JP2001084576A - 磁気テープ加工装置 - Google Patents

磁気テープ加工装置

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JP2001084576A
JP2001084576A JP25540799A JP25540799A JP2001084576A JP 2001084576 A JP2001084576 A JP 2001084576A JP 25540799 A JP25540799 A JP 25540799A JP 25540799 A JP25540799 A JP 25540799A JP 2001084576 A JP2001084576 A JP 2001084576A
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Japan
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tape
back layer
processing
magnetic tape
laser beam
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JP25540799A
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English (en)
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Hirokazu Ishii
啓員 石井
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高速搬送でもキャプスタンローラ等におけるス
リップを生じることがなく、その上、カッピングも小さ
い、優れた特性を有する磁気テープを、良好な製造効率
で製造することができ、しかも、作業環境も良好にでき
る磁気テープ加工装置を提供する。 【解決手段】1以上のレーザビームを所定の加工位置に
入射する光学系と、磁気テープを前記加工位置に保持し
つつ、バック層をレーザビーム入射側に向けた状態で長
手方向に搬送する搬送手段と、加工位置よりも磁気テー
プ搬送方向の下流において、磁気テープのバック層の表
面近傍を吸引する吸引手段とを有することにより、前記
課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報記録/読取に
用いられる磁気テープの技術分野に属し、詳しくは、磁
気テープの製造工程等において、高速で磁気テープを搬
送させてもスリップが発生せず、かつカッピングも小さ
い磁気テープを製造する、磁気テープ加工装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】情報の記録や読み取りに用いられる磁気
テープは、基本的に、PET(ポリエチレンテレフタレ
ート)等のフィルムであるベース層と、ベース層の一方
の面に形成される磁性体層と、搬送安定性や強度の向上
等を目的として、ベース層の磁性体層の逆面に形成され
るバック層等を有して構成される。
【0003】このような磁気テープの製造工程において
は、磁気テープ(以下、テープとする)は、長手方向に
搬送されつつ、スリッタによる裁断やブレード刃による
表面の清掃等の各種の処理を施されて、ハブ等に巻き取
られてパンケーキやカセットとされ、次工程や納入先に
送られるが、近年では、生産性を向上させるために、各
種の工程(ブレード機やワインダ機等の製造装置)にお
けるテープの搬送速度が高速化する傾向にある。
【0004】テープの搬送は、一般的に、テープをキャ
プスタンローラに巻き掛け、キャプスタンローラを回転
することによって行われる。ところが、テープの搬送速
度を速くすると、ブレード機等の製造装置において、テ
ープが空気を巻き込んで、キャプスタンローラ等でテー
プが浮かび、これによりテープがスリップして、正常な
搬送ができなくなってしまう場合がある。
【0005】その結果、テープがキャプスタンローラ、
ガイドローラ、ブレード刃等に衝突あるいは不適正に接
触し、テープやテープエッジの折れ、磁性体層等の磨耗
や剥離等のテープの損傷が発生し、得られたテープが製
品として不適正なものとなってしまう。また、テープの
製造装置には、必要に応じてテープの長さの測定するロ
ーラ(検尺ローラ)が装着されるが、ここでテープがス
リップすると、テープ長の測定に誤差が生じ、生産管理
も適正に行えなくなるという問題点もある。そのため、
要求される生産効率に良好に対応するように、テープの
製造におけるテープ搬送速度を高速化することが困難に
なっている。
【0006】また、テープが有する別の問題点として、
テープの幅方向のカール(湾曲)、いわゆるカッピング
が知られている。カッピングは、主に、磁性体層とバッ
ク層とで用いられるバインダの収縮率の違いによって生
じるが、カッピングが発生すると、製品としての磁気テ
ープの外観の低下; 記録ヘッドや読取ヘッドへの磁気
テープの当りが悪くなり記録誤差や読取誤差が生じる可
能性がある; 磁気テープのエッジにダメージが生じ易
く耐久性が低下する; 等、様々な問題が生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の問題点を解決することにあり、ブレード機や
ワインダ機等の磁気テープの製造装置において、テープ
の搬送速度を高速化してもキャプスタンローラ等におけ
るテープのスリップを生じることがなく、その上、カッ
ピングも小さい、優れた特性を有する磁気テープを、良
好な製造効率で製造することができ、しかも、磁気テー
プの加工によって作業環境に与える悪影響も、極めて少
ない磁気テープ加工装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、磁気テープのバック層を加工する1以上
のレーザビームを所定の加工位置に入射する光学系と、
磁気テープを前記加工位置に保持しつつ、バック層を前
記レーザビーム入射側に向けた状態で長手方向に搬送す
る搬送手段と、前記加工位置よりも磁気テープ搬送方向
の下流において、前記磁気テープのバック層の表面近傍
を吸引する吸引手段とを有することを特徴とする磁気テ
ープ加工装置を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気テープ加工装
置について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳
細に説明する。
【0010】本発明の磁気テープ加工装置(以下、加工
装置とする)によって加工される磁気テープは、PET
やアラミド樹脂等からなるベース層(ベースフィルム)
の一面に磁性体層を有し、ベース層の他方の面にバック
層(バックコート層)を有し、あるいはさらにオーバー
コート層(保護層)や下塗り層を有してなる、通常の層
構成を有する磁気テープで、本発明の加工装置によって
加工され、バック層に凹部(好ましくは溝)を形成され
る。
【0011】図1に、本発明の加工装置によって加工さ
れた、バック層に凹部を形成された磁気テープ(以下、
テープとする)のバック層の一例を概念的に示す。図1
(A)に示される例は、テープのバック層に、テープの
長手方向に延在する溝(加工線a)を複数本、形成した
例である。また、図1(B)に示される例は、図1
(A)に示される例において、バック層の加工を断続的
(あるいはパターン化)にして加工線を線分化(加工線
分b)した例である。
【0012】なお、このような凹部の形状(断面形状)
には特に限定はなく、例えば、矩形、三角形、半円(弓
型)等が例示される。このような形状は、バック層を加
工するレーザビームのビームスポット強度分布で調整し
てもよい。また、凹部の深さにも特に限定はなく、テー
プの強度等に応じて適宜決定すればよいが、良好な効果
を得るためには、凹部の深さは0.1μm以上とするの
が好ましく、特に、0.2μm以上とするのが好まし
い。さらに、凹部のサイズ(線幅)や形成密度にも、特
に限定はなく、テープの強度や幅(サイズ)等に応じて
適宜決定すればよく、例えば、幅が0.5inのテープ
に、図1に示されるような、長手方向に延在する加工線
等を形成する場合には、幅3μm〜10μm程度で、幅
方向に数本〜100本程度の加工線等を形成するのが好
ましい。
【0013】バック層にこのような凹部を有するテープ
は、高速搬送(走行)しても、テープによる空気の巻き
込みが少なく、また、空気を巻き込んだ場合でも、凹部
から好適に排除できる。そのため、ブレード機等のテー
プの製造装置でテープを高速搬送しても、キャプスタン
ローラ等でテープが浮き上がってスリップすることがな
く、これに起因する損傷や搬送長の誤差がない。そのた
め、このテープTを用いることにより、高速で正確なテ
ープ搬送を行って、適正な生産管理の下、適正品質の磁
気テープを、安定して高効率に製造することが可能にな
る。また、巻き取りの際にも、テープ間の空気を好適に
抜けるので、カートリッジやパンケーキに巻き取った際
の巻き姿も美しい。
【0014】さらに、バック層に凹部を有するこのテー
プは、カッピングも従来のテープに比して少なく、カッ
ピングに起因する外観低下、ヘッド当りの悪化、テープ
エッジのダメージ等も、従来のテープに比して大幅に低
減される。なお、バック層に凹部を形成することによ
り、カッピングが低減できる理由は明らかではないが、
前記バインダの収縮率差に起因してテープの幅方向で生
じる応力が凹部で寸断されるため、テープの幅方向に生
じる力が全体として小さくなり、その結果、カッピング
を防止できるものと考えられる。
【0015】図2に、このような凹部を有する(磁気)
テープを製造する、本発明の加工装置の概念図を示す。
図示例の加工装置10は、光源12、パルス変調器1
4、ミラー16、ビームエクスパンダ18、ビームプロ
ファイル成形器20および多眼レンズ22を有する光学
系と、テープ搬送手段24と、ガス除去手段26とを有
する。
【0016】このような加工装置10においては、テー
プ搬送手段24によって、テープTを所定の加工位置W
に位置して長手方向(図中矢印x方向)に搬送(走行)
しつつ、レーザビームを光学系によって加工位置Wに入
射する。ここで、テープTは、そのバック層を上方(レ
ーザビーム入射側)に向けて搬送されており、従って、
レーザビームによってテープTのバック層が加工され、
前述のようなテープTの長手方向に延在する加工線等が
形成される。
【0017】光源12は、テープTのバック層を加工す
るレーザビームを射出するものである。光源12には特
に限定は無く、バック層を加工可能な出力を有するレー
ザビームを射出可能なものであれば、各種のレーザビー
ム光源(レーザ発振器)が使用可能であり、好ましく
は、紫外域のレーザビームおよび可視域のレーザビーム
の少なくとも一方を射出できるものが使用される。加工
性の点では、波長の短いレーザビームの方が好ましく、
紫外域のレーザビームが最も良好であるが、コスト、安
全性、作業性等の点では可視域のレーザビームが好まし
い。具体的には、488nmや515nmのアルゴン
(イオン)レーザ、YAGレーザをSHG(Second Harm
onic Generation 二次高調波発生)素子で波長変換し
てなる532nmのレーザビームを射出する光源等が例
示される。
【0018】パルス変調器14は、図1(B)に示され
るような加工線分b等を形成するために、光源12から
射出されたレーザビームをパルス変調するものである。
従って、光源12が直接変調可能である場合や、図1
(A)に示されるような加工線aのみしか形成しない場
合には、パルス変調器14は不用である。パルス変調器
14としては、AOM(音響光学変調器)等の公知の変
調手段が利用可能である。また、変調により、加工線分
をパターン化してもよい。
【0019】レーザビームは、ミラー16で所定方向に
反射され、次いで、ビームエクスパンダ18に入射す
る。加工装置10は、1本のレーザビームを分割して、
テープTのバック層に加工線や加工線分(以下、両者を
まとめて加工線とする)を形成するが、効率の点で、テ
ープTの幅方向の全域に一度に加工線を形成可能である
のが好ましい。しかしながら、一般的に、光源12から
射出されるレーザビームの径は1mm前後であり、テー
プTはそれよりも太いので、そのままでは、幅方向全域
に加工を行うことはできない。そのため、加工装置10
では、ビームエクスパンダ18を配置し、光源12から
射出されたレーザビームを拡径する。例えば、光源12
から射出されるレーザビームの径が1mmで、テープT
の幅が0.5inである場合には、15倍〜20倍程度
にレーザビームを拡径すればよい。
【0020】ビームエクスパンダ18で拡径されたレー
ザビームは、次いで、ビームプロファイル成形器20
(以下、成形器20とする)に入射する。成形器20
は、レーザビームの強度をビームスポット全面でほぼ均
一にする、すなわち、レーザビームの強度分布をほぼ均
一化するものである。光源12から射出されるレーザビ
ームは、通常、ガウス分布のような強度分布を有するの
で、これを分割してテープTを加工すると、強度分布に
応じて加工線の深さが異なってしまう。そのため、図示
例では、成形器20を用いてレーザビームの強度分布を
均一にして、形成する加工線の深さを均一にしている。
なお、成形器20としては、各種の光学フィルタ、フレ
ネル回折を利用してビームプロファイルの成形を行うレ
ーザビームと同径のアパーチャ、多眼レンズ等が利用可
能である。
【0021】レーザビームは、次いで、多眼レンズ22
に入射する。多眼レンズ22は、マイクロボールレンズ
やセルフォックレンズを、その光軸をレーザビームに平
行として、光軸と直交する方向に多数配列したもので、
入射したレーザビームを、多数のレーザビームに分割し
て、所定の加工位置Wに入射、結像する。これにより、
レーザビームによってテープTのバック層を加工して、
加工線(凹部)を形成する。
【0022】図3に、その一例を光軸方向から見た際の
概略図を示す。図示例の多眼レンズ22は、一例とし
て、マイクロボールレンズやセルフォックレンズ(以
下、両者をまとめてレンズとする)を5個×5個で細密
状態に配列したもので、一点鎖線で示されるレンズの配
列線をテープTの搬送方向xおよび幅方向に対して若干
傾けた状態で配置される。これにより、テープTを長手
方向に一回搬送(1パス)するだけで、長手方向に延在
する計25本(列)の加工線が形成できる。
【0023】この系においては、搬送方向xとレンズの
配列線との角度を調整することにより、加工線の間隔を
調整できるが、効率良く加工線を形成するためには、こ
の角度は、各レンズの光軸(ビームウエストの中心)が
搬送方向xで重ならないように設定するのが好ましい。
【0024】なお、本発明の加工装置において、レーザ
ビームを加工位置W(テープTのバック層)に入射し
て、バック層を加工する光学系は、上述の例に限定はさ
れず、所定の加工位置に1本以上のレーザビーム、好ま
しくは複数本のレーザビーム、より好ましくは1本のレ
ーザビームを分割した複数本のレーザビームを入射、結
像(あるいは、ビームウエスト位置と加工位置とを一致
して入射)して、バック層を加工れきるものであれば、
各種の光学系が利用可能である。
【0025】一例として、図4に示される光学系が例示
される。この例は、前述の加工装置10において、多眼
レンズ22に代えて、ビームウエスト位置調整手段5
0、ビームスプリッタ52および収束レンズ54を用い
るものである。なお、図4においては、テープTは加工
位置Wにおいて紙面と垂直方向に搬送される。また、こ
の光学系では、成形器20やビームエクスパンダ18
は、必ずしも必要ではない。
【0026】レーザビームは、ビームウエスト位置調整
手段50によってビームウエスト位置を調整された後
に、ビームスプリッタ52によって形成する加工線の数
に応じてテープTの幅方向に分割(ビームNo.1〜ビ
ームNo.N)される。分割されたレーザビームは、収
束レンズ74によって収束・結像されて、加工位置Wに
位置されるテープTのバック層に入射する。これによ
り、先の例と同様に、分割されテープTのバック層に入
射したレーザビームの数に応じた、テープTの搬送方向
(長手方向)に延在する多数の加工線等が形成される。
なお、この光学系においては、各レーザビームは、ビー
ムウエスト位置が加工位置Wに来るように、ビームウエ
スト位置調整手段50によって調整される。
【0027】さらに、本発明の加工装置に利用される、
これら以外の光学系の例として、本出願人による特願平
11−112676号の明細書に開示される各種の光学
系が好ましく例示される。
【0028】加工装置10において、テープTは、搬送
装置24によって、バック層側(裏面側)をレーザビー
ム入射側(レーザビーム光路の上流側)に向けて、所定
の加工位置Wに位置されつつ、長手方向に搬送される
(搬送方向xと長手方向とを一致して、所定方向に搬送
される)。搬送手段24は、図示しないキャプスタンロ
ーラ、リワインダ、ワインダ等の搬送駆動手段と、ガイ
ドローラ28および32と、加工位置WをテープTの搬
送方向に挟んで配置される2枚のブレード(例えば、サ
ファイアブレード)30aおよび30bで構成される保
持手段とを有して構成される。また、加工位置Wの下流
(テープT搬送方向の下流)の、加工位置Wとガイドロ
ーラ32の間には、サクションドラム34と、内部を負
圧にされるケーシング36とを有して構成されるガス除
去手段26が配置される。
【0029】図示例の搬送手段24においては、保持手
段を構成する2枚のブレード30aおよび30bの頂部
を加工位置Wに位置し、ガイドローラ28によって下方
からブレード30aに至り、ブレード30aおよびブレ
ード30bの間で加工位置Wに保持され、ガイドローラ
32によってブレード30bから下方に進行するように
テープTの搬送経路を構成することにより、テープTを
保持手段によって下方から支持して、加工位置Wに保持
しつつ搬送する。なお、保持手段は、図示例のブレード
に限定されず、加工位置Wを挟んで配置される、下方か
らテープTを支持する2本のローラであってもよく、ロ
ーラとブレードとを組み合わせたものであってもよい。
【0030】前述のように、加工位置Wには、前述の光
学系によって、複数のレーザビームが入射、結像してい
る。従って、搬送装置24によって、バック層をレーザ
ビーム入射側に向けた状態で、加工位置Wに位置しつ
つ、テープTを長手方向に搬送することにより、テープ
Tのバック層には、長手方向に延在する加工線(凹部)
が形成され、図1に示される例であれば、一回の搬送
で、25本の加工線が形成される。
【0031】ところで、レーザビームを用いる本発明の
加工装置においては、レーザビームの熱加工、レーザビ
ームでのアブレーション(解離、遊離)による加工の両
者が複合的に発生して、バック層が加工されると考えら
れる。テープTのバック層は、通常、ポリ塩化ビニル、
(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル、ポリウレタ
ン、エポキシ樹脂等の結合剤(バインダ)、脂肪酸等の
潤滑剤、硬化剤、カーボンブラック等を混合/分散した
塗料を調整して、この塗料をテープTの裏面に塗布、乾
燥して、形成されるものである。そのため、レーザビー
ムによってバック層を加工して加工線を形成すると、結
合剤等の分解によって生成するガスや、粉塵が発生する
場合が、多々ある。また、これらのガスには、窒素酸化
物(NOX )やイソシアネート系ガス等の、人体に有害
で、作業環境の悪化を招く成分が含まれている場合もあ
る。
【0032】このようなガスに対する対策としては、加
工位置Wをケーシング等で囲って、内部を吸引して、発
生したガス等を排除、処理することが考えられる。しか
しながら、このようなテープTの加工装置Wにおいて
は、加工位置Wの周辺には、テープTの搬送手段、ガイ
ド部材、保持部材、テープTの搬送経路調整手段等、各
種の部材が配置される。そのため、加工位置Wを囲むケ
ーシングが大きくなってしまい、同一の換気回数とした
い場合には、大きな吸引手段が必要となり、装置コスト
や装置サイズ等の点で不利である。また、ケーシングの
中にガスが蔓延する結果となり、テープTがガスで汚染
される可能性もある。しかも、テープTはパンケーキ等
の巻回状態で、供給され、また、次工程に供給するのが
通常である。そのため、新規なパンケーキ等を装填する
際には、装填したパンケーキから巻取り芯までテープT
を通す、いわゆるテープパスが必要であり、加工位置W
をケーシング等で囲ってしまうと、テープパスがやりに
くくなり、作業性を大幅に低下する結果となる。
【0033】ここで、本発明者らの検討によれば、テー
プTのバック層の加工によって発生するガスは、加工位
置Wにおいて若干立ち昇るものの、ここで分散すること
はなく、テープTの進行方向が大きく変化しなければ、
大部分のガスがテープTの走行に引っ張られて、テープ
T上を搬送方向に層流状態かつ層状で移動し、徐々に大
気中に分散する(以下、剥離という)。従って、まだガ
スが層流状態である領域において、ガスを吸引すること
により、このガスを周囲に拡散することなく処理するこ
とが可能である。
【0034】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
のであって、加工位置Wの下流に、ガスを吸引除去する
吸引手段を設けることにより、バック層の加工によって
発生したガスを周辺に拡散することなく、高い効率で吸
引除去できる。また、吸引手段は、加工後にテープTの
バック層に最初に接触する部材よりも上流に配置するの
が好ましく、あるいはさらに、可能な限りテープTの搬
送経路変更位置の近傍(特に下流側)もしくは可能であ
れば搬送経路変更位置を覆って配置すると、より良好な
効果を得られる。そのため、本発明の加工装置では、加
工位置を囲むケーシングを用いなくても、バック層の加
工で発生するガス等を効率よく除去することができ、作
業環境の悪化を防止することができる。
【0035】図示例の加工装置10は、テープTのバッ
ク層の近傍に配置される吸引手段としてのサクションド
ラム34と、好ましい態様として配置されるケーシング
36とからなるガス除去手段26を、加工位置Wの下流
に配置し、テープTの搬送によってバック層上を層流状
態で移動してくるガスを、主にサクションドラム34に
よって吸引除去する。
【0036】サクションドラム34は、両端面が閉塞し
側面に多数の貫通孔を有する円筒状のドラムを、ブロワ
等の排気手段に接続され、かつドラム内部領域に吸気の
ための開口を有する管状の中心軸で回転自在に軸支して
なる、公知のサクションドラムである。サクションドラ
ム34(そのドラム)は、好ましくは、テープTの幅に
対して十分(テープTの全幅を覆う)な長さを有し、図
示例のようにテープTの搬送に対して逆方向(あるいは
順方向)に回転しつつ、側面の貫通孔から吸引を行っ
て、バック層に沿って移動するガスを吸引除去する。
【0037】サクションドラム34(側面)とバック層
との距離には特に限定はないが、搬送されるテープTの
搬送ブレ等に応じて、両者が接触しない範囲において、
可能な限りバック層の近傍に配置するのが好ましい。ま
た、サクションドラム34による吸引力にも特に限定は
なく、バック層表面のガスを吸引できる強さを、サクシ
ョンドラム34とバック層との距離等に応じて、適宜設
定すればよい。さらに、サクションドラム34の回転速
度にも特に限定はないが、サクションドラム34の回転
方向が逆方向である場合には、テープTの搬送速度の2
0%〜100%の周速とするのが好ましい。また、同回
転方向が順方向である場合には、テープTの搬送速度の
50%〜150%の周速とするのが好ましい。
【0038】図示例のガス除去手段26においては、好
ましい態様として、サクションドラム34は、バック層
に対向する面が開放し、内部が負圧にされるケーシング
36に収容されている。ケーシング36は、サクション
ドラム34で吸引しきれなかったガスを吸引除去するた
めに補助的に配置されるもので、吸引(排気)のための
ブロワ等に接続されるダクト等によって吸引されること
により、内部を負圧にされている。従って、このケーシ
ング36を有することにより、加工によって発生したガ
スを、より好適に吸引除去することができる。なお、ケ
ーシング36の負圧には特に限定はないが、最大で−1
kPa(−100mmAq)程度とすればよい。また、
ケーシング36は、ダクト等に接続しないで、サクショ
ンドラム34(本発明の吸引手段)で負圧にしてもよ
い。
【0039】なお、サクションドラム34やケーシング
で吸引除去されたガスの処理方法には特に限定はなく、
ガスに含まれる成分に応じた各種の方法が利用可能であ
るが、好ましい例として、サクションドラム34からの
吸引経路の途中に活性炭を用いたフィルタ部材を配置
し、ガスに含まれる各種の成分を活性炭で吸着除去する
方法が例示される。また、ガス成分を吸着した活性炭
は、高温(好ましくは、80℃以上)で加熱処理して、
ガス成分を分解するのが好ましい。
【0040】上記ガス除去手段26は、バック層の加工
によって発生したガスの吸引手段として、テープTのバ
ック層に近接して配置されるサクションドラム34を用
いているが、本発明はこれに限定はされず、吸引手段と
しては、各種のものが利用可能である。
【0041】好ましい一例として、図5に示されるよう
に、テープTのバック層を覆って、搬送方向に延在する
整流ガイド38と、この整流ガイド38の下流側の開放
端を覆って配置される吸引チャンバ40とを有する吸引
手段が例示される。整流ガイド38は、板状あるいは略
C字状(テープT幅方向断面)を有するものである。ま
た、吸引チャンバ40は、吸引(排気)のためのブロワ
等に接続されるダクト等によって吸引されて、内部を負
圧にされる公知のものである。この態様においては、バ
ック層の加工によって生じたガスを、バック層を覆う整
流ガイド38によって拡散しないようにして下流方向に
案内し、整流ガイド38の下流側開放端において、吸引
チャンバ40によって吸引、除去する。
【0042】整流ガイド38とバック層との間隔には特
に限定はないが、1mm〜5mm程度が好ましい。ま
た、吸引チャンバ40による吸引力にも特に限定はない
が、本発明者の検討によれば、チャンバ内が最大で−1
kPa(−100mmAq)程度の負圧となるように吸
引を行えば、好適にガスを吸引除去できる。さらに、本
態様においても、図中に点線で示されるように、この吸
引手段を覆って、内部が負圧にされるケーシングを補助
的に配置するのが好ましい。
【0043】図6に示される例は、バック層を覆って、
テープTの搬送方向に延在する吸引チャンバ42によっ
て、テープTの搬送によってバック層に沿って移動する
ガスを吸引除去するものである。吸引チャンバ42は、
前述の例と同様、公知の構成を有するものでよい。ま
た、吸引力には、特に限定はないが、本発明者の検討に
よれば、チャンバ内が最大で−1kPa(−100mm
Aq)程度負圧となるように吸引を行えば、好適にガス
を吸引除去できる。さらに、本態様においても、図中に
点線で示されるように、この吸引手段を覆って、内部が
負圧にされるケーシングを補助的に配置するのが好まし
い。
【0044】図7に、本発明の(磁気テープ)加工装置
の別の例を示す。図7において、(A)は部分概略斜視
図を、(B)は(A)のb−b線における線図的な部分
断面図を、(C)はこの加工装置をテープTの幅方向か
ら見た際におけるテープTの搬送経路を、それぞれ示
す。なお、(A)においては、構成を明瞭にするため
に、テープTは省略する。
【0045】図7に示される例は、遮光性でかつ側壁を
貫通する多数のアパーチャ82を有する円筒状のテープ
ガイド84用いるものである。図示例は、図1(B)に
示されるような加工線分bを形成するもので、テープガ
イド84の側面には、円周方向(後述する回転方向=テ
ープTの長手方向)に延在する短い線分状のアパーチャ
82が、円周方向および軸線方向に多数配列されてい
る。なお、本例においては、テープガイド84をガラス
等の透明な材料で形成し、マスキング等によってテープ
ガイド84を遮光性にし、かつアパーチャを形成しても
よい。
【0046】テープガイド84は底面をガイド支持体8
6によって、軸線(中心線)を中心に回転自在に支持さ
れ、後述するテープTの走行(あるいは、別途設けられ
る駆動源による回転)によって、テープTとスリップす
ることなく回転される。テープガイド84の内部には、
反射面を上に向けて45°の角度でミラー88が固定さ
れている。このミラー88は、テープガイド84と共に
回転しないように、公知の方法で固定される。
【0047】また、テープTのバック層を加工するレー
ザビームは、前述の各例と同様の光源(図示省略)から
射出され、シート状ビーム形成手段90によって、一方
向にのみ広げられ、シート状(面状)のレーザ光(以
下、シート光Sとする)とされる。なお、シート状ビー
ム形成手段90は、シリンドリカルレンズを組み合わせ
てレーザビームをシート光Sにする光学素子等、公知の
ものが各種利用可能である。このシート光Sは、テープ
ガイド84の軸と平行に進行して、テープガイド84の
内部に入射され、ミラー88によって90°光路を折り
曲げられて、テープガイド84の内側面に入射し、テー
プガイド84の軸線方向に延在する線(レーザ光による
線)を画成する。
【0048】本例においては、テープTは、前記内側面
へのシート光Sの入射位置に対応する位置を含むよう
に、図9(C)に示されるように、バック層をテープガ
イド84の外側面の一部に当接して(巻き掛けられ
て)、テープガイド84を軸線を中心に回転するように
長手方向に搬送される。なお、図9(B)においては、
作用を明瞭にするために、テープガイド84とテープT
とは離して示す。前述のように、テープガイドの側壁に
は、多数のアパーチャ82が形成されており、また、テ
ープガイド84の内側面には、シート状ビーム形成手段
90によってシート光Sにされて、ミラー88によって
90°反射された、テープガイド84の軸線方向に線を
形成するシート光が入射している。従って、シート光S
のうち、テープガイド84のアパーチャ82に入射した
領域が多数のレーザビームとして分割された状態とな
り、このレーザビームがテープTのバック層に入射して
加工を行い、例えば、図1(B)に示されるような加工
線分bを形成する。
【0049】バック層を加工されたテープTは、テープ
ガイド84からガイドローラ92に搬送される。ここ
で、テープガイド84とガイドローラ92の間のバック
層側には、前述の加工装置10と同様のガス除去手段2
6が配置されており、テープTの搬送によって引っ張ら
れて、バック層に沿って層流かつ層状態で移動してきた
ガスは、回転するサクションドラム34によって吸引、
除去される。また、サクションドラム34によって吸引
しきれなかったガスは、サクションドラム34を収容す
るケーシング36によって吸引され、除去される。な
お、この加工装置においても、前述の図5および図6に
示される各種の態様が利用可能であるのは、言うまでも
ない。
【0050】以上説明した、本発明によるテープTの加
工は、バック層を形成した後であれば、磁気テープ製造
工程のいつ行っても良く、例えば、スリッタによってテ
ープを製品幅に切断する前であっても、切断した後であ
ってもよい。
【0051】以上、本発明の磁気テープ加工装置につい
て詳細に説明したが、本発明は上述の例に限定はされ
ず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改
良や変更を行ってもよい。
【0052】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
磁気テープ加工装置によれば、搬送速度を高速化しても
キャプスタンローラ等でスリップすることがなく、従っ
て、高速で正確な搬送を行うことができ、しかも、カッ
ピングの少ない、優れた特性を有する磁気テープを、効
率良く得ることができる。しかも、本発明の加工装置に
よれば、テープのバック層の加工によって生じるガス等
も好適に処理して、作業環境を悪化することがない。こ
のような本発明の加工装置によって作製された磁気テー
プを用いることにより、ブレード機等の磁気テープの製
造装置において高速かつ正確なテープ搬送を行うことが
でき、その結果、適正な生産管理の下、損傷の無い磁気
テープを安定して高生産効率で製造でき、かつカートリ
ッジやパンケーキに巻き取った際の巻き姿も美しくで
き、かつ、カッピングに起因するテープの外観低下、ヘ
ッド当りの悪化、テープエッジの損傷等も防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)および(B)は、それぞれ本発明の磁
気テープ加工装置で加工された磁気テープのバック層の
一例を示す概念図である。
【図2】 本発明の磁気テープ加工装置の一例の概念図
である。
【図3】 図2に示される磁気テープ加工装置に用いら
れる多眼レンズを説明するための概念図である。
【図4】 本発明の磁気テープ加工装置の別の例の光学
系の概念図である。
【図5】 本発明の磁気テープ加工装置に用いられる吸
引手段の別の例を示す概念図である。
【図6】 本発明の磁気テープ加工装置に用いられる吸
引手段の別の例を示す概念図である。
【図7】 本発明の磁気テープ加工装置の別の例の概念
図であって、(A)は概略斜視図を、(B)は概略断面
図を、(C)はテープの幅方向から見た概念図を、それ
ぞれ示す。
【符号の説明】
10 加工装置 12 光源 14 パルス変調器 16 ミラー 18 ビームエクスパンダ 20 (ビームプロファイル)成形器 22 多眼レンズ 24 搬送手段 26 剥離手段 28,32,92 ガイドローラ 30a,30b ブレード 34 サクションローラ 36 ケーシング 38 整流ガイド 40,42 吸引チャンバ 50 ビームウエスト位置調整手段 52 ビームスプリッタ 54 収束レンズ 62 羽根車 64,66 フィン 68 気流変更部材 70 エアノズル 72 エアナイフ 82 アパーチャ 84 テープガイド 86 ガイド支持体 88 ミラー 90 シート状ビーム形成手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気テープのバック層を加工する1以上の
    レーザビームを所定の加工位置に入射する光学系と、磁
    気テープを前記加工位置に保持しつつ、バック層を前記
    レーザビーム入射側に向けた状態で長手方向に搬送する
    搬送手段と、前記加工位置よりも磁気テープ搬送方向の
    下流において、前記磁気テープのバック層の表面近傍を
    吸引する吸引手段とを有することを特徴とする磁気テー
    プ加工装置。
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