JP2001081503A - 異方性希土類磁石用原料合金粉末の配向方法および該磁石の製造方法 - Google Patents

異方性希土類磁石用原料合金粉末の配向方法および該磁石の製造方法

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JP2001081503A JP25855999A JP25855999A JP2001081503A JP 2001081503 A JP2001081503 A JP 2001081503A JP 25855999 A JP25855999 A JP 25855999A JP 25855999 A JP25855999 A JP 25855999A JP 2001081503 A JP2001081503 A JP 2001081503A
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powder
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earth magnet
anisotropic rare
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Atsushi Ogawa
篤史 小川
Seiji Endo
政治 遠藤
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Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原料合金粉末の配向度を向上させ、永久磁石
特性を向上させる。 【解決手段】 異方性希土類磁石用原料合金の粉末を磁
界によって配向させる。用いる粉末は、レーザ方式粒度
分布計によって測定された粉末粒径D50が4.5μm以
下、粉末粒径D99が15.0μm以下となる粒度分布を
有している。印可する磁界は、磁界強度の立ち上がり期
間内における磁界強度の上昇速度(ΔT0/Hmax)が1
0MA/m・sec以上となるようにする。磁界印加初
期における粉末の凝集が抑制されるため、配向度が向上
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異方性希土類磁石
用原料合金粉末の配向方法および該磁石の製造方法に関
する。この磁石は各種モータやアクチュエータなどに好
適に使用される。
【0002】
【従来の技術】高性能永久磁石として代表的なR−Fe
−B系永久磁石(RはYを含む希土類元素、Feは鉄、
Bはボロン)は、三元系正方晶化合物の主相とRリッチ
相とを含む組織を有し、優れた磁石特性を発揮する。現
在、R−Fe−B系永久磁石は、一般家庭の各種電器製
品から大型コンピュータの周辺機器まで幅広い分野で使
用されているが、電気・電子機器の小型・軽量化ならび
に高機能化の要求は強く、R−Fe−B系永久磁石のよ
り一層の高性能化が求められている。
【0003】R−Fe−B系焼結磁石の残留磁束密度
(Br)を高めるためには、1)強磁性相であるR2Fe
14B相の存在割合を多くすること、2)焼結体の密度を
主相の理論密度に近づけること、3)さらに主相結晶粒
の磁化容易軸方向への配向度を高めることが要求され
る。
【0004】R2Fe14B相の存在割合を多くするため
には、磁石の組成をR2Fe14B相の化学量論的組成に
近づけることが重要である。上記組成の合金を溶解し、
鋳型を用いて鋳造することによって作製した合金塊(イ
ンゴット)を出発原料する場合、合金塊中に晶出したα
−FeやR−rich相が局部的に遍在しているため、
微粉砕が困難となり、組成ずれを生ずる等の問題があっ
た(特開昭60−63304号公報、特開昭63−33
505号公報)。合金塊中で晶出したα−Feは、その
まま粉砕時に残留し、その展延性のために粉砕を妨げる
性質を備えている。また、局部的に遍在したR−ric
h相は、H2吸蔵処理によって水素化物を生成し、微細
な粉末となる。この水素化物は機械的な微粉砕時には酸
化され、ジェットミルを用いた粉砕時には飛散するた
め、組成ずれを引き起こす原因となる。
【0005】このように鋳塊砕法によってR−Fe−B
系合金の粉末を作製すると、結晶粒が粗大化するという
問題やα−Feの残留・偏析が生じるという問題があ
る。この問題を解決するため、R−Fe−B系合金溶湯
をストリップキャスト法によって急冷凝固した後、その
急冷凝固合金を通常の粉末冶金法に従って粉砕する方法
が検討されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ストリップキャスト法
によって作製した原料合金の粉末を磁界によって配向さ
せる場合、従来の鋳塊砕法によって作製した原料合金の
粉末を用いる場合に比較して配向度が低下することを本
願発明者は見出した。
【0007】本発明は、このような諸点に鑑みてなされ
たものであり、その主な目的は、ストリップキャスト法
によって作製したような微細原料合金粉末を用いる場合
であっても、磁界による配向度を向上させられる異方性
希土類磁石用原料合金粉末の配向方法を提供することに
ある。また、本発明の他の目的は、配向度が向上し、優
れた磁気特性を発揮する異方性希土類磁石の製造方法を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による異方性希土
類磁石用原料合金粉末の配向方法は、異方性希土類磁石
用原料合金の粉末を磁界によって配向させる異方性希土
類磁石用原料合金粉末の配向方法であって、前記粉末
は、レーザ方式粒度分布計によって測定された粉末粒径
50が4.5μm以下、粉末粒径D99が15.0μm以下
となる粒度分布を有しており、前記磁界は、磁界強度の
立ち上がり期間内における磁界強度の上昇速度が10M
A/m・sec以上となるようにして前記粉末に印加さ
れることを特徴とする。
【0009】前記磁界の磁界強度は、前記磁界強度の立
ち上がり期間内に600kA/m以上に上昇し、しか
も、前記磁界強度が50kA/mから600kA/mへ
上昇する間、磁界強度の上昇速度が12MA/m・se
c以上となることが好ましい。
【0010】前記磁界の最高磁界強度は800kA/m
以上になることが好ましい。
【0011】好ましい実施形態において、前記粉末は、
希土類金属−鉄−ボロン系合金の溶湯から形成されたも
のである。
【0012】好ましい実施形態において、前記粉末は、
ストリップキャスト法によって形成された母合金を粉砕
して得られたものである。
【0013】本発明による異方性希土類磁石用成形体の
製造方法は、異方性希土類磁石用原料合金の粉末を用意
する工程と、前記粉末を金型内に充填する工程と、前記
粉末を加圧によって成形する工程とを包含する異方性希
土類磁石用成形体の製造方法であって、前記粉末の成形
工程前において、上記のいずれかの異方性希土類磁石用
原料合金粉末の配向方法によって前記粉末を配向させる
工程を包含していることを特徴とする。
【0014】本発明による他の異方性希土類磁石の製造
方法は、異方性希土類磁石用原料合金の粉末を用意する
工程と、前記粉末を金型内に充填する工程と、磁界によ
って前記粉末の配向を行う工程と、前記粉末を加圧によ
って成形する工程とを包含する異方性希土類磁石の製造
方法であって、前記粉末は、レーザ方式粒度分布計によ
って測定された粉末粒径D50が4.5μm以下、粉末粒
径D99が15.0μm以下となる粒度分布を有してお
り、前記磁界は、磁界強度の立ち上がり期間内における
磁界強度の上昇速度が10MA/m・sec以上となる
ようにして前記粉末に印加されることを特徴とする。
【0015】ある好ましい実施形態において、前記磁界
はパルス状磁界と静磁界との組み合わせによって形成さ
れる。
【0016】前記粉末を加圧によって成形する工程は、
前記磁界の印加を停止した後に行ってもよい。
【0017】本発明による異方性希土類磁石の製造方法
は、異方性希土類磁石用原料合金の粉末を用意する工程
と、前記粉末を金型内に充填する工程と、磁界によって
前記粉末の配向を行う工程と、前記粉末を加圧によって
成形する工程とを包含する異方性希土類磁石の製造方法
であって、前記磁界は、磁界強度の立ち上がり期間内に
おける磁界強度の上昇速度が10MA/m・sec以上
となり、前記立ち上がり期間経過後、前記磁界強度がほ
ぼ一定の静磁界となることを特徴とする。
【0018】好ましい実施形態において、前記粉末はレ
ーザ方式粒度分布計によって測定された粉末粒径D50
4.5μm以下、粉末粒径D99が15.0μm以下となる
粒度分布を有している。
【0019】前記磁界の磁界強度は、前記磁界強度の立
ち上がり期間内に600kA/m以上に上昇し、しか
も、前記磁界強度が50kA/mから600kA/mへ
上昇する間、磁界強度の上昇速度が12MA/m・se
c以上となることが好ましい。
【0020】前記磁界の磁界強度の最高値が800kA
/m以上になることが好ましい。
【0021】好ましい実施形態において、前記粉末は希
土類金属−鉄−ボロン系合金の溶湯から形成された母合
金を粉砕して得られたものである。
【0022】好ましい実施形態において、前記粉末はス
トリップキャスト法によって形成された母合金を粉砕し
て得られたものである。
【0023】
【発明の実施の形態】ストリップキャスト法による原料
合金粉末の粒度分布は、鋳塊粉砕法による原料合金粉末
の粒度分布に比較して粒径が小さく、かつ、粒径分布幅
が狭い(分散か小さい)という特徴を有している。一方
で、ストリップキャスト法によって作製した原料合金の
粉末を磁界配向させる場合、従来の鋳塊粉砕法によって
作製した原料合金の粉末を用いる場合に比較して配向度
の低下する傾向がある。本願発明者は、配向度の低下が
原料合金粉末の粒度分布に関係すると考えるとともに、
磁界印加初期段階において粉末粒子に作用する力を解析
することによって本発明を想到するに至った。
【0024】図1(a)および(b)は、磁界Hを粉末
に及ぼしたとき、粉末を構成する個々の粒子Pに作用す
る力FhおよびFcを模式的に表している。図1(a)に
示される力Fhは、粉末粒子Pの磁化容易軸を磁界Hの
向きに平行となるように粉末粒子Pを回転させようとす
る。この力Fhは、磁界配向の駆動力となる重要な力で
ある。一方、図1(b)に示される力Fcは、粉末粒子
間に働くクーロン力であり、粉末粒子Pを鎖状または環
状に連結するように働く。
【0025】粉末粒子Pが磁界内で磁化され始める初期
段階(磁界強度の立ち上がり期間内)においては、通
常、磁界Hによる力Fhよりもクーロン力Fcが支配的に
なる。そのため、磁化の初期段階では、複数の粒子Pが
鎖状構造または環状構造を形成して凝集しやすい。
【0026】シミュレーションによれば、磁界の立ち上
がり期間内に形成された鎖状構造は、磁界Hの強度が最
高レベル(ピーク値)に上昇した後も保存されることが
わかった。すなわち、磁界強度がピーク値に達しても、
鎖状構造を構成する粉末粒子は磁界の向きに配向するこ
となく、凝集したまま初期の配置を維持する傾向があ
る。
【0027】以上のことから、磁界の立ち上がり期間内
における粉末の挙動を適切に制御してクーロン力による
凝集を抑制しない限り、大型コイルを用いて強い磁界を
生成したとしても配向度を向上させることは困難である
ことがわかる。
【0028】また、粉末粒子が微細化される程、粉末粒
子同士の相互作用力Fcは強まり、かつ、磁界Hが個々
の粉末粒子Pを配向させようとする力Fhは弱くなる。
このため、粒径の小さな合金粉末を用いる場合は、鎖状
構造がより形成されやすく、配向度が低下するものと考
えられる。
【0029】本願発明者は、磁界強度の立ち上がり期間
内における原料合金粉末の挙動を解析した結果、磁界強
度そのものをいたずらに上昇させるよりも磁界強度の上
昇速度を速めることが配向度向上にいっそう寄与するこ
とを見出した。以下、図2を参照しながら、この点を詳
細に説明する。
【0030】まず、配向のために形成する磁界の強度
は、図2(a)および(b)に示されるように、配向に
寄与しない低レベルから単調に上昇し、その後、最大磁
界強度Hmaxに到達する。磁界強度の上昇開始時点T0
ら、磁界強度が最大磁界強度H maxに到達する時点T1
での期間をΔT0とすると、最大磁界強度Hmaxに対する
期間ΔT0の比(すなわちHmax/ΔT0)がHmaxの値よ
りも重要であることを本願発明者は見出した。
【0031】のちに説明する実験によれば、Hmax/Δ
0が10MA/m・sec以上になる場合、磁界中の
粉末粒子が鎖状構造を形成するよりも前に個々の粉末粒
子が磁界の向きに配向することがわかった。
【0032】最大磁界強度Hmaxの大きさを一定とした
場合、ΔT0が小さくなるほど、ΔH max/ΔT0は大き
くなる。急激に磁界強度が増加する場合(ΔT0が小さ
い場合)は、クーロン力によって鎖状構造が形成される
前に、磁界から個々の粒子に作用する力が充分に大きく
なるため、粒子は強固な鎖状構造を形成することなく、
磁界の向きに速やかに配向することができる。
【0033】以上説明したように、磁界配向は磁界強度
の最大値(Hmax)だけではなく、磁界強度の立ち上が
り時間(ΔT0)に強く依存する。本発明では、個々の
粒子を磁界の向きに配向させる駆動力(Fh)を、鎖状
構造が形成される前に充分なレベルに増大させ、クーロ
ン力(Fc)による粒子の凝集を抑制する点に特徴を有
している。
【0034】[異方性希土類磁石の製造方法]以下、本
発明による異方性希土類磁石の製造方法の実施形態を説
明する。
【0035】まず、R(但しRはYを含む希土類元素の
うち、少なくとも1種):11at%〜18at%、
B:4at%〜10at%、残部:Fe、および不可避
的不純物を含有するR−Fe−B系合金の溶湯を作製す
る。ただし、Feの1部をCo、Niの1種または2種
にて置換してもよいし、Bの一部をCで置換しても良
い。
【0036】次に、この合金溶湯をストリップキャスト
法によって厚さ0.03mm〜10mmの薄板状に凝固
する。そして、Rリッチ相が5μm以下の微細なサイズ
で分離した組織を有する鋳片に鋳造した後、鋳片を吸排
気可能な容器に収容する。容器内の空気をH2ガスで置
換した後、容器内に圧力0.03MPa〜1.0MPa
のH2ガスを供給し、崩壊合金粉を形成する。この崩壊
合金粉は、脱水素処理後、不活性ガス気流中で微粉砕さ
れる。
【0037】本発明で使用する磁石材料の鋳片は、特定
組成の合金溶湯を単ロール法または双ロール法によるス
トリップキャスト法によって好適に製造される。鋳片の
厚さは、例えば0.03mm〜10mmとすることが好
ましい。作製する鋳片の板厚に応じて、単ロール法と双
ロール法とを使い分けることができる。鋳片が厚い場合
は双ロール法を用いることが好ましく、薄い場合は単ロ
ール法を用いることが好ましい。
【0038】鋳片の厚さが0.03mm未満になると急
冷効果が大きくなるため、結晶粒径が小さくなりすぎる
おそれがある。結晶粒径が小さすぎると、粉末化された
ときに粒子個々が多結晶化し、結晶方位を揃えられなく
なるため、磁気特性の劣化を招来する。逆に鋳片の厚さ
が10mmを超えると、冷却速度が遅くなるため、α−
Feが晶出しやすく、Ndリッチ相の偏在も生じる。
【0039】ストリップキャスト法によって得られたR
−Fe−B系合金の断面組織を観察すると、主相のR2
Fe14B結晶粒が従来の鋳塊に比べて約1/10以下の
サイズに微細化されている。ストリップキャスト法によ
る場合、R2Fe14B結晶粒の短軸方向の寸法は0.1
μm〜50μmであり、長軸方向の寸法は5μm〜20
0μmである。また、Rリッチ相はR2Fe14B結晶粒
を薄く取り囲むように分散されている。このため、水素
吸蔵処理時にRリッチ相が水素化物を生成した際の体積
膨張が均一に生じるため、R2Fe14B結晶粒の細分化
が起こり、粒度分布の幅が狭く、各粒子のサイズが均一
な微粉末が得られる。
【0040】水素吸蔵処理は、例えば、次のようにして
行われ得る。すなわち、所定の大きさに破断した鋳片を
原料ケース内に挿入した後、原料ケースを密閉可能な容
器の中に装入し、その容器を密閉する。次に、その容器
内を十分に真空引きした後、圧力が30kPa〜1.0
MPaの水素ガスを容器内に供給し、鋳片に水素を吸蔵
させる。水素吸蔵反応は発熱反応であるため、容器の外
周には冷却水を供給する冷却配管を周設して容器内の昇
温を防止することが好ましい。水素の吸収吸蔵によって
鋳片は自然崩壊して粉化する。
【0041】粉化した合金を冷却した後、真空中で脱水
素処理を行う。脱水素処理によって得られた合金粉末の
粒内には微細亀裂が存在するため、その後に行うボール
・ミル、ジェットミル等で短時間で微粉砕され、前述し
た粒度分布を持った合金粉末を作製することができる。
水素粉砕処理の好ましい態様については、特開平7−1
8366号公報に開示されている。
【0042】上述の微粉砕は、不活性ガス(例えば、N
2やArなど)を用いたジェット・ミルによって行うこ
とが好ましいが、有機溶媒(例えば、ベンゼンやトルエ
ン等)を用いたボールミルやアトライター粉砕を用いて
も良い。
【0043】このようにして作製した原料合金粉末の粒
度分布を図3に示す。図3は、レーザ方式粒度分布計に
よる測定結果を示すグラフであり、横軸は粒径(Partic
le Size)であり、縦軸は与えられた値以下の粒径を有
する粒子の累積計測割合(Frequency)である。図3に
示される曲線Aは本実施形態にかかる方法で作製した粉
末についてのものであり、曲線Bは従来の方法で作製し
た粉末についてのものである。図3からわかるように、
本実施形態で使用する粉末は、従来の粉末に比較して平
均粒径が小さく、かつ、粒径ばらつきも小さい(粒径分
布の幅が狭い)。より詳細には、本発明で用いる粉末粒
子の粒径D50は4.5μm以下であり、粒径D99は1
5.0μm以下となる。ここで、D50は、体積比で50
%の粒子の粒径がその値以下となる数値のことであり、
99とは体積比で99%の粒子の粒径がその値以下とな
る数値のことである。なお、粒径の組成比依存性がなけ
れば、体積比は重量比に等しい。
【0044】なお、原料合金の粉末には脂肪酸エステル
などを主成分とする液体潤滑剤を添加することが好まし
い。添加量は例えば0.15〜5.0重量%である。脂
肪酸エステルとしては、カプロン酸メチル、カプリル酸
メチル、ラウリン酸メチルなとが挙げられる。潤滑剤に
は結合剤などの成分が含まれていても良い。重要な点
は、のちの工程で潤滑剤が揮発し、除去され得ることに
ある。また、潤滑剤それ自体が合金粉末と均一に混合し
にくい固形状のものである場合は、溶剤で希釈して用い
れば良い。溶剤としては、イソパラフィンに代表される
石油系溶剤やナフテン系溶剤等を用いることができる。
潤滑剤添加のタイミングは任意であり、微粉砕前、微粉
砕中、微粉砕後の何れであっても良い。
【0045】液体潤滑剤は、粉末粒子の表面を被覆し、
粒子の酸化防止効果を発揮するとともに、プレスに際し
て形成体の密度を均一化し、配向の乱れを抑制する機能
を発揮する。
【0046】次に、図4に示すプレス装置を用いて、磁
界配向と成形加工とを行う。図4の装置は、貫通穴を有
するダイス1と、ダイス1の貫通穴を上下方向から挟み
込むパンチ2および3とを備えている。原料粉末4は、
ダイス1、下パンチ2、および上パンチ3によって形成
される空間(キャビティ)内に充填され、下パンチ2と
上パンチ3との間隔が減少することによってプレス成形
される。図4のプレス装置は、磁界配向を行うために静
磁界用コイル5および7とパルス磁界用コイル6とを備
えている。
【0047】粉末4の充填密度は、磁界配向を可能に
し、かつ、磁界除去後に磁粉の配向に乱れが生じにくく
なる範囲内に設定される。本実施形態の場合、充填密度
を真密度の30〜40%とすることが好ましい。
【0048】粉末充填後、粉末4が充填されている空間
に縦方向の磁界を形成し、粉末4の磁界配向を実行す
る。本発明では、磁界強度の立ち上がり期間(ΔT0
内における磁界強度の上昇速度(Hmax/ΔT0)が10
MA/m・sec以上となるように磁界を生成し、粉末
4に印加する。磁界強度は、磁界強度の立ち上がり期間
(ΔT0)内に600kA/m以上に上昇し、しかも、
磁界強度が50kA/mから600kA/mへ上昇する
間における磁界強度の上昇速度(以下、「ΔH/ΔT」
と称する。)が12MA/m・sec以上となることが
好ましい。また、磁界強度の最高値(Hmax)は800
kA/m以上になることが好ましい。
【0049】磁界配向の後、70MPa〜300MPa
の圧力で粉末4をプレス成形し、成形体を作製する。本
発明は、磁界の向きとプレス方向とを一致させる平行磁
界成形の場合だけではなく、磁界の向きとプレス方向と
を垂直にする垂直磁界成形の場合でも効果を奏する。配
向のため磁界を完全に取り除いた後にプレス成形を開始
しても良いし、磁界が印可されている間にプレス成形を
開始しても良い。
【0050】成形体は、図4のプレス装置から取り出さ
れた後、焼結工程、時効処理工程などの公知の製造プロ
セスを経て最終的に永久磁石製品となる。
【0051】(実施例1)まず、30重量%Nd−2重
量%Dy−0.5重量%Co−1重量%B−残部Feの
組成を有する合金の溶湯を高周波溶解炉によって作製し
た。この溶湯を直径150mmの銅製ロール2本を併設
した双ロール式ストリップキャスターを用いて冷却し、
厚さ約1mmの薄板状鋳片を作製した。
【0052】鋳片を10mm角以下の大きさに破断した
後、破断片を吸排気可能な密閉容器内に収容した。その
容器内に窒素ガスを20分間流すことによって空気と置
換した後、水素脆化を行うために容器内に水素ガスを
1.5時間供給した。鋳片が水素吸蔵による自然崩壊を
起こした後、真空中で400℃に4時間保持することに
よって脱水素処理を施した。そして室温まで冷却した
後、粗粉砕を行い、425μm以下の大きさになるよう
に整粒した。その後、ジェットミルによる粉砕を行うこ
とによって平均粒度約3.6μmの合金粉末を得た。本
実施例で用いる粉末粒子の粒径D50は4.26μmであ
り、粒径D99は12.11μmであった。
【0053】この合金粉末に対して0.2重量%の液体
潤滑剤を添加した後、合金粉末をモールドに充填した。
用いた潤滑剤は、カプロン酸メチルを主成分とするもの
であった。次に、図2(a)に示すような波形を持つパ
ルス磁界を形成し、磁界配向を行った。磁界強度の立ち
上がり期間における磁界強度の上昇速度を表1に示す。
ピーク磁界強度は1.2MA/mであった。得られた永
久磁石の磁石特性を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】なお、表1においては、「磁界強度の上昇
速度(Hmax/ΔT0)」を「磁界強度の増加速度」と標
記している。また、表1の「最高値」とは、パルス状磁
界のピーク強度のことである。
【0056】(比較例1)この比較例では、印加した磁
界の種類以外の点では実施例1と全く同一の工程を経て
永久磁石を作製した。得られた永久磁石の磁石特性を表
2に示す。なお、比較例1では、直流電源を用いてパル
ス状の磁界を形成した。
【0057】
【表2】
【0058】表1と表2とを比較してわかるように、実
施例1の残留磁束密度Brおよび最大エネルギ積(B
H)maxは、ともに、比較例1の残留磁束密度Brおよび
最大エネルギ積(BH)maxよりも大きな値を示してい
る。このことは、実施例の配向度が改善し、その永久磁
石としての特性が改善されたことを意味している。
【0059】(実施例2)本実施例では、実施例1と同
様の工程を経て作製した合金粉末を用いるが、配向に際
しては図2(b)に示す静磁界を採用した。実施例1で
はパルス状の磁界によって粉末粒子の配向を行った後、
磁界が印加されていない状態でプレス工程が実行された
が、本実施例のプレス工程は、図2(b)の時刻T2に
開始され、静磁界印加中で実行された。粉末の充填密度
は30%、プレス時の圧力は120MPaとした。最終
的に得られた永久磁石の特性を表3に示す。
【0060】
【表3】
【0061】(比較例2)本比較例では、実施例2と同
様の方法で永久磁石を作製した。実施例2と比較例2と
の相違点は、磁界強度の増加速度の大きさだけである。
最終的に得られた永久磁石の特性を表4に示す。
【0062】
【表4】
【0063】表3および表4から、磁界強度の上昇速度
(Hmax/ΔT0)が10MA/m・sec以上となるよ
うに磁界強度が急速に立ち上がれば、パルス状磁界でな
くても配向度が向上し、磁石特性が優れたものになるこ
とがわかる。
【0064】(実施例3)本実施例でも、実施例1と同
様の工程を経て作製した合金粉末を用いるが、配向に際
しては図5(a)に示す磁界(パルス磁界+静磁界)を
用いた。実施例1ではパルス状の磁界によって粉末粒子
の配向を行った後、磁界が印加されていない状態でプレ
ス工程を行ったが、本実施例のプレス工程は、図5
(a)の時刻Tpに加圧を開始し、静磁界のもとで行わ
れた。粉末の充填密度は40%、プレス時の圧力は14
0MPaとした。プレス時における静磁界の強度は0.
8MA/mであった。最終的に得られた永久磁石の特性
を表5に示す。
【0065】
【表5】
【0066】(比較例3)本比較例では、実施例3と同
様の方法で永久磁石を作製した。実施例3と比較例3と
の相違点は、パルス磁界印加と静磁界印加のタイミング
が異なる点にある。本比較例では、図5(b)に示すよ
うに、静磁界を印加した後にパルス磁界を印加した。最
終的に得られた永久磁石の特性を表6に示す。
【0067】
【表6】
【0068】表5および表6から、磁界印加開始直後に
おける磁界強度の上昇速度(Hmax/ΔT0)が重要であ
ることがわかる。磁界印加開始直後における磁界強度の
上昇速度(Hmax/ΔT0)が10MA/m・secを下
回る場合、その後にパルス磁界が印加されても、配向度
は向上せず、磁石特性も良くならない。
【0069】(実施例4)本実施例では、実施例1と同
様の工程を経て作製した合金粉末を用い、配向に際して
は、実施例2と同様に図2(b)に示す静磁界を採用し
た。本実施例では、磁界強度が50kA/mから600
kA/mへ上昇する間における磁界強度の上昇速度(Δ
H/ΔT)や最高磁界強度の値を変化させた。なお、充
填密度は30%、プレス時の圧力は120Paとした。
最終的に得られた永久磁石の特性を表7に示す。
【0070】
【表7】
【0071】(比較例4)本比較例では、実施例4と同
様の方法で永久磁石を作製した。実施例4と比較例4と
の相違点は、磁界強度が50kA/mから600kA/
mへ上昇する間における磁界強度の上昇速度の大きさが
異なる点にある。最終的に得られた永久磁石の特性は表
8に示す。
【0072】
【表8】
【0073】表7および表8から、磁界強度が50kA
/mから600kA/mへ上昇する間における磁界強度
の上昇速度(ΔH/ΔT)が12MA/m・sec以上
となることが好ましいということがわかる。
【0074】(実施例5)本実施例では、実施例1と同
様の工程を経て作製した合金粉末を用い、配向に際して
は実施例1と同様にパルス磁界を用いた。本実施例で
は、磁界強度の上昇速度を約1000MA/m・sec
の一定値に保ち、パルス磁界のピーク強度を変化させ
た。なお、充填密度は40%、プレス時の圧力は130
MPaとした。最終的に得られた永久磁石の特性を表9
に示す。
【0075】
【表9】
【0076】(比較例5)本比較例では、実施例5と同
様の方法で永久磁石を作製した。実施例5と比較例5と
の相違点は、ピーク強度の大きさが異なる点にある。最
終的に得られた永久磁石の特性を表10に示す。
【0077】
【表10】
【0078】表9および表10から、磁界強度の最高値
(Hmax)は800kA/m以上であることが好ましい
といえる。
【0079】なお、上記各実施例では、いずれも、スト
リップキャスト法によって作成した原料合金粉末を用い
たが、本発明はこれに限定されるものではない。他の方
法で作成した粉末であっても、磁界印加初期段階におけ
る凝集が配向度向上の妨げになるものであれば、本発明
の効果は顕著に発揮され得る。
【0080】また、本発明は、上記各実施例で用いた材
料に限定されず、R−T−(M)−B系合金粉末(Rは
Yを含む希土類元素、TはFeまたはFeとCoとの混
合物、Mは添加元素、Bはボロン)であれば、他の組成
の材料にも広く適用できる。
【0081】このような永久磁石用希土類系合金粉末に
おいては、希土類元素Rとして、Y、La、Ce、P
r、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、T
m、Luの少なくとも一種類の元素を含有する原料を用
いる。充分な磁化を得るには、希土類元素Rのうちの5
0at%以上がPrまたはNdの何れかまたは両方によ
って占められることが好ましい。
【0082】希土類元素Rが10at%以下では、α−
Fe相の析出によって保磁力が低下する。また、希土類
元素Rが20at%を超えると、目的とする正方晶Nd
2Fe14B型化合物以外にRリッチの第2相が多く析
出し、磁化が低下する。このため、希土類元素Rは全体
の10〜20at%の範囲内にあることが好ましい。
【0083】Tは鉄族元素であって、FeおよびCoを
含む。Tが67at%未満の場合、保磁力および磁化と
もに低い第2相が析出するため磁気特性が劣化する。T
が85at%を超えると、α−Fe相の析出によって保
磁力が低下し、また角型性も低下する。このため、Tの
含有量は67〜85at%の範囲内にあることが好まし
い。
【0084】なお、TはFeのみから構成されていても
良いが、Coの添加によってキュリー温度が上昇し、耐
熱性が向上する。Tの50at%以上はFeで占められ
ることが好ましい。Feの割合が50at%を下回る
と、Nd2Fe14B型化合物の飽和磁化そのものが減
少するからである。
【0085】Bは、正方晶Nd2Fe14B型結晶構造
を安定的に析出するために必須である。Bの添加量が4
at%未満ではR2T17相が析出するため保磁力が低
下し、減磁曲線の角型性が著しく損なわれる。また、B
の添加量が10at%を超えると、磁化の小さな第2相
が析出してしまう。従って、Bの含有量は4〜10at
%の範囲であることが好ましい。なお、Bの一部または
全部をCで置換することもできる。
【0086】粉末の磁気的な性質の改善や耐食性の改善
を目的として添加元素Mを付与してもよい。添加元素M
としては、Al、Ti、Cu、V、Cr、Ni、Ga、
Zr、Nb、Mo、In、Sn、Hf、Ta、Wからな
る群から選択された少なくとも1種類の元素が好適に使
用される。このような添加元素Mは、全く添加されてい
なくても良いが、添加する場合は、添加量を10at%
以下にすることが好ましい。添加量が10at%を超え
ると、強磁性ではない第2相が析出して磁化が低下する
からである。
【0087】
【発明の効果】本発明によれば、例えばストリップキャ
スト法によって作製した微細な原料合金粉末を用いる場
合であっても配向度を向上させることができ、その結
果、永久磁石としての特性を向上させることが可能にな
る。
【0088】また、本発明は、磁界強度の最高値よりも
立ち上がり期間における磁界強度の増加レートを重視す
るため、強磁界を形成する必要が無くなる。このため、
磁界形成装置の小型化に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は原料合金粉末粒子に作用する外部磁界
の力を模式的に示す図であり、(b)は隣接する粉末粒
子間に作用するクーロン力を模式的に示す図である。
【図2】(a)はパルス磁界の印加開始後における磁界
強度と印加時間との関係を示すグラフであり、(b)は
静磁界の印加開始後における磁界強度と印加時間との関
係を示すグラフである。
【図3】原料合金粉末の粒度分布を示すグラフである。
【図4】磁界配向工程とプレス工程とを連続して実行す
ることができる装置の構成を示す図である。
【図5】(a)は本発明の実施例3における磁界強度と
印加時間との関係を示すグラフであり、(b)は比較例
3における磁界強度と印加時間との関係を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 ダイス 2 下パンチ 3 上パンチ 4 磁粉(原料合金粉末) 5 静磁界用コイル 6 パルス磁界用コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 41/02 H01F 1/06 A Fターム(参考) 4K017 AA04 BA06 BB12 BB18 DA04 EA03 EC02 EK07 4K018 AA27 BA18 BB04 CA04 KA45 5E040 AA04 CA01 HB06 HB14 HB17 NN01 NN11 5E062 CC02 CD04 CE04 CF04 CG05

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異方性希土類磁石用原料合金の粉末を磁
    界によって配向させる異方性希土類磁石用原料合金粉末
    の配向方法であって、 前記粉末は、レーザ方式粒度分布計によって測定された
    粉末粒径D50が4.5μm以下、粉末粒径D99が15.
    0μm以下となる粒度分布を有しており、 前記磁界は、磁界強度の立ち上がり期間内における磁界
    強度の上昇速度が10MA/m・sec以上となるよう
    にして前記粉末に印加されることを特徴とする異方性希
    土類磁石用原料合金粉末の配向方法。
  2. 【請求項2】 前記磁界の磁界強度は、前記磁界強度の
    立ち上がり期間内に600kA/m以上に上昇し、しか
    も、 前記磁界強度が50kA/mから600kA/mへ上昇
    する間、磁界強度の上昇速度が12MA/m・sec以
    上となることを特徴とする請求項1に記載の異方性希土
    類磁石用原料合金粉末の配向方法。
  3. 【請求項3】 前記磁界の最高磁界強度が800kA/
    m以上になることを特徴とする請求項1または2に記載
    の異方性希土類磁石用原料合金粉末の配向方法。
  4. 【請求項4】 前記粉末は、希土類金属−鉄−ボロン系
    合金の溶湯から形成されたものであることを特徴とする
    請求項1から3の何れかに記載の異方性希土類磁石用原
    料合金粉末の配向方法。
  5. 【請求項5】 前記粉末は、ストリップキャスト法によ
    って形成された母合金を粉砕して得られたものであるこ
    とを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の異方性
    希土類磁石用原料合金粉末の配向方法。
  6. 【請求項6】 異方性希土類磁石用原料合金の粉末を用
    意する工程と、 前記粉末を金型内に充填する工程と、 前記粉末を加圧によって成形する工程と、を包含する異
    方性希土類磁石用成形体の製造方法であって、 前記粉末の成形工程前において、請求項1から5の何れ
    か一つに記載の異方性希土類磁石用原料合金粉末の配向
    方法によって前記粉末を配向させる工程を包含している
    ことを特徴とする異方性希土類磁石用成形体の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 異方性希土類磁石用原料合金の粉末を用
    意する工程と、 前記粉末を金型内に充填する工程と、 磁界によって前記粉末の配向を行う工程と、 前記粉末を加圧によって成形する工程と、を包含する異
    方性希土類磁石の製造方法であって、 前記粉末は、レーザ方式粒度分布計によって測定された
    粉末粒径D50が4.5μm以下、粉末粒径D99が15.
    0μm以下となる粒度分布を有しており、 前記磁界は、磁界強度の立ち上がり期間内における磁界
    強度の上昇速度が10MA/m・sec以上となるよう
    にして前記粉末に印加されることを特徴とする異方性希
    土類磁石の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記磁界は、パルス状磁界と静磁界との
    組み合わせによって形成されることを特徴とする請求項
    7に記載の異方性希土類磁石の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記粉末を加圧によって成形する工程
    は、前記磁界の印加を停止したあとに行うことを特徴と
    する請求項7に記載の異方性希土類磁石の製造方法。
  10. 【請求項10】 異方性希土類磁石用原料合金の粉末を
    用意する工程と、 前記粉末を金型内に充填する工程と、 磁界によって前記粉末の配向を行う工程と、 前記粉末を加圧によって成形する工程と、を包含する異
    方性希土類磁石の製造方法であって、 前記磁界は、磁界強度の立ち上がり期間内における磁界
    強度の上昇速度が10MA/m・sec以上となり、前
    記立ち上がり期間経過後、前記磁界強度がほぼ一定の静
    磁界となることを特徴とする異方性希土類磁石の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記粉末は、レーザ方式粒度分布計に
    よって測定された粉末粒径D50が4.5μm以下であっ
    て、粉末粒径D99が15.0μm以下となる粒度分布を
    有していることを特徴とする請求項10に記載の異方性
    希土類磁石の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記磁界の磁界強度は、前記磁界強度
    の立ち上がり期間内に600kA/m以上に上昇し、し
    かも、 前記磁界強度が50kA/mから600kA/mへ上昇
    する間、磁界強度の上昇速度が12MA/m・sec以
    上となることを特徴とする請求項7から11の何れか一
    つに記載の異方性希土類磁石の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記磁界の最高磁界強度値が800k
    A/m以上となることを特徴とする請求項12に記載の
    異方性希土類磁石用原料合金粉末の配向方法。
  14. 【請求項14】 前記粉末は、希土類金属−鉄−ボロン
    系合金の溶湯から形成されたものであることを特徴とす
    る請求項12に記載の異方性希土類磁石の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記粉末は、ストリップキャスト法に
    よって形成された母合金を粉砕して得られたものである
    ことを特徴とする請求項12に記載の異方性希土類磁石
    の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002332507A (ja) * 2001-05-08 2002-11-22 Sumitomo Special Metals Co Ltd 希土類磁石およびその製造方法
WO2013091952A3 (de) * 2011-12-22 2014-10-02 Robert Bosch Gmbh Verfahren zum herstellen eines maschinenelements sowie maschinenelement für eine elektrische maschine

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