JP2001087859A - 溶接継手用検査テープおよびこれを用いた鉄筋接合における溶接検査方法 - Google Patents

溶接継手用検査テープおよびこれを用いた鉄筋接合における溶接検査方法

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JP2001087859A
JP2001087859A JP25016299A JP25016299A JP2001087859A JP 2001087859 A JP2001087859 A JP 2001087859A JP 25016299 A JP25016299 A JP 25016299A JP 25016299 A JP25016299 A JP 25016299A JP 2001087859 A JP2001087859 A JP 2001087859A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属製裏当材を用いた溶接方法において、目視
によりルートギャップや溶込み深さ等を客観的かつ定量
的に判断できるようにする。 【解決手段】耐熱性テープ基材10の一方面側に所定の
温度域で物質変態を生じる金属微細粉層12を形成する
とともに、他方面側に接着剤層11を形成した溶接継手
用検査テープ1を金属製裏当材3の外面に貼設した状態
で溶接を行い、溶接終了後に前記検査テープ1の色変化
に基づいて溶接品質を検査する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば鉄筋等を
突合わせ溶接する際に、金属製裏当て材の外面に貼設し
て溶接を行うことにより目視によって溶接検査を可能と
した溶接継手用検査テープおよびこれを用いた鉄筋接合
における溶接検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、鉄筋同士を接合するに当たっ
ては、図3に示されるように、所定の隙間を空けた状態
で端面を突合わせ配置した両側の鉄筋2,2を跨ぐ範囲
に、断面U字状の金属製裏当材3を仮付けし、両鉄筋
2,2の端面同士の隙間を溶融金属で埋めるアーク溶接
法が広く採用されている。
【0003】この方法の場合には、溶融金属が金属製裏
当材に溶着し一体となってしまい前記金属製裏当材3を
取り外すことが出来なくなり、溶接部の外観検査ができ
なくなるなどの問題があったため、一部では溶接後に破
砕除去できるセラミックス製または固形フラックス製の
裏当材が提案され使用されているが、小規模のプレキャ
スト構造建物や鉄骨鉄筋コンクリート構造建物等の高度
の溶接品質が要求されない構造物の場合には、省力化お
よび合理化等のために前記金属製裏当材3を使用した継
手鉄筋溶接方法が依然として多く採用されている。な
お、この場合の溶接品質検査は、溶接作業後に金属裏当
材3の焼き色で溶融金属の溶込み量を判断する外観検査
(VT)や、超音波探傷試験(UT)などによる非破壊
試験により行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属製
裏当材3に錆び等が付着している場合には、焼き色に多
少の変化を及ぼすため、定量的な判断性に欠けるなどの
問題があった。また、溶接部の検査結果は書類として残
されるが、従来の溶接部を目視検査する外観検査(V
T)を含め、目視による判断を記述するのみでは判断の
客観性および定量性に欠けるなどの問題があった。
【0005】そこで本発明の主たる課題は、金属製裏当
材を用いた継手溶接方法であっても、目視によりルート
ギャップや溶込み深さ等を客観的かつ定量的に判断でき
るようにした溶接継手用検査テープおよびこれを用いた
鉄筋接合における溶接検査方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明に係る第1の溶接継手用検査テープは、耐熱性
テープ基材の一方面側に所定の温度域で物質変態を生じ
る金属微細粉層を形成したことを特徴とするものであ
る。また第2の溶接継手用検査テープは、耐熱性テープ
基材の一方面側に所定の温度域で物質変態を生じる金属
微細粉層を形成するとともに、他方面側に接着剤層を形
成したことを特徴とするものである。
【0007】この場合において、前記金属微細粉は、具
体的にはアルミニウム、銅、カドニウム、スズ、鉛およ
び銀よりなる群より選ばれた金属の1つまたは2つ以上
の混合物とされる。また、前記耐熱性テープ基材の幅寸
法は溶接中におけるテープ剥離を防止するために少なく
とも50mm以上とするのが望ましい。
【0008】他方、前記溶接継手用検査テープを用いた
鉄筋接合における溶接検査方法は、所定の隙間を空けた
状態で端面を突合わせ配置した両側の鉄筋を跨ぐ範囲
に、断面U字状の金属製裏当材を仮付けし、この金属製
裏当材の外面に前記検査テープを貼設した後、前記隙間
を充填するようにアーク溶接を行い、溶接後に前記検査
テープの色変化に基づいて溶接品質を検査することを特
徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳述する。
【0010】本発明に係る溶接継手用検査テープ1(以
下、単に検査テープという。)は、通常の手順に従い、
鉄筋2,2等をアーク溶接接合する際に、金属製裏当材
2の外面に貼設して使用されるもので、具体的には図1
に示されるように、所定の隙間(ルートギャップ)を空
けた状態で突合わせ配置した左右両側の鉄筋2,2を跨
ぐ範囲に、断面U字状の金属製裏当材3を上部側を開口
とした状態で仮付けしたならば、この金属製裏当材3の
外面に本検査テープ1を貼設し、次いで溶接トーチ4を
持ち込んで隙間を充填するようにアーク溶接を行い両鉄
筋2,2を接合し、溶接終了後に前記検査テープ1の色
変化に基づいて溶接品質を目視により客観的かつ定量的
に判断するものである。
【0011】前記検査テープ1は、図2に示されるよう
に、テフロンテープなどの耐熱性を有する材料をテープ
基材10として、その一方面側に接着剤層11を形成す
るとともに、他方面側に所定の温度域で物質変態を生じ
る金属微細粉層12を形成したテープである。
【0012】溶接作業時にはアーク中心温度は2000
〜3000℃程度となり、その溶接熱は金属製裏当材3
に伝達される。仮に、金属製裏当材3の板厚が4mm前後
である場合には金属製裏当材3の表面温度は1200℃
程度まで上昇する。なお、当該溶接温度の保持時間は2
〜3秒程度である。また、溶接完了後に金属製裏当材3
の鉄筋軸方向に伝搬する伝達表面温度は300℃以下で
ある。したがって、好適には300〜1200℃で固相
から液相への変化等何らかの物質変態を起こす金属元素
であれば、この金属元素の変化状況を観察することによ
り入熱程度を示す指標となり得る。その指標となり得る
金属元素の一覧を下表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】これらの金属元素群は、単独で或いは2以
上の混合物として用いることができる。また、各金属元
素間では融点に大きな幅が存在しているが、前記金属製
裏当材3の板厚を変化させることにより、或いは金属製
裏当材3と検査テープ1との間に断熱層を介在させるな
どの処置を行うことにより、さらには溶接中心部位から
金属微細粉形成部位までの材軸方向距離を調整すること
等により各金属元素のいずれでも使用が可能となる。
【0015】上記表1に示される金属元素群の内、最も
好適にはアルミニウム(Al)が使用される。アルミニ
ウム(Al)は660℃以上で酸化してアルミナ(Al
)に変化し、700℃以上で蒸発する。このた
め、660〜700℃では酸化状態のAlがテー
プ表面に出現し、700℃ではアルミニウムが蒸発する
ため、テープ基材色が出現するようになる。また、前記
Alは安定した酸化物であるため、温度が低下し
てもそのまま品質記録として残すことが可能となる。
【0016】ところで、この検査原理の変形例として前
記金属製裏当材3の外面に表1に示される金属元素微細
粉を混入した塗料を塗布しておくことも考えられるが、
塗料とした場合には金属微細粉と接着樹脂とが混練され
ているため、色彩変化が斑状となって出現するようにな
るため、ルートギャップおよび溶込み深さの判定に精度
が確保されないとともに、金属製裏当材3そのものを品
質管理記録として残して置くことが容易ではないなどの
問題が発生することになる。この点、金属微細粉層12
を形成した本検査テープ1の場合には、溶接熱による色
彩変化が一様に出現するため溶接品質の判断が的確に行
えるようになるとともに、溶接後に金属製裏当材3から
剥がして保管が容易に行えるようになるため、たとえば
ISO9000シリーズ(品質管理および品質保証の国際規
格)への対応も容易に可能となる。
【0017】一方、本検査テープ1では金属製裏当材3
に貼設するために接着剤を用いているが、境界面の温度
が1200℃まで上昇する条件下では、接着剤の液化や
蒸発が発生し、溶接中に剥がれ落ちることが懸念され
た。しかし、過去の実験資料によれば、金属製裏当材3
の中心部の温度は1200℃まで上昇するが、溶接部の
中心から材軸方向に25mmほど離れると400℃まで温
度が低下することが報告されており、本発明者による検
討によって400℃程度の温度であれば液化や蒸発せず
に接着力を維持することができることが知見されたた
め、本検査用テープ1の幅寸法を溶接部中心からそれぞ
れ25mm以上の寸法(全幅Bで50mm以上)とすれば剥
落を防止できることが判明した。なお、接着に際して
は、金属製裏当材3との境界面に空気が存在することに
なるが、この空気は溶接時に金属製裏当材3の鉄分(F
e)と酸化反応を起こすことにより酸化鉄(FeO)または
四酸化三鉄(FeO)等となるため何ら金属微細粉の物
質変態には悪影響は及ぼさないものと考えられる。
【0018】ところで、本形態例で示した検査テープ1
は、現場での施工性の点より、予め所定の温度域で物質
変態を生じる金属微細粉層12を形成した耐熱性テープ
基材10の裏面に接着剤層11を形成したが、単に耐熱
性テープ基材10に所定の温度域で物質変態を生じる金
属微細粉層12のみを形成し、現場にて別途、金属製裏
当材3に接着剤を塗布して貼設するようにしてもよい。
【0019】
【発明の効果】以上詳説のとおり本発明によれば、金属
製裏当材を用いた継手溶接方法であっても、本検査テー
プの色彩変化を判断することによりルートギャップおよ
び溶込み深さ等を客観的かつ定量的に判断できるように
なる。また、溶接品質記録も容易に保管できるようにな
るなど従来にない効果が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本検査テープ1を用いた溶接要領図である。
【図2】本検査テープ1の断面構成図である。
【図3】金属製裏当材3を用いた鉄筋接合要領を示す図
である。
【符号の説明】
1…検査テープ、2…鉄筋、3…金属製裏当材、4…溶
接トーチ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年6月22日(2000.6.2
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明に係る第1の溶接継手用検査テープは、溶接箇
所の外面に貼付して使用されるとともに、溶接後に回収
可能とされる溶接継手用検査テープであって、耐熱性テ
ープ基材の一方面側に所定の温度域で物質変態を生じる
金属微細粉層を形成したことを特徴とするものである。
また第2の溶接継手用検査テープは、耐熱性テープ基材
の一方面側に所定の温度域で物質変態を生じる金属微細
粉層を形成するとともに、他方面側に接着剤層を形成し
たことを特徴とするものである。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年9月21日(2000.9.2
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 溶接継手用検査テープおよびこれを用
いた鉄筋接合における溶接検査方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば鉄筋等を
突合わせ溶接する際に、金属製裏当て材の外面に貼設し
て溶接を行うことにより目視によって溶接検査を可能と
した溶接継手用検査テープおよびこれを用いた鉄筋接合
における溶接検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、鉄筋同士を接合するに当たっ
ては、図3に示されるように、所定の隙間を空けた状態
で端面を突合わせ配置した両側の鉄筋2,2を跨ぐ範囲
に、断面U字状の金属製裏当材3を仮付けし、両鉄筋
2,2の端面同士の隙間を溶融金属で埋めるアーク溶接
法が広く採用されている。
【0003】この方法の場合には、溶融金属が金属製裏
当材に溶着し一体となってしまい前記金属製裏当材3を
取り外すことが出来なくなり、溶接部の外観検査ができ
なくなるなどの問題があったため、一部では溶接後に破
砕除去できるセラミックス製または固形フラックス製の
裏当材が提案され使用されているが、小規模のプレキャ
スト構造建物や鉄骨鉄筋コンクリート構造建物等の高度
の溶接品質が要求されない構造物の場合には、省力化お
よび合理化等のために前記金属製裏当材3を使用した継
手鉄筋溶接方法が依然として多く採用されている。な
お、この場合の溶接品質検査は、溶接作業後に金属裏当
材3の焼き色で溶融金属の溶込み量を判断する外観検査
(VT)や、超音波探傷試験(UT)などによる非破壊
試験により行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属製
裏当材3に錆び等が付着している場合には、焼き色に多
少の変化を及ぼすため、定量的な判断性に欠けるなどの
問題があった。また、溶接部の検査結果は書類として残
されるが、従来の溶接部を目視検査する外観検査(V
T)を含め、目視による判断を記述するのみでは判断の
客観性および定量性に欠けるなどの問題があった。
【0005】そこで本発明の主たる課題は、金属製裏当
材を用いた継手溶接方法であっても、目視によりルート
ギャップや溶込み深さ等を客観的かつ定量的に判断でき
るようにした溶接継手用検査テープおよびこれを用いた
鉄筋接合における溶接検査方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明に係る溶接継手用検査テープは、溶接箇所の外
面に貼付して使用されるとともに、溶接後に回収可能と
される溶接継手用検査テープであって、耐熱性テープ基
材の一方面側にアルミニウム金属微細粉層を形成すると
ともに、他方面側に接着剤層を形成したことを特徴とす
るものである。
【0007】本発明においては、テフロンテープなどの
耐熱性を有する材料をテープ基材として、その一方面側
に接着剤層を形成するとともに、他方面側に660℃で
酸化してアルミナ(白色)に変化し、700℃以上で蒸
発するアルミニウム金属微細粉層を形成したテープであ
る。
【0008】したがって、前記溶接継手用検査テープを
溶接箇所の外面に貼付して溶接を行うと、アルミニウム
(Al)は660℃以上で酸化してアルミナ(Al
)に変化し、700℃以上で蒸発する。このため、6
60〜700℃では酸化状態のAlがテープ表面
に出現し、700℃ではアルミニウムが蒸発するため、
テープ基材色が出現するようになる。この溶接継手用検
査テープは、剥がしてそのまま品質記録として残すこと
が可能となる。
【0009】他方、前記溶接継手用検査テープを用いた
鉄筋接合における溶接検査方法は、所定の隙間を空けた
状態で端面を突合わせ配置した両側の鉄筋を跨ぐ範囲
に、断面U字状の金属製裏当材を仮付けし、この金属製
裏当材の外面に前記請求項1記載の溶接継手用検査テー
プを貼設した後、前記隙間を充填するようにアーク溶接
を行い、溶接後に前記溶接継手用検査テープを金属製裏
当材から剥がすとともに、溶接熱によって生じるアルミ
ニウムからアルミナへの物質変態による色変化または蒸
発によるテープ基材色の出現による色変化に基づいて溶
接品質を検査することを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳述する。
【0011】本発明に係る溶接継手用検査テープ1(以
下、単に検査テープという。)は、通常の手順に従い、
鉄筋2,2等をアーク溶接接合する際に、金属製裏当材
2の外面に貼設して使用されるもので、具体的には図1
に示されるように、所定の隙間(ルートギャップ)を空
けた状態で突合わせ配置した左右両側の鉄筋2,2を跨
ぐ範囲に、断面U字状の金属製裏当材3を上部側を開口
とした状態で仮付けしたならば、この金属製裏当材3の
外面に本検査テープ1を貼設し、次いで溶接トーチ4を
持ち込んで隙間を充填するようにアーク溶接を行い両鉄
筋2,2を接合し、溶接終了後に前記検査テープ1の色
変化に基づいて溶接品質を目視により客観的かつ定量的
に判断するものである。
【0012】前記検査テープ1は、図2に示されるよう
に、テフロンテープなどの耐熱性を有する材料をテープ
基材10として、その一方面側に接着剤層11を形成す
るとともに、他方面側にアルミニウム金属微細粉層12
を形成したテープである。
【0013】溶接作業時にはアーク中心温度は2000
〜3000℃程度となり、その溶接熱は金属製裏当材3
に伝達される。仮に、金属製裏当材3の板厚が4mm前後
である場合には金属製裏当材3の表面温度は1200℃
程度まで上昇する。なお、当該溶接温度の保持時間は2
〜3秒程度である。また、溶接完了後に金属製裏当材3
の鉄筋軸方向に伝搬する伝達表面温度は300℃以下で
ある。したがって、好適には300〜1200℃で固相
から液相への変化等何らかの物質変態を起こす金属元素
であれば、この金属元素の変化状況を観察することによ
り入熱程度を示す指標となり得る。その指標となり得る
金属元素の一覧を参考的に下表1に示す。
【0014】
【表1】 上記表1に示される金属元素群の内、本発明検査テープ
ではアルミニウム(Al)が使用される。アルミニウム
(Al)は660℃以上で酸化してアルミナ(Al
)に変化し、700℃以上で蒸発する。このため、6
60〜700℃では酸化状態のAlがテープ表面
に出現し、700℃ではアルミニウムが蒸発するため、
テープ基材色が出現するようになる。また、前記Al
は安定した酸化物であるため、温度が低下してもそ
のまま品質記録として残すことが可能となる。
【0015】ところで、この検査原理の変形例として前
記金属製裏当材3の外面に表1に示される金属元素微細
粉を混入した塗料を塗布しておくことも考えられるが、
塗料とした場合には金属微細粉と接着樹脂とが混練され
ているため、色彩変化が斑状となって出現するようにな
るため、ルートギャップおよび溶込み深さの判定に精度
が確保されないとともに、金属製裏当材3そのものを品
質管理記録として残して置くことが容易ではないなどの
問題が発生することになる。この点、金属微細粉層12
を形成した本検査テープ1の場合には、溶接熱による色
彩変化が一様に出現するため溶接品質の判断が的確に行
えるようになるとともに、溶接後に金属製裏当材3から
剥がして保管が容易に行えるようになるため、たとえば
ISO9000シリーズ(品質管理および品質保証の国際規
格)への対応も容易に可能となる。
【0016】一方、本検査テープ1では金属製裏当材3
に貼設するために接着剤を用いているが、境界面の温度
が1200℃まで上昇する条件下では、接着剤の液化や
蒸発が発生し、溶接中に剥がれ落ちることが懸念され
た。しかし、過去の実験資料によれば、金属製裏当材3
の中心部の温度は1200℃まで上昇するが、溶接部の
中心から材軸方向に25mmほど離れると400℃まで温
度が低下することが報告されており、本発明者による検
討によって400℃程度の温度であれば液化や蒸発せず
に接着力を維持することができることが知見されたた
め、本検査用テープ1の幅寸法を溶接部中心からそれぞ
れ25mm以上の寸法(全幅Bで50mm以上)とすれば剥
落を防止できることが判明した。なお、接着に際して
は、金属製裏当材3との境界面に空気が存在することに
なるが、この空気は溶接時に金属製裏当材3の鉄分(F
e)と酸化反応を起こすことにより酸化鉄(FeO)または
四酸化三鉄(FeO)等となるため何ら金属微細粉の物
質変態には悪影響は及ぼさないものと考えられる。
【0017】
【発明の効果】以上詳説のとおり本発明によれば、金属
製裏当材を用いた継手溶接方法であっても、本検査テー
プの色彩変化を判断することによりルートギャップおよ
び溶込み深さ等を客観的かつ定量的に判断できるように
なる。また、溶接品質記録も容易に保管できるようにな
るなど従来にない効果が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本検査テープ1を用いた溶接要領図である。
【図2】本検査テープ1の断面構成図である。
【図3】金属製裏当材3を用いた鉄筋接合要領を示す図
である。
【符号の説明】 1…検査テープ、2…鉄筋、3…金属製裏当材、4…溶
接トーチ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐熱性テープ基材の一方面側に所定の温度
    域で物質変態を生じる金属微細粉層を形成したことを特
    徴とする溶接継手用検査テープ。
  2. 【請求項2】耐熱性テープ基材の一方面側に所定の温度
    域で物質変態を生じる金属微細粉層を形成するととも
    に、他方面側に接着剤層を形成したことを特徴とする溶
    接継手用検査テープ。
  3. 【請求項3】前記金属微細粉は、アルミニウム、銅、カ
    ドニウム、スズ、鉛および銀よりなる群より選ばれた金
    属の1つまたは2つ以上の混合物とされる請求項1また
    は2記載の溶接継手用検査テープ。
  4. 【請求項4】前記耐熱性テープ基材の幅寸法は50mm以
    上としてある請求項1〜3いずれかに記載の溶接継手用
    検査テープ。
  5. 【請求項5】所定の隙間を空けた状態で端面を突合わせ
    配置した両側の鉄筋を跨ぐ範囲に、断面U字状の金属製
    裏当材を仮付けし、この金属製裏当材の外面に前記請求
    項1〜4いずれかの検査テープを貼設した後、前記隙間
    を充填するようにアーク溶接を行い、溶接後に前記検査
    テープの色変化に基づいて溶接品質を検査することを特
    徴とする鉄筋接合における溶接検査方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100843832B1 (ko) * 2001-12-24 2008-07-03 주식회사 포스코 용접기의 용접상태 판단장치

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100843832B1 (ko) * 2001-12-24 2008-07-03 주식회사 포스코 용접기의 용접상태 판단장치

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