JP2001084641A - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

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JP2001084641A
JP2001084641A JP2000098261A JP2000098261A JP2001084641A JP 2001084641 A JP2001084641 A JP 2001084641A JP 2000098261 A JP2000098261 A JP 2000098261A JP 2000098261 A JP2000098261 A JP 2000098261A JP 2001084641 A JP2001084641 A JP 2001084641A
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JP2000098261A
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Toshio Ishida
寿男 石田
Kazuaki Taga
一晃 多賀
Yoshihisa Usami
由久 宇佐美
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 音質改善効果に優れる光情報記録媒体を提供
する。 【解決手段】 レーザ光により再生可能な情報が記録さ
れた記録部を備えた透明基板12上に、光反射層14が
設けられ、光情報記録媒体の重心が光情報記録媒体の中
心Cから光情報記録媒体の半径rの15%の範囲内に含
まれるように、密度1.4〜4.2g/cm3の材料か
らなるスタビライザー層16が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光情報記録媒体に関
し、特に、音楽用記録媒体として好適に使用される光情
報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ光等により再生または記録・再生
を行う光情報記録媒体は、光ディスクと称され、その中
でもオーディオ再生用であるコンパクトディスク(C
D)が広く知られている。また、追記型の光情報記録媒
体(CD−R)も実用化されている。これら光情報記録
媒体では、アナログ信号をデジタル信号に変換して記録
し、デジタル信号をアナログ信号に変換して再生するデ
ジタル記録再生方式を採用している。このデジタル記録
再生方式では、記録から再生までの間に誤りがあって
も、再生側で符号化されたパルス列さえ読み取ることが
できれば、誤りを補正して元のアナログ信号を再現する
ことができるため、従来、光情報記録媒体自身の構造が
記録再生特性に及ぼす影響は少ないものと考えられてい
た。
【0003】一方、少数ではあるが、光情報記録媒体の
構造が記録再生特性に及ぼす影響に着目したものもあ
る。例えば、特開平2−214078号公報には、光デ
ィスクの片面に振動を吸収・減衰するゴム等の軟質でフ
レキシブルな材料からなる層を被着し、軟質でフレキシ
ブルな材料によりディスクの固有振動数を吸収して、コ
ンパクトディスクの再生音質を改良する提案がなされて
いる。しかしながら、特開平2−214078号公報記
載の光ディスクでは、異なる周波数成分が発生するとい
う問題があり、必ずしも音質の改善を図れるものではな
い。また、ゴム等の材料をディスク表面に設けると重ね
て置いた場合にディスク同士が接着してしまう、表面の
筆記性がやや劣る、というディスク取り扱い上の問題も
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、CD−Rの普及
に伴いコピープロテクト等を施した音楽専用のCD−R
が開発されたことから、光情報記録媒体の構造と記録再
生特性、特に音質との関係が見直されている。従って、
本発明の目的は、音質改善効果に優れる光情報記録媒体
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の光情報記録媒体は、レーザ光により情報
が記録可能な光吸収層からなる記録部が設けられた透明
基板、及びレーザ光により再生可能な情報が記録された
記録部を備えた透明基板のいずれか一方の基板と、該い
ずれか一方の基板の記録部の上に設けられた光反射層
と、光情報記録媒体の重心が光情報記録媒体の中心から
光情報記録媒体の半径の15%の範囲内に含まれるよう
に、該光反射層上に設けられた、密度1.4〜4.2g
/cm3の材料からなるスタビライザー層と、を備えた
ことを特徴とする。
【0006】請求項1の光情報記録媒体では、スタビラ
イザー層を、密度1.4〜4.2g/cm3の他の材料
に比べ比較的重い材料から形成したことで、周波数分布
の中音域から低音域にかけてのバランスが良く、オーデ
ィオ的に好まれる安定した音を得ることができる。ま
た、スタビライザー層は、光情報記録媒体の重心が光情
報記録媒体の中心から光情報記録媒体半径の15%の範
囲内に含まれるように設けられるため、光情報記録媒体
を偏芯させることがない。このように音質が改善される
理由は定かではないが、スタビライザー層が光情報記録
媒体を垂直方向に押さえつけ、光情報記録媒体が安定し
た結果、回転時における振動が抑制され音質が改善され
るものと推定される。
【0007】請求項2の光情報記録媒体は、請求項1に
おいて、前記スタビライザー層が、光情報記録媒体の中
心から光情報記録媒体の半径の50%の範囲の外側の領
域に設けられたことを特徴とする。請求項2の光情報記
録媒体では、前記スタビライザー層を、光情報記録媒体
の中心から光情報記録媒体の半径の50%の範囲の外側
の領域、即ち外周に設けたことで、音源から左右方向へ
の広がりがある音場を形成する音を得ることができ、よ
り一層音質が改善される。
【0008】請求項3の光情報記録媒体は、請求項1ま
たは2において、前記スタビライザー層と前記光反射層
との間に着色剤層が設けられ、該着色剤層は400〜5
60nmの帯域に最大反射波長がある着色剤を含有する
ことを特徴とする。現在使用されている記録再生装置の
記録再生光の波長は780nmであり、前記スタビライ
ザー層と前記光反射層との間に設けられた着色剤層が、
この光に対して補色効果のある400〜560nmの帯
域に最大反射波長がある着色剤を含有することで、音の
クリアネスが向上し、より一層音質が改善される。この
ように音のクリアネスが向上する理由は定かではない
が、着色剤層が光反射層からの散乱光を吸収し、散乱光
による記録再生時の書き込みあるいは読み取りの誤差が
減少するためであると考えられる。
【0009】請求項4の光情報記録媒体は、請求項3に
おいて、前記スタビライザー層の厚さが前記着色剤層の
厚さの1.5倍以上であることを特徴とする。
【0010】請求項5の光情報記録媒体は、請求項1〜
4のいずれか1項において、前記透明基板は、200n
mから再生波長より50nm短い波長までの波長域の光
に対する平均透過率が50%以下となるように光透過率
が調整されていることを特徴とする。請求項5の光情報
記録媒体では、前記スタビライザー層を設けると共に、
200nmから再生波長より50nm短い波長までの波
長域の光に対する平均透過率が50%以下となるように
光透過率が調整されている特殊な透明基板を用いたこと
により、より一層音質が改善されると共に、音質改善効
果を長期間維持することができる。このように音質が改
善される理由は定かではないが、200nmから再生波
長より50nm短い波長までの波長域の光に対する平均
透過率を50%以下と低くしたことにより、再生時に再
生光以外の光がディテクタに到達せず、ノイズが低減さ
れることにより、より音質が改善されると考えられる。
また、光情報記録媒体の耐光性が向上して音質改善効果
が長期間維持されると考えられる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光情報記録媒体に
ついて詳細に説明する。
【0012】まず、本発明の光情報記録媒体の構造につ
いて説明する。本発明の光情報記録媒体を、再生専用の
光情報記録媒体であるCDに適用する場合には、図1に
示すように、レーザ光により再生可能な情報が記録され
た円盤状の透明基板12上に、少なくとも光反射層14
及びスタビライザー層16をこの順に設けた構造とす
る。また、本発明の光情報記録媒体を、追記型の光情報
記録媒体であるCD−Rや書き換え可能な光情報記録媒
体であるCD−RWに適用する場合には、図2に示すよ
うに、プレグルーブが形成された円盤状の透明基板18
上に、少なくともレーザ光により情報を記録可能な光吸
収層20、光反射層14、及びスタビライザー層16を
この順に設けた構造とする。また、図3(A)及び
(B)に示すように、光反射層14とスタビライザー層
16との間に着色剤層24を設けることにより、より一
層の音質の改善を図ることができる。さらに必要に応じ
て、保護層や中間層を設けてもよい。以下、各層につい
て詳細に説明する。
【0013】スタビライザー層16は、密度1.4〜
4.2g/cm3の材料から形成される。材料の密度が
1.4g/cm3未満では、聴覚により認識される程度
の音質改善効果を得ることができず、材料の密度が4.
2g/cm3を超えると、回転時に光情報記録媒体にか
かる負荷が大きくなりすぎる。材料の密度は1.4〜
3.0g/cm3が好ましく、1.4〜2.0g/cm3
がより好ましい。スタビライザー層16の材料として
は、上記密度範囲にある限り、SiO、SiO2、Mg
2、SnO2、Si34、TiO2、BaO2等の無機物
質、並びに熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及びUV硬化
性樹脂等の有機物質のいずれをも用いることができる。
この中でも、比重が大きく密度の調整が容易である点
で、チタン化合物が好ましく、TiO2が特に好まし
い。また、これらの材料は単独で用いてもよく2種以上
混合して用いてもよい。
【0014】上記スタビライザー層16は、例えば、そ
の材料にTiO2、BaO2等の無機物質を用いる場合に
は、これらの無機物質をUV硬化性樹脂等のバインダー
樹脂中に分散し、無機物質を分散したバインダー樹脂を
スクリーン印刷等により光反射層14上に塗布すること
で形成することができる。このとき、無機物質とバイン
ダー樹脂との混合比率は、スタビライザー層16を構成
する材料が所望の密度となるように適宜決定される。ま
た、無機物質を分散したバインダー樹脂を押出加工でフ
ィルムとした後に、このフィルムを接着剤を介して光反
射層上にラミネートすることによっても、スタビライザ
ー層16を形成することができる。また、無機物質を直
接、真空蒸着、スパッタリング等により光反射層14上
に蒸着し、スタビライザー層16を形成してもよい。
【0015】また、スタビライザー層16は、その材料
に熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を用いる場合には、これ
らを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、この
塗布液をスクリーン印刷等により光反射層14上に塗布
し、乾燥することによって形成することができる。特
に、紫外線(UV)硬化性樹脂を用いる場合には、この
樹脂をそのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を
調製した後、この塗布液を光反射層14上に塗布し、U
V光を照射して塗布膜を硬化させることによっても、ス
タビライザー層16を形成することができる。なお、デ
ィスクの反りを防止するため、UV硬化性樹脂は硬化収
縮率の小さいものが好ましい。
【0016】上記スタビライザー層16は、図1〜図3
に示すように、光反射層14の全表面を覆うように設け
てもよく、図4(A)〜(C)に模式的に、図6(A)
〜(C)により具体的に示すように、光反射層14の一
部の表面に設けてもよい。図4(A)及び図6(A)で
は、スタビライザー層16が光反射層14表面の外周部
全周に設けられており、図4(B)及び図6(B)で
は、スタビライザー層16が光反射層14表面の外周部
の一部に設けられており、図4(C)及び図6(C)で
は、光反射層14表面を点Cを中心に等分割した一部に
ついて、スタビライザー層16が外周部から内周部まで
設けられている。
【0017】いずれの場合にも、偏芯を避けるために、
図5に示すように、光情報記録媒体の重心Gが、光情報
記録媒体の中心C(円盤状の光情報記録媒体の円の中
心)から光情報記録媒体の半径rの15%の範囲内(斜
線部分)に含まれるように、スタビライザー層16が設
けられる。重心Gの位置は、中心Cから光情報記録媒体
の半径rの12%の範囲内が好ましく、10%の範囲内
がより好ましい。例えば、CD、CD−R、CD−RW
の場合は、光情報記録媒体の半径rは通常6cmである
ため、中心Cから半径9mm以内、好ましくは半径7.
2mm以内、より好ましくは半径6.0mm以内に重心
Gが含まれるように、スタビライザー層16が設けられ
る。
【0018】また、上記スタビライザー層16が設けら
れる位置は、スピーカ等の音源からの音の広がり方に影
響する。スタビライザー層16を光反射層14の全表面
に設けた場合には、音が全方向へ広がるのに対し、図4
(A)及び図6(A)に示すようにスタビライザー層1
6を光反射層14表面の外周部に設けた場合には、音は
左右方向へ広がる。このように左右方向に広がる音をス
ピーカ等の音源の構造により得ることは難しく、音楽的
には左右方向へ広がる音が求められている。このためス
タビライザー層16は、光反射層14表面の外周部に設
けることが好ましく、光情報記録媒体の中心Cから光情
報記録媒体の半径rの50%の範囲の外側の領域に設け
ることが好ましく、光情報記録媒体の半径rの54%の
範囲の外側の領域がより好ましく、光情報記録媒体の半
径rの60%の範囲の外側の領域がさらに好ましい。例
えば、CD、CD−R、CD−RWの場合は、中心Cか
ら半径3cmの範囲の外側の領域に設けることが好まし
く、中心Cから半径3.24cmの範囲の外側の領域が
より好ましく、中心Cから半径3.6cmの範囲の外側
の領域がさらに好ましい。
【0019】また、上記スタビライザー層16の厚さ
は、光情報記録媒体全体に0.001〜5.0g程度の
質量が付加されるように、材料の密度及びスタビライザ
ー層16が設けられる光反射層14の表面部分の面積を
勘案して決定されるが、1〜300μmの範囲とするこ
とが好ましく、3〜200μmの範囲とすることがより
好ましい。なお、後述する着色剤層24の厚さの1.5
〜6倍とすることが好ましい。また、スタビライザー層
16にも、後述する着色剤層24と同様に、400〜5
60nmの帯域に最大反射波長がある着色剤を含有させ
ることが好ましい。
【0020】着色剤層24は、400〜560nmの帯
域に最大反射波長がある着色剤を含有する。着色剤は顔
料でも染料でもよいが、外観上、有色透明インキを用い
て着色を行うのが好ましい。有色透明インキを用い、有
色透明インキを塗布した部分での400〜700nm波
長領域の光に対する平均正反射率を3〜80%の範囲に
することで、光ディスク自体が有する金属光沢と光回折
効果に基づく虹色の反射特性を利用することができる。
ここで、有色透明インキとは、顔料インキのように光拡
散性が高く正反射率がほぼ零のインキ以外のインキを意
味し、無色透明のものは除かれる。本発明の有色透明イ
ンキとしては、UV硬化性インキが好ましい。なお、吸
収波長の異なる2以上の有色透明インキを用いた場合、
これを重ねて塗布することにより、レーベル等が印刷さ
れる光情報記録媒体の記録光、再生光入射側とは反対側
の表面での反射光の波長スペクトルを調整することもで
きる。例えば、黄色透明インキを塗布した部分に重ねて
青色透明インキを塗布した場合には、減色法による混色
により重なり部分は緑色に発色する。また、着色剤層2
4の厚さは、1〜20μmの範囲とすることが好まし
く、5〜10μmの範囲とすることがより好ましい。
【0021】透明基板12及び18は、円盤状の透明樹
脂板であり、ここでいう「透明」とは、再生光に対して
透明であること、または記録光及び再生光に対して透明
であることを意味する。基板材料としては、例えばポリ
カーボネート;ポリメチルメタクリレート等のアクリル
樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビ
ニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィ
ン、ガラス、およびポリエステルなどを挙げることがで
き、所望によりそれらを併用してもよい。上記材料の中
では、耐湿性、寸法安定性および価格などの点からアモ
ルファスポリオレフィン、ポリカーボネートが好まし
く、ポリカーボネートが特に好ましい。また、透明基板
12及び18の厚さは、1.2±0.2mmとすること
が好ましい。
【0022】CDに適用される光情報記録媒体の透明基
板12には、射出成形等により、トラッキング用の案内
溝またはデジタル信号等の情報を表わす凹凸(ピット)
が予め形成されている。また、CD−R、CD−RWに
適用される光情報記録媒体の透明基板18には、トラッ
キング用の案内溝またはアドレス信号等の情報を表わす
凹凸(プリグルーブ)が形成されている。これらプリグ
ルーブの平均ピッチは0.1〜50μmの範囲が好まし
く、より好ましくは0.2〜30μm、さらに好ましく
は0.3〜10μmである。また、プリグルーブの平均
深さは10〜5000nmの範囲が好ましく、より好ま
しくは30〜3000μm、さらに好ましくは50〜1
000μmである。
【0023】なお、オーディオ用CD−R、CD−RW
の場合には、プリグルーブにオーディオ用であることを
識別するためのアプリケーションコードがウォブルとし
て予め記録されている。
【0024】また、再生波長より短波長の光に対する透
過率の低い透明基板12及び18を用いることにより、
より一層の音質の改善を図ることができる。具体的に
は、透明基板12及び18の200nmから再生波長よ
り50nm短い波長までの波長域の光に対する平均透過
率を、50%以下、好ましくは40%以下、より好まし
くは30%以下とすることにより、一層の音質の改善が
図られると共に、長期間に渡り高い音質を維持すること
ができる。例えば、CD、CD−R、CD−RWでは、
再生波長は一般に780nmであり、200〜730n
mの波長域の光に対する平均透過率を50%以下とし、
DVD、DVD−R、DVD−RWでは、再生波長は一
般に650nmであり、200〜600nmの波長域の
光に対する平均透過率を50%以下とする。このような
透明基板12及び18の光透過率の調整は、透明基板1
2及び18を顔料または染料等の着色剤を用いて着色す
ることにより行うことができる。具体的には、着色剤の
基板への配合量を適宜変えることにより透明基板12及
び18の光透過率を調整することができる。
【0025】透明基板12及び18は、例えば、透明基
板12及び18の成形時に基板材料であるポリカーボネ
ート等の樹脂に着色剤を混入することにより着色するこ
とができるし、成形後の透明基板12及び18に染料を
含浸させる等して着色することもできる。また、基板材
料である樹脂に着色剤を混入する場合には、直接、着色
剤を基板材料である樹脂に混入してもよいが、マスター
バッチと称される予め着色剤の混入された樹脂ペレット
を、基板材料である樹脂に混入するようにしてもよい。
【0026】透明基板12及び18の着色に使用する着
色剤、マスターバッチは、特に制限は無く、再生光の波
長に応じて、200nmから再生波長より50nm短い
波長までの波長域に吸収を有する既存の顔料や染料、ま
たはこれらを含有するマスターバッチを適宜選択するこ
とができる。これら着色剤は単独で用いても良く、2以
上を組み合わせて用いてもよい。また、褪色防止の目的
から、これらの顔料または染料は耐光性や耐熱性に優れ
るものが好ましい。また、後述する記録層色素は一般に
は不安定であるが、基板中で安定に存在させることが可
能であれば、記録層色素と同種の色素等も使用すること
ができる。透明基板12及び18中の着色剤の含有量
は、0.1〜20重量%が好ましく、0.5〜10重量
%が好ましい。少な過ぎると着色剤が基板中に均一に混
合せず、また多過ぎるとマスターバッチの使用量が多く
なって製造工程が大がかりなものになり、製造コストが
上昇するので好ましくない。また、記録光や再生光の透
過を妨げないように、記録波長及び再生波長から50n
m以内に着色剤による吸収が存在しないことが好まし
く、100nm以内に着色剤による吸収が存在しないこ
とがより好ましい。
【0027】また、透明基板12及び18の光透過率の
調整は、透明基板12及び18表面に着色剤を含有する
光透過率調整層を設けることにより行ってもよい。光透
過率調整層は、形成の容易さから透明基板12及び18
の記録光、再生光が入射する側の面に設けるのが好まし
いが、透明基板12及び18の反対側の面に設けること
もできる。光透過率調整層は、上記の着色剤と結合剤と
を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製した
後、この塗布液をスピンコートなどの塗布法を利用して
基板表面に塗布することにより形成することができる。
光透過率調整層の厚さは、0.5〜30μmの範囲が好
ましく、1〜10μmの範囲がより好ましい。
【0028】光反射層14は、反射率の向上の目的で基
板上に設けられる。また、後述する光吸収層20が設け
られる場合には光反射層14は光吸収層20の上に設け
られる。光反射層14の材料は、レーザ光に対する反射
率が高い光反射性物質であればよく、その材料の反射率
が30%以上あることが好ましく、50%以上がより好
ましく、70%以上がさらに好ましい。その例として
は、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、T
a、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、
Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Z
n、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、P
b、Po、Sn、Biなどの金属及び半金属あるいはス
テンレス鋼を挙げることができる。これらのうちで好ま
しいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、A
l及びステンレス鋼である。これらの物質は単独で用い
てもよく、二種以上の組み合わせて用いてもよい。ま
た、合金として用いることもできる。光反射層14の材
料としては、Au、Ag、Alもしくはその合金が特に
好ましい。光反射層14は、例えば、上記光反射性物質
を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングす
ることにより形成することができる。光反射層14の厚
さは、一般的には10〜800nmの範囲であり、好ま
しくは20〜500nmの範囲、更に好ましくは50〜
300nmの範囲である。
【0029】追記型の光情報記録媒体には、透明基板1
8と光反射層14との間に、光吸収層20が設けられ
る。光吸収層20は、色素により記録を行う色素記録
層、相変化により記録を行う相変化記録層、光磁気によ
り記録を行う光磁気記録層のいずれでもよいが、形成が
容易で安定性に優れる点で、色素記録層が好ましい。
【0030】この色素記録層に用いる色素は、特に限定
されず、使用可能な色素の例としては、シアニン系色
素、フタロシアニン系色素、イミダゾキノキサリン系色
素、ピリリウム系・チオピリリウム系色素、アズレニウ
ム系色素、スクワリリウム系色素、Ni、Crなどの金
属錯塩系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系
色素、インドフェノール系色素、インドアニリン系色
素、トリフェニルメタン系色素、メロシアニン系色素、
オキソノール系色素、アミニウム系・ジインモニウム系
色素及びニトロソ化合物を挙げることができる。
【0031】上記色素記録層は、色素を適当な溶剤に溶
解した溶液を塗布することにより形成される。塗布液中
の色素の濃度は、一般に0.01〜15重量%の範囲で
あり、好ましくは0.1〜10重量%の範囲、特に好ま
しくは0.5〜5重量%の範囲、最も好ましくは0.5
〜3重量%の範囲である。色素記録層を形成するための
塗布液の溶剤の例としては、酢酸ブチル、セロソルブア
セテートなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロ
ヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジ
クロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム
などの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのア
ミド;シクロヘキサンなどの炭化水素;テトラヒドロフ
ラン、エチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル;エ
タノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−
ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;
2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールなどのフ
ッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレング
リコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル
類などを挙げることができる。上記溶剤は使用する色素
の溶解性を考慮して単独または二種以上を適宜併用する
ことができる。好ましくは、2,2,3,3−テトラフ
ルオロプロパノールなどのフッ素系溶剤を使用する。ま
た、色素記録層の厚みは、一般に20〜500nmの範
囲であり、好ましくは50〜300nmの範囲である。
【0032】なお、色素記録層形成用の塗布液中には、
所望により退色防止剤や結合剤を添加してもよいし、更
に、目的に応じて、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、
そして潤滑剤など各種の添加剤を添加してもよい。退色
防止剤の代表的な例としては、ニトロソ化合物、金属錯
体、ジインモニウム塩、アミニウム塩を挙げることがで
きる。これらの例は、例えば、特開平2−300288
号、同3−224793号、及び同4−146189号
等の各公報に記載されている。結合剤の例としては、ゼ
ラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴ
ムなどの天然有機高分子物質;およびポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭
化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系
樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル
等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリ
エチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導
体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹
脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることがで
きる。結合剤を使用する場合に、結合剤の使用量は、色
素100重量部に対して一般に20重量部以下であり、
好ましくは10重量部以下、更に好ましくは5重量部以
下である。
【0033】また、光吸収層20が設けられる場合、透
明基板18の光吸収層20が設けられる側の表面には、
平面性の改善、接着力の向上、及び光吸収層の変質防止
などの目的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材
料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アク
リル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイ
ン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロール
アクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、
クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポ
リ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、
ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリカーボネート等の高分子物質;およびシランカ
ップリング剤などの表面改質剤を挙げることができる。
この下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解または分散
して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、
ディップコート、エクストルージョンコートなどの塗布
法を利用して基板表面に塗布することにより形成するこ
とができる。また、下塗層の厚さは、一般に0.005
〜20μmの範囲であり、好ましくは0.01〜10μ
mの範囲で設けられる。
【0034】また、光情報記録媒体の耐傷性、耐湿性を
高める等の理由から、光反射層14上に保護層を設ける
ことが好ましい。なお、保護層が設けられる場合には、
上述したスタビライザー層16及び着色剤層24はこの
保護層上に設けられる。この保護層に使用される材料と
しては、例えば、SiO、SiO2、MgF2、Sn
2、Si34等の無機物質、及び熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂、そしてUV硬化性樹脂等の有機物質を挙げる
ことができる。上記保護層は、例えば、プラスチックの
押出加工で得られたフィルムを接着剤を介して光反射層
上にラミネートすることにより形成することができる。
あるいは真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法によ
り設けられてもよい。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を
調製したのち、この塗布液を塗布し、乾燥することによ
っても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合に
は、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調
製したのちこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化
させることによっても形成することができる。これらの
塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収
剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。ま
た、保護層の厚さは、一般には0.1〜100μmの範
囲である。
【0035】図7及び図8に、本発明の光情報記録媒体
を、追記型の光情報記録媒体であるCD−Rに適用した
好適な態様を示す。
【0036】図7に示すCD−Rは、中心部にセンター
ホールが形成された円盤状の透明基板18、有機色素を
含む色素記録層からなる光吸収層20、光反射層14、
保護層26、着色剤層24、及びスタビライザー層16
から構成されており、この透明基板18上には、センタ
ーホールの周辺部分と透明基板18の外周縁部を除いた
所定半径範囲内の領域に、スパイラル状のプレグルーブ
が形成され、プレグルーブが形成された領域の上に光吸
収層20が設けられ、光吸収層20上には光吸収層20
を覆うように光反射層14が設けられ、光反射層14上
には光反射層14を覆うように保護層26が設けられて
いる。さらにこの保護層26上には、保護層26を覆う
ように着色剤層24が設けられ、着色剤層24表面の外
周部にはスタビライザー層16が設けられている。
【0037】また、図8に示すCD−Rは、スタビライ
ザー層16を、全面に、即ち着色剤層24を覆うように
設けたものであり、スタビライザー層16を全面に設け
た点以外は図7に示すCD−Rと同じ構成であるため、
同じ符号を付して説明を省略する。
【0038】また、本発明の光情報記録媒体を、より高
密度記録が可能なDVD、DVD−R、DVD−RW等
のDVD型の光情報記録媒体に適用することができる。
DVD型の光情報記録媒体は、透明基板に形成されるピ
ットあるいはプレグルーブのトラックピッチが狭いこと
以外は、基本的にはCD、CD−R、CD−RW等のC
D型の光情報記録媒体と同様の構成を有しており、上述
したのと同様にして、光反射層または保護層上にスタビ
ライザー層や着色層を設けることができる。
【0039】また、DVD−RやDVD−RWについて
は、少なくとも光吸収層が設けられた円盤状の透明基板
とこれと同じ大きさの保護基板とを、光吸収層側が内側
となるように接着剤等により貼り合わせた貼り合わせ構
造とすることができるが、この場合には、保護基板上に
スタビライザー層や着色層を設けることができる。な
お、貼り合わせ構造とする場合、透明基板の直径が12
0±3mmで厚みが0.6±0.1mmのものが一般に
用いられ、貼り合わせ後の光情報記録媒体の厚みが1.
2±0.2mmとなるように調整される。この貼り合わ
せは、保護層の形成に用いたUV硬化性樹脂を用いて行
ってもよいし、合成接着剤を用いて行ってもよい。ま
た、両面テープで貼り合わせることもできる。なお、透
明基板に形成されるピットあるいはプレグルーブのトラ
ックピッチは、一般に0.6〜0.9μmの範囲にあ
り、プレグルーブの深さは80〜300nmの範囲が好
ましく、100〜250nmの範囲がより好ましい。ま
た、プレグルーブの半値幅は、0.1〜0.5μmの範
囲にあることが好ましい。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 [実施例1〜10、比較例1〜3] (CD−Rディスクの作製)射出成形により表面にスパ
イラル状のプリグルーブ(トラックピッチ:1.6μ
m、プリグルーブ幅:0.4μm、プリグルーブの深
さ:0.16μm)が形成されたポリカーボネート基板
(直径:120mm、厚さ:1.2mm、帝人(株)
製、商品名:パンライトAD5503)を得た。下記に
示すインドレニン色素(A)2.65g、退色防止剤
(B)0.265g、及び結合剤(モートン社製、商品
名:CA−139)0.133gを、2,2,3,3−
テトラフルオロプロパノール100mlに、超音波振動
機(1800W)を用いて10時間かけて溶解し、記録
層形成用塗布液を調製した。
【0041】
【化1】
【0042】この塗布液を、上記のポリカーボネート基
板のプリグルーブ側の表面に、回転数を300rpm〜
4000rpmまで変化させながらスピンコートにより
塗布し、乾燥して、色素記録層(厚さ(プリグルーブ
内):約200nm)を形成した。色素記録層の形成条
件は、雰囲気の温度、湿度:23℃、50%RH、塗布
液の温度:23℃、基板の温度:23℃、排気風速:
0.1m/秒であった。次に、色素記録層上に、Agを
スパッタして膜厚150nmの光反射層を形成した。更
に光反射層上に、UV硬化性樹脂(商品名:SD−31
8、大日本インキ化学工業(株)製)を回転数を50r
pm〜5000rpmまで変化させながらスピンコート
により塗布した。塗布後、その上から高圧水銀灯により
紫外線を照射して硬化させ、厚さ8μmの保護層を形成
した。
【0043】以上の工程により、基板、色素記録層、光
反射層及び保護層からなるCD−R型の光情報記録媒体
(CD−Rディスク)を作製した。得られたCD−Rデ
ィスクの保護層上に、スタビライザー層、または着色剤
層及びスタビライザー層を下記に示す条件を種々変更し
て形成し、表1に示す実施例1〜10、比較例1〜3の
評価用CD−Rディスクを得た。重心の位置は中心の位
置に略一致した。なお、スタビライザー層が外周部に設
けられる場合は、CD−Rディスクの中心からCD−R
ディスク半径のr%の範囲の外側の領域全周にわたって
設けられている。
【0044】条件:着色剤の最大反射波長 着色剤層の有無、厚さ スタビライザー層材料の密度 スタビライザー層の位置 スタビライザー層の厚さ スタビライザー層の最大反射波長
【0045】
【表1】
【0046】得られた各CD−Rディスクに、市販のC
D−R用レコーダ(記録波長:780nm)を用いて下
記表2に示す9曲の楽曲を録音し、市販のCDプレーヤ
(再生波長:780nm)を用いて再生した音を4人の
音楽評論家に視聴させて、音の大小、音のクリアネス、
音色、及び音量、音場(音の広がり)の観点から音質を
評価した。着色剤層及びスタビライザー層のいずれも設
けられていないCD−Rディスクの評価を70点とし、
これを基準として、音質の明確な改善が見られる場合に
は80点以上、音質の著しい改善が見られる場合は90
点以上の評価点を付けた。評価結果を表1に併せて示
す。
【0047】
【表2】
【0048】表1から明らかなように、密度1.4〜
4.2g/cm3のスタビライザー層が設けられたCD
−Rディスクは、スタビライザー層が設けられていない
CD−Rディスクに比べて、総合的に良い音質評価を受
けた。また、スタビライザー層が外周に設けられたCD
−Rディスクはその中でも評価が高かった。また、スタ
ビライザー層に加え400〜560nmの帯域に最大反
射波長がある着色剤を含有する着色剤層が設けられたC
D−Rディスクは特に音質評価が高かった。 [実施例11〜14、比較例4]帝人(株)製の透明ポ
リカーボネートペレット「パンライトAD5503」
に、バイエル社製のマスターバッチ「Makrolon
DP1−1219」3.5重量%を配合した樹脂材料
を用いて、射出成形により、表面にスパイラル状のプレ
グルーブ(プレグルーブ幅:300nm、プレグルーブ
の深さ:150nm)を有し、黒く着色された着色基板
(A)(厚さ:0.6mm、内径:15mm、外径:1
20mm)を形成した。また、帝人(株)製の透明ポリ
カーボネートペレット「パンライトAD5503」に、
バイエル社製のマスターバッチ「Makrolon N
eon Red001」4.0重量%を配合した樹脂材
料を用いて、射出整形により、表面にスパイラル状のプ
レグルーブ(プレグルーブ幅:300nm、プレグルー
ブの深さ:150nm)を有し、紫色に着色された着色
基板(B)(厚さ:0.6mm、内径:15mm、外
径:120mm)を形成した。
【0049】得られた着色基板(A)の200〜730
nmの波長域の光に対する平均透過率は4%であり、着
色基板(B)の200〜730nmの波長域に対する平
均透過率は47%である。なお、着色しないポリカーボ
ネート製の透明基板の200〜730nmの波長域に対
する平均透過率は61%である。各基板の200〜80
0nmの波長域での透過スペクトルを図9に示す。着色
基板(A)の透過スペクトルを実線で表示し、着色基板
(B)の透過スペクトルを点線で表示し、着色しないポ
リカーボネート製の透明基板の透過スペクトルを一点鎖
線で表示する。図から分かるように、着色基板(B)は
400nm付近及び600nm付近の光透過し、200
〜730nmの波長域に対する平均透過率は上述の通り
47%である。
【0050】上記の着色基板(A)及び(B)を用い、
実施例1と同様にして基板、色素記録層、光反射層及び
保護層からなるCD−R型の光情報記録媒体(CD−R
ディスク)を作製し、得られたCD−Rディスクの保護
層上にスタビライザー層を条件を種々変更して形成し、
表1に示す実施例11〜14、比較例4の評価用CD−
Rディスクを得た。
【0051】得られた各CD−Rディスクに、市販のC
D−R用レコーダ(記録波長:780nm)を用いて下
記表2に示す9曲の楽曲を録音し、市販のCDプレーヤ
(再生波長:780nm)を用いて再生し、4人の音楽
評論家に視聴させ、実施例と同様にして音質を評価し
た。評価結果を表1に併せて示す。表1から明らかなよ
うに、密度1.4〜4.2g/cm3のスタビライザー
層が設けられ、且つ着色基板(A)または(B)を用い
たCD−Rディスクは、実施例6〜10の着色剤層が設
けられたCD−Rディスクと同様に、特に高い音質評価
を得ることができた。また、上記の録音済みの実施例1
1〜14のCD−Rディスクを、キセノンランプを備え
たフェードメータを用いて100時間光を照射した後
に、市販のCDプレーヤを用いて再生し、4人の音楽評
論家に視聴させ、実施例と同様にして音質を評価したと
ころ、音質は変化しておらず、良好な音質のまま保存さ
れていることが分かった。 [実施例15、16] (CDディスクの作製)表2に例示した9曲の各楽曲の
デジタル信号を、射出成形により基板表面にピットとし
て記録したポリカーボネート基板(直径:120mm、
厚さ:1.2mm、帝人(株)製、商品名:パンライト
AD5503)を得た。このポリカーボネート基板のピ
ットが形成された面上に、Agをスパッタして膜厚15
0nmの光反射層を形成した。更に光反射層上に、UV
硬化性樹脂(商品名:SD−310、大日本インキ化学
工業(株)製)を回転数を50rpm〜5000rpm
まで変化させながらスピンコートにより塗布した。塗布
後、その上から高圧水銀灯により紫外線を照射して硬化
させ、厚さ8μmの保護層を形成した。以上の工程によ
り、基板、光反射層及び保護層からなるCD型の光情報
記録媒体(CDディスク)を作製した。
【0052】得られたCDディスクの保護層上に、実施
例1と同様に種々条件を変更して、スタビライザー層、
または着色剤層及びスタビライザー層を形成し、表1に
示す実施例15、16の評価用CDディスクを得た。重
心の位置は中心の位置に略一致した。
【0053】得られた各CDディスクを市販のCDプレ
ーヤを用いて再生し、4人の音楽評論家に視聴させ、実
施例と同様にして音質を評価した。評価結果を表1に併
せて示す。表1から明らかなように、着色剤層に加え、
密度1.4〜4.2g/cm 3のスタビライザー層が外
周に設けられたCDディスクは高い評価を得た。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、音質改善効果に優れる
光情報記録媒体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光情報記録媒体の層構成の例を示す模
式断面図である。
【図2】本発明の光情報記録媒体の他の層構成の例を示
す模式断面図である。
【図3】(A)及び(B)は、本発明の光情報記録媒体
の他の層構成の例を示す模式断面図である。
【図4】(A)〜(C)は、本発明の光情報記録媒体の
スタビライザー層の位置を模式的に示す平面図である。
【図5】本発明の光情報記録媒体の重心の位置を示す模
式平面図である。
【図6】(A)〜(C)は、本発明の光情報記録媒体の
スタビライザー層の位置を示す平面図である。
【図7】本発明の光情報記録媒体をCD−Rに適用した
好適な態様の1例を示す斜視図である。
【図8】本発明の光情報記録媒体をCD−Rに適用した
好適な態様の他の例を示す斜視図である。
【図9】基板の透過スペクトルを示す線図である。
【符号の説明】 12、18 透明基板 14 光反射層 16 スタビライザー層 20 光吸収層 24 着色剤層 26 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇佐美 由久 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富 士写真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 5D029 KC04 LC01 LC08 NA11 NA27

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザ光により情報が記録可能な光吸収層
    からなる記録部が設けられた透明基板、及びレーザ光に
    より再生可能な情報が記録された記録部を備えた透明基
    板のいずれか一方の基板と、 該いずれか一方の基板の記録部の上に設けられた光反射
    層と、 光情報記録媒体の重心が光情報記録媒体の中心から光情
    報記録媒体の半径の15%の範囲内に含まれるように、
    該光反射層上に設けられた、密度1.4〜4.2g/c
    3の材料からなるスタビライザー層と、 を備えた光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】前記スタビライザー層が、光情報記録媒体
    の中心から光情報記録媒体の半径の50%の範囲の外側
    の領域に設けられた請求項1に記載の光情報記録媒体。
  3. 【請求項3】前記スタビライザー層と前記光反射層との
    間に着色剤層が設けられ、該着色剤層は400〜560
    nmの帯域に最大反射波長がある着色剤を含有する請求
    項1または2に記載の光情報記録媒体。
  4. 【請求項4】前記スタビライザー層の厚さが、前記着色
    剤層の厚さの1.5倍以上である請求項3に記載の光情
    報記録媒体。
  5. 【請求項5】前記透明基板は、200nmから再生波長
    より50nm短い波長までの波長域の光に対する平均透
    過率が50%以下となるように光透過率が調整されてい
    る請求項1〜4のいずれか1項に記載の光情報記録媒
    体。
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