JP2001078496A - ステッピングモータの駆動制御装置およびその駆動制御方法 - Google Patents

ステッピングモータの駆動制御装置およびその駆動制御方法

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JP2001078496A
JP2001078496A JP25076599A JP25076599A JP2001078496A JP 2001078496 A JP2001078496 A JP 2001078496A JP 25076599 A JP25076599 A JP 25076599A JP 25076599 A JP25076599 A JP 25076599A JP 2001078496 A JP2001078496 A JP 2001078496A
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motor
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Michiharu Shoji
通陽 小路
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動体の重量が変化する系においてもオーバ
ーシュートを極力抑制して最適な駆動制御を行うこと。 【解決手段】 駆動物体の重量変化又は重量に相関のあ
るパラメータを検出し、該重量変化又は重量変化に相関
のあるパラメータの変化に伴ってモータ駆動曲線を選択
変更し、該モータ駆動曲線に対応したデータをモータ駆
動回路に転送して各相の励磁制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加速又は減速時の
励磁制御を行うステッピングモータの駆動制御装置およ
びその駆動制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ステッピングモータは、回転位置決め精
度が優れているため、オフィス用事務機器、いわゆるO
A機器の駆動源として幅広く用いられている。
【0003】そのステッピングモータは、例えば、コン
ピュータ等の情報処理機器の普及に伴い、それら機器の
出力(印刷)装置として発展してきた、インクジェット
方式の印刷装置用駆動源としての利用も例外ではない。
【0004】図7は、ステッピングモータの始動開始か
ら定速駆動までの速度変化を、横軸に時間、縦軸に速度
をとって示す。
【0005】図7において、スローアップ制御は、励磁
相に印加するステップを長い間隔から徐々に短くしてロ
ータの速度を増加させ、目標速度に達したところで印加
するステップを一定の間隔に変えるようにしている。
【0006】このスローアップ制御用の曲線には、直線
型、指数関数型、S字型等がトルク特性や振動特性に優
れ、多く用いられている。
【0007】また、減速時のスローダウン制御も上述し
たスローアップ制御と同様である。
【0008】ところが制限された構成、例えば短い加速
距離の中で短時間にスローアップを行うと、図7に示す
ように、スローアップから定速駆動に移行した時、過渡
振動(オーバーシュート)を生じてしまう。これは、ス
ローアップから定速に切り替わった時点で、慣性により
制御に対してロータが行き過ぎしまうことが原因であ
る。
【0009】このような過渡振動を抑えるために様々な
駆動制御方法が提案されている。
【0010】例えば、スローアップの最後のステップ、
つまり定速駆動の直前の1ステップを所定のスローアッ
プ制御の曲線から外れる時間の長いステップで制御する
方法がある。この所定のスローアップ制御の曲線から外
れる時間の長いステップは、駆動される物体の慣性によ
り生じた過渡振動(オーバーシュート)を制御上の理想
位置に引き戻すように作用し、結果として過渡振動(オ
ーバーシュート)を軽減させることが可能になる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、過渡振動(オ
ーバーシュート)の原因である駆動体の慣性は、駆動体
の重量と相関があるため、駆動体の重量が変化する系に
おいて、固定制御では最適な過渡振動(オーバーシュー
ト)制御が不可能である。
【0012】ここで、駆動体の重量が変化する系の従来
例を、図6および図8に基づいて説明する。
【0013】駆動体の重量が変化する系として、インク
ジェットプリンタを例に挙げる。このような制限された
構成において、例えば短い加速距離の中で短時間にスロ
ーアップ制御を行うと、慣性により制御に対してロータ
が行き過ぎしまうことが原因でスローアップから定速駆
動に移行した時、過渡振動(オーバーシュート)を生じ
てしまう。
【0014】このような過渡振動を抑えるために様々な
駆動制御方法が提案されている。例えば、スローアップ
の最後のステップ、つまり定速駆動の直前の1ステップ
(図8のパルス401)を所定のスローアップの曲線か
ら外れる時間の長いステップで制御する方法がある。以
下、この制御を非線型パルス制御と呼ぶ。
【0015】図8は、1相励磁駆動時の非線型パルス制
御に基づく電流波形を示す。横軸は時間の流れを示し、
縦軸は電流で正方向がAから/A,Bから/Bへの電流
の流れを示す。
【0016】図8のスローアップ制御の期間において
は、目標速度に近づけるために駆動パルス間隔を徐々に
短くして加速していく。このとき、パルス間隔の変化
は、比例直線や指数関数曲線又はS字曲線等の決められ
た変化線上に沿って変化する。しかし、スローアップか
ら定速制御に移行する1ステップ前のパルス401を上
記所定のスローアップ制御の曲線から外れる時間の長い
パルス(非線型パルス)で駆動している。
【0017】この駆動により、図6に示すように、物体
の慣性により生じた過渡振動(オーバーシュート)を制
御上の理想位置に引き戻すように作用し、結果として、
非線型パルス制御による過渡振動(オーバーシュート)
501は、旧式制御の振動502に対して軽減させるこ
とが可能になる。
【0018】このように非線型パルス制御は、慣性によ
り制御に対してロータが行き過ぎてしまったものを引き
戻すことによって、本来の制御位置を保つ。
【0019】しかし、上述したようなインクジェットプ
リンタにおける固定的な制御では、慣性に相関のある質
量が印字動作と共に変化するため、結果として、最適な
過渡振動(オーバーシュート)制御が不可能である。
【0020】しかも、モータ駆動制御と過渡振動のバラ
ンスがある限界点を超えると、最悪の場合には脱調を起
こしてしまう可能性もある。
【0021】そこで、本発明の目的は、駆動体の重量が
変化する系においてもオーバーシュートを極力抑制して
最適な駆動制御を行うことが可能なステッピングモータ
の駆動制御装置およびその駆動制御方法を提供すること
にある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、ステッピング
モータの加速又は減速時の制御を行う駆動制御装置であ
って、前記ステッピングモータの各相の励磁を行う駆動
手段と、前記ステッピングモータの励磁に伴う駆動パル
ス間隔を変化させる複数のモータ駆動曲線と、前記ステ
ッピングモータによって駆動する物体の重量変化又は重
量に相関のあるパラメータの変化を検出する検出手段
と、前記検出された物体の重量変化又は重量に相関のあ
るパラメータの変化に応じて、前記複数のモータ駆動曲
線の中から所定のモータ駆動曲線を選択する選択手段
と、前記選択された所定のモータ駆動曲線のデータを前
記駆動手段に転送して前記ステッピングモータの駆動テ
ーブルを可変する可変手段とを具えることによって、ス
テッピングモータの駆動制御装置を構成する。
【0023】ここで、前記可変手段は、前記物体の重量
変化又は重量に相関のあるパラメータの変化によって、
前記ステッピングモータが停止状態から加速され、所定
の速度に達する直前の1ステップの励磁時間を可変する
ことができる。
【0024】駆動パルス間隔を変化させる複数のモータ
駆動曲線を記憶する記憶手段をさらに具え、前記物体の
重量変化又は重量に相関のあるパラメータの変化に応じ
て、前記記憶手段に記憶された前記複数のモータ駆動曲
線の中から所定のモータ駆動曲線を選択して、前記ステ
ッピングモータの速度を可変することができる。
【0025】前記物体は、印字ヘッドおよびインクタン
クを搭載したキャリッジからなり、前記検出手段は、前
記キャリッジ上のインクタンク内のインク残量を検出
し、前記可変手段は、前記検出したインク残量の変化に
応じて、所定のモータ駆動曲線を選択することができ
る。
【0026】本発明は、ステッピングモータの加速又は
減速時の制御を行う駆動制御方法であって、前記ステッ
ピングモータによって駆動する物体の重量変化又は重量
に相関のあるパラメータの変化を検出する検出工程と、
前記検出された物体の重量変化又は重量に相関のあるパ
ラメータの変化に応じて、前記ステッピングモータの駆
動パルス間隔を変化させる複数のモータ駆動曲線の中か
ら所定のモータ駆動曲線を選択する選択工程と、前記選
択された所定のモータ駆動曲線のデータを用いて前記ス
テッピングモータの駆動テーブルを可変する可変工程と
を具えることによって、ステッピングモータの駆動制御
方法を提供する。
【0027】本発明は、コンピュータによってステッピ
ングモータの加速又は減速時の制御を行うためのプログ
ラムを記録した媒体であって、該制御プログラムはコン
ピュータに、前記ステッピングモータによって駆動する
物体の重量変化又は重量に相関のあるパラメータの変化
を検出させ、前記検出させた物体の重量変化又は重量に
相関のあるパラメータの変化に応じて、前記ステッピン
グモータの駆動パルス間隔を変化させる複数のモータ駆
動曲線の中から所定のモータ駆動曲線を選択させ、前記
選択させた所定のモータ駆動曲線のデータを用いて前記
ステッピングモータの駆動テーブルを可変させることに
よって、ステッピングモータの駆動制御プログラムを記
録した媒体を提供する。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を詳細に説明する。
【0029】本発明の実施の形態を、図1〜図6に基づ
いて説明する。
【0030】本例では、本発明に係るステッピングモー
タの駆動制御系を、インクジェットプリンタに適用した
場合について説明する。
【0031】まず、本装置の本発明に係る部分の構成の
概略を、図4および図5に基づいて説明する。図4は、
インクジェットプリンタの記録ヘッド208およびイン
クタンク209を搭載したキャリッジ205の構成を示
す。このインクジェットプリンタのキャリッジ駆動は、
ベルトによって物体を直線往復運動させる系である。
【0032】記録媒体又は孔版印刷用原紙201は、記
録領域に配置された記録媒体送りローラ202により支
持され、シート送りモータ203で駆動される記録媒体
送りローラ202によって矢印α方向へ搬送される。
【0033】記録媒体送りローラ202の前方には、ガ
イドシャフト204が平行に設けられている。キャリッ
ジ205は、キャリッジモータ206の出力により、ベ
ルト207を介してガイドシャフト204に沿って矢印
β方向に往復される。ガイドシャフト204とキャリッ
ジ205との間は、摩擦等による機械的負荷を減らすた
め、グリース等の潤滑油が塗られている。
【0034】ヘッド移動手段としてのキャリッジ205
には、記録ヘッド208および記録インクが入っている
タンク209が搭載されている。記録ヘッド208は、
カラー画像用であり、キャリッジの操作方向に黒ヘッド
208−BK、シアンヘッド208−C、マゼンタヘッ
ド208−M、イエローヘッド208−Yのように配置
されている。
【0035】また、各色のタンクである、ブラック(B
K)209−BK、シアン(C)209−C、マゼンタ
(M)209−M、イエロー(Y)209−Yは、それ
ぞれの色に対応したヘッドにインクを供給している。各
記録ヘッド209の前面、すなわち記録媒体201の記
録面と所定間隔(例えば0.8mm)をおいて対抗する
面には、複数(例えば、48個又は64個)のインク吐
出口をキャリッジの操作方向と交差させる方向として縦
一列に配置したインク吐出部が設けられている。
【0036】また、本装置のこの他の構成としては、記
録部の制御回路(CPU)や、ROM、RAM、不揮発
性メモリ等の記憶媒体を含む制御部(図示せず)が設け
られている。この記憶媒体には、本発明に係るモータ制
御用のプログラム、本発明に係るステッピングモータの
励磁に伴う駆動パルス間隔を変化させるための複数種類
のモータ駆動曲線、ヘッド駆動制御用のプログラム等が
記録されている。モータ駆動曲線には、トルク特性や振
動特性に優れた曲線が用いられ、直線型、指数関数型、
S字型等があるが、詳細については後述する。
【0037】そして、制御部は、例えば、インターフェ
ースを介して外部のホスト装置のコントローラから印字
モードの情報や記録データを受信し、これに基づいて各
種モータ等の駆動源などと共に、ヘッド駆動回路を介し
て各記録ヘッドを制御し、これによりインク等が吐出さ
れ、記録媒体201上に印刷が行われる。
【0038】(駆動制御系の構成)図5は、図4に示し
たようなベルトによって物体を直線往復運動させる系の
慣性モーメントを考えるためのモデル図を示したもので
ある。
【0039】図5において、物体301をベルト302
に固定し、ベルト302を2つのプーリー303,30
4で張り、プーリー303にモーター305からトルク
を与えて物体301を駆動させている。
【0040】ここで、物体(キャリッジ)301とベル
ト302の合計質量をM、プーリー303,304の直
径をD(プーリー303,304は同一の物と仮定)、
プーリーの慣性モーメントをJ1、直線運動の慣性モー
メントをJ2とすると、図4の系の等価慣性モーメント
Jは、次式のようになる。
【0041】 J=2J1+J2 =2J1+MD2/4 …(1) この(1)式より、ベルトを含めた物体の質量Mに比例
して、慣性モーメントJが変化、つまり運動エネルギー
が変化することがわかる。
【0042】図5における質量Mの変化は、実際のプリ
ンタでは、印字によりインクが使用されることによるイ
ンクタンク209の重量変化に相当する。従って、イン
クジェットプリンタにおいてインク残量を検出すること
により、キャリッジ205の重量変化を知ることができ
る。インクジェットプリンタにおけるインク残量検出方
法としては、吐出した液滴の発数をカウントするドット
カウント方式やインクタンク209内のインク残量変化
に伴うキャパシタンス変化を検出する方法等の様々な方
法がある。
【0043】このように非線型パルス制御は、慣性によ
り制御に対してロータが行き過ぎてしまったものを引き
戻すことにより、本来の制御位置を保つ制御である。
【0044】しかし、前述したようにインクジェットプ
リンタにおいては、慣性に相関のある質量が印字動作と
共に変化する。インクジェットプリンタのキャリッジ質
量変化は、インク残量により決まる。
【0045】(モータの駆動制御)そこで、本例では、
図2および図3に示すように、インク残量が多い(質量
が大きい)時にはパルス幅を長く(601)、インク残
量が少ない(質量が小さい)時にはパルス幅を短く(6
02)、すなわち、インク残量変化(質量変化)に応じ
て非線型パルスを可変制御(=可変長非線型パルス制
御)することによって、最適な駆動制御を実現すること
ができる。
【0046】このような駆動制御に際して、インク残量
と非線型パルス幅との関係を示す曲線を、予め不揮発性
メモリ等の記憶媒体内に記録しておき、必要に応じて設
定・変更する方法等を用いることができる。この場合、
非線形型パルス幅の間隔は、比例直線、指数関数曲線、
又はS字曲線等の決められた変化線上に沿って変化する
ように設定できる。
【0047】図1は、ステッピングモータの駆動制御を
示すフローチャートである。
【0048】ステップS1では、印刷開始時にインク残
量検出を行う。ステップS2では、インク残量の有無と
同時に、キャリッジ205の質量を判定する。
【0049】ステップS3では、判定された現在のキャ
リッジ205の質量に対する最適な非線型パルス幅が設
定されているかの判定を行う。
【0050】最適なパルス幅が設定されていれば、ステ
ップS4に進み、そのまま印字動作を行う。
【0051】最適なパルス幅が設定されていなければ、
ステップS5に進み、最適な非線型パルス幅の設定を行
う。その後、印字動作を行う。
【0052】このようなステッピングモータの駆動制御
により、図6に示すように、物体の慣性によって生じた
過渡振動(オーバーシュート)を制御上の理想位置に引
き戻すように作用させ、結果として、非線型パルス幅の
制御による過渡振動(オーバーシュート)501を、従
来制御の振動502に対して軽減させることが可能にな
る。
【0053】なお、以上の説明では、非線型パルス幅の
制御を例に挙げたが、これに限るものではなく、例え
ば、キャリッジ205の質量に応じてスローアップ曲線
そのものを最適なものに変更することによっても同様な
作用効果を得ることができる。
【0054】また、本例では、インクジェットプリンタ
を例に挙げて説明したが、これに限るものではなく、他
の装置にも本発明に係るステッピングモータの駆動制御
を適用させることが可能である。
【0055】また、本例では、複数の機器(例えば、ホ
ストコンピュータ、インターフェース機器、リーダ、プ
リンタなど)から構成されるシステムに適用しても、1
つの機器(例えば、複写機、ファクシミリ装置)からな
る装置に適用してもよい。
【0056】また、本発明は、システム或いは装置にプ
ログラムを供給することによって達成される場合にも適
用できることはいうまでもない。そして、本発明を達成
するためのソフトウェアによって表されるプログラムを
格納した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そ
のシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやM
PU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出
し実行することによっても、本発明の効果を享受するこ
とが可能となる。
【0057】この場合、記憶媒体から読出されたプログ
ラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現するこ
とになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は
本発明を構成することになる。
【0058】プログラムコードを供給するための記憶媒
体としては、例えば、フロッピディスク、ハードディス
ク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD
−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM
(マスクROM、フラッシュEEPROMなど)などを
用いることができる。
【0059】また、コンピュータが読出したプログラム
コードを実行することにより、前述した実施形態の機能
が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示
に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレ
ーティングシステム)などが実際の処理の一部または全
部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が
実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0060】さらに、記憶媒体から読み出されたプログ
ラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ポー
ドやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わ
るメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指
示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに
備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行
い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現さ
れる場合も含まれることは言うまでもない。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
駆動する物体の重量変化又は重量に相関のあるパラメー
タを検出し、該検出した重量変化又は重量変化に相関の
あるパラメータの変化に伴ってステッピングモータ駆動
曲線を選択変更し、該変更された駆動曲線に対応したデ
ータをステッピングモータ駆動回路に転送して各相の励
磁制御を行うようにしたので、印字動作に伴うキャリッ
ジの質量変化が生じても過渡振動(オーバーシュート)
を最適に抑制することが可能になり、これにより、安定
したモータ制御を行うことができると共に、安定した印
字結果を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態であるステッピングモータ
の駆動制御に係る印刷処理を示すフローチャートであ
る。
【図2】可変長非線型パルス制御によるスローアップ時
(インク満杯状態)の電流波形を示す波形図である。
【図3】可変長非線型パルス制御によるスローアップ時
(インク空状態)の電流波形を示す波形図である。
【図4】インクジェットプリンタのキャリッジ部の構成
を示す斜視図である。
【図5】ベルト駆動による物体の直線移動時の慣性を説
明する説明図である。
【図6】可変長非線型パルス制御によるスローアップ時
の過渡振動を示す説明図である。
【図7】従来のスローアップ時の過渡振動を示す説明図
である。
【図8】非線型パルス制御による電流波形を示す波形図
である。
【符号の説明】
201 記録媒体 202 記録媒体送りローラ 205 キャリッジ 206 キャリッジモータ 208 印字ヘッド 209 インクタンク 301 移動物体 302 ベルト 303,304 プーリー 401 非線型パルス 501 非線型パルス制御による過渡振動波形 502 従来の過渡振動波形 601,602 可変長非線型パルス

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステッピングモータの加速又は減速時の
    制御を行う駆動制御装置であって、 前記ステッピングモータの各相の励磁を行う駆動手段
    と、 前記ステッピングモータの励磁に伴う駆動パルス間隔を
    変化させる複数のモータ駆動曲線と、 前記ステッピングモータによって駆動する物体の重量変
    化又は重量に相関のあるパラメータの変化を検出する検
    出手段と、 前記検出された物体の重量変化又は重量に相関のあるパ
    ラメータの変化に応じて、前記複数のモータ駆動曲線の
    中から所定のモータ駆動曲線を選択する選択手段と、 前記選択された所定のモータ駆動曲線のデータを前記駆
    動手段に転送して前記ステッピングモータの駆動テーブ
    ルを可変する可変手段とを具えたことを特徴とするステ
    ッピングモータの駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記可変手段は、前記物体の重量変化又
    は重量に相関のあるパラメータの変化によって、前記ス
    テッピングモータが停止状態から加速され、所定の速度
    に達する直前の1ステップの励磁時間を可変することを
    特徴とする請求項1記載のステッピングモータの駆動制
    御装置。
  3. 【請求項3】 駆動パルス間隔を変化させる複数のモー
    タ駆動曲線を記憶する記憶手段をさらに具え、 前記物体の重量変化又は重量に相関のあるパラメータの
    変化に応じて、前記記憶手段に記憶された前記複数のモ
    ータ駆動曲線の中から所定のモータ駆動曲線を選択し
    て、前記ステッピングモータの速度を可変することを特
    徴とする請求項1記載のステッピングモータの駆動制御
    装置。
  4. 【請求項4】 前記物体は、印字ヘッドおよびインクタ
    ンクを搭載したキャリッジからなり、 前記検出手段は、前記キャリッジ上のインクタンク内の
    インク残量を検出し、 前記可変手段は、前記検出したインク残量の変化に応じ
    て、所定のモータ駆動曲線を選択することを特徴とする
    請求項1記載のステッピングモータモータの駆動制御装
    置。
  5. 【請求項5】 ステッピングモータの加速又は減速時の
    制御を行う駆動制御方法であって、 前記ステッピングモータによって駆動する物体の重量変
    化又は重量に相関のあるパラメータの変化を検出する検
    出工程と、 前記検出された物体の重量変化又は重量に相関のあるパ
    ラメータの変化に応じて、前記ステッピングモータの駆
    動パルス間隔を変化させる複数のモータ駆動曲線の中か
    ら所定のモータ駆動曲線を選択する選択工程と、 前記選択された所定のモータ駆動曲線のデータを用いて
    前記ステッピングモータの駆動テーブルを可変する可変
    工程とを具えたことを特徴とするステッピングモータの
    駆動制御方法。
  6. 【請求項6】 前記可変工程は、前記物体の重量変化又
    は重量に相関のあるパラメータの変化によって、前記ス
    テッピングモータが停止状態から加速され、所定の速度
    に達する直前の1ステップの励磁時間を可変することを
    特徴とする請求項5記載のステッピングモータの駆動制
    御方法。
  7. 【請求項7】 駆動パルス間隔を変化させる複数のモー
    タ駆動曲線を記憶する記憶工程をさらに具え、 前記物体の重量変化又は重量に相関のあるパラメータの
    変化に応じて、前記記憶された複数のモータ駆動曲線の
    中から所定のモータ駆動曲線を選択して、前記ステッピ
    ングモータの速度を可変することを特徴とする請求項5
    記載のステッピングモータの駆動制御方法。
  8. 【請求項8】 前記物体は、印字ヘッドおよびインクタ
    ンクを搭載したキャリッジからなり、 前記キャリッジ上のインクタンク内のインク残量を検出
    し、 前記検出したインク残量の変化に応じて、所定のモータ
    駆動曲線を選択することを特徴とする請求項5記載のス
    テッピングモータモータの駆動制御方法。
  9. 【請求項9】 コンピュータによってステッピングモー
    タの加速又は減速時の制御を行うためのプログラムを記
    録した媒体であって、 該制御プログラムはコンピュータに、 前記ステッピングモータによって駆動する物体の重量変
    化又は重量に相関のあるパラメータの変化を検出させ、 前記検出させた物体の重量変化又は重量に相関のあるパ
    ラメータの変化に応じて、前記ステッピングモータの駆
    動パルス間隔を変化させる複数のモータ駆動曲線の中か
    ら所定のモータ駆動曲線を選択させ、 前記選択させた所定のモータ駆動曲線のデータを用いて
    前記ステッピングモータの駆動テーブルを可変させるこ
    とを特徴とするステッピングモータの駆動制御プログラ
    ムを記録した媒体。
  10. 【請求項10】 前記物体の重量変化又は重量に相関の
    あるパラメータの変化によって、前記ステッピングモー
    タを停止状態から加速させ、所定の速度に達する直前の
    1ステップの励磁時間を可変させることを特徴とする請
    求項9記載のステッピングモータの駆動制御プログラム
    を記録した媒体。
  11. 【請求項11】 駆動パルス間隔を変化させる複数のモ
    ータ駆動曲線を記憶させ、 前記物体の重量変化又は重量に相関のあるパラメータの
    変化に応じて、前記記憶させた複数のモータ駆動曲線の
    中から所定のモータ駆動曲線を選択させて、前記ステッ
    ピングモータの速度を可変させることを特徴とする請求
    項9記載のステッピングモータの駆動制御プログラムを
    記録した媒体。
  12. 【請求項12】 前記物体は、印字ヘッドおよびインク
    タンクを搭載したキャリッジからなり、 前記キャリッジ上のインクタンク内のインク残量を検出
    させ、 前記検出させたインク残量の変化に応じて、所定のモー
    タ駆動曲線を選択させることを特徴とする請求項9記載
    のステッピングモータモータの駆動制御プログラムを記
    録した媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011121330A (ja) * 2009-12-14 2011-06-23 Ricoh Co Ltd 画像形成装置

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