JP2951594B2 - 希釈金属を用いた抵抗溶接のための方法及びその製造物 - Google Patents

希釈金属を用いた抵抗溶接のための方法及びその製造物

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JP2951594B2 JP8148828A JP14882896A JP2951594B2 JP 2951594 B2 JP2951594 B2 JP 2951594B2 JP 8148828 A JP8148828 A JP 8148828A JP 14882896 A JP14882896 A JP 14882896A JP 2951594 B2 JP2951594 B2 JP 2951594B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、概略的には抵抗溶
接に関するものである。より詳細には、受容し難い溶接
割れを生ずるのに十分な程度の凝固クラッキングに実質
的に寄与するだけの濃度を有する少なくとも一つの合金
元素をそれぞれ含有するそれぞれの組成を有する2つの
スティール部材の抵抗溶接に関する。
【0002】
【従来の技術】抵抗溶接に於いては、2つのスティール
部材は、典型的には、一方のスティール部材の第1の部
分が他方のスティール部材の第1の位置に重なる関係で
溶接ステーションに位置させることにより、溶接され
る。溶接ステーションでは、これらの位置を溶融させる
ために、2つのスティール部材が重なった部分を介して
電流が流され、これによって溶接部又は溶接ナゲットが
生成する。2つのスティール部材を介する電流の流れ
は、溶接部のその位置でこれらの2つのスティール部材
の第1の部分での溶融を生じ、溶接部の金属は電流の流
れが減少し又は消失するまで溶融したままであり、次に
溶接部のその位置で凝固を生ずる。
【0003】凝固している間、凝固クラッキングとして
知られる現象が溶接部に現れることがあり、凝固クラッ
キングは、チゼルテストとして知られるテストの間に、
許容することができない溶接割れを生ずる程に十分な程
度であることがある。チゼルテストに於いては、ハンマ
ーとたがねが溶接位置で2つのスティール部材を強制的
に分離するのに使用される。結果として生ずる溶接割れ
は、(a)溶接部の全体的若しくは部分的に存在するか、
又は割れが(b)2つのスティール部材の一方の第1の部
分で、溶接部のすぐ外側の所謂「熱影響部」に存在し、
その割れはそれ自身、熱影響部に於ける穴として明示さ
れる。前述の(a)で記載したタイプの割れは許容するこ
とができない溶接割れであるが、(b)で記載したタイプ
の割れは許容することができる。
【0004】凝固クラッキングは以下のようにして発生
する。溶融金属の溶接位置での冷却と凝固は周辺から内
側に向かって現れ、指の形状のセル又は樹枝状結晶の形
状である。隣接する樹枝状結晶の間には、凝固した樹枝
状結晶の金属よりも低い凝固温度を有する溶融金属の連
続フィルムが存在する。これは、炭素、マンガン等の合
金元素のより高い濃度を有する溶融金属の樹枝状結晶の
間における分離に起因している。更なる冷却が隣接する
樹枝状結晶の間の分離した金属の凝固温度以下の温度に
もたらされる間に、隣接する樹枝状結晶と引っ付く前に
樹枝状結晶を引き離すように引っ張る凝固歪みが、凝固
している樹枝状結晶に同時に及ぼされることにより、ボ
イドが生成される。上述のようにして分離した合金元素
の濃度が大きくなるほど、凝固クラッキングへのその元
素の寄与が大きくなり、凝固クラッキングの程度が大き
くなるほど、許容し難い溶接割れが生ずる可能性が高く
なる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】単に互いに抵抗溶接さ
れるべき2つのスティール部材に使用されたとき、許容
し難い溶接割れを生ずるのに十分な程度の凝固クラッキ
ングが溶接部に生成されるスティール組成の第1のグル
ープがある。このグループに対しては、この溶接欠陥に
打ち勝つために使用され得る溶接スケジュール(溶接パ
ラメータ)への商業的な実質的改変はない。この第1の
グループの場合には、スティール組成は抵抗溶接により
適した他の組成に置き換えられ得なければならない。こ
のような置き換えの欠点は、通常、置き換えたスティー
ル組成が、置き換えられるスティール組成よりも物理的
及び機械的性質が劣っていることである。
【0006】単に互いに抵抗溶接されるべき2つのステ
ィール部材に使用されたとき、同様に許容し難い溶接割
れを生ずるのに十分な程度の凝固クラッキングが溶接部
に生成されるスティール組成の第2のグループがある。
しかし、このグループの組成に対しては、溶接スケジュ
ールへの改変がこの問題に打ち勝つためにしばしば採用
され得る。しかし、溶接スケジュールへの改変は、通
常、時間、労力及び経費の増大と、溶接作業効率の低下
をもたらす。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、両方の部材が
第1のグループ若しくは第2のグループの組成を有す
る、又はそれぞれの部材がそれぞれの異なるグループの
組成を有する2つのスティール部材を、許容し難い溶接
割れを生ずることなく、そして、このような組成の置き
換え若しくは溶接スケジュールへの大幅な改変を必要と
することなく、互いに溶接することを可能とする。
【0008】本発明は、2つのスティール部材に関連し
て、その2つのスティール部材の少なくとも一つから分
離した別体のその部品を有する充填材を使用する。この
充填材は、2つのスティール部材の重畳部分の間の溶接
位置に挟まれる。スティール部材の2つの重畳部分の溶
接位置を介して電流が流れるとき、2つのスティール部
材の重畳部分の互いの溶融と、充填材の上述の部品とは
分離し別体となっているそれぞれのスティール部材への
充填材の溶融とが起こり、これによって、結果として生
ずるスティール製品上に溶接部が生成する。
【0009】前述のように、スティール組成の少なくと
も一つが合金元素を有し、その少なくとも一つが実質的
に凝固クラッキングの原因となる濃度を有している。充
填材はスティール部材の組成とは異なる組成を有し、単
にスティール部材によるのではなく、スティール部材の
組成と混合されたとき溶接部の組成を改変し、実質的に
凝固クラッキングを減少させ、許容し得る溶接割れを生
成する溶接部を提供する。充填材組成は、溶接位置の金
属が溶融状態にある抵抗溶接ステップの間、スティール
部材の組成と溶接位置で混ざり合う。そのように混合さ
れたとき、充填材は、実質的に凝固クラッキングの一因
となるスティール組成の中の少なくとも一つの元素の濃
度を溶接部で希釈し、これによって、このように希釈さ
れた合金元素のそれぞれの凝固クラッキングへの寄与を
実質的に減少させる。これらの合金の元素の蓄積的な希
釈は、許容し得る溶接割れを生成するのに充分である。
【0010】充填材は、両方のスティール部材から分離
した別体の挿入体の形状、又は2つのスティール部材の
一方の上に金属化された層の形状であり得る。
【0011】本発明は、それぞれ充填材が無ければ、許
容し難い溶接割れを生ずること無く、溶接スケジュール
に改変を加えないで、その部材を他方に溶接することが
できない組成を有する第1及び第2のスティール部材に
使用され得る。
【0012】また、本発明は、適切に改変された溶接ス
ケジュールを採用することにより、許容し難い溶接割れ
を生ずることなく溶接され得る組成を有する一対のステ
ィール部材に使用され得るが、しかし、本発明が使用さ
れるとき、これらの組成によって、その他の方法では許
容し難い溶接割れを生じ得る溶接スケジュールを採用す
ることができる。
【0013】他の特徴及び利点は、ここにクレームされ
開示されている主題に固有のものであり、或いは、添付
の図面に関連する以下の詳細な記述から当業者に明らか
であろう。
【0014】
【発明の実施の形態】最初に図1〜3を参照すれば、抵
抗溶接の製造物23(図3)を製造するための方法が図
示されており、これは、許容し得る溶接割れを生ずる溶
接部21を有している。この方法は、第1及び第2のス
ティール部材10,11を提供することを包含し、それ
ぞれ第1の部分12,13を有し、これらは他方の第1
の部分に重なる関係に配され、概略的に14(図1)で
示されている溶接ステーションに位置し、一対の対向す
る電極15,16を有している。この方法は、更に、少
なくともスティール部材10,11の一方から分離した
別体の部品18を有する充填材17を提供することを包
含している。図1〜3に示されているこの実施態様で
は、充填材は、両方のスティール部材10,11から分
離した別体の挿入体である。代わりに、充填材17は2
つのスティール部材の一方の内側の面、例えばスティー
ル部材11の内側の面20に形成された金属化層の形状
であってもよい。
【0015】充填材17は、溶接ステーション14に於
いて、スティール部材10,11の第1の部分12,1
3の間に挟まれている。電極15,16を介して電流が
印可されて、第1の部材10の部分12、充填材17の
部品18及び第2の部材11の部分13からなる重畳部
を流れる。これにより、スティール部材11,12の溶
接ステーション14での抵抗溶接が行われ、第1の部分
12,13が互いに溶融し、充填材17が充填材17上
の部品18から分離し別体となったそれぞれのスティー
ル部材10,11に溶融し、これによってスティール製
品23上に溶接部21を生成する。
【0016】図1〜3は、スポット溶接として知られて
いる抵抗溶接の形状を示している。図4は、シーム溶接
として知られている抵抗溶接の形状を示している。図4
の実施例では、概略的に24で示された溶接ステーショ
ンは、互いに反対方向に回転する一対の対向するロータ
リ電極25,26を有し、その間に第1及び第2のステ
ィール部材10,11のそれぞれの部分12,13が連
続する充填材ストリップ27の部品28と共に挟まれ
る。スティール部材10,11及び充填材ストリップ2
7の重畳部は、電流が互いに反対方向に回転する電極2
5,26を介して流れてシーム溶接部31を生成しなが
ら、矢印29で示す方向に進む。
【0017】第1及び第2のスティール部材は、これら
の部材が単に互いに抵抗溶接されたときに許容し得ない
溶接割れを生ずるのに充分な程度の凝固クラッキングを
溶接部21又は31に生成するような、それぞれのステ
ィール組成を有している。このようなスティール組成の
例は、以下に記述されるであろう。スティール組成の少
なくとも一つは、実質的に凝固クラッキングの原因とな
る濃度を有する少なくとも一つの元素の組み合わせを有
している。このような元素の例は、以下に記述されるで
あろう。
【0018】充填材17及び27は、スティール部材1
0,11の組成とは異なる組成を有しており、これらの
組成と混合されたときに、単にスティール部材によるの
ではなく、溶接部21又は31の組成を改変し、実質的
に凝固クラッキングを減少させ、許容し得る溶接割れを
生成する溶接部21,31を提供する。充填材組成は、
抵抗溶接の工程の間に、溶接ステーション14又は24
でスティール部材10,11の組成と混ざり合う。本発
明は、溶接部に於いて、凝固クラッキングの実質的な原
因となっているスティール組成中の元素の少なくとも一
つの濃度を希釈する充填材組成を採用し、これにより、
このように希釈された各合金元素の凝固クラッキングへ
の寄与を実質的に減少させる。これらの合金元素の蓄積
的な希釈は、許容し得る溶接割れを生成するのに充分で
ある。
【0019】前述のように、充填材17又は27は、一
実施例に於いては、スティール部材10,11の両方か
ら分離し別体となった部品を有する挿入体を有してい
る。この実施例では、挿入体は、2つのスティール部材
及び挿入体の合計の厚さの5%より実質的に大きい厚さ
を有している。好ましくは、挿入体の厚さは、前記合計
の厚さの約8%、例えば9〜10%であり、前記合計の
厚さの約35%までである。しかし、この厚さは35%
より大きくても許容できるが、上述の全ての利点は、3
5%より小さい厚さで得られる。図1〜図3を参照すれ
ば、スティール部材10,11の重なり部分12,13
は、スティール部材10,11の相互の重複部分の面積
を規定している。図1〜図3に示すように、充填材17
は挿入体であり、この挿入体は比較的平坦であり、この
挿入体は重なり部分12,13の間に挟まれ、これらの
部分12,13の間に挟まれた挿入体の全てが、これら
の部分12,13によって規定される相互の重複面積よ
り小さい面積を占めている。
【0020】また、上述のように、充填材17又は27
の他の実施例では、溶接がその上で行われる位置のステ
ィール部材10,11の一方の内側表面に付着した金属
化層を有していてもよい。この実施例では、金属化層
は、2つのスティール部材と金属化層の合計の厚さの5
%より大きい厚さを有している。好ましくは、金属化層
の厚さは、約6〜8%である。好ましい実施例では、金
属化層は、実質的に純粋な鉄等であり、これは、電気ア
ークスプレイ等の通常の金属化技術を採用してスティー
ル部材に塗布される。
【0021】金属化による塗布された鉄は、供給物質と
して鉄線を使用した通常の金属化ガンを用いて溶融状態
で塗布される。鉄を用いて金属化するに際して重要な考
慮事項は、鉄が酸化するほどに長い間空気に溶融金属を
曝さないようにすることである。従って、好ましくは、
溶融鉄は、好ましいスプレイ媒体として、アルゴン又は
窒素等の非酸化性のガスを使用して電気アークスプレイ
されるべきである。スプレイ媒体として空気が採用され
たとき、溶融鉄は、超音速で比較的近接した距離(例え
ば2インチ(5cm)からスプレイされるべきである。
金属化のための最適条件のパラメータは、スプレイ媒体
又は技術が何であれ、金属化の技術範囲内及び/又は実
験的に求められ得る。
【0022】本発明が有用なものとして採用されるステ
ィール部材組成の例が、以下の表1に示されている。
【0023】
【表1】
【0024】熱間圧延鋼帯であるFを除いて、上記表の
サンプルの全ては冷間圧延鋼帯である。サンプルA〜E
は、各サンプルに対する引張り及び降伏強さを示す表2
に反映されているように、高張力鋼帯である。
【0025】
【表2】
【0026】上記表に於いては、サンプルA〜Fとして
示されているスティールは、それぞれそれによって構成
されるスティール部材を、同じ組成又はサンプルA−F
によって示される他の組成を有する他方のスティール部
材に、溶接スケジュールの改変に関係なく、許容し難い
溶接割れを生ずることなく溶接することを不可能にする
ような組成を有している。
【0027】前述の表でG又はHとして示されているス
ティールのサンプルはそれぞれ、残査又は不純物として
通常に存在している(サンプルA〜Fに於ける量のよう
に)その含有量に意図的にリンを加えたリン再添加ステ
ィールとして通常称されているタイプである。リン再添
加組成の一つを有するスティール部材(サンプルG及び
H)は、適切に改変された溶接スケジュールを採用する
ことにより、許容し得ない溶接割れを生ずることなく、
同じ組成(又は他のこのようなリンを再添加したスティ
ール組成)を有する他のスティール部材に溶接されるこ
とができる。
【0028】本発明を採用することにより、サンプルA
−Fによって例示されている組成を有するスティール部
材は、同じ組成又はグループA−Fに於ける他の組成を
有するスティール部材に溶接され得、そして、結果とし
ての製品は、許容し得る溶接割れを生ずるであろう。
【0029】同様に、本発明を採用すれば、他の方法
(即ち、本発明に従う手法がない)では許容し難い溶接
割れを生ずる溶接スケジュールを採用しても、G−Hの
ようなリン再添加スティールは、互いに、又は他の再添
加スティールに溶融され得、結果としての製品は、許容
し得る溶接割れを生ずるであろう。
【0030】加えて、サンプルA−Fによって例示され
ているスティールは、本発明を採用したとき、サンプル
G−Hによって例示されているスティールにも溶接され
得、結果としての製品は、許容し得る溶接割れを生ずる
であろう。
【0031】本発明の全ての実施例に於いて、同じ組成
を有するスティール部材は、互いに又は本発明を採用す
ることにより利益を得る他のスティール組成に溶接され
得、結果としての製品は、許容し得る溶接割れを生ずる
であろう。
【0032】上述のように、本発明から利益を得るステ
ィール組成は、凝固クラッキングの実質的な原因となる
濃度を有する少なくとも一つの元素の組み合わせを含有
している。このような元素には、例えば、炭素、マンガ
ン、珪素、リン、イオウ、ホウ素、チタン、及びこれら
の組み合わせが含まれる。互いに凝固クラッキングの実
質的な原因となっている元素の例は、特にリン再添加ス
ティールでは炭素とイオウとリンを含み、炭素とマンガ
ン、ホウ素とイオウ、及びチタンとイオウである。
【0033】本発明は、(a)例えば上述の組成を有する
コートされていないスティール部材、又は(b)亜鉛等で
コートされたスティール部材、の両方に有益に採用され
得る。
【0034】上述のように、充填材が金属化層のとき、
好ましい充填材組成は、供給材料として鉄線を用いて電
気アークスプレイガンによって塗布された実質的に純粋
な鉄である。充填材が金属化層であるときに使用される
他の金属化ワイヤの組成の典型的な例は、以下の表3に
示されている。
【0035】
【表3】
【0036】標本Yは、比較的大量の炭素とマンガンと
を含んでいるけれども、これらは、金属化ガンを用いた
電気アークスプレイの前のワイヤの形状であるときの、
充填材のための含有量である。電気アークスプレイの間
に、炭素の大部分は酸化されてガスになり金属化の位置
から除かれ、マンガンの大部分は酸化されて微粒子の材
料を形成し、堆積されず金属化層の一部として保持され
ない。正味の結果は、金属化層の炭素とマンガンの比較
的小さいパーセンテージであり、金属化層の希釈特性を
妨害するには不十分である。
【0037】充填材が挿入体である場合、その挿入体
は、金属化ワイヤの表3に於ける標本Xに相当する組成
を有している。
【0038】また、挿入体は、空孔のないスティール、
即ち、フリーな炭素のないスティールからなる。このよ
うなスティールに於いては、炭素はチタン等の他の元素
によって束縛されているか、又はスティール内には実質
的に炭素は存在しない。挿入体のためのスティールの例
は、以下の表4に示されている。
【0039】
【表4】
【0040】ある条件下では、チタンとイオウの両方が
スティール部材に存在するとき、これらは互いに凝固ク
ラッキングの問題の原因となるように作用する。チタン
はイオウに先だって正常に窒素、炭素又は酸素と結合す
るであろう。従って、凝固クラッキングへの寄与を最小
化する観点から、窒素、炭素及び酸素と結合せず、イオ
ウと結合するのに使用できるチタンが存在する状況を避
けなければならない。
【0041】好ましい実施例では、挿入体は純粋な鉄か
らなり、任意にマンガンを含んでいる。炭素のない状況
では、少量のマンガン(例えば0.20%)充填材金属
の望ましい希釈特性は、阻害されない。
【0042】充填材組成が凝固クラッキングの実質的な
原因となっているスティール組成内の元素の濃度を、凝
固クラッキングへのその元素の寄与を減少させるように
希釈する限り、他の充填材組成を使用し得る。このよう
な考慮の観点から、最適の充填材組成は、純粋な鉄であ
る。
【0043】第1及び第2のスティール部材のそれぞれ
が、凝固クラッキングの実質的な原因なるような濃度を
有する少なくとも一つの元素を有する異なる組成を有し
ているとき、充填材組成は、それぞれのスティール組成
からこのような元素を希釈するものであるのが好まし
い。
【0044】次に、図5〜7を参照すれば、これらの図
は、凝固クラッキング(図5)、許容し得る溶接割れ
(図7)、許容し難い溶接割れ(図6(a)及び
(b))を描写的に例示している。図5はスポット溶接
部21の断面を示し、この内部には凝固クラッキングが
ライン34によって描写的に示されている。これらのク
ラック又はボイド34は、溶融金属から溶接部が冷却さ
れるときに発生する。凝固セル又は樹枝状結晶は、合金
元素のより高い濃度とその樹枝状結晶より低い凝固点を
有する溶融金属のフィルムによって最初に分離される。
更に冷却すると、樹枝状結晶は凝固歪みの結果として引
っ張り、溶融金属が凝固したときに溶融金属によって満
たされることのない空間を残す。溶接部又は溶接ナゲッ
ト21はチゼルテスト(以下に記述する)供されると
き、結果として生じる割れは凝固クラッキング34に沿
って又はその間に成長し、結果的に図6(a)及び
(b)に示す許容し難い溶接割れを生ずる。より詳細に
は、図6(b)は、2つの部分37,38に割れたスポ
ット溶接ナゲットを示している。図6(b)では、溶接
割れは溶接ナゲットの全体に亘って生じている。図6
(a)では、割れは溶接ナゲットを部分的に貫いて生
じ、(i)部材11に引っ付いた溶接ナゲット部34及び
溶接ボタン36と、(ii)部材10に引っ付いた溶接ナゲ
ット部37a,37bとに分離し、溶接ボタン36によ
って残された穴39が存在している。溶接ナゲットの全
体又は部分的に生ずる溶接割れは、許容し難い溶接割れ
(ここではこの用語を使用する)である。
【0045】本発明を採用すると、溶接ナゲット21は
殆ど凝固クラッキング34を有することはなく、しか
も、それらはより離れている。加えて、充填材金属によ
る希釈によって生ずる改変された溶接ナゲット組成は、
未改変の組成の溶接ナゲットに比較して強くて壊れ難
い。正味の結果は、チゼルテストでは、予め存在する凝
固クラッキング34の間の割れの成長に対する抵抗が増
大していることである。そのかわり、スポット溶接ナゲ
ット21に隣接する周囲に位置する熱影響部と呼ばれる
部分に於いて割れが促進される。このような場合には、
溶接割れは、スティール部材の一方、例えばその第1の
部分12(図7)の溶接部10に於ける穴35として現
れる。結果としてのスポット溶接ボタン33及び穴35
は、許容し得る溶接割れの特徴であり、溶接ナゲットそ
れ自身を貫く割れは存在しない。
【0046】溶接割れのチゼルテストに於いては、上記
で言及したように、互いにそれらの界面でスポット溶接
された一対の重ねられたスティール部材を引き離すため
に、のみが使用される。のみの鋭利な刃が、2つの重ね
られたスティール部材の界面で、溶接ナゲットの中心か
ら中心まで1.5インチ(3.8cm)離れた2つの隣
接するスポット溶接ナゲットの間に置かれる。典型的に
は、テスト標本は1.5×5インチ(3.8×12.7
cm)の寸法を有し、その上に3つの溶接部を有してい
る。のみはその界面に打ち込まれ、2つの重ねられた部
材を、2つ前のパラグラフに記載した許容し難いタイプ
又はすぐ前のパラグラフに記載した許容し得るタイプの
何れかの溶接割れが生ずるまで、強引に引き離す。
【0047】溶接ナゲット21の微細構造は、マルテン
サイト又はベイナイトであり、これは、溶接ナゲット2
1の周りの領域の微細構造と同じである。
【0048】本発明による凝固クラッキング34の数の
減少は、溶接割れが溶接ナゲット21を部分的又は完全
に貫いて生ずる可能性を減少させる。
【0049】溶接割れに対する挿入体の厚さの影響を調
べるためのテストが行われた。このテストは、上記表1
のサンプルAの組成を有する2つのスティール部材と、
上記表2の標本Xに相当する組成を有する挿入体とを用
いる。
【0050】溶接ナゲットにおける凝固クラッキングの
数を減少させる、本発明の充填材を使用すること以外の
工夫があるが、しかし、これらの工夫、即ちスティール
部材の組成を変えること、又は溶接スケジュールを改変
することは、上記で議論したように重大な欠陥を有して
いる。例えばスティール部材の合金元素の濃度を低減さ
せることにより、スティール部材の組成を変更すること
は、通常、スティールの物理的又は機械的性質を減少さ
せる結果となり、望ましいことではない。強度のような
物理的性質が減少するとき、スティールの厚さを増大さ
せることにより相殺されるのみであり、これは次に製品
の重量を増大させ、自動車や構造部材のような場合に
は、燃料消費の観点から望ましいものではない。
【0051】他の全ての条件が同じであるなら、本発明
の充填材金属を採用するとき、種々の負荷条件(例えば
クロステンション、引張りせん断等)の下で、典型的に
は溶接割れの強度が少なくとも20%増大する。
【0052】溶接スケジュールを変更することは、全て
ではないが幾つかの組成に於ける凝固クラッキングによ
る溶接割れの問題を緩和する。その溶接スケジュールに
対する変更が有用なこれらの組成に関しては、そのよう
にすることは、他の方法でが採用される溶接操作の柔軟
性を減少させるという観点から別の欠陥を有している。
【0053】このような溶接スケジュールの改変は、溶
接電極を使用する溶接部を柔らかくする。この手法で
は、溶接電流は遮断された後、電極が所定位置に再びオ
ンにされ、溶接電流より低い電流が流れ、これにより、
溶接部分が溶融するより低い温度に溶接部が短時間加熱
され、これにより、溶接部はより壊れにくく変えられ
る。
【0054】もう一つの溶接スケジュールの変更は、溶
接時間を増加させることであり、これにより更に加熱さ
れ、溶接ナゲットの周囲の熱影響部の強度の減少を招
き、熱影響部に於ける割れを促進する。第三の工夫は、
スティール部材の溶接位置からできるだけ素早く溶接電
極を離すことであり、これにより、溶接電極をその位置
に置いたままにしておくよりも、溶接部が放置されてよ
り緩やかな冷却速度で冷却されることが可能となる。溶
接電極は、溶接ナゲットが放置された状態で冷却される
よりも溶接位置から熱をより早く分散させるために、典
型的には水で冷却されている。より緩慢な冷却速度は、
溶接ナゲットの微細構造を変化させ、割れに対する抵抗
を増大させる。
【0055】スティール部材10,11が、適切に改変
された溶接スケジュールを採用することにより、許容し
難い溶接割れを生ずることなく互いに溶接され得るステ
ィール組成をそれぞれ有しているとき、本発明を採用す
れば、他の方法では(即ち、本発明が無ければ)許容し
難い溶接割れを生ずるような溶接スケジュールを採用す
ることができる。許容し難い溶接割れについての懸念
より押しつけられる束縛を採用することなく更に最適化
することができる。
【0056】上記したタイプのスティール部材への本発
明の適用にも拘わらず、本発明は溶接スケジュールの改
変が許容し難い溶接割れを緩和することのないスティー
ル組成にも殆ど適用可能である。更に、本発明がこのよ
うな組成に採用されたとき、溶接スケジュールは許容し
難い溶接割れについての懸念から述べられた束縛を採用
することなく最適化され得る。
【0057】上記の詳細な説明は理解の明確化のために
のみ与えられたものであり、当業者に締めであるような
不要な限定が、これから読みとられるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による方法の一実施例を採用す
る配置を例示する断面図である。
【図2】図2は、本発明に従った製造物の実施例を示す
断面図である。
【図3】図3は、本発明による生成物の実施例を示す斜
視図である。
【図4】本発明による方法の他の実施例を示す断面図で
ある。
【図5】凝固クラッキングを有する溶接部を象徴的に示
す断面図である。
【図6】図6(a)及び(b)は、許容し難い溶接割れ
を有する溶接部を示す断面図である。
【図7】図7は、許容し得る溶接割れを有する溶接部を
示す断面図である。
【符号の説明】
10,11…スティール部材 12,13…第1の部分 14,24…溶接ステーション 15,16,25,26…電極 17…充填材 18,28…部品 21,31…溶接部 23…スティール製品 27…充填材ストリップ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 11/00 - 11/36 330

Claims (37)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接されたスティール製品であって、2
    つのスティール部材が前記スティール製品の溶接位置で
    互いに抵抗溶接されており、 それぞれ平坦な形状であり第1の部分をその前記溶接位
    置に有する第1及び第2のスティール部材と、 前記各第1の部分は他のスティール部材の第1の部分と
    重畳されており、その重畳部分は前記スティール部材の
    ための相互の重畳部分を規定し、 前記溶接位置で前記第1及び第2のスティール部材の前
    記重畳部分の間に挟まれた充填材と、 前記溶接位置で、前記第1及び第2のスティール部材を
    それぞれの第1の部分で互いに溶融させるとともに、前
    記スティール部材のそれぞれに前記充填材を溶融させた
    抵抗溶接部と、 前記溶接部は、許容し難い溶接割れを生ずるのに充分な
    程度の凝固クラッキングを実質的に有さず、 前記第1及び第2のスティール部材は、前記部材が単に
    互いに抵抗溶接されたときに、許容し難い溶接割れを生
    ずるのに充分な程度で前記溶接部に凝固クラッキングを
    生じ得るようなそれぞれのスティール組成を有し、 前記スティール組成の少なくとも一方が元素の組み合わ
    せを含有し、その元素の少なくとも一つが前記凝固クラ
    ッキングの実質的な原因となるような濃度を有してお
    り、 前記充填材は、前記スティール部材の組成とは異なる組
    成を有し、該組成は、前記溶接位置で、単に前記第1及
    び第2のスティール部材によるのではなく溶接部の組成
    を改変し、前記凝固クラッキングを実質的に減少させ、
    許容し得る溶接割れを生ずる溶接部を提供し、 前記充填材組成は、前記溶接部において前記スティール
    組成の少なくとも一つの元素の濃度を希釈し、実質的に
    その元素の凝固クラッキングへの寄与を減少させ、 前記充填材は、以下の特徴の組み合わせ(a)又は(b) (a) 前記充填材は、挿入体の形状であり、該挿入体は
    粋な鉄又は空孔のないスティールからなり、前記2つの
    スティール部材と前記挿入体との合計の厚さの5%より
    実質的に大きく、前記挿入体は実質的に平坦であり、前
    記挿入体の全体が前記スティール部材の重畳された前記
    第1の部分の間に挟まれて前記重畳部分によって規定さ
    れる重なりより小さい面積を占める; (b) 前記充填材は、前記溶接位置で前記スティール部材
    の一方の表面に付着した金属化層の形状であり、純粋な
    からなり、前記2つのスティール部材と前記金属化層
    との合計の厚さの5%より大きい; の一つを有しているスティール製品。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の溶接されたスティール製
    品であって、 前記充填材が挿入体であり、前記挿入体の厚さが、前記
    合計の厚さの少なくとも約8%である、 スティール製品。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の溶接されたスティール製
    品であって、 前記挿入体の厚さが、前記合計の厚さの約35%までで
    ある、 スティール製品。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の溶接されたスティール製
    品であって、 前記充填材は、前記合計の厚さの約6〜8%の厚さを有
    している金属化層であるスティール製品。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の溶接されたスティール製
    品であって、 前記凝固クラッキングの実質的な原因となる濃度を有す
    る前記元素は、炭素、マンガン、リン、イオウ、珪素、
    ホウ素、チタン及びそれらの組み合わせからなる群のメ
    ンバであるスティール製品。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の溶接されたスティール製
    品であって、 前記第1及び第2のスティール部材は、その部材を溶接
    スケジュールの改変なしに、許容し難い溶接割れを生ず
    ることなく他方に溶接することができないように改変す
    る組成をそれぞれ有している、 スティール製品。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の溶接されたスティール製
    品であって、 前記スティール部材のそれぞれが、同じ組成を有してい
    る、 スティール製品。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の溶接されたスティール製
    品であって、 前記第1及び第2のスティール部材のそれぞれは、前記
    凝固クラッキングの実質的な原因となるような濃度を有
    する少なくとも一つの前記元素をそれぞれ包含する異な
    る組成を有しているスティール製品。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の溶接されたスティール製
    品であって、 前記充填材組成は、前記第1のスティール部材の組成か
    らの少なくとも一つの前記元素と、前記第2のスティー
    ル部材の組成からの少なくとも一つの前記元素とを希釈
    するための手段を有している、 スティール製品。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の溶接されたスティール
    製品であって、 前記スティール部材のそれぞれは、同じ組成を有してい
    る、 スティール製品。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の溶接されたスティール
    製品であって、 前記スティール部材のそれぞれは、前記凝固クラッキン
    グの実質的な原因となる濃度を有する少なくとも一つの
    元素を有し、 前記充填材組成は、前記第1のスティール部材の組成か
    らの少なくとも一つの前記元素と、前記第2のスティー
    ル部材の組成からの少なくとも一つの前記元素とを希釈
    するための手段を有している、 スティール製品。
  12. 【請求項12】 許容し難い溶接割れを生ずるのに充分
    な程度の凝固クラッキングが実質的に存在しない溶接部
    分を有する抵抗溶接された製品の製造方法であって、該
    方法が、 それぞれ平坦な形状であり第1の部分を有する第1及び
    第2のスティール部材を提供し、 溶接ステーションにおいて、前記スティール部材の一方
    の前記第1の部分を、他方のスティール部材の前記第1
    の部分に重なる関係で位置させ、 前記重畳された第1の部分は前記スティール部材の相互
    の重畳部分の面積を規定し、 充填材を提供し、 前記溶接ステーションにおいて、前記2つのスティール
    部材の前記第1の部分の間に前記充填材を挟み、 前記充填材は、以下の特徴の組み合わせ(a)又は(b) (a) 前記充填材は、挿入体の形状であり、該挿入体は
    粋な鉄又は空孔のないスティールからなり、前記2つの
    スティール部材と前記挿入体との合計の厚さの5%より
    実質的に大きく、前記挿入体は実質的に平坦であり、前
    記挿入体の全体が前記スティール部材の重畳された前記
    第1の部分の間に挟まれて前記重畳部分によって規定さ
    れる重なりより小さい面積を占める; (b) 前記充填材は、前記溶接位置で前記スティール部材
    の一方の表面に付着した金属化層の形状であり、純粋な
    からなり、前記2つのスティール部材と前記金属化層
    との合計の厚さの5%より大きい; の一つを有し、 前記第1及び第2のスティール部材は、前記部材が単に
    互いに抵抗溶接されたとき、溶接部に許容し難い溶接割
    れを生ずるのに充分な程度で凝固クラッキングを生じ得
    るそれぞれのスティール組成を有し、 前記スティール組成の少なくとも一方は、少なくとも一
    つが前記凝固クラッキングの実質的な原因となっている
    元素の組み合わせを有し、 前記充填材は、前記スティール部材の組成とは異なる組
    成を有し、前記スティール部材の組成と混合されたと
    き、単に前記スティール部材によるのではなく、溶接部
    組成を改変し、実質的に前記凝固クラッキングを減少さ
    せて、許容し得る溶接割れを生ずる溶接部を提供し、 前記充填材組成は、前記溶接ステーションにおいて、前
    記抵抗溶接の工程の間、前記充填材組成を前記スティー
    ル部材の組成と混合され、及び前記溶接部において、前
    記スティール組成の少なくとも前記一つの元素の濃度を
    希釈する組成を採用し、その元素の凝固クラッキングへ
    の寄与を実質的に低減させる、 溶接された製品の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の方法であって、 前記充填材が挿入体であり、前記挿入物の厚さは、前記
    合計の厚さの少なくとも約8%である、 溶接された製品の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項13載の方法であって、 前記挿入物の厚さは、前記合計の厚さの約35%までで
    ある、 溶接された製品の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項12記載の方法であって、 前記充填材は、前記合計の厚さの約6〜8%の厚さを有
    している金属化層である溶接された製品の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項12記載の方法であって、 前記凝固クラッキングの実質的な原因となる濃度を有す
    る前記元素は、炭素、マンガン、リン、イオウ、珪素、
    ホウ素、チタン及びそれらの組み合わせからなる群のメ
    ンバである、 溶接された製品の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の方法であって、 前記第1及び第2のスティール部材は、その部材を溶接
    スケジュールの改変なしに、許容し難い溶接割れを生ず
    ることなく他方に溶接することができないように改変す
    る組成をそれぞれ有している、 溶接された製品の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の方法であって、 前記スティール部材のそれぞれが、同じ組成を有してい
    る、 溶接された製品の製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項16記載の方法であって、 前記第1及び第2のスティール部材のそれぞれは、前記
    凝固クラッキングの実質的な原因となるような濃度を有
    する少なくとも一つの前記元素をそれぞれ包含する異な
    る組成を有している溶接された製品の製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項19記載の方法であって、 前記充填材組成は、前記第1のスティール部材の組成か
    らの少なくとも一つの前記元素と、前記第2のスティー
    ル部材の組成からの少なくとも一つの前記元素とを希釈
    するように用いられている溶接された製品の製造方法。
  21. 【請求項21】 請求項19記載の方法であって、 前記スティール部材の少なくとも一方が、適切に改変さ
    れた溶接スケジュールを採用することにより、許容し難
    い溶接割れを生ずることなく、他方のスティール部材に
    溶接され得るような組成を有し、 前記方法は、前記充填材がなければ許容し難い溶接割れ
    を生ずるであろう溶接スケジュールを採用している、 溶接された製品の製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項12記載の方法であって、 前記スティール部材は、適切に改変された溶接スケジュ
    ールを採用することにより、許容し難い溶接割れを生ず
    ることなく互いに溶接され得るそれぞれのスティール組
    成を有し、 前記方法は、前記充填材がなければ許容し難い溶接割れ
    を生ずるであろう溶接スケジュールを採用している、 溶接された製品の製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項22記載の方法であって、 前記スティール部材は、それぞれ同じ組成を有してい
    る、 溶接された製品の製造方法。
  24. 【請求項24】 請求項12記載の方法であって、 前記スティール部材のそれぞれは、同じ組成を有してい
    る、 溶接された製品の製造方法。
  25. 【請求項25】 請求項12記載の方法であって、 前記スティール部材のそれぞれは、前記凝固クラッキン
    グの実質的な原因となる濃度を有する少なくとも一つの
    元素を有し、 前記充填材組成は、前記第1のスティール部材の組成か
    らの少なくとも一つの前記元素と、前記第2のスティー
    ル部材の組成からの少なくとも一つの前記元素とを希釈
    するように用いられている溶接された製品の製造方法。
  26. 【請求項26】 請求項5記載の溶接されたスティール
    製品であって、前記各スティール部材は以下の2つのグ
    ループ(i)又は(ii) (i)前記充填材がなければ、溶接スケジュールに改変
    を加えないで、前記スティール部材を同じグループのも
    う一方のスティール部材に、広範囲の凝固クラッキング
    及び許容し難い溶接割れを生ずることなく、溶接するこ
    とを不可能にする高張力鋼組成; (ii)前記充填材がなければ、適切に改変された溶接
    スケジュールを採用することにより、前記スティール部
    材を同じグループのもう一方のスティール部材に、広範
    囲の凝固クラッキング及び許容し難い溶接割れを生ずる
    ことなく、溶接することを可能にするリン再添加スティ
    ール組成; のうちの一つの組成を有しているスティール製品。
  27. 【請求項27】 請求項26記載の溶接されたスティー
    ル製品であって、 前記スティール部材のそれぞれがグループ(i)の組成
    を有しているスティール製品。
  28. 【請求項28】 請求項26記載の溶接されたスティー
    ル製品であって、 前記スティール部材のそれぞれがグループ(ii)の組
    成を有しているスティール製品。
  29. 【請求項29】 請求項26記載の溶接されたスティー
    ル製品であって、 前記スティール部材の一方がグループ(i)の組成を有
    し、前記スティール部材の他方がグループ(ii)の組
    成を有しているスティール製品。
  30. 【請求項30】 請求項16記載の方法であって、前記
    各スティール部材は以下の2つのグループ(i)又は
    (ii) (i)前記充填材がなければ、溶接スケジュールに改変
    を加えないで、前記スティール部材を同じグループのも
    う一方のスティール部材に、広範囲の凝固クラッキング
    及び許容し難い溶接割れを生ずることなく、溶接するこ
    とを不可能にする高張力鋼組成; (ii)前記充填材がなければ、適切に改変された溶接
    スケジュールを採用することにより、前記スティール部
    材を同じグループのもう一方のスティール部材に、広範
    囲の凝固クラッキング及び許容し難い溶接割れを生ずる
    ことなく、溶接することを可能にするリン再添加スティ
    ール組成; のうちの一つの組成を有し、 前記方法は、前記充填材がなければ広範囲の凝固クラッ
    キング及び許容し難い溶接割れを生ずるであろう溶接ス
    ケジュールを採用することを包含している方法。
  31. 【請求項31】 請求項30記載の方法であって、 前記スティール部材のそれぞれがグループ(i)の組成
    を有している方法。
  32. 【請求項32】 請求項30記載の方法であって、 前記スティール部材のそれぞれがグループ(ii)の組
    成を有している方法。
  33. 【請求項33】 請求項30記載の方法であって、 前記スティール部材の一方がグループ(i)の組成を有
    し、前記スティール部材の他方がグループ(ii)の組
    成を有している方法。
  34. 【請求項34】 請求項1記載の溶接されたスティール
    製品であって、前記充填材は前記挿入体であり、該挿入
    体は空孔のないスティールからなるスティール製品。
  35. 【請求項35】 請求項1記載の溶接されたスティール
    製品であって、前記充填材は前記金属化層であるスティ
    ール製品。
  36. 【請求項36】 請求項16記載の方法であって、前記
    充填材は前記挿入体であり、該挿入体は空孔のないステ
    ィールからなる方法。
  37. 【請求項37】 請求項16記載の方法であって、前記
    充填材は前記金属化層である方法。
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