JP2001079809A - 防汚・抗菌性難燃無機質複合化木材とその製造方法 - Google Patents
防汚・抗菌性難燃無機質複合化木材とその製造方法Info
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Abstract
材とその製造方法を提供する。 【解決手段】 木材表面及び/または内部に二酸化ケイ
素層を化学結合的、及び/または物理的に有し、さらに
その外面に酸化チタン層を有する無機質複合化木材を作
成する。
Description
菌・難燃性を有する無機質複合化木材とその製造方法に
関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明
は、木材表面及び/または内部に二酸化ケイ素層を有
し、その外側に酸化チタン層を有する無機質複合化木材
とその製造法に関するものである。
ッキ、柱、手すりなど、屋内、屋外において建築材料と
して使用されてきた。しかし、木材そのものは、日光や
風雨による腐食や、排気ガスやちりなどによる汚染を受
けやすく、一度汚染された木材を浄化することは困難で
あった。
紫外線照射によってNOx や様々な有機物を分解、無害化
する働きを発揮することが近年の研究により明らかとな
り、空気清浄器、殺菌装置、タイル等のセラミックスな
どに使用されている。
などにおいて、無機質でない、自然な雰囲気の内装が好
まれていると同時に、衛生性も必要であることから、天
然木材を劣化させたり、風合いを損なうことなく、人体
や環境への配慮から、塗料や防腐・防虫剤等の化学薬品
を使用せずに、防汚・抗菌処理を施す方法が求められて
いる。
に、酸化チタンを導入することが考えられてきたが、酸
化チタンは木材に直接接触させると、木材自体を劣化さ
せてしまうため、これまでは、木材に直接酸化チタンな
どの光触媒機能を有する化合物を塗布することができな
かった。
事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を
解消し、防汚・抗菌・難燃性を有する無機質複合化木材
とその製造方法を提供することを課題としている。
の通りの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の
問題点を解消し、以下の通りの発明を提供する。
は、木材表面及び/または内部に二酸化ケイ素層を化学
結合的、及び/または物理的に有し、さらにその外面に
酸化チタン層を有することを特徴とする、無機質複合化
木材を提供する。
表面及び/または内部に二酸化ケイ素を化学的に結合さ
せることによって得られる二酸化ケイ素層に、酸化チタ
ンを結合させて酸化チタン層を形成することを特徴とす
る無機質複合化木材の製造方法を提供する。
しては天然木から得られる木材が好ましいが、天然木の
薄板を張り合わせたもの、細かく砕いた天然木材を接合
させたもの、さらには、天然木またはその粉砕物を圧縮
加工したものであってもよい。木材の元となる原木は、
針葉樹、広葉樹などどんなものであってもよく、その種
類は限定されない。また、木材の大きさは、小型の反応
槽で処理のできる程度の30cm×30cm以下のタイル状の板
でもよいし、柱や手すりにそのまま使用されるような、
比較的大きな部材であってもよい。また、木材の形状
は、円柱、角柱、シート、板、ブロック、球、ランダム
など、どのようなものであってもよく、限定されない。
ケイ素層、酸化チタン層を設ける前に、表面の汚れや水
分を除去したり、二酸化ケイ素との結合性をよくするた
めに、あらかじめ前処理を行ってもよい。その方法につ
いては、とくに限定されないが、例えば、水や有機溶剤
による洗浄、乾燥、研削、不活性ガス処理などが例示さ
れる。
法としては、既知の種々の方法を用いることができる
が、テトラエチルシリケート(以下TEOSと略す)などの
SiO2前駆体を、木材と直接接触させる方法や、TEOSなど
のSiO2前駆体をジオキサンなどの溶液として導入させる
方法、さらには、TEOSなどのSiO2前駆体を常圧または減
圧下で気相とし、木材成分と反応させる方法が好まし
い。
ネート処理方法を使用することが可能であるが、テトラ
エチルチタネート(以下TEOTと略す)あるいは、テトラ
イソプロピルチタネート(以下TIOTと略す)を木材と直
接、溶液として、または常圧や減圧下で気相として接触
させ、反応させる方法が好ましい。
理、木材と化合物との反応時間等はとくに限定されな
い。前処理時間や反応時間によって、導入される二酸化
ケイ素や酸化チタンの量が異なるため、希望とする二酸
化ケイ素および酸化チタン量に応じて、設定すればよ
い。
層は、木材中の水酸基及び/または芳香族基に化学的に
結合していてもよく、物理的に付着していてもよい。以
下、添付した図面に沿って実施例を示し、この発明の実
施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、こ
の発明は以下の例に限定されるものではなく、細部につ
いては様々な態様が可能であることは言うまでもない。
ツ薄板(50×50×0.5mm )を、セパラブルフラスコに入
れ、170 ℃のオイルバスで加熱し、充分減圧した後、滴
下漏斗でテトラエチルシリケート(TEOS)を滴下して、気
相状態とし、4、8、12、16時間加熱した。
法を用いて測定し、Siの存在率をC、O 、Siの合計を100
%として求めた。図1にTEOS滴下後の加熱時間を4、
8、12、16時間とした木材の表面をアルゴン(Ar )
ガス照射時間を変えて微少量削った場合の木材細胞壁中
のSi存在率を示す。
最も高いSi存在率が得られた。また、同じ反応時間で
は、木材表面よりも少し内部に入った部分が最もSiO2導
入量が高く、SiO2が木材細胞壁内部にまで浸透し、木材
成分と化学結合していることが分かる。Ar処理時間が5
分のときに最も高いSi存在率が得られた。(実施例5)
実施例1〜4と同様の方法で乾燥したベイマツ薄板(50
×50×0.5mm )を、セパラブルフラスコに入れ、170 ℃
のオイルバスで加熱し、充分減圧して、Arガスを導入し
た。任意の時間(0 〜55分)経過後、滴下漏斗でテトラ
エチルシリケート(TEOS)を滴下して8時間加熱した。そ
の後、滴下漏斗を交換し、テトラエチルチタネート(TEO
T)を滴下して8時間加熱した。
せたベイマツ薄板の試験片を、110 ℃に加熱し、充分減
圧して、滴下漏斗で、ジオキサンに溶解したTEOSを滴下
して8時間反応させた後、テトライソプロピルチタネー
ト(TIOT)を滴下して、8時間加熱した。
木材中のSiおよびTi存在率をX線電子分光法により、C
、O 、Si、Tiの合計を合計を100%として測定した。図
2にその結果を示す。
相)で処理した薄板で、Arガス処理を15分行ったもの
でもっとも高かった。 (実施例7〜9)実施例5と同様の方法で、TEOSおよび
TEOT反応時間を各4時間(実施例7)、16時間(実施
例8)として複合化木材を作成した。また、実施例5と
同様の方法で170 ℃で8時間TEOSと反応させたベイマツ
薄板に、TIOTのジオキサン溶液を滴下させ、110 ℃で8
時間加熱した。(実施例9) 実施例1〜2、5、7〜9の薄板と、未処理の薄板(比
較例1)の燃焼試験を行った。難燃性の指標として、燃
焼の限界酸素指数、および残じん時間を図3に示す。
の、および二酸化ケイ素層に酸化チタン層を形成させた
サンプルで25%以上の高い値を示し、難燃性が付与さ
れたことが分かった。一方、未処理材の酸素指数は23
%程度である。難燃性が少し向上したことが明らかであ
る。
較して、極めて小さく、条件によってはほぼ0にまで短
縮された。即ち、赤熱燃焼は、この処理によって完全に
抑制された。
法で170 ℃で8時間TEOSと反応させたベイマツ薄板に、
TEOTのジオキサン溶液を滴下させ、110 ℃で8時間加熱
した。(実施例10) また、同様に、170 ℃で8時間TEOSと反応させたベイマ
ツ薄板に、TIOTを滴下させ、170 ℃で8時間加熱した。
(実施例11) 実施例5〜6、10〜11について、SiおよびTiの存在
率をX線電子分光法により、C 、O 、Si、Tiの合計を10
0%として求め、結果を図4に示した。
で、乾燥させたベイマツ薄板の試験片を、110 ℃に加熱
し、充分減圧して、滴下漏斗で、ジオキサンに溶解した
TEOSを滴下して4時間加熱した。さらに、TIOTを滴下し
て8 時間加熱(実施例12)、またはTIOTのジオキサン
溶液を滴下して、4時間加熱(実施例13)し、複合化
木材を得た。
(比較例1)に青色染料のパテントブルーを塗布した。
各サンプルに紫外線(UV)を照射し、色差計により青
色の退色から、汚染物質の分解度を調べた。
これより、未処理の木材では、UV照射後も着色度の変
化は小さかったが、酸化チタン層を有する複合化木材で
は、色差が大きく変化することがわかり、パテレトブル
ーの色素が光分解されることが確認された。つまり、こ
れらの複合化木材が光触媒機能を有することが明らかと
なった。
って、紫外線の照射により、表面の汚れを分解し、また
除菌することができ、難燃性をも示す無機質複合化木材
とその製造方法が提供される。
ける、二酸化ケイ素や酸化チタンが木材の細胞壁中にど
のようにどの程度浸透して、壁内側に存在しているかを
確認するために、アルゴンガス照射による微量の表面研
磨を行い、研磨時間と無機質複合化木材細胞壁中のSi存
在率の関係を示すグラフである。
ける、アルゴンガス処理時間と、無機質複合化木材中の
SiおよびTiの存在率の関係を、チタネート処理方法ごと
にまとめたグラフである。
の結果を表わすグラフである。棒グラフは酸素指数を、
折れ線グラフは残じん時間を示す。
ける、無機質複合化木材中のSiおよびTiの存在率を、シ
リケート処理条件やチタネート処理条件ごとにまとめた
グラフである。
射による汚染物質分解度を表わすグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 木材表面及び/または内部に二酸化ケイ
素層を化学結合的、及び/または物理的に有し、さらに
その外面に酸化チタン層を有することを特徴とする、無
機質複合化木材。 - 【請求項2】 木材表面及び/または内部に二酸化ケイ
素を化学的に結合させることによって得られる二酸化ケ
イ素層に、酸化チタンを結合させて酸化チタン層を形成
することを特徴とする請求項1の無機質複合化木材の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25797299A JP2001079809A (ja) | 1999-09-10 | 1999-09-10 | 防汚・抗菌性難燃無機質複合化木材とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25797299A JP2001079809A (ja) | 1999-09-10 | 1999-09-10 | 防汚・抗菌性難燃無機質複合化木材とその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001079809A true JP2001079809A (ja) | 2001-03-27 |
Family
ID=17313778
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25797299A Pending JP2001079809A (ja) | 1999-09-10 | 1999-09-10 | 防汚・抗菌性難燃無機質複合化木材とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001079809A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100804471B1 (ko) | 2006-12-11 | 2008-02-20 | (주)포조피아 | 목화석 제조방법 |
JP2014516837A (ja) * | 2011-07-11 | 2014-07-17 | エンパイア テクノロジー ディベロップメント エルエルシー | 木材を処理するための方法および組成物 |
CN105328751A (zh) * | 2015-10-27 | 2016-02-17 | 广西大学 | 一种木材表面生成硅钛双元氧化膜的方法 |
-
1999
- 1999-09-10 JP JP25797299A patent/JP2001079809A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100804471B1 (ko) | 2006-12-11 | 2008-02-20 | (주)포조피아 | 목화석 제조방법 |
JP2014516837A (ja) * | 2011-07-11 | 2014-07-17 | エンパイア テクノロジー ディベロップメント エルエルシー | 木材を処理するための方法および組成物 |
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