満では実用的
に効果がなく、0.5重量%を超えると重合反応速度が
速くなり、重合熱の除去等の制御が困難となる。
【0007】本発明においては、さらにスチレン系単量
体の重合に常時使用される有機過酸化物、例えば、ター
シャリーブチルパーオキシベンゾエート、ターシャリー
ブチルパーオキシアセテート等のパーオキシエステル
類、2,2−ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)ブタ
ン、1,1−ジ−ターシャリーブチルパーオキシシクロ
ヘキサン、1,1−ジ−ターシャリーブチルパーオキシ
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキ
シケタール類、ターシャリーブチルパーオキシイソプロ
ピルカーボネート、ターシャリーブチルパーオキシ2−
エチルヘキシルカーボネート等のパーオキシカーボネー
ト類、ジ−ターシャリーブチルパーオキサイド、ジ−ク
ミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類等
の少なくとも1種を併用することもできる。なお、その
添加量は本発明の効果を阻害しない程度とすることが必
要である。
体の重合に常時使用される有機過酸化物、例えば、ター
シャリーブチルパーオキシベンゾエート、ターシャリー
ブチルパーオキシアセテート等のパーオキシエステル
類、2,2−ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)ブタ
ン、1,1−ジ−ターシャリーブチルパーオキシシクロ
ヘキサン、1,1−ジ−ターシャリーブチルパーオキシ
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキ
シケタール類、ターシャリーブチルパーオキシイソプロ
ピルカーボネート、ターシャリーブチルパーオキシ2−
エチルヘキシルカーボネート等のパーオキシカーボネー
ト類、ジ−ターシャリーブチルパーオキサイド、ジ−ク
ミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類等
の少なくとも1種を併用することもできる。なお、その
添加量は本発明の効果を阻害しない程度とすることが必
要である。
【0008】本発明におけるスチレン系単量体とは、ス
チレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ビ
ニルトルエン等であり、これらを単独または混合物とし
て用いる。またこれらのスチレン系単量体に、アクリロ
ニトリル、メタクリル酸メチル等の共重合可能な単量体
を添加することもできる。
チレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ビ
ニルトルエン等であり、これらを単独または混合物とし
て用いる。またこれらのスチレン系単量体に、アクリロ
ニトリル、メタクリル酸メチル等の共重合可能な単量体
を添加することもできる。
【0009】また本発明に用いるゴム状重合体とは、ポ
リブタジエンゴム、EPDM系ゴム、SBR(スチレン
/ブタジエン共重合体)、スチレン/ブタジエンブロッ
ク共重合体等の弾性重合体である。これらは単独で、あ
るいは2種以上の組合せで用いられる。
リブタジエンゴム、EPDM系ゴム、SBR(スチレン
/ブタジエン共重合体)、スチレン/ブタジエンブロッ
ク共重合体等の弾性重合体である。これらは単独で、あ
るいは2種以上の組合せで用いられる。
【0010】本発明において、ゴム状重合体にスチレン
系単量体をグラフトさせた耐衝撃性スチレン重合体の製
造方法において、そのゴム状重合体の使用量は、ゴム状
重合体及びスチレン系単量体の総量に対して通常20重
量%以下であり、好ましくは15重量%以下、より好ま
しくは10重量%以下である。20%を越えても本発明
方法自体は可能であるが、これを超えると、ゴム状重合
体を溶解したスチレン系単量体溶液の粘度が高くなり、
重合装置の撹拌動力が非常に大きくなって、装置上から
は好ましくない。下限は得られる重合体の使用目的等に
より異なるので一概に言えないが、通常0.5重量%以
上、より好ましくは1重量%以上である。
系単量体をグラフトさせた耐衝撃性スチレン重合体の製
造方法において、そのゴム状重合体の使用量は、ゴム状
重合体及びスチレン系単量体の総量に対して通常20重
量%以下であり、好ましくは15重量%以下、より好ま
しくは10重量%以下である。20%を越えても本発明
方法自体は可能であるが、これを超えると、ゴム状重合
体を溶解したスチレン系単量体溶液の粘度が高くなり、
重合装置の撹拌動力が非常に大きくなって、装置上から
は好ましくない。下限は得られる重合体の使用目的等に
より異なるので一概に言えないが、通常0.5重量%以
上、より好ましくは1重量%以上である。
【0011】重合温度は、重合方法や重合開始剤、単量
体の組み合わせなどによって異なり一様でないが、60
〜180℃、好ましくは100〜160℃である。60
℃未満では重合速度が遅く実用的ではない。また160
℃を超えると、反応速度が著しく大きくなり重合反応の
制御が困難となる。
体の組み合わせなどによって異なり一様でないが、60
〜180℃、好ましくは100〜160℃である。60
℃未満では重合速度が遅く実用的ではない。また160
℃を超えると、反応速度が著しく大きくなり重合反応の
制御が困難となる。
【0012】本発明において、その重合方法は特に制約
はない。塊状、懸濁、乳化または塊状/懸濁などの方法
があるが、これらに限定されるものではない。また懸濁
重合においては、第三リン酸カルシウム、ポリビニルア
ルコール、メチルセルロース等の分散安定剤や各種界面
活性剤等を適宜使用できる。しかし一般的には塊状重合
若しくは溶液重合が好ましい。これらの重合に際してエ
チルベンゼンに代表される芳香族炭化水素を溶剤として
用いてもよい。又、重合時に分子量調節剤、着色剤、可
塑剤等を予め添加してもよい。
はない。塊状、懸濁、乳化または塊状/懸濁などの方法
があるが、これらに限定されるものではない。また懸濁
重合においては、第三リン酸カルシウム、ポリビニルア
ルコール、メチルセルロース等の分散安定剤や各種界面
活性剤等を適宜使用できる。しかし一般的には塊状重合
若しくは溶液重合が好ましい。これらの重合に際してエ
チルベンゼンに代表される芳香族炭化水素を溶剤として
用いてもよい。又、重合時に分子量調節剤、着色剤、可
塑剤等を予め添加してもよい。
【0013】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例により具
体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるもの
ではない。なお、今回は前述のように重合体の物性を決
めるスチレン単量体の転化率30%のところまで重合を
行い、グラフト率の値で評価している。
体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるもの
ではない。なお、今回は前述のように重合体の物性を決
めるスチレン単量体の転化率30%のところまで重合を
行い、グラフト率の値で評価している。
【0014】実施例1 容量1Lのオートクレーブ中にポリブタジエン15gを
溶解したスチレン溶液を250g、ターシャリーブチル
パーオキシ2−エチルヘキサノエート0.38ミリモル
を加え、700rpmで撹拌した。オートクレーブ内を窒
素ガスでパージしてから密閉し、45分かけて室温から
110℃に昇温した。110℃で2時間重合した後、重
合物を取り出し、その物性を測定し、結果を表1に示し
た。
溶解したスチレン溶液を250g、ターシャリーブチル
パーオキシ2−エチルヘキサノエート0.38ミリモル
を加え、700rpmで撹拌した。オートクレーブ内を窒
素ガスでパージしてから密閉し、45分かけて室温から
110℃に昇温した。110℃で2時間重合した後、重
合物を取り出し、その物性を測定し、結果を表1に示し
た。
【0015】実施例2 ターシャリーブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエー
トの代わりにターシャリーブチルパーオキシ2−エチル
ヘキサノエート0.12ミリモルと1,1−ジ−t−ブ
チルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン0.03ミリモルを併用した以外は実施例1と同様に
行った。結果は表1に示した。
トの代わりにターシャリーブチルパーオキシ2−エチル
ヘキサノエート0.12ミリモルと1,1−ジ−t−ブ
チルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン0.03ミリモルを併用した以外は実施例1と同様に
行った。結果は表1に示した。
【0016】実施例3 ターシャリーブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエー
トの代わりに二官能性(一分子中に過酸化結合を二つ持
つ)の2,2−ジ−ターシャリーブチルパーオキシヘキ
サハイドロテレフタレートを使用した以外は実施例1と
同様に行った。結果は表1に示した。
トの代わりに二官能性(一分子中に過酸化結合を二つ持
つ)の2,2−ジ−ターシャリーブチルパーオキシヘキ
サハイドロテレフタレートを使用した以外は実施例1と
同様に行った。結果は表1に示した。
【0017】比較例1 ターシャリーブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエー
トの代わりに二官能性(一分子中に過酸化結合を二つ持
つ)の1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサンを使用した以外は実施例1
と同様に行った。結果は表1に示した。
トの代わりに二官能性(一分子中に過酸化結合を二つ持
つ)の1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサンを使用した以外は実施例1
と同様に行った。結果は表1に示した。
【0018】 表1 実施例 比較例 1 2 3 1 重合開始剤 A B C D (ミリモル) 0.38 0.38 0.38 0.38 スチレン転化率 27.9 29.7 29.9 29.7 [%] グラフト率 90.5 87.8 86.0 81.8 [%] 重合時間 120 120 120 120 [分]
【0019】(注) A:ターシャリーブチルパーオキシ2−エチルヘキサノ
エート B:ターシャリーブチルパーオキシ2−エチルヘキサノ
エート0.12ミリモルと1,1−ジ−t−ブチルパー
オキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.0
3ミリモルの併用系 C:ジ−ターシャリーブチルパーオキシヘキサハイドロ
テレフタレート D:1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン なお、上表の物性は以下の方法にて測定した。 (1)スチレン転化率[%]:残存スチレン単量体をガ
スクロマトグラフィーにより定量し、算出した。 (2)グラフト率[%] :貧溶媒(アセトン:メタ
ノール=9:1)により析出したポリブタジエンを濁度
滴定することで未グラフトポリブタジエンを定量し、算
出した。
エート B:ターシャリーブチルパーオキシ2−エチルヘキサノ
エート0.12ミリモルと1,1−ジ−t−ブチルパー
オキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.0
3ミリモルの併用系 C:ジ−ターシャリーブチルパーオキシヘキサハイドロ
テレフタレート D:1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン なお、上表の物性は以下の方法にて測定した。 (1)スチレン転化率[%]:残存スチレン単量体をガ
スクロマトグラフィーにより定量し、算出した。 (2)グラフト率[%] :貧溶媒(アセトン:メタ
ノール=9:1)により析出したポリブタジエンを濁度
滴定することで未グラフトポリブタジエンを定量し、算
出した。
【0020】以上の結果から、本発明の重合体は、従来
の物よりも、グラフト率が向上していることがわかる。
また、この重合分野に使用する重合開始剤としては、半
減期温度が比較的低いので、方法によっては生産性向上
の可能性もある。
の物よりも、グラフト率が向上していることがわかる。
また、この重合分野に使用する重合開始剤としては、半
減期温度が比較的低いので、方法によっては生産性向上
の可能性もある。
【0021】
【発明の効果】以上のように、本発明のゴム変性スチレ
ン系重合体は、その重合体のグラフト率が改善されてお
り、グラフト率の制御範囲が広がる。これにより重合体
の物性、特に、耐衝撃性と表面光沢を広範囲に制御でき
るようになる。
ン系重合体は、その重合体のグラフト率が改善されてお
り、グラフト率の制御範囲が広がる。これにより重合体
の物性、特に、耐衝撃性と表面光沢を広範囲に制御でき
るようになる。
Claims (1)
- 【請求項1】ゴム変性スチレン系重合体の製造に際し
て、重合開始剤として、ベンゼン中における10時間半
減期温度が35〜85℃の有機過酸化物を単独に、また
はこれと他の重合開始剤を併用し、ゴム状重合体の存在
下にスチレン系単量体を重合することを特徴とするゴム
変性スチレン系重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27203099A JP2001089542A (ja) | 1999-09-27 | 1999-09-27 | ゴム変性スチレン系重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27203099A JP2001089542A (ja) | 1999-09-27 | 1999-09-27 | ゴム変性スチレン系重合体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001089542A true JP2001089542A (ja) | 2001-04-03 |
Family
ID=17508159
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27203099A Pending JP2001089542A (ja) | 1999-09-27 | 1999-09-27 | ゴム変性スチレン系重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001089542A (ja) |
-
1999
- 1999-09-27 JP JP27203099A patent/JP2001089542A/ja active Pending
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