JP2001110048A - 磁気テープ加工装置 - Google Patents

磁気テープ加工装置

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JP2001110048A
JP2001110048A JP29075099A JP29075099A JP2001110048A JP 2001110048 A JP2001110048 A JP 2001110048A JP 29075099 A JP29075099 A JP 29075099A JP 29075099 A JP29075099 A JP 29075099A JP 2001110048 A JP2001110048 A JP 2001110048A
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drum
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Minoru Araki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】テープの搬送速度を高速化してもスリップを生
じることがなく、その上、カッピングも小さい、優れた
特性を有する磁気テープを、良好な製造効率で製造でき
る磁気テープ加工装置を提供する。 【解決手段】側面に所定の加工パターンを具備する光通
過部および遮光部が形成された回転自在な中空円筒状の
ドラムと、軸線中心でドラムを回転する回転手段と、平
面状のレーザ光をドラムの内側面に入射して線を画成す
る光学系と、内側面に入射して通過したレーザ光の光路
上で、かつドラムと非接触な位置に設定される加工位置
に磁気テープを位置しつつ、ドラムにバック層を向けて
回転方向に磁気テープを長手方向に搬送する搬送装置と
を有し、あるいはさらに、加工位置とドラムの間にレン
ズ光学系を有することにより、前記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報記録/再生に
供する磁気テープの技術分野に属し、詳しくは、磁気テ
ープの製造工程等において、高速で磁気テープを搬送さ
せてもスリップが発生せず、かつカッピングも小さい磁
気テープを製造する、磁気テープ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】情報の記録や再生に利用される磁気テー
プは、基本的に、PET(ポリエチレンテレフタレー
ト)等のフィルムであるベース層と、ベース層の一方の
面に形成される磁性体層と、搬送安定性や強度の向上等
を目的として、ベース層の磁性体層の逆面に形成される
バック層等を有して構成される。
【0003】このような磁気テープの製造工程において
は、磁気テープ(以下、テープとする)は、長手方向に
搬送されつつ、スリッタによる裁断やブレード刃による
表面の清掃等の各種の処理を施されて、ハブ等に巻き取
られてパンケーキやカセットとされ、次工程や納入先に
送られるが、近年では、生産性を向上させるために、各
種の工程(ブレード機やワインダ機等の製造装置)にお
けるテープの搬送速度が高速化する傾向にある。
【0004】テープの搬送は、一般的に、テープをキャ
プスタンローラに巻き掛け、キャプスタンローラを回転
することによって行われる。ところが、テープの搬送速
度を速くすると、ブレード機等の製造装置において、テ
ープが空気を巻き込んで、キャプスタンローラ等でテー
プが浮かび、これによりテープがスリップして、正常な
搬送ができなくなってしまう場合がある。
【0005】その結果、テープがキャプスタンローラ、
ガイドローラ、ブレード刃等に衝突あるいは不適正に接
触し、テープやテープエッジの折れ、磁性体層等の磨耗
や剥離等のテープの損傷が発生し、得られたテープが製
品として不適正なものとなってしまう。また、テープの
製造装置には、必要に応じてテープの長さの測定するロ
ーラ(検尺ローラ)が装着されるが、ここでテープがス
リップすると、テープ長の測定に誤差が生じ、生産管理
も適正に行えなくなるという問題点もある。そのため、
要求される生産効率に良好に対応するように、テープの
製造におけるテープ搬送速度を高速化することが困難に
なっている。
【0006】また、テープが有する別の問題点として、
テープの幅方向のカール(湾曲)、いわゆるカッピング
が知られている。カッピングは、主に、磁性体層とバッ
ク層とで用いられるバインダの収縮率の違いによって生
じるが、カッピングが発生すると、製品としての磁気テ
ープの外観の低下; 記録ヘッドや読取ヘッドへの磁気
テープの当りが悪くなり記録誤差や読取誤差が生じる可
能性がある; 磁気テープのエッジにダメージが生じ易
く耐久性が低下する; 等、様々な問題が生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の問題点を解決することにあり、ブレード機や
ワインダ機等の磁気テープの製造装置において、テープ
の搬送速度を高速化してもキャプスタンローラ等におけ
るテープのスリップを生じることがなく、その上、カッ
ピングも小さい、優れた特性を有する磁気テープを、良
好な製造効率で製造できる磁気テープ加工装置を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、側面に所定のパターンを具備する光通過
部および遮光部が形成された、回転自在な中空円筒状の
ドラムと、軸線を中心に前記ドラムを回転する回転手段
と、平面状のレーザ光を前記ドラムの内側面に入射し
て、前記レーザ光によって線を画成する光学系と、前記
ドラムの内側面に入射して光通過部を通過したレーザ光
の光路上で、かつ前記ドラムと非接触な位置に設定され
る加工位置に磁気テープを位置しつつ、前記ドラム側に
バック層を向けて、前記ドラムの回転方向と一致して磁
気テープを長手方向に搬送する搬送装置とを有すること
を特徴とする磁気テープ加工装置を提供する。
【0009】また、前記加工位置とドラムの間に、レン
ズ光学系を有するのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気テープ加工装
置について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳
細に説明する。
【0011】本発明の磁気テープ加工装置(以下、加工
装置とする)によって加工される磁気テープは、PET
やアラミド樹脂等からなるベース層(ベースフィルム)
の一面に磁性体層を有し、ベース層の他方の面にバック
層(バックコート層)を有し、あるいはさらにオーバー
コート層(保護層)や下塗り層を有してなる、通常の層
構成を有する磁気テープで、本発明の加工装置によって
加工され、バック層に凹部(好ましくは溝)を形成され
る。
【0012】図1に、本発明の加工装置によって加工さ
れた、バック層に凹部を有する磁気テープ(以下、テー
プとする)のバック層の一例を概念的に示す。図1に示
される例は、テープのバック層に、テープの長手方向に
延在する短い溝(加工線分a)からなる、長手方向に延
在する点線(破線)状の加工パターンを、テープの幅方
向(以下、幅方向とする)に複数列、形成したものであ
る。
【0013】なお、このような凹部の形状(断面形状)
には特に限定はなく、例えば、矩形、三角形、半円(弓
型)等が例示される。このような形状は、バック層を加
工するレーザビームのビームスポット強度分布で調整し
てもよい。また、凹部の深さにも特に限定はなく、テー
プの強度等に応じて適宜決定すればよいが、良好な効果
を得るためには、凹部の深さは0.1μm以上とするの
が好ましく、特に、0.2μm以上とするのが好まし
い。さらに、凹部のサイズ(線幅)や形成密度にも、特
に限定はなく、テープの強度や幅(サイズ)等に応じて
適宜決定すればよい。例えば、幅が0.5inのテープ
に、図1に示されるように、長手方向に延在する加工線
分aを形成する場合には、幅3μm〜10μm程度で、
幅方向に数本〜100本程度の加工線等を形成するのが
好ましい。
【0014】バック層にこのような凹部を有するテープ
は、高速搬送(走行)しても、テープによる空気の巻き
込みが少なく、また、空気を巻き込んだ場合でも、凹部
から好適に排除できる。そのため、ブレード機等のテー
プの製造装置でテープを高速搬送しても、キャプスタン
ローラ等でテープが浮き上がってスリップすることがな
く、これに起因する損傷や搬送長の誤差がない。従っ
て、このテープTを用いることにより、高速で正確なテ
ープ搬送を行って、適正な生産管理の下、適正品質の磁
気テープを、安定して高効率に製造することが可能にな
る。また、巻き取りの際にも、テープ間の空気を好適に
抜けるので、カートリッジやパンケーキに巻き取った際
の巻き姿も美しい。
【0015】さらに、バック層に凹部を有するこのテー
プは、カッピングも従来のテープに比して少なく、カッ
ピングに起因する外観低下、ヘッド当りの悪化、テープ
エッジのダメージ等も、従来のテープに比して大幅に低
減される。なお、バック層に凹部を形成することによ
り、カッピングが低減できる理由は明らかではないが、
前述のバインダの収縮率差に起因してテープの幅方向で
生じる応力が凹部で寸断されるため、テープの幅方向に
生じる力が全体として小さくなり、その結果、カッピン
グを防止できるものと考えられる。
【0016】図2に、このような凹部を有する(磁気)
テープを製造する、本発明の加工装置の一例の概念図を
示す。なお、図2において、(A)は、この加工装置を
テープの幅方向から見た図を、(B)は、この加工装置
をテープの長手方向(搬送方向)から見た図を、(C)
は、この加工装置の加工ドラム16の概略断面図を、そ
れぞれ示すものである。
【0017】図示例の加工装置10は、基本的に、光源
12と、シート状レーザ成形器14(両者は、図2
(A)では省略)と、加工ドラム16と、テープ搬送装
置18と、クリーニング装置20とを有して構成され
る。
【0018】光源12は、テープTのバック層を加工す
るレーザ光となるレーザビームを射出するものである。
このような光源12には特に限定は無く、バック層を加
工可能な出力を有するレーザビームを射出可能なもので
あれば、各種のレーザビーム光源(レーザ発振器)が使
用可能である。好ましくは、紫外域のレーザビームおよ
び可視域のレーザビームの少なくとも一方を射出するも
のが使用される。加工性の点では、波長の短いレーザビ
ームの方が好ましく、紫外域のレーザビームが最も好ま
しく、他方、コスト、安全性、作業性等の点では可視域
のレーザビームが好ましい。具体的には、488nmや
515nmのアルゴン(イオン)レーザ、YAGレーザ
をSHG(Second Harmonic Generation 二次高調波発
生)素子で波長変換してなる532nmのレーザビーム
を射出する光源等が例示される。
【0019】光源12から射出されたレーザビームは、
シート状レーザ成形器14(以下、成形器14)に入射
される。成形器14は、レーザビームを、一方向のみに
拡径(拡散)し、次いで平行光に整形することにより、
平面状のレーザ光(以下、シート光Sとする)とするも
のである。成形器14は、好ましくは、加工ドラム16
の半径方向に線を画成するシート光Sとする。また、図
示例においては、より好ましい態様として、シート光S
とテープTは、面的に、互いに直交するように位置され
る。このような成形器14には、特に限定はなく、レー
ザビームをシート光Sとできる公知の各種の光学系(光
学素子)が利用可能である。具体的には、シリンドリカ
ルレンズやコリメータレンズを組み合わせた光学系、ロ
ッドレンズとシリンドリカルレンズ(コリメータレン
ズ)を組み合わせた光学系等が例示される。
【0020】シート光Sは、次いで加工ドラム16の端
面から内部に入射して、加工ドラム16内に配置される
ミラー22によって反射され、加工ドラム16の内側面
に入射し、この内側面に加工ドラム16の軸線と平行な
線を画成する。すなわち、図示例の加工装置10におい
ては、光源12、成形器14およびミラー22によっ
て、本発明の光学系が構成される。なお、ミラー22
は、外部から挿入されるステーによって保持される等、
公知の方法で、後述する加工ドラム16(ドラム本体2
4)の回転に対して固定されている。また、ミラー22
は、シート光Sの入射に対して45°の角度で配置され
るのが好ましく、すなわち、シート光Sは、ミラー22
によって90°反射され、加工ドラム16の内側面に垂
直に入射するのが好ましい。
【0021】加工ドラム16は、基本的に、中空円筒状
のドラム本体24と、支持部材26とから構成される。
なお、構成を明瞭に示すために、図2(C)において
は、支持部材26を点線で示し、断面部以外の貫通孔2
4aは省略する。ドラム本体24は、少なくともシート
光Sの入射側の端面が開放する円筒である。また、支持
部材26は、軸受による支持等、公知の手段で、ドラム
本体24を軸線を中心に回転可能に支持する。
【0022】ドラム本体24の側面には、円周方向(テ
ープTの搬送方向)に延在する点線を軸線方向(テープ
Tの幅方向)に配列して複数形成するように、多数の貫
通孔24aが形成されている。従って、図2(C)に示
されるように、ミラー22に反射されてドラム本体24
の内側面に入射したシート光Sは、この内側面に軸線と
平行な線を画成すると共に、この貫通孔24aに入射し
た部分が、ドラム本体24の外部に射出して、複数本の
レーザビームとして加工位置W(加工位置Wに位置され
るテープTのバック層)に入射する。また、この貫通孔
24aの形成パターンには、特に限定はなく、目的とす
るテープT(テープTの加工パターン)に応じて適宜設
定すればよい。
【0023】このような加工ドラム16のドラム本体2
4は、支持部材26による支持の下、例えば、外周に当
接するローラ、外周に巻きかかるベルト等の回転手段
(図面を簡略にするために、図示は省略)によって、軸
線を中心に回転する。前述のように、ミラー22は、加
工ドラム16(ドラム本体24)回転に対して固定され
ているので、ドラム本体24のみが回転する。なお、ド
ラム本体24の回転手段は、上記方法以外にも、公知の
方法が各種利用可能である。例えば、支持部材26にド
ラム本体24の回転駆動源を設けて、ドラム本体24を
回転してもよい。
【0024】一方、テープTは、テープ搬送装置18に
よって、バック層を加工ドラム16(ドラム本体24の
側面)に向けて、加工位置Wに位置されつつ、長手方向
に搬送される(搬送方向xと長手方向とを一致して、所
定方向に搬送される)。また、テープTの搬送方向と、
前記ドラム本体24の回転方向は一致している。
【0025】テープ搬送装置18は、ガイドローラ30
やテープTを所定の加工位置Wに位置させる支持部材2
8等に加え、図示しない、キャプスタンローラ、リワイ
ンダ、ワインダ等の搬送駆動手段、鍔付きローラやクラ
ウンローラ等のテープTの幅方向の位置規制手段等を有
して構成される、公知のテープTの搬送装置(走行装
置)である。あるいは、ドラム本体24の端部にリブや
フランジを設けて、これをテープTの幅方向の位置規制
手段を兼ねてもよい。支持部材28は、加工位置Wを搬
送方向に挟んで配置される2つのブレード32と、ブレ
ード32を固定・支持する固定部材34とを有して構成
される。ブレード32は、例えば、側稜を幅方向に一致
して配置される三角柱状のもので、側稜によってテープ
Tを下方から持ち上げるように支持することにより、テ
ープTを加工位置W(主に光軸方向)に支持する。
【0026】本発明において、加工位置Wは、ミラー2
2によって反射され、ドラム本体24の内側面に軸線と
平行な線を画成して、ドラム本体24の貫通孔24aを
通過した、シート光Sの光路上に設定される。また、ド
ラム本体24の回転方向と、テープTの搬送方向(長手
方向)とは、一致している。言い換えれば、加工ドラム
16のドラム本体24によって遮光されなければ、シー
ト光Sは、テープ搬送装置18によって加工位置Wに位
置されつつ長手方向に搬送されるテープTのバック層
に、幅方向に延在する線を画成する。
【0027】前述のように、図示例の加工装置10にお
いては、光源12から射出され、成形器14によって成
形されたシート光Sは、端面からドラム本体24内に入
射され、ミラー22によって反射され、ドラム本体24
の内側面に、軸線と平行な線を画成する。ドラム本体2
4は、軸線を中心に回転されているので、内側面に線を
画成したシート光Sの内、ドラム本体24の貫通孔24
aに入射したレーザ光が、ドラム本体24を通過して複
数本のレーザビームとなり、加工位置WのテープTに入
射してバック層を加工する。すなわち、ドラム本体24
の回転によって、バック層へのレーザ光の入射(=加
工)がon/offされる。また、テープTは、テープ
搬送装置18によって長手方向に搬送されているので、
テープTのバック層には、図1に示されるような、幅方
向に配列された、加工線分aからなる点線状の加工が、
長手方向に連続して行われる。
【0028】ここで、本発明にかかる加工装置10にお
いては、テープTと加工ドラム16(ドラム本体24)
とが非接触となるように、加工位置Wが設定される。
【0029】レーザ光によってテープTのバック層を加
工する本発明の加工装置10においては、レーザ光の熱
による加工、およびレーザ光が起こすアブレーション
(解離、遊離)による加工の両者が複合的に発生して、
バック層が加工されると考えられる。そのため、この加
工によって、加工カス(粉塵等)や有害なガス等が発生
する場合がある。ところが、ドラム本体24がテープT
に接触した状態でバック層の加工が行われると、加工カ
スがドラム本体24の表面(外側面)に付着して、貫通
孔24aを閉塞したり、付着した加工カスがテープTの
別の部分に付着して汚れてしまう等、各種の不都合が発
生する。
【0030】これに対し、本発明の加工装置10によれ
ば、テープTとドラム本体24とが非接触であるので、
加工カス等がドラム本体24の表面に付着するのを好適
に防止でき、前述の貫通孔24aの目詰まり等を防ぐこ
とができる。さらに、ドラム本体24を回転しつつ、テ
ープTを搬送してバック層の加工を行う際に、テープT
とドラム本体24とが接触していると、テープTの加工
に応じてドラム本体24の磨耗が進行する。これに対
し、両者が非接触である本発明によれば、ドラム本体2
4の磨耗を防止して、長寿命化を図ることができる。ま
た、本発明の加工装置10によるテープTの加工は、前
述のように、非常に微細なものであり、従って、テープ
Tの搬送には非常に高い安定性や精度が求められる。テ
ープTとドラム本体24とが接触していると、ドラム本
体24の回転抵抗や摩擦によって、搬送速度やテンショ
ンが変動し、テープTの搬送安定性や精度が低下してし
まう。これに対し、両者が非接触である本発明によれ
ば、上記不都合を無くして、高精度かつ安定したテープ
T搬送の下、適正なバック層の加工を行うことができ
る。
【0031】従って、本発明によれば、適正な磁気テー
プバック層の加工を行い、高速搬送してもスリップしな
い、カッピングが少ない等、優れた特性を有する磁気テ
ープを、長期に渡って安定して作製することができる。
【0032】本発明の加工装置10において、図2
(B)に間隔gで示す、加工ドラム24と加工位置W
(加工位置WにおけるテープT)との間隔には、特に限
定はなく、両者が非接触であればよい。しかしながら、
両者の間隔があまり狭いと、本発明の効果を十分に得る
ことができない場合があり、逆に、あまり広いと、光源
12の出力(レーザ光の強度)によっては、適正な加工
ができない可能性もある。そのため、本発明において
は、間隔gは、0.3mm〜15mmが好ましく、特
に、0.5mm〜10mmが好ましい。
【0033】テープTとドラム本体24とが非接触な本
発明においては、テープTの搬送速度と、ドラム本体2
4の回転速度(周速)は、一致しても、一致していなく
てもよい。両速度は、テープTのバック層に形成する加
工パターンに応じて、適宜設定すればよい。また、ドラ
ム本体24の回転速度およびテープTの搬送速度の少な
くとも一方を調整(加工中でも可)することにより、テ
ープTのバック層の加工パターンを変更あるいは調整し
てもよい。
【0034】いずれにしても、目的とするパターンに応
じた適正な加工を行うためには、テープTの搬送とドラ
ム本体24の回転とは、同期を取る必要が有る。両者の
同期を取る方法には、限定はなく、公知の方法が各種利
用可能である。例えば、駆動源が別の場合には、テープ
Tのメインフィードローラ(キャプスタン)とドラム本
体24の回転駆動源との同期を電気的に取ればよく、あ
るいは、両者の駆動源を同一にして、減速比等によって
同期をとってもよい。
【0035】本発明の別の態様においては、図3に示さ
れるように、加工ドラム16のドラム本体24と、加工
位置W(加工位置WにおけるテープT)との間に、レン
ズ光学系36を設け、ドラム本体24の貫通孔24aか
ら射出されたレーザビームを、絞り込んで(集光して)
加工位置W(テープT)に入射する。本態様によれば、
レンズ光学系36によるレーザビームの絞り込みを行う
ことにより、ドラム本体24の側面に形成する貫通孔2
4aを大きくできるので、ドラム本体24の加工を容易
に行うことができ、装置コスト等の点でより有利であ
る。なお、本態様においても、ドラム本体24やテープ
Tの汚れ防止、ドラム本体24の磨耗防止、テープTの
安定搬送等の前述の本発明の効果は、好適に発現するの
は、もちろんである。
【0036】本態様において、レンズ光学系36は、加
工位置Wにレーザビームを結像する一枚あるいは複数枚
のレンズで構成される結像光学系であってもよく、加工
位置Wにレーザビームを集光する一枚あるいは複数枚の
レンズで構成される絞り込み光学系であってもよい。
【0037】また、ドラム本体24と加工位置Wとの間
にレンズ光学系36を有する態様においても、ドラム本
体24と加工位置Wの間隔には、特に限定はなく、レン
ズ光学系36に応じて適宜設定すればよい。
【0038】なお、シート光Sをミラー22によって反
射して、加工位置Wに入射する図示例の加工装置におい
ては、ミラー22の角度によっては、加工位置Wに入射
するレーザビームの光路長が、テープTの幅方向で異な
ってしまう。この場合には、幅方向でレンズ光学系36
のパワーを調整して、適正な加工が行えるようにしても
よく、あるいは、幅方向に形成する各加工線分a(点線
状の加工)に応じて、個々にレンズ光学系36を設けて
もよい。
【0039】前述のように、レーザ光による熱やアブレ
ーションでバック層を加工する本発明の加工装置におい
ては、加工によって、加工カスやガス等が発生し、作業
環境の汚染やテープTの汚染等、各種の不都合を生じる
場合がある。このような不都合を解消するために、加工
ドラム16(ドラム本体24)表面のクリーニング手
段、加工後のテープTのバック層クリーニング手段、ガ
スの吸引手段等を設けてもよい。なお、クリーニング手
段は、磁気テープ製造装置や各種の加工装置に用いられ
る公知の方法によればよい。
【0040】以上説明した、本発明によるテープTの加
工は、バック層を形成した後であれば、磁気テープ製造
工程のいつ行っても良く、例えば、スリッタによってテ
ープを製品幅に切断する前であっても、切断した後であ
ってもよい。
【0041】以上、本発明の磁気テープ加工装置につい
て詳細に説明したが、本発明は上述の例に限定はされ
ず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改
良や変更を行ってもよい。
【0042】例えば、図示例は、加工ドラム16(ドラ
ム本体24)の側面に貫通孔24aを形成することによ
り、内側面に入射したシート光Sの通過および遮光(加
工のon/off)を行った例である。しかしながら、
本発明はこれに限定はされず、加工ドラムの側面におけ
る光通過部および遮光部の形成方法は、各種の方法が利
用可能である。一例として、加工ドラムのドラム本体
を、光学ガラス等の光透過性の材料で形成すると共に、
ドラム本体の側面に、公知の手段で光透過および遮光の
パターン(マスクパターン)を形成して、内側面に入射
したシート光Sの通過および遮光を行ってもよい。な
お、パターンの形成方法としては、金属薄膜の蒸着、印
刷、フィルム転写等の方法が例示される。
【0043】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
磁気テープ加工装置によれば、搬送速度を高速化しても
キャプスタンローラ等でスリップすることがなく、従っ
て、高速で正確な搬送を行うことができ、しかも、カッ
ピングの少ない、優れた特性を有する磁気テープを、効
率良く得ることができる。しかも、本発明の加工装置に
よれば、加工カスによる加工ドラムやテープの汚染防
止、加工ドラムの磨耗防止、テープの安定走行等を実現
して、長期に渡って、安定して前記磁気テープを製造す
ることが可能である。このような本発明の加工装置によ
って作製された磁気テープを用いることにより、ブレー
ド機等の磁気テープの製造装置において高速かつ正確な
テープ搬送を行うことができ、その結果、適正な生産管
理の下、損傷の無い磁気テープを安定して高生産効率で
製造でき、かつカートリッジやパンケーキに巻き取った
際の巻き姿も美しくでき、かつ、カッピングに起因する
テープの外観低下、ヘッド当りの悪化、テープエッジの
損傷等も防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の磁気テープ加工装置で加工された磁
気テープのバック層の一例を示す概念図である。
【図2】 (A)は、本発明の磁気テープ加工装置の一
例をテープの幅方向から見た概念図を、(B)は、同テ
ープTの長手方向から見た概念図を、(C)は、同装置
の加工ドラムの概略断面図を、それぞれ示す。
【図3】 本発明の磁気テープ加工装置の別の例の概念
図である。
【符号の説明】
10 (磁気テープ)加工装置 12 光源 14 (シート状レーザ)成形器 16 加工ドラム 18 テープ搬送装置 20 クリーニング装置 22 ミラー 24 ドラム本体 24a 貫通孔 26 支持部材 28 保持部材 30 ガイドローラ 32 ブレード 34 固定部材 36 レンズ光学系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B23K 101:16 B23K 101:16

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】側面に所定のパターンを具備する光通過部
    および遮光部が形成された、回転自在な中空円筒状のド
    ラムと、軸線を中心に前記ドラムを回転する回転手段
    と、平面状のレーザ光を前記ドラムの内側面に入射し
    て、前記レーザ光によって線を画成する光学系と、前記
    ドラムの内側面に入射して光通過部を通過したレーザ光
    の光路上で、かつ前記ドラムと非接触な位置に設定され
    る加工位置に磁気テープを位置しつつ、前記ドラム側に
    バック層を向けて、前記ドラムの回転方向と一致して磁
    気テープを長手方向に搬送する搬送装置とを有すること
    を特徴とする磁気テープ加工装置。
  2. 【請求項2】前記加工位置とドラムの間に、レンズ光学
    系を有する請求項1に記載の磁気テープ加工装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110064846A (zh) * 2019-04-24 2019-07-30 北京理工大学 一种基于电子动态调控加工液体单向流动表面的方法

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