JP6602627B2 - インクジェット印刷装置およびインクジェット印刷方法 - Google Patents

インクジェット印刷装置およびインクジェット印刷方法 Download PDF

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本発明は、帯状の記録媒体を搬送しつつ記録媒体の記録面に向けてインクの液滴を吐出するインクジェット印刷の技術に関する。
従来、帯状の記録媒体を搬送しつつ、複数のヘッドからインクを吐出することにより、記録媒体の表面に画像を記録するインクジェット印刷装置が知られている。この種のインクジェット印刷装置では、紫外線等の活性エネルギーによって硬化するインクを用いる場合がある。インクジェット印刷装置は、当該インクを記録媒体に吐出した後、記録媒体に付着したインクに活性エネルギーを照射する。これにより、インクが硬化して、記録媒体に画像が記録される。このように、活性エネルギーを照射してインクを硬化させる場合、インク近傍の酸素の影響により、インクの硬化が阻害されることが知られている。したがって、インクを効率よく硬化させるためには、記録媒体表面の空気層を不活性ガス等によって置換して、インク近傍の酸素濃度を低減する必要がある。
このような記録媒体表面の酸素濃度を低減する技術については、例えば、特開2012−166538号公報に記載されている。当該文献に記載の活性エネルギー照射装置は、活性エネルギー線硬化型の材料が付与された媒体の表面近傍の気体境界層を剥離する気体吸引口を有する境界層剥離部と、気体境界層を剥離した後の媒体表面に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、媒体の表面に不活性ガスの層流を確保する層流確保部と、不活性ガスの層流を介して媒体の材料付与面に向けて活性エネルギー線を照射するエネルギー線照射部と、を備える。これにより、媒体上において局所的に酸素濃度を低減でき、活性エネルギー線硬化型の材料を効率的に硬化できる旨が記載されている。
特開2012−166538号公報
しかしながら、この種のインクジェット印刷装置では、ヘッドからインクを吐出する際に、インクの微細なミストが生じる。インクのミストは、記録媒体の表面で、酸素を含む空気層と混合層を形成する。そして、混合層は、記録媒体が搬送されると記録媒体の表面に粘性流を形成する。この粘性流を除去して、記録媒体の表面の空気層を不活性ガス層に置換することは、極めて難しい。
また、デジタル印刷機のように高速で印刷する場合、吐出ヘッドからのインクの吐出をスムーズにするために、インクを低粘度化する必要がある。このため、インクの硬化成分である硬化開始材を低減する必要がある。また、印刷用紙の搬送を高速で行う必要がある。この場合、記録媒体表面の空気層は、記録媒体の表面から、より離れにくくなる。したがって、特許文献1の構造を用いても、記録媒体の表面の空気層を不活性ガス層へと置換することは難しく、インクを効率よく硬化させることが困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、インクジェット印刷装置において、記録媒体表面の空気層を不活性ガス層に置換可能な技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、インクジェット印刷装置であって、帯状の記録媒体をその長手方向に沿う移動方向に搬送する搬送機構と、前記記録媒体の記録面に向けて、活性エネルギーの照射により硬化するインクの液滴を吐出する吐出ヘッドと、前記インクのミストを含む気体を吸引する吸引部と、前記吸引部から見て前記移動方向の下流側において、前記記録媒体の記録面に対して、不活性ガスを供給する供給口を有する供給部と、前記供給部から見て前記移動方向の下流側において、前記記録媒体の記録面に前記活性エネルギーを照射する照射部と、前記吸引部と前記供給部との間において、前記記録媒体の少なくとも記録面を覆うガイド部と、前記吐出ヘッドから見て前記移動方向の下流側において、前記記録媒体を前記記録面に対して反対側の方向へ曲げることにより、前記移動方向を第1方向から第2方向へ切り替える切替部と、を有し、前記ガイド部は、前記記録媒体の記録面との間に、前記供給から前記吸引部へと連通する第1流路を形成し、前記供給部は、前記第1流路へ向かう不活性ガスの流れを形成し、前記吸引部は、前記供給部から前記第1流路内へ供給された不活性ガスを吸引する。
本願の第2発明は、第1発明のインクジェット印刷装置であって、前記吸引部は、前記インクのミストを吸引するミスト吸引部と、前記供給部から供給される不活性ガスを吸引する不活性ガス吸引部と、を有し、前記ミスト吸引部は、前記第1方向に沿って前記インクのミストを含む気体を吸引する。
本願の第3発明は、第2発明のインクジェット印刷装置であって、前記不活性ガス吸引部の吸引圧力は、前記供給口からの供給圧力よりも大きい。
本願の第4発明は、第2発明または第3発明のインクジェット印刷装置であって、前記第1流路から、前記不活性ガス吸引部へと連通するバイパス流路をさらに有する。
本願の第5発明は、第4発明に記載のインクジェット印刷装置であって、前記バイパス流路は、前記供給部から見て前記第1流路に対して90度以上傾斜して接続される。
本願の第6発明は、第4発明または第5発明のインクジェット印刷装置であって、前記バイパス流路の断面積は、前記第1流路の断面積よりも大きい。
本願の第7発明は、第1発明から第6発明までのいずれか1つのインクジェット印刷装置であって、前記ガイド部は、前記記録媒体の記録面と対向する面に、凹凸部を有する。
本願の第8発明は、第7発明のインクジェット印刷装置であって、前記凹凸部は、前記記録媒体の記録面に対して、略垂直に凹む複数の凹部と、前記記録媒体の記録面に対して、略垂直に突出する複数の凸部と、を有し、前記凹部および前記凸部は、前記移動方向に沿って交互に配列される。
本願の第9発明は、第1発明から第8発明までのいずれか1つのインクジェット印刷装置であって、前記供給口は、前記記録媒体の記録面に対して、略垂直に不活性ガスを供給する。
本願の第10発明は、第1発明から第8発明までのいずれか1つのインクジェット印刷装置であって、前記供給部を構成する部材は、前記記録媒体の記録面との間に、前記照射部へと連通する第2流路を形成し、前記供給口は、前記第1流路へと向けて不活性ガスを供給する第1供給口と、前記第2流路へと向けて不活性ガスを供給する第2供給口と、を有する。
本願の第11発明は、第1発明から第10発明までのいずれか1つのインクジェット印刷装置であって、前記ガイド部は、前記記録媒体の記録面および裏面の双方を覆う。
本願の第12発明は、インクジェット印刷方法であって、a)帯状の記録媒体をその長手方向に沿う移動方向に搬送する工程と、b)吐出ヘッドから前記記録媒体の記録面に向けて、活性エネルギーの照射により硬化するインクの液滴を吐出する工程と、c)前記インクのミストを含む気体を吸引部により吸引する工程と、d)前記吸引部から見て前記移動方向の下流側に配置された供給部から、前記記録媒体の記録面に対して、不活性ガスを供給する工程と、e)前記供給部から見て前記移動方向の下流側において、前記活性エネルギーを照射する工程と、f)前記吐出ヘッドから見て前記移動方向の下流側において、前記記録媒体を前記記録面に対して反対側の方向へ曲げることにより、前記移動方向を切り替える工程と、を有し、前記吸引部と前記供給部との間に、前記記録媒体の少なくとも記録面を覆うガイド部が配置され、前記工程c)では、前記工程d)において供給され、前記記録媒体と前記ガイド部との間を通って前記吸引部へ向かう不活性ガスを吸引する。
本願の第13発明は、第12発明に記載のインクジェット印刷方法であって、前記工程c)では、前記工程f)において前記記録媒体の前記記録面から引き離された前記ミストを含む気体を吸引する。
本願の第14発明は、インクジェット印刷装置であって、帯状の記録媒体をその長手方向に沿う移動方向に搬送する搬送機構と、前記記録媒体の記録面に向けて、活性エネルギーの照射により硬化するインクの液滴を吐出する吐出ヘッドと、前記インクのミストを含む気体を吸引する吸引部と、前記吸引部から見て前記移動方向の下流側において、前記記録媒体の記録面に対して、不活性ガスを供給する供給口を有する供給部と、前記供給部から見て前記移動方向の下流側において、前記記録媒体の記録面に前記活性エネルギーを照射する照射部と、前記吸引部と前記供給部との間において、前記記録媒体の少なくとも記録面を覆うガイド部と、を有し、前記ガイド部は、前記記録媒体の記録面との間に、前記供給口から前記吸引部へと連通する第1流路を形成し、前記搬送機構は、前記記録媒体を繰り出す巻き出し部、前記記録媒体の記録面および裏面に接触するニップローラ、および、前記巻き出し部から繰り出された前記記録媒体を巻きとって回収する巻き取り部を含み、前記ニップローラの回転速度に対して前記巻き出し部の回転速度を調節し、前記供給部は、前記第1流路へ向かう不活性ガスの流れを形成し、前記吸引部は、前記供給部から前記第1流路内へ供給された不活性ガスを吸引する。
本願の第15発明は、インクジェット印刷装置であって、帯状の記録媒体をその長手方向に沿う移動方向に搬送する搬送機構と、前記記録媒体の記録面に向けて、活性エネルギーの照射により硬化するインクの液滴を吐出する吐出ヘッドと、前記インクのミストを含む気体を吸引する吸引部と、前記吸引部から見て前記移動方向の下流側において、前記記録媒体の記録面に対して、不活性ガスを供給する供給口を有する供給部と、前記供給部から見て前記移動方向の下流側において、前記記録媒体の記録面に前記活性エネルギーを照射する照射部と、前記吸引部と前記供給部との間において、前記記録媒体の少なくとも記録面を覆うガイド部と、を有し、前記ガイド部は、前記記録媒体の記録面との間に、前記供給口から前記吸引部へと連通する第1流路を形成し、前記搬送機構は、前記記録媒体に接触しつつ回転するローラを有し、前記供給部は、前記記録媒体における、前記ローラに保持された部分に向けて前記不活性ガスを供給することによって、前記第1流路へ向かう不活性ガスの流れを形成し、前記吸引部は、前記供給部から前記第1流路内へ供給された不活性ガスを吸引する。
本願の第1発明〜第15発明によれば、供給口から供給された不活性ガスが、吸引部側に流れる。すなわち、記録媒体の進行方向とは、逆の方向に不活性ガスが流れる。このため、不活性ガスによって、記録媒体の記録面から酸素を含む空気層を、引き離すことができる。そして、記録媒体の記録面を、空気層から不活性ガス層へと置換できる。
特に、本願の第2発明によれば、切替部において、記録媒体の移動方向を記録面に対して反対側の方向へ切り替える。これにより、慣性力を利用して、記録媒体の記録面から、粘性流および粘性流に含まれるインクのミストを引き離すことができる。このため、引き離されたインクのミストを、ミスト吸引部で効率よく吸引できる。
特に、本願の第3発明によれば、不活性ガスが、供給口から吸引部に向けて流れやすくなる。
特に、本願の第4発明によれば、第1流路から分岐するバイパス流路によって、直接不活性ガスを吸引することができる。すなわち、不活性ガスが流れる第1流路の距離を短くすることができる。このため、第1流路内での、不活性ガスの圧力損失を低減することができる。したがって、供給口から吸引部方向に向けて不活性ガスを流しやすくなる。
特に、本願の第5発明によれば、不活性ガスが、第1流路からバイパス流路へと流れやすくなる。したがって、不活性ガスが、供給口から吸引部方向に向けてより流れやすくなる。
特に、本願の第6発明によれば、不活性ガスが、第1流路からバイパス流路へとより流れやすくなる。
特に、本願の第7発明によれば、ガイド部と記録媒体の間に、不活性ガスの乱流を発生させることができる。これにより、記録媒体の表面の空気層を、不活性ガス層により引き離しやすくなる。
特に、本願の第8発明によれば、ガイド部と記録媒体との間に、不活性ガスの乱流をより発生させやすくなる。
特に、本願の第9発明によれば、吸引部側と照射部側との双方に、不活性ガスを偏りなく供給することができる。また、不活性ガスの衝突による衝撃が高まるため、記録面上に残留した酸素を含む空気層をより引き離しやすくなる。
特に、本願の第10発明によれば、不活性ガスが、供給口から吸引部および照射部に向けてより流れやすくなる。
特に、本願の第11発明によれば、第1流路が、より閉空間に近い状態となる。したがって、記録媒体の幅方向の寸法がガイド部の幅方向の寸法よりも小さい場合であっても、記録媒体の裏面側や側方へ不活性ガスが拡散することが抑制される。その結果、第1流路における不活性ガスの濃度を、より高めることができる。
特に、本願の第13発明によれば、記録媒体の移動方向を記録面に対して反対側の方向へ切り替えることができる。これにより、慣性力を利用して、記録媒体の記録面から、粘性流および粘性流に含まれるインクのミストを引き離すことができる。このため、引き離されたインクのミストを効率よく吸引できる。
インクジェット印刷装置の構成を示した図である。 吐出ヘッドと支持台の縦断面図である。 インクジェット印刷装置の部分拡大図である。 制御部とインクジェット印刷装置内の各部との接続構成を示した図である。 供給口付近の部分拡大図である。 変形例に係るインクジェット印刷装置の部分拡大図である。 変形例に係るインクジェット印刷装置の部分拡大図である。 変形例に係るインクジェット印刷装置の部分拡大図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
<1.インクジェット印刷装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェット印刷装置1の構成を示した図である。このインクジェット印刷装置1は、帯状の記録媒体である印刷用紙9を搬送しつつ、複数の吐出ヘッド21からインクの液滴を吐出することにより、印刷用紙9の記録面にカラー画像を記録する印刷装置である。インクジェット印刷装置1に用いられるインクは、活性エネルギーである紫外線光が照射されることで硬化する。また、インクには硬化を促進させるための、硬化開始材が含有されている。図1に示すように、本実施形態のインクジェット印刷装置1は、搬送機構10、画像記録部20、支持ユニット30、吸引部40、供給部50、ガイド部60、照射部70、および制御部80を備えている。制御部80以外の各部は、箱状の処理室90の内部に収容されている。
搬送機構10は、印刷用紙9をその長手方向に沿う移動方向に搬送するための機構である。本実施形態の搬送機構10は、巻き出し部11、複数の搬送ローラ12、チルローラ13および巻き取り部14を有する。複数の搬送ローラ12は、後述する切替ローラ121およびニップローラ122を含んでいる。印刷用紙9は、巻き出し部11から繰り出され、複数の搬送ローラ12により構成される搬送経路に沿って搬送される。各搬送ローラ12は、水平軸を中心として回転することによって、印刷用紙9を移動方向の下流側へ案内する。また、搬送後の印刷用紙9は、巻き取り部14へ回収される。
図1に示すように、印刷用紙9は、巻き出し部11から繰り出されると、先ずクリーナ15を通過する。クリーナ15は、上下に近接して配置される複数の吸着ロール151を備える。そして、複数の吸着ロール151は、印刷用紙9の記録面および裏面と接触しつつ回転する。印刷用紙9の記録面および裏面に付着した異物は、吸着ロール151に吸着されて除去される。これにより、印刷前の印刷用紙9に付着する異物数を低減できる。したがって、異物によりインクが弾かれたり、浸みだしたりする等の、印刷不良を低減できる。なお、クリーナ15は、例えば吸引機構等の吸着ロール151以外の他の方式を用いるものであってもよい。
印刷用紙9は、クリーナ15を通過すると、画像記録部20の下方において、複数の吐出ヘッド21の配列方向に沿って、略水平に移動する。このとき、印刷用紙9の記録面は、上方(吐出ヘッド21側)に向けられている。また、搬送機構10は、画像記録部20より移動方向の下流側に、切替ローラ121、チルローラ13およびニップローラ122を有する。
ニップローラ122は、印刷用紙9の記録面および裏面に接触して印刷用紙9を把持しつつ、一定速度で能動的に回転する。一方、搬送機構10は、ニップローラ122の回転速度に対して巻き出し部11の回転速度を調節する。これにより、印刷用紙9に張力が与えられる。その結果、搬送中における印刷用紙9の弛みや皺が抑制される。
画像記録部20は、搬送機構10により搬送される印刷用紙9に対して、紫外線硬化型のインクを吐出する機構である。本実施形態の画像記録部20は、4つの吐出ヘッド21を有する。4つの吐出ヘッド21は、印刷用紙9の移動方向に沿って、配列されている。印刷時には、4つの吐出ヘッド21から印刷用紙9の記録面へ向けて、カラー画像の色成分となるC(Cyan)、M(Magenta)、Y(Yellow)、K(Black)の各色のインクの液滴が、それぞれ吐出される。これにより、印刷用紙9の記録面にカラー画像が記録される。
支持ユニット30は、印刷用紙9の移動方向に沿って配列された複数の支持台31を有する。4つの吐出ヘッド21は、それぞれ、複数の支持台31のうちの1つに取り付けられる。これにより、4つの吐出ヘッド21が支持されるとともに、これらの各部の相互の位置関係が固定される。各支持台31は、その中央に、吐出ヘッド21の下端部が嵌る貫通孔311を有する。このため、支持台31に取り付けられた吐出ヘッド21の下面は、支持台31に遮られることなく、印刷用紙9の記録面に対向する。
図2は、吐出ヘッド21および支持台31の縦断面図である。各吐出ヘッド21の下面には、インクの液滴を吐出するための複数のノズル211が、設けられている。複数のノズル211は、印刷用紙9の移動方向と直交する印刷用紙9の幅方向に、印刷用紙9の幅の略全体に亘って、規則的に配列されている。吐出ヘッド21は、その下端部が支持台31の貫通孔311に嵌められた状態で、支持台31に固定される。吐出ヘッド21の下面は、複数のノズル211が形成されたノズル面212となっている。
複数のノズル211からインクの液滴が吐出されると、それに伴い、液滴より粒径の小さいインクのミストが生じる。一方、印刷用紙9が搬送されると、図2中に破線矢印で示したように、印刷用紙9の記録面の付近に粘性流Fが生じる。粘性流Fは、印刷用紙9の記録面に沿って印刷用紙9とともに移動する空気の流れである。上述したミストは、この粘性流Fに取り込まれ、粘性流Fに乗って、移動方向の下流側へ送られる。
図1に戻る。本実施形態では、画像記録部20から見て移動方向の下流側に、切替部としての切替ローラ121が配置されている。切替ローラ121は、印刷用紙9の裏面に接触しつつ、水平軸を中心として回転する。これにより、印刷用紙9が、記録面に対して反対の方向へ曲げられる。その結果、印刷用紙9の移動方向が、第1方向(本実施形態では略水平方向)から、第2方向(本実施形態では鉛直下向き)に切り替えられる。
切替ローラ121は、印刷用紙9の裏面に接触する。このため、切替ローラ121の表面は、未硬化状態のインクに接触しない。したがって、切替ローラ121との接触によって、印刷用紙9上の画像品質が低下することはない。また、印刷用紙9の記録面側には、印刷用紙9の移動方向を切り替えるための部材が配置されない。したがって、印刷用紙9の記録面側に、吸引部40の配置スペースを確保することができる。
図3は、切替ローラ121〜照射部70の付近におけるインクジェット印刷装置1の部分拡大図である。吸引部40は、印刷用紙9の記録面の近傍から、インクのミストを含む空気を吸引するための機構である。本実施形態では、吸引部40は、切替ローラ121を通過する印刷用紙9の記録面の近傍に配置される。吸引部40は、筒状のダクト43、吸引ファン44、およびフィルタ45を有する。ダクト43は、印刷用紙9の記録面に向けて開いた吸引口411を有する。吸引ファン44を動作させると、ダクト43内が負圧となり、印刷用紙9の記録面の近傍から、吸引口411を介してダクト43内へ向かう気流が生じる。これにより、印刷用紙9の記録面の近傍から、インクのミストを含む空気が吸引される。吸引されたインクのミストは、フィルタ45に捕集されることによって回収される。そして、吸引部40から吸引されたミスト以外の気体は、吸引部40から処理室90の外部へと排気される。
供給部50は、印刷用紙9の記録面に向けて不活性ガスである窒素ガスを供給するための機構である。供給部50は、吸引部40から見て、印刷用紙9の移動方向の下流側に配置されている。図3に示すように、供給部50は、印刷用紙9の記録面に向けて窒素ガスを供給する供給口51を有する。供給口51には、配管52および開閉弁53を介して窒素ガスの供給源54が接続されている。開閉弁53を開放すると、供給源54から供給口51に向けて窒素ガスが送られる。また、開閉弁53の開度を調整することで、供給口51から供給される窒素ガスの圧力を調整することができる。なお、供給口51から供給される窒素ガスの圧力を調整する圧力調整機構を、開閉弁53とは別に設けてもよい。また、供給口51には、より高圧の窒素ガスを供給できるように、いわゆるエアナイフ等の吐出機構を別途設けてもよい。
ガイド部60は、吸引部40から供給部50にかけて、印刷用紙9の進行方向に沿って、印刷用紙9の記録面に対向配置される板状の部材である。ガイド部60は、吸引部40から供給部50までの搬送経路において、印刷用紙9の記録面を覆う。そして、ガイド部60と印刷用紙9との間には、供給部50から吸引部40にかけて連通する第1流路61が形成される。また、供給部50を構成する部材と印刷用紙9との間には、供給口51から照射部70にかけて連通する第2流路62が形成される。供給口51から供給された窒素ガスは、第1流路61および第2流路62を通り、吸引部40および照射部70へと流れる。なお、本実施形態のガイド部60は、印刷用紙9の記録面だけではなく、印刷用紙9の裏面および両端部も覆っている。
照射部70は、供給部50よりも移動方向の下流側、かつ、チルローラ13の略鉛直下側に配置される。そして、照射部70は、チルローラ13によって搬送される印刷用紙9に対して、照射光を照射する照射処理を施す。本実施形態の照射部70は、メタルハライドランプ71と、リフレクタ72とを有する。メタルハライドランプ71は、水平方向に延びる管状の光源である。
メタルハライドランプ71から照射される照射光は、吐出ヘッド21から吐出されるインクの硬化に有効な波長帯域の紫外線を含んでいる。また、メタルハライドランプ71から照射される照射光は、インクを完全に硬化させるために十分な光量を有している。このため、印刷用紙9上のインクが照射処理されると、インクが硬化されて、印刷用紙9にインクが定着する。これにより、印刷用紙9の記録面に画像が記録される。
チルローラ13は、印刷用紙9の裏面に接触しつつ、水平軸を中心として回転する。チルローラ13は、供給部50から見て移動方向の下流側に位置し、照射部70の略鉛直上側に配置される。チルローラ13の外周面の径は、前後の搬送ローラ12の外周面の径よりも大きい。チルローラ13の内部には、冷却水131が貯留される。冷却水131は、図示しない循環器によって適宜循環される。これにより、チルローラ13の表面は冷却され温度が保持される。
印刷用紙9は、供給部50を通過するとチルローラ13によって、冷却されつつ搬送される。照射部70による照射処理は、チルローラ13によって搬送されている印刷用紙9に対して行われる。こうすることで、照射処理による印刷用紙9の温度上昇が抑えられる。また、印刷用紙9は、チルローラ13によって記録面に対して反対の方向へ曲げられることで進行方向が切り替えられる。チルローラ13による進行方向の切替角度は、180度以上であることが好ましい。こうすることで、印刷用紙9は、チルローラ13と接触する時間が長くなり十分に冷却される。したがって、照射処理による印刷用紙9の温度上昇がより抑えられる。また、印刷用紙9は、チルローラ13によって張力が付与される。このため、印刷用紙9に、熱膨張によって弛みや皺が生じることが抑えられる。
その後、照射部70を通過した印刷用紙9は、チルローラ13およびニップローラ122を含む複数の搬送ローラ12を経由して、巻き取り部14へ回収される。
図4は、制御部80と、インクジェット印刷装置1内の各部との、接続構成を示した図である。図4に示すように、本実施形態の制御部80は、CPU等の演算処理部81、RAM等のメモリ82、およびハードディスクドライブ等の記憶部83を有するコンピュータにより構成されている。また、制御部80は、上述した巻き出し部11、巻き取り部14、4つの吐出ヘッド21、吸引ファン44、照射部70、後述する酸素濃度計74およびニップローラ122と、それぞれ電気的に接続されている。制御部80は、記憶部83に記憶されたコンピュータプログラムPをメモリ82に一時的に読み出し、当該コンピュータプログラムPに基づいて、演算処理部81が演算処理を行うことにより、上記の各部を動作制御する。これにより、インクジェット印刷装置1における印刷処理が進行する。
また、制御部80は、インクジェット印刷装置1の外部に設置されたサーバ2と、電気的に接続されている。サーバ2には、印刷対象となる画像データDが保存されている。印刷処理時には、搬送機構10により印刷用紙9が搬送されるとともに、制御部80が、指定された画像データDをサーバ2から読み出し、当該画像データDに基づいて、各吐出ヘッド21から各色のインクを吐出する。その結果、画像データDに対応する画像が、印刷用紙9の記録面に記録される。
<2.吸引部および供給部について>
続いて、吸引部40におけるミストを含む空気の吸引と、供給部50からの窒素ガスの供給とについて、さらに説明する。
図3中に破線矢印で示したように、インクのミストを含む粘性流Fは、印刷用紙9の記録面に沿って、切替ローラ121の近傍まで送られる。また、既述の通り、印刷用紙9は、切替ローラ121を通過することにより、記録面に対して反対の方向へ曲げられる。その結果、印刷用紙9の移動方向が、第1方向A1から第2方向A2に切り替えられる。
このとき、印刷用紙9の表面近傍の粘性流Fは、慣性力により直進しようとする。そのため、印刷用紙9の移動方向の切り替えによって、粘性流Fが、印刷用紙9の表面から相対的に引き離される。また、粘性流Fに含まれるインクのミストも、慣性力によって、印刷用紙9の表面から相対的に引き離される。ここで、図3のように、印刷用紙9の移動方向が切替ローラ121によって変化する角度をθとする。慣性力によるミストの遊離効果を高めるためには、角度θが、180度以下のなるべく大きい値であることが好ましい。
本実施形態では、吸引部40は、ミストを吸引するミスト吸引部41と、供給部50から供給された不活性ガスである窒素ガスを吸引する不活性ガス吸引部42との、双方の役割を果たす。ミスト吸引部41の吸引口411は、その少なくとも一部分が、第1方向A1の延長線上に位置する。すなわち、図3中の一点鎖線のように、切り替え前の印刷用紙9を、第1方向A1に沿って吸引部40側へ延長すると、吸引口411に交わる。このため、慣性力により引き離されたミストは、吸引口411を通ってダクト43内へ、効率よく吸引される。これにより、粘性流Fに含まれるインクのミストを、効率よく吸引することができる。
特に、本実施形態では、ミスト吸引部41の吸引口411が、切替ローラ121を通過する前の第1方向A1に移動する印刷用紙9の記録面と、切替ローラ121を通過した後の第2方向A2に移動する印刷用紙9の記録面と、の双方に対向する。このため、切替ローラ121を通過する前後において、印刷用紙9の記録面の近傍から、インクのミストを吸引できる。これにより、より効率よくミストを吸引することができる。
図5は、供給口51付近の部分拡大図である。供給口51から供給された窒素ガスは、チルローラ13に保持された印刷用紙9に対して、略垂直に衝突する。これにより、破線矢印fnで示した窒素ガスの流れが、第1流路61へ向かう破線矢印fn1の流れと、第2流路62へ向かう破線矢印fn2の流れとに分かれる。破線矢印fn1の流れは、供給部50からの供給圧力と、不活性ガス吸引部42の吸引圧力とによって、第1流路61内を上昇する。また、印刷用紙9の表面付近からの窒素ガスの拡散は、ガイド部60によって抑制される。その結果、印刷用紙9とガイド部60との間の第1流路61が、窒素ガスで満たされる。そして、不活性ガス吸引部42である吸引部40へ到達した窒素ガスは、吸引口411を通ってダクト43内へ吸引される。
このように、第1流路61においては、印刷用紙9の進行方向A3とは、逆の方向に窒素ガスが流れる。このため、ミスト吸引部41に吸引されずに印刷用紙9の記録面に残留する空気層を、第1流路61内を流れる窒素ガスによって、印刷用紙9の記録面から、引き離すことができる。その結果、印刷用紙9の記録面付近の空気層が、不活性ガス層に置換される。印刷用紙9の記録面から引き離された空気は、窒素ガスとともに第1流路61内を上昇し、不活性ガス吸引部42へ吸引される。
なお、第1流路61を構成する、印刷用紙9とガイド部60との間隔d1は、例えば、5mm以下とすることが好ましい。また、不活性ガス吸引部42の吸引圧力は、供給口51からの供給圧力よりも大きいことが好ましい。こうすることで、窒素ガスがより第1流路61を通り、不活性ガス吸引部42へと向かいやすくなる。なお、不活性ガス吸引部42の吸引圧力が高すぎると、後述する照射空間73(図3)内にチルローラ13の下流側から酸素を含む空気が吸引され、照射空間73が窒素ガスで満たされなくなる。このため、照射空間73内に窒素ガスを流入させること、すなわち第2流路62に向かう窒素ガスの流量を0より多くすることが好ましい。また、供給口51から供給される窒素ガスの、印刷用紙9に対する角度θnは、記録面に対して、略垂直であることが好ましい。こうすることで、第1流路61および第2流路62の双方に、窒素ガスを偏りなく供給することができる。また、窒素ガスの衝突による衝撃が高まるため、印刷用紙9の記録面上に残留した酸素を含む空気層をより引き離しやすくなる。
特に、本実施形態のガイド部60は、印刷用紙9の記録面だけではなく、印刷用紙9の裏面および両端面も覆う。これにより、第1流路61が、より閉空間に近い状態となる。したがって、印刷用紙9の幅方向の寸法がガイド部60の幅方向の寸法よりも小さい場合であっても、印刷用紙9の裏面側や側方へ窒素ガスが拡散することが抑制される。その結果、第1流路61における窒素ガスの濃度を、より高めることができる。
また、供給口51から印刷用紙9の記録面に向けて供給された窒素ガスの一部は、破線矢印fn2のように、第2流路62を通り照射部70へ向かう。これにより、第2流路62も窒素ガスで満たされる。このため、印刷用紙9は、吸引部40から照射部70にかけて窒素ガス雰囲気中で搬送される。したがって、印刷用紙9の記録面に接触する気体層は、窒素ガスに維持される。なお、本実施形態では、図3に示すように、照射部70と印刷用紙9との間には、照射光が通る照射空間73が形成される。そして、照射空間73には、酸素濃度を検出する酸素濃度計74が設置される。第2流路62を通り照射部70へと流れてきた窒素ガスは、照射空間73に放出される。
インクジェット印刷装置1の起動時には、供給部50からの窒素ガスの供給が開始された後、酸素濃度計74は、照射空間73内の酸素濃度が予め定められた閾値より低くなったかどうかを検出する。そして、照射空間73内の酸素濃度が閾値よりも低くなると、制御部80に信号を送る。当該信号を受けると、制御部80は、照射部70による照射処理を開始する。こうすることで、印刷用紙9の記録面の酸素を含む空気層によって、インクの硬化が阻害されることを抑制できる。特に、印刷用紙9の記録面に接触する空気層は、上述した不活性ガス吸引部42から供給部50までの第1流路61において、窒素ガスに置換されている。このため、記録面に付着したインクを、紫外線によって効率よく硬化させることができる。また、インクを効率よく硬化させることができるため、インク中の硬化開始材の含有量を、低減することができる。
<3.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
図6は、変形例に係るインクジェット印刷装置の部分拡大図である。このインクジェット印刷装置は、第1流路61Aの途中から不活性ガス吸引部42Aへと連通するバイパス流路63Aをさらに有する。これにより、第1流路61Aから分岐するバイパス流路63Aによって、直接窒素ガスを吸引することができる。すなわち、窒素ガスが流れる第1流路61Aの距離を短くすることができる。このため、第1流路61A内での、不活性ガスの圧力損失を低減することができる。したがって、供給口51Aから不活性ガス吸引部42Aの方向に向けて窒素ガスをより流しやすくなる。
また、バイパス流路63Aの断面積は、第1流路61Aの断面積よりも大きいことが好ましい。こうすることで、窒素ガスが、第1流路61Aからバイパス流路63Aへとより流れやすくなる。また、供給口51Aから見て、第1流路61Aに対するバイパス流路63Aの角度θrは90度以上であることが好ましい。こうすることで、第1流路61Aを通り不活性ガス吸引部42Aへと向かう窒素ガスの慣性力を利用して、窒素ガスをバイパス流路63Aへと送ることができる。したがって、供給口51Aから供給された窒素ガスを、不活性ガス吸引部42Aへとより送りやすくなる。
図7は、他の変形例に係るインクジェット印刷装置の供給口51B付近の部分拡大図である。図7の供給口51Bは、第1供給口55Bと、第2供給口56Bとを有する。第1供給口55Bは、第1流路61Bへ向けて窒素ガスを供給する。また、第2供給口56Bは、第2流路62Bへ向けて窒素ガスを供給する。このようにすれば、供給口51Bから供給された窒素ガスは、第1流路61Bおよび第2流路62Bのそれぞれへとより流れやすくなる。したがって、ガイド部60B内が、より窒素に満たされやすくなる。
図8は、他の変形例に係るインクジェット印刷装置の第1流路61C付近の拡大断面図である。図8に示すように、ガイド部60Cは、印刷用紙9Cの記録面と対向する面に、凹凸部63Cを有していてもよい。凹凸部63Cは、印刷用紙9Cの記録面に対して、略垂直に凹む凹部64Cと、印刷用紙9Cの記録面に対して、略垂直に突出する凸部65Cと、を有する。図8のように、凹部64Cおよび凸部65Cは、印刷用紙9Cの移動方向に沿って交互に配列されることが好ましい。こうすることで、第1流路61C内において、吸引部へと向かう窒素ガスの乱流が発生する。これにより、印刷用紙9Cの表面の、酸素を含む空気層がより引き離されやすくなる。
また、上記の実施形態では、一つの吸引部により、ミスト吸引部と不活性ガス吸引部が構成されていた。しかしながら、ミスト吸引部と、不活性ガス吸引部とを別に設けてもよい。
また、上記の実施形態では、インクジェット印刷装置1内に4つの吐出ヘッドを有していたが、インクジェット印刷装置内の吐出ヘッドの数は、1〜3つであってもよく、5つ以上であってもよい。例えば、C,M,Y,Kの各色に加えて、特色のインクを吐出する吐出ヘッドが設けられていてもよい。また、各吐出ヘッドは、印刷用紙の幅方向に配列された複数のヘッドにより構成されていてもよい。
また、上記の実施形態では、インク定着用として、一つの照射部を有していた。しかしながら、インク定着用の照射部として、複数の光源を有していてもよい。
また、上記の実施形態では、支持台には複数の吐出ヘッドが取り付けられていた。しかしながら、支持台には、インクを半硬化させるための光源を取り付けても良い。インクが半硬化すると、印刷用紙上におけるインクの拡がりが抑制される。したがって、画像記録部より下流側の搬送経路において、インクの拡がりによる印刷品質の低下が生じにくくなる。
また、画像記録部と、吸引部との間に印刷用紙の上面を覆う整流板を設けてもよい。こうすることで、インクジェット印刷装置内部において、ミストの拡散を抑えることができる。
また、上記の実施形態では、切替ローラの近傍のみに吸引部が配置されていたが、これに加えて、他の箇所にも吸引部を配置してもよい。例えば、4つの吐出ヘッドのそれぞれの近傍に、吸引部を配置してもよい。その場合、吐出ヘッドの近傍において一次的にミストを吸引し、吸引しきれなかったミストを、下流側の吸引部で、二次的に吸引すればよい。
また、上記のインクジェット印刷装置1は、記録媒体としての印刷用紙に画像を記録するものであった。しかしながら、本発明のインクジェット印刷装置は、一般的な紙以外の帯状の記録媒体(例えば、樹脂製のフィルム等)に、画像を記録するものであってもよい。
また、上記の実施形態では、供給部から供給される不活性ガスとして安価な窒素ガスが用いられていた。しかしながら、不活性ガスは、ヘリウム、アルゴン等の他のガスや、それらの混合ガスであってもよい。また、上記の実施形態では、照射部から照射される活性エネルギーは紫外線光であった。しかしながら、照射部は、電子線等の紫外線光以外の活性エネルギーを照射するものであってもよい。
また、インクジェット印刷装置の細部の形状については、本願の各図と相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
1 インクジェット印刷装置
2 サーバ
9 印刷用紙
10 搬送機構
11 巻き出し部
12 搬送ローラ
13 チルローラ
14 巻き取り部
15 クリーナ
20 画像記録部
21 吐出ヘッド
30 支持ユニット
31 支持台
40 吸引部
41 ミスト吸引部
42 不活性ガス吸引部
43 ダクト
44 吸引ファン
45 フィルタ
50 供給部
51 供給口
52 配管
53 開閉弁
54 供給源
60 ガイド部
61 第1流路
62 第2流路
63A バイパス流路
70 照射部
71 メタルハライドランプ
72 リフレクタ
73 照射空間
74 酸素濃度計
80 制御部
90 処理室
121 切替ローラ
122 ニップローラ
151 吸着ロール
211 ノズル
212 ノズル面
311 貫通孔
312 下面
411 吸引口
D 画像データ
P コンピュータプログラム

Claims (15)

  1. 帯状の記録媒体をその長手方向に沿う移動方向に搬送する搬送機構と、
    前記記録媒体の記録面に向けて、活性エネルギーの照射により硬化するインクの液滴を吐出する吐出ヘッドと、
    前記インクのミストを含む気体を吸引する吸引部と、
    前記吸引部から見て前記移動方向の下流側において、前記記録媒体の記録面に対して、不活性ガスを供給する供給口を有する供給部と、
    前記供給部から見て前記移動方向の下流側において、前記記録媒体の記録面に前記活性エネルギーを照射する照射部と、
    前記吸引部と前記供給部との間において、前記記録媒体の少なくとも記録面を覆うガイド部と、
    前記吐出ヘッドから見て前記移動方向の下流側において、前記記録媒体を前記記録面に対して反対側の方向へ曲げることにより、前記移動方向を第1方向から第2方向へ切り替える切替部と、
    を有し、
    前記ガイド部は、前記記録媒体の記録面との間に、前記供給口から前記吸引部へと連通する第1流路を形成し、
    前記供給部は、前記第1流路へ向かう不活性ガスの流れを形成し、前記吸引部は、前記供給部から前記第1流路内へ供給された不活性ガスを吸引するインクジェット印刷装置。
  2. 請求項1に記載のインクジェット印刷装置であって
    前記吸引部は、
    前記インクのミストを吸引するミスト吸引部と、
    前記供給部から供給される不活性ガスを吸引する不活性ガス吸引部と、
    を有し、
    前記ミスト吸引部は、前記第1方向に沿って前記インクのミストを含む気体を吸引するインクジェット印刷装置。
  3. 請求項2に記載のインクジェット印刷装置であって、
    前記不活性ガス吸引部の吸引圧力は、前記供給口からの供給圧力よりも大きいインクジェット印刷装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載のインクジェット印刷装置であって、
    前記第1流路から、前記不活性ガス吸引部へと連通するバイパス流路をさらに有するインクジェット印刷装置。
  5. 請求項4に記載のインクジェット印刷装置であって、
    前記バイパス流路は、前記供給部から見て前記第1流路に対して90度以上傾斜して接続されるインクジェット印刷装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載のインクジェット印刷装置であって、
    前記バイパス流路の断面積は、前記第1流路の断面積よりも大きいインクジェット印刷装置。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のインクジェット印刷装置であって、
    前記ガイド部は、前記記録媒体の記録面と対向する面に、凹凸部を有するインクジェット印刷装置。
  8. 請求項7に記載のインクジェット印刷装置であって、
    前記凹凸部は、
    前記記録媒体の記録面に対して、略垂直に凹む複数の凹部と、
    前記記録媒体の記録面に対して、略垂直に突出する複数の凸部と、
    を有し、
    前記凹部および前記凸部は、前記移動方向に沿って交互に配列されるインクジェット印刷装置。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のインクジェット印刷装置であって、
    前記供給口は、前記記録媒体の記録面に対して、略垂直に不活性ガスを供給するインクジェット印刷装置。
  10. 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のインクジェット印刷装置であって、
    前記供給部を構成する部材は、前記記録媒体の記録面との間に、前記照射部へと連通する第2流路を形成し、
    前記供給口は、
    前記第1流路へと向けて不活性ガスを供給する第1供給口と、
    前記第2流路へと向けて不活性ガスを供給する第2供給口と、
    を有するインクジェット印刷装置。
  11. 請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載のインクジェット印刷装置であって、
    前記ガイド部は、前記記録媒体の記録面および裏面の双方を覆うインクジェット印刷装置。
  12. a)帯状の記録媒体をその長手方向に沿う移動方向に搬送する工程と、
    b)吐出ヘッドから前記記録媒体の記録面に向けて、活性エネルギーの照射により硬化するインクの液滴を吐出する工程と、
    c)前記インクのミストを含む気体を吸引部により吸引する工程と、
    d)前記吸引部から見て前記移動方向の下流側に配置された供給部から、前記記録媒体の記録面に対して、不活性ガスを供給する工程と、
    e)前記供給部から見て前記移動方向の下流側において、前記活性エネルギーを照射する工程と、
    f)前記吐出ヘッドから見て前記移動方向の下流側において、前記記録媒体を前記記録面に対して反対側の方向へ曲げることにより、前記移動方向を切り替える工程と、
    を有し、
    前記吸引部と前記供給部との間に、前記記録媒体の少なくとも記録面を覆うガイド部が配置され、
    前記工程c)では、前記工程d)において供給され、前記記録媒体と前記ガイド部との間を通って前記吸引部へ向かう不活性ガスを吸引するインクジェット印刷方法。
  13. 請求項12に記載のインクジェット印刷方法であって
    記工程c)では、前記工程f)において前記記録媒体の前記記録面から引き離された前記ミストを含む気体を吸引するインクジェット印刷方法。
  14. 帯状の記録媒体をその長手方向に沿う移動方向に搬送する搬送機構と、
    前記記録媒体の記録面に向けて、活性エネルギーの照射により硬化するインクの液滴を吐出する吐出ヘッドと、
    前記インクのミストを含む気体を吸引する吸引部と、
    前記吸引部から見て前記移動方向の下流側において、前記記録媒体の記録面に対して、不活性ガスを供給する供給口を有する供給部と、
    前記供給部から見て前記移動方向の下流側において、前記記録媒体の記録面に前記活性エネルギーを照射する照射部と、
    前記吸引部と前記供給部との間において、前記記録媒体の少なくとも記録面を覆うガイド部と、
    を有し、
    前記ガイド部は、前記記録媒体の記録面との間に、前記供給口から前記吸引部へと連通する第1流路を形成し、
    前記搬送機構は、前記記録媒体を繰り出す巻き出し部、前記記録媒体の記録面および裏面に接触するニップローラ、および、前記巻き出し部から繰り出された前記記録媒体を巻きとって回収する巻き取り部を含み、前記ニップローラの回転速度に対して前記巻き出し部の回転速度を調節し、
    前記供給部は、前記第1流路へ向かう不活性ガスの流れを形成し、前記吸引部は、前記供給部から前記第1流路内へ供給された不活性ガスを吸引するインクジェット印刷装置。
  15. 帯状の記録媒体をその長手方向に沿う移動方向に搬送する搬送機構と、
    前記記録媒体の記録面に向けて、活性エネルギーの照射により硬化するインクの液滴を吐出する吐出ヘッドと、
    前記インクのミストを含む気体を吸引する吸引部と、
    前記吸引部から見て前記移動方向の下流側において、前記記録媒体の記録面に対して、不活性ガスを供給する供給口を有する供給部と、
    前記供給部から見て前記移動方向の下流側において、前記記録媒体の記録面に前記活性エネルギーを照射する照射部と、
    前記吸引部と前記供給部との間において、前記記録媒体の少なくとも記録面を覆うガイド部と、
    を有し、
    前記ガイド部は、前記記録媒体の記録面との間に、前記供給口から前記吸引部へと連通する第1流路を形成し、
    前記搬送機構は、前記記録媒体に接触しつつ回転するローラを有し、
    前記供給部は、前記記録媒体における、前記ローラに保持された部分に向けて前記不活性ガスを供給することによって、前記第1流路へ向かう不活性ガスの流れを形成し、前記吸引部は、前記供給部から前記第1流路内へ供給された不活性ガスを吸引するインクジェット印刷装置。
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