JP2001083283A - バスケットの挿入方法 - Google Patents

バスケットの挿入方法

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JP2001083283A
JP2001083283A JP25801499A JP25801499A JP2001083283A JP 2001083283 A JP2001083283 A JP 2001083283A JP 25801499 A JP25801499 A JP 25801499A JP 25801499 A JP25801499 A JP 25801499A JP 2001083283 A JP2001083283 A JP 2001083283A
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square pipe
square
cavity
shape
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Hisahiro Matsuoka
寿浩 松岡
Hironori Tamaoki
廣紀 玉置
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バスケットを構成する全ての角パイプを応力
集中なしに、容易かつ確実にキャビティ内に挿入して熱
伝導率の高いバスケットを形成すること。 【解決手段】 外周に中性子遮蔽体を有し且つγ線の遮
蔽を行う胴本体のキャビティ内に、燃料集合体の収納を
行う複数の角パイプからなるバスケットを挿入するバス
ケットの挿入方法において、各角パイプの変形状態を計
測し、計測結果を各角パイプ毎に保持する計測工程と、
計測工程による計測結果をもとに各角パイプを所定数組
み合わせたバスケット形状を演算し、キャビティ形状内
に収容可能であり且つ体積が最小となる角パイプの組合
せを決定する演算工程と、を含み、演算工程によって決
定された組合せをもとに各角パイプをキャビティ内に挿
入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、燃焼を終えた使
用済み核燃料集合体を収容、貯蔵するキャスクを構成す
るバスケットの挿入方法に関し、特に、外周に中性子遮
蔽体を有し且つγ線の遮蔽を行う胴本体のキャビティ内
に、中性子吸収能を有する複数の角パイプによって格子
状セルを構成するバスケット(以下、キャビティ内に挿
入される角パイプの集合をバスケットという。)を挿入
する際に、該角パイプの適切な組合せを決定して確実に
挿入することができるバスケットの挿入方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】核燃料サイクルの終期にあって燃焼を終
え使用できなくなった核燃料集合体を、使用済み核燃料
という。使用済み核燃料は、FPなど高放射能物質を含
むので熱的に冷却する必要があるから、原子力発電所の
冷却ピットで所定期間(3〜6ヶ月間)冷却される。そ
の後、遮蔽容器であるキャスクに収納され、トラックや
船舶等で再処理施設に搬送、貯蔵される。使用済み核燃
料集合体をキャスク内に収容するにあたっては、バスケ
ットと称する格子状断面を有する保持要素を用いる。こ
の使用済み核燃料集合体は、バスケットに形成した複数
の収納空間であるセルに1体ずつ挿入され、これによっ
て、輸送中の振動などに対する適切な保持力を確保して
いる。
【0003】このようなキャスクの従来例としては、
「原子力eye」(平成10年4月1日発行:日刊工業
出版プロダクション)や特開昭62−242725号公
報などにて様々な種類のものが開示されている。以下に
本発明の開発にあたり、その前提となったキャスクにつ
いて説明する。
【0004】図17は、キャスクの一例を示す斜視図で
ある。図18は、図17に示したキャスクの軸方向断面
図である。キャスク500は、筒形状の胴本体501
と、胴本体501の外周に設けた中性子遮蔽体であるレ
ジン502と、その外筒503、底部504および蓋部
505から構成されている。胴本体501および底部5
04は、γ線遮蔽体である炭素鋼製の鍛造品である。ま
た、蓋部505は、ステンレス製等の一次蓋506およ
び二次蓋507からなる。胴本体501と底部504
は、突き合わせ溶接によって結合してある。一次蓋50
6および二次蓋507は、胴本体501に対してステン
レス製等のボルトによって固定されている。蓋部505
と胴本体501との間には、金属製のOリングが介在
し、内部の気密を保持している。
【0005】胴本体501と外筒503との間には、熱
伝導を行う複数の内部フィン508が設けられている。
内部フィン508は、熱伝導効率を高めるため、その材
料には銅を用いる。レジン502は、この内部フィン5
08によって形成される空間に流動状態で注入され、熱
硬化反応等で固化形成する。バスケット509は、69
本の角パイプ510を図17に示すように束状に集合さ
せた構造であり、胴本体501のキャビティ511内に
拘束状態で挿入してある。
【0006】角パイプ510は、挿入した使用済み核燃
料集合体が臨界に達しないように中性子吸収材(ホウ
素:B)を混合したアルミニウム合金からなる。なお、
キャスク本体512の両側には、キャスク500を吊り
下げるためのトラニオン513が設けられている(一方
のみを図示)。また、キャスク本体512の両端部に
は、内部に緩衝材として木材などを組み込んだ緩衝体5
14が取り付けられている(一方のみを図示)。なお、
515はセルである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したバ
スケット509を構成する角パイプ510は、格子状に
組み合わされて使用済み核燃料集合体を直接保持する
が、この使用済み核燃料集合体を熱的に冷却するために
角パイプ510間を密に接触させ、熱伝導効率を高める
必要があるので、厳格な寸法が要求される。特に、図1
8に示す空間領域Sを胴本体510と一体化させた形状
にし、キャビティ511とバスケット509とを面接触
させて熱伝導率を向上させようとする提案もある。
【0008】一方、角パイプ510の生成は、押出成形
などによって高精度に行われるが、現実に生成された角
パイプ510はその生成過程において、曲げやねじれが
発生している。このため、キャスク500を組み立てる
際、このねじれや曲がりを有する角パイプ510を単に
キャビティ511内に挿入すると、全ての角パイプ51
0をキャビティ511内に挿入できない場合があるとと
もに、角パイプ510を無理に挿入すると、角パイプ5
10に過剰な応力が加わり、角パイプの破損をもたらす
という問題点があった。
【0009】また、角パイプ510全てのキャビティ5
11内への挿入が困難な場合、挿入できない角パイプ5
10およびその周辺の角パイプ510を一度キャビティ
511から抜き出し、角パイプ510の挿入方向を変え
て再度挿入することを繰り返し行っていたので、バスケ
ット509の挿入に多大の時間と労力がかかるという問
題点もあった。
【0010】この発明は上記に鑑みてなされたもので、
バスケットを構成する全ての角パイプを応力集中なし
に、容易かつ確実にキャビティ内に挿入して熱伝導率の
高いバスケットを形成することができるとともにバスケ
ット形成にかかる時間と労力を低減することができるバ
スケットの挿入方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかるバスケットの挿入方法は、外周に
中性子遮蔽体を有し且つγ線の遮蔽を行う胴本体のキャ
ビティ内に、燃料集合体の収納を行う複数の角パイプか
らなるバスケットを挿入するバスケットの挿入方法にお
いて、各前記角パイプの変形状態を計測し、計測結果を
各角パイプ毎に保持する計測工程と、前記計測工程によ
る計測結果をもとに各前記角パイプを所定数組み合わせ
たバスケット形状を演算し、キャビティ形状内に収容可
能であり且つ体積が最小となる角パイプの組合せを決定
する演算工程と、を含み、前記演算工程によって決定さ
れた組合せをもとに各前記角パイプを前記キャビティ内
に挿入することを特徴とする。
【0012】この発明によれば、まず計測工程によっ
て、キャビティ内に挿入すべき角パイプの変形状態を計
測し、その後演算工程によって、キャビティ形状内に収
容可能であり且つ体積が最小となる角パイプの組合せを
決定し、この演算工程によって決定された組合せをもと
に各角パイプをキャビティ内に挿入するようにしている
ので、全角パイプを確実にキャビティ内に挿入すること
ができ、角パイプ間に過剰な応力が発生せず、応力集中
をなくすことができる。
【0013】また、請求項2にかかるバスケットの挿入
方法は、外周に中性子遮蔽体を有し且つγ線の遮蔽を行
う胴本体のキャビティ内に、燃料集合体の収納を行う複
数の角パイプからなるバスケットを挿入するバスケット
の挿入方法において、各前記角パイプの変形状態を計測
し、計測結果を各角パイプ毎に保持する計測工程と、前
記計測工程による計測結果をもとに各前記角パイプを所
定数組み合わせたバスケット形状を演算し、キャビティ
形状内に収容可能であり且つ前記キャビティとの間隙が
最小となる角パイプの組合せを決定する演算工程と、を
含み、前記演算工程によって決定された組合せをもとに
各前記角パイプを前記キャビティ内に挿入することを特
徴とする。
【0014】この発明によれば、まず計測工程によっ
て、キャビティ内に挿入すべき角パイプの変形状態を計
測し、その後演算工程によって、キャビティ形状内に収
容可能であり且つ前記キャビティとの間隙が最小となる
角パイプの組合せを決定し、この演算工程によって決定
された組合せをもとに各角パイプをキャビティ内に挿入
するようにしているので、全角パイプを確実にキャビテ
ィ内に挿入することができ、角パイプ間に過剰な応力が
発生せず、応力集中をなくすことができるとともに、キ
ャビティとバスケットとの間の間隙が小さいのでキャビ
ティとバスケットとの間は適度に密な接合状態を得るこ
とができる。
【0015】また、請求項3にかかるバスケットの挿入
方法は、上記の発明において、前記角パイプは、一体の
組立状態で成形された集合角パイプであり、前記演算工
程は、前記集合角パイプ単位でバスケット形状を演算す
ることを特徴とする。
【0016】この発明によれば、たとえば角パイプが数
本連なった状態の集合角パイプを一体成形された集合角
パイプの場合、各集合角パイプ単位でバスケット形状を
演算し、最適な集合角パイプの組合せを決定し、この組
合せをもとに集合角パイプを確実にキャビティ内に挿入
し、集合角パイプ間に過剰な応力を発生させず、応力集
中をなくし、さらにはキャビティ間との間隙を小さくし
てキャビティとバスケットとの間は適度に密な結合状態
を得ることができる。
【0017】また、請求項4にかかるバスケットの挿入
方法は、上記の発明において、計測対象の前記角パイプ
あるいは集合角パイプを保持する保持工程と、前記保持
工程によって保持された角パイプあるいは集合角パイプ
の識別および計測姿勢を特定するマーキングを行うマー
キング工程と、前記角パイプあるいは集合角パイプの周
囲形状を測距センサによって測定する測定工程と、を含
み、前記測定工程によって得られた周囲形状をもとに前
記角パイプあるいは集合角パイプの変形状態を計測する
ことを特徴とする。
【0018】この発明によれば、角パイプあるいは集合
角パイプが保持された状態で、角パイプあるいは集合角
パイプの識別および計測姿勢を特定するマーキングを行
い、このマーキングを行った角パイプあるいは集合角パ
イプの周囲形状を測定工程によって測定するようにして
いるので、角パイプあるいは集合角パイプの挿入時にお
ける該角パイプあるいは集合角パイプの挿入位置および
挿入方向を容易に判断することができる。
【0019】また、請求項5にかかるバスケットの挿入
方法は、上記の発明において、前記演算工程は、前記角
パイプあるいは集合角パイプのキャビティ上の配置位置
および挿入方向を替えた組合せによって前記バスケット
形状を演算することを特徴とする。
【0020】この発明によれば、演算工程が、角パイプ
あるいは集合角パイプのキャビティ上の配置位置および
角パイプあるいは集合角パイプ自体の配置位置のみなら
ず、挿入方向たとえば外面位置および天地方向等も含め
た組合せ演算を行ってバスケット形状を演算するように
し、角パイプあるいは集合角パイプの組合せをさらに適
切に決定することができる。
【0021】また、請求項6にかかるバスケットの挿入
方法は、上記の発明において、前記演算工程は、前記所
定数組み合わせたバスケット形状の演算を行った結果、
キャビティ形状内に収容可能な組合せを得ることができ
ない場合に、前記計測工程によって計測された前記所定
数以外の角パイプを当該所定数の角パイプに変更して演
算を行うことを特徴とする。
【0022】この発明によれば、演算工程が、所定数、
たとえばバスケット内に挿入される69本の角パイプを
組み合わせたバスケット形状の演算を行った結果、キャ
ビティ形状内に収容可能な組合せを得ることができない
場合に、計測工程によって計測された前記所定数以外の
角パイプ、たとえば70本目の角パイプを当該所定数の
角パイプに変更して演算を行うようにし、キャビティ形
状内に収容可能な組合せが得られるまで、同様な処理を
行うようにしている。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、この
発明にかかるバスケットの挿入方法の好適な実施の形態
を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発
明が限定されるものではない。
【0024】(実施の形態1)まず、この発明が適用さ
れるキャスクについて説明する。図1は、この発明が適
用されるキャスクを示す斜視図である。図2は、図1に
示したキャスクの軸方向断面図である。図3は、図1に
示したキャスクの径方向断面図である。キャスク100
は、胴本体101のキャビティ102内面をバスケット
130の外周形状に合わせて機械加工したものである。
キャビティ102内面の機械加工は、専用の加工装置に
よってフライス等によって加工する。胴本体101およ
び底板104は、γ線遮蔽機能を有する炭素鋼製の鍛造
品である。なお、炭素鋼の代わりにステンレス鋼を用い
ることもできる。胴本体101と底板104は、溶接に
よって結合する。また、耐圧容器としての密閉性能を確
保するため、一次蓋110と胴本体101との間には金
属ガスケットを設けておく。
【0025】胴本体101と外筒105との間には、水
素を多く含有する高分子材料であって中性子遮蔽機能を
有するレジン106が充填されている。また、胴本体1
01と外筒105との間には、熱伝導を行う複数の銅製
内部フィン107が溶接されており、レジン106は、
内部フィン107によって形成される空間に流動状態で
注入され、冷却固化される。なお、内部フィン107
は、放熱を均一に行うため、熱量の多い部分に高い密度
で設けるようにするのが好ましい。また、レジン106
と外筒105との間には、数mmの熱膨張しろ108が
設けられる。熱膨張しろ108は、ホットメルト接着剤
等にヒーターを埋め込んだ消失型を外筒105内面に配
し、レジン106を注入固化した後、ヒーターを加熱し
て溶融排出することによって形成する。
【0026】蓋部109は、一次蓋110と二次蓋11
1によって構成される。一次蓋110は、γ線を遮蔽す
るステンレス鋼または炭素鋼からなる円盤形状である。
また、二次蓋111も、ステンレス鋼製または炭素鋼製
の円盤形状であるが、その上面には、中性子遮蔽体とし
てレジン112が封入されている。一次蓋110および
二次蓋111は、ステンレス鋼製または炭素鋼製のボル
ト113によって胴本体101に取り付けられている。
さらに、一次蓋110および二次蓋111と胴本体10
1との間には、それぞれ金属ガスケットが設けられ、内
部の密封性を保持している。また、蓋部109の周囲に
は、レジン114を封入した補助遮蔽体115が設けら
れている。
【0027】キャスク本体116の両側には、キャスク
100を吊り下げるためのトラニオン117が設けられ
ている。なお、図1では、補助遮蔽体115を設けたも
のを示したが、キャスク100の搬送時には、補助遮蔽
体115を取り外して緩衝体118を取り付ける(図2
参照)。緩衝体118は、ステンレス鋼材によって作成
された外筒120内にレッドウッド材などの緩衝材11
9を組み込んだ構造である。バスケット130は、使用
済み核燃料集合体を収容するセル131を構成する69
本の角パイプ132からなる。角パイプ132には、A
lまたはAl合金粉末に中性子吸収性能をもつBまたは
B化合物の粉末を添加したアルミニウム複合材またはア
ルミニウム合金を用いる。また、中性子吸収材として
は、ボロンの他にカドミウムを用いることができる。
【0028】図4は、角パイプ132の製造方法を示す
フローチャートである。まず、アトマイズ法などの急冷
凝固法によってAlまたはAl合金粉末を作製する(ス
テップS101)とともに、BまたはB化合物の粉末を
用意し(ステップS102)、これら両粒子をクロスロ
ータリーミキサー等によって10〜15分間混合する
(ステップS103)。
【0029】AlまたはAl合金には、純アルミニウム
地金、Al−Cu系アルミニウム合金、Al−Mg系ア
ルミニウム合金、Al−Mg−Si系アルミニウム合
金、Al−Zn−Mg系アルミニウム合金、Al−Fe
系アルミニウム合金などを用いることができる。また、
BまたはB化合物には、B4C、B23などを用いるこ
とができる。ここで、アルミニウムに対するボロンの添
加量は、1.5重量%以上、7重量%以下とするのが好
ましい。1.5重量%以下では十分な中性子吸収性能が
得られず、7重量%を超えると引っ張りに対する延びが
低下するためである。
【0030】つぎに、混合粉末をラバーケース内に封入
し、CIP(Cold Isostatic Press)によって常温で全
方向から均一に高圧をかけ、粉末成形を行う(ステップ
S104)。CIPの成形条件は、成形圧力を200M
Paとし、成形品の直径が600mm、長さ1500m
mになるようにする。CIPによって全方向から均一に
圧力を加えることによって、成形密度のばらつきが少な
い高密度な成形品を得ることができる。
【0031】続いて、粉末成形品を缶に真空封入し、3
00℃まで昇温する(ステップS105)。この脱ガス
工程によって缶内のガス成分および水分を除去する。つ
ぎの工程では、真空脱ガスした成形品をHIP(Hot Is
ostatic Press)によって再形成する(ステップS10
6)。HIPの成形条件は、温度400℃〜450℃、
時間30sec、圧力6000tonとし、成形品の直
径が400mmになるようにする。続いて、缶を除去す
るために外削、端面削を施し(ステップS107)、ポ
ートホール押出機を用いてビレットを熱間押出しする
(ステップS108)。この場合の押出条件として、加
熱温度を500℃〜520℃、押出速度を5m/min
とする。なお、この条件は、Bの含有量によって適宜変
更する。
【0032】つぎに、押出成形後、引張矯正を施す(ス
テップS109)とともに、非定常部および評価部を切
断し、製品とする(ステップS110)。完成した角パ
イプは、図5に示すように、断面の一辺が162mm、
内側が151mmの四角形状となる。寸法公差は、要求
される規格の関係でマイナス公差を0にとる。また、内
側角のRが5mmであるのに対し、外側角のRを0.5
mmのシャープエッジに成形する。
【0033】エッジ部分のRが大きい場合、バスケット
130に応力が加わると、角パイプ132の特定部位
(エッジ近傍)に応力集中が起こって破損の原因となり
うる。このため、角パイプ132をシャープエッジにす
ることで、隣接する角パイプ132に対して応力が素直
に伝わるから、角パイプ132の特定部位に対する応力
集中を避けることができる。なお、この角パイプ132
の他の製造方法として、本願出願人により平成11年5
月27日付け(「バスケット及びキャスク」)で既に出
願済みのものがあるから、そちらを参照して製造しても
よい。
【0034】図6は、角パイプの挿入方法を示す斜視図
である。上述した工程によって製造した角パイプ132
は、キャビティ102内の加工形状に沿って順次挿入さ
れる。ここで、角パイプ132に曲げとねじれが生じて
いること、寸法のマイナス公差が0であることから、角
パイプ132を適当に挿入しようとすると、公差の累積
や曲げの影響を受けて挿入しにくくなり、無理に挿入す
ると、角パイプ132に過剰な応力が加わることにな
る。そこで、製造した全部または一部の角パイプ132
の曲げ及びねじれをレーザ測定器などによって予め測定
し、コンピュータをもちいることで、この測定データに
基づき最適な挿入位置を割り出すようにする。
【0035】ここで、図7を参照して、この発明の実施
の形態1であるバスケットの挿入方法を行う装置構成に
ついて説明する。図7において、角パイプ132は、保
持部300によって一端が保持され、吊り下げられる。
この状態において、モータ301が回転駆動し、角パイ
プ132が鉛直線を軸に回転する。計測部201は、鉛
直線上に延びるリニアアレイの光送受信部202を有
し、回転する角パイプ132まの距離を測距することに
よって角パイプ132の形状を測定する。なお、角パイ
プ132の回転角度はモータ301に同期している。
【0036】処理装置200は、コンピュータによって
実現され、制御部204と記憶部205とを有する。制
御部204は、計測制御部206と演算部207とを有
し、計測制御部206は、モータ301の回転と光送受
信部202による計測を制御し、計測結果である計測デ
ータ208を記憶部205に記憶する。また、演算部2
07は、記憶部208に記憶された全角パイプ132の
計測データ208をもとに、各角パイプ132の組合せ
によるバスケット形状の体積を求め、キャビティ102
内に挿入可能で最も体積の小さい各パイプ132の組合
せ配置を選択する演算処理を行い、この演算結果を結果
データ209として記憶部205に格納する。格納され
た結果データ209は、その後、制御部204を介して
出力部203に出力される。この出力された最適な組合
せ配置をもとに角パイプ132をキャビティ102内に
挿入する。
【0037】なお、角パイプ132は、保持部300に
よって吊り下げられて保持され、モータ301の回転に
よって形状を計測するようにしているが、角パイプ13
2の周囲形状を計測できるものであればよい。したがっ
て、たとえば、図8に示すような計測装置を用いる構成
としてもよい。図8において、角パイプ132は、鉛直
線上を長手方向にして架台401上に立てられる。角パ
イプ132を貫通させる貫通孔を有する移動台402上
には、4つのセンサ403a〜403dが設けられる。
各センサ403a〜403dは、水平方向に伸びるリニ
アアレイの光送受信部を有し、角パイプ132の外面に
光を照射して周囲形状を計測する。移動台402は、制
御部204の制御のもとに図示しないモータによって上
下方向に移動し、たとえば角パイプ132の底部から上
部方向に一定速度で移動される。この際、各センサ40
3a〜403dによって角パイプ132の全体周囲形状
が制御部204のもとに計測され、その計測データは制
御部204に送られる。その後、処理装置200によっ
て、これらの計測データをもとに角パイプ132の最適
な組合せ配置が決定される。
【0038】ここで、図9に示すフローチャートを参照
して、この発明の実施の形態1であるバスケットの挿入
方法を行うための処理手順について説明する。図8にお
いて、まず、一つの角パイプ132を取り出し、角パイ
プ132を保持する(ステップS201)。その後、角
パイプ132の識別および計測姿勢を特定するためのマ
ーキングを角パイプ132の外面に対して行う(ステッ
プS202)。このマーキングは、たとえば角パイプの
識別番号(角パイプ番号)を「0023」とし、角パイ
プ132の四面をそれぞれ「1」、「2」、「3」、
「4」とすると、各四面に対して、「No.0023−
1」、「No.0023−2」、「No.0023−
3」、「No.0023−4」がそれぞれマーキングさ
れる。この際、角パイプ132の「天地」の判断は、マ
ーキングされた内容によって行うことができる。
【0039】その後、角パイプ132の形状計測を行い
(ステップS203)、図10に示すような計測データ
208を記憶部205に記憶する(ステップS20
4)。計測データ208は、角パイプ番号(識別番号)
と、光送受信部202によって測距された計測値とが対
応して保持される。その後、全ての角パイプ132の計
測が終了したか否かを判断し(ステップS205)、全
ての角パイプ132の計測が終了しない場合(ステップ
S205,NO)には、ステップS201に移行して上
述計測処理を繰り返し行う。ここで、全ての角パイプの
数は、1つのキャビネットに挿入される個数分としても
よいし、1つのキャビネットを超える個数分としてもよ
い。たとえば、1つのキャビネットに挿入される角パイ
プの個数が69個である場合には、69個の角パイプ1
32の形状計測が終了したか否かを判断する。
【0040】その後、全ての角パイプ132の計測が終
了した場合(ステップS205,YES)には、まず全
ての角パイプ132に対する一つの組合せによるバスケ
ット形状を算出する(ステップS206)。この組合せ
とは、角パイプ132のバスケット上の配置のみなら
ず、角パイプ132の四面の方向および天地方向を示す
挿入方向を含めた全ての組合せである。その後、算出さ
れたバスケット形状がキャビティ形状を満足するか否
か、すなわちバスケット形状がキャビティ形状内に収ま
るか否かを判断する(ステップS207)。
【0041】バスケット形状がキャビティ形状を満足し
ない(ステップS207,NO)場合には、次の組合せ
によるバスケット形状を算出し(ステップS208)、
その後ステップS207に移行して、さらにバスケット
形状がキャビティ形状を満足するか否かを判断する。一
方、バスケット形状がキャビティ形状を満足する場合
(ステップS207,YES)には、このバスケット形
状の体積を算出し(ステップS209)、算出したバス
ケット形状の体積とその組合せ内容とを記憶部205内
に記憶する(ステップS210)。
【0042】その後、全ての組合せに対する処理が終了
したか否かを判断し(ステップS211)、全ての組合
せに対する処理が終了していない場合(ステップS21
1,NO)には、ステップS208に移行して、次の組
合せによるバスケット形状の算出を行い、さらにステッ
プS207に移行して上述した処理を繰り返す。一方、
全ての組合せに対する処理が終了した場合(ステップS
211,YES)には、記憶部205に記憶されたバス
ケット形状の体積が最も小さい値をもつ組合せを選択
し、その組合せ内容を出力して(ステップS212)、
本処理を終了する。
【0043】出力される組合せ内容は、たとえば図11
に示すような結果データ209となる。図11では、各
角パイプ132を識別する角パイプ番号に対して、バス
ケット上の配置を示す配置順序番号と、四面方向と、正
/逆方向(天/地方向)とが示されている。なお、配置
順序番号は、予め設定された角パイプのキャビティ上に
おける配置位置を示す。その後、この出力された組合せ
内容をもとに、各角パイプ132をキャビティ102内
に挿入し、バスケット130を形成する。
【0044】なお、上述したステップS205における
角パイプの数が、1つのキャビネットの個数分を超える
場合における組合せは、1つのキャビネットの個数分に
対する組合せが終了した場合に、さらに1つの角パイプ
を交換し、この交換した角パイプのセットに対する組合
せを繰り返し行うことになる。
【0045】ところで、図12および図13に示すよう
に、キャビティ102のうち、セル数が5個または7個
となる角パイプ列の両側に、それぞれダミーパイプ13
3を挿入するようにしてもよい。このダミーパイプ13
3は、胴本体101の重量を軽減するとともに、胴本体
101の厚みを均一化すること、角パイプ132を確実
に固定することを目的とするものである。このダミーパ
イプ133にもボロン入りアルミニウム合金を用い、図
4で示した工程によって製作される。
【0046】したがって、このダミーパイプ133を含
めたバスケットの挿入方法を図9に示した手順によって
行うようにしてもよい。この場合、ダミーパイプ133
自体の挿入位置は、限定されているため、演算処理自体
に大きな負荷はかからない。
【0047】この実施の形態1によれば、全ての角パイ
プ132あるいはダミーパイプ133を含めた角パイプ
132の挿入組合せをシミュレーションし、シミュレー
ションされたバスケット形状がキャビティ形状に収ま
り、かつ体積が最も小さいバスケット形状をもつ角パイ
プ132の組合せが選択されるようにしているので、無
理なく角パイプ132をキャビティ102内に確実に挿
入することができ、バスケット形成時の時間と労力とを
削減することができ、かつ角パイプ132間で過剰な応
力が加わることもないことから、角パイプ132が早期
に損傷することもなくなり、信頼性が向上する。
【0048】なお、上述した実施の形態1では、角パイ
プの全ての組合せに対するバスケット形状を算出するよ
うにしていたが、所定値以上の曲げやねじれを有する角
パイプ132のみの組合せを行うようにしてもよい。こ
の場合、ステップS206の前に所定値以上の曲げやね
じれを有する角パイプ132を選択し、その後の処理で
は、この選択された角パイプ132の組合せに対する処
理を行うことになる。
【0049】(実施の形態2)上述した実施の形態1で
は、最小体積をもつバスケット形状の組合せを最終的に
選択するようにしていたが、この実施の形態2では、キ
ャビティ形状とバスケット形状との間隙が最小の組合せ
を選択するようにしている。
【0050】図14は、この発明の実施の形態2である
バスケットの挿入方法を行うための処理手順を示すフロ
ーチャートである。この実施の形態2では、実施の形態
1におけるステップ212の処理を、キャビネット形状
とバスケット形状との間隙が最小となる組合せを選択す
るようにしている(ステップS312)。その他の処理
および構成は、実施の形態1と同じである。
【0051】この実施の形態1によれば、キャビネット
形状とバスケット形状との間隙が最小となる組合せを選
択するようにしているので、キャビネットとバスケット
との間隙が最小となり、密な結合状態をもつことができ
るため、実施の形態1の作用効果に加えて、熱伝導性能
を高めることができる。
【0052】(実施の形態3)上述した実施の形態1,
2では、いずれもキャビティ形状を必ず満足する組合せ
が存在するものとして記述したが、キャビティ形状を満
足する角パイプの組合せが存在しない場合も考えられ
る。そこで、実施の形態3では、1つのキャビティに挿
入される角パイプの組合せによる体積演算を行い、この
組合せによってキャビティ形状に収まるものが存在しな
い場合にはじめて、他の角パイプを交換した角パイプの
セットによって組合せ演算を行うようにしている。
【0053】図15は、この発明の実施の形態3である
バスケットの挿入方法を行うための処理手順を示すフロ
ーチャートである。図15において、まず、一つの角パ
イプ132を取り出し、角パイプ132を保持する(ス
テップS401)。その後、角パイプ132の識別およ
び計測姿勢を特定するためのマーキングを角パイプ13
2の外面に対して行う(ステップS402)。
【0054】その後、角パイプ132の形状計測を行い
(ステップS403)、計測データ208を記憶部20
5に記憶する(ステップS404)。その後、全ての角
パイプ132の計測が終了したか否かを判断し(ステッ
プS405)、全ての角パイプ132の計測が終了しな
い場合(ステップS205,NO)には、ステップS2
01に移行して上述計測処理を繰り返し行う。ここで、
全ての角パイプの数は、1つのキャビネットに挿入され
る個数分を超える数である。
【0055】その後、全ての角パイプ132の計測が終
了した場合(ステップS205,YES)には、1つの
バスケットに挿入される個数分の角パイプを選択し、こ
れを1つのバスケットセットとして設定する(ステップ
S406)。そして、このバスケットセット内における
一つの組合せによるバスケット形状を算出する(ステッ
プS407)。この組合せとは、角パイプ132のバス
ケット上の配置のみならず、角パイプ132の四面の方
向および天地方向を示す挿入方向を含めた全ての組合せ
である。その後、算出されたバスケット形状がキャビテ
ィ形状を満足するか否か、すなわちバスケット形状がキ
ャビティ形状内に収まるか否かを判断する(ステップS
408)。
【0056】バスケット形状がキャビティ形状を満足し
ない(ステップS208,NO)場合には、さらに全て
の組合せ、すなわち1つのバスケットセットに対する全
ての組合せが終了したか否かを判断し(ステップS40
9)、全ての組合せが終了していない場合(ステップS
409,NO)には、次の組合せによるバスケット形状
を算出し(ステップS410)、その後ステップS20
7に移行して、さらにバスケット形状がキャビティ形状
を満足するか否かを判断する。一方、全ての組合せが終
了した場合(ステップS409,YES)には、さらに
現在のバスケットセット以外の1つの角パイプと現在の
バスケットセット内の1つの角パイプとを交換し、新た
なバスケットセットを設定し(ステップS411)、ス
テップS406に移行する。ここで、ステップS411
では、1つの角パイプを交換するようにしているが、1
つに限らず、数本あるいはそれ以上の角パイプの交換を
行うようにしてもよい。このようにして角パイプが交換
されたバスケットセットによって、ステップS407か
ら新たなバスケット形状の演算が行われることになる。
【0057】一方、バスケット形状がキャビティ形状を
満足する場合(ステップS408,YES)には、この
バスケット形状の体積を算出し(ステップS412)、
算出したバスケット形状の体積とその組合せ内容とを記
憶部205内に記憶する(ステップS413)。
【0058】その後、全ての組合せに対する処理が終了
したか否かを判断し(ステップS414)、全ての組合
せに対する処理が終了していない場合(ステップS41
4,NO)には、ステップS410に移行して、次の組
合せによるバスケット形状の算出を行い、さらにステッ
プS408に移行して上述した処理を繰り返す。一方、
全ての組合せに対する処理が終了した場合(ステップS
414,YES)には、記憶部205に記憶されたバス
ケット形状とキャビティ形状との間隙が最小の組合せを
選択し、その組合せ内容を出力して(ステップS41
5)、本処理を終了する。
【0059】この実施の形態3によれば、1つのバスケ
ットセット内の角パイプの組合せによっても、キャビテ
ィ形状内に収まらない場合にも、少ない演算処理によっ
て確実にキャビティ形状内に収まる組合せを得ることが
できる。
【0060】(実施の形態4)実施の形態1〜3では、
使用する角パイプ132の形状が単純パイプ形状であっ
たが、この実施の形態4では、角パイプ132を成形す
る際、予め数本の角パイプ132をまとめて成形し、こ
の成形された角パイプ(以下「集合角パイプ」という)
を適切に組み合わせたバスケット形状を得るようにして
いる。
【0061】図16は、集合角パイプの一例を示す図で
ある。図16(a)は、3連のセル161を有する集合
角パイプを示し、図16(b)は、田形のセル162を
有した形状をもつ集合角パイプを示し、図16(c)
は、L字形にセル163を連ねた形状をもつ集合角パイ
プを示す。各集合角パイプは、単純パイプ形状の角パイ
プ132と同様に、押出成形によって成形することがで
きる。なお、図16に示した以外の集合角パイプも同様
にして成形することができる。たとえば4連のセルを有
する形状や、T字型にセルを連ねた形状としてもよい。
このようにすれば、角パイプの挿入を容易に行うことが
できる。
【0062】しかし、集合角パイプにも曲げやねじれが
生じているので、実施の形態1〜3と同様にして、各集
合角パイプの形状を計測し、この計測結果をもとに、各
集合角パイプの組合せをシミュレーションし、最適な組
合せを決定して、集合角パイプをキャビティ内に挿入す
る。
【0063】これによって、実施の形態1〜3と同様
に、無理なく集合角パイプをキャビティ102内に確実
に挿入することができ、バスケット形成時の時間と労力
とを削減することができ、かつ集合角パイプ間で過剰な
応力が加わることもないことから、集合角パイプが早期
に損傷することもなくなる。また、キャビティとバスケ
ットとの間の熱伝導性を高めることができる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、この発明にかかる
バスケットの挿入方法(請求項1)によれば、まず計測
工程によって、キャビティ内に挿入すべき角パイプの変
形状態を計測し、その後演算工程によって、キャビティ
形状内に収容可能であり且つ体積が最小となる角パイプ
の組合せを決定し、この演算工程によって決定された組
合せをもとに各角パイプをキャビティ内に挿入するよう
にしているので、全角パイプを確実にキャビティ内に挿
入することができ、角パイプ間に過剰な応力が発生せ
ず、応力集中をなくすことができるので、角パイプの挿
入にかかる時間と労力を軽減することができるととも
に、バスケットの損傷を防止することができるという効
果を奏する。
【0065】また、この発明にかかるバスケットの挿入
方法(請求項2)によれば、まず計測工程によって、キ
ャビティ内に挿入すべき角パイプの変形状態を計測し、
その後演算工程によって、キャビティ形状内に収容可能
であり且つ前記キャビティとの間隙が最小となる角パイ
プの組合せを決定し、この演算工程によって決定された
組合せをもとに各角パイプをキャビティ内に挿入するよ
うにしているので、全角パイプを確実にキャビティ内に
挿入することができ、角パイプ間に過剰な応力が発生せ
ず、応力集中をなくすことができるので、角パイプの挿
入にかかる時間と労力を軽減することができるととも
に、バスケットの損傷を防止することができるという効
果を奏するとともに、キャビティとバスケットとの間の
間隙が小さいのでキャビティとバスケットとの間は適度
に密な接合状態を得ることができ、バスケットとキャビ
ティとの間の熱伝達効率を高くすることができるという
効果を奏する。
【0066】また、この発明にかかるバスケットの挿入
方法(請求項3)によれば、たとえば角パイプが数本連
なった状態の集合角パイプを一体成形された集合角パイ
プの場合、各集合角パイプ単位でバスケット形状を演算
し、最適な集合角パイプの組合せを決定し、この組合せ
をもとに集合角パイプを確実にキャビティ内に挿入し、
集合角パイプ間に過剰な応力を発生させず、応力集中を
なくし、さらにはキャビティ間との間隙を小さくしてキ
ャビティとバスケットとの間は適度に密な結合状態を得
ることができるので、集合角パイプがもたらすバスケッ
ト挿入にかかる時間と労力の削減とバスケットの損傷防
止を一層促進するとともに、およびキャビティとバスケ
ットの間の熱伝達効率を高くすることができるという効
果を奏する。
【0067】また、この発明にかかるバスケットの挿入
方法(請求項4)によれば、角パイプあるいは集合角パ
イプが保持された状態で、角パイプあるいは集合角パイ
プの識別および計測姿勢を特定するマーキングを行い、
このマーキングを行った角パイプあるいは集合角パイプ
の周囲形状を測定工程によって測定するようにしている
ので、角パイプあるいは集合角パイプの挿入時における
該角パイプあるいは集合角パイプの挿入位置および挿入
方向を容易に判断することができるので、バスケットの
挿入にかかる時間と労力を低減することができるという
効果を奏する。
【0068】また、この発明にかかるバスケットの挿入
方法(請求項5)によれば、演算工程が、角パイプある
いは集合角パイプのキャビティ上の配置位置および角パ
イプあるいは集合角パイプ自体の配置位置のみならず、
挿入方向たとえば外面位置および天地方向等も含めた組
合せ演算を行ってバスケット形状を演算するようにし、
角パイプあるいは集合角パイプの組合せをさらに適切に
決定することができるので、所定数の角パイプあるいは
集合角パイプの中から最適な組合せを決定することがで
き、角パイプあるいは集合角パイプの有効利用を図るこ
とができるという効果を奏する。
【0069】また、この発明にかかるバスケットの挿入
方法(請求項6)によれば、演算工程が、所定数、たと
えばバスケット内に挿入される69本の角パイプを組み
合わせたバスケット形状の演算を行った結果、キャビテ
ィ形状内に収容可能な組合せを得ることができない場合
に、計測工程によって計測された前記所定数以外の角パ
イプ、たとえば70本目の角パイプを当該所定数の角パ
イプに変更して演算を行うようにし、キャビティ形状内
に収容可能な組合せが得られるまで、同様な処理を行う
ようにしているので、所望の組合せを確実に得ることが
できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に適用されるキャスクの構成を示す斜
視図である。
【図2】図1に示したキャスクの構成を示す軸方向断面
図である。
【図3】図1に示したキャスクの構成を示す径方向断面
図である。
【図4】角パイプの製造方法を示すフローチャートであ
る。
【図5】角パイプの断面形状を示す説明図である。
【図6】角パイプがキャビティに挿入される状態を示す
斜視図である。
【図7】この発明の実施の形態1であるバスケットの挿
入方法を実施する装置構成を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態1であるバスケットの挿
入方法を実施する装置構成の変形例を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態1にかかるバスケットの
挿入方法を示すフローチャートである。
【図10】計測データの一例を示す図である。
【図11】結果データの一例を示す図である。
【図12】ダミーパイプを有したキャスクの構成を示す
径方向断面図である。
【図13】ダミーパイプおよび角パイプがキャビティに
挿入される状態を示す斜視図である。
【図14】この発明の実施の形態2にかかるバスケット
の挿入方法を示すフローチャートである。
【図15】この発明の実施の形態3にかかるバスケット
の挿入方法を示すフローチャートである。
【図16】集合角パイプの一例を示す図である。
【図17】キャスクの一例を示す図である。
【図18】図17に示したキャスクの構成を示す軸方向
断面図である。
【符号の説明】
100 キャスク 101 胴本体 102 キャビティ 104 底板 105 外筒 106 レジン 107 内部フィン 108 熱膨張しろ 109 蓋部 110 一次蓋 111 二次蓋 115 補助遮蔽体 116 キャスク本体 117 トラニオン 118 緩衝体 131 セル 132 角パイプ 200 処理装置 201 計測部 202 光送受信部 203 出力部 204 制御部 205 記憶部 206 計測制御部 207 演算部 208 計測データ 209 結果データ 300 保持部 301 モータ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周に中性子遮蔽体を有し且つγ線の遮
    蔽を行う胴本体のキャビティ内に、燃料集合体の収納を
    行う複数の角パイプからなるバスケットを挿入するバス
    ケットの挿入方法において、 各前記角パイプの変形状態を計測し、計測結果を各角パ
    イプ毎に保持する計測工程と、 前記計測工程による計測結果をもとに各前記角パイプを
    所定数組み合わせたバスケット形状を演算し、キャビテ
    ィ形状内に収容可能であり且つ体積が最小となる角パイ
    プの組合せを決定する演算工程と、 を含み、 前記演算工程によって決定された組合せをもとに各前記
    角パイプを前記キャビティ内に挿入することを特徴とす
    るバスケットの挿入方法。
  2. 【請求項2】 外周に中性子遮蔽体を有し且つγ線の遮
    蔽を行う胴本体のキャビティ内に、燃料集合体の収納を
    行う複数の角パイプからなるバスケットを挿入するバス
    ケットの挿入方法において、 各前記角パイプの変形状態を計測し、計測結果を各角パ
    イプ毎に保持する計測工程と、 前記計測工程による計測結果をもとに各前記角パイプを
    所定数組み合わせたバスケット形状を演算し、キャビテ
    ィ形状内に収容可能であり且つ前記キャビティとの間隙
    が最小となる角パイプの組合せを決定する演算工程と、 を含み、 前記演算工程によって決定された組合せをもとに各前記
    角パイプを前記キャビティ内に挿入することを特徴とす
    るバスケットの挿入方法。
  3. 【請求項3】 前記角パイプは、一体の組立状態で成形
    された集合角パイプであり、前記演算工程は、前記集合
    角パイプ単位でバスケット形状を演算することを特徴と
    する請求項1または2に記載のバスケットの挿入方法。
  4. 【請求項4】 前記計測工程は、 計測対象の前記角パイプあるいは集合角パイプを保持す
    る保持工程と、 前記保持工程によって保持された角パイプあるいは集合
    角パイプの識別および計測姿勢を特定するマーキングを
    行うマーキング工程と、 前記角パイプあるいは集合角パイプの周囲形状を測距セ
    ンサによって測定する測定工程と、 を含み、 前記測定工程によって得られた周囲形状をもとに前記角
    パイプあるいは集合角パイプの変形状態を計測すること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のバス
    ケットの挿入方法。
  5. 【請求項5】 前記演算工程は、前記角パイプあるいは
    集合角パイプのキャビティ上の配置位置および挿入方向
    を替えた組合せによって前記バスケット形状を演算する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の
    バスケットの挿入方法。
  6. 【請求項6】 前記演算工程は、前記所定数組み合わせ
    たバスケット形状の演算を行った結果、キャビティ形状
    内に収容可能な組合せを得ることができない場合に、前
    記計測工程によって計測された前記所定数以外の角パイ
    プを当該所定数の角パイプに変更して演算を行うことを
    特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のバスケ
    ットの挿入方法。
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