JP2001082439A - 動力伝達部材 - Google Patents
動力伝達部材Info
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Abstract
適用して十分な信頼性が得られる動力伝達部材とする。 【解決手段】 繊維配向角を略12度にしてカーボン繊維
強化樹脂を3層巻き、その外周に繊維配向角を略12度に
してガラス繊維強化樹脂を3層巻いて円筒体2を成形す
ることにより、耐衝撃性及びねじり強度を満足して信頼
性を高め、繊維強化樹脂製で構成しても、実際の車両に
適用して十分な信頼性が得られるプロペラシャフト1と
する。
Description
えば、車両のプロペラシャフトに関する。
図るため、各種の部材を繊維強化樹脂製で代替えするこ
とが試みられている。車両用の部材のうち、例えば、動
力伝達部材であるプロペラシャフトは、繊維強化樹脂
(カーボン繊維強化樹脂)製の円筒の両端に炭素鋼製の
接続継ぎ手(ヨーク)を圧入して固定した構造となって
いる。プロペラシャフトは、ヨークを介して駆動軸側と
従動軸側を連結してトルクを伝達するようになってい
る。このため、カーボン繊維強化樹脂製の円筒は、カー
ボン繊維の原糸を軸方向に対して所定の角度(配向角)
を持って複数層に積層して巻いて構成することで、所定
のねじり強度が確保されている。
製の円筒は、炭素鋼等の金属に比べて弾性範囲が大きい
ので、衝撃が加わった時にへこむことなく復元すること
になる。このため、外観からは衝撃が加わったかどうか
が判断できなかった。即ち、カーボン繊維強化樹脂製の
円筒に一度衝撃が加わると、外観上は何ら問題がなくて
も、層間剥離等が生じることがあり、ねじり強度が大幅
に低下してしまうことがある。
を高めるためには、カーボン繊維の配向角を小さくする
(例えば15度以下)とよく、ねじり強度を高めるために
は、カーボン繊維の配向角を45度にするとよいことが確
認されている。このように、カーボン繊維の配向角に対
して耐衝撃性とねじり強度とは相反する関係にある。こ
のため、カーボン繊維強化樹脂製の円筒で耐衝撃性及び
ねじり強度を十分に満足するものは実在しないのが現状
であり、プロペラシャフトの組み立て時等には部品管理
を徹底して行なう等して信頼性を損なうことがないよう
にしているのが実情である。
で、繊維強化樹脂製であっても耐衝撃性及びねじり強度
を満足して信頼性を高めた動力伝達部材を提供すること
を目的とする。
の本発明の動力伝達部材は、炭素繊維とガラス繊維の混
成体からなる繊維強化樹脂製の本体と、本体の端部に装
着された接続継ぎ手とからなることを特徴とし、炭素繊
維のみからなる繊維強化樹脂製の本体に比べて耐衝撃性
を高めるようにしたものである。そして、本体は炭素繊
維強化樹脂層とガラス繊維強化樹脂層とからなる複数層
に積層された積層体であり、ガラス繊維強化樹脂層を最
外層として構成することが好ましい。また、繊維強化樹
脂の炭素繊維とガラス繊維の本体の軸方向に対する繊維
配向角度を12度±1度の範囲としたことを特徴とし、
更に耐衝撃性を高めるようにしたものである。
係る動力伝達部材としてのプロペラシャフトの外観状
況、図2にはプロペラシャフトの断面、図3には図2中
の矢印III 部の詳細状況、図4には円筒体の形成状況を
表す概念を示してある。
プロペラシャフト1は、炭素繊維(カーボン繊維)とガ
ラス繊維の混成体からなる繊維強化樹脂製の本体として
の円筒体2と、円筒体2の両端に圧入により嵌合された
炭素鋼製の接続継ぎ手としてのヨーク3とで構成されて
いる。円筒体2の繊維強化樹脂は、エポキシ樹脂を母体
としてカーボン繊維及びガラス繊維を強化材とした複合
材料であり、円筒体2はフィラメントワインディング法
等により形成されたものである。
が圧入される端部2aの内周側が、繊維強化樹脂を周方向
に巻いたフープ層4で形成されて引張強度が高められ、
フープ層4の外周を含む中間の筒部が、軸方向に対して
所定の角度をもって繊維強化樹脂を巻いた(所定の繊維
配向角)ヘリカル層5で形成されている。フープ層4に
より円周方向の弾性率が確保されヨーク3が圧入された
ときの良好な接続状態が得られる。そして、軸圧縮時の
発生応力を材料の破壊応力より大きく、トルク伝達時の
発生応力を材料の破壊応力より非常に小さく設計され、
軸圧縮破壊とトルク伝達の両立が可能になっている。
5は、カーボン繊維強化樹脂10が3層に巻かれ、外周
側にガラス繊維強化樹脂11が3層に巻かれ、合計で6
層の繊維強化樹脂が巻かれた状態になっている。ガラス
繊維強化樹脂11はカーボン繊維強化樹脂10に比べて
柔軟であり耐衝撃性が高いので、ガラス繊維強化樹脂1
1を外層とすると耐衝撃性を向上させることができる。
繊維強化樹脂11をそれぞれ3層巻いてヘリカル層5を
形成したが、ガラス繊維強化樹脂11の体積割合がヘリ
カル層5全体の約40%から約60%になるようにしてカー
ボン繊維強化樹脂10及びガラス繊維強化樹脂11の層
数を設定すればよい。
繊維及びガラス繊維の原糸21を樹脂含浸槽22に含浸
させた後、それぞれの繊維が所定の層数になるようにマ
ンドレル23に巻き付け、熱処理することで硬化させ、
冷却した後マンドレル23を抜くことで形成される。ヘ
リカル層5を形成する際には、円筒体2の軸方向に対し
て原糸21を角度θ(略12度)傾けて巻き付ける。即
ち、カーボン繊維及びガラス繊維の繊維配向角θを共に
略12度にしてヘリカル層5を形成する。
で異なると、成形時にカーボン繊維とガラス繊維の境界
部で残留応力が大きくなり耐衝撃性が低下してしまう
が、繊維配向角θを同一にしておくことで、成形時の残
留応力を小さくすることができ、また、耐衝撃性を一層
向上させることができる。
耐衝撃性及びねじり強度について説明する。円筒体2の
ヘリカル層5は、繊維配向角θが略12度にされてカーボ
ン繊維強化樹脂10が3層巻かれ、その外周に繊維配向
角θが略12度にされてガラス繊維強化樹脂11が3層巻
かれて成形されている。耐衝撃性及びねじり強度を調べ
るために、円筒体2を所定の高さから突起が形成された
治具上に落下させ、その後静ねじり試験を行なった。比
較のために、他に8種類の繊維強化樹脂製の円筒体で同
様に試験を行なった。その結果を図5に示してある。図
5には衝撃を加えた後のねじり試験結果を表すグラフを
示してある。
る。Bは繊維配向角θが略12度でカーボン繊維強化樹脂
が4層、ガラス繊維強化樹脂が3層巻かれた円筒体であ
る。Cは繊維配向角θが略12度でカーボン繊維強化樹脂
が7層巻かれた円筒体である。Dは繊維配向角θが略10
度でカーボン繊維強化樹脂が3層、ガラス繊維強化樹脂
が3層巻かれた円筒体である。Eは繊維配向角θが略10
度でカーボン繊維強化樹脂が4層、ガラス繊維強化樹脂
が2層巻かれた円筒体である。Fは繊維配向角θが略10
度でカーボン繊維強化樹脂が4層、ガラス繊維強化樹脂
が3層巻かれた円筒体である。Gは繊維配向角θが略10
度でカーボン繊維強化樹脂が5層、ガラス繊維強化樹脂
が2層巻かれた円筒体である。Hは繊維配向角θが略10
度でカーボン繊維強化樹脂が7層巻かれた円筒体であ
る。Iは繊維配向角θが略45度でカーボン繊維強化樹脂
が6層巻かれた円筒体である。
ルク値(Nm)を調べたものである。この結果、A,B,
F,Gの円筒体が判定基準値S(Nm)である実際に車両
のプロペラシャフトとして用いて十分な性能が得られる
破断トルクの値(Nm)を越えており、実際の車両への適
用が可能であることが判る。
るA及びBの円筒体とを比較した場合、及び、Fの円筒
体とH,Eの円筒体とを比較した場合、繊維強化樹脂と
してガラス繊維を含めることで、また、ガラス繊維を体
積割合で約40%以上含めることで、破断トルク値(Nm)
が判定基準値S(Nm)を越えることが判る。従って、繊
維強化樹脂としてガラス繊維を体積割合で約40%以上含
めることで、実際の車両への適用が可能な耐衝撃性及び
ねじり強度が得られることになる。
筒体を比較した場合、繊維強化樹脂が同じ層数であれ
ば、繊維配向角θを約10度から約12度にすることで、破
断トルク値(Nm)が判定基準値S(Nm)を越えることが
判る。従って、カーボン繊維とガラス繊維の混成体から
なる繊維強化樹脂の円筒体では、繊維配向角θを約12度
にすることで、実際の車両への適用が可能な耐衝撃性及
びねじり強度が得られることになる。
F,Gの円筒体とを比較した場合、全ての円筒体が破断
トルク値(Nm)が判定基準値S(Nm)を越えているが、
B,F,Gの円筒体は繊維強化樹脂が7層であるのに対
し、円筒体2は繊維強化樹脂が6層となっている。従っ
て、実際の車両へ適用する場合、必要性能を確保した状
態で最小限のコストとするためには本実施形態例の円筒
体2が最適であることが判る。
してカーボン繊維強化樹脂10を3層巻き、その外周に
繊維配向角θを略12度にしてガラス繊維強化樹脂11を
3層巻いて(ガラス繊維を体積割合で約40%以上含め
る)円筒体2を成形することにより、プロペラシャフト
として用いて十分な性能が得られる破断トルク値(Nm)
を越え、コストを高めることなく実際の車両に適用可能
な耐衝撃性及びねじり強度が得られるプロペラシャフト
の円筒体2とすることができる。
軽量化を図るために繊維強化樹脂製で構成しても耐衝撃
性及びねじり強度を満足して信頼性を高めることができ
る。このため、コスト的にも信頼性の面でも実車に適用
して好適なプロペラシャフト1となる。
製であっても耐衝撃性及びねじり強度を満足して信頼性
を高めることができ、実際の車両に適用して十分な信頼
性が得られる動力伝達部材となる。
てのプロペラシャフトの外観状況図。
フ。
Claims (2)
- 【請求項1】 炭素繊維とガラス繊維の混成体からなる
繊維強化樹脂製の本体と、同本体の端部に装着された接
続継ぎ手とからなることを特徴とする動力伝達部材。 - 【請求項2】 請求項1において、繊維強化樹脂の炭素
繊維とガラス繊維の前記本体の軸方向に対する繊維配向
角度を12度±1度の範囲としたことを特徴とする動力
伝達部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26327699A JP2001082439A (ja) | 1999-09-17 | 1999-09-17 | 動力伝達部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26327699A JP2001082439A (ja) | 1999-09-17 | 1999-09-17 | 動力伝達部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001082439A true JP2001082439A (ja) | 2001-03-27 |
Family
ID=17387223
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26327699A Pending JP2001082439A (ja) | 1999-09-17 | 1999-09-17 | 動力伝達部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001082439A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100831643B1 (ko) | 2007-04-10 | 2008-05-22 | 류충오 | 연결 조인트 및 이를 구비한 복합재료 드라이브 샤프트어셈블리 |
KR100862060B1 (ko) | 2007-04-10 | 2008-10-09 | 류충오 | 복합재료 드라이브 샤프트 제작용 몰드 및 이를 이용하여제작한 복합재료 드라이브 샤프트 |
-
1999
- 1999-09-17 JP JP26327699A patent/JP2001082439A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100831643B1 (ko) | 2007-04-10 | 2008-05-22 | 류충오 | 연결 조인트 및 이를 구비한 복합재료 드라이브 샤프트어셈블리 |
KR100862060B1 (ko) | 2007-04-10 | 2008-10-09 | 류충오 | 복합재료 드라이브 샤프트 제작용 몰드 및 이를 이용하여제작한 복합재료 드라이브 샤프트 |
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