JP2001084552A - 磁気記録媒体及び磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体及び磁気記録媒体の製造方法

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JP2001084552A
JP2001084552A JP25801099A JP25801099A JP2001084552A JP 2001084552 A JP2001084552 A JP 2001084552A JP 25801099 A JP25801099 A JP 25801099A JP 25801099 A JP25801099 A JP 25801099A JP 2001084552 A JP2001084552 A JP 2001084552A
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Sadafumi Iijima
定史 飯島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 MRヘッド再生システムと組み合わせた磁気
記録再生システムにおいて、優れたS/N特性が得られ
る磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 非磁性支持体上に、少なくともカーボブ
ラックと結合剤とを含む下層非磁性層を有し、前記下層
非磁性層上に少なくとも強磁性粉末と結合剤とを含む上
層磁性層を有する磁気記録媒体であって、前記上層磁性
層は、Co被着磁性酸化鉄粉末及び二酸化クロムから選
ばれる少なくとも1種を強磁性粉末として含有し、且つ
前記磁気記録媒体は、MRヘッドで記録信号の再生が行
われる記録再生システムに用いられる。前記下層非磁性
層に含まれる結合剤は放射線硬化型樹脂であることが好
ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗布型の磁気記録
媒体に関する。より詳しくは、本発明は、上層磁性層と
下層非磁性層とを有し、上層磁性層中にCo被着磁性酸
化鉄粉末及び二酸化クロムから選ばれる強磁性粉末が含
有され、MRヘッド再生システムに用いられる磁気記録
媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、VTRテープ、オーディオテー
プ、コンピューターテープ等の磁気記録媒体は、高性能
化、長時間記録化、小型軽量化のため、高密度記録化の
必要性が高まっており、MRヘッドを使用したシステム
の検討が行われている。
【0003】従来より、非磁性支持体上に下層非磁性層
と上層磁性層がこの順に設けられた磁気記録媒体はいく
つか開示されている。例えば、特公平1−30221号
公報には、非磁性層に結合剤として放射線硬化性樹脂を
用いることが提案されている。すなわち、「支持体に非
磁性下塗り層を施した後、磁性層を形成してなる磁気記
録媒体において、該下塗り層が、(A)放射線により硬
化性をもつ不飽和二重結合を2個以上有する分子量50
00以上、好ましくは8000以上の化合物、(B)放
射線により硬化性をもつ不飽和二重結合を1個以上有す
る分子量400以上で、かつ5000未満、好ましくは
600〜3000の化合物、(C)放射線により硬化性
をもつ不飽和二重結合を1個以上有する分子量400未
満の化合物、上記(A)、(B)、(C)から選ばれる
少なくとも2種以上を含有する放射線硬化性塗料を用
い、放射線照射により形成されてなることを特徴とする
磁気記録媒体。」が開示されている。しかし、同号公報
には磁性層の構成に関する記載はほとんどなく、十分な
電磁変換特性を有する磁気記録媒体を得ることは困難で
ある。
【0004】特開平7−29151号公報には、非磁性
層上の磁性層に、平均長軸長が0.2μm以下で保磁力
が1500Oe以上の針状の強磁性粉末(A)と、平均
粒子径が0.3μm以下で保持力が150Oe以下のマ
グネタイト粉末(B)とを、重量比(B)/(A)=
0.03〜0.3で含むことが記載され、前記強磁性粉
末(A)としてCo被着酸化鉄粉末が記載されている。
しかし、同号公報には非磁性層の構成に関する記載はほ
とんどなく、十分な塗膜物性を有する磁気記録媒体を得
ることは困難である。
【0005】特許第2566085号公報には、「非磁
性粉末を結合剤中に分散させた下層非磁性層用塗布液
と、強磁性粉末とモース硬度6以上でかつ乾燥後の磁性
層の厚さよりも平均粒子径が大きい研磨剤を結合剤中に
分散させた磁性層用塗布液をそれぞれ調整し、非磁性支
持体上に前記非磁性層用塗布液を塗布して得られた下層
非磁性層が湿潤状態のうちに下層非磁性層の塗布と同時
又は逐次に、前記磁性層の乾燥厚みが1μm以下となる
ように前記磁性層用塗布液を塗布することを特徴とする
磁気記録媒体の製造方法。」が開示されている。しか
し、この製造方法では、下層非磁性層が湿潤状態のうち
に上層磁性層を塗布するために、上層磁性層/下層非磁
性層界面が不均一となり出力変動を起こす。
【0006】また、上記従来公報では、いずれもMRヘ
ッド再生システムを組み合わせた検討は成されていな
い。
【0007】下層非磁性層及び上層磁性層の層構成を有
する磁気記録媒体で、かつMRヘッド再生システムとの
組み合わせが考慮されたものとしては、次のものがあ
る。例えば特開平10−312525号公報には、六方
晶フェライト粉末を有する磁性層の飽和磁束密度が30
0〜1000Gで抗磁力が2000エルステッド以上、
又は強磁性金属粉末を有する磁性層の飽和磁束密度が8
00〜1500Gで抗磁力が2000エルステッド以上
とすることが開示されている。
【0008】特開平10−302243号公報には、磁
性層表面の突起高さと磁化反転体積を規定し、磁性層の
保磁力を2000エルステッド以上にすることが開示さ
れている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、生産
性に優れ、かつ安価な磁気記録媒体であって、下層非磁
性層及び上層磁性層を有し、かつMRヘッド再生システ
ムと組み合わせた磁気記録再生システムにおいて、優れ
たS/N特性が得られる磁気記録媒体を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、前記上層磁性層の強磁性粉末として、Co被着
磁性酸化鉄粉末及び/又は二酸化クロムを用いることに
より、MR(Magneto-Resistive 磁気抵抗)ヘッドで記
録信号の再生が行われる記録再生システムに適した磁気
記録媒体が得られることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0011】すなわち、本発明は、非磁性支持体上に、
少なくともカーボブラックと結合剤とを含む下層非磁性
層を有し、前記下層非磁性層上に少なくとも強磁性粉末
と結合剤とを含む上層磁性層を有する磁気記録媒体であ
って、前記上層磁性層は、Co被着磁性酸化鉄粉末及び
二酸化クロムから選ばれる少なくとも1種を強磁性粉末
として含有し、且つ前記磁気記録媒体は、MRヘッドで
記録信号の再生が行われる記録再生システムに用いられ
るものである、磁気記録媒体である。
【0012】前記下層非磁性層に含まれる結合剤は、放
射線硬化型樹脂であることが好ましい。前記上層磁性層
の厚みは、0.5μm以下であることが好ましい。ま
た、前記上層磁性層表面の中心線平均粗さ(Ra)が、
1.0nm≦Ra≦8.0nmであることが好ましい。
【0013】また、本発明は、少なくともカーボンブラ
ックを放射線硬化型結合剤樹脂中に分散させた下層非磁
性層用塗料と、Co被着磁性酸化鉄粉末及び二酸化クロ
ムから選ばれる少なくとも1種の強磁性粉末を結合剤樹
脂中に分散させた上層磁性層用塗料をそれぞれ調製し、
非磁性支持体上に前記下層非磁性層用塗料を塗布、乾
燥、平滑化処理及び放射線照射を施した後、この下層非
磁性層上に前記上層磁性層用塗料を塗布、乾燥及び平滑
化処理を施すことを含む、磁気記録媒体の製造方法であ
る。上層磁性層用塗料を塗布した後、配向処理を行うこ
とが好ましい。
【0014】このように、本発明においては、強磁性粉
末として、Co被着磁性酸化鉄粉末及び/又は二酸化ク
ロムを用いるが、その利点を以下に述べる。
【0015】一般に高密度記録媒体の強磁性粉末として
は、強磁性金属粉末、六方晶系フェライト粉末が適して
いる。しかしながら、磁気記録媒体に記録された信号を
MRヘッドで再生するシステムを前提とすると、必ずし
も前記強磁性粉末が適しているわけではない。本来、前
記強磁性粉末の重要な利点である高磁化量のため磁性層
の飽和磁束密度が高くなってしまい、かえってノイズの
増加を招いてしまう。そのために磁性層に含有する強磁
性粉末の充填度を抑制したり、強磁性粉末自体の磁化量
抑制のために表面処理方法、添加剤種、量の調整あるい
は粉末製造時の熱処理条件の調整等が不可欠である。
【0016】本発明では、上層磁性層に、前記強磁性粉
末と比較すれば磁化量が低いCo被着磁性酸化鉄粉末及
び/又は二酸化クロムを含有させる。そのことにより、
磁気記録媒体の飽和磁束密度を低く設定することがで
き、MRヘッドを用いた再生システムにおいては、ノイ
ズが低減しS/Nが向上する。本発明で用いる強磁性粉
末は、強磁性金属粉末、六方晶系フェライト粉末と比較
すれば、結合剤樹脂中に分散させることが容易で表面性
の良好な磁気記録媒体を得やすい。また、結合剤樹脂、
研磨剤、各種無機粉末などを添加でき、塗膜物性及び耐
久走行性を高めることに有利である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的構成につい
て詳細に説明する。本発明の磁気記録媒体は、非磁性支
持体上に少なくとも2層の塗膜、すなわち、下層非磁性
層と膜厚0.5μm以下の上層磁性層とがこの順で設け
られており、非磁性支持体の磁性層を設けた側とは反対
側の面には、必要に応じてバックコート層が設けられ
る。なお、本発明では、上層磁性層上に潤滑剤塗膜や磁
性層保護用の各種塗膜などを必要に応じて設けてもよ
い。また、非磁性支持体の磁性層が設けられる面には、
塗膜と非磁性支持体との接着性の向上等を目的として、
下塗り層(易接着層)を設けることもできる。
【0018】[下層非磁性層]下層非磁性層は、少なく
ともカーボンブラックと結合剤樹脂とを含む。下層非磁
性層にカーボンブラックを含ませることによって、潤滑
剤を保持させることができるので、上層磁性層表面の潤
滑剤量を所望の範囲に調整することが容易になる。膜厚
の薄い上層磁性層のみでは十分な潤滑剤量を含有するこ
とが困難であり、下層のカーボンブラックは必須成分で
ある。また、下層非磁性層のカーボンブラックは、上層
磁性層の表面電気抵抗を下げる効果もあり、光透過率を
小さくする効果もある。
【0019】非磁性層に含まれるカーボンブラックとし
ては、ゴム用ファーネスブラック、ゴム用サーマルブラ
ック、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用い
ることができる。比表面積は5〜600m2 /g、DB
P吸油量は30〜400ml/100g、粒子径は10
〜100nmが好ましい。使用できるカーボンブラック
は具体的には「カーボンブラック便覧」、カーボンブラ
ック協会編を参考にすることができる。
【0020】非磁性層にはカーボンブラック以外にも各
種無機質粉末を用いることができ、例えば針状の非磁性
酸化鉄(α−Fe2 3 )などを用いることができる。
ただし、球状の超微粒子酸化鉄を用いることにより高分
散性が得られ、非磁性層における粒子の充填率を大きく
することができる。このため、非磁性層自体の表面性が
良化し、ひいては磁性層の表面性が良好となり、電磁変
換特性が向上する。他にはCaCO3 、酸化チタン、硫
酸バリウム、α−Al2 3 等の各種非磁性粉末を用い
てもよい。
【0021】カーボンブラックと無機質粉末の配合比率
は、重量比で100/0〜75/25が好ましい。無機
質粉末の配合比率が25重量部を上回ると、表面電気抵
抗で問題が生じる。
【0022】非磁性層に使用する結合剤樹脂は、熱可塑
性樹脂、反応型樹脂、放射線硬化型樹脂等のいずれの結
合剤でもよい。熱可塑性樹脂としては、軟化温度が15
0℃以下、平均分子量5000〜200000程度のも
のが好ましく、例えば、塩化ビニル系供重合体、ポリウ
レタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、ニトロセルロース、フェノキシ系樹脂等を挙げるこ
とができる。中でも共重合体の末端及び/又は側鎖に水
酸基を有するものが、反応型樹脂としてイソシアネート
を使用した架橋や放射線官能型変性を行った上で放射線
架橋等が容易に利用できるため好適である。
【0023】しかしながら、従来から使用されてきた熱
可塑系樹脂、反応型樹脂では十分な塗膜物性を得るため
に、非磁性層塗布済み原反ロールをオーブン中に長時間
(例えば70℃、2〜48時間)入れて硬化する必要が
ある。これは製造工程上の手間もさることながら、巻き
締まりによる非磁性層塗膜の変形や非磁性層表面の平滑
性の低下が問題となる。また、第2566085号に開
示されているような、下層非磁性層が湿潤状態のうちに
上層磁性層を塗布する製法では、塗布液の特性によって
は上層磁性層/下層非磁性層界面が不均一となり出力変
動を起こす場合がある。
【0024】従って、下層非磁性層の結合剤としては放
射線硬化型樹脂が最も好ましい。上記のような欠点をな
くすため、本発明において、下層非磁性層の結合剤樹脂
として放射線硬化型樹脂を用い、下層非磁性層塗料を塗
布し、乾燥、平滑化処理後、放射線照射を施し、放射線
による三次元架橋を生ぜしめ、その後、その上に上層磁
性層塗料を塗布することにより、好適な結果を得ること
ができる。この方法によれば、下層非磁性層は、上層磁
性層が設けられる時点において既に三次元架橋がなされ
ているので、有機溶剤による膨潤を受けることはない。
従って、下層非磁性層形成後、そのまま直ちに磁性塗料
を下層非磁性層上に塗布できるので、工程の連続化、簡
略化が図れる。
【0025】本発明で用いる放射線硬化型樹脂とは、放
射線によりラジカルを発生し、架橋あるいは重合するこ
とにより硬化するような、分子鎖中に不飽和二重結合を
1個以上含む樹脂をいう。
【0026】放射線硬化型樹脂としては、塩化ビニル系
樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ
系樹脂、フェノキシ樹脂、繊維系樹脂、ポリエーテル系
樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等の多数のものが挙
げられる。これらの中でも、塩化ビニル系樹脂、ポリウ
レタン樹脂が代表的であり、両者を混合して使用するこ
とが好ましい。
【0027】放射線硬化性塩化ビニル系樹脂は原料とな
る塩化ビニル系樹脂を感放射線変性して合成される。原
料の塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル含有量60
〜100重量%、特に60〜95重量%のものが好まし
い。このような塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル
−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル
−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート共重合体、
塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール−マレイン酸共重
合体、塩化ビニル−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レート−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル
−ビニルアルコール−グリシジル(メタ)アクリレート
共重合体、塩化ビニル−ヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレート−グリシジル(メタ)アクリレート共重合
体、塩化ビニル−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ート−アリルグリシジルエーテル共重合体、塩化ビニル
−酢酸ビニル−ビニルアルコール−アリルグリシジルエ
ーテル共重合体等が挙げられるが、とくに塩化ビニルと
エポキシ(グリシジル)基を含有する単量体との共重合
体が好ましい。そしてその平均重合度は100〜900
が好ましく、より好ましくは100〜600である。
【0028】さらに、分散性を高めるために、必要に応
じ−SO4 Y、−SO3 Y、−POY、−PO2 Y、−
PO3 Y、−COOY(Yは水素又はアルカリ金属)、
−SR、−NR2 、−NR3 Cl(Rは水素又は炭化水
素基)、ホスホベタイン、スルホベタイン、ホスファミ
ン、スルファミン等の極性基を任意の方法で導入するこ
とも好ましい。また熱安定性を高めるために、エポキシ
基の導入も好ましい。
【0029】上記の塩化ビニル系樹脂を感放射線変性す
る方法としては、水酸基やカルボン酸基を有する樹脂に
対し、 (メタ)アクリル基とカルボン酸無水物あるいは
ジカルボン酸を有する化合物を反応させて変性する方
法、トリレンジイソシアナート(TDI)と2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート(2−HEMA)との反応物
(アダクト体)とを反応させ変性する方法、エチレン性
不飽和二重結合を1個以上及びイソシアネート基1個を
1分子中に有し、かつウレタン結合を分子中に持たない
モノマーを反応させる方法が代表的である。これらの中
で3番目の方法が、変性させやすさ及び変性後の分散性
・物性ですぐれており、3番目の方法で変性するのが好
ましい。このようなモノマーとしては、2−イソシアネ
ートエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。結
合剤の分子内にアクリル基又はメタクリル基は、分子中
に平均で1〜20個より好ましくは2〜15個存在する
ことが好ましい。
【0030】放射線硬化性ポリウレタン樹脂は、分子内
にアクリル結合を少なくとも1個有するウレタン樹脂で
あって、アクリル系二重結合含有化合物とウレタン結合
を介して結合しているポリウレタンアクリレート化合物
である。
【0031】ここにいうアクリル系二重結合とは、アク
リル酸、アクリルエステル、アクリル酸アミド、メタク
リル酸、メタクリル酸エステル、メタクリル酸アミド等
の残基(アクリロイル基又はメタクリロイル基)をい
う。
【0032】アクリル系二重結合含有化合物(A)とし
ては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘ
キサメチレングリコール等のグリコールのモノ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパン、グリセリン、
トリメチロールエタン等のトリオール化合物のモノ(メ
タ)アクリレート及びジ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトール、ジペンタエリスリトール等の4価以上
のポリオールのモノ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)
アクリレート及びトリ(メタ)アクリレート、グリセリ
ンモノアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル等
のヒドロキシ基含有アクリル系化合物などが好適であ
る。これらのアクリル系二重結合は結合剤の分子内に少
なくとも1個以上、好ましくは2〜20個存在する必要
がある。
【0033】ポリウレタンアクリレート樹脂とは、一般
に、ヒドロキシ基含有樹脂(B’)とヒドロキシル基含
有アクリル系化合物(A’)とポリイソシアネート含有
化合物(C’)との反応により得られるものである。ヒ
ドロキシ基含有樹脂としては、ポリエチレングリコー
ル、ポリブチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ルなどのポリアルキレングリコール、ビスフェノールA
のアルキレンオキサイド付加物、各種のグリコール及び
ヒドロキシル基を分子鎖末端に有するポリエステルポリ
オール(B’)などが挙げられる。これらのなかでもポ
リエステルポリオール(B’)を1成分として得られる
ポリウレタンアクリレート樹脂が好ましい。
【0034】ポリエステルポリオール(B’)のカルボ
ン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オル
トフタル酸、1,5−ナフタル酸などの芳香族ジカルボ
ン酸、p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキ
シ)安息香酸などの芳香族オキシカルボン酸、コハク
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
ジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、フマル酸、マ
レイン酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサ
ヒドロフタル酸等の不飽和脂肪酸及び脂環族ジカルボン
酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸な
どのトリ又はテトラカルボン酸などを挙げることができ
る。
【0035】ポリエステルポリオール(B’)のグリコ
ール成分としては、エチレングリコール、プロピレング
リコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリ
コール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメ
チル−1,3−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、ビスフェノールAなどのエチレンオ
キサイド付加物及びプロピレンオキサイド付加物、水素
化ビスフェノールAのエチレンオキサイド及びプロピレ
ンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールな
どが挙げられる。また、トリメチロールエタン、トリメ
チロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール
などのトリ又はテトラオールを併用してもよい。ポリエ
ステルポリオールとしては、上記の他に、カプロラクト
ン等のラクトン類を開環重合して得られるラクトン系ポ
リエステルジオール鎖が挙げられる。
【0036】使用されるポリイソシアネート(C’)と
しては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−
トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシア
ネート、ビフェニルメタンジイソシアネート、m−フェ
ニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、テトラメチレンジイソシアネート、3,3’−ジ
メトキシ4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、
2,4−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメ
チル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、4,
4’−ジフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジイ
ソシアネート−ジフェニルエーテル、1,5−ナフタレ
ンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネー
ト、m−キシリレンジイソシアネート、1,3−ジイソ
シアネートメチルシクロヘキサン、1,4−イソシアネ
ートメチルシクロヘキサン、4,4’−ジイソシアネー
トジシクロヘキサン、4,4’−ジイソシアネートシク
ロヘキシルメタン、イソホロンジイソシアネート等のジ
イソシアネート化合物、あるいは全イソシアネート基の
うち7モル%以下の2,4−トリレンジイソシアネート
の3量体、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体等
のトリイソシアネート化合物が挙げられる。
【0037】さらに、分散性を高めるために、必要に応
じ−SO4 Y、−SO3 Y、−POY、−PO2 Y、−
PO3 Y、−COOY(Yは水素又はアルカリ金属)、
−SR、−NR2 、−NR3 Cl(Rは水素又は炭化水
素基)、ホスホベタイン、スルホベタイン、ホスファミ
ン、スルファミン等の極性基を任意の方法で導入するこ
とも好ましい。
【0038】一方、上記放射線硬化型ウレタン合成法と
は別に、塩化ビニル系樹脂と同様な方法で熱硬化型ポリ
ウレタン樹脂を原料とし感放射線変性を行なってもよ
い。
【0039】また必要に応じて放射線硬化型モノマー又
はオリゴマーを使用してもよく、使用することで塗膜の
架橋度をアップさせることができる。その添加量は下層
非磁性層用塗料に含まれる樹脂に対し、30重量部以下
であることが好ましく、より好ましくは20重量部以下
である。30重量部より多いと、塗料へ与えるショック
が大きく、逆に光沢の低下をおこす。放射線硬化型モノ
マー又はオリゴマーを添加する時期は、塗料作成後、分
散時のどちらでもかまわない。
【0040】下層非磁性層における放射線硬化型結合剤
の含有量は、カーボンブラック及び無機質粉末の合計1
00重量部に対して、10〜100重量部が好ましく、
12.5〜70重量部がより好ましい。結合剤の含有量
が少なすぎると、下層非磁性層における結合剤樹脂の比
率が低下し、十分な塗膜強度が得られない。結合剤の含
有量が多すぎると、下層非磁性層塗料作成時に分散不良
を起こし、平滑な下層非磁性層面を形成することができ
なくなる。
【0041】本発明で使用する放射線としては、電子
線、γ線、β線、紫外線などであるが、好ましくは電子
線である。またその照射量は、1〜10Mradがよく、3
〜7Mradがより好ましい。またその照射エネルギー(加
速電圧)は100kV以上とすることが良い。また放射線
の照射は、塗布・乾燥後に巻き取る以前に行うのが望ま
しいが、巻き取り後に行ってもよい。
【0042】本発明の下層非磁性層には、必要に応じて
潤滑剤が含有されることが好ましい。潤滑剤は、飽和、
不飽和に関わらず、脂肪酸あるいはエステル、糖類など
公知のものを単体で、あるいは2種以上混合して用いて
もよく、融点の異なる脂肪酸やエステルを2種以上混合
し用いることが好ましい。これは、磁気記録媒体の使用
される、あらゆる温度環境に応じた潤滑剤を、媒体表面
に持続して供給する必要があるからである。
【0043】具体的には、脂肪酸として、ステアリン
酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、エルカ
酸などの飽和直鎖脂肪酸や、イソセチル酸、イソステア
リン酸などの飽和で側鎖を有する脂肪酸、オレイン酸、
リノール酸、リノレン酸などの不飽和脂肪酸などを適宜
使用することができる。エステルとしては、ブチルステ
アレート、ブチルパルミテートなどの直鎖の飽和脂肪酸
エステル、イソセチルステアレート、イソステアリルス
テアレートなどの側鎖を有する飽和脂肪酸エステル、イ
ソステアリルオレエートなどの不飽和脂肪酸エステル、
オレイルステアレートなどの不飽和アルコールの脂肪酸
エステル、オレイルオレエートなどの不飽和脂肪酸と不
飽和アルコールのエステル、エチレングリコールジステ
アレートなどの2価アルコールのエステル、エチレング
リコールモノオレエート、エチレングリコールジオレエ
ート、ネオペンチルグリコールジオレエートなどの2価
アルコールと不飽和脂肪酸のエステル、またソルビタン
モノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソル
ビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエートなど
の糖類と飽和又は不飽和脂肪酸とのエステルなどがあ
る。下層非磁性層の潤滑剤の含有量は、目的に応じ適宜
調整すればよいが、カーボンブラックと無機質粉末を加
えた合計重量部に対し、1〜20重量%が好ましい。
【0044】下層非磁性層形成用の塗料は、上記成分に
有機溶剤を加えて調整する。用いる有機溶剤は特に制限
はなく、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤や、ト
ルエン等の芳香族系溶剤などの各種溶媒の1種又は2種
以上を、適宜選択して用いればよい。有機溶剤の添加量
は、固形分(カーボンブラックや各種無機粒子等)と結
合剤の合計量100重量部に対し、100〜900重量
部程度とすればよい。
【0045】下層非磁性層の表面粗さ(ここで表面粗度
を中心線平均粗さ(JIS−B−0601)Raで表わ
した。)は、良好である必要がある。下層非磁性層の平
滑化処理後のRaは8.0nm以下が好ましく、6.0
nm以下がより好ましく、5. 0nm以下が最も好まし
い。8.0nmを超えると、上層磁性層/下層非磁性層
界面が不均一となり出力変動を起こす傾向がある。
【0046】下層非磁性層の厚さは、通常、0.1〜
2.5μm、好ましくは0.3〜2.3μmである。非
磁性層が薄すぎると、非磁性支持体の表面性の影響を受
けやすくなり、その結果、非磁性層の表面性が悪化して
磁性層の表面性も悪化しやすくなり、電磁変換特性が低
下する傾向にある。また、光透過率が高くなるので、テ
ープ端を光透過率の変化により検出する場合に問題とな
る。一方、非磁性層をある程度以上厚くしても性能は向
上しない。
【0047】[上層磁性層]上層磁性層には少なくと
も、強磁性粉末としてのCo被着磁性酸化鉄粉末及び/
又は二酸化クロム粉末、結合剤樹脂及び研磨材を含有す
る。
【0048】上層磁性層に含有されるCo被着磁性酸化
鉄粉末としては、Co被着マグネタイト、Co被着γ−
Fe2 3 が使用される。但し、Co被着マグネタイト
は現実には、Co被着Fe3 4 とCo被着γ−Fe2
3 の中間の酸化度のベルトライド酸化鉄であるCo被
着FeOX (1.34<X<1.50)と考えられ、本
発明においてもこれを用いることが好ましい。
【0049】本発明に使用されるCo被着磁性酸化鉄粉
末の製造方法は公知のいずれの方法でもよく、特に制限
されるものではない。磁気特性は、Coの添加量やFe
2+量を変更することによって所定のものに調整できる。
Co添加量やFe2+量は製造条件によって変更可能であ
る。また、目的に応じて、添加元素としてMn、Zn等
の遷移金属元素、希土類元素などを添加してもよい。
【0050】二酸化クロム粉末としては、CrO2 、こ
れにNa、K、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、T
e、Ru、Sn、Ce、Pbなどの金属、P、Sb、T
eなどの塩、またはこれらの金属酸化物が多くとも20
重量%までの量で添加されたものが使用される。また、
二酸化クロム粉末は粒子の針状比が高く、磁性層の磁気
特性の角形比、配向度を向上させることが容易である。
製造方法は公知のいずれの方法でもよく、特に制限され
るものではない。
【0051】本発明に使用される強磁性粉末の粉体特性
としては、保磁力は、好ましくは500〜1500O
e、さらに好ましくは800〜1300Oeであり、飽
和磁化は、好ましくは50〜100emu/g、さらに
好ましくは60〜80emu/gである。平均長軸長は
好ましくは0.05〜0.5μm、さらに好ましくは
0.1〜0.3μmである。BET法の比表面積で表わ
せば、好ましくは25〜80m2 /gであり、さらに好
ましくは30〜65m2 /gである。BETが25m2
/g以下ではノイズが高くなる傾向があり、80m2
g以上では分散が困難であり、良好な表面性が得られな
くくなる。
【0052】本発明に使用される強磁性粉末の中でも、
Co被着磁性酸化鉄粉末が二酸化クロム粉末よりも保磁
力、磁化量の点で優れており、MRヘッド再生システム
においては有利である。さらにCo被着磁性酸化鉄粉末
の中でも、Co被着γ−Fe 2 3 系粉末よりも単位体
積当たりのFe2+イオンが多いため磁化量が高く磁気特
性に優れ、かつ磁気記録媒体の遮光性を高めることか
ら、Co被着マグネタイトが一層好ましい。また、本発
明でいうCo被着とは、Coが表層にあり、かつCoを
粉末内部に含有している場合も含むものである。
【0053】このような強磁性粉末は、磁性層組成中の
70〜90重量部程度含まれていればよい。強磁性粉末
の含有量が多すぎると、結合剤の含有量が減少するため
カレンダ加工による表面平滑性が悪化しやすくなり、一
方、少なすぎると、高い再生出力が得られない。
【0054】結合剤樹脂としては、通常用いられている
ものであれば特に制限はなく、熱可塑性樹脂、熱硬化性
ないし反応型樹脂、放射線硬化型結合剤樹脂のいずれを
も用いることができる。
【0055】例えば、ポリエステルポリウレタン樹脂、
塩化ビニル系共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステ
ル系共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、塩
化ビニル−塩化ビニリデン系共重合体、塩化ビニル−ア
クリロニトリル系共重合体、アクリル酸エステル−アク
リロニトリル系共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビ
ニリデン系共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニ
リデン系共重合体、メタクリル酸エステル−エチレン系
共重合体、ポリ弗化ビニル−塩化ビニリデン−アクリロ
ニトリル系共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン系
共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セ
ルロース誘導体(セルロースアセテートブチレート、セ
ルロースダイアセテート、セルローストリアセテート、
セルロースプロピオネート、ニトロセルロース等)、ス
チレン−ブタジエン系共重合体、ポリエステル樹脂−ク
ロロビニルエーテルアクリル酸エステル系共重合体、ア
ミノ樹脂および合成ゴム系の熱可塑性樹脂などを挙げる
ことができる。
【0056】磁性層に用いられるこれらの結合剤の含有
量は、強磁性粉末100重量部に対して5〜40重量
部、特に10〜30重量部が好ましい。結合剤の含有量
が少なすぎると、磁性層の強度が低下するため、走行耐
久性が悪化しやすくなる。一方、多すぎると、強磁性粉
末の含有量が低下するため、電磁変換特性が低下してく
る。
【0057】これらの結合剤を硬化する架橋剤として
は、各種ポリイソシアナート、特にジイソシアナートを
用いることができ、特に、トリレンジイソシアナート、
ヘキサメチレンジイソシアナート、メチレンジイソシア
ナートの1種以上を用いることが好ましい。これらの架
橋剤は、トリメチロールプロパン等の水酸基を複数有す
るものに変性した架橋剤又はジイソシアネート化合物3
分子が結合したイソシアヌレート型の架橋剤として用い
ることが特に好ましく、結合剤樹脂に含有される官能基
等と結合して樹脂を架橋する。架橋剤の含有量は、結合
剤100重量部に対し、10〜30重量部とすることが
好ましい。このような熱硬化性樹脂を硬化するには、一
般に加熱オーブン中で50〜70℃にて12〜48時間
加熱すればよい。
【0058】さらに磁性層中には、磁性層の機械的強度
を高めるためと、磁気ヘッドの目詰まりを防ぐために、
研磨材を含有する。研磨材としては、例えば、α−アル
ミナ(モース硬度9)、酸化クロム(モース硬度9)、
炭化珪素(モース硬度9.5)、酸化珪素(モース硬度
7)、窒化アルミニウム(モース硬度9)、窒化硼素
(モース硬度9.5)等のモース硬度6以上、好ましく
はモース硬度9以上の研磨材を少なくとも1種含有させ
ることが好ましい。これらは通常、不定形状であり、磁
気ヘッドの目詰まりを防ぎ、塗膜の強度を向上させる。
【0059】研磨材の平均粒径は、例えば0.05〜
0.5μmであることが好ましい。平均粒径が大きすぎ
ると、磁性層表面からの突出量が大きくなって、電磁変
換特性の低下、ドロップアウトの増加、ヘッド摩耗量の
増大等を招く。平均粒径が小さすぎると、磁性層表面か
らの突出量が小さくなって、ヘッド目詰まりの防止効果
が不十分となる。平均粒径は、通常、透過型電子顕微鏡
により測定する。研磨材の含有量は、強磁性粉末100
重量部に対し、3〜25重量部、好ましくは5〜20重
量部含有すればよい。
【0060】また、磁性層中には、必要に応じ、界面活
性剤等の分散剤、高級脂肪酸、脂肪酸エステル、シリコ
ンオイル等の潤滑剤、その他の各種添加物を添加しても
よい。
【0061】磁性層形成用の塗料は、上記各成分に有機
溶剤を加えて調整する。用いる有機溶剤は特に制限はな
く、下層非磁性層に使用するものと同様のものが使用可
能である。
【0062】上層磁性層の厚みを0.5μm以下にする
ことにより、自己減磁損失や厚み損失の影響を抑制でき
る。また、MR型ヘッドを用いた再生システムでは、磁
性層の飽和磁束密度が高すぎるとかえってノイズの増加
を招く。そのため、上層磁性層の厚みは0.5μm以
下、好ましくは0.05〜0.30μm,更に好ましく
は0.10〜0.25μmである。
【0063】上層磁性層の表面の中心線平均粗さ(R
a)は、1.0〜8.0nm、好ましくは2.0〜7.
0nmとする。Raが1.0nm未満では表面が平滑す
ぎて、走行安定性が悪化して走行中のトラブルが生じや
すくなる。一方,8.0nmを越えると、磁性層表面が
粗くなり、MR型ヘッドを用いた再生システムでは、上
層磁性層表面にある突起があるとその影響で突発的もし
くは断続的にノイズが増大する傾向がある。
【0064】[バックコート層]バックコート層は、走
行安定性の改善や磁性層の帯電防止等のために設けられ
る。バックコート層は、30〜80重量%のカーボンブ
ラックを含有することが好ましい。カーボンブラックの
含有量が少なすぎると、帯電防止効果が低下する傾向が
あり、さらに走行安定性が低下しやすくなる。また、光
透過率が高くなりやすいので、テープ端を光透過率の変
化で検出する方式では問題となる。一方、カーボンブラ
ックの含有量が多すぎると、バックコート層の強度が低
下し、走行耐久性が悪化しやすくなる。カーボンブラッ
クは、通常使用されるものであればどのようなものであ
ってもよく、その平均粒径は、5〜500nm程度が好
ましい。平均粒径は、通常、透過型電子顕微鏡により測
定する。
【0065】バックコート層には、前記カーボンブラッ
ク以外に、機械的強度を高めるために、磁性層の説明に
おいて挙げた各種研磨材等の非磁性無機粉末を含有させ
てもよい。非磁性無機粉末の含有量は、カーボンブラッ
ク100重量部に対し、好ましくは0.1〜5重量部、
より好ましくは0.5〜2重量部である。非磁性無機粉
末の平均粒径は、0.1〜0.5μmであることが好ま
しい。このような非磁性無機粉末の含有量が少なすぎる
と、バックコート層の機械的強度が不十分となりやす
く、多すぎるとテープ摺接経路のガイド等の摩耗量が多
くなりやすい。
【0066】この他、必要に応じ、界面活性剤等の分散
剤、高級脂肪酸、脂肪酸エステル、シリコンオイル等の
潤滑剤、その他の各種添加物を添加してもよい。
【0067】バックコート層に用いる結合剤、架橋剤、
溶剤等は、前述した磁性層用塗料に用いるものと同様の
ものでよい。結合剤の含有量は、固形分の合計100重
量部に対し、好ましくは15〜200重量部、より好ま
しくは50〜180重量部である。バインダーの含有量
が多すぎると、媒体摺接経路との摩擦が大きくなりすぎ
て走行安定性が低下し、走行事故を起こしやすくなる。
また、磁性層とのブロッキング等の問題が発生する。結
合剤の含有量が少なすぎると、バックコート層の強度が
低下して走行耐久性が低下しやすくなる。
【0068】バックコート層の厚さ(カレンダー加工
後)は、1.0μm以下、好ましくは0.1〜1.0μ
m、より好ましくは0.2〜0.8μmである。バック
コート層が厚すぎると、媒体摺接経路との間の摩擦が大
きくなりすぎて、走行安定性が低下する傾向にある。一
方、薄すぎると、非磁性支持体の表面性の影響でバック
コート層の表面性が低下する。このため、バックコート
を熱硬化する際にバックコート層表面の粗さが磁性層表
面に転写され、高域出力、S/N、C/Nの低下を招
く。また、バックコート層が薄すぎると、媒体の走行時
にバックコート層の削れが発生する。
【0069】[非磁性支持体]非磁性支持体として用い
る材料には特に制限はなく、目的に応じて各種可撓性材
料、各種剛性材料から選択し、各種規格に応じてテープ
状などの所定形状および寸法とすればよい。例えば、可
撓性材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリプロピ
レン等のポリオレフィン類、ポリアミド、ポリイミド、
ポリカーボネートなどの各種樹脂が挙げられる。
【0070】これら非磁性支持体の厚さは3.0〜7
5.0μmであることが好ましい。非磁性支持体の形態
については特に制限はなく、テープ状、シート状、カー
ド状、ディスク状等のいずれであっても良く、形態に応
じて、また必要に応じて種々の材料を選択して使用する
ことができる。
【0071】本発明で使用される非磁性支持体の表面粗
さは、中心線平均表面粗さRaで20nm以下、好まし
くは15nm以下である。非磁性支持体の表面粗さは、
必要に応じて非磁性支持体に添加されるフィラーの大き
さと量により自由に制御される。これらフィラーの例と
しては、Ca、Si、Ti、Alなどの酸化物や炭酸塩
の他、アクリル系などの有機樹脂微粉末が挙げられ、好
ましくは、Al2 3と有機樹脂微粉末の組み合わせで
ある。
【0072】[製造方法]本発明の磁気記録媒体は、上
記材料を用いて下層非磁性層用塗料及び上層磁性層用塗
料をそれぞれ調製し、前記非磁性支持体上に前記下層非
磁性層用塗料を塗布、乾燥、平滑化処理及び放射線照射
を施した後、この下層非磁性層上に前記上層磁性層用塗
料を塗布、乾燥及び平滑化処理を施すことにより製造す
ることができる。
【0073】前記下層非磁性層用及び上層磁性層用の各
塗料は、少なくとも混練工程、分散工程、及びこれらの
工程の前後に必要に応じて、混合工程、粘度調整工程及
び濾過工程を行うことにより製造される。個々の工程は
それぞれ2段階以上に分かれていても構わない。本発明
に使用する強磁性粉末、非磁性無機粉末、結合剤、研磨
材、カーボンブラック、潤滑剤、溶剤などすべての材料
は、どの工程の最初又は途中で添加しても構わない。ま
た、個々の材料を2つ以上の工程で分割して添加しても
構わない。
【0074】塗料の混練・分散には、従来公知の製造技
術を一部又は全部の工程に用いることができることはも
ちろんであるが、混練工程では連続ニーダや加圧ニーダ
など強い混練力を持つものを使用することが好ましい。
連続ニーダ又は加圧ニーダを用いる場合は、強磁性粉末
あるいは非磁性無機粉末と結合剤のすべて又はその一部
(ただし全結合剤の10重量%以上が好ましい)で混練
処理される。混練時のスラリー温度は、50℃〜110
℃が好ましい。
【0075】また、塗料の分散には、高比重の分散メデ
ィアを用いることが望ましく、ジルコニア、チタニア等
のセラミック系メディアが好適である。従来より用いら
れているガラスビーズ、金属ビーズ、アルミナビーズ等
なども組成配合によっては選択使用可能である。
【0076】本発明の磁気記録媒体の製造方法では、非
磁性支持体上に前記下層非磁性層用塗料を塗布、乾燥、
平滑化処理及び放射線照射を施し硬化させた後、この下
層非磁性層上に前記上層磁性層用塗料を塗布する。バッ
クコート層の塗布は、下層非磁性層及び上層磁性層の塗
設前であっても塗設後であってもよく、同時であっても
よい。
【0077】塗布手段は、例えばグラビアコート、リバ
ースコート、エクストルージョンノズル等のいずれを用
いても良いが、操作性や生産性の点で、ダイノズルコー
ターを用いる方法が好ましい。
【0078】下層非磁性層用塗料の塗布後の乾燥は、例
えば、室温から300℃程度までの乾燥温度で行うとよ
い。平滑化処理は、後述する磁性層の平滑化処理と同じ
ように行うことができる。平滑化処理後、放射線照射を
施し硬化された非磁性層を得る。
【0079】続いて、この下層非磁性層上に前記上層磁
性層用塗料を塗布する。本発明では、磁気テープの場合
は、磁性層を設層した後、磁場を印加して、層中の磁性
粒子を配向させることが好ましい。配向方向は、目的に
応じて、媒体の走行方向に対して、平行方向であって
も、垂直方向であっても、斜め方向であってもよい。所
定方向へ向けるため、フェライト磁石や希土類磁石等の
永久磁石、電磁石、ソレノイド等で1000G以上の磁
界を印可したり、これらの磁界発生手段を複数併用する
ことが好ましい。さらには乾燥後の配向性が最も高くな
るように、配向前に予め適度の乾燥工程を設けたり、配
向と同時に乾燥を行うなどして配向を行ってもよい。フ
ロッピーディスクの場合には、塗布によって自然に配向
された磁性粉を、永久磁石、電磁石、ソレノイド等で、
できるかぎり無配向状態にしてもよい。
【0080】このようにして磁性層塗設後、配向処理の
行われた塗膜は、通常、乾燥炉の内部に設けられた熱
風、遠赤外線、電気ヒーター、真空装置等の公知の乾燥
及び蒸発手段によって乾燥・固定される。乾燥温度は、
室温から300℃程度までの範囲で、非磁性支持体の耐
熱性や溶剤種、濃度等によって適宜選定すればよく、ま
た乾燥炉内に温度勾配をもたせてもよい。さらに乾燥炉
内のガス雰囲気は、一般の空気又は不活性ガスなどを用
いればよい。
【0081】このようにして磁性層を乾燥した後に、必
要に応じて表面平滑化処理としてカレンダ処理を行う。
カレンダ処理ロールとしては、エポキシ、ポリエステ
ル、ナイロン、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドア
ミド等の耐熱性のあるプラスチックロール(カーボン、
金属やその他の無機化合物が練り込まれているものでも
よい)と金属ロールとの組合わせ(3ないし7段の組合
わせ)を使用するとよい。また、金属ロール同士で処理
することもできる。処理温度は、好ましくは90℃以
上、さらに好ましくは100℃以上である。線圧力は、
好ましくは200kg/cm以上、さらに好ましくは2
50kg/cm以上、処理速度は、20m/分〜900
m/分の範囲である。本発明では、100℃以上の温度
で250kg/cm以上の線圧で、より一層効果を上げ
ることができる。
【0082】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。 [上層磁性層用塗料(a) の調製] (バインダー溶液調製) 塩化ビニル系樹脂(日本ゼオン社製:MR-110) 10重量部 ポリエステルポリウレタン樹脂(東洋紡績社製:UR-8300 ) 7重量部 MEK 21重量部 トルエン 21重量部 シクロヘキサノン 21重量部 上記組成物をハイパーミキサーに投入し、混合・撹拌
し、バインダー溶液とした。
【0083】(混練)下記組成物を加圧ニーダーに投入
し、2時間混練を行った。 Co被着マグネタイト磁性粉 100重量部 (Hc=1100Oe 、σs=80emu/g 、 BET=57m2/g 、長軸長=0.10 μm) α−Al2 3 12重量部 (住友化学工業社製:HIT-82 、平均粒径=0.13 μm) バインダー溶液 40重量部 混練後のスラリーに下記組成物を投入して、分散処理に
最適な粘性に調整した。 バインダー溶液 40重量部 MEK 15重量部 トルエン 15重量部 シクロヘキサノン 15重量部
【0084】(分散)上記スラリーをサンドミルにて分
散処理を行った。
【0085】(粘度調整液)下記組成物をハイパーミキ
サーに投入し、1時間混合・撹拌し、粘度調整液とし
た。上記粘度調整液を95%カット濾過精度=1.2μ
mのデプスフィルターを用いて循環濾過を行った。 ステアリン酸 0.5重量部 ミリスチン酸 0.5重量部 ステアリン酸ブチル 0.5重量部 MEK 210重量部 トルエン 210重量部 シクロヘキサノン 210重量部
【0086】(粘度調整)分散後のスラリーに上記溶液
を混合撹拌した後、サンドミルにて再度分散処理を行
い、塗料とした。上記塗料を95%カット濾過精度=
1.2μmのデプスフィルターを用いて循環濾過を行っ
た。
【0087】(最終塗料)濾過後の塗料100重量部に
イソシアネート化合物(日本ポリウレタン製、コロネー
トL)0.8重量部を加え撹拌・混合し、95%カット
濾過精度=1.2μmのデプスフィルターを用いて循環
濾過を行い、磁性層用の最終塗料(a) とした。
【0088】[上層磁性層用塗料(b) の調製]上記上層
磁性層用塗料(a) のCo被着マグネタイト磁性粉の代わ
りに、Co被着γ−Fe2 3 (Hc=1050Oe 、σs=75em
u/g 、 BET=55m2/g 、長軸長=0.10 μm) を強磁性粉末
として用いた以外は同様にして、上層磁性層用塗料(b)
とした。
【0089】[上層磁性層用塗料(c) の調製]上記上層
磁性層用塗料(a) のCo被着マグネタイト磁性粉の代わ
りに、二酸化クロム粉末(Hc=800 Oe 、σs=70emu/g 、
BET=35m2/g 、長軸長=0.15 μm) を強磁性粉末として
用いた以外は同様にして、上層磁性層用塗料(c) とし
た。
【0090】[上層磁性層用塗料の調製]上記上層磁性
層用塗料(a) のCo被着マグネタイト磁性粉の代わり
に、強磁性合金粉末(Hc=1850Oe 、σs=130emu/g、長軸
長=0.10 μm) を強磁性粉末として用いた以外は同様に
して、上層磁性層用塗料(d) とした。
【0091】 [下層非磁性層用塗料(e) の調製] (バインダー溶液調製) 電子線硬化型塩化ビニル系樹脂 10重量部 (塩化ビニル−エポキシ含有モノマー共重合体、平均重合度=310、 エポキシ含有量=3wt%、S含有量=0.6wt%、アクリル含有量=6個/1分子、 Tg=60℃) 電子線硬化型ポリエステルポリウレタン樹脂 7重量部 (リン化合物−ヒドロキシ含有ポリエステルポリウレタン、 数平均分子量=13000、アクリル含有量=6個/1分子、Tg=10℃) MEK 21重量部 トルエン 21重量部 シクロヘキサノン 21重量部 上記組成物をハイパーミキサーに投入、撹拌し、バイン
ダー溶液とした。
【0092】(混練)下記組成物を加圧ニーダーに投入
し、2時間混練を行った。 針状α−Fe2 3 10重量部 (戸田工業社製:DPN-250BW 、長軸長=0.15 μm、比表面積=53m2/g ) カーボンブラック 90重量部 (コロンビアカーボン社製:Raven760B 、平均粒径=30nm 、 比表面積=70m2/g 、DPB吸油量=48ml/100g) バインダー溶液 40重量部 混練後のスラリーに下記組成物を投入して、分散処理に
最適な粘性に調整した。 バインダー溶液 40重量部 MEK 15重量部 トルエン 15重量部 シクロヘキサノン 15重量部
【0093】(分散)上記スラリーをサンドミルにて分
散処理を行った。
【0094】(粘度調整液)下記組成物をハイパーミキ
サーに投入、撹拌し、粘度調整液とした。 ステアリン酸 0.5重量部 ミリスチン酸 0.5重量部 ステアリン酸ブチル 0.5重量部 MEK 100重量部 トルエン 100重量部 シクロヘキサノン 100重量部
【0095】(粘度調整及び最終塗料)分散後のスラリ
ーに上記溶液を混合撹拌した後、サンドミルにて再度分
散処理を行い、塗料とした。上記塗料を95%カット濾
過精度=1.2μmのデプスフィルターを用いて循環濾
過を行い、下層非磁性層用の最終塗料(e) とした。
【0096】 [バックコート層用塗料の調製] (バインダー溶液調整) 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 65重量部 (モノマー重量比=92:3:5 、平均重合度=420) ポリエステルポリウレタン樹脂(東洋紡績社製:UR-8300 ) 35重量部 MEK 260重量部 トルエン 260重量部 シクロヘキサノン 260重量部 上記組成物をハイパーミキサーに投入、撹拌し、バイン
ダー溶液とした。
【0097】 (分散) 下記組成物をボールミルに投入し、24時間分散を行った。 カーボンブラック 80重量部 (コロンビアカーボン社製: Conductex SC、平均粒径=20nm、BET=220m2/g ) カーボンブラック 1重量部 (コロンビアカーボン社製:Sevacarb MT、平均粒径=350nm、BET=8m2/g) α−Fe2 3 (戸田工業社製:TF100、平均粒径=0.1μm) 1重量部 バインダー溶液 880重量部
【0098】(粘度調整液)下記組成物をハイパーミキ
サーに投入、撹拌し、粘度調整液とした。 ステアリン酸 1重量部 ミリスチン酸 1重量部 ステアリン酸ブチル 2重量部 MEK 210重量部 トルエン 210重量部 シクロヘキサノン 210重量部
【0099】(粘度調整)分散後のスラリーに上記溶液
を混合撹拌した後、再度ボールミルにて分散処理を3時
間行った。上記塗料を95%カット濾過精度=1.2μ
mのデプスフィルターを用いて循環濾過を行った。
【0100】(最終塗料)濾過後の塗料100重量部に
イソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製、コロネ
ート−L)1重量部を加え、撹拌・混合し、95%カッ
ト濾過精度=1.2μmのデプスフィルターを用いて循
環濾過を行い、バックコート塗料とした。
【0101】[磁気テープの作成] (実施例1〜5、比較例1〜2)実施例1〜5、比較例
1〜2において、表1に示す上層磁性層及び下層非磁性
層塗料を使用した。非磁性支持体(厚さ8.3μmのポ
リエチレンテレフタレートフィルム)表面に下層非磁性
層用塗料を塗布、乾燥、カレンダー加工を行い、窒素ガ
ス雰囲気中で電子線を照射し硬化させた。この下層非磁
性層上に上層磁性層用塗料を塗布、配向、乾燥、カレン
ダー加工を施した。カレンダー加工後の上層磁性層/下
層非磁性層の膜厚を表1に示した。さらに、非磁性支持
体の裏面にはバックコート層用塗料を塗布した。乾燥
後、カレンダー加工を行った。カレンダー加工後のバッ
クコート層の膜厚は全サンプル0.5μmであった。こ
のロールを24時間常温にて放置後、60℃の加熱オー
ブン中にて24時間硬化した後、1/2inch幅に切
断してカセットに組み込み、磁気テープサンプルとし
た。
【0102】得られた各磁気テープサンプルにつき、以
下の評価を行った。 <MR型ヘッド電磁変換特性>市販のデータドライブを
改造して、ヘッドへの信号入出力を可能にしたテスター
にて、TDK製実験用MR型ヘッドを装着してS/Nの
測定を行った。測定条件は、記録ヘッド:MIG(ギャ
ップ1μm)、再生ヘッド:MR型ヘッド(ギャップ
0.4μm)とした。比較例1のサンプルのS/N測定
値を0dBとした相対値を表1に示した。
【0103】<表面粗さ Ra>テーラーホブソン社製
の触針型表面形状測定器、TALYSTEPシステムを
使用し、JIS B−0601に記載されている方法に
より測定値を得た。測定条件は、フィルター条件:0.
18〜9Hz、針圧:2mg、使用針:0.1×2.5
μm特殊スタイラス、スキャンスピード:0.03mm
/sec、スキャン長さ:500μmとした。得られた
結果より、Ra(nm)を求めた。
【0104】
【表1】
【0105】表1より、実施例1〜5のテープサンプル
は、いずれも、S/N測定値が高くMR型ヘッド電磁変
換特性に優れていた。実施例1、4及び5より、強磁性
粉末としてCo被着マグネタイト粉末を用いたテープサ
ンプルが、MR型ヘッド電磁変換特性により優れてい
た。
【0106】
【発明の効果】本発明によれば、MRヘッド再生システ
ムに好適な電磁変換特性に優れる磁気記録媒体が提供さ
れる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に、少なくともカーボブ
    ラックと結合剤とを含む下層非磁性層を有し、前記下層
    非磁性層上に少なくとも強磁性粉末と結合剤とを含む上
    層磁性層を有する磁気記録媒体であって、前記上層磁性
    層は、Co被着磁性酸化鉄粉末及び二酸化クロムから選
    ばれる少なくとも1種を強磁性粉末として含有し、且つ
    前記磁気記録媒体は、MRヘッドで記録信号の再生が行
    われる記録再生システムに用いられるものである、磁気
    記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記下層非磁性層に含まれる結合剤が、
    放射線硬化型樹脂である、請求項1に記載の磁気記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 前記上層磁性層の厚みが、0.5μm以
    下である、請求項1又は2に記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記上層磁性層表面の中心線平均粗さ
    (Ra)が、1.0nm≦Ra≦8.0nmである、請
    求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の磁気記録媒
    体。
  5. 【請求項5】 少なくともカーボンブラックを放射線硬
    化型樹脂中に分散させた下層非磁性層用塗料と、Co被
    着磁性酸化鉄粉末及び二酸化クロムから選ばれる少なく
    とも1種の強磁性粉末を結合剤樹脂中に分散させた上層
    磁性層用塗料をそれぞれ調製し、 非磁性支持体上に前記下層非磁性層用塗料を塗布、乾
    燥、平滑化処理及び放射線照射を施した後、この下層非
    磁性層上に前記上層磁性層用塗料を塗布、乾燥及び平滑
    化処理を施すことを含む、磁気記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 上層磁性層用塗料を塗布した後、配向処
    理を行う、請求項5に記載の磁気記録媒体の製造方法。
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