JPH11209665A - 塗膜剥離剤 - Google Patents

塗膜剥離剤

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JPH11209665A
JPH11209665A JP1911498A JP1911498A JPH11209665A JP H11209665 A JPH11209665 A JP H11209665A JP 1911498 A JP1911498 A JP 1911498A JP 1911498 A JP1911498 A JP 1911498A JP H11209665 A JPH11209665 A JP H11209665A
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JP
Japan
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coating film
release
acid
release agent
evaporation
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JP1911498A
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Makoto Kobayashi
誠 小林
Fumio Suzuki
文夫 鈴木
Shigehiro Fujii
成裕 藤井
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NIPPON CB CHEMICAL KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸、アルカリの臭気と溶剤の発散を抑制防止
することができ、塗膜剥離性能に優れた、塩素系溶剤を
一切含有しない塗膜剥離剤を得る。 【解決手段】 ベンジルアルコール、蒸発防止剤、剥離
促進剤、腐食抑制剤、水及び界面活性剤のうち、少なく
とも、ベンジルアルコールと蒸発防止剤と剥離促進剤を
組成分とする、塩素系溶剤を一切含有しない環境にやさ
しい塗膜剥離剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩素系溶剤を含有
せず、蒸発防止剤として高融点有機化合物類と剥離促進
剤を含有する塗膜剥離剤に関するものである。本発明
は、例えば、航空機の機体外板塗膜、自動車、その部品
等のあらゆる塗装品の塗膜及び塗装する際に使用される
塗装治具上の塗膜を剥離するのに使用される。
【0002】
【従来の技術】塗膜を剥離するための塗膜剥離剤として
は、これまで、塩素系溶剤を主成分とする種々の溶剤と
酸またはアルカリ組成物とからなる塩素系の塗膜剥離剤
が使用されている。しかしながら、塩素系溶剤は、これ
による公害の発生と、作業環境の悪化を防止するため
に、その使用が規制されている。そこで、現在では、塩
素系溶剤を使用しない種々の溶剤を使用した塗膜剥離剤
が開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】その代表的な塗膜剥離
剤が、ベンジルアルコール等の高沸点溶剤を主成分とす
る非塩素系の剥離剤である。特開平5−78608号公
報に開示されている非塩素系溶剤を使用しないペイント
剥離剤、特開平8−325490号公報に開示されてい
るN−メチル−2−ピロリドン、特開平9−13273
9号公報に開示されているプロパギルアルコールを成分
とする塗膜剥離剤がそれである。
【0004】しかし、これらの塗膜剥離剤の場合も、成
分の一部が蒸発し、剥離促進剤としてのアンモニアや蟻
酸臭が発散するので、これが作業環境を悪くしている。
それだけでなく、塗布型については塩素系溶剤を含有す
る塗膜剥離剤に比べ剥離速度が著しく遅く実用的でな
い。
【0005】本発明は、このような従来の問題点を解決
するためになされたもので、成分の蒸発を防止すること
ができ、塗膜剥離性能に優れた環境にやさしい非塩素系
の塗膜剥離剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる塗膜剥離
剤は、(a)ベンジルアルコール、(b)蒸発防止剤、
(c)剥離促進剤、(d)腐食抑制剤、(e)水、
(f)界面活性剤のうち、少なくともベンジルアルコー
ルと蒸発防止剤と剥離促進剤とを組成分とするものであ
る。すなわち、本発明に係る塗膜剥離剤は、数ある溶剤
のなかからベンジルアルコールを選択し、これに蒸発防
止剤として高融点有機化合物類を、剥離促進剤として
酸、アルカリ、酸化剤類のうちのいずれかを添加し、必
要に応じて腐食抑制剤と増粘剤とを添加してなるもので
ある。
【0007】ベンジルアルコール以外の使用可能な高沸
点溶剤としては、γ−プチルラクトン、N−メチル−2
−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、ベンジルアセテート、プロピレンカーボネート
などの高沸点溶剤、もしくは芳香族アルコール、エチレ
ングリコールモノフェニルエーテルなどのアルキレング
リコールフェニルエーテル、イソホロン、ジアセトンア
ルコールなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸プチルなど
のエステル類、などの溶剤を、成分(a)に代えて、ま
たはこれに加えて添加することができる。ベンジルアル
コールを含む高沸点溶剤の含有量は、5〜90重量%、
好ましくは、20〜60重量%である。蒸発防止剤とし
ての高融点有機化合物は、高級脂肪酸と高級アルコール
またはこれらのエステルやグリセリド類である。例え
ば、パルミチン酸、ミリスチルアルコール、セロチン酸
エステル、パルミチン酸エステル、パルミチン酸グリセ
リド、またはこれらを含有するものが好ましい。高融点
有機化合物の含有量は任意であるが、添加量は0.1〜
5重量%、好ましくは0.5〜2重量%とするとよい。
【0008】剥離促進剤としての蟻酸に代表される有機
酸類は、モノ、ジ、トリカルボン酸類である。例えば、
蟻酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、トリメリット酸
等である。または無機酸としては、リン酸、硫酸、塩
酸、フッ化水素酸、珪フッ化水素酸やほうフッ化水素酸
である。有機酸類の含有量は任意であるが、添加量は1
〜20%、好ましくは5〜15%とするのがよい。
【0009】剥離促進剤としての金属水酸化物は、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムや水酸
化カルシウムがある。アミン類としては、モノメチルア
ミン、モノエチルアミン、イソプロピルアミン、モノブ
チルアミンやシクロヘキシルアミンなどがある。アルカ
ノールアミン類としては、モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノ
ールアミン等がある。これらの含有量は任意であるが、
添加量は0.5〜15%、好ましくは5〜10%とする
のがよい。
【0010】剥離促進剤としての酸化剤は、過酸化水素
以外に有機酸の過酸化物、過塩素酸塩、過硼酸塩、過炭
酸塩等がある。酸化剤の含有量は任意であるが、添加量
は1〜20%、好ましくは5〜15%とするのがより好
ましい。
【0011】腐食抑制剤としては、リン酸塩、硼酸塩や
亜硝酸塩等の無機物とトリアゾール類、高級アミン類や
チアゾール類などの有機物とこれらの組み合わせによる
ものが使用可能である。腐食抑制剤の含有量は任意であ
るが、0.1〜10重量%とするのが好ましく、0.5
〜5重量%とするのがより好ましい。
【0012】塗膜剥離剤に水を含有させることで、剥離
した塗膜が剥離対象物に再付着するのを防止し、剥離剤
を非引火性にするためにも非常に有効である。この場
合、水は20〜60%の範囲で含有させるのが好まし
い。
【0013】界面活性剤は、生分解性の高いものであれ
ば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオ
ン界面活性剤及び両性界面活性剤のいずれであってもよ
い。このうち、アニオン界面発生剤としては、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム、リン
酸エステル系、α−オレフィンスルフォン酸、高級アル
コールエトキシ硫酸エステルやジアルキルスルホサクシ
ネートなどが挙げられる。カチオン界面活性剤として
は、ラウリルジメチルペンジルアンモニウムクロライド
などが挙げられ、ノニオン界面活性剤としては、ポリオ
キシエチレンノニルフェノールエーテル、ポリオキシエ
チレンオレイルエーテルなどが挙げられ、両性界面活性
剤としては、ヤシ脂肪酸アミドプロピルベタインなどが
挙げられる。このほかに、フッ素系界面活性剤も非常に
有効である。上記界面活性剤のうち、アニオン界面活性
剤とノニオン界面活性剤が好ましい。界面活性剤の含有
量は任意であるが、0.5〜5重量%とするのが好まし
く、0.1〜2重量%とするのがより好ましい。
【0014】本発明の塗膜剥離剤は、浸漬法でも、塗布
法でも使用が可能である。塗布法で使用するときは、適
度の粘度を付与することで大型構造物などに使用するこ
とも可能であり、剥離対象物によって粘度と粘度特性を
変えることが望ましい。使用可能な増粘剤は、ポバール
(ポリビニルアルコール)、キサンタンガムなどのガム
類、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、プロピルセルロース、ブチルセルロ
ース、カルボキシエチルセルロースなどのアルキルセル
ロースなどの有機増粘剤及びシリカや珪藻土などの無機
系増粘剤である。必要に応じ、これら増粘剤の1種また
は2種以上を混合して使用することができる。
【0015】
【作用】本発明の塗膜剥離剤の組成分である蒸発防止剤
は、同剥離剤の成分蒸発を抑制防止するので、溶剤とし
てのベンジルアルコール類の臭気と剥離促進剤としての
アンモニアや蟻酸の臭気は発散しにくい。
【0016】水は、開発した剥離剤の引火の危険性を防
止することができる。
【0017】蒸発防止剤は、塗膜剥離剤の塗膜剥離性能
を良くすることができる。
【0018】腐食抑制剤は、剥離対象物の腐食を防止す
ることができる。
【0019】また、増粘剤を添加した場合には、塗膜剥
離剤の剥離対象物(塗装品)への塗布性をよくすること
ができる。
【0020】本発明の塗膜剥離剤は、特に、常温効果型
ウレタン樹脂塗膜、常温効果型エポキシ樹脂塗料、常温
硬化型水性アクリル樹脂塗料、熱硬化型メラミン樹脂塗
料、アルキッド樹脂塗料、不飽和ポリエステル樹脂塗
料、エポキシ系カチオン電着塗料やアクリル系カチオン
電着塗料などの塗膜剥離に対して有効である。通常、塗
装品を剥離剤中に浸漬してから、あるいは、塗装品の塗
膜(航空機の部品や大型構造物の外板など)に塗布して
から、数分〜数時間、時には数十時間放置することで塗
膜を膨潤させ、塗膜を基体から容易に剥離することがで
きる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例によって説明する。
【0022】(実施例1〜3)表1に示す組成の塗膜剥
離剤を調製し、下記要領で行った蒸発性試験によってそ
の蒸発性を評価した。また、下記要領で行った塗膜剥離
試験によって同塗膜剥離剤の塗膜剥離性能を評価した。
【0023】
【表1】
【0024】(1)蒸発性試験 実施例1〜3の塗膜剥離剤10gを直径10cmのシャー
レに採り、温度25℃の雰囲気下に24時間放置した後
に蒸発量を測定した。比較のために、比較例1〜3の塗
布膜剥離剤についても、同様に、蒸発量を測定した。表
2はその結果を示す。
【0025】
【表2】
【0026】表2から明らかなように、実施例1〜3の
蒸発量は極めて少ないことが判る。
【0027】(2)塗膜剥離試験 a.試験片の調製 航空機用ウレタン塗装 アルミニウム板(JIS H 4000,A2024
P,70×150×0.8mm)に常温乾燥タイプのウレ
タン塗料を次の通り塗装した。
【0028】 仕様1 下塗り ウオシュブライマー MIL-C-8514 日本特殊塗料株式会社製 中塗り エポキシプライマー MIL-P-23377 日本特殊塗料株式会社製 上塗り ウレタン MIL-C-83286 日本特殊塗料株式会社製 全塗膜厚 約100ミクロン 仕様2 クロメート処理 MIL-C-5541 コンバーコート#1 日本シー ・ビー・ケミカル株式会社製 中塗り プライマー MIL-P-23377 日本特殊塗料株式会社製 上塗り ウレタン MIL-C-83286 日本特殊塗料株式会社製 全塗膜厚 約100ミクロン 塗装後、7日間常温にて放置後、温度66℃にて166
時間乾燥して作製した試験片を試験に供した。
【0029】 ウレタン焼き付け塗装 冷延鋼板(JIS G 3141,SPCC,25×5
0×0.8mm)に焼き付けタイプのウレタン塗料として
Vクロマ#200CW(大日本塗料株式会社製)を1回
塗布し、室温にて30分間乾燥後、温度160℃で30
分間の乾燥工程を5回繰り返して作製した塗膜厚約17
0ミクロンの試験片を試験に供した。
【0030】 カチオン電着塗装 冷延鋼板(JIS G 3141,SPCC,25×5
0×0.8mm)にあらかじめリン酸亜鉛被膜化成後、エ
ポキシタイプのカチオン電着塗料としてU−1000
(日本ペイント株式会社製)を電着塗装し、温度180
℃で30分間乾燥して作製した塗膜厚約25ミクロンの
試験片を試験に供した。
【0031】 アクリル焼き付け塗装 冷延鋼板(JIS G 3141,SPCC,25×5
0×0.8mm)に焼き付けタイプのアクリル塗料として
アクローゼ#6000(大日本塗料株式会社製)を1回
塗布し、室温にて30分間乾燥後、温度150℃で20
分間の乾燥工程を5回繰り返して作製した塗膜厚約16
0ミクロンの試験片を試験に供した。
【0032】b.塗膜の剥離試験 上記の方法で調製した試験片に、表1の実施例1,2及
び3に示す組成の塗膜剥離剤を刷毛にて均一に塗布した
後、塗膜が100%剥離するまでの時間を測定した。比
較のために、比較例1〜3の塗膜剥離剤についても、同
様に、測定した。表3はその試験結果である塗膜剥離性
能を示す。
【0033】
【表3】
【0034】表3から明らかなように、実施例1〜3の
塗膜剥離剤は塗膜剥離性能に優れていることが判る。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
上述のような構成としたので、組成分の蒸発を防止する
ことができるとともに、塗膜剥離性能に優れた、塩素系
溶剤を一切含有しない環境にやさしい塗膜剥離剤を得る
ことができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベンジルアルコール、蒸発防止剤、剥離
    促進剤、腐食抑制剤、水及び界面活性剤のうち、少なく
    とも、ベンジルアルコールと蒸発防止剤と剥離促進剤を
    組成分とする塗膜剥離剤。
  2. 【請求項2】 蒸発防止剤が、融点が約45℃以上の高
    級脂肪酸もしくはそのグリセリドまたはエステル類であ
    る請求項1記載の塗膜剥離剤。
  3. 【請求項3】 蟻酸に代表される有機酸類または無機酸
    を剥離促進剤として使用する請求項1記載の塗膜剥離
    剤。
  4. 【請求項4】 アンモニア、金属水酸化物、モノエチル
    アミンに代表されるアミン類またはモノエタノールアミ
    ンに代表されるアルカノールアミン類を剥離促進剤とし
    て使用する請求項1記載の塗膜剥離剤。
  5. 【請求項5】 過酸化水素に代表される酸化剤を剥離促
    進剤として使用する請求項1記載の塗膜剥離剤。
  6. 【請求項6】 請求項3,4,5に記載の剥離促進剤の
    うちのいずれか2つ以上の化合物を混合したものを剥離
    促進剤として使用する請求項1記載の塗膜剥離剤。
  7. 【請求項7】 リン酸塩、硼酸塩、亜硝酸塩に代表され
    る無機物を腐食抑制剤として使用する請求項1記載の塗
    膜剥離剤。
  8. 【請求項8】 トリアゾール類、高級アミン類、チアゾ
    ール類に代表される窒素や硫黄化合物を腐食抑制剤とし
    て使用する請求項1記載の塗膜剥離剤。
  9. 【請求項9】 請求項6,7に記載の腐食抑制剤のうち
    のいずれか2つ以上の化合物を混合したものを腐食抑制
    剤として使用する請求項1記載の塗膜剥離剤。
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