JP2001085066A - 非水電解液電池 - Google Patents
非水電解液電池Info
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Abstract
る未反応の負極成分を負極集電体から確実に切り離すこ
とができ、しかも容量の損失の少ない非水電解液電池を
提供する。 【解決手段】 負極、正極およびセパレータが、前記負
極が正極の外側に配されるように、渦巻き状に巻回され
て電極組立体を形成した非水電解液電池で、前記正極の
巻終端が電気絶縁部材で覆われ、前記負極の巻終端近傍
に設けた負極集電体が前記正極の前記電気絶縁部材で覆
われた部分より巻終端側に位置し、かつ前記正極の巻終
端近傍の部分とその内側に位置する負極との間に反応抑
制層が介在し、これによって前記正極の巻終端近傍の部
分は、実質的にその外側のみが負極と反応するようにさ
れている。
Description
性軽金属からなる帯状の負極、帯状の正極、および両電
極間に介在するセパレータが、負極が正極の外側に配さ
れるように、渦巻き状に巻回された電極組立体を備えた
非水電解液電池に関する。さらに詳しくは、放電終了時
に、負極集電体が電極組立体の最外周に残存する負極軽
金属から切り離されるようにした非水電解液電池に関す
る。
とし、酸化物などを正極活物質とする非水電解液電池
は、高電圧および高エネルギー密度を有すると共に自己
放電が少なく、しかも、極めて長い貯蔵寿命を有するな
ど、他の一次電池にない種々の特長を備えていることか
ら、近年において急速に需要が拡大して、多くの電子機
器に使用されている。
負極と帯状の正極とをそれらの間にセパレータを介在し
て、負極が正極の外側に配されるように、渦巻き状に巻
回した電極組立体を備えている。渦巻き状電極組立体の
最外周に位置する負極は、その内側のみが正極と対向し
ているから、渦巻きの内側部分にあって両面を正極で挟
まれた部分に比べて消耗割合は少ない。負極の集電体が
渦巻き状電極組立体の最外周に位置し、負極の巻終端が
正極のそれより巻き方向に若干進んだ位置にあると、負
極軽金属を十分に利用した放電容量を得ることはでき
る。しかし、そのような構造であると、電池が放電末期
の状態になっても、活性な軽金属が負極集電体と電気的
接触を保ったまま残存することとなる。
電池あるいは新品の電池と直列に接続されるなどによ
り、強制的に放電させられると、負極の軽金属は、溶解
して正極に電析することなる。このような強制的な放電
が続くと、正極側に電析した金属がセパレータを突き破
り、内部短絡に至る。内部短絡が起こると、その短絡し
た部分に集中して大電流が流れ、それにより急激な温度
上昇が生じる。また、内部短絡が起きた際にガスが充満
した電池内にスパークが発生すると、このスパークが着
火源となって電池の発火を引き起こす危惧がある。
に防止するために、図10に示したように、負極集電体
96を負極93の巻終端部93aから1周以上内周側
に、すなわち巻始側に配設し、かつ正極92の巻終端部
92aは、渦巻の内側の負極とのみ反応する構成とする
提案がなされている。この構成によると、図11に示す
ように、放電末期には、最外周に残存する負極金属93
bが集電体96から切り離される(特開平5−1308
9号公報に記載)。
となった正極、負極およびセパレータを自動巻き装置に
より重ね合わせながら渦巻き状に巻回して電極組立体を
作製する際、正極の巻終端部が、巻内側の負極とのみ反
応するように、負極の巻終端の位置を設定し、巻外側の
負極と対向しない正極部分を常に確保することは非常に
困難である。また、負極集電体を負極の巻終端より一周
以上内側に配設することにより、放電末期に、最外周側
の負極金属を負極集電体から切り離すことは、放電可能
な負極活物質が残存しているのにかかわらず電池の使用
を不可能にすることであり、放電容量の低下につなが
る。
な従来の非水電解液電池の不都合を解消しようとするも
のである。本発明は、放電末期に強制的に放電された場
合、残存する未反応の負極活物質を負極集電体から確実
に切り離す機能を備え、かつ放電容量を向上した非水電
解液電池を提供することを目的とする。
は、軽金属からなる負極、正極、両電極間に挿入された
セパレータ、有機電解液、およびこれらを収容する電池
ケースを具備し、前記負極、正極およびセパレータが、
前記負極が正極の外側に配されるように、渦巻き状に巻
回されて電極組立体を形成し、前記正極の巻終端が電気
絶縁部材で覆われ、前記負極の巻終端近傍に設けた負極
集電体が前記正極の前記電気絶縁部材で覆われた部分よ
り巻終端側に位置し、かつ前記正極の巻終端近傍の部分
とその内側に位置する負極との間に反応抑制層が介在
し、これによって前記正極の巻終端近傍の部分は、実質
的にその外側のみが負極と反応するようにされている。
は、前記反応抑制層と対向する部位において、その内面
側の負極に比べて、その外面側の負極との反応を優先し
て行う。このために、放電末期の段階では、前記正極の
特定部位と対向する外面側の負極部位において、消耗が
早く進み、その消耗部分より巻始側の負極金属は集電体
から切り離される。負極集電体は、負極の巻終端近傍に
配置されているから、前記のように、巻始側の負極金属
から切り離された段階では、なお集電体に接触状態で残
存する負極金属は極僅かであり、負極容量を十分に活用
することが可能となる。
は、上記のように、渦巻き状電極組立体は、負極が正極
の外側に配されるように構成されている。そして、前記
正極の巻終端が電気絶縁部材で覆われ、前記負極の巻終
端近傍に設けた負極集電体が前記正極の前記電気絶縁部
材で覆われた部分より巻終端側に位置し、かつ前記正極
の巻終端近傍の部分とその内側に位置する負極との間に
反応抑制層が介在し、これによって前記正極の巻終端近
傍の部分は、実質的にその外側のみが負極と反応するよ
うにされている。
記反応抑制層は、前記正極の巻終端近傍の内側に設けら
れている。本発明の好ましい他の実施の形態において、
前記反応抑制層は、前記正極の巻終端近傍の部分と対向
している内側の負極の外側に設けられている。負極集電
体は、負極の巻終端に位置するのが好ましい。ここに用
いる電気絶縁部材は、正極の巻終端を被覆し、正極合剤
が欠けて脱落したり、正極の切断面に露出する集電体の
バリがセパレータを突き破ったりするのを防止する役目
を有する。従って、電気絶縁性を有すれば網目状のもの
や不織布でもよい。好ましい材料は、イオン不透過性の
ものである。代表的には、絶縁テープとして知られてい
るポリプロピレン、アラミド樹脂、ポリエステルなどの
合成樹脂テープあるいはガラスクロステープである。粘
着剤を有するものが好ましい。ここに用いる正極とその
内側の負極との反応を抑制する前記反応抑制層は、イオ
ンを透過しにくいものであればよい。イオン不透過性
で、電気絶縁性のものが好ましい。前記絶縁テープと同
様のものが好ましく用いられる。上記の電気絶縁部材お
よび反応抑制層は、いずれも耐電解液性であることが好
ましい。
いて、軽金属からなる負極、正極、両電極間に挿入され
たセパレータ、有機電解液、およびこれらを収容する電
池ケースを具備し、前記負極、正極およびセパレータ
が、前記負極が正極の外側に配されるように、渦巻き状
に巻回されて電極組立体を形成し、前記正極の巻終端が
イオン不透過性で電気絶縁性の第1のフィルムで覆わ
れ、前記負極の巻終端近傍に設けた負極集電体が前記正
極の前記第1のフィルムで覆われた部分より巻終端側に
位置し、かつ前記正極の巻終端近傍の部分の内側を、イ
オン不透過性で電気絶縁性の第2のフィルムにより前記
第1のフィルムとの間に隙間をあけずに連続して覆い、
これによって前記正極の巻終端近傍の部分は、実質的に
その外側のみが負極と反応するようにされている。本発
明の好ましい実施態様において、前記第1のフィルムの
端部が前記第2のフィルムの端部を覆っている。本発明
の他の実施態様において、前記第2のフィルムが前記第
1のフィルムの端部の延長部で構成されている。
いては、軽金属からなる負極、正極、両電極間に挿入さ
れたセパレータ、有機電解液、およびこれらを収容する
電池ケースを具備し、前記負極、正極およびセパレータ
が、前記負極が正極の外側に配されるように、渦巻き状
に巻回されて電極組立体を形成し、前記正極の巻終端が
イオン不透過性で電気絶縁性の第1のフィルムで覆わ
れ、前記負極の巻終端近傍に設けた負極集電体が前記正
極の前記第1のフィルムで覆われた部分より巻終端側に
位置し、かつ前記正極の巻終端近傍の部分の内側に位置
する負極の前記正極と対向する部分を、イオン不透過性
で電気絶縁性の第2のフィルムにより覆い、これによっ
て前記正極の巻終端近傍の部分は、実質的にその外側の
みが負極と反応するようにされている。以下、本発明の
好ましい実施の形態について図面を参照しながら説明す
る。なお、図面は概略を示すものであって、特に電極組
立体の各要素の相対的なサイズや位置は必ずしも正確で
はない。
係る非水電解液電池の縦断面図であり、図2はその電極
組立体の横断面図である。10は非水電解液電池を表し
ている。鉄製の有底円筒状電池ケース20は、負極端子
を兼ねており、その内部には、渦巻き状に巻回された電
極組立体11が、負極活物質となる軽金属に対し安定な
有機電解液と共に収納されている。ケース20の上部開
口端部は、封口体23の周縁部にパッキング27を介し
てかしめることにより、ケースは液密、かつ気密に封口
されている。封口体23は、上蓋24、金属薄膜からな
る弁体25および下蓋26により構成されている。
状の正極12と、微孔性ポリプロピレンフィルムからな
るセパレータ14と、リチウムシートからなる帯状の負
極13とを順次重ね合わせ、これらを負極13が正極1
2の外側に配されるように、渦巻き状に巻回されて構成
されている。正極12は、活物質の二酸化マンガン10
0重量部に導電剤の炭素粉末7重量部および結着剤のフ
ッ素樹脂粉末7重量部を混合した合剤を、集電体のステ
ンレス鋼のエキスパンドメタルに充填し、ローラでプレ
スした後、所定の寸法に切断したものである。正極に
は、合剤の一部を剥離し、露出したエキスパンドメタル
にステンレス鋼製の正極リード端子15を溶接により取
り付けている。負極13は、その巻終端のリチウムシー
トの表面に圧着した負極集電体16を有している。この
負極集電体16は、ニッケルまたは鉄・ニッケルクラッ
ド材からなるシートに、エンボス加工により粗面化処理
をしたものである。正極のリード端子取り付け部および
負極の集電体取り付け部は、図には明示していないが、
いずれも表裏両面に、粘着剤を塗工した絶縁テープが貼
りつけられている。
正極シートを個々の正極に切断した際に形成された集電
体のバリがセパレータを突き破って短絡を生じるのを防
止するための絶縁フィルム17が張り付けられている。
絶縁フィルム17の、正極の内側を覆う部分17bは、
正極12の外側を覆う部分17aより、電極の巻き方向
と反対方向に長くしている。従って、内側を覆う部分1
7bのうち、外側を覆う部分17aより電極の巻き方向
と反対方向に延びている部分17cは、正極の反応を抑
制する層として働く。すなわち、正極12の巻終端12
a近傍において、図3の12xで示される部分は、その
外面のみが負極と対向している。
は、その上部および下部にそれぞれ絶縁板21および2
2を配して電池ケース20へ挿入される。負極集電体1
6から一体に延びたリード片16aは、電極組立体11
の下部に配した絶縁板22の下面に折り曲げられてい
る。この負極リードは、電極組立体11の中心部の孔お
よび絶縁板22の中央孔に挿入した溶接用電極によっ
て、電池ケース20の底部へ溶接される。一方、正極1
2のリード片15は、絶縁板21の中央孔をとおして下
蓋26に導き、そこへ溶接により接続される。電池ケー
ス内へ適量の電解液を注入した後、電池ケースの上方に
設けた段部20a上に、周縁部にパッキングを装着した
封口体23をのせ、ケースの上端部を内方へかしめるこ
とにより、ケース20の開口部は液密かつ気密に密閉さ
れる。なお、段部20aは、ケース20内へ電極組立体
11を挿入後、ケースの外側に溝入れ加工をすることに
より、形成される。こうして電池の組み立てが完了す
る。
て、正極12は、図3に示すように、その巻終端12a
の内外面が1枚の絶縁フィルム17により被覆されてい
る。この絶縁フィルムは、厚さ0.085mmのアラミ
ド樹脂フィルムの片面にシリコーン系粘着剤を塗布した
ものである。従って、正極合剤が欠けて脱落したり、正
極の切断面に露出する集電体のバリがセパレータを突き
破ったりするのを防止することができる。絶縁フィルム
17のうち正極の内面を覆う部分17bは、正極の外面
を覆う部分17aより17cの部分だけ長い。そのため
正極の巻終端側では、12xの部分は、正極の外側に位
置する負極とのみ反応する。この12xの部分と対向す
る負極部分を13xとする。この例では、絶縁フィルム
17は、正極の外面を幅約3mmだけ覆い、内面側は幅
8mm覆っている。19は負極の集電体16を覆う絶縁
フィルムを表す。
て、強制的に放電させられると、負極13は、正極の部
分12xと対向する部分13xが他の部分より激しく反
応する。このため、13xの部分の軽金属の消耗が早く
進むから、部分13xより巻始側の負極金属13bは、
図8に示すように、部分13xにおいて集電体16から
切り離されることとなる。集電体16と切り離された負
極軽金属は、もはや反応しないから、正極上へ析出する
ことはない。したがって、内部短絡やそれによる種々の
トラブルを発生することがない。
に、絶縁フィルム17により覆われているから、負極と
は反応しない。この巻終端12aに隣接する部分12x
は、放電反応の進行にともない吸蔵する軽金属イオンの
濃度が増加する。その結果、部分12xと12aでは軽
金属イオンの濃度差が生じる。この濃度差を解消するた
め、部分12xに吸蔵された軽金属イオンが12a側へ
拡散するが、その速度は非常に遅いから、部分12aへ
は、その12xとの界面部分から電解液中の軽金属イオ
ンを取り込むことになる。そうすると、電解液中の軽金
属イオン濃度が低下し、そのために、負極の部分13x
からの軽金属の溶出が加速され、負極の消耗がより早く
なる。このような負極の部分13xの早すぎる消耗を抑
制するには、正極の未反応部分とする12aの領域を縮
小するのが好ましい。一方、絶縁フィルム17は、正極
の端面のバリによる短絡や活物質の脱落を防止する役割
を担っている。正極の巻終端の未反応とする部分の領域
を縮小しようとすると、正極を覆う絶縁フィルム17の
部分17aの領域が縮小され、前記の短絡防止などの機
能を十分果たせなくなる。従って、絶縁フィルム17の
部分17aの幅は、前記の機能と上記に述べた負極の早
すぎる消耗を抑制する機能が両立するように設定され
る。
ィルムで被覆する構造の変形例を示す。この例では、正
極の反応を抑制するフィルム18と、正極の巻終端12
aを被覆するフィルム47とを分けている。従って、フ
ィルム47は、絶縁と合剤の脱落を防止するという目的
にかなえばよい。一方、フィルム18は、反応を抑制す
るものであるから、必ずしも絶縁性材料から作る必要は
ない。電気化学的に不活性な金属から作ってもよい。
ム57からできており、正極の外面を覆う部分57aに
は、切欠部57dが設けてあり、この切欠部57dに露
出する正極が、これと対向する負極13xと反応する。
正極の内面を覆う部分57bは、図6に示すように、正
極の外面を覆う部分57aと正極の下面でつながってい
る。この例では、正極の外面を幅3mmだけ覆ってお
り、切欠部57dの幅は約1mmである。この構成によ
ると、正極12の巻終端12aにおいて、外側の負極と
反応しないようにされた領域は、絶縁フィルム57aに
よって被覆された部分であるから、図3および図4に示
した構成に比べると、縮小されている。このため、負極
の部分13xの消耗が遅延され、早すぎる消耗を回避す
ることができる。絶縁フィルム57の部分57aは、内
側に折り返された57bとともに正極の上下端面をも被
覆して、正極端面のバリによる短絡や活物質の脱落を防
止する。正極12は、絶縁フィルム57の切欠部57d
に露出する部分12xが負極13xと対向する。負極1
3xは、正極12xおよびその上下と対向する部分が優
先的に消耗し、放電末期には集電体から切り離される。
図5の構成によると、正極の巻終端側において、外面の
みが負極と反応する領域および内外両面とも負極と反応
しない領域が最も小さくなっている。従って、最外周の
負極部分がより活用され、容量が増加する。
極の部分12xは絶縁フィルム17の存在により、内側
の負極とは全く反応せず、外側の負極部分13xとのみ
反応する。従って、負極部分13xの負極金属の消耗が
早すぎることがある。図7では、負極13xと正極12
xとの反応をある程度抑制するため、不織布からなる反
応制御層29を負極13の部分13x近傍を覆うように
配置している。反応制御層29は、図に点線で示したセ
パレータ14と負極13の間、特に負極の正極対向面に
圧着させるように配置するのが好ましい。この反応制御
層29によって、負極13から正極12への負極金属の
イオン、たとえばリチウムイオンの移動が制御ないし緩
和されるから、負極の部分13xの消耗速度が、反応制
御層29がない場合に比べて緩和される。そのため、部
分13xより巻始側の負極金属が、部分13xの早すぎ
る消耗のために、早期に集電体16から切り離されるこ
とがなくなる。図4および図5に示す構造においても、
反応制御層29を、負極の部分13xの正極の部分12
xと対向する部分を覆うように、配することができる。
これによって、負極金属の部分13xの早すぎる消耗を
避けることができる。ここに用いる負極の反応を制御す
る反応制御層は、先に述べた正極のその内側の負極との
反応を抑制する層に比べて、反応を抑制する程度は弱い
ものである。従って、イオン不透過性のものは不適当で
ある。
係る非水電解液電池の横断面図である。図9において、
図2と同一の符号は同一の要素を表している。この実施
の形態では、絶縁フィルム17は、正極12の巻終端1
2aを単に保護するよう、すなわち、内面を覆う部分と
外面を覆う部分は長さを同じにして、正極に接合されて
いるだけである。一方、負極13では、その最外周より
一周内側の外面に、補助絶縁テープ28を接合してい
る。
より一周内側の外面に接合された補助絶縁テープ28が
正極12の巻終端12a近傍の内面との間に介在してい
る。従って、正極12における補助絶縁テープ28と対
面している箇所では、このテープ28により負極13と
電気的に隔離され、恰も外面側のみが負極13と対面し
た状態になっている。負極13の前記正極と対向する部
分13xが、負極集電体16より巻内側へ僅かに進んだ
箇所に設定している。したがって、放電末期において強
制的に放電されたとき、負極13の特定部分13xが先
に消耗して、これによって残存する負極軽金属は集電体
から切り離される。
に、正極と負極は、それらが相対向する部分同士が反応
するものとして説明した。例えば、図3においては、正
極の部位12xと負極の部位13xとが直接的に反応す
るものと説明した。しかし、実際には、前記の反応に
は、部位12xに接する部位、および部位13xに接す
る部位が関与することは言うまでもない。
組み立てた。正極は、厚みが0.43mm、長さが23
0mm、高さが26mmであり、負極は厚みが0.17
mm、長さが260mm、高さ24mmである。正極1
2の巻終端を覆う絶縁フィルム17の、正極外面を覆う
部分17aの幅は3mm、正極内面を覆う部分の幅は8
mmである。
プ57の正極内面を覆う部分57bの幅は3mm、正極
外面を覆う部分57aの幅は3mmであるが、切欠部5
7dの幅は1mmで、高さは20mmである。
ピレンの繊維からなる目付重量18g/cm2、厚み8
0μmの不織布を長さ25mm、高さ24mmに切断し
たものを負極部分13xとセパレータとの間に介在させ
た他は実施例1と同様の電池を組み立てた。
電体96は、負極93の巻終端93aより1周内側に配
置している。正極92は、負極集電体と対向する部分よ
り巻終端92a側では、内側の負極とのみ対向するよう
にしている。すなわち、負極は、集電体の部分より1周
分だけ伸ばし、それより巻き進んだところでは、正極が
最外周となるようにしている。以上の構成で電池を組み
立てた。正極のサイズは実施例1のそれと同じである
が、負極は、厚みが0.17mm、長さが225mmで
ある。
負極の厚みを0.18mmとした他は比較例1と同じで
ある。
較例1および比較例2の非水電解液電池A、B、C、D
およびEについて、500mAの定電流で放電したとき
の放電カーブを図12に示す。図12から明らかなよう
に、電池A、DおよびEの比較では、電池Aは放電容量
が最も大きい。比較例1の電池Dでは、放電末期に、負
極金属を消耗させて集電体から切り離そうとする負極切
断部の両面に、正極が配置されている。一方、実施例1
の電池Aは、放電末期に、負極切断部となるところで
は、当該負極部分の内側にのみ正極が配置されている。
従って、電池Aは、電池Dに比べ、放電末期の比較的遅
い段階で、負極集電体が負極金属から切り離されること
になる。その結果、電池の放電容量は、電池Dより向上
している。また、比較例2の電池Eは、負極の厚みを大
きくし、負極金属が集電体から切り離されるのを遅らせ
るようにしている。しかし、電池Eでは、負極の厚みを
大きくした分正極の厚みを減少させることとなる。電池
Aは、電池Eと比較すると、正極厚みが大きい分放電容
量は大きくなっている。電池A、BおよびCの比較で
は、電池Bは、正極の負極とのみ対向する部分12xの
面積が電池Aのそれより小さくなっている。そのため負
極部分13xの消耗が遅延され、その分最外周に位置す
る負極部分がより活用されて、容量が大きくなってい
る。電池Cでは、正極12xと負極13xとの間に介在
する不織布によりリチウムイオンの移動が阻害され、さ
らに不織布が介在する分正負極の極間距離が大きくなっ
ている。そのため負極13xの消耗が遅延し、負極金属
が集電体から切り離されるタイミングが遅れ、その分容
量が大きくなっている。
制的に放電されたとき、残存する負極軽金属は、集電体
から完全に切り離される。従って、残存する負極金属が
正極上へ電析して内部短絡を生じるなどのトラブルがな
くなる。また、負極金属を集電体から切り離す部位は、
電極組立体の最外周に位置し、その内側のみが正極と対
向しているから、その切り離されるのは、放電末期の比
較的遅い段階である。従って、前記切り離しによって損
失となる負極金属量は少なく、容量の大きな電池となり
うる。負極集電体は、電極組立体の最外周において、正
極の巻終端より巻きの進行方向に位置するように設定さ
れる。そのためには、負極の長さを正極のそれに対して
十分長くすればよく、正・負極の相対的位置関係の確保
が容易である。
縦断面図である。
る。
す断面図である。
成を示す断面図である。
成を示す断面図である。
る。
る負極の展開図である。
の放電特性を示す図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 軽金属からなる負極、正極、両電極間に
挿入されたセパレータ、有機電解液、およびこれらを収
容する電池ケースを具備し、前記負極、正極およびセパ
レータが、前記負極が正極の外側に配されるように、渦
巻き状に巻回されて電極組立体を形成し、前記正極の巻
終端が電気絶縁部材で覆われ、前記負極の巻終端近傍に
設けた負極集電体が前記正極の前記電気絶縁部材で覆わ
れた部分より巻終端側に位置し、かつ前記正極の巻終端
近傍の部分とその内側に位置する負極との間に反応抑制
層が介在し、これによって前記正極の巻終端近傍の部分
は、実質的にその外側のみが負極と反応するようにされ
た非水電解液電池。 - 【請求項2】 前記反応抑制層が、前記正極の巻終端近
傍の内側に設けられた請求項1記載の非水電解液電池。 - 【請求項3】 前記反応抑制層が、前記正極の巻終端近
傍の部分と対向している内側の負極の外側に設けられた
請求項1記載の非水電解液電池。 - 【請求項4】 軽金属からなる負極、正極、両電極間に
挿入されたセパレータ、有機電解液、およびこれらを収
容する電池ケースを具備し、前記負極、正極およびセパ
レータが、前記負極が正極の外側に配されるように、渦
巻き状に巻回されて電極組立体を形成し、前記正極の巻
終端がイオン不透過性で電気絶縁性の第1のフィルムで
覆われ、前記負極の巻終端近傍に設けた負極集電体が前
記正極の前記第1のフィルムで覆われた部分より巻終端
側に位置し、かつ前記正極の巻終端近傍の部分の内側
を、イオン不透過性で電気絶縁性の第2のフィルムによ
り前記第1のフィルムとの間に隙間をあけずに連続して
覆い、これによって前記正極の巻終端近傍の部分は、実
質的にその外側のみが負極と反応するようにされた非水
電解液電池。 - 【請求項5】 前記第1のフィルムの端部が前記第2の
フィルムの端部を覆っている請求項4記載の非水電解液
電池。 - 【請求項6】 前記第2のフィルムが前記第1のフィル
ムの端部の延長部で構成された請求項4記載の非水電解
液電池。 - 【請求項7】 軽金属からなる負極、正極、両電極間に
挿入されたセパレータ、有機電解液、およびこれらを収
容する電池ケースを具備し、前記負極、正極およびセパ
レータが、前記負極が正極の外側に配されるように、渦
巻き状に巻回されて電極組立体を形成し、前記正極の巻
終端がイオン不透過性で電気絶縁性の第1のフィルムで
覆われ、前記負極の巻終端近傍に設けた負極集電体が前
記正極の前記第1のフィルムで覆われた部分より巻終端
側に位置し、かつ前記正極の巻終端近傍の部分の内側に
位置する負極の前記正極と対向する部分を、イオン不透
過性で電気絶縁性の第2のフィルムにより覆い、これに
よって前記正極の巻終端近傍の部分は、実質的にその外
側のみが負極と反応するようにされた非水電解液電池。 - 【請求項8】 軽金属からなる負極、正極、両電極間に
挿入されたセパレータ、有機電解液、およびこれらを収
容する電池ケースを具備し、前記負極、正極およびセパ
レータが、前記負極が正極の外側に配されるように、渦
巻き状に巻回されて電極組立体を形成し、前記正極の巻
終端の内外両面がイオン不透過性で電気絶縁性のフィル
ムでほぼ同じ幅だけ覆われ、前記負極の巻終端近傍に設
けた負極集電体が前記正極の前記フィルムで覆われた部
分より巻終端側に位置し、かつ前記正極の外側を覆う部
分には、巻始側を切欠いて正極を露出させる切欠部を設
け、これによって前記正極の巻終端近傍の部分は、実質
的にその外側のみが負極と反応するようにされた非水電
解液電池。 - 【請求項9】 負極集電体が、負極の巻終端に位置する
請求項4、7または8に記載の非水電解液電池。 - 【請求項10】 前記正極の巻終端近傍において、実質
的にその外側のみが負極と反応するようにされたその正
極部分と負極部分との間に、負極の反応を遅延する反応
制御層が介在された請求項4〜9のいずれかに記載の非
水電解液電池。
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