JP2001088672A - 車両の挙動制御装置 - Google Patents

車両の挙動制御装置

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JP2001088672A JP27437399A JP27437399A JP2001088672A JP 2001088672 A JP2001088672 A JP 2001088672A JP 27437399 A JP27437399 A JP 27437399A JP 27437399 A JP27437399 A JP 27437399A JP 2001088672 A JP2001088672 A JP 2001088672A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両のオーバーステア状態で運転者がハンド
ルを旋回方向と逆方向に切るカウンターステア後にハン
ドルの戻し遅れがあっても、そのカウンター効果を抑え
て、車両が逆方向のオーバーステア状態に移行するのを
防止し、カウンター後の車両の挙動を収束させる。 【解決手段】 車両のカウンターステア状態でハンドル
が戻し操作され、その戻し操作に追従して実際のヨーレ
ートが変化しないときに、車両の旋回内側前輪にブレー
キをかける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の旋回走行時
のヨーレート挙動を制御してアンダーステア状態による
ドリフトアウトやオーバーステア状態によるスピンを回
避するようにした車両の挙動制御装置に関し、特に、カ
ウンターステア後の収束制御を行うための技術分野に属
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の車両の挙動制御装置
として、例えば特開平6―183288号や特開平7―
223520号の各公報に示されるように、車両のハン
ドル舵角及び車速に基づいて目標ヨーレートを設定する
とともに、車両の実際のヨーレートをヨーレートセンサ
により検出し、この検出された実際のヨーレートが上記
目標ヨーレートに対し所定以上の偏差を持つと、車両の
アンダーステア状態を抑制するアンダーステア制御又は
オーバーステア状態を抑制するオーバーステア制御の各
介入をそれぞれ行うようにしたものは知られている。
【0003】具体的には、実際のヨーレートに所定値を
加えたしきい値よりも目標ヨーレートが大きい場合に
は、アンダーステア制御の介入を、また目標ヨーレート
から所定値を減じたしきい値よりも実際のヨーレートが
大きい場合には、オーバーステア制御の介入をそれぞれ
行うようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両のオー
バーステア状態において、運転者が意識的にハンドルを
車両の旋回方向と逆方向に切るいわゆるカウンターステ
ア状態にすると、そのカウンターステア操作によりオー
バーステア状態を抑制することができるが、そのとき、
オーバーステア状態が抑制された後に直ちにハンドルを
戻す必要があるのに対し、そのハンドルの戻し遅れが生
じることがあり、例えばオーバーステア量が大きいと
き、或いはカウンターステア量が大きいとき等には顕著
となる。そして、このハンドルの戻し遅れに伴い、車両
の当初のオーバーステア状態は抑制できるものの、カウ
ンターステア効果が残っていることから、車両が今度は
逆方向のオーバーステア状態に陥るようになり、カウン
ターステア後の車両の挙動をスムーズに収束することが
困難になるという問題がある。
【0005】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、上記の如き車両のカウン
ターステア操作後の車両の挙動を制御することで、カウ
ンターステア後のハンドルの戻し遅れによるカウンター
効果を抑えて、車両が逆方向のオーバーステア状態に移
行するのを防止し、カウンターステア後の車両の挙動を
収束させるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的の達成のた
め、この発明では、車両がカウンターステア状態にあっ
てハンドルが戻し操作された時点で車両の旋回内側前輪
を制動して、残っているカウンターステア効果をなくす
ようにした。
【0007】具体的には、請求項1の発明では、車両の
走行状態を推定して該推定結果に基づいてブレーキを制
御することで、車両のヨーレート挙動を制御するように
した車両の挙動制御装置が対象であり、車両のカウンタ
ーステア状態でハンドルが戻し操作されたときに、車両
の旋回内側前輪にブレーキを作用させる制御手段を備え
たことを特徴としている。
【0008】上記の構成により、車両がカウンターステ
ア状態にあるときにハンドルが戻し操作されると、車両
の旋回内側前輪にブレーキがかけられるので、カウンタ
ーステア後にハンドルの戻し操作が遅れて、残存するカ
ウンターステア効果により逆方向にオーバーステア状態
が生じようとしても、そのことは旋回内側前輪の制動に
より抑制される。このことによって、カウンターステア
後の車両の挙動をスムーズに収束させて好適なものとす
ることができる。
【0009】請求項2の発明では、上記制御手段は、ハ
ンドルの戻し操作に追従して実際のヨーレートが変化し
ないときに、車両の旋回内側前輪にブレーキを作用させ
るように構成されているものとする。
【0010】こうすると、車両のカウンターステア後に
ハンドルを戻し操作しているにも拘わらず実際のヨーレ
ートが追従変化しないのは、車両が逆方向のオーバース
テア状態に移行しようとしているためであると判断し、
旋回内側前輪の制動によりそのオーバーステア状態への
移行が抑制される。このことで、車両の旋回内側前輪の
制動を適切なタイミングで行って、カウンターステア後
の車両の挙動をより正確に収束させることができる。
【0011】請求項3の発明では、制御手段は、ハンド
ルの戻し操作に追従して実際のヨーレートが変化したと
きに、車両の旋回内側前輪へのブレーキの作用を停止す
るように構成されているものとする。このことにより、
車両の旋回内側前輪に対する制動の停止タイミングを適
切にして、カウンターステア後の車両挙動の収束制御を
適正に終了させることができる。
【0012】請求項4の発明では、制御手段は、ハンド
ルの舵角速度が反転したときに、車両の旋回内側前輪に
ブレーキを作用させるように構成されているものとす
る。こうすれば、車両のカウンターステア後にハンドル
を戻し操作すると、それに伴ってハンドル舵角速度が反
転するので、その時点で旋回内側前輪が制動されて逆方
向のオーバーステア状態への移行が抑制される。この場
合も、車両の旋回内側前輪の制動を適切なタイミングで
行って、カウンターステア後の車両の挙動をより正確に
収束させることができる。
【0013】請求項5の発明では、制御手段は、カウン
ターステア量が所定値よりも大きいとき、車両の旋回内
側前輪にブレーキを作用させるように構成されているも
のとする。また、請求項6の発明では、制御手段は、カ
ウンターステア前のオーバーステア量が所定値よりも大
きいとき、車両の旋回内側前輪にブレーキを作用させる
ように構成されているものとする。
【0014】すなわち、これらカウンターステア量又は
オーバーステア量がそれぞれ所定値よりも大きいとき
は、カウンターステア後のハンドルの戻し遅れが生じ易
く、このような状況下で車両の旋回内側前輪を制動する
ことにより、カウンターステア後の車両の挙動をより確
実に収束させることができる。
【0015】請求項7の発明では、車両の走行状態を推
定して該推定結果に基づいて車両のヨーレート挙動を制
御するようにした車両の挙動制御装置として、車両のハ
ンドル舵角と車速とに基づいて第1目標ヨーレートを、
また車両の横加速度と車速とに基づいて第2目標ヨーレ
ートをそれぞれ設定するとともに、上記第1及び第2目
標ヨーレートのうちの小さい方(絶対値の小さい方)を
制御目標ヨーレートとして選択し、該制御目標ヨーレー
トと実際のヨーレートとの偏差に応じてヨーレート挙動
を制御する制御手段を備える。そして、この制御手段
は、車両のカウンターステア状態で上記第1目標ヨーレ
ートが0を越えて切り換わったときには制御目標ヨーレ
ートを第1目標ヨーレートから所定値に変更して保持
し、第2目標ヨーレートが0を越えて切り換わったとき
に制御目標ヨーレートを上記所定値から第2目標ヨーレ
ートに変更するように構成されているものとする。
【0016】この構成によれば、制御手段において、車
両の走行状態に応じて第1及び第2目標ヨーレートの小
さい方が制御目標ヨーレートとして選択され、この制御
目標ヨーレートと実際のヨーレートとの偏差に応じてヨ
ーレート挙動が制御される。このように2つの目標ヨー
レートを選択することで、車両の挙動制御の介入を適正
にすることができる。
【0017】そして、車両がカウンターステア状態にあ
ると、上記第1目標ヨーレートが0を越えて切り換わっ
たときに制御目標ヨーレートが第1目標ヨーレートから
所定値に変更されて保持され、その後に第2目標ヨーレ
ートが0を越えて切り換わると、制御目標ヨーレートが
上記所定値から第2目標ヨーレートに切り換えられる。
このように、第1目標ヨーレートが0を越えて切り換わ
ったときに、第2目標ヨーレートが0を越えて切り換わ
るまでの間、制御目標ヨーレートが一定の所定値に保持
されるので、ハンドル舵角が中立点を越えるような状態
での制御量の増大を避けることができ、車両が逆方向の
オーバーステア状態に移行してスピン等するのを防止す
ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施形態に係る
車両の挙動制御装置の全体構成を示している。まず、入
力側の各装置について説明すると、11は各車輪の車輪
速度を検出する車輪速センサ、12はステアリング(ハ
ンドル)の操舵角を検出する舵角センサ、13は車両に
発生しているヨーレートを検出するヨーレートセンサ、
14は車両の横方向の加速度を検出する横加速度センサ
(横Gセンサ)、15はスロットル開度を検出するスロ
ットル開度センサ、16は後述するアンチロックブレー
キシステムの制御をキャンセルするためのストップラン
プスイッチ、17はエンジン回転数を検出するエンジン
回転数センサであり、エンジン出力のフィードバック制
御を行うために検出するようにしている。また、18は
エンジン(パワートレイン)の運転状態を検出するため
にシフト位置を検出するシフト位置センサ(AT)であ
り、このシフト位置検出センサ18は、リバースの場合
には挙動制御をキャンセルするキャンセルスイッチとし
ても用いるようにしている。さらに、19は第1液圧発
生源としてのマスターシリンダ(MC)の液圧を検出す
るMC液圧センサであり、このMC液圧センサ19の検
出結果に応じてブレーキ液圧を運転者のブレーキペダル
踏み力に対応した液圧に補正するようにしている。加え
て、110はリザーバ内のブレーキ液の存在を検出する
リザーバ液面レベルスイッチである。
【0019】次に、出力側の各装置について説明する
と、31は上記アンチロックブレーキシステム21が作
動していることを警報するアンチロックブレーキシステ
ムランプ、32は第2液圧発生源としての加圧ポンプに
備えられた加減圧手段としての加圧モータ、33,34
はそれぞれ前輪及び後輪用に設けられたディスクブレー
キ等のブレーキ装置に対してブレーキ液を供給・排出す
る加減圧手段としてのフロントソレノイドバルブ及びリ
アソレノイドバルブ、35はマスターシリンダ側と上記
各車輪のブレーキ装置側との間を遮断・開放する加減圧
手段としてのTSWソレノイドバルブ、36は上記マス
ターシリンダと上記加圧ポンプとの間を遮断・開放する
加減圧手段としてのASWソレノイドバルブ、37はエ
ンジン出力の制御を行うエンジンコントローラ、38は
車両の挙動制御が行われていることを運転者に対し、音
或いは表示によって警報する警報手段としての警報装置
である。
【0020】次に、上記入力側の各センサ、又はスイッ
チ11〜110の信号が入力され、上記出力側の各装置
31〜38に制御信号を出力する制御手段としてのEC
U2について説明する。
【0021】このECU2には、車輪が路面に対してロ
ックしそうなときに、その制動力を制御して車輪のロッ
クを抑制するアンチロックブレーキシステム21と、制
動時に後輪がロックしないように、後輪に付与される制
動力の配分を行う電子制動力配分装置22と、車両の走
行中に車輪が路面に対してスリップする現象を、各車輪
に対する駆動力或いは制動力を制御することによって抑
制するトラクションコントロールシステム23と、例え
ばドリフトアウトやスピンといったヨーレート挙動を抑
制・回避する車両安定性制御装置24とを備えている。
【0022】次に、上記各装置の信号の入出力について
説明すると、上記車輪速センサ11からの信号は車輪速
度演算部及び推定車体速演算部において車輪速度及び推
定車体速が演算され、また、上記ストップランプスイッ
チ16からの信号はストップランプ状態判断部に入力さ
れ、そこから上記アンチロックブレーキシステム21、
電子制動力配分装置22、トラクションコントロールシ
ステム23、及び車両安定性制御装置24にそれぞれ入
力されるようになっている。
【0023】また、上記エンジン回転数センサ17、ス
ロットル開度センサ15、及びシフト位置センサ18か
らの各信号は、それぞれエンジン回転数演算部、スロッ
トル開度情報取り込み部、及びシフト位置判断部に入力
され、そこから上記トラクションコントロールシステム
23、及び車両安定性制御装置24に入力されるように
なっている。
【0024】さらに、上記舵角センサ12、ヨーレート
センサ13、横Gセンサ14、及びMC液圧センサ19
の信号は、それぞれ舵角演算部、ヨーレート演算部、横
G演算部及びMC液圧演算部によって、舵角、ヨーレー
ト、横加速度、及びMC液圧が演算されて、上記車両安
定性制御装置24に入力されるようになっている。
【0025】加えて、上記リザーバ液面レベルスイッチ
110の信号は液面レベル判断部を経て、上記トラクシ
ョンコントロールシステム23及び車両安定性制御装置
24にそれぞれ入力されるようになっている。
【0026】そして、上記アンチロックブレーキシステ
ム21は、各信号から制御量を演算し、アンチロックブ
レーキシステムランプ31及び加圧モータ32、並び
に、フロントソレノイドバルブ33及びリアソレノイド
バルブ34に信号を出力してこれらを制御するようにな
っている。
【0027】また、上記電子制動力配分装置22は、リ
アソレノイドバルブ34を制御するようになっている。
【0028】上記トラクションコントロールシステム2
3は、フロントソレノイドバルブ33、リアソレノイド
バルブ34、加圧モータ32、TSWソレノイドバルブ
35及びエンジンコントローラ37に対し信号を出力し
てこれらを制御するようになっている。
【0029】そして、上記車両安定性制御装置24は、
エンジンコントローラ37、フロント及びリアソレノイ
ドバルブ33,34、加圧モータ32、TSW及びAS
Wソレノイドバルブ35,36並びに警報装置38に対
し信号を出力してこれらを制御するようになっている。
【0030】(車両安定性制御)次に、上記車両安定性
制御装置24における車両の安定性制御(挙動制御)に
ついて説明する。この車両安定性制御装置24は、例え
ばドリフトアウトを回避する制御であるアンダーステア
制御、及び例えばスピンを回避する制御であるオーバー
ステア制御を行うようになっており、上記アンダーステ
ア制御は、具体的には制御目標ヨーレートTrψが実ヨ
ーレートψよりも大きいときに、旋回内前輪或いは旋回
内後輪に対して制動力を付与するとともに、エンジン出
力を低下させる制御を行う。このような制御によって、
車速の低下による遠心力の低下と、各車輪に付与される
制動力のアンバランスによる車両モーメントとが生じ、
ドリフトアウトを回避することができるようになる。
【0031】一方、オーバーステア制御は、具体的には
制御目標ヨーレートTrψが実ヨーレートψよりも小さ
いときに、旋回外前輪に制動力を付与する制御を行う。
このような制御によって、車両前部が旋回外方向となる
モーメントが生じ、スピンが回避できるようになる。
【0032】そして、この車両安定性制御装置24によ
る挙動制御について、さらに詳しく、図2に示すフロー
チャートに従って説明する。まず、ステップS11にお
いては、上述した各種センサ等11〜110からの信号
の読み込みを行う。
【0033】次いで、ステップS12において、舵角に
基づく第1目標ヨーレートψ(θ)、及び横加速度に基
づく第2目標ヨーレートψ(G)をそれぞれ演算する。
【0034】この第1目標ヨーレートψ(θ)は、具体
的には、車輪速センサ11の信号に基づき推定車体速演
算部において演算される推定車体速Vと、舵角センサ1
2によって検出され舵角演算部において演算される舵角
θとを用い、式(1)によって算出する。
【0035】 ψ(θ)=V×θ/{(1+K×V2)×L}……(1) ここで、Kはスタビリティファクタであり、このKは高
μ(摩擦係数)路の旋回から求めた定数である。また、
Lはホイールベースである。
【0036】一方、上記第2目標ヨーレートψ(G)
は、上記推定車体速度V、及び上記横Gセンサ14の信
号に基づき横G演算部において演算される横加速度Gy
を用いて式(2)により演算する。
【0037】ψ(G)=Gy/V……(2) そして、ステップS13において、上記第2目標ヨーレ
ートψ(G)の絶対値が第1目標ヨーレートψ(θ)の
絶対値よりも小さいか否かを判定する。この判定は上記
第1及び第2目標ヨーレートψ(θ,G)のうちのいず
れを制御目標ヨーレートTrψとして設定するかを判定
するステップであり、上記第1及び第2目標ヨーレート
ψ(θ,G)のうちの絶対値の小さい方を制御目標ヨー
レートTrψとして設定し、車両の挙動制御を行うよう
にしている。
【0038】そして、このステップS13においてNO
の場合はステップS14に進む一方、YESの場合はス
テップS15に進む。
【0039】上記ステップS14では、第1目標ヨーレ
ートψ(θ)を制御目標ヨーレートTrψとし、この制
御目標ヨーレートTrψと、ヨーレートセンサ13によ
って検出されヨーレート演算部において演算された実ヨ
ーレートψとの偏差Δψ(θ)を算出する。
【0040】一方、上記ステップS15では、第2目標
ヨーレートψ(G)を制御目標ヨーレートTrψとす
る。このとき、制御目標ヨーレートTrψは、式(3)
によって舵角成分を考慮した補正を行うようにする。す
なわち、 Trψ=ψ(G)+a×k1……(3) とする。ここで、a=ψ(θ)−ψ(G)である。k1
は変数である。
【0041】そして、この補正した制御目標ヨーレート
Trψと実ヨーレートψとの偏差Δψ(θ,G)を算出
する。
【0042】このように、横加速度に基づく第2目標ヨ
ーレートψ(G)を制御目標ヨーレートTrψとした場
合に舵角成分の補正を行うことによって、運転者が意図
してアンダーステアとしている場合(駆動アンダーステ
ア)には、挙動制御の介入を抑制することができるよう
になる。
【0043】すなわち、例えば車両がアンダーステア状
態であるときは、舵角を一定にして駆動力を上げるよう
な運転者が意図的に行っている駆動アンダーステアと、
運転者の操舵に対し車両の挙動が追従しない運転者の意
図しないアンダーステアの2種類がある。ここで、例え
ば横加速度に基づく第2目標ヨーレートψ(G)を制御
目標ヨーレートTrψとする場合では、車両に生じる横
加速度は上記2種類のアンダーステアのいずれの場合も
同じであるため、上記駆動アンダーステアであっても挙
動制御が行われるようになってしまう。そこで、第2目
標ヨーレートψ(G)を制御目標ヨーレートとするとき
は舵角成分を補正することによって、運転者がハンドル
が切り込んでいるときにのみ挙動制御が行われるように
なり、駆動アンダーステアでは挙動制御を行わず、運転
者が意図しないアンダーステアの場合にのみ挙動制御を
行うようにすることができる。
【0044】そして、上式において、k1の値として
は、例えば図3に示すように、横加速度に対し変化する
特性を有する値とする。すなわち、横加速度が小さい
(氷面等、路面が低μの領域)或いは横加速度が大きい
(高μの領域)では小さな値とし、舵角成分の補正割合
を小さくする。
【0045】これは、例えば低μ領域でk1の値を大き
くすれば、次のような不都合が生じるためである。すな
わち、低μ領域では舵が効きにくいため、運転者は、通
常、舵角が比較的大きくなるハンドル操作を行う。この
ような場合に、k1の値を大きくして舵角成分の補正割
合を大きくすれば制御目標ヨーレートTrψと実ヨーレ
ートψとの偏差が大きくなって、挙動制御の制御量、例
えば制動量が大きくなってしまう。その結果、挙動制御
を行った後の車両挙動が逆方向に大きくなりすぎてしま
い、その逆方向の挙動を直すことが困難になる虞れがあ
るためである。
【0046】また、高μ領域において、k1の値を小さ
くするのは、例えば高μ領域はタイヤのグリップ力が十
分に得られている状態であることから、k1の値を大き
くして舵角成分を大きくすると、挙動制御の開始が早す
ぎるようになってしまうためである。つまり、このよう
な高μ領域では、舵角成分の補正割合を大きくしなくて
も適正な制御介入が実現するため、高μ領域ではk1の
値を小さくするようにする。
【0047】一方、横加速度が中程度(中μ領域)は、
路面が圧雪状態の場合の路面μに該当し、横滑りが発生
する可能性が高いため、k1の値を大きくすることによ
って舵角成分の補正割合を大きくし、挙動制御が早期に
行われるようにする。
【0048】このように、上記k1の値を横加速度によ
って変化させることによって、適切なタイミングでの挙
動制御の介入が実現するようになる。
【0049】そして、上記ステップS14又はステップ
S15で、制御目標ヨーレートTrψと実ヨーレートψ
との偏差Δψ(θ,G)が算出されれば、ステップS1
6に進み、このステップS16において、オーバーステ
ア制御を行うか否かのしきい値(THOS)、アンダー
ステア制御におけるエンジン制御を行うか否かのしきい
値(THEUS)、及びアンダーステア制御におけるブ
レーキ制御を行うか否かのしきい値(THUS)をそれ
ぞれ設定する。尚、THUS>THEUSとなってい
る。
【0050】次いで、ステップS17においては、上記
THEUSが、第1目標ヨーレートψ(θ)と実ヨーレ
ートψとの偏差Δψ(θ)よりも大きいか否かを判定す
る。すなわち、上記アンダーステア制御におけるエンジ
ン制御を行うか否かを判定する。
【0051】このエンジン制御を行うか否かの判定で
は、上記ステップS13において目標ヨーレートとして
第2目標ヨーレートψ(G)を選択した場合であって
も、第1目標ヨーレートψ(θ)の値を基準として判定
を行う。
【0052】これは、次の理由によるものである。すな
わち、舵角信号は位相が速いため、第1目標ヨーレート
ψ(θ)を制御目標ヨーレートTrψとして挙動制御を
行えば、通常、その挙動制御は早期に開始されるように
なる。本実施形態においては、第1及び第2目標ヨーレ
ートの2つを用いることによって、挙動制御の早期介入
を防止するようにしているが、エンジン出力を低下させ
てもブレーキを制御する場合に比べて運転者が気づかな
い場合が多いことから、エンジン制御に限っては早期に
開始しても弊害が少ない。
【0053】また、アンダーステア制御では、まず車両
の減速をすることがアンダーステアの回避に有効であ
り、このためにエンジン出力を早期に低下させて車両の
減速をすれば、効果的なアンダーステア回避を行うこと
ができるようになる。
【0054】また、横加速度とヨーレートとは略比例関
係にあるため、横加速度に基づく第2目標ヨーレートの
値ψ(G)は、実ヨーレートψの値との差が小さく、ま
た、上記実ヨーレートψの値は、アンダーステアの場合
は不安定になることから、第2目標ヨーレートψ(G)
を制御目標ヨーレートψとすれば適正な制御介入が困難
となってしまう。以上の理由から、エンジン制御の開始
判定は、上記第1目標ヨーレートψ(θ)を制御目標ヨ
ーレートTrψとしている。
【0055】そして、上記ステップS17において、Y
ESの場合はステップS18に進む一方、NOの場合は
ステップS19に進みオーバーステア制御開始の判定を
行う。
【0056】上記ステップS18においては、ヨーレー
ト加速度が所定値以下であるか否かを判定する。これ
は、制御の誤介入防止を目的とするものであり、実際に
車両が所定量以上の挙動変化を生じているか否かを判定
するようにしている。そして、YESであればステップ
S110に進む一方、NOであればステップS113に
進み、エンジン制御を禁止して上記ステップS19に進
む。
【0057】上記ステップS110においては、車両が
オーバーステア中であるか否かを判定する。これは、車
両が旋回方向に回転しながら旋回路外方に移動するオー
バーステアとアンダーステアとが同時に生じている状態
が考えられるためであり、このような場合は、まず、オ
ーバーステアを回避して車両の姿勢を直す必要がある。
そこで、YESであればステップS113に進みアンダ
ーステアのエンジン制御を禁止してステップS19に進
む一方、NOであればステップS111に進む。
【0058】上記ステップS111においては、ブレー
キが非操作か否かを判定する。これは、運転者がブレー
キ操作を行っている場合には駆動力は発生しておらず、
エンジン制御を行っても効果が少ないばかりか、もしエ
ンジン制御を行えば、次にアクセルを踏み込んだときに
加速できなくなるため、不要なエンジン制御を行わない
ようにするためである。そして、YESであればステッ
プS112に進み、エンジン制御を行うべくエンジン抑
制制御量を算出する。そして、ステップS114に進
み、エンジンコントローラ37に信号を出力してエンジ
ン制御を実行、すなわちエンジン出力を低減させる。一
方、上記ステップS111においてNOの場合はステッ
プS113に進みエンジン制御を禁止する。上記ステッ
プS114及びステップS111が終了すれば、ステッ
プS19に進む。
【0059】上記ステップS19においては、オーバー
ステア制御を行うか否かを判定する。このオーバーステ
ア制御の判定は、ステップS14又はステップS15に
おいて算出したヨーレート偏差Δψ(θ,G)が、オー
バーステアしきい値THOSよりも大きいか否かを判定
することによって行う。YESの場合はステップS11
5に進み、オーバーステアを回避すべく外前輪、すなわ
ち、ヨーレートの回転方向に対して外側の前輪に付与す
る制動量を、上記ヨーレート偏差Δψ(θ,G)に応じ
て設定する。
【0060】制動量が設定されれば、ステップS117
に進み制動力制御を実行する。これは、加圧モータ3
2、フロント及びリアソレノイドバルブ33,34、T
SW及びASWソレノイドバルブ35,36をそれぞれ
制御することによって行う。次いで、ステップS118
に進み、オーバーステア制御の終了判定を行いリターン
する。
【0061】一方、上記ステップS19においてNOと
判定された場合は、ステップS116に進む。このステ
ップS116においては、アンダーステア制御を開始す
るか否かを判定する。そして、開始するYESであれば
ステップS119に進む一方、開始しないNOであれば
リターンする。
【0062】上記ステップS119においては、そのア
ンダーステアが小さいか否かを判定する。小さい場合は
ステップS120に進む一方、大きい場合はステップS
121に進む。
【0063】上記ステップS120においては内前輪の
制動量を演算する。一方、ステップS121においては
内後輪の制動量を演算する。これはアンダーステアが小
さいときは、前輪にはグリップ力がある状態と考えら
れ、また、前輪に制動力を付与することは後輪に制動力
を付与する場合に比べて、より制動効率が良い、すなわ
ち車両をより効率的に減速できるためである。このた
め、アンダーステアが小さい場合には内前輪に制動を行
うことによって、確実かつ迅速なアンダーステア制御を
行うことが可能になる。
【0064】一方、アンダーステアが大きい場合は、前
輪のグリップ力がないものと考えられることから、内後
輪に対し制動力を付与する。
【0065】このように制動量が演算されれば、ステッ
プS122に進み、制動力制御を実行する。
【0066】そして、ステップS123においては、ア
ンダーステア制御の終了判定を行う。これは、上記ヨー
レート偏差Δψ(θ,G)がしきい値THUSよりも小
さくなったか否かを判定することによって行う。そし
て、YESの場合はステップS124に進み制御を終了
させてリターンする。一方、NOの場合は制御を終了す
ることなくリターンする。
【0067】(アンダーステアのブレーキ制御開始判
定)次に、上記ステップS116におけるアンダーステ
ア制御におけるブレーキ制御開始の判定について、図4
に示すフローチャートに従って説明する。この制御開始
判定では、上記ヨーレート偏差Δψ(θ,G)がしきい
値THUSを越えたか否かのみで判定を行うのではな
く、その他の条件が成立することによって、制御を開始
するようにしている。
【0068】まず、ステップS21において、ヨーレー
ト偏差Δψ(θ,G)がアンダーステアしきい値THU
Sよりも大きいか否かを判定する。YESの場合はステ
ップS22に進む一方、NOの場合はステップS23に
進む。
【0069】上記ステップS22においては、実ヨーレ
ートψの加速度が所定値以下か否かを判定する。これは
上記ステップS18(図2参照)と同様に制御の誤介入
防止を目的とするものである。
【0070】そして、上記ステップS23においては、
ハンドル操舵速度が切り増し方向に所定値以上であるか
否かを判定する。YESであればステップS25に進む
一方、NOであればステップS27に進み、非制御とし
てリターンする。そして、上記ステップS25において
は、図5に示すように、第1目標ヨーレートψ(θ)の
値が実ヨーレートψの値の2倍よりも大きく、かつ、第
1目標ヨーレートψ(θ)−実ヨーレートψの値Δψ
(θ)が所定値以上であるか否かを判定する。また、ス
テップS25がNOであればステップS26に進み、実
ヨーレートψの加速度が所定値以下であり、かつ、Δψ
(θ)が所定値以上であるか否かを判定する。NOであ
ればステップS27に進み、制御を非制御としてリター
ンする。
【0071】上記ステップS25は、第1目標ヨーレー
トψ(θ)と実ヨーレートψとの偏差が大きいか否か、
上記ステップS26は、第1目標ヨーレートψ(θ)と
実ヨーレートψとの偏差の広がりの速度が速いか否かを
それぞれ判定しており、上記ステップS25又はステッ
プS26において、YESであればステップS24に進
み、アンダーステアのブレーキ制御を開始する。
【0072】すなわち、ヨーレート偏差Δψ(θ,G)
がしきい値THUSよりも大きいか否かのみで挙動制御
を開始するのでは、駆動アンダーステアのように運転者
が意図してアンダーステア状態としている場合にも制御
が開始されるため、ハンドルを切り増し操作しているに
も拘わらず、それに追従してヨーレートの増加がなく、
運転者の意志通りに車両が挙動せずにアンダーステアと
なっている場合にのみ制御が行われるようにする。
【0073】(オーバーステア制御開始判定)次に、オ
ーバーステア判定について説明する。このオーバーステ
ア制御の開始判定は、上述したように、制御目標ヨーレ
ートとして、第1及び第2目標ヨーレートψ(θ,G)
のうちの絶対値の小さい方を制御目標ヨーレートTrψ
とし、この制御目標ヨーレートTrψと実ヨーレートψ
との偏差Δψ(θ,G)が、オーバーステアしきい値T
HOSよりも大きいか否かによって行うようにしてい
る。
【0074】例えば、図7に示すように、第2目標ヨー
レートψ(G)の絶対値が、第1目標ヨーレートψ
(θ)の絶対値よりも小さいときは、上記第2目標ヨー
レートψ(G)を制御目標ヨーレートTrψとして、オ
ーバーステア制御を行う(同図のT1参照)。
【0075】そして、例えば、このようなオーバーステ
アを回避しようと運転者がカウンターステアを行った場
合には、第1目標ヨーレートψ(θ)の値が、上記第2
目標ヨーレートψ(G)よりも小さくなる場合がある。
このときは、制御目標ヨーレートTrψを第2目標ヨー
レートψ(G)から第1目標ヨーレートψ(θ)に変更
する(同図のT2参照)。
【0076】このようにカウンターステアを行った場合
には、第1目標ヨーレートψ(θ)の変化に伴い実ヨー
レートψの値が第2目標ヨーレートψ(G)の値よりも
小さくなる。ここで、例えば、第2目標ヨーレートψ
(G)を制御目標ヨーレートTrψとしたままであれ
ば、オーバーステア制御からアンダーステア制御に変更
されてしまう。このようにアンダーステア制御となって
しまえば、車両の挙動としては未だオーバーステアであ
り、かつ、運転者がカウンターステアとしているにも拘
わらず、そのカウンターステアの効果が生じないよう
な、つまりオーバーステアを助長する制御となってしま
う。ところが、第1及び第2目標ヨーレートψ(θ,
G)のうちの小さい方を制御目標ヨーレートTrψとす
れば、カウンターステアを行った場合でもオーバーステ
ア制御が継続して行われ、上記の不都合が解消される。
【0077】また、上記第1目標ヨーレートψ(θ)の
値が中立点を通過し、この第1目標ヨーレートψ(θ)
の値と第2目標ヨーレートψ(G)の値との符号が異な
るときには、制御目標ヨーレートTrψの値を所定値で
一定にし(同図のT3参照)、その後、上記第1及び第
2目標ヨーレートψ(θ,G)の値が同符号となれば、
上記第1及び第2目標ヨーレートψ(θ,G)のうちの
絶対値の小さい方、図7では上記第2目標ヨーレートψ
(G)の値を制御目標ヨーレートTrψに設定する(同
図のT4参照)。
【0078】このように、制御目標ヨーレートTrψの
値を一定値で保持するようにするのは、舵角が中立点を
越えるような状態遷移のときに制御ゲインが大きくなっ
てしまうことを回避するためである。また、例えば第1
目標ヨーレートψ(θ)の値をそのまま制御目標ヨーレ
ートTrψとすれば、制御量が大きくなってしまい、車
両が逆方向にスピンしてしまう虞れがあるためである。
このように、車両が逆方向にスピンするようになると、
その逆方向スピンの回避が困難となることから、上記第
1及び第2目標ヨーレートψ(θ,G)の値が異符号と
なるときには、制御目標ヨーレートTrψを所定値で保
持する。
【0079】尚、上記所定値を例えば中立点としてしま
うと、その後、車両がヨー挙動を起こさなくなってしま
うため、上記所定値は中立点にオフセットした値として
いる。
【0080】(カウンターの収束制御)上述したよう
に、オーバーステアの場合には、運転者がカウンタース
テアを行う場合があり、このような場合であっても適正
にオーバーステアを回避する制御を行うようにしている
が、挙動制御によるブレーキ制御を行うことによって、
ハンドルで操舵する以上に車両の挙動が大きくなる。そ
の結果、例えば運転者がカウンターステアを行った後の
ハンドルの戻しの遅れ等に起因して逆方向のオーバース
テアとなる場合がある。その結果、車両のヨーレート挙
動が収束しなくなる虞れがある。
【0081】このような逆方向のオーバーステアを防止
するために、旋回内前輪に制動力を付与する制御を行
う。すなわち、図8は、カウンターステア後の収束制御
のフローチャートを示しており、この制御では、まず、
ステップS31において、オーバーステア制御中又は制
御後所定時間以内であるか否かを判定する。YESであ
ればステップS32に進み、NOであればリターンす
る。
【0082】上記ステップS32においては、カウンタ
ーステアを行ったか否かのカウンター判定を行う。これ
は、例えば実ヨーレートψの値と舵角に基づく第1目標
ヨーレートψの値と大小が反転した、或いは、舵角速度
が反転したことを用いて判定すればよい。そしてYES
であればステップS33に進む一方、NOであればリタ
ーンする。
【0083】上記ステップS33においては、カウンタ
ー量が大きいか否かを判定する。これは、例えばカウン
ターステアを行う前のオーバーステア状態が大きいか否
か、或いはカウンターステアを行っているときのハンド
ルの舵角速度が大きいか否か等に基づき判定すればよ
い。そして、YESであればステップS34に進み、N
Oであればリターンする。
【0084】上記ステップS34においては舵角速度が
反転したか否かを判定する。これは、カウンターステア
を行った後に、ハンドルの戻し操作を行っているか否か
を判定する。そして、YESであればステップS35に
進み、NOであればリターンする。
【0085】上記ステップS35においては、実ヨーレ
ートψが舵角の変化に追従しているか否かを判定する。
すなわち、実ヨーレートψが舵角の変化に追従すれば、
ヨーレート挙動が収束方向に向かっていると考えられる
ことから、旋回内前輪に対する制動力の付与は行わない
ようにする。また、制動力を付与していたとしても、実
ヨーレートが舵角の変化に追従したら、その制動力付与
は中止するようにしてもよい。
【0086】そして、NOであればステップS36に進
み、旋回内前輪に制動力を付与する一方、YESであれ
ばリターンする。
【0087】このような制御によって、カウンターステ
アを行った後の、車両が逆方向のオーバーステアとなる
ことを回避することができるようになる。
【0088】(アンダーステアしきい値の設定)次に、
ステップS16(図2参照)におけるアンダーステアし
きい値THUSの設定について説明する。このアンダー
ステアしきい値THUSは、基本しきい値を決定し、こ
の基本しきい値を補正することによって設定するように
している。
【0089】まず、図9に示すように、ステップS41
において、基本しきい値を設定する。この基本しきい値
は、所定の定数とすればよい。
【0090】次いで、ステップS42において、ハンド
ルの切り戻し時であればその操舵速度が大きいほどしき
い値を高め挙動制御の介入を抑える、つまり挙動制御が
介入し難くする。これは、アンダーステアであるにも拘
わらずハンドルを切り戻すことから、運転者が意図して
操作をしているものと考えられるためであり、このよう
な運転者が意図して運転を行っている場合は、挙動制御
の介入は抑えて運転者の操作に任せるようにするためで
ある。これによって、挙動制御介入と運転者の操作とが
干渉し合うことを回避することができるようになる。
【0091】そして、ステップS43において、実ヨー
レートの変動(実ヨーレートの変化)が大きいほどしき
い値を高めて制御介入を抑えるようにする。これは、ヨ
ーレートが増加傾向にあれば、アンダーステアは回避さ
れるためである。逆に、このようなときに制御を早期に
介入させると、さらに大きなヨーレート変化となり、オ
ーバーステアになってしまう場合がある。そこで、この
ような場合での制御の誤介入を回避するため、しきい値
を高めるようにする。
【0092】ステップS44においては、ハンドルが中
立位置付近にあるときはしきい値を高めて制御介入を抑
えるようにする。これは、アンダーステアは、通常、ハ
ンドルが切られているときに発生するものであり、ハン
ドルの中立付近のような場合にはアンダーステアの制御
を行う必要はなく、このようなアンダーステアとなり難
い状態での誤介入を回避するためである。
【0093】ステップS45においては、横加速度が小
さいとき(低μ領域のとき)ほどしきい値を低くし制御
介入を早めるようにする。これは、例えば雪道等の低μ
時にはアンダーステアとなり易いことから、このような
場合には挙動制御が早期に開始されるようにするためで
ある。
【0094】ステップS46においては、旋回中に第2
目標ヨーレートψ(G)が所定値以上低下したら、しき
い値を低下させ制御介入を早めるようにする。これは、
例えば路面が部分的に凍結しているような、路面μが急
激に小さくなって車両が横滑りを起こす場合に制御介入
を早めることを目的としている。すなわち、路面μが急
変した場合、運転者はハンドルを操作できない、或いは
ハンドルを操作するまでに長時間を要するようになる。
ここで、例えば第1目標ヨーレートψ(θ)のみを用い
て挙動制御を行う場合であれば、この第1目標ヨーレー
トψ(θ)が変動しないため、挙動制御を開始すること
ができなくなってしまう。これに対し、本実施形態で
は、横加速度に基づく第2目標ヨーレートψ(G)をも
用いて挙動制御を行うため、このような路面μの変動に
も、的確な制御を早期に行うことができるようになる。
【0095】このようにしてアンダーステアのブレーキ
制御のしきい値THUSが設定される。
【0096】(オーバーステア制御しきい値の設定)次
に、ステップS16(図2参照)におけるオーバーステ
アしきい値THOSの設定について説明する。このオー
バーステアしきい値THOSも、基本しきい値を決定
し、この基本しきい値を補正することによって設定する
ようにしている。
【0097】まず、図10に示すように、ステップS5
1において、基本しきい値を設定する。この基本しきい
値は、図11に示すように、車速Vが低いほど基本しき
い値を大きな値に設定する。そして、極低速時は、さら
に基本しきい値を高い値に設定する。
【0098】そして、ステップS52においては、図1
2に示すように、横加速度が高いほどしきい値を高める
補正をし、かつ、その補正量は車速が高いほど大きくす
る。これは、例えば横加速度が低い、すなわち低μ領域
では、オーバーステアを生じ易くなるため、しきい値を
低くして制御を早期に行うようにするためである。ま
た、横加速度が高く(高μ領域)、かつ、高速走行の場
合には、挙動変化も速いため、例えばしきい値を低くす
ると挙動制御の誤介入が生じ易くなるためである。さら
に、高μ領域を高車速で走行できるような運転者は、車
両が多少挙動変化を起こしても十分に対応できる運転者
であると考えられるため、挙動制御と運転者の操作との
干渉を防止すべく、高横加速度、かつ高速領域ではしき
い値を高くする。
【0099】ステップS53においては、ハンドル舵角
が小さいほどしきい値を高めて制御介入を抑えるように
する。これは、例えばハンドル舵角が小さい場合であっ
ても、特に雪道等では外乱等によって車両の向きと舵角
の向きが逆になる場合がある。このような場合は、挙動
制御を行わずとも車両は自然に安定走行になるため、制
御介入を抑えるようにする。
【0100】ステップS54においては、ハンドル切り
戻し時でハンドル操舵速度が小さいときほど、しきい値
を高めて制御介入を抑える。これは、運転者がハンドル
をゆっくりと戻していることから、制御介入を行わなく
ても、運転者が自らの操作で十分にオーバーステアを回
避できると考えられるためである。そこで、制御介入を
抑えるべくしきい値を高める。
【0101】そして、ステップS55においては、ヨー
レートのオーバーシュート時にはしきい値を高めて制御
介入を抑える。このヨーレートのオーバーシュート時と
は、図13に示すように、ハンドルを切った状態から中
立点まで戻した場合、車両としては不安定な状態ではな
いにも拘わらず、実ヨーレートψがオーバーシュートす
る場合があり、このような場合にはオーバーステアであ
るとの判定がされてしまう。そこで、制御介入を抑える
ためしきい値を高めるようにする。
【0102】ステップS56においては、ヨーレートの
変動が大きい場合は、しきい値を高めて制御介入を抑え
る。これは、制御の誤介入を防止する目的である。
【0103】ステップS57においては、前輪が駆動輪
とされた前輪駆動車のタックイン、又はカウンターステ
アを判定した場合には、しきい値を下げて制御介入を早
めるようにする。ここで、タックインの判定としては、
例えば舵角が切り込んだ状態で一定で、シフト段が2速
又は3速といった低速段で、かつアクセルペダルが戻さ
れてスロットル開度が小さくなったという条件を満たせ
ばタックインであると判定すればよい。一方、カウンタ
ーステアの判定としては、ハンドル舵角から判定する。
【0104】そして、ステップS58においては、上記
各ステップにおいて基本しきい値を高める補正を行え
ば、その値が大きくなりすぎてしまう虞れがあるから、
上限値を定めるようにする。このようにしてオーバース
テア制御のしきい値THOSが設定される。
【0105】(オーバーステア制御の終了判定)次に、
オーバーステア制御の終了判定について(図2のステッ
プS118参照)、図14に示すフローチャートに従っ
て説明する。これは、車両の挙動が安定になった状態で
挙動制御を終了させつつ、運転者の操作と挙動制御との
干渉を回避することを目的とする制御である。
【0106】まず、ステップS61において、ハンドル
が直進状態で安定したか否か、つまり、舵角が略中立位
置で安定しているか否かを判定する。NOであればステ
ップS62に進む。
【0107】上記ステップS62においては、ハンドル
が切り増し操作されたか否かを判定する。NOであれば
ステップS63に進む。
【0108】上記ステップS63においては、第2目標
ヨーレートψ(G)と、実ヨーレートψとの差が所定値
以下で安定しているか否かを判定する。すなわち、両者
の値が十分に小さく、かつ略一致しているか否かを判定
する。NOであればステップS65に進む。
【0109】そして、上記ステップS61〜ステップS
63においてYESの場合には、ステップS64に進み
制御を終了してリターンする。これは、ステップS61
の判定では、運転者が冷静にハンドル操作をしていると
考えられるため、挙動制御を行う必要がない、また、挙
動制御を行えば、運転者の操作と挙動制御とが干渉する
虞れがあるためである。また、ステップS62の判定で
は、オーバーステアを助長する方向に運転者がハンドル
操作を行うことから、運転者が意図してオーバーステア
にして旋回を行う、或いは車両が意図的にスピンさせて
例えば事故回避を行おうとしていること等が考えられる
ためである。このような場合には速やかに挙動制御を終
了させることによって、挙動制御と運転者の操作との干
渉を防止することができるようになる。さらに、ステッ
プS63の判定では、第2目標ヨーレートψ(G)と実
ヨーレートψとが略一致して安定した状態であるから、
車両の挙動が安定した状態となっており、挙動制御を行
う必要がないため、制御を終了させるようにする。
【0110】そして、上記ステップS65においては、
挙動制御における制動量から推定される推定ブレーキ液
圧がマスターシリンダの圧力と略等しいか否かを判定す
る。すなわち、実質的に制動力の制御が行われておら
ず、挙動制御を終了してもよいと考えられる状態である
かを判定する。YESであればステップS66に進む一
方、NOであればステップS69に進む。
【0111】上記ステップS66においては、スリップ
角βが小さいか否かを判定する。すなわち、横滑りが生
じていないか否かを判定する。YESであればステップ
S67に進む一方、NOであれば制御を終了することな
くリターンする。
【0112】上記ステップS67においては、第2目標
ヨーレートψ(G)の値、第1目標ヨーレートψ(θ)
の値、及び実ヨーレートψの値が全て所定値以下になっ
ているか否かを判定する。すなわち、3つの値が所定値
よりも小さくて近似している状態であるかを判定する。
この判定は、車両が略直進状態であって、しかも、ハン
ドル操作もされていない状態であり、挙動制御は必要の
ない状態であるか否かを判定しており、上記ステップS
63の条件が成立し難い場合もあることから、上記ステ
ップS63の条件よりも緩い条件であっても挙動制御を
終了させるようにする判定である。そして、YESであ
ればステップS68に進み、上記条件が成立した状態が
所定時間T1だけ経過したかを否かを判定する。すなわ
ち、偶然に上記の条件が成立する場合も考えられること
から、所定時間が経過するか否かを判定する。YESで
あればステップS612に進み、挙動制御を終了してリ
ターンする。NOであればリターンする。
【0113】そして、上記ステップS69においては、
スリップ角βが小さいか否かを判定する。YESであれ
ばステップS610に進む。
【0114】上記ステップS610においては、第2目
標ヨーレートψ(G)、第1目標ヨーレートψ(θ)、
及び実ヨーレートψのうちの2つが所定値以下で、残り
の1つも所定値よりも大きく離れた値ではないか否かを
判定する。これは、上記ステップS67での条件よりも
緩い条件となっている。そして、YESであればステッ
プS611に進み、上記ステップS610の条件が成立
した状態で所定時間T2だけ経過したか否かを判定す
る。ここで、所定時間T2は、上記ステップS67の条
件よりも緩い条件であるため、上記ステップS68にお
ける所定時間T1よりも大きい値とする。そして、YE
Sであれば制御を終了してリターンする。
【0115】一方、上記ステップS69、ステップS6
10、及びステップS611においてNOの場合は制御
を継続してリターンする。
【0116】このような、車両が安定した走行状態とな
るまで制御を継続させることによって、例えば制御目標
ヨーレートTrψと実ヨーレートψとの偏差にのみ基づ
いて制御の終了を判定している場合に起こりうる、挙動
制御が早期に終了してしまうことを防止することができ
るようになる。
【0117】また、このような挙動制御の終了判定を行
うことは、例えば障害物回避を行うような、一度挙動制
御が行われた後に、続けて挙動制御が必要となる場合等
に有効であり、制御の終了・開始が短時間に繰り返すこ
とで挙動制御の終了に伴う挙動変化を招く虞れや、運転
操作の安定性が不安定になってしまうこと等が防止され
る。
【0118】一方、運転者が制御を必要としない状況に
おいては、挙動制御を早期に終了させることによって、
挙動制御と運転者の操作とが互いに干渉することを回避
することができるようになる。
【0119】(ブレーキ液圧制御)次に、上記挙動制御
におけるブレーキ液圧(油圧)制御について、図15に
示すフローチャートに従って説明する。本実施形態にお
けるブレーキ液圧制御は、圧力のフィードバック制御を
行うのではなく、所定の加圧(昇圧)速度でもってブレ
ーキ液を加圧する第1フェーズを行い、このブレーキ液
の加圧によって制動力が付与されて車両の挙動に変化が
現れれば、ブレーキ液圧の調圧を行う第2フェーズ(調
圧ステート)に移行するようにしている。
【0120】まず、ステップS71において、挙動制御
が開始されたか否かを判定する。次いで、ステップS7
2においては、オーバーステア制御であるか否かを判定
する。YES(オーバーステア)であればステップS7
3に進み、NO(アンダーステア)であればステップS
74に進む。
【0121】ステップS73においては、ブレーキ液圧
を機械限度の加圧速度(油圧MAX)で加圧する。すな
わち、加圧ポンプ32を機械限度で作動させ、かつ、A
SWソレノイドバルブ36、及び制動力を付与する車輪
に対する供給経路に設けられたフロント又はリアソレノ
イドバルブ33,34を全開の状態にして加圧を行う。
【0122】そして、ステップS77においては、スリ
ップ率が所定値以上であるか否かを判定する。ここで、
スリップ率は、車輪速センサ11の検出信号から得られ
る推定車体速と車輪速度とに基づき算出すればよい。こ
の判定は、これ以上のブレーキ液の加圧が継続される
と、ブレーキ液圧が過大となってしまうことから、この
過大なブレーキ液圧を防止する目的で行われる。そし
て、NOであればステップS78に進む。
【0123】上記ステップS78においてはスリップ角
βの変化加速度のピークが通過したか否かを判定する。
YESであればステップS79に進み、NOであればス
テップS710に進む。
【0124】ステップS79においては、ヨーレート偏
差Δψ(θ,G)の変化率(変化速度)、或いはヨーレ
ート偏差Δψ(θ,G)の変化加速度のいずれかが減少
傾向、すなわち収束方向となっているか否かを判定す
る。
【0125】ステップS710においては、スリップ角
のピークが通過していなくても、スリップ角βの変化
率、或いはスリップ角βの変化加速度のいずれかが減少
傾向、すなわち収束方向となっているか否かを判定す
る。
【0126】上記ステップS78〜ステップS710
は、ブレーキ液圧を加圧することよる制動力の付与によ
って車両の挙動が変化したか否か、つまり、挙動制御の
効果が現れたか否かを判定している。
【0127】そして、上記ステップS77、ステップS
79又はステップS710においてYESであればステ
ップS711に進み、ブレーキ液圧の加圧時間が所定時
間T4経過したか否かを判定する。この所定時間T4
は、挙動制御の開始しきい値や加圧ポンプ32等のブレ
ーキ液圧制御系の特性等を考慮して設定すればよい。つ
まり、上記ブレーキ液圧系の特性等から、必要なブレー
キ液圧に昇圧するまでに最低限必要と考えられる時間と
して設定すればよい。そして、YESであればステップ
S712に進み、第2フェーズとしての調圧ステート、
すなわち、状態に応じてブレーキ液圧を保持或いは加減
圧させるステートに移行する。NOであればリターンし
て、加圧を継続する。
【0128】これに対し、アンダーステア制御であると
してステップS74に進んだ場合には、まず、このステ
ップS74において、機械限度の加圧速度でもってブレ
ーキ液圧の加圧をする。そして、ステップS75に進
み、この加圧時間が所定時間T3経過したか否かを判定
する。YESであれば、ステップS76に進み、NOで
あれば加圧時間が所定時間T3経過するまで、機械限度
の加圧速度での加圧を継続する。一方、ステップS76
においては、例えば上記機械限度の加圧速度×0.8の
速度でブレーキ液圧の加圧をする。
【0129】これは、アンダーステアのときはタイヤの
グリップ力がないため、車輪をロックさせることを回避
するためである。つまり、まず、ブレーキ液圧を機械限
度の加圧速度で加圧することにより、例えばディスクロ
ーターにブレーキパッドを密着させるような挙動制御に
対するブレーキ液圧の遅れを取り戻した後に、加圧速度
を少し低くして加圧を継続する。これにより、過大なブ
レーキ液圧が付与されて、車輪がロックすることが回避
される。
【0130】そして、ステップS713においては、ス
リップ率が所定値以上であるか否かを判定する。NOで
あればステップS714に進み、ハンドルの切り込み操
作に実ヨーレートψが追従して変化しているか否かを判
定する。NOであれば、挙動制御の効果が現れていない
ため、リターンして加圧を継続する。
【0131】一方、上記ステップS713又はステップ
S714において、YESの場合には、ステップS71
5に進み、加圧時間が所定時間T5経過したか否かを判
定する。YESであればステップS716に進み、調圧
ステートに移行する。NOであれば、加圧を継続すべく
リターンする。
【0132】このようにフィードバック制御を行わない
ブレーキ液圧の制御を行うことによって、ブレーキ液圧
の制御系システムを簡易に構成することができる。
【0133】しかも、まず、機械限度の加圧速度で、又
は機械限度よりも減速した加圧速度でブレーキ液の加圧
を行う(第1フェーズ)ことにより、制動力がより早期
に付与されて迅速な挙動制御を実現することができるよ
うになる。それと共に、車両の挙動が収束方向となれ
ば、ブレーキ液圧の調圧制御に移行する(第2フェー
ズ)ことによって、制御量が過大とならずに正確な挙動
制御を実現することができるようになる。
【0134】特に、本実施形態のように挙動制御の介入
をできるだけ遅らせるようにしている場合には、このよ
うなブレーキ液圧の制御をしても運転者等が違和感を感
じることは少なく、また、迅速な挙動制御が可能となる
点で極めて効果的なブレーキ液圧の制御となる。
【0135】(警報装置の制御)次に、警報装置38の
制御について、図16に示すフローチャートに従って説
明する。この警報装置38は、その作動開始を挙動制御
の開始よりも遅延させ、かつ、その作動終了を挙動制御
の終了よりも遅延させるようにしている。
【0136】まず、ステップS81において、フラグF
が1か否かを判定する。これは、このフラグFは後述す
るように、車両の安定制御が行われているときに1とす
るものである。そして、YESであればステップS87
に進む一方、NOの場合は、警報装置を作動開始の制御
を行うべくステップS82に進む。
【0137】上記ステップS82においては、挙動制御
中であるか否かを判定する。YESであればステップS
83に進み、NOであればリターンする。
【0138】上記ステップS83では、推定ブレーキ液
圧が所定値以上であるか否かを判定する。そして、YE
SであればステップS84に進む。一方、NOであれば
ステップS85に進む。
【0139】上記ステップS85においては、挙動制御
が開始されてから所定時間経過したか否かを判定する。
YESであればステップS84に進む一方、NOであれ
ばリターンする。
【0140】上記ステップS84においては、フラグF
を1としてステップS86に進み、警報装置を作動させ
て(警報ON)リターンする。
【0141】このように、例えば推定ブレーキ圧が所定
値以上となるまで、或いは挙動制御装置が所定時間以上
作動するまで、警報装置の作動開始を挙動制御の制御開
始よりも遅延させることによって、運転者が挙動制御に
気がつかないのに警報がされるといった運転者の違和
感、或いは、その違和感に起因する操作ミスを防止する
ことができるようになる。
【0142】そして、上記ステップS82〜ステップS
86は、警報装置38の作動開始に関する制御である
が、ステップS81においてYESの場合に行われる制
御は、警報装置38の作動終了に関する制御である。
【0143】すなわち、まず上記ステップS87におい
て、車両が直進で安定した状態であるか否かを判定す
る。NOの場合はステップS88に進む。
【0144】上記ステップS88においては、挙動制御
が終了してから所定時間が経過したか否かを判定する。
NOの場合はステップS89に進む。
【0145】上記ステップS89においては、ブレーキ
液圧(制動圧)がマスターシリンダ圧力に略等しいか否
か、すなわち、例えば運転者がブレーキペダルを踏んで
いないときはブレーキ液圧が大気圧であるか否か、一
方、運転者がブレーキペダルを踏んでいるときはブレー
キ液圧がそのブレーキペダルの踏み量に対応するマスタ
ーシリンダの圧力であるか否かを判定する。NOの場合
はリターンする。
【0146】そして、上記ステップS83、ステップS
88、及びステップS89においてYESの場合はステ
ップS810に進み、フラグFを0とし、ステップS8
11において警報装置38の作動を終了させてリターン
する。
【0147】このように、警報装置38の作動を挙動制
御の終了から所定時間経過後に終了することによって、
例えば障害物回避のような挙動制御が断続的に行われる
場合には、警報の終了・開始が繰り返することなく、連
続して行われるようになる。このため、運転者の違和感
を防止することができるようになる。
【0148】また、車両が直進状態で安定する、或いは
ブレーキ液圧がマスターシリンダ圧力に略一致するよう
な、挙動制御が終了してから車両の走行環境が変化する
まで警報装置38の作動を継続させることにより、上述
警報の終了・開始が繰り返されることを防止することが
できるようになる。その結果、運転者が違和感を感じな
いような適正な警報が実現する。
【0149】(他の実施形態)尚、本発明は上記実施形
態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を
包含するものである。すなわち、上記実施形態では、ア
ンダーステア制御のしきい値THUSの設定において
(図9参照)、旋回中に第2目標ヨーレートψ(G)が
所定値よりも低下すれば、しきい値を低下させるように
しているが(同図のステップS46参照)、しきい値T
HUSを補正するのではなく、上記条件に該当する場合
はアンダーステア制御のブレーキ制御自体を強制的に介
入させて、その制御を開始するようにしてもよい。
【0150】また、上記実施形態では、オーバーステア
制御しきい値THOSの設定において(図10参照)、
タックインの場合にはしきい値を低くしているが(同図
のステップS57参照)、タックインの場合には、オー
バーステア制御自体を強制的に介入させて、その制御を
開始するようにしてもよい。すなわち、図2に示すステ
ップS19において、ヨーレート偏差Δψ(θ,G)が
しきい値を越えたか又はタックインかを判定するように
してもよい。
【0151】さらに、上記実施形態においては、カウン
ターステアの場合には、しきい値THOSを低くしてい
るが(同図のステップS57参照)、上記タックインの
場合と同様に、カウンターステアの場合には、オーバー
ステア制御自体を強制的に介入させて、その制御を開始
するようにしてもよい。
【0152】加えて、オーバーステアのときに運転者が
カウンターステアを行った場合のように(図7参照)、
第1目標ヨーレートψ(θ)が第2目標ヨーレートψ
(G)よりも小さくなった場合に、上記実施形態では、
第1目標ヨーレートψ(θ)が第2目標ヨーレートψ
(G)よりも小さくなった時点で、制御目標ヨーレート
Trψを第2から第1目標ヨーレートに変更するように
しているが、これに限らず、例えば次のような制御を行
ってもよい。
【0153】すなわち、第2目標ヨーレートψ(G)か
ら第1目標ヨーレートψ(θ)に制御目標ヨーレーTr
ψトが変更された場合には、ブレーキ圧等が急激に変化
する虞れもある。このため、舵角が反転したこと等に基
づき第1目標ヨーレートψ(θ)が第2目標ヨーレート
ψ(G)よりもその絶対値が小さくなると予測した場合
には、制御目標ヨーレートTrψが急激に変化しないよ
うに、制御量を緩和するようにしてもよい。つまり、制
御目標ヨーレートTrψを第2目標ヨーレートψ(G)
から第1目標ヨーレートψ(θ)に切り換えたときの制
御動作を緩和する緩和手段を設けるのである。
【0154】この緩和手段としては、例えば、あらかじ
めブレーキ液圧の上限値を設定しておき、制御目標ヨー
レートTrψが第2目標ヨーレートψ(G)から第1目
標ヨーレートψ(θ)に変更された場合でも、その上限
値以上のブレーキ液圧が生じないようにすることや、或
いは、第1目標ヨーレートψ(θ)が第2目標ヨーレー
トψ(G)よりも小さくなると予測した場合には、制御
目標ヨーレートTrψの補正式として、第1目標ヨーレ
ートψ(θ)の一階微分の値を第2目標ヨーレートψ
(G)の値に加算して、制御目標ヨーレートTrψを設
定することが挙げられる。こうすると、制御目標ヨーレ
ートTrψの切換時の制御動作が緩和されて、その切換
えに伴うショックを低減することができる。
【0155】また、上記実施形態においては、第1及び
第2目標ヨーレートψ(θ,G)の値のうち、その絶対
値が小さい方を制御目標ヨーレートTrψとして設定し
ているが、例えば悪路走行中等のようなヨーレート変動
が極めて大きい場合には、第2目標ヨーレートψ(G)
の絶対値の方が第1目標ヨーレートψ(θ)の絶対値よ
りも小さい場合でも、上記第1目標ヨーレートψ(θ)
を制御目標ヨーレートTrψとして設定するようにして
もよい。すなわち、ヨーレート変動が極めて大きい場合
は、横加速度の変動が大きくなってしまい、第2目標ヨ
ーレートψ(G)の値が制御目標ヨーレートTrψの値
として適さない虞れがある。このため、安定した値とな
る舵角に基づく第1目標ヨーレートψ(θ)を制御目標
ヨーレートTrψとしてもよい。
【0156】また、ヨーレート変動が極めて大きい場合
は、制御目標ヨーレートTrψの補正式として上記式
(3)に代えて以下の式を用いるようにしてもよい。
【0157】 Trψ=(1−k2)×ψ(G)+k2×ψ(θ)……(4) つまり、第2目標ヨーレートψ(G)に対し第1及び第
2目標ヨーレートψ(θ),ψ(G)間の差に応じた補
正値を加えた目標ヨーレートを制御目標ヨーレートTr
ψにする。ここで、k2の値を大きくすれば、第1目標
ヨーレートψ(θ)の補正割合が大きくなり、ヨーレー
ト変動が極めて大きい場合であっても、適切な挙動制御
を行うことができるようになる。
【0158】加えて、上記実施形態では、警報装置38
の作動開始条件として、推定ブレーキ液圧が所定値以上
としているが(図16のステップS83)、この条件に
加えて、例えばエンジン出力の低減量が所定値以上とな
れば、警報装置38を作動させるようにしてもよい。
【0159】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よると、車両の走行状態を推定してその推定結果に基づ
いてブレーキを制御することで、車両のヨーレート挙動
を制御する場合に、車両のカウンターステア状態でハン
ドルが戻し操作されると、車両の旋回内側前輪にブレー
キをかけるようにしたことにより、車両のカウンタース
テア後のハンドル戻し操作の遅れにより生じる逆方向の
オーバーステア状態を抑制して、カウンターステア後の
車両の挙動を好適なものとでき、延いては車両の次のコ
ーナへの進入をスムーズに行わせることができる。
【0160】請求項2の発明によると、上記ハンドルの
戻し操作に追従して実際のヨーレートが変化しないとき
に車両の旋回内側前輪にブレーキをかけるようにしたこ
とにより、カウンターステア後のハンドル戻し操作時に
おける旋回内側前輪の制動タイミングを適切にして、カ
ウンターステア後の車両の挙動をより正確に収束させる
ことができる。
【0161】請求項3の発明によると、ハンドルの戻し
操作に追従して実際のヨーレートが変化したときに、車
両の旋回内側前輪へのブレーキの作用を停止するように
したことにより、旋回内側前輪に対する制動停止タイミ
ングを適切にして、カウンターステア後の車両挙動の収
束制御を適正に終了させることができる。
【0162】請求項4の発明によると、ハンドルの舵角
速度が反転したときに、車両の旋回内側前輪にブレーキ
をかけるようにしたことにより、車両の旋回内側前輪の
制動を適切なタイミングで行って、カウンターステア後
の車両の挙動をより正確に収束させることができる。
【0163】請求項5の発明では、カウンターステア量
が所定値よりも大きいとき、また請求項6の発明では、
カウンターステア前のオーバーステア量が所定値よりも
大きいとき、それぞれ車両の旋回内側前輪にブレーキを
かけるようにした。従って、これらの発明によると、カ
ウンターステア後のハンドルの戻し遅れが生じ易い状況
下で旋回内側前輪を制動でき、カウンターステア後の車
両の挙動をより確実に収束させることができる。
【0164】請求項7の発明によると、車両のハンドル
舵角と車速とに基づいて第1目標ヨーレートを、また車
両の横加速度と車速とに基づいて第2目標ヨーレートを
それぞれ設定して、それらの小さい方を制御目標ヨーレ
ートとして選択し、この制御目標ヨーレートと実際のヨ
ーレートとの偏差に応じて車両のヨーレート挙動を制御
する場合に、車両のカウンターステア状態では、第1目
標ヨーレートが0を越えて切り換わったときに制御目標
ヨーレートを第1目標ヨーレートから所定値に変更して
保持し、その後、第2目標ヨーレートが0を越えて切り
換わったときに制御目標ヨーレートを所定値から第2目
標ヨーレートに変更するようにしたことにより、ハンド
ル舵角が中立点を越えるような状態での制御量の増大を
避けることができ、車両が逆方向のオーバーステア状態
に移行するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両の挙動制御装置を示すブロック図である。
【図2】挙動制御のフローチャート図である。
【図3】横加速度に対する補正係数kの特性を表す図で
ある。
【図4】アンダーステア制御におけるブレーキ制御の開
始判定を示すフローチャート図である。
【図5】アンダーステア制御開始条件を示す実ヨーレー
トと第1目標ヨーレートとの関係を示す説明図である。
【図6】図5とは異なるアンダーステア制御開始条件を
示す実ヨーレートと第1目標ヨーレートとの関係を示す
説明図である。
【図7】第1目標ヨーレート、第2目標ヨーレート、制
御目標ヨーレート及び実ヨーレートの変動の一例を示す
説明図である。
【図8】カウンターステア後の収束制御を示すフローチ
ャート図である。
【図9】アンダーステア制御におけるブレーキ制御のし
きい値を設定するフローチャート図である。
【図10】オーバーステア制御のしきい値を設定するフ
ローチャート図である。
【図11】オーバーステア制御の基本しきい値と車速と
の関係を示す図である。
【図12】オーバーステア制御のしきい値に対する横加
速度及び車速に応じた補正量を示す図である。
【図13】実ヨーレートのオーバーシュート状態を示す
図である。
【図14】オーバーステア制御の終了判定を示すフロー
チャート図である。
【図15】安定性制御における油圧制御を示すフローチ
ャート図である。
【図16】警報装置の制御を示すフローチャート図であ
る。
【符号の説明】
2 ECU(制御手段) 11 車輪速センサ 12 舵角センサ 13 ヨーレートセンサ 14 横Gセンサ 32 加圧モータ 33 フロントソレノイドバルブ 34 リアソレノイドバルブ 35 TSWソレノイドバルブ 36 ASWソレノイドバルブ 38 警報装置
フロントページの続き (72)発明者 片山 欣生 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 加藤 和広 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 渡辺 嘉寛 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3D045 BB40 EE21 FF42 GG00 GG01 GG25 GG26 GG28 3D046 BB21 BB28 BB29 BB31 HH02 HH05 HH07 HH08 HH16 HH17 HH21 HH25 HH36

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の走行状態を推定して該推定結果に
    基づいてブレーキを制御することで、車両のヨーレート
    挙動を制御するようにした車両の挙動制御装置であっ
    て、 車両のカウンターステア状態でハンドルが戻し操作され
    たときに、車両の旋回内側前輪にブレーキを作用させる
    制御手段を備えたことを特徴とする車両の挙動制御装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1の車両の挙動制御装置におい
    て、 制御手段は、ハンドルの戻し操作に追従して実際のヨー
    レートが変化しないときに、車両の旋回内側前輪にブレ
    ーキを作用させるように構成されていることを特徴とす
    る車両の挙動制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の車両の挙動制御装置に
    おいて、 制御手段は、ハンドルの戻し操作に追従して実際のヨー
    レートが変化したときに、車両の旋回内側前輪へのブレ
    ーキの作用を停止するように構成されていることを特徴
    とする車両の挙動制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2の車両の挙動制御装置に
    おいて、 制御手段は、ハンドルの舵角速度が反転したときに、車
    両の旋回内側前輪にブレーキを作用させるように構成さ
    れていることを特徴とする車両の挙動制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2の車両の挙動制御装置に
    おいて、 制御手段は、カウンターステア量が所定値よりも大きい
    とき、車両の旋回内側前輪にブレーキを作用させるよう
    に構成されていることを特徴とする車両の挙動制御装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2の車両の挙動制御装置に
    おいて、 制御手段は、カウンターステア前のオーバーステア量が
    所定値よりも大きいとき、車両の旋回内側前輪にブレー
    キを作用させるように構成されていることを特徴とする
    車両の挙動制御装置。
  7. 【請求項7】 車両の走行状態を推定して該推定結果に
    基づいて車両のヨーレート挙動を制御するようにした車
    両の挙動制御装置であって、 車両のハンドル舵角と車速とに基づいて第1目標ヨーレ
    ートを、また車両の横加速度と車速とに基づいて第2目
    標ヨーレートをそれぞれ設定するとともに、上記第1及
    び第2目標ヨーレートのうちの小さい方を制御目標ヨー
    レートとして選択し、該制御目標ヨーレートと実際のヨ
    ーレートとの偏差に応じてヨーレート挙動を制御する制
    御手段を備え、 上記制御手段は、車両のカウンターステア状態で上記第
    1目標ヨーレートが0を越えて切り換わったときに制御
    目標ヨーレートを第1目標ヨーレートから所定値に変更
    して保持し、第2目標ヨーレートが0を越えて切り換わ
    ったときに制御目標ヨーレートを上記所定値から第2目
    標ヨーレートに変更するように構成されていることを特
    徴とする車両の挙動制御装置。
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