JP2001088883A - 合成樹脂製容器とその製造方法 - Google Patents

合成樹脂製容器とその製造方法

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JP2001088883A
JP2001088883A JP26539499A JP26539499A JP2001088883A JP 2001088883 A JP2001088883 A JP 2001088883A JP 26539499 A JP26539499 A JP 26539499A JP 26539499 A JP26539499 A JP 26539499A JP 2001088883 A JP2001088883 A JP 2001088883A
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annular
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container
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synthetic resin
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Kohei Sato
耕平 佐藤
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Iris Ohyama Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】合成樹脂製の容器でありながら重厚感を持ち、
安価で大量生産できる合成樹脂製容器を提供する。 【解決手段】 金型によって成形される合成樹脂製容器
(1)の当該金型(51)の一部又は全部に、一部又は
全部が手加工されたグラファイト(53)を電極とする
放電加工によって加工されたものを用いる。グラファイ
ト(53)の文様と金型に刻まれる文様等とは陽画と陰
画の関係が成り立つので、この金型によって成形された
合成樹脂製容器(1)の表面に陽画の文様等がそのまま
再現される。これにより、重厚感のある合成樹脂容器
(1)の大量生産が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鑑賞のための植
物(花卉)を主として栽培等するための花卉容器(植木
鉢、花瓶等)や、植木鉢の美観を整えることを主目的と
する植木鉢カバーや、傘を立て掛けておくための傘立て
や、水を汲むためのバケツ、水を溜めておくための鉢や
瓶等の容器であって、もともと素焼によって製造される
ことが多い容器(以下、「花卉容器等」と総称する)に関
し、詳しくは、素焼風の重厚感を有する合成樹脂製容器
とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】花卉容器等は、もともと、素焼の容器や
陶磁器等であったが、このような伝統的な素材に代わっ
て合成樹脂製の花卉容器等が広く市場に受け入れられて
いる。花卉容器を例にすると、合成樹脂製の花卉容器
(以下、合成樹脂製の花卉容器を、単に「花卉容器」とよ
ぶ)を上述した伝統的な素材の容器と比べると、軽量で
あり、落としても簡単に割れることがなく、自由な形と
色彩が得られ、さらに、大量生産が可能である等の特徴
を持っている。ただし、そのような特徴を持つ花卉容器
であっても、欠点がないわけではない。花卉容器の欠点
とは、素焼の植木鉢や陶磁製の花瓶等が持つ重厚感(肉
厚感)を持っていないということである。花卉容器は、
あくまで花卉の引き立て役ではあるが、花卉を飾る際の
花卉容器の装飾的役割は無視できない。花卉容器の善し
悪しは、そのまま、花卉の善し悪しに影響する、といっ
ても過言でない。花卉容器の善し悪しを決める一つの要
素である、という認識の下に、花卉容器に素焼風の重厚
感を持たせるために種々の試みがなされている。
【0003】まず、考えられるのが、花卉容器の肉厚を
厚くして伝統的な容器と同等な重厚感を醸し出す方法で
ある。この方法によれば、素焼きの植木鉢や陶磁製の花
瓶等と同じ肉厚の容器を製造できるのであるから、その
点においては好ましい方法といえる。しかし、肉厚を厚
くした花卉容器を、たとえば、射出成形によって製造す
る場合を考えると、肉厚が厚い分だけ成形品が変形(肉
ひけ等)しやすく、成形品の芯部まで冷却するのに時間
がかかる。成形品の変形は不良品を生みだし、冷却時間
がかかることは量産性を悪くする。何れも、製品コスト
を高めるので、好ましいことではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、行われたの
が、花卉容器を図12に示す形状に構成する方法であ
る。すなわち、花卉容器(以下、「従来の花卉容器」とい
う)100は、容器本体501と、この容器本体501
の上端開口部503の周縁に形成された環状顎部505
と、を備え、この環状顎部505内部に中空部507が
形成されている。中空部507は、環状顎部505に厚
みを与えて重厚感を醸し出す働きをしている。従来の花
卉容器500の製造は、中空部507付近がアンダーカ
ットになるため、射出成形によってではなく回転成形に
よって一般的に行われている。金型内に密封した粉末原
料を加熱溶融させ、この金型を回転させることにより金
型内面に樹脂層を形成させる回転成形は、複雑な外観を
した成形品を製造したりできること、金型が比較的安価
であること、等の利点があるが、成形に人手と時間がか
かり、短時間に大量生産するのには不向きである。大量
生産できないと、製品コストが高くなる。これが、従来
の花卉容器500が持つ第1の課題である。
【0005】さらに、素焼の花卉容器の表面は、手加工
されるのが一般的であるから、この表面に刻まれた文様
等は手加工でしか作れない形状の歪さや、削り面の粗雑
さや、寸法のばらつきや、角度の曖昧さ等が、観る者の
趣味にもよるが、このような手作り感(手加工感)も花卉
容器の重厚感に寄与している、といえよう。手加工によ
る文様等は、もちろん幾何学的に分析されうるが、その
ばらつきや曖昧さ等によりたいへん複雑に構成されてい
る。このため、コンピュータ等を用いて手作り感のある
複雑な文様等をデザインすることは、不可能なことでは
ないが形状を特定するためのデータ量の膨大さを考える
と必ずしも容易なことではない。花卉容器に手作り感を
持たせるには、やはり、手作りによる文様等を備えさせ
るに限る、と発明者らは考えた。合成樹脂製の花卉容器
等に手作りの文様を形成することによって、花卉容器等
の重厚感を醸し出すこと、これが、本発明が解決しよう
とする第2の課題である。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の課題を解決するた
めに発明者らは、従来の花卉容器500の環状顎部50
5を成形しやすいように分割し、両者を嵌合構造によっ
て嵌合する方法に着目した。この方法であれば、花卉容
器の重厚感を損なうことはないし、回転成形のような非
能率的な成形方法を採用する必要もないからである。さ
らに、嵌合させて完成した環状顎部505の繋ぎ目をで
きるだけ目立たないようにすれば、重厚感をさらに効果
的に醸し出すことができる、とも発明者は考えた。
【0007】さらに、第2の課題を解決するために試作
を重ねた発明者らは、グラファイト(黒鉛)等を電極とす
る放電加工によって金型を加工する方法を採用し、この
グラファイトを手作業によって加工することによって当
該金型による成形品である花卉容器等に手作り感を出さ
せた。上記手段の詳しい内容については、項を改めて説
明する。なお、この「課題を解決するための手段」の欄の
随所において述べた用語等の解釈は、その性質上可能な
限り何れの請求項に記載した発明にも適用されるもので
ある。
【0008】請求項1に記載した発明の構成 請求項1に記載した発明に係る合成樹脂製容器(以下、
「請求項1の容器」という)は、金型によって成形され
る合成樹脂製容器であって、前記金型の一部又は全部
は、一部又は全部が手加工されたグラファイトを電極と
する放電加工によって加工されたものであることを特徴
とする。「合成樹脂製容器」は、合成樹脂製であればそ
の形状や大きさを問わない。
【0009】請求項1に記載した発明の作用効果 請求項1の容器の作用効果は、次のとおりである。すな
わち、グラファイトを介して間接的に手加工の要素が加
えられた金型によって容器本体が成形されているので、
グラファイトに手加工によって刻まれた文様等が、容器
本体の表面に再現(形成)される。すなわち、グラファ
イトの文様と金型に刻まれる文様等とは陽画と陰画の関
係が成り立つので、この金型によって成形された容器本
体の表面に陽画の文様等がそのまま再現される。
【0010】請求項2に記載した発明の構成 請求項2に記載した発明に係る合成樹脂製容器の製造方
法(以下、「請求項2の製造方法」という)は、グラフ
ァイトの一部又は全部に手作業(手加工)によって凹凸
すなわち文様等を形成する第1工程と、手加工した前記
グラファイトを一方の電極とする放電加工によって前記
凹凸を金型に転写する第2工程と、前記金型によって合
成樹脂材を成形する第3工程と、からなることを特徴と
する。
【0011】請求項2に記載した発明の作用効果 請求項2の容器の作用効果は、次のとおりである。すな
わち、手作業によってグラファイトに形成された凹凸が
放電加工によって金型に転写されるので、この金型によ
って成形された容器本体の表面に陽画の文様等がそのま
ま再現される。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、各図を参照しながら、本発
明の実施の形態(以下、「本実施形態」という)につい
て説明する。なお、本実施形態は、花卉容器を示してい
るが、他のあらゆる合成樹脂製容器についても本実施形
態と同様な構成及び製造方法を適用できることはいうま
でもない。図1は本実施形態に係る花卉容器の斜視図で
あり、図2は図1の花卉容器の一部を切り欠いた図であ
り、図3は図1の花卉容器を分解した図であり、図4は
環状顎部の拡大断面図である。図5は放電加工装置の概
略構成図であり、図6は本実施形態の第1変形例を示す
部分拡大図である。図7及び図8は本実施形態の第2変
形例を示す部分拡大図であり、図9及び図10は本実施
形態の第3変形例を示す部分拡大図であり、図11は本
実施形態の第4変形例を示す部分拡大図である。
【0013】図1に示すように花卉容器1は、たとえ
ば、ポリプロピレンのような熱可塑性の合成樹脂で作ら
れており、容器本体3と、容器本体3の上端開口部3a
の周縁に形成された環状顎部5とから、概ね構成され、
第2図に示すように環状顎部5は、容器本体3と一体に
成形された環状基部7と、この環状基部7の上部7aに
嵌合する環状上端部9とから構成されている。
【0014】図3に示すように容器本体3は、後述する
環状基部7とともに射出成形によって一体に作られ、環
状基部7の下端部7bは花卉容器1を運ぶときに手を掛
けられるように横方向に突き出している。容器本体3の
形状や大きさは、植える花卉の種類に応じて決定され、
本実施形態の容器本体3の外壁面3pには素焼き模様が
形成されている。好みに合わせてこの外壁面3pに花柄
や縄模様等のレリーフを施したり着色したりして、手作
り感を出すようにするとよい。また、容器本体3の下端
部に水抜き孔3hをあけておくと便利である。なお、容
器本体3の肉厚は、花卉を植えたときにその重さによっ
て簡単に変形しない程度の硬さを保つとともに、空の容
器本体3を日にかざしたときに光が通過しない程度の厚
みとする。光の通過は容器本体3を構成する樹脂の色彩
にも影響されるが、光が通過してしまうと花卉容器1の
重厚感が損なわれてしまうので充分に注意する。
【0015】環状基部7について、図3及び4を参照し
ながら説明する。先に説明したように環状基部7は容器
本体3と一体に成形され、環状顎部5の下端部を構成す
る。環状基部7は、それぞれ上方へ突き出す第1の環状
突起71と、第2の環状突起73及び第3の環状突起7
5とを含み、第1の環状突起71よりも第2の環状突起
73が、第2の環状突起73よりも第3の環状突起75
が、それぞれ長く形成されている。第1の環状突起71
の基部71bと第2の環状突起73の基部73bと第3
の環状突起75の基部75bとは容器本体3の上端開口
部3aの周縁から斜め上方に放射状に広がる底部3eに
よって連結されている。第1の環状突起71は、容器本
体3と内壁面を共有するように、すなわち、容器本体3
の内壁面の延長上に第1の環状突起71の内壁面があり
両者が一体となるように形成されている。第2の環状突
起73は、第1の環状突起71の外側に所定間隔の受入
溝7g(第3図参照)を介して形成され、第3の環状突
起75は、第2の環状突起73の外側に所定間隔の間隙
7kを介して形成されている。間隙7kは、環状上端部
9を環状基部7に嵌合させる際に、第3の環状突起75
を上端開口部3a側に弾性屈曲させるための屈曲促進空
間としても機能するが、第3の環状突起75の屈曲に影
響がなければ、この間隙7kを形成する必要はない。
【0016】受入溝7g内には、第1の環状突起71と
第2の環状突起73とを連結する複数個の連結リブ7
r,7r...が形成され、これらによって第1の環状
突起71と第2の環状突起73との間に補強関係が築か
れている。また、間隙7kにも第2の環状突起73と第
3の環状突起75とを連結する複数個の連結リブ7s,
7s...が形成され、これらによって第2の環状突起
73と第3の環状突起75との間に補強関係が築かれて
いる。
【0017】図4に基づき、第3の環状突起75につい
て詳しく説明する。第3の環状突起75は、そのほぼ下
半分を占める突起下端部75dと残りの下半分を示す突
起上端部75uによって構成され、突起下端部の外壁面
が環状基部7の底部3eの外壁面に連なって一体化して
いる。突起下端部75dと突起上端部75uとの間に
は、段部81が形成され、突起上端部75uの外壁に
は、放射方向に突き出る複数個の嵌合凸部75p,75
p...が所定間隔を介して形成されている。第4図に
示すように嵌合凸部75pは、縦断面の形状が三角形に
なっている。嵌合凸部75pは、後述する嵌合凹部95
pとともに、嵌合構造83を構成する。
【0018】図3及び4に示すように環状上端部9は、
アルファベットのJの字を逆さにしたような断面形状を
有し、その長辺部分を構成する内壁板部91と、その短
辺部分を構成して内壁板部91と対向する外壁板部93
と、その屈曲部分、すなわち、内壁板部91と外壁板部
93の上端を連結する部分を構成する上端連結部95
と、から概ね構成され、内壁板部91と外壁板部93と
の間に中空部9eが形成されている。外壁板部93は、
内壁板部91より肉厚に形成され、その断面は半月に似
た形状になっている。半月形状に形成したのは、外壁板
部93を下端部に向けて先細りの形状にすることによっ
て、外壁板部93を環状基部7の外壁に自然に一体化し
たように見せるためである。内壁板部91の下端部91
bは、第1の環状突起71と第2の環状突起73との間
に形成された受入溝7gに挿入した際に両者に挟持され
る形状に形成されている。挟持されるようにしたのは、
受入溝7gと下端部91bとの間の遊びをできるだけ少
なくして、後述する嵌合構造83の働きと合わせて環状
上端部9と環状基部7との嵌合を安定させるためであ
る。なお、第3図に示す切欠91c,91c...を形
成したのは、下端部91bを受入溝7gに挿入した際に
連結リブ7r,7r...を受け入れさせ、各連結リブ
7rが挿入の邪魔にならないようにするためである。
【0019】下端部91bは、さらに、これを受入溝7
gに挿入した際に、第1の環状突起71の上端部71u
と接触する環状の隠しリブ91rが前記内壁板部の内壁
面に形成されている。隠しリブ91rは、第1の環状突
起71の上端部71uの端面を隠して両者間の繋ぎ目を
できるだけ目立たないように形成する。たとえば、この
隠しリブ91rを容器本体3内に形成された段部のよう
に形成し、上端開口部3a側から見たときに第1の環状
突起71との繋ぎ目を目立たなくするとなおさらよい。
図4に示すように外壁板部93の中空部9e側の面(内
壁)に、突起上端部75uの外壁から突き出る嵌合凸部
75p,75p...に対応して嵌合凹部95p,95
p...が形成されている。嵌合凹部95pは、嵌合凸
部75pとともに嵌合構造83を形成し、嵌合凸部75
pを受け入れて環状上端部9を嵌合基部7に嵌合させた
際の抜け止めの役割を果たす。このように本実施形態で
は嵌合凸部75pを第3の環状突起75の突起上端部7
5uに、嵌合凹部95pを外壁板部93の内壁に、それ
ぞれ形成したが、この逆、すなわち、前者に嵌合凹部を
後者に嵌合凸部をそれぞれ形成してもよい。
【0020】内壁板部91と外壁板部93との間には、
第3図に示すように複数個の連結リブ9r,9r...
が形成され、各連結リブ9rには切欠9cが形成されて
いる。切欠9cは、第3の環状突起75の突起上端部7
5uを挟持して嵌合構造83が嵌合した後に突起上端部
75uが上端開口部3a側にずれないようにして嵌合構
造83の働きを助ける。なお、環状上端部9を多角形状
にした場合は、成形後の冷却硬化による収縮率等を考慮
して、角部分とそれ以外の部分との肉厚を変化させる等
によって、完全に冷却硬化したときに環状上端部9の形
状が歪まないようにするとよい。
【0021】図3及び4図を参照しながら、花卉容器1
の製造手順について説明する。まず、容器本体3を金型
によって成形する。容器本体3を成形するための金型の
加工方法は、別項にて説明する。次に、環状上端部9を
成形し、これを完全に冷却硬化する前に、すでに冷却硬
化した容器本体3の環状基部7に嵌合させる。環状上端
部9の嵌合は、必ずしも冷却硬化前に行わなければなら
ないわけではないが、このようにすれば、嵌合後の冷却
硬化による収縮によって環状上端部9と環状基部7との
間の隙間が縮められ両者間の繋ぎ目が目立たなくなるの
で、花卉容器1の重厚感を醸し出す上でたいへん好まし
い。なお、環状基部7に嵌合させる際に環状上端部9を
どの程度まで冷却硬化させておくかは、逆に言えば、ど
の程度の温度を保たせておくかは、環状上端部9等を構
成する合成樹脂材の性質や肉厚等の構造、嵌合させると
きの周囲温度等を総合的に考慮して調整する。
【0022】環状上端部9を環状基部7に嵌合させる際
には、内壁板部91の下端部91bを受入溝7gにしっ
かりと挿入し、隠しリブ91rが第1の環状突起先端の
端面71uと接触するように行う。これと同時に、環状
上端部9の切欠91c,91c...を受入溝7g内の
連結リブ7r,7r...に受け入れさせ、嵌合構造8
3を構成する嵌合凸部75pを嵌合凹部95pにしっか
り嵌合させる。嵌合する際に、連結リブ9rの切欠9c
によって突起上端部75uが挟持されているか確認す
る。
【0023】図5に基づいて、容器本体3の加工方法に
ついて説明する。本実施形態における容器本体用金型5
1の加工は、一方の電極であるグラファイト53と他方
の電極である容器本体用金型51の間でアーク放電をさ
せ、容器本体用金型51の表面を微少に除去しながら加
工を行う放電加工によって行っている。放電加工による
加工以外の加工を排除する趣旨ではないが、グラファイ
ト53を手加工することによって成形品である容器本体
3の表面に手作り風の文様等を再現するために最適な方
法の一つとしてこの放電加工を選択したのである。
【0024】放電加工は、加工したグラファイト53と
容器本体用金型51との各々を電極として電源55を接
続し、加工液57内で通電することによって行う。これ
によって、手加工した文様等が容器本体用金型51に転
写される。完全に転写されたところで、金型加工を終了
する。グラファイト53の加工は、手作業によって行う
が、その際に素焼の容器に文様等をつけるのと同じ道具
を用いて同じ感覚で行うとよい。そのように行えば、そ
れだけ手作り感、たとえば、表面のザラツキや曖昧さ等
が忠実に表現され、容器本体3の表面に手作り感の高い
文様等が再現されるからである。手作り感の高い文様等
は、前述した重厚感等と相俟って、合成樹脂製ながら素
焼の容器に匹敵する出来映えを実現させる。
【0025】図6に基づいて本実施形態の環状上端部1
09の変形例(以下、「第1変形例」という)について
説明する。第1変形例の説明は、本実施形態の環状上端
部9と異なる部分についてだけ行い、共通する部分につ
いての説明は重複を避けるために省略する。さらに、共
通する部分については可能な限り同一の部材名を使用し
て説明を行う。第6図に戻り、説明を続ける。第1変形
例における嵌合上端部109は、嵌合上端部9と同様に
アルファベットのJの字を逆さにしたような断面形状を
有し、その長辺部分を構成する内壁板部191と、その
短辺部分を構成して内壁板部191と対向する外壁板部
193と、その屈曲部分、すなわち、内壁板部191と
外壁板部193の上端を連結する部分を構成する上端連
結部195と、から概ね構成され、内壁板部191と外
壁板部193との間に中空部109eが形成されてい
る。
【0026】符号175は、容器本体103の上端に一
体成形された環状基部107が備える第3の環状突起で
ある。第3の環状突起175は、その下端部を構成する
突起下端部175dと、その上端部を構成する突起上端
部175uによって構成されている。突起上端部175
uの断面は、半月に似た形状に形成され、その肉厚部分
に嵌合凹部193fが形成されている。一方、嵌合上端
部109の外壁板部の先端には、嵌合凸部195mが形
成され、この嵌合凸部195mは、嵌合凹部193fと
嵌合するように形成されている。嵌合凹部193fは、
嵌合凸部195mとともに嵌合構造183を形成され、
嵌合凸部195mを受け入れて環状上端部109を嵌合
基部107に嵌合させた際の抜け止めの役割を果たす。
【0027】容器本体3との嵌合は、先に説明した本実
施形態における嵌合と同様に、環状上端部109を成形
してから冷却硬化前に行うようにするとよい。この冷却
硬化によって、外壁板部193と突起上端部175uと
の間の繋ぎ目が目立たなくなるからである。この繋ぎ目
を目立たなくするような文様等を、この繋ぎ目周辺に配
しておけば、さらによい。
【0028】図7及び8に基づいて本実施形態の環状基
部の変形例(以下、「第2変形例」という)について説明
する。第2変形例の説明及び後述する他の変形例説明
は、環状基部についてだけ行い、共通する部分について
の説明は重複を避けるために省略する。さらに、共通す
る部分については可能な限り同一の部材名を使用して説
明を行う。
【0029】第2の変形例の環状基部207について、
図7及びび8を参照しながら説明する。本実施形態と同
様に環状基部207は容器本体203と一体に成形さ
れ、環状顎部205の下端部を構成する。環状基部20
7は、それぞれ上方へ突き出す第1の環状突起271
と、第2の環状突起273及び第3の環状突起275と
を含み、第1の環状突起271よりも第2の環状突起2
73が、第2の環状突起273よりも第3の環状突起2
75が、それぞれ長く形成されている。第1の環状突起
271の基部271bと第2の環状突起273の基部2
73bと第3の環状突起275の基部275bとは容器
本体203の上端開口部203aの周縁から斜め上方に
放射状に広がる底部203eによって連結されている。
第1の環状突起271は、容器本体203と内壁面を共
有するように、すなわち、容器本体203の内壁面の延
長上に第1の環状突起271の内壁面があり両者が一体
となるように形成されている。第2の環状突起273
は、第1の環状突起271の外側に所定間隔の受入溝2
07g(図3参照)を介して形成され、第3の環状突起
275は、第2の環状突起273の外側に所定間隔の間
隙207kを介して形成されている。間隙207kは、
第3の環状突起275を上端開口部203a側に弾性屈
曲させるための屈曲促進空間として機能するが、第3の
環状突起75の屈曲に影響がなければ、この間隙207
kを形成しなくてもよい。
【0030】図8に基づき、第3の環状突起275につ
いて詳しく説明する。第3の環状突起275は、そのほ
ぼ下半分を占める突起下端部275dと残りの上半分を
示す突起上端部275uによって構成され、突起下端部
275dの外壁面が底部203eの外壁面に連なって一
体化している。突起下端部275dと突起上端部275
uとの間には、段部281が形成され、突起上端部27
5uの内壁には、中心方向に突き出る複数個の嵌合凹部
275p,275p...が円周方向に所定間隔を介し
て形成されている。嵌合凹部275pは、後述する嵌合
凸部295pとともに、嵌合構造283を構成する。
【0031】図8に示すように環状上端部209は、ア
ルファベットのJの字を逆さにしたような断面形状を有
し、その長辺部分を構成する内壁板部291と、その短
辺部分を構成して内壁板部291と対向する外壁板部2
93と、その屈曲部分、すなわち、内壁板部291と外
壁板部293の上端を連結する部分を構成する上端連結
部295と、から概ね構成され、内壁板部291と外壁
板部293との間に中空部209eが形成されている。
内壁板部291の下端部291bは、第1の環状突起2
71と第2の環状突起273との間に形成された受入溝
207gに挿入した際に両者に挟持される形状に形成さ
れている。挟持されるようにしたのは、受入溝207g
と下端部271bとの間の遊びをできるだけ少なくし
て、後述する嵌合構造283の働きと合わせて環状上端
部209と環状基部207との嵌合を安定させるためで
ある。
【0032】図8に示すように外壁板部293の外側
に、突起上端部275uの内壁に形成された嵌合凹部2
75p,275p...に対応して嵌合凸部295p,
295p...が形成されている。嵌合凸部295p
は、嵌合凹部275pとともに嵌合構造283を形成
し、嵌合凹部275pを受け入れて環状上端部209を
嵌合基部207に嵌合させた際の抜け止めの役割を果た
す。このように第2変形例では嵌合凹部275pを第3
の環状突起275の突起上端部275uに、嵌合凸部2
95pを外壁板部293の外壁に、それぞれ形成した
が、この逆、すなわち、前者に嵌合凸部を後者に嵌合凹
部をそれぞれ形成してもよい。
【0033】図9に基づいて第3変形例について説明す
る。第3変形例が第2変形例と異なる点は、中空部の形
成方法である。すなわち、第3変形例における中空部3
19eは、容器本体303の上端303tを延長して上
端開口部303a外側(第9図の右方向)へ折り返し形
成された環状折り返し片375と、この環状折り返し片
375の下方領域から抜け止め用の嵌合構造385を介
して嵌合される環状嵌合片309とによって形成されて
いる。上端303tは、容器本体303と一体に成形さ
れ、環状折り返し片375の先端肉太部375aは、半
月状の断面形状に形成されている。
【0034】一方、環状嵌合片309は、第1の環状突
起371と、第1の環状突起371の外側に所定間隔を
介して形成された第2の環状突起372と、を含み、図
9に示すようにアルファベットのJに似た断面形状を備
えている。抜け止め用嵌合構造385は、容器本体3外
壁に設けられた嵌合凹部395aと第1の環状突起37
1内壁に設けられた嵌合凸部395sとの間及び環状折
り返し片375(375a)内壁に設けられた嵌合凹部
395aと第2の環状突起372外壁に設けられた嵌合
凸部395tの間に、それぞれ形成されている。嵌合凹
部395aと嵌合凸部395sは、環状嵌合片309を
容器本体3に対して摩擦等の作用によって固定できる場
合は省略することができる。他方、嵌合構造385を、
図10に示すように、第2の環状突起372の外壁に設
けられた嵌合凹部395cに環状折り返し片375の屈
曲先端395uを嵌合させるように構成してもよい。
【0035】図11に示す変形例4の中空部419e
は、容器本体403の上端を延長して上端開口部403
a外側へ折り返し形成された環状折り返し片475と、
環状折り返し片475の下方領域から抜け止め用の嵌合
構造485を介して嵌合される環状嵌合片409とによ
って形成されている点、及び、環状嵌合片409は、第
1の環状突起471と、第1の環状突起471の外側に
所定間隔を介して形成された第2の環状突起472と、
を含む点において第3変形例と類似する。第4変形例に
おける嵌合構造485は、容器本体3の外壁に設けられ
た嵌合凹部495aと第1の環状突起471の内壁に設
けられた嵌合凸部495sとの間及び環状折り返し片4
75の外壁に設けられた嵌合凸部495tと第2の環状
突起475の内壁に設けられた嵌合凹部495bの間
に、それぞれ形成されている。嵌合凹部495aと嵌合
凸部495sは、環状嵌合片409を容器本体403に
対して摩擦等の作用によって固定できる場合は第3変形
例と同様に省略することができる。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る合成樹脂製
容器およびその製造方法によれば、合成樹脂製の容器で
ありながら重厚感を持ち、安価で大量生産できる合成樹
脂製容器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係る花卉容器の斜視図であ
る。
【図2】 第1図の花卉容器の一部を切り欠いた図で
ある。
【図3】 第1図の花卉容器を分解した図である。
【図4】 環状顎部の拡大断面図である。
【図5】 放電加工装置の概略構成図である。
【図6】 本実施形態の第1変形例を示す部分拡大図
である。
【図7】 本実施形態の第2変形例を示す部分拡大図
である。
【図8】 本実施形態の第2変形例を示す部分拡大図
である。
【図9】 本実施形態の第3変形例を示す部分拡大図
である。
【図10】 本実施形態の第3変形例を示す部分拡大図
である。
【図11】 本実施形態の第4変形例を示す部分拡大図
である。
【図12】従来の合成樹脂製容器を部分的に切り欠いて
示す斜視図である。
【符号の説明】
1 合成樹脂製容器(花卉容器) 51 容器本体要金型 53 グラファイト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B027 NB03 NC02 NC24 ND01 ND17 QA02 QB12 QC11 QC22 QC23 QC45 3E033 BA16 CA20 DD01 DE01 FA10 GA03 3E035 AA20 BA04 BA06 BB04 BC02 4F202 AA11 AG07 AG24 AH55 AH56 CA11 CB01 CD02 CD30

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型によって成形される合成樹脂製容器
    であって、前記金型の一部又は全部は、一部又は全部が
    手加工されたグラファイトを電極とする放電加工によっ
    て加工されたものであることを特徴とする合成樹脂製容
    器。
  2. 【請求項2】 グラファイトの一部又は全部に手作業に
    よって凹凸を形成する第1工程と、 手加工した前記グラファイトを一方の電極とする放電加
    工によって前記文様を金型に転写する第2工程と、 前記金型によって合成樹脂材を成形する第3工程と、か
    らなる合成樹脂製容器の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002307446A (ja) * 2001-04-09 2002-10-23 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 型内発泡成形用中型の製作方法及び該中型
IT201800006491A1 (it) * 2018-06-20 2019-12-20 Procedimento per la realizzazione di un oggetto in materia plastica e oggetto in materia plastica realizzato con tale procedimento

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