JP2001081360A - 塗装剥離剤 - Google Patents

塗装剥離剤

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JP2001081360A JP26405799A JP26405799A JP2001081360A JP 2001081360 A JP2001081360 A JP 2001081360A JP 26405799 A JP26405799 A JP 26405799A JP 26405799 A JP26405799 A JP 26405799A JP 2001081360 A JP2001081360 A JP 2001081360A
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博之 山下
Yoshiji Shimizu
芳次 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機塩素化合物を含まず、かつ有機塩素化合
物を含んだ従来の塗装剥離剤と同等の塗装剥離性を有し
引火性のない塗装剥離剤を提供する。 【解決手段】 ぎ酸10〜40%と、芳香族系溶剤20
〜40%と、界面活性剤1〜5%と、水20〜60%
と、可溶化剤10〜45%とから成る塗装剥離剤。芳香
族系溶剤は、クレゾール、トルエン、ベンズアルデヒ
ド、ベンジルアルコール、またはキシレンであることが
好ましく、可溶化剤はエチレングリコール、グリセリ
ン、ブチルセロソルブ、セロソロブアセテートまたはジ
エチレングリコールであることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗装剥離剤に関
し、特に有機塩素化合物を含まない塗装剥離剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来からメチレンクロライドを主成分と
する塗装剥離剤が一般に使用されている。この従来の塗
装剥離剤は、引火性がなく安定しているので使用しやす
く、また塗装剥離性が優れている。しかしメチレンクロ
ライドなどの有機塩素化合物は、発ガン性があり、また
その安定性ゆえに、環境中に放出された後、分解されず
にいつまでも残留するという問題がある。またフロンと
同様にオゾン層を破壊するという問題もある。このため
現在では排水中のメチレンクロライドは0.2mg/l
以下に規制されており、排水中のメチレンクロライドを
0.2mg/l以下に処理することは困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有機
塩素化合物を含まないで、従来と同じ塗装剥離性があ
り、かつ不揮発性で引火性のない塗装剥離剤を提供する
ことである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ぎ酸10〜4
0%と、芳香族系溶剤20〜40%と、界面活性剤1〜
5%と、水20〜60%と、水と芳香族系溶剤とに可溶
な可溶化剤10〜45%とから成ることを特徴とする塗
装剥離剤である。
【0005】本発明に従う塗装剥離剤は前記組成を有
し、有機塩素化合物を含まない。
【0006】ぎ酸は、塗装被膜(以下、塗膜という)の
素地との密着性を低下させ、塗膜を剥離しやすくする。
ぎ酸の配合割合が10%未満では剥離性が少なく、塗膜
を完全に剥離しない。またぎ酸の配合割合が40%を超
えると、剥離が遅くなり、剥離後の素地表面が荒れる。
【0007】芳香族系溶剤は、塗膜に浸透し、塗膜を溶
解、変質させる作用を有する。芳香族系溶剤の配合割合
が20%未満では、前記作用が速やかに進まず剥離に時
間がかかる。また芳香族系溶剤の配合割合が40%を超
えると、塗膜の一部が変質して素地に付着し剥離しな
い。
【0008】界面活性剤は、ぎ酸と芳香族系溶剤とが塗
膜中へ浸透するのを助け、かつ塗膜剥離後の素地荒れを
防ぐ作用を有する。界面活性剤の配合割合が1%未満で
は、ぎ酸と芳香族系溶剤とが塗膜中へ浸透するのが遅く
なり、塗膜の剥離が遅くなる。また塗膜剥離後の素地荒
れを充分防ぐことができない。界面活性剤の配合割合が
5%を超えると、界面活性剤そのものによる塗膜剥離後
の素地荒れが起こる。
【0009】界面活性剤としては、カチオン系、アニオ
ン系またはノニオン系のものが用いられる。カチオン系
界面活性剤としては、トリメチルベンヂルアンモニウム
クロライド、ジメチルラウリルベンジルアンモニウムク
ロライド、塩化ベンザルコニウムなどが例示される。ア
ニオン系界面活性剤としては、トデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ステアリン
酸ナトリウムなどが例示される。ノニオン系界面活性剤
としては、ポリエチレングリコールモノラウレート、グ
リセロールモノステアレート、ポリオキシエチレンドデ
シルエーテルなどが例示される。
【0010】水は、芳香族系溶剤と混ぜ合せることによ
って芳香族系溶剤の引火性を抑制する作用を有する。水
が20%未満では、芳香族系溶剤の引火性によって塗装
剥離剤全体が引火性になる。水が60%を超えること
は、ぎ酸や芳香族系溶剤が希釈されることであり、塗装
剥離性が低下する。
【0011】可溶化剤は、他の4種の成分、特に、水と
芳香族系溶剤とを均一に混合する作用を有する。可溶化
剤の配合割合が10%未満では、水と芳香族系溶剤が充
分に混ざらない。可溶化剤の配合割合が45%を超える
とぎ酸や芳香族系溶剤が希釈され塗装剥離性が低下す
る。
【0012】また本発明は、芳香族系溶剤が、クレゾー
ル、トルエン、ベンズアルデヒド、ベンジルアルコール
またはキシレンであることを特徴とする。
【0013】本発明に従えば、芳香族系溶剤がクレゾー
ル、トルエン、ベンズアルデヒド、ベンジルアルコール
またはキシレンであることが好ましい。これらの芳香族
系溶剤は、入手しやすくまた塗膜に浸透しやすく、揮発
性も小さく塗装剥離剤として好ましい。
【0014】また本発明は、可溶化剤が、エチレングリ
コール、グリセリン、ブチルセロソルブ、セロソロブア
セテートまたはジエチレングリコールであることを特徴
とする。
【0015】本発明に従えば、可溶化剤がエチレングリ
コール、グリセリン、ブチルセロソルブ、セロソロブア
セテートまたはジエチレングリコールであることが好ま
しい。これらの可溶化剤は入手しやすくまた水と芳香族
系溶剤の双方に溶解しやすく水と芳香族系溶解とを混ぜ
合せるのに適している。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、実施例および比較例によっ
て、本発明をより具体的に説明する。
【0017】実施例1〜4 表1に示す本発明の組成範囲にあるぎ酸、芳香族系溶
剤、可溶化剤、界面活性剤および水から成る塗装剥離剤
の塗装剥離性などを調べた。その結果を表1に示す。
【0018】比較例1〜4 表1に示す本発明の組成範囲外のぎ酸、芳香族系溶剤、
可溶化剤、界面活性剤および水から成る塗装剥離剤の塗
装剥離性などを調べた。その結果を表1に示す。
【0019】比較例5 ジクロロメタン60%とぎ酸40%から成る従来技術の
塗装剥離剤の塗装剥離性などを調べた。その結果を表1
に示す。
【0020】
【表1】
【0021】表1の結果から、本発明の塗装剥離剤は、
従来の有機塩素化合物を含む塗装剥離剤と同様の塗装剥
離性を示し、かつ引火性もない。これに対し、ぎ酸を配
合しないもの(比較例1)、芳香族系溶剤を配合しない
もの(比較例2)は塗装剥離性が悪く、また界面活性剤
を配合しないもの(比較例3)は、素地荒れが発生し、
また水を配合しないもの(比較例4)は塗装剥離性は良
好であるが引火性があり、いずれも塗装剥離剤として適
さない。
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明による塗装剥離剤
は、有機塩素化合物を含まず、かつ有機塩素化合物を含
む従来の塗装剥離剤と同じ塗装剥離性を有し、引火性も
ない。これによって本発明の塗装剥離剤は特別な排水処
理をしなくても、排水規制を満足し、取り扱う際に引火
の心配もない。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ぎ酸10〜40%と、芳香族系溶剤20
    〜40%と、界面活性剤1〜5%と、水20〜60%
    と、水と芳香族系溶剤とに可溶な可溶化剤10〜45%
    とから成ることを特徴とする塗装剥離剤。
  2. 【請求項2】 芳香族系溶剤が、クレゾール、トルエ
    ン、ベンズアルデヒド、ベンジルアルコールまたはキシ
    レンであることを特徴とする請求項1記載の塗装剥離
    剤。
  3. 【請求項3】 可溶化剤が、エチレングリコール、グリ
    セリン、ブチルセロソルブ、セロソロブアセテートまた
    はジエチレングリコールであることを特徴とする請求項
    1または2記載の塗装剥離剤。
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