JP2001088357A - カラー画像記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 濃度ムラによる誤差を低減でき、高精度のキ
ャリブレーションを行なうことができるカラー画像記録
装置を提供することである。 【解決手段】 スキャナ部１０１は、載置されたカラー
パターンの画像データを読み取り、画像処理部１０２の
データ演算部に出力する（ステップ２０３）。画像処理
部１０２のデータ演算部は、読み取ったカラーパターン
画像データの同一データパターンである均一パターンそ
れぞれ１６個の平均値を求め、その平均値とそれぞれ１
６個との差を求める（ステップ２０４）。そして、求め
た差の最大値と所定値を比較し、所定値よりも大きいか
否かを判定する（ステップ２０５）。判定の結果、求め
た差の最大値が所定値よりも大きい場合、異常であるこ
とを制御部１０４に通知する。制御部１０４は、キャリ
ブレーション処理を中止するよう画像処理部１０２のデ
ータ演算部に指示する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、画像記録装置に係
り、特にディジタルカラー複写機またはカラープリンタ
等のキャリブレーション方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、ディジタルカラー複写機、カラー
プリンタ、カラーファクシミリなどに用いられる電子写
真方式の画像記録装置が広く普及している。これらディ
ジタルカラー複写機やカラープリンタなどの画像記録装
置では、経時変化、環境変化等によって濃度変動が発生
する。そこで、この濃度変動を補正するキャリブレーシ
ョンが必要になる。従来のキャリブレーション方法は、
書き込み値が所定量ずつ増加または減少するカラーパッ
チ群を出力し、その出力結果のカラーパッチ群を読取手
段によって読み取り、その読み取り信号からキャリブレ
ーションを行なうというものであった。ところで、特開
平８−９１７８号公報では、キャリブレーションに用い
るカラーパッチを出力するときの書き込み値が増加する
カラーパッチ群と、書き込み値が減少するカラーパッチ
群を画像記録装置に出力させたり、あるいは画像記録装
置の主走査方向、副走査方向に交互に増減するカラーパ
ッチ群を出力させ、その出力したカラーパッチ群を読み
取り、キャリブレーションを行なう方式が記載されてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来のカラーパッチを出力するときの書き込み値が増加す
るカラーパッチ群と、書き込み値が減少するカラーパッ
チ群を用いたり、あるいは画像記録装置の主走査方向、
副走査方向に交互に増減するカラーパッチ群を用いてキ
ャリブレーションする方式では、濃度ムラが平均化され
ある程度の濃度ムラの影響を低減することはできるが、
あまり高精度のキャリブレーションを得ることが難しか
った。また、画像記録装置では、出力画像上に濃度ムラ
が発生し易く、例えば、電子写真方式の画像記録装置で
の濃度ムラの主要因として、感光体の感度ムラ、帯電ム
ラ、感光体等の速度変動による回転ムラなどがある。こ
れらの要因によって濃度ムラが発生した場合、この濃度
ムラの影響を受けキャリブレーション精度が悪くなって
しまうという問題があった。

【０００４】そこで、本発明の第１の目的は、濃度ムラ
による誤差を低減でき、高精度のキャリブレーションを
行なうことができるカラー画像記録装置を提供すること
である。本発明の第２の目的は、カラーパッチ群の読取
り手段の出力信号が所定値を越えた場合にキャリブレー
ションを中止することができ、誤った制御を防止するこ
とができるカラー画像記録装置を提供することである。
本発明の第３の目的は、キャリブレーション異常の表示
をすることで、操作者が異常に気づく事ができ、カラー
画像記録装置の正常復帰を迅速に行なうことができるカ
ラー画像記録装置を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明で
は、カラー画像を出力するカラー画像記録装置におい
て、書き込み値が所定量ずつ増加または減少するキャリ
ブレーションに用いるカラーパッチ群１と、このカラー
パッチ群１に平行に隣接している書き込み値が所定量で
あるカラーパッチ群２と、前記カラーパッチ群１および
２を出力する出力手段と、この出力手段から出力された
画像データを読み取る読取手段と、この読取手段で得ら
れた前記カラーパッチ群２の信号から前記カラーパッチ
群１の信号を補正する補正手段と、この補正手段からの
出力信号を用いてキャリブレーションを行うことによ
り、前記第１の目的を達成する。

【０００６】請求項２記載の発明では、カラー画像を出
力するカラー画像記録装置において、書き込み値が所定
量ずつ増加または減少するキャリブレーションに用いる
カラーパッチ群１と、このカラーパッチ群１の両端およ
び間にある書き込み値が所定量であるキャリブレーショ
ンに用いるカラーパッチ群３と、このカラーパッチ群１
および３に平行に隣接して書き込み値がカラーパッチ群
３と同じ所定量であるカラーパッチ群２と、前記カラー
パッチ群１、２および３を出力する出力手段と、この出
力手段から出力された画像データを読み取る読取手段
と、この読取手段で得られた前記カラーパッチ群２およ
び３の信号から前記カラーパッチ群１の信号を補正する
補正手段と、この補正手段からの出力信号を用いてキャ
リブレーションを行うことにより、前記第１の目的を達
成する。

【０００７】請求項３記載の発明では、請求項１または
請求項２記載の発明において、前記カラーパッチ群２ま
たはカラーパッチ群３を出力する出力手段から出力され
た画像データを前記読取手段が読み取る際、当該出力信
号が所定の値を越えていた場合、キャリブレーションを
行うことを中止する中止手段を備えたことにより、前記
第２の目的を達成する。

【０００８】請求項４記載の発明では、前記中止手段が
キャリブレーションを行うことを中止するとき、その旨
を通知する通知手段をさらに備えたことにより、前記第
３の目的を達成する。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図１ないし図４を参照して詳細に説明する。図１は、
本発明の実施の形態に係るカラー画像記録装置の構成を
示したブロック図である。ここでは、一例としてディジ
タルカラー複写機を示している。このディジタルカラー
複写機は、スキャナ部１０１、画像処理部１０２、プリ
ンタ部１０３、制御部１０４、操作部１０５を備えてい
る。スキャナ部１０１は、原稿画像を光学的に走査する
ことにより読み取り、読み取った画像データを画像処理
部１０２に出力する。スキャナ部１０１から送られた画
像データは、画像処理部１０２の色処理部において各種
色処理が施された後、プリンタ部１０３に送られる。プ
リンタ部１０３は、画像処理部１０２から送られてくる
画像データに基づいて画像を形成して出力する。制御部
１０４は、画像処理部１０２および操作部１０５に対し
て、キャリブレーション処理や表示等の各処理を指示す
る。操作部１０５は、操作者が各種動作の指示をディジ
タルカラー複写機に入力する入力部と、操作者に対して
各種表示を行う表示部で構成されている。

【００１０】次に、本実施の形態に係るキャリブレーシ
ョン動作について説明する。図２は、第１の実施の形態
に係るカラーパターンを示した図である。このカラーパ
ターンは、キャリブレーション用の階調パターンとして
イエロー（Ｙ）、マゼンタ（Ｍ）、シアン（Ｃ）、ブラ
ック（Ｋ）の各カラーそれぞれ１６階調のパターンと、
この１６階調のパターンの列に平行して１６個の均一パ
ターンを作っている。図２内の各数字は書き込みデータ
であり、１６から２５５まで１６ステップ毎に増加して
いる。また、キャリブレーション用の１６階調のパター
ン３０２、３０４、３０６、３０８各々の左隣接部に同
じ値（この場合３２）のパターンが作成される。従っ
て、Ｙパターン３０２は、１６、３２、・・・、２５５
と増加し、その左隣接部に３２、３２、・・・、３２と
同じデータが１６個の均一パターン３０１が作られる。
同様に、Ｍパターン３０４は均一パターン３０３、Ｃパ
ターン３０６は均一パターン３０５、Ｋパターン３０８
は均一パターン３０７というように、各カラーそれぞれ
の均一パターンが作成される。

【００１１】図３は、キャリブレーション動作の手順を
示したフローチャートである。操作部１０５により、操
作者がキャリブレーション動作の指示を入力すると、画
像処理部１０２のパターン発生部において、図２に示す
カラーパターンを表す画像データを発生し（ステップ２
０１）、プリンタ部１０３へ出力する。プリンタ部１０
３は、画像処理部１０２から送られてきたカラーパター
ン画像データに基づいて、画像形成を行い出力する（ス
テップ２０２）。操作者は、操作部１０５に表示される
指示に従って、出力されたカラーパターンが記録された
用紙をスキャナ部１０１に載置する。スキャナ部１０１
は、載置されたカラーパターンの画像データを読み取
り、画像処理部１０２のデータ演算部に出力する（ステ
ップ２０３）。

【００１２】画像処理部１０２のデータ演算部は、読み
取ったカラーパターン画像データの同一データパターン
である均一パターン３０１、３０３、３０５、３０７そ
れぞれ１６個の平均値Ｙｅ、Ｍｅ、Ｃｅ、Ｋｅを求め、
その平均値とそれぞれ１６個との差ΔＹ１、ΔＹ２、・
・・、ΔＹ１６、ΔＭ１、ΔＭ２、・・・、ΔＭ１６、
ΔＣ１、ΔＣ２、・・・、ΔＣ１６、ΔＫ１、ΔＫ２、
・・・、ΔＫ１６を求める（ステップ２０４）。そし
て、求めた差の最大値と所定値を比較し、所定値よりも
大きいか否かを判定する（ステップ２０５）。

【００１３】この判定の結果、求めた差の最大値が所定
値よりも大きい場合（ステップ２０５；Ｙ）、異常であ
ることを制御部１０４に通知する。制御部１０４は、キ
ャリブレーション処理を中止するよう画像処理部１０２
のデータ演算部に指示するとともに、操作部１０５の表
示部に「プリンタ異常です。サービスマンを呼んでくだ
さい。」等の整備要求表示を行う（ステップ２０６）。
一方、ステップ２０５で判定の結果、求めた差の最大値
が所定値よりも小さい場合（ステップ２０５；Ｎ）、１
６階調のパターン３０２、３０４、３０６、３０８を補
正する（ステップ２０７）。すなわち、ステップ２０７
では、ステップ２０４で求めた差に所定係数を掛けて、
加算した結果の値を１６階調のパターン３０２の各パタ
ーンとし、新たな階調パターンデータとする。他の１６
階調のパターン３０４、３０６、３０８も同様に補正す
る。

【００１４】次に、ステップ２０７で補正された階調パ
ターンデータと画像処理部１０２のパターン発生部が発
生するデータ、すなわち元のデータを比較し、その差を
計算する。そして、画像処理部１０２の色処理部は、計
算した差を無くすような色処理パラメータを算出し、設
定する（ステップ２０８）。

【００１５】続いて、第２の実施の形態を説明する。図
４は、第２の実施の形態に係るカラーパターンを示した
図である。このカラーパターンは、Ｙ、Ｍ、Ｃ、Ｋそれ
ぞれのキャリブレーション用の１６階調のパターンと、
この１６階調のパターンを補正するための均一パターン
１７個と、この１６階調のパターンと均一パターンの列
に平行してある均一パターン３３個を作っている。この
図４内の数字は書き込みデータであり、１６から２５５
まで１６ステップ毎に増加している。Ｙ、Ｍ、Ｃ、Ｋそ
れぞれのキャリブレーション用のパターン４０２、４０
４、４０６、４０８には、１６個の階調パターンと、各
々１６個の階調パターンを交互に挟んでいる同じ値（こ
の場合３２）の均一パターンが作成されている。また、
この階調パターンと均一パターンの列の左隣接部に同じ
値（この場合３２）の均一パターンが作成される。従っ
て、Ｙパターン４０２の階調パターンは１６、３２、・
・・、２５５と増加し、その間に同じ３２の値の均一パ
ターンが１７個作られ、その左隣接部に３２、３２、・
・・、３２と同じデータが３３個作られている。同様
に、Ｍ、Ｃ、Ｋの各カラーの均一パターンも作られる。

【００１６】次に、第２の実施の形態におけるキャリブ
レーション動作の手順を図３のフローチャートを使用し
て説明する。以下に、第１の実施の形態と異なる点につ
いて説明をする。画像処理部１０２のデータ演算部は、
カラーパターン画像データの均一パターン４０１、４０
３、４０５、４０７のそれぞれ１６個と、Ｙパターン４
０２、Ｍパターン４０４、Ｃパターン４０６、Ｋパター
ン４０８中の均一パターンそれぞれ１７個の合計３３個
の平均値Ｙｅ、Ｍｅ、Ｃｅ、Ｋｅを求め、その平均値と
それぞれ３３個の差ΔＹ１、ΔＹ２、・・・、ΔＹ３
３、ΔＭ１、ΔＭ２、・・・、ΔＭ３３、ΔＣ１、ΔＣ
２、・・・、ΔＣ３３、ΔＫ１、ΔＫ２、・・・、ΔＫ
３３を求める（ステップ２０４）。そして、求めた差の
最大値と所定値を比較し、所定値よりも大きいか否かを
判定する（ステップ２０５）。判定の結果、求めた差の
最大値が所定値よりも大きい場合（ステップ２０５；
Ｙ）、異常であることを制御部１０４に通知し、第１の
実施の形態と同様の処理を行う。

【００１７】一方、ステップ２０５で判定の結果、求め
た差の最大値が所定値よりも小さい場合（ステップ２０
５；Ｎ）、Ｙ、Ｍ、Ｃ、Ｋの各パターン４０２、４０
４、４０６、４０８を補正する（ステップ２０７）。ス
テップ２０７では、まず、均一パターン４０１の１６個
の平均値を求め、この平均値からＹパターン４０２内の
補正する階調パターンに左隣接した均一パターンを引
き、その結果をΔＹ１とする。そして、補正する階調パ
ターンの上にある均一パターンとそれに左隣接した均一
パターンの差と、補正する階調パターンの下にある均一
パターンとそれに左隣接した均一パターンの差の平均値
を求め、その結果をΔＹ２とする。そして、求めたΔＹ
１とΔＹ２を加算し、その値に所定係数を掛け、さらに
加算した結果の値を新たな階調パターンデータとする。
他の階調パターンも同様に補正する。次に、ステップ２
０７で補正された階調パターンデータと画像処理部１０
２のパターン発生部が発生するデータ、すなわち元のデ
ータを比較し、その差を計算し、第１の実施の形態と同
様の処理をする。

【００１８】

【発明の効果】請求項１記載の発明では、カラーパッチ
群２の信号からカラーパッチ群１の信号を補正して出力
し、この出力信号を用いてキャリブレーションを行なう
ので、濃度ムラによる誤差を低減でき、高精度のキャリ
ブレーションを行うことができる。請求項２記載の発明
では、カラーパッチ群２、３の信号からカラーパッチ群
１の信号を補正して出力し、この出力信号を用いてキャ
リブレーションを行なうので、濃度ムラによる誤差を低
減でき、より高精度のキャリブレーションを行うことが
できる。

【００１９】請求項３記載の発明では、カラーパッチ群
２または３の読取手段の出力信号が所定値を越えた場
合、キャリブレーションを中止するので、誤った制御を
防止することができる。請求項４記載の発明では、キャ
リブレーションを中止する場合、その中止を通知し、キ
ャリブレーション異常の表示をするので、操作者が異常
に気づくことができ、カラー画像記録装置の正常復帰を
迅速に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態に係るカラー画像記録装置
の構成を示したブロック図である。

【図２】第１の実施の形態に係るカラーパターンを示し
た図である。

【図３】キャリブレーション動作の流れを示すフローチ
ャートである。

【図４】第２の実施の形態に係るカラーパターンを示し
た図である。

【符号の説明】 １０１ スキャナ部 １０２ 画像処理部 １０３ プリンタ部 １０４ 制御部 １０５ 操作部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カラー画像を出力するカラー画像記録装
   置において、 書き込み値が所定量ずつ増加または減少するキャリブレ
   ーションに用いるカラーパッチ群１と、 このカラーパッチ群１に平行に隣接している書き込み値
   が所定量であるカラーパッチ群２と、 前記カラーパッチ群１および２を出力する出力手段と、 この出力手段から出力された画像データを読み取る読取
   手段と、 この読取手段で得られた前記カラーパッチ群２の信号か
   ら前記カラーパッチ群１の信号を補正する補正手段と、 この補正手段からの出力信号を用いてキャリブレーショ
   ンを行うことを特徴とするカラー画像記録装置。
2. 【請求項２】 カラー画像を出力するカラー画像記録装
   置において、 書き込み値が所定量ずつ増加または減少するキャリブレ
   ーションに用いるカラーパッチ群１と、 このカラーパッチ群１の両端および間にある書き込み値
   が所定量であるキャリブレーションに用いるカラーパッ
   チ群３と、 このカラーパッチ群１および３に平行に隣接して書き込
   み値がカラーパッチ群３と同じ所定量であるカラーパッ
   チ群２と、 前記カラーパッチ群１、２および３を出力する出力手段
   と、 この出力手段から出力された画像データを読み取る読取
   手段と、 この読取手段で得られた前記カラーパッチ群２および３
   の信号から前記カラーパッチ群１の信号を補正する補正
   手段と、 この補正手段からの出力信号を用いてキャリブレーショ
   ンを行うことを特徴とするカラー画像記録装置。
3. 【請求項３】 前記カラーパッチ群２またはカラーパッ
   チ群３を出力する出力手段から出力された画像データを
   前記読取手段が読み取る際、当該出力信号が所定の値を
   越えていた場合、キャリブレーションを行うことを中止
   する中止手段を備えたことを特徴とする請求項１または
   請求項２記載のカラー画像記録装置。
4. 【請求項４】 前記中止手段がキャリブレーションを行
   うことを中止するとき、その旨を通知する通知手段をさ
   らに備えたことを特徴とする請求項３記載のカラー画像
   記録装置。