JP2001083292A - 放射性アスファルト固化体の処理方法 - Google Patents

放射性アスファルト固化体の処理方法

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JP2001083292A
JP2001083292A JP26125299A JP26125299A JP2001083292A JP 2001083292 A JP2001083292 A JP 2001083292A JP 26125299 A JP26125299 A JP 26125299A JP 26125299 A JP26125299 A JP 26125299A JP 2001083292 A JP2001083292 A JP 2001083292A
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Yasushi Fujimura
靖 藤村
Daisuke Taneda
大介 種田
Koji Takahashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで放射性アスファルト固化体を効率
よく無機化処理することができる方法を提供する。 【解決手段】 硝酸塩を含む放射性アスファルト固化体
を、水の存在下で高温高圧条件下に置き、前記固化体中
の有機成分を前記硝酸塩により酸化分解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核燃料再処理工場
などにおいて発生する放射性アスファルト固化体を処理
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】核燃料再処理工場などの放射性廃棄物の
一部は、アスファルトによって固形化され、アスファル
ト固化体とされる。一般に、この放射性アスファルト固
化体には、高濃度、例えば10〜70重量%の硝酸塩が
含まれる。放射性アスファルト固化体は、可燃性のアス
ファルト成分(有機成分)を含むことから、焼却処理な
どによる酸化などにより無機化処理され安定化されるこ
とが望まれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】放射性アスファルト固
化体に含まれる硝酸塩は、空気に比べ強力な酸化剤とし
て作用するため、放射性アスファルト固化体を焼却処理
する際には、有機成分が硝酸塩により急激に酸化され、
急激な燃焼反応が起きる。このため、焼却処理では、燃
焼速度の制御が困難であり、硝酸塩由来の高濃度のNO
xが発生するおそれがあった。さらには、固化体中の硝
酸塩含有量が変動する場合、処理時の温度上昇量を予測
するのが難しく、処理時において適正な温度条件を維持
するのが難しい問題があった。また焼却処理時には、固
化体中の放射性物質が焼却炉内壁に吸着することにより
焼却炉が汚染され、焼却炉のメンテナンスに多大な手
間、コストが必要となる上、硝酸塩由来のNOxや、有
機成分に含まれる硫黄分由来のSOxが燃焼ガス中に混
入し、燃焼ガスの処理が必要となり、処理コストが嵩む
問題がある。
【0004】また、特開昭61−7499号公報には、
不燃性有機溶媒を用いた抽出法により放射性アスファル
ト固化体中の有機成分を他の成分から分離することによ
って、固化体を無機化する方法が開示されている。しか
しながら、この方法では、抽出物中に放射性物質が混入
することがあり、抽出物の処理に多大なコストが必要と
なる問題があった。本発明は、上記事情に鑑みてなされ
たもので、適正な処理条件を保つことができ、かつ低コ
ストで放射性アスファルト固化体を効率よく無機化処理
することができる方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題は、硝酸塩を含
む放射性アスファルト固化体を、水の存在下で高温高圧
条件下に置き、前記固化体中の有機成分を前記硝酸塩に
より酸化分解させる処理方法により解決することができ
る。この処理方法によれば、流動化アスファルト中の有
機成分が、水の存在下で酸化分解されるため、酸化分解
反応速度が低く保たれ、反応熱による急激な温度上昇が
起こり難くなる。このため、反応時の温度条件の設定が
容易となる。前記酸化分解時には、圧力250〜300
kg/cm2、温度500〜650℃の条件下で前記水
を用いるのが好ましい。上記酸化分解時には、処理時
に、放射性アスファルト固化体中の有機成分を酸化する
酸化剤を添加することもできる。また本発明では、前記
酸化分解に先立ち、放射性アスファルト固化体に流動化
剤を添加して該固化体を流動化させておき、これを水と
ともに連続的に酸化分解反応器に送り込み、この酸化分
解反応器内で前記固化体と水を高温高圧条件下に置く方
法を採用することができる。この場合には、酸化分解反
応器として、一端側から他端側に向けて前記固化体と水
が流通するように構成された管状体を用いるのが好まし
い。また酸化分解反応器の所定箇所において、反応器内
温度を測定し、この温度測定箇所よりも下流側におい
て、温度測定値に応じた量の酸化剤を反応器内に供給す
ることも可能である。
【0006】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の放射性アスファ
ルト固化体の処理方法の一実施形態を実施するために用
いられる処理装置を示すもので、ここに示す処理装置
は、放射性アスファルト固化体を有機溶剤などの流動化
剤により流動化させた流動化放射性アスファルト固化体
(以下、流動化アスファルトという)を貯留する流動化
アスファルト貯留槽1と、該貯留槽1からの流動化アス
ファルトを昇圧させる昇圧機2と、水貯留槽3と、該貯
留槽3からの水を昇圧させる昇圧機4と、流動化アスフ
ァルトおよび水を加熱するヒータ5と、空気などの酸化
剤を供給する酸化剤供給管路6と、水の存在下で流動化
アスファルト中の有機成分の酸化分解を行う酸化分解反
応器7を主たる構成要素とするものである。
【0007】酸化分解反応器7としては、上記流動化ア
スファルト、酸化剤および水を一端側(入口7a)から
他端側(出口7b)に向けて流通させることができるよ
うに構成された管状体が好適に使用できる。
【0008】以下、上記処理装置を用いた場合を例とし
て、本発明の放射性アスファルト固化体の処理方法の一
実施形態を説明する。まず、放射性アスファルト固化体
を、流動化剤とともに流動化アスファルト貯留槽1内に
収容し十分に撹拌することにより流動化アスファルトを
得る。この流動化剤としては、トルエン、ヘキサン、キ
シレンなどが使用可能である。流動化剤の使用量は、流
動化アスファルト中の流動化剤含有量が10〜50重量
%となるように設定する。なお、放射性アスファルト固
化体は、通常、10〜70重量%(硝酸重量を基準とす
る)の硝酸塩を含む。
【0009】この流動化アスファルトを、図示せぬ送液
ポンプを用いて管路8を通して昇圧機2に送り込み、こ
こで流動化アスファルトの圧力を高める。流動化アスフ
ァルトの圧力は、250〜300kg/cm2とするの
が好適である。
【0010】同時に、水貯留槽3内の水を、図示せぬ送
液ポンプを用いて管路9を通して昇圧機4に送り込み、
ここで水の圧力を高める。水の圧力は、同じく250〜
300kg/cm2とするのが好適である。
【0011】上記流動化アスファルトおよび水の圧力
は、上記範囲未満であると、酸化分解反応器7内におけ
る有機成分の酸化分解効率が低下するため好ましくな
い。また上記圧力を上記範囲を越えて大きくしても酸化
分解効率の顕著な向上は望めず、昇圧機2、4において
昇圧に要するエネルギーコストが嵩むのみとなるため好
ましくない。
【0012】次いで、これら流動化アスファルトおよび
水を管路10を通してヒータ5に送り込み、ここで加熱
する。加熱温度は、500〜650℃とするのが好適で
ある。この温度は、上記範囲未満であると、酸化分解反
応器7内における有機成分の酸化分解効率が低下するた
め好ましくない。また上記温度を上記範囲を越えて大き
くしても酸化分解効率の顕著な向上は望めず、ヒータ5
において加熱に要するエネルギーコストが嵩むのみとな
るため好ましくない。
【0013】流動化アスファルトと水の供給量比は、流
動化アスファルトの供給量が、水100重量部に対し5
〜20重量部となるように設定するのが好ましい。
【0014】次いで、上記のように、昇圧機2、4によ
り高圧となり、かつヒータ5により高温となった流動化
アスファルトおよび水を、上記圧力、温度条件で酸化分
解反応器7に導入するとともに、酸化剤を酸化剤供給管
路6を通して管路10を経て反応器7内に送り込む。酸
化剤としては、空気、酸素富化空気、酸素ガス等のガス
状酸化剤のほか、過酸化水素などの液状酸化剤が使用可
能である。酸化剤添加量は、固化体中の有機成分および
硝酸塩量に応じて適宜設定される。
【0015】上記圧力、温度条件下においては、反応器
7内に送り込まれた水が超臨界状態となる。
【0016】酸化分解反応器7では、上記圧力、温度条
件において、流動化アスファルト中の有機成分が、流動
化アスファルト中の硝酸塩と反応して酸化分解され、二
酸化炭素と水に変換される。この際、反応に関与した硝
酸塩は窒素に還元される。この有機成分と硝酸塩との反
応は、超臨界状態の水の存在下で進行するため、気相中
における反応に比べ反応速度が小さく、穏やかな反応と
なり、反応器7内の温度制御が容易となる。
【0017】上記酸化反応時には、流動化アスファルト
中の硝酸塩のほとんどが上記反応によって窒素に還元さ
れる。このため、NOxの生成はほとんど起こらない。
【0018】硝酸塩との反応に関与できなかった成分
は、酸化剤と反応して酸化分解される。有機成分が酸化
分解される際、有機成分中の硫黄成分は硫酸イオンとな
るまで酸化される。このため、SOxの生成はほとんど
起こらない。反応器7内においては、有機溶媒の流動化
剤も酸化分解されるため、処理物中には有機物が残留し
ない。
【0019】上記酸化反応によって得られる処理物は、
硝酸塩由来の無機塩類や上記硫酸イオンを含む処理水
と、硝酸塩由来の窒素ガスや有機成分由来の二酸化炭素
を含む処理ガスと、これら以外の残留固形物である。こ
れら処理物は酸化分解反応器7の出口7bから系外に導
出される。
【0020】本実施形態の処理方法では、硝酸塩を含む
流動化アスファルト中の有機成分が、超臨界状態の水の
存在下で酸化分解されるため、気相中で酸化分解を行う
焼却処理に比べ、反応熱による温度上昇が穏やかとなり
酸化分解処理が容易となる。従って、固化体中の硝酸塩
量が変動する場合でも酸化分解反応時の温度条件を適正
な値に保つことができる。
【0021】また、焼却処理法では、気相中において酸
化反応を進行させるため反応熱により反応時の温度が非
常に高くなりやすく、酸化分解反応器である焼却炉の内
壁材として、耐熱性は高いものの放射性物質の吸着が起
こりやすい材料からなるもの(例えばセラミック製内壁
材)を使用せざるを得なかったのに対し、本実施形態の
処理方法では、上記酸化分解反応が超臨界状態の水の存
在下で行われるため、酸化分解反応器7として、固化体
中の放射性物質の吸着が起こりにくい材料(例えばイン
コネルなどの金属材料)からなるものを使用できる。従
って、洗浄により反応器を容易に清浄化することがで
き、反応器のメンテナンス作業を簡略化でき、処理コス
ト低減が可能となる。
【0022】酸化分解反応の際には、硝酸塩を完全に還
元するとともに、有機成分中の硫黄成分を完全に酸化す
ることができる。このため、NOx、SOxの生成を防
ぐことができる。この酸化反応効率向上効果は、上記温
度、圧力条件下において、水が超臨界状態となり、この
状態の水が、酸化反応の媒体として作用することにより
反応効率が高められることによって得られていると考え
ることができる。NOxやSOxの発生を防ぐことがで
きるため、これらの処理のための設備が不要となり、処
理プロセスを簡略化することができ、設備コスト削減が
可能となる。
【0023】また、酸化分解反応器7として、管状体を
用いることによって、反応器7の内径を小さくした場合
でも十分な処理量を得ることができる。このため、反応
器7の機械的強度を高め、耐圧性等の特性に優れたもの
とすることができる。
【0024】なお、上記実施形態では、酸化剤の添加を
行う方法を例示したが、有機成分の完全酸化を行うため
に十分な量の硝酸塩が固化体中に含まれている場合には
酸化剤の添加を行う必要がない。
【0025】図2は、本発明の放射性アスファルト固化
体の処理方法の他の実施形態を実施するために用いられ
る処理装置を示すもので、ここに示す処理装置は、酸化
分解反応器7の入口7a付近に設置され反応器7内の温
度を検知する温度検知手段である温度センサ13と、温
度センサ13よりも反応器7の長さ方向下流側に接続さ
れた第2の酸化剤供給管路14と、温度センサ13によ
って検出された反応器7内の温度に基づいて供給管路1
4からの酸化剤供給量を制御する制御手段である調節弁
15を備えている点で図1に示す処理装置と異なる。
【0026】以下、上記処理装置を用いた場合を例とし
て、本発明の放射性アスファルト固化体の処理方法の他
の実施形態を説明する。昇圧機2、4により高圧とな
り、かつヒータ5により高温となった流動化アスファル
トおよび水を、上記圧力、温度条件で酸化分解反応器7
に導入するとともに、酸化剤を酸化剤供給管路6を通し
て管路10を経て酸化分解反応器7内に送り込む。
【0027】この際、酸化剤の供給量は、固化体中の硝
酸塩の量によらず、有機成分の完全分解に必要な量に対
し過剰とならないように、予め低い値に設定しておく。
反応器7内においては、上記有機成分の酸化分解反応が
進行することにより、反応熱によって入口7a付近にお
ける温度が上昇する。この温度は、反応熱量に応じた値
となるため、酸化分解された有機成分の量に応じた値と
なる。すなわちアスファルト固化体中の硝酸塩含有量が
高ければ酸化分解量が多くなり温度が上昇し、少なけれ
ば温度上昇は少なくなる。
【0028】この入口7a付近の温度は温度センサ13
によって検知され、この温度に応じた検知信号が調節弁
15に送信され、この検知信号に基づいて、調節弁15
により入口7a付近の温度に応じた供給量とされた酸化
剤が供給管路14を通して反応器7内に供給される。こ
こで供給される酸化剤の供給量は、未分解で残留した有
機成分の量に応じた量となるように設定される。このた
め、供給管路14が接続された長さ方向中央付近よりも
下流側の反応器7内において、未分解の有機成分が酸化
分解される。
【0029】一般に、管状の反応器内では、被反応物は
完全混合でなく押し出し流れに近い状態で流れる。この
ため、反応器内で反応熱を伴う反応が起きる場合には、
反応器内温度の不均一が生じやすく、特に反応器入口付
近において局部的な温度上昇が起こりやすい。これに対
し、本実施形態の処理方法では、反応器7入口付近の酸
化剤量を低く抑えたうえで、温度センサ13によって反
応器7内の入口7a付近の温度を測定し、この温度に応
じた量の酸化剤を、温度センサ13よりも下流側に供給
するので、有機成分の酸化分解反応を2段階に分けて行
うことができる。このため、処理対象物である放射性ア
スファルト固化体の硝酸塩含有量が不明であり、硝酸塩
による有機成分の酸化分解量が予測しにくい場合でも、
一度に発生する反応熱量を低く抑え、反応器7内、特に
入口7a付近における過大な温度上昇を防ぎ、反応器7
内の温度条件を適正値に維持することができる。
【0030】また未分解で残留した有機成分の量に見合
った量の酸化剤を追加することができるため、酸化剤の
添加量が過剰となるのを防ぐことができる。従って、処
理コストを最小限に抑えることができる。また余剰の酸
化剤による反応器の腐食を防ぎ、反応器の耐久性を高め
ることができる。
【0031】図3は、本発明の放射性アスファルト固化
体の処理方法のさらに他の実施形態を実施するために用
いられる処理装置を示すもので、ここに示す処理装置
は、温度センサ13の下流側の反応器7に接続された第
2ないし第4の酸化剤供給管路16、18、20と、温
度センサ13によって検出された反応器7内の温度に基
づいて供給管路16、18、20からの酸化剤供給量を
制御する制御手段である第1ないし第3の調節弁17、
19、21を備えている点で図2に示す処理装置と異な
る。第2ないし第4の酸化剤供給管路16、18、20
は、反応器7の長手方向に間隔をおいて反応器7に接続
されている。
【0032】この処理装置では、反応器7入口付近の酸
化剤量を低く抑えたうえで、温度センサ13からの検知
信号に基づいて、調節弁17、19、21により入口7
a付近の温度に応じた供給量とされた酸化剤を供給管路
16、18、20を通して反応器7内に供給する。
【0033】本実施形態の処理方法では、温度センサ1
3によって測定された反応器7の入口7a付近の温度に
応じた量の酸化剤を、供給管路16、18、20から供
給することによって、酸化剤を多段階に分けて反応器7
内に供給することができる。このため、一度に反応器7
内に供給される酸化剤量を少なくし、一度に発生する反
応熱量を低く抑え、過大な温度上昇を防ぎ、反応器7内
の温度条件を確実に適正値に維持することができる。
【0034】なお、図3に示す処理装置では、温度セン
サ13によって測定された反応器7内温度測定値に基づ
いて3本の供給管路16、18、20を通して酸化剤を
反応器7内に供給するようにされているが、これに限ら
ず、第2の供給管路16と第3の供給管路18との間に
第2の温度センサを設け、この第2の温度センサを、第
3および第4の供給管路18、20の調節弁19、21
に接続し、供給管路18、20からの酸化剤供給量を、
第2の温度センサによる温度測定値に基づいて設定でき
るようにすることもできる。さらには、第3の供給管路
18と第4の供給管路20との間に第3の温度センサを
設け、供給管路16、18、20からの酸化剤供給量
を、それぞれ温度センサ13、第2温度センサ、第3温
度センサによる温度測定値に基づいて設定することがで
きるようにすることもできる。上記構成の処理装置を用
いることによって、酸化剤供給量をより正確に有機成分
量に合わせ、酸化剤の添加量が過剰となるのを確実に防
ぐことができる。
【0035】
【実施例】(試験例1〜13)図1に示す処理装置を用
いて、次のようにして放射性アスファルト固化体の処理
を行った。反応器7としては、ステンレス鋼製であり、
内径10mm、長さ5m(容量:約0.4L)であるも
のを使用した。処理対象物となる放射性アスファルト固
化体としては、核燃料再処理工場から発生するものを模
擬したものを使用した。ここで使用した模擬アスファル
ト固化体は、硝酸ナトリウム30重量%を含むものとし
た。流動化剤としては、キシレンを使用した。流動化剤
の使用量は、模擬アスファルト固化体100重量部に対
し50重量部とした。酸化剤としては、35%過酸化水
素水を使用した。反応器7を経た処理物を処理水、処理
ガス、固形物に分け、これらの全有機物量(TOC)、
NOx濃度、SOx濃度を測定した。試験結果を表1に
示す。
【0036】(試験例14)実施例で用いたものと同様
の模擬アスファルト固化体を焼却処理し、燃焼ガス中の
NOx、SOx濃度を測定した。その結果、燃焼ガス中
のNOx濃度は、700ppmであり、SOx濃度は5
00ppmであった。
【0037】
【表1】
【0038】上記試験結果より、試験例1〜13の方法
では、処理物をほぼ完全に無機化することができたこと
がわかる。特に、酸化分解時の圧力条件を250〜30
0kg/cm2とし、温度条件を500〜650℃とす
ることによって、処理物中の有機物量をより低く抑える
ことができたことがわかる。また、試験例1〜13の方
法は、試験例14の方法に比べ、NOx、SOx発生量
を低く抑えることができたことがわかる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の硝酸塩を
含有する放射性アスファルト固化体の処理方法にあって
は、有機成分が、水の存在下で酸化分解されるため、反
応熱による急激な温度上昇が起こりにくい。このため、
反応の制御が容易な上、酸化分解反応が水の存在下で行
われるため、酸化分解反応器として、固化体中の放射性
物質の吸着が起こりにくい材料からなるものを使用で
き、反応器のメンテナンス作業を容易化するとともに、
処理コスト低減が可能となる。また、硝酸塩を完全に還
元するとともに、有機成分中の硫黄成分を完全に酸化す
ることができ、NOx、SOxの生成を防ぐことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の放射性アスファルト固化体の処理方
法の一実施形態に好適に用いられる処理装置を示す概略
構成図である。
【図2】 本発明の放射性アスファルト固化体の処理方
法の他の実施形態に好適に用いられる処理装置を示す概
略構成図である。
【図3】 本発明の放射性アスファルト固化体の処理方
法のさらに他の実施形態に好適に用いられる処理装置を
示す概略構成図である。
【符号の説明】
1・・・流動化アスファルト貯留槽、2・・・昇圧機、3・・・
水貯留槽、4・・・昇圧機、5・・・ヒータ、6・・・酸化剤供
給管路、7・・・酸化分解反応器、7a・・・入口(一端
側)、7b・・・出口(他端側)、13・・・温度センサ、1
4、16、18、20・・・酸化剤供給管路、15、1
7、19、21・・・調節弁

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硝酸塩を含む放射性アスファルト固化体
    を、水の存在下で高温高圧条件下に置き、前記固化体中
    の有機成分を前記硝酸塩により酸化分解させることを特
    徴とする放射性アスファルト固化体の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記酸化分解時において、圧力250〜
    300kg/cm2、温度500〜650℃の条件下で
    前記水を用いることを特徴とする請求項1記載の放射性
    アスファルト固化体の処理方法。
  3. 【請求項3】 処理時に、放射性アスファルト固化体中
    の有機成分を酸化する酸化剤を添加することを特徴とす
    る請求項1または2記載の放射性アスファルト固化体の
    処理方法。
  4. 【請求項4】 前記酸化分解に先立ち、放射性アスファ
    ルト固化体に流動化剤を添加して該固化体を流動化させ
    ておき、これを水とともに連続的に酸化分解反応器に送
    り込み、この酸化分解反応器内で前記固化体と水を高温
    高圧条件下に置くことを特徴とする請求項1〜3のうち
    いずれか1項記載の放射性アスファルト固化体の処理方
    法。
  5. 【請求項5】 酸化分解反応器として、一端側から他端
    側に向けて前記固化体と水が流通するように構成された
    管状体を用いることを特徴とする請求項4項記載の放射
    性アスファルト固化体の処理方法。
  6. 【請求項6】 酸化分解反応器の所定箇所において、反
    応器内温度を測定し、この温度測定箇所よりも下流側に
    おいて、温度測定値に応じた量の酸化剤を反応器内に供
    給することを特徴とする請求項5記載の放射性アスファ
    ルト固化体の処理方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006084236A (ja) * 2004-09-14 2006-03-30 Chubu Electric Power Co Inc 有機ポリマー系の低レベル放射性廃棄物の処理方法

Cited By (1)

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JP2006084236A (ja) * 2004-09-14 2006-03-30 Chubu Electric Power Co Inc 有機ポリマー系の低レベル放射性廃棄物の処理方法

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