JP2001088233A

JP2001088233A - 包装用化粧板

Info

Publication number: JP2001088233A
Application number: JP27162899A
Authority: JP
Inventors: Shinichi Goto; 新一後藤; Masaki Oda; 正樹尾田; Teruyoshi Fujisada; 輝好藤定
Original assignee: OMIKENSHI KK; Omikenshi Co Ltd; Mori Shigyo Co Ltd
Current assignee: OMIKENSHI KK; Omikenshi Co Ltd; Mori Shigyo Co Ltd
Priority date: 1999-09-27
Filing date: 1999-09-27
Publication date: 2001-04-03

Abstract

(57)【要約】【課題】再生紙としてリサイクルに適し、廃棄するに
しても地球に優しく、また、コルゲートマシンを改造す
ることなくそのまま利用して量産でき、さらに、風合い
が高級イメージとなる包装用化粧板を提供する。【解決手段】紙の段ボールまたは板紙を板素材とし
て、その一面または両面に、微生物により生分解され且
つ耐熱性を有する天然素材からなる不織布を化粧として
貼り合わせ、その貼り合わせに、天然系の接着剤または
フタル酸系可塑剤を含まない酢酸ビニール系の接着剤を
使用した。【効果】再生紙としてそのままリサイクルに適し、焼
却や埋立て処分をするにしても、ダイオキシンの発生や
残留というような公害問題が発生しないため、地球に優
しい包装素材として提供でき、また、コルゲートマシン
の利用に適しその未改造により有利な量産が可能であ
り、さらに、天然素材の持つ独特の風合いの化粧により
高級イメージとなるので、殊にブランド商品や贈答商品
の包装資材として適する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、紙の段ボールま
たは板紙を板素材とする包装用化粧板に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の包装用化粧板としては、
板素材に不織布を貼り合わせたものを挙げることができ
る。しかし、不織布には熱可融性の合成樹脂の繊維を使
用しており、また、その不織布が板素材からは容易に剥
離しないため、商品としての使用後における紙としての
リサイクルが困難であり、また、焼却処分するにして
も、ダイオキシンの発生原因となる等、公害を招くとい
う問題もあった。

【０００３】不織布を貼り合わせる製造方法について
は、手貼りする方法や、コルゲートマシンを利用する方
法等が用いられていた。そのうち、コルゲートマシンを
利用して段ボール構造の包装用化粧板を作る場合には、
予め不織布が貼り合わせてあるライナー原紙を、ダブル
フェーサー部に片面段ボールと共に繰り込み、熱盤上を
通過させる間に加熱接着する。しかし、この場合に不織
布が加熱により熱盤に溶融接着する不都合を回避するた
めに、熱盤の上を自由に循回する加熱ベルトを特別に装
着する改造が必要であり、コルゲートマシンをそのまま
利用できないという不都合があった。

【０００４】また、包装箱に組み立てた商品として見た
場合、表面が合成樹脂の人工の風合いであるため、自然
の温もりが感じられなく、色彩が付されていると却って
嫌味が感じられることから、高級なブランド商品の包装
には不向きであった。そのため、例えば、高級贈答品の
包装に用いられることはなかった。ちなみに、この場合
であると、外側が印刷された箱が用いられ、高級イメー
ジを表出するために、板紙で枠取った織物を内装し、そ
れに贈答品を包むように箱詰めしていたので、包装がコ
スト高になるという問題があった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記のよ
うな実情に鑑みて、再生紙としてリサイクルに適し、廃
棄するにしても地球に優しく、また、コルゲートマシン
を改造することなくそのまま利用して量産でき、さら
に、風合いが高級イメージとなる包装用化粧板を提供す
ることを目的とした。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第１発明は、紙の段ボールを板素材として、その
一面または両面に、微生物により生分解され且つ耐熱性
を有する天然素材からなる不織布を化粧として貼り合わ
せ、その貼り合わせに、天然系の接着剤またはフタル酸
系可塑剤を含まない酢酸ビニール系の接着剤を使用して
包装用化粧板を構成した。

【０００７】また、第２発明は、板紙を板素材として、
その一面または両面に、微生物により生分解され且つ耐
熱性を有する素材からなる不織布を化粧として貼り合わ
せ、その貼り合わせに、天然系の接着剤またはフタル酸
系可塑剤を含まない酢酸ビニール系の接着剤を使用して
包装用化粧板を構成した。

【０００８】いずれの構成においても、その包装用化粧
板により、贈答用箱等を組み立てた場合、自然の素材の
持つ風合いから、不織布による化粧面で高級イメージと
して消費者に訴えることができる。また、使用後におけ
る焼却においては、有害ガスの発生がなく、廃棄するに
してもいずれは微生物により分解されて土に戻される。

【０００９】製造においてコルゲートマシンを使用する
にしても、不織布が前記したように熱可融性である場合
とは違って、ダブルフェーサー部において熱盤上を滑走
する間に、それに付着して停止するようなトラブルが発
生しない。このため、コルゲートマシンを改造すること
なく、有利に量産できる。

【００１０】なお、従来から、普通の段ボールを製造す
る場合には、シングルフェーサー部から供給される片面
段ボールの中芯の段頂に、ダブルフェーサー部の手前に
おいて、澱粉糊（生澱粉を含む糊）を塗布し、熱盤上を
通過する間に、その澱粉糊の固化（糊化）する熱を受け
させているが、本発明の場合、不織布が天然系であるた
めに、その貼り合わせにもこのような澱粉糊（一般的に
コーンスターチと称している）を使用できる。

【００１１】

【発明の実施の形態】この発明において、板素材が紙の
段ボール１である場合には、両面段ボールや片面段ボー
ル、複両面段ボール等、その段ボール構造を特に問うも
のではない。また、板紙２についても、チップボール、
コートボール等、その材質については、天然系である限
り様々となる。

【００１２】不織布３の素材としては、天然植物繊維
（綿、麻等）、天然動物繊維（羊毛、絹等）、セルロー
ズ系再生繊維（レーヨン、キュプラ、繊維素繊維、キチ
ン・キトサン繊維等）を挙げることができ、いずれもコ
ルゲートマシンの使用に適する耐熱性があり、廃棄処分
に適する生分解性を有する。なお、耐熱性については、
１７０℃以上であれば良い。

【００１３】不織布３の製法についても、特に限定する
ものではないが、地球に優しいという点では、バインダ
ーを用いないスパンレース法やニードルパンチ法が本発
明の目的達成に適している。また、緩衝性や断熱性を必
要とする包装についても、貼り合わせる不織布の目面、
目付を変えることで機能付与ができる。特に、ジェット
水流をウエブに噴射し、その力で厚み方向の繊維同士の
交絡を計るように製造するスパンレース法では、ノーバ
インダーのメッシュ構造となるので望ましい。

【００１４】不織布について、付加価値を高める手法と
しては、「超光沢付与」、「色柄付け」、「抗菌性付
与」、「その他の後加工付与」等の手法を取り得る。こ
のうち、超光沢については、超高級品のイメージを包装
商品に与えるために適しており、包装箱の場合、例え
ば、箱の内側に超光沢の不織布が貼られている形態を挙
げることができる。不織布に超光沢を付ける手法につい
て、オーミケンシ（株）が開発した不織布の製造方法に
よると、艶やかで且つしっとりした高級イメージの製品
となる。

【００１５】色柄付けについては、染色、パディング
（顔料をバインダーで付着）、プリント等の手法を採る
ことができるが、環境面等を考慮すれば、染色が最も適
している。また、抗菌性付与については、抗菌繊維の使
用、後加工等の手法があるが、前記したキチン・キトサ
ン繊維（商品名：クラビオン_Ｒ）の素材を使えば、それ
自体で抗菌性を有し、土に戻れば土壌の改良効果等、優
れた機能も認められている。

【００１６】加えて説明すると、キチン・キトサン繊維
「クラビオン_Ｒ」は、オーミケンシ（株）が、キチンや
キトサンの分子構造がセルロースの分子構造と近似して
いることに着眼して開発に成功したもので（特許第２８
２２１７４号）、これによると、キチン・キトサンをビ
スコース化し、木材パルプからのセルロース・ビスコー
スとを融合し、繊維化するので、バインダー等の薬品を
使ってキチン・キトサンを繊維に付着させる場合とは違
って、身体に対して安全且つ清潔であり、また、１００
％天然原料から作られ、生分解性に優れ、廃棄したとき
に土に戻る性質を持った、環境に優しい素材であるた
め、特に食品や化粧品、衛生材料等の包装の場合には、
最適機能素材である。

【００１７】本発明の包装用化粧板を使用する形態につ
いては、箱やケースと称される容器ばかりでなく、容器
に収められる緩衝材、仕切材、装飾等であっても良いも
のとする。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように、この発明の包装用
化粧板によれば、再生紙としてそのままリサイクルに適
し、焼却や埋立て処分をするにしても、ダイオキシンの
発生や残留というような公害問題が発生しないため、地
球に優しい包装素材として提供でき、また、コルゲート
マシンの利用に適しその未改造により有利な量産が可能
であり、さらに、天然素材の持つ独特の風合いの化粧に
より高級イメージとなるので、殊にブランド商品や贈答
商品の包装資材として適する等の優れた効果、機能があ
る。

【００１９】

【実施例】次に、この発明の代表的な幾つかの実施例を
図面に基づいて説明する。

【００２０】図１は、段ボール１が中芯５の両面にライ
ナー７、８を有する両面段ボールであって、その一面に
不織布３が貼り合わされている。製造については、一方
のライナー７に予め不織布３を貼り合わせ、コルゲート
マシンを使って、シングルフェーサー部で作られた片面
段ボール（中芯５と他方のライナー８からなる）と共
に、不織布３付きライナー７をダブルフェーサー部に繰
り込んだ。なお、その接着剤にはいわゆるコーンスター
チを使用し、普通の段ボールと同じ製法を用いた。

【００２１】図２は、段ボール１が中芯５の一面にライ
ナー８を有する片面段ボールであって、その他面に不織
布３を貼り合わせた場合を示したもので、その貼り合わ
せについては、片面段ボール１と共に不織布３をダブル
フェーサー部に繰り込んだので、この場合も普通の段ボ
ールと同じ製法が可能であることが分かった。

【００２２】また、図３は、板紙２の一面に不織布３を
貼り合わせた場合であって、この場合は、加熱ロールと
プレスロールとの間に両方を繰り込んで接着した。な
お、この場合も、コルゲートマシンの使用が可能であっ
た。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１発明の一実施例を示す包装用化粧板の断面
図である。

【図２】第１発明の他の実施例を示す断面図である。

【図３】第２発明による包装用化粧板の断面図である。

【符号の説明】

１段ボール２板紙３不織布

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者尾田正樹大阪府大阪市中央区淡路町３丁目５番13号オーミケンシ株式会社内 (72)発明者藤定輝好京都府京都市南区西九条南田町61番地森紙業株式会社内Ｆターム(参考） 4F100 AJ01A AJ01B AJ01C AJ01G AJ03A AJ05A AJ07G AJ09A AK22G BA02 BA03 BA06 BA10B BA10C CB00 DD12A DG10A DG15B DG15C GB15 HB00 JC00B JC00C JJ03B JJ03C

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】紙の段ボールを板素材として、その一面
または両面に、微生物により生分解され且つ耐熱性を有
する天然素材からなる不織布を化粧として貼り合わせ、
その貼り合わせに、天然系の接着剤またはフタル酸系可
塑剤を含まない酢酸ビニール系の接着剤を使用したこと
を特徴とする包装用化粧板。
【請求項２】板紙を板素材として、その一面または両
面に、微生物により生分解され且つ耐熱性を有する素材
からなる不織布を化粧として貼り合わせ、その貼り合わ
せに、天然系の接着剤またはフタル酸系可朔剤を含まな
い酢酸ビニール系の接着剤を使用したことを特徴とする
包装用化粧板。