JP2001081066A - 置換スチレン誘導体 - Google Patents

置換スチレン誘導体

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JP2001081066A
JP2001081066A JP25662099A JP25662099A JP2001081066A JP 2001081066 A JP2001081066 A JP 2001081066A JP 25662099 A JP25662099 A JP 25662099A JP 25662099 A JP25662099 A JP 25662099A JP 2001081066 A JP2001081066 A JP 2001081066A
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vinylbenzyl
cyclopentanone
reaction
compound
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JP25662099A
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English (en)
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Masao Tokuda
昌生 徳田
Hisanori Senboku
久典 仙北
Hiroko Fujita
裕子 藤田
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗炎症、鎮痛および解熱などの作用を示す2
−置換プロピオン酸(ロキソプロフェン)の新規な製造
方法に用いる中間体を提供する。 【解決手段】 1−(4’−ビニルベンジル)−2−オ
キソシクロペンタンカルボン酸エステル、および2−
(4’−ビニルベンジル)シクロペンタノン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抗炎症、鎮痛および
解熱などの作用を示す有用な医薬品である2−置換プロ
ピオン酸の1つ「ロキソプロフェン」(商品名)の製造
中間体として用いられる置換スチレン誘導体に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】2−置換プロピオン酸類は、特公昭58
−4699号公報に見られるように、抗炎症、鎮痛及び
解熱作用を示す。特に、2−[4−(2−オキソシクロ
ペンタン−1−イルメチル)フェニル]プロピオン酸
(ロキソプロフェン)は、優れた鎮痛剤として市販され
ているため、これまでに様々な製法が開発されている。
しかし、従来提案されてきた方法は工程数が多く、安価
に製造することが困難であった。たとえば特開昭62−
161740号公報には4−メチルスチレンから6工程
でロキソプロフェンを製造する方法が提案されている
が、この方法はグリニャール反応を含むものであり、そ
のためにコストが高い。本発明においては、芳香族置換
臭化ビニルを、常圧の二酸化炭素の存在下で、反応性金
属であるマグネシウムを陽極に用いる電解によりカルボ
キシル化することによってロキソプロフェン前駆体を製
造するが、このような方法については従来報告されてい
ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、抗炎
症、鎮痛および解熱などの作用を示す2−置換プロピオ
ン酸(ロキソプロフェン)の新規で優れた製造方法に用
いる中間体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、2−置換
プロピオン酸類の効率的な合成法について鋭意検討を行
った結果、特定の中間体を経由することにより、公知の
安価な出発物質を用いてロキソプロフェンを安価に合成
し得ることを見出して本発明を完成するに至った。すな
わち、本発明の第1は、下記一般式〔I〕で表される1
−(4’−ビニルベンジル)−2−オキソシクロペンタ
ンカルボン酸エステルに関するものである。
【化3】 (式中、Rは炭素数4以下のアルキル基を示す。) 本発明の第2は、下記式〔II〕で表される2−(4’−
ビニルベンジル)シクロペンタノンに関するものであ
る。
【化4】
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の上記2つの化合物は、い
ずれも既往の文献に記載のない新規な化合物である。な
お、一般式〔I〕で表される1−(4’−ビニルベンジ
ル)−2−オキソシクロペンタンカルボン酸エステルに
おいて、Rは炭素数4以下のアルキル基であるが、アル
キル基としてはメチル、エチル、n−プロピル、iso−
プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、te
rt−ブチルが例示される。さらに好ましくはメチル基、
エチル基、とりわけメチル基が好ましい。
【0006】以下に、上記式〔I〕および式〔II〕に示
す2つの化合物を中間体として用いるロキソプロフェン
の製造方法について説明する。 (1)1−(4’−ビニルベンジル)−2−オキソシク
ロペンタンカルボン酸エステルの製造 式〔I〕に示す1−(4’−ビニルベンジル)−2−オ
キソシクロペンタンカルボン酸エステルは、下記式〔II
I〕で表わされる2−オキソシクロペンタンカルボン酸
エステルに4−クロロメチルスチレンを反応させてベン
ジル化することにより製造することができる。
【化5】 式〔III〕において、Rは炭素数4以下のアルキル基を
示す。アルキル基としては、式〔I〕の場合と同様に、
メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−
ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルが例
示される。このアルキル基は、次の脱エステル化反応で
脱離してロキソプロフェンには残留させないものである
が、炭素数が4以下のアルキル基は、効率よく脱離が行
われるので好ましい。さらに好ましくはメチル基および
エチル基であり、とりわけメチル基が好ましい。
【0007】4−クロロメチルスチレンによるベンジル
化反応は塩基の存在下に行い、塩基としては水素化ナト
リウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウムなどを用いる。溶媒は特に限定されないが、N,N
−ジメチルホルムアミド、アセトン等を用いることがで
きる。上記の方法により式〔I〕に示す1−(4’−ビ
ニルベンジル)−2−オキソシクロペンタンカルボン酸
エステルが得られる。
【0008】(2)2−(4’−ビニルベンジル)シク
ロペンタノンの製造 式〔II〕に示す2−(4’−ビニルベンジル)シクロペ
ンタノンは、上で得られた式〔I〕の1−(4’−ビニ
ルベンジル)−2−オキソシクロペンタンカルボン酸エ
ステルを加水分解および脱炭酸することにより脱エステ
ル化して得られる。加水分解および脱炭酸による脱エス
テル化は、ヨウ化リチウムの存在下で加熱したり、また
は含水系において酸や塩基と加熱することにより行うこ
とができる。酸を用いる場合、酸について限定はない
が、硫酸、塩酸、酢酸等が用いられる。塩基についても
同様に限定はないが、炭酸カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等が用いられる。このようにして、
脱エステル化により式〔II〕の2−(4’−ビニルベン
ジル)シクロペンタノンが得られる。
【0009】次いで、式〔I〕または式〔II〕の化合
物、好ましくは式〔II〕で表わされる2−(4’−ビニ
ルベンジル)シクロペンタノンの二重結合に増炭反応を
行い、カルボン酸を生成することにより、容易にロキソ
プロフェンに誘導することができる。すなわち、まず臭
素化および塩基による脱HBr反応を行って、臭化ビニル
である下記式〔IV〕に示す2−(4’−(1−ブロモビ
ニル)ベンジル)シクロペンタノンを得る。より具体的
には、式〔II〕の化合物をクロロホルム中において臭素
により臭素化し、続いてメタノール中において水酸化カ
リウムにより臭化水素を除去することにより式〔IV〕の
化合物を得る。
【化6】
【0010】次いで、得られた式〔IV〕に示す2−
(4’−(1−ブロモビニル)ベンジル)シクロペンタ
ノンを、陰極として白金、陽極としてマグネシウムを取
り付けた一室型セルを用い、DMF溶媒中において、常
圧の二酸化炭素の存在下に電解を行ってカルボシキル化
することにより、下記式〔V〕に示す2−(4−((2
−オキソシクロペンチル)メチル)フェニル)プロパ−
2−エン酸を得ることができる。
【化7】 上記の電解反応としては、以下の条件による定電流電解
を用いる。 電極: 白金陰極、マグネシウム陽極 支持塩: BuNBF(テトラフルオロホウ酸
テトラ−n−ブチルアンモニウム) 電流密度: 1〜100mA/cm2 通電量: 2〜5F/mol
【0011】次いで、式〔V〕に示す2−(4−((2
−オキソシクロペンチル)メチル)フェニル)プロパ−
2−エン酸を、パラジウム炭素、金属錯体触媒等の適宜
の還元触媒の存在下において、常法で水素添加すること
によりロキソプロフェンが得られる。
【0012】
【実施例】<工程1−1> 1−(4’−ビニルベンジ
ル)−2−オキソシクロペンタンカボン酸メチルの製造 水素化ナトリウム 96mg(4mmol)を枝付フラ
スコにとり、アルゴン雰囲気下でN,N−ジメチルホル
ムアミド 7.8mlを加えた。これに2−オキソシク
ロペンタンカルボン酸メチルエステル 569mg(4
mmol)を室温で攪拌しながら加え、3時間反応を行
った。続いてこれに4−クロロメチルスチレン 610
mg(4mmol)を滴下して室温で20時間反応を行
った。反応液に氷水を加え、ジエチルエーテルにより抽
出した。エーテル層を水および飽和食塩水で洗浄した
後、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、ろ過を行っ
た。ろ液を濃縮して1.03gの油状の1−(4’−ビ
ニルベンジル)−2−オキソシクロペンタンカルボン酸
メチルを得た。収率は100%であった。
【0013】得られた1−(4’−ビニルベンジル)−
2−オキソシクロペンタンカルボン酸メチルの各種測定
におけるスペクトルは以下の通りである。 (1)1H NMR(400MHz, CDCl3, 内部標準TMS): δ 1.5
5-1.65(1H, m),1.8-2.1(3H, m), 2.35-2.45(2H, m), 3.
10(1H, d, J=13.7Hz, benzylic H),3.20(1H, d, J=13.7
Hz, benzylic H), 3.73(3H, s, CH3O-), 5.22(1H, d, J
=11.0Hz, vinylic H), 5.72(1H, d, J=17.6Hz, vinylic
H), 6.67(1H, dd, J=11.0 and 17.6Hz, vinylic H),
7.09(2H, d, J=8.1Hz, Ph-H), 7.31(2H, d, J=8.1Hz,Ph
-H) (2)13C NMR(100MHz, CDCl3, 内部標準CDCl3): δ
19.45(CH2), 31.65(CH2), 38.36(CH2), 38.82(CH2), 5
2.66(CH3), 61.47(C), 113.68(CH2), 126.21(CH×2), 1
30.30(CH×2), 136.11(C), 136.19(C), 136.35(CH), 17
1.33(C=O), 214.84(C=O) (3)IR(neat): 1753, 1730, 1630, 1512, 1435, 14
07, 1266, 1163, 1145,1094, 992, 913, 853 cm−1 (4)MS(EI): m/z 258(M+, 31), 198(30), 117(100) (5)HR-MS: Found 258.1230, Calcd for C16H18O3 25
8.1256
【0014】<工程1−2> 1−(4’−ビニルベン
ジル)−2−オキソシクロペンタンカルボン酸エチルの
製造 水素化ナトリウム 96mg(4mmol)を枝付フラ
スコにとり、アルゴン雰囲気下においてN,N−ジメチ
ルホルムアミド 7.8mlを加えた。これに2−オキ
ソシクロペンタンカルボン酸エチルエステル 625m
g(4mmol)を室温で攪拌しながら加え、3時間反
応を行った。続いてこれに4−クロロメチルスチレン
610mg(4mmol)を滴下して室温で20時間反
応を行った。反応液に氷水を加え、ジエチルエーテルに
より抽出した。エーテル層を水および飽和食塩水で洗浄
した後、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、ろ過を
行った。ろ液を濃縮して1.09gの油状の1−(4’
−ビニルベンジル)−2−オキソシクロペンタンカルボ
ン酸エチルを得た。収率は100%であった。
【0015】得られた1−(4’−ビニルベンジル)−
2−オキソシクロペンタンカルボン酸エチルの各種測定
におけるスペクトルは以下の通りである。 (1)1H NMR(400MHz, CDCl3, 内部標準TMS): δ 1.2
5(3H, t, J=7.1Hz), 1.56-1.67(1H, m), 1.82-2.07(3H,
m), 2.26-2.43(2H, m), 3.11(1H, d, J=13.7Hz,benzyl
ic H), 3.18(1H, d, J=13.7Hz, benzylic H), 4.17(2H,
q, J=7.1Hz), 5.21(1H, d, J=11.0Hz, vinylic H), 5.
71(1H, d, J=17.5Hz, vinylic H), 6.67(1H, dd, J=11.
0 and 17.5Hz, vinylic H), 7.09(2H, d, J=8.1Hz, Ph-
H), 7.30(2H, d, J=8.1Hz, Ph-H) (2)13C NMR(100MHz, CDCl3, 内部標準TMS): δ 1
4.1(CH3), 19.5(CH2), 31.7(CH2), 38.3(CH2), 38.7(CH
2), 61.4(C), 61.6(CH2), 113.6(CH2), 126.2(CH×2),
130.4(CH×2), 136.2(C), 136.3(C), 136.7(CH), 171.0
(C=O), 214.9(C=O) (3)IR(neat): 1751, 1724, 1630, 1511, 1446, 14
06, 1365, 1263, 1234,1223, 1194, 1159, 1142, 1119,
1107, 1028, 993, 910, 856, 831, 810 cm−1 (4)MS(EI): m/z 272(M+, 28), 199(57), 117(100) (5)HR-MS: Found 272.3448, Calcd for C17H20O3 27
2.3459
【0016】<工程2−1> 2−(4'−ビニルベンジ
ル)シクロペンタノンの製造(その1) ヨウ化リチウム 1.19g(8.9mmol)を枝付
フラスコにとり、アルゴン雰囲気下で2,6−ルチジン
9.7mlを加え、攪拌しながら65〜70℃の油浴
中で10分間加熱溶解した。これに1−(4’−ビニル
ベンジル)−2−オキソシクロペンタンカルボン酸メチ
ル 2.30g(8.9mmol)を2,6−ルチジン
2.1mlに溶解したものを加え、145℃で42時間
加熱還流を行った。反応液にジクロロメタンと6N塩酸
を加えて抽出を行った。水層から2回ジクロロメタンで
抽出した。ジクロロメタン層を合わせて水洗した後、無
水硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、ろ過を行った。ろ
液を濃縮して1.71gの油状の2−(4’−ビニルベ
ンジル)シクロペンタノンを得た。粗収率は96%であ
った。これをカラムクロマトグラフィー(吸着剤:Si
、溶媒:ヘキサン−酢酸エチル(体積比 4:
1))により精製して、1.11gの2−(4’−ビニ
ルベンジル)シクロペンタノンを得た。収率は62%で
あった。
【0017】得られた2−(4’−ビニルベンジル)シ
クロペンタノンの各種測定におけるスペクトルは以下の
通りである。 (1)1H NMR(400MHz, CDCl3, 内部標準TMS): δ 1.5
-1.6(1H, m),1.7-1.75(1H, m), 1.9-2.0(1H,m), 2.05-
2.15(2H, m), 2.3-2.4(2H, m), 2.54(1H, dd, J=9.5 an
d 13.9Hz, benzylic H), 3.13(1H, dd, J=4.1 and 13.9
Hz, benzylic H), 5.21(1H, dd, J=1.0 and 11.0Hz, v
inylic H), 5.71(1H, dd, J=1.0and 17.6Hz, vinylic
H), 6.69(1H, dd, J=11.0 and 17.6Hz, vinylic H), 7.
12(2H, d, J=8.1Hz, Ph-H), 7.33(2H, d, J=8.1Hz, Ph-
H) (2)13C NMR(100MHz, CDCl3, 内部標準CDCl3): δ
20.61(CH2), 29.16(CH2), 35.36(CH2), 38.27(CH2), 5
0.99(CH), 113.31(CH2), 126.34(CH×2), 129.15(CH×
2), 135.68(C), 136.61(CH), 139.77(C), 220.16(C=O) (3)IR(neat): 1736, 1630, 1512, 1453, 1406 , 1
154, 992, 910 cm−1 (4)MS(EI): m/z 200(M+, 40), 172(4), 157(4), 1
43(7), 128(17), 117(100), 115(27), 104(23), 91(17) (5)HR-MS: Found 200.1209, Calcd for C14H16O 20
0.1201
【0018】<工程2−2> 2−(4'−ビニルベンジ
ル)シクロペンタノンの製造(その2) ヨウ化リチウム 1.19g(8.9mmol)を枝付
フラスコにとり、アルゴン雰囲気下で2,6−ルチジン
9.7mlを加え、攪拌しながら65〜70℃の油浴
中で10分間加熱溶解させた。これに1−(4’−ビニ
ルベンジル)−2−オキソシクロペンタンカルボン酸エ
チル 2.42g(8.9mmol)を2,6−ルチジ
ン 2.1mlに溶解したものを加え、145℃で42
時間加熱還流を行った。反応液にジクロロメタンと6N
塩酸を加えて抽出を行った。水層から2回ジクロロメタ
ンで抽出した。ジクロロメタン層を合わせて水洗した
後、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、ろ過を行っ
た。ろ液を濃縮して1.71gの油状の2−(4’−ビ
ニルベンジル)シクロペンタノンを得た。粗収率は96
%であった。これをカラムクロマトグラフィー(吸着
剤:SiO、溶媒:ヘキサン−酢酸エチル(体積比
4:1))により精製して、1.11gの2−(4’−
ビニルベンジル)シクロペンタノンを得た。収率は62
%であった。なおスペクトルは、上記工程2−1で得ら
れたものと一致した。
【0019】<工程3> 2−(4’−(1−ブロモビ
ニル)ベンジル)シクロペンタノンの製造 2−(4−ビニルベンジル)シクロペンタノン 267
mg(1.3mmol)をクロロホルム 1.5mlに
溶解し、アルゴン置換の後、−60℃に冷却し、臭素
0.07ml(1.4mmol)を徐々に加えてから1
5分攪拌した。反応終了後、溶媒を留去し、メタノール
5.3mlおよび水酸化カリウム 128mg(2.3
mmol)を加え、室温で終夜攪拌した。反応終了後、
溶媒を留去し、残さに水を加えてエーテルで2回抽出し
た。エーテル層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄した
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を留去すること
により、2−(4’−(1−ブロモビニル)ベンジル)
シクロペンタノンの粗生成物 344mg(収率92
%)が得られた。
【0020】得られた2−(4’−(1−ブロモビニ
ル)ベンジル)シクロペンタノンの各種測定におけるス
ペクトルは以下の通りである。 (1)1H NMR (270MHz, CDC13, 内部標準TMS): δ 1.
5-1.6 (1H, m),1.65-1.8 (1H, m), 1.9-2.2 (3H, m),
2.3-2.4 (2H, m), 2.57 (1H, dd, J=9.2and 13.9Hz, be
nzylic H), 3.16 (1H, dd, J=4.3 and 13.9Hz, benzyli
c H), 5.74 (1H, d, J=2.0Hz, vinylic H), 6.09 (1H,
d, J=2.0Hz, vinylic H), 7.15 (2H, d, J=8.3Hz, Ph-
H), 7.51 (2H, d, J=8.3Hz, Ph-H) (2)IR(neat): 1732, 1610, 1562, 1508, 1453, 14
06, 1153, 1058, 1018,887 cm−1 (3)MS(EI): m/z 280 [(M+2)+, 62], 278(M+, 64),
199 [(M-Br)+, 100],197 (50), 195 (51), 173 (11),
171 (11), 115 (50) (3)HR-MS: Found 278.0297, Calcd for C14H15O79Br
278.0307
【0021】<工程4> 2−(4−((2−オキソシ
クロペンチル)メチル)フェニル)プロパ−2−エン酸
の製造 白金陰極(2×3cm)、マグネシウム陽極(3mm
φ)およびバブラーを取り付けた一室型セルに0.1M
BuNBF(494mg)のDMF溶液(15
ml)を加え、2−(4’−(1−ブロモビニル)ベン
ジル)シクロペンタノン 280mg(1.00mmo
l)を溶解した後、0℃において二酸化炭素を15分間
バブリングした。その後、電流密度 10mA/c
、通電量2.8F/molで76分間、定電流電解
を行った。反応終了後、反応液を2N塩酸に注ぎ、エー
テルで3回抽出を行った。エーテル層を水で3回洗浄し
た後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で3回洗浄し、カ
ルボン酸を抽出した。エーテル層を水および飽和食塩水
で洗浄した後、乾燥して溶媒を留去することにより、出
発物質である2−(4’−(1−ブロモビニル)ベンジ
ル)シクロペンタノン 94mgが回収された(回収率
34%)。飽和炭酸水素ナトリウム層を6N塩酸で酸性
とした後、エーテルで3回抽出した。エーテル層を水お
よび飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥し、溶媒を留去することにより、2−(4−((2
−オキソシクロペンチル)メチル)フェニル)プロパ−
2−エン酸 90mg(収率37%)が得られた。
【0022】得られた2−(4−((2−オキソシクロ
ペンチル)メチル)フェニル)プロパ−2−エン酸の各
種測定におけるスペクトルは以下の通りである。 (1)1H NMR (270MHz, CDCl3, 内部標準TMS): δ 1.
5-1.65 (1H, m), 1.65-1.8 (1H, m), 1.9-2.2 (3H, m),
2.3-2.4 (2H, m), 2.55 (1H, dd, J=9.6 and 13.9Hz,
benzylic H), 3.17 (1H, dd, J=4.0 and 13.9Hz, benzy
lic H), 6.01 (1H, d, J=1.0Hz, vinylic H), 6.50 (1
H, d, J=1.0Hz, vinylic H), 7.17 (2H, d,J=8.3Hz, Ph
-H), 7.37 (2H, d, J=8.3Hz, Ph-H). (2)IR(neat): 2400-3600, 1732, 1697, 1610, 151
4, 1407, 1085, 1021 cm −1 (3)MS(EI): m/z 244(M+, 78), 226 (29), 198 (4
3), 161(100) (4)HR-MS: Found 244.1125, Calcd for C15H160 24
4.1100
【0023】<工程5> 2−(4−((2−オキソシ
クロペンチル)メチル)フェニル)プロパ−2−エン酸
からのロキソプロフェンの製造 2−(4−((2−オキソシクロペンチル)メチル)フ
ェニル)プロパ−2−エン酸 100mgを30mlの
ナス型フラスコに入れ、酢酸エチル 10mlに溶解し
た。これに10%パラジウム炭素 20mgを加え,2
5℃で水素雰囲気下において24時間攪拌した。反応液
をろ過し、濃縮することにより101mgのロキソプロ
フェンを得た。収率は100%であった。得られた化合
物のNMR、IRおよびMSのスペクトルは、ロキソプ
ロフェン標品と完全に一致した。
【0024】
【発明の効果】新規化合物である本発明の置換スチレン
類を中間体として用いることにより、ロキソプロフェン
を経済的に製造することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式〔I〕で表される1−(4’
    −ビニルベンジル)−2−オキソシクロペンタンカルボ
    ン酸エステル。 【化1】 (式中、Rは炭素数4以下のアルキル基を示す。)
  2. 【請求項2】 下記式〔II〕で表される2−(4’−ビ
    ニルベンジル)シクロペンタノン。 【化2】
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114276243A (zh) * 2021-12-13 2022-04-05 浙江九洲药业股份有限公司 一种洛索洛芬及其类似物的合成方法

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