JP2001074738A - 免疫クロマトグラフ法 - Google Patents

免疫クロマトグラフ法

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JP2001074738A
JP2001074738A JP24624799A JP24624799A JP2001074738A JP 2001074738 A JP2001074738 A JP 2001074738A JP 24624799 A JP24624799 A JP 24624799A JP 24624799 A JP24624799 A JP 24624799A JP 2001074738 A JP2001074738 A JP 2001074738A
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water
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JP24624799A
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English (en)
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Keisaku Okada
圭策 岡田
Motoshige Tatsumi
元茂 辰已
Takeshi Saiga
健 雜賀
Shuji Senda
修治 千田
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】反応により生成する色素の拡散を防ぎ、高感度
でかつ判定が容易な免疫クロマトグラフ法およびかかる
免疫クロマトグラフ法を可能にする発色基質溶液を提供
すること。 【解決手段】ペルオキシダーゼを使用する酵素免疫測定
において、デキストラン硫酸の存在下にペルオキシダー
ゼを反応させることを特徴とする免疫クロマトグラフ法
およびデキストラン硫酸を含有した発色基質溶液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高感度な免疫クロ
マトグラフ法およびそれに用いる発色基質溶液に関す
る。
【0002】
【従来の技術】酵素発色を利用した免疫測定法は、抗体
などの免疫成分の標識に用いられた酵素とその発色基質
成分との反応によりシグナルを増幅させ、高感度な測定
を可能としている。酵素標識免疫成分として酵素標識抗
体が一般的に知られているが、さらに高感度化を実現す
るために、水分散性高分子粒子を酵素、抗体等の担体と
して有する標識特異的結合体を利用した免疫クロマトグ
ラフ法が開発されている。特に、操作の簡便性の観点か
ら、酵素としてペルオキシダーゼが使用される。
【0003】しかしながら、ペルオキシダーゼの反応に
より生成する色素のなかには、水溶性の物質もあり、液
体成分の展開に伴って該色素が拡散し、それにより固定
相において明瞭な発色ラインを形成しないため、検出感
度の低下を招き、判定が困難になる場合がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、反応により
生成する色素の拡散を防ぎ、高感度でかつ判定が容易な
免疫クロマトグラフ法およびかかる免疫クロマトグラフ
法を可能にする発色基質溶液を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、〔1〕
ペルオキシダーゼを使用する酵素免疫測定において、
デキストラン硫酸の存在下にペルオキシダーゼを反応さ
せることを特徴とする免疫クロマトグラフ法、および
〔2〕 デキストラン硫酸を含有してなる発色基質溶
液、に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の免疫クロマトグラフ法
は、ペルオキシダーゼを使用する酵素免疫測定におい
て、デキストラン硫酸の存在下にペルオキシダーゼを反
応させることを1つの特徴とする。本発明の免疫クロマ
トグラフ法においては、デキストラン硫酸の存在下にペ
ルオキシダーゼを反応させることにより、該ペルオキシ
ダーゼの反応により生成した色素が、液体成分の展開に
より拡散することがないため、固定相において明瞭な発
色ラインを形成することができ、判定が容易になる。
【0007】免疫クロマトグラフ法とは、例えば、以下
のような工程を含む方法をいうが、かかる方法に限定さ
れない。すなわち、被検物質に対する特異的結合物質
(例えば、抗体など)を固定化した固定相を有する吸水
性基材からなる試験片の一端より、該被検物質に特異的
に結合し得る特異的結合物質(本発明においては、ペル
オキシダーゼ標識特異的結合体)と被検液との混合物を
吸収させて展開すると、該混合物中で形成された複合体
(被検物質−ペルオキシダーゼ標識特異的結合体)は固
定相に固定化された特異的結合物質と結合して捕捉され
る。したがって、固定相に結合した複合体中のペルオキ
シダーゼ標識特異的結合体の酵素反応により生じる色素
を測定することにより被検液中の被検物質の検出を行な
うことができる。
【0008】本発明の免疫クロマトグラフ法において
は、デキストラン硫酸を添加した発色基質溶液を用いる
こと、あるいは、デキストラン硫酸を試験片に含浸させ
て用いることにより、デキストラン硫酸の存在下にペル
オシダーゼ反応を行うことができる。
【0009】デキストラン硫酸の平均分子量は、色素の
定着効率および発色感度の向上の観点から、好ましくは
1,000以上、さらに好ましくは5,000以上、よ
り好ましくは10,000以上、特に好ましくは50
0,000以上であり、基質の展開性の観点から、好ま
しくは5,000,000以下、さらに好ましくは1,
000,000以下であることが望ましい。具体的に
は、好ましくは1,000〜5,000,000、さら
に好ましくは5,000〜1,000,000であるこ
とが望ましい。
【0010】デキストラン硫酸を添加した発色基質溶液
を用いる場合、色素の定着および発色感度の向上の効果
を十分に発揮させる観点から、発色基質溶液中における
該デキストラン硫酸の含有量は、好ましくは0.01重
量%以上、さらに好ましくは0.05重量%以上であ
り、展開性の観点から、好ましくは10重量%以下、さ
らに好ましくは5重量%以下であることが望ましい。具
体的には、好ましくは0.01〜10重量%、さらに好
ましくは0.05〜5重量%であることが望ましい。
【0011】また、デキストラン硫酸を試験片に含浸さ
せて用いる場合、基質展開時の終濃度が上記含有量とな
るようになればよい。
【0012】ペルオキシダーゼの反応基質は、検出可能
な基質であればよく、具体的には、過酸化水素と、2,
2’−アジノ−ビス(3−エチルベンズチアゾリン)−
6−スルホン酸、o−フェニレンジアミン、3,3’,
5,5’−テトラメチルベンジジン、o−ジアニシジ
ン、5−アミノサリサイクリックアシッド、3,3’−
ジアミノベンジシン、3−アミノ−9−エチルカルバゾ
ール、4−クロロ−1−ナフトール等の化合物との組合
せが挙げられる。本発明においては、前記発色基質は、
検出感度や発色性の観点から、ベンジジン誘導体が好ま
しく、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジンが
特に好ましい。
【0013】発色基質溶液における発色基質の濃度は、
特に限定されるものではないが、0.1〜0.5重量
%、好ましくは0.2重量%前後となるように設定する
ことが望ましい。
【0014】発色基質溶液における緩衝成分としては、
特異的結合体のペルオキシダーゼとの接触の際に、ペル
オキシダーゼ活性の発現に適するpHに維持しうる成分
であればよく、例えば、ホウ酸緩衝液、リン酸緩衝液、
クエン酸緩衝液、トリス塩酸緩衝液、イミダゾール緩衝
液などが挙げられる。
【0015】発色基質溶液における緩衝成分の濃度は、
特に限定されるものではないが、0.001〜0.5M
程度が好ましい。
【0016】本発明の免疫クロマトグラフ法により検出
されうる被検物質としては、免疫化学的反応(すなわち
抗原抗体反応)により、該被検物質に対する特異的結合
物質と結合してサンドイッチ免疫複合体を形成し得るも
のであれば特に制限されない。例えば、細菌(特に大腸
菌O−157、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌等の病原
性細菌)、放線菌、酵母、かび、ウイルス(特に、HI
V、HBV、HCV等)などの微生物またはそれらに対
する抗体、細菌等が産生する毒素、あるいは腫瘍マーカ
ー抗原などの生体試料中の抗原性ペプチドなどが挙げら
れる。
【0017】本発明に用いられるペルオキシダーゼは、
過酸化水素、m−クロロ過安息香酸、過酢酸などの過酸
化物を基質として有機化合物を酸化させる酵素であれば
よく、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、大豆ペル
オキシダーゼ、モミガラペルオキシダーゼ等が挙げら
れ、西洋ワサビペルオキシダーゼが好ましい。
【0018】本発明の免疫クロマトグラフ法において、
ペルオキシダーゼは、前記被検物質に対する特異的結合
物質を有する担体からなる特異的結合体に固定される。
【0019】前記特異的結合体において、担体として、
水分散性高分子粒子が用いられる。水分散性高分子粒子
は、前記特異的結合物質、ペルオキシダーゼなどを固定
できる物質であればよい。前記水分散性高分子粒子は、
不飽和二重結合を有する少なくとも1種の単量体の乳化
重合によって調製される。かかる単量体としては、例え
ば、エチレン、プロピレンなどのオレフィン系単量体、
酢酸ビニル、塩化ビニルなどのビニル系単量体、スチレ
ン、メチルスチレン、クロロスチレンなどのスチレン系
単量体、アクリル酸メチルなどのメタクリル酸エステル
系単量体、ブタジエンなどのジエン系単量体などが挙げ
られる。
【0020】本発明に用いる水分散性高分子粒子は、単
量体の単独重合体または共重合体に改質用単量体を共重
合して得られた重合体でもよい。このような改質用単量
体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、2,
2,2−トリフルオロエチルメチルメタクリレートなど
のフッ素化メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル、アクリルアミド、スチレンスルホ
ン酸ナトリウム、スルホプロピル(メタ)アクリレート
ナトリウム塩、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート、グリシジルメタクリレートなどが挙げられ
る。
【0021】また本発明においては、市販されている水
分散性高分子粒子でもよい。市販されている水分散性高
分子粒子としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重
合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体などの種々のスチレン共重合体からなるエマルジョン
などのスチレンまたはその誘導体を単量体成分とする単
独重合体や共重合体のエマルジョン;(メタ)アクリル
酸の長鎖アルキルエステルまたはその誘導体を単量体成
分とする単独重合体、該単量体成分と(メタ)アクリル
酸メチルやエチル、グリシジル(メタ)アクリレートな
どとの共重合体;前記したスチレンまたはその誘導体
と、(メタ)アクリレートエステルやその誘導体との共
重合体;ゴム;ナイロン;ポリウレタン;微結晶質セル
ロースなどが挙げられる。本発明においては、ラテック
ス粒子が好ましい。
【0022】個々の単量体の具体的な種類は、得られる
水分散性高分子粒子を特異的結合物質とともにペルオキ
シダーゼを固定して用いる場合に、その使用時や保存時
に融着、凝集を起こさないように、当該水分散性高分子
粒子が所要のガラス転移点を有するように選ばれる。水
分散性高分子粒子のガラス転移点は、好ましくは10℃
以上、特に室温以上が好ましい。
【0023】前記水分散性高分子粒子の平均粒子径は、
水性媒体中における粒子の分散性および沈降抑制を十分
に発揮する観点ならびに特異的結合物質およびペルオキ
シダーゼの固定を十分に行なう観点から、好ましくは3
μm以下、さらに好ましくは2μm以下であり、固定後
の当該粒子の精製が容易となるようにする観点から、好
ましくは0.01μm以上、さらに好ましくは0.1μ
m以上である。
【0024】特異的結合物質としては、被検物質に特異
的に結合する物質であればよく、例えば、抗原、ハプテ
ン、抗体、オリゴヌクレオチド、エフェクター、レセプ
ター、酵素、酵素補助因子、酵素阻害剤などが挙げられ
る。前記特異的結合物質は、検査すべき被検物質に応じ
て、サンドイッチ法等の通常の検出方法で用いられる公
知の物質を少なくとも1種選択すればよい。なお、被検
物質が、核酸の場合、核酸を除く特異的結合物質が用い
られる。本発明においては、抗原、ハプテン、抗体が好
ましい。即ち、水分散性高分子粒子の表面に抗原、ハプ
テンまたは抗体からなる群より選ばれた免疫化学的成分
を有し、ペルオキシダーゼによる標識を有する複合体を
ペルオキシダーゼ標識特異的結合体として用いるのが好
ましい。
【0025】前記特異的結合物質が抗原またはハプテン
の場合、当該抗原およびハプテンとしてはクラミジア・
トラコマティス、溶連菌、百日咳菌、ヘリコバクター・
ピロリ、レプトスピラ、トレポネーマ・パリダム、トキ
ソプラズマ・ゴンディ、ボレリア等の各種微生物抗原、
マイコプラズマ脂質抗原、HA抗原、HBc抗原、HB
e抗原、HBs抗原、HCV抗原、HIV抗原および前
記抗原に由来するハプテン等が挙げられる。
【0026】前記特異的結合物質が抗体の場合、当該抗
体としてはモノクローナル抗体やポリクローナル抗体を
使用することができる。具体的には、抗大腸菌抗体、抗
大腸菌O157抗体、抗サルモネラ菌抗体、抗ブドウ球
菌抗体、抗カンピロバクター菌抗体、抗ウェルシュ菌抗
体、抗腸炎ビブリオ菌抗体、抗ベロトキシン抗体、抗ヒ
トトランスフェリン抗体、抗ヒトアルブミン抗体、抗ヒ
ト免疫グロブリン抗体、抗マイクログロブリン抗体、抗
CRP抗体、抗トロポニン抗体、抗HCG抗体、抗クラ
ミジア・トラコマティス抗体、抗ストレプトリジンO抗
体、抗ヘリコバクター・ピロリ抗体、抗β−グルカン抗
体、抗HBe抗体、抗HBs抗体、抗アデノウイルス抗
体、抗HIV抗体、抗ロタウイルス抗体、抗RF抗体等
が挙げられる。
【0027】前記特異的結合物質が核酸の場合、当該オ
リゴヌクレオチドとしては、前記抗原として例示された
各種微生物、マイコプラズマ、各種ウイルスに由来する
核酸成分に相補的なオリゴヌクレオチド等が挙げられ
る。
【0028】本発明において用いられる水分散性高分子
粒子に特異的結合物質およびペルオキシダーゼを固定す
る方法としては、疎水結合(物理的吸着)、イオン結
合、共有結合等が利用できる。安定性の観点から、共有
結合により強力に固定することが好ましい。
【0029】また、本発明においては、水分散性高分子
粒子に特異的結合物質およびペルオキシダーゼを共有結
合によって結合する際に、必要に応じて、特異的結合物
質およびペルオキシダーゼの当該高分子粒子上での自由
度を高めるために、スペーサー基を介在させることがで
きる。スペーサー基は、予め水分散性高分子粒子に結合
させた後、特異的結合物質およびペルオキシダーゼと結
合させてもよく、予め特異的結合物質およびペルオキシ
ダーゼに結合させ、これを水分散性高分子粒子に結合さ
せてもよい。更に、必要に応じて、水分散性高分子粒
子、特異的結合物質およびペルオキシダーゼの全てに予
めスペーサー基を結合させ、これらを相互に結合させる
こともできる。
【0030】1種類の特異的結合物質を固定する場合に
加え、必要に応じて、数種類の被検物質とそれぞれ特異
的に結合する数種類の特異的結合物質を混合して固定す
ることも可能である。
【0031】ペルオキシダーゼ標識特異的結合体中に含
まれる特異的結合物質とペルオキシダーゼとの総固定量
は、上記の範囲内で使用する特異的結合物質やペルオキ
シダーゼの種類、活性の程度等によって適宜変更し得
る。前記特異的結合物質とペルオキシダーゼの総固定量
は、水分散性高分子粒子の乾燥重量1gあたり200m
g以下が好ましく、さらに好ましくは150mg以下で
あり、被検物質の検出の迅速性、感度、再現性の観点か
ら、5mg以上が好ましく、10mg以上がさらに好ま
しい。
【0032】ここで、水分散性高分子粒子の「乾燥重
量」とは、一定量の水分散性高分子粒子を120℃で2
時間乾燥した後の重量をいう。
【0033】ペルオキシダーゼの固定量は、特異的結合
物質1モルあたり0.6モル以上が好ましく、当該水分
散性高分子粒子の表面積との関係およびバックグランド
を低くするという観点から、60モル以下が好ましい。
【0034】なお、特異的結合物質およびペルオキシダ
ーゼの固定量の測定は、色素結合法等を用いて測定し、
タンパク質の量として算出する。特異的結合物質がオリ
ゴヌクレオチドの場合は、固定後の遊離のオリゴヌクレ
オチドを260nmの吸光度を測定することにより算出
する。
【0035】水分散性高分子粒子におけるペルオキシダ
ーゼの量は、酵素活性としても表すことができる。酵素
活性として表されるペルオキシダーゼの量は、ペルオキ
シダーゼの種類、基質、温度等の条件によって異なる。
水分散性高分子粒子中のペルオキシダーゼの活性は、例
えば、以下のように測定することができる:基質であ
る、TMB(3,3’,5,5’−テトラメチルベンジ
ジン)0.2mg/mlと過酸化水素0.01重量%を
含む0.1M−クエン酸緩衝液(pH4.5)3.3m
l中に、ペルオキシダーゼ標識特異的結合体0.012
5重量%懸濁液を100μl混合して、25℃で反応、
580nmの波長での吸光度を経時的に測定し、1分間
に当該吸光度を1増加させる酵素活性を1U(ユニッ
ト)として換算する。
【0036】ペルオキシダーゼ標識特異的結合体が、水
分散性高分子粒子の乾燥重量1gあたり、5,000〜
300,000U、好ましくは10,000〜300,
000U、より好ましくは50,000〜300,00
0Uの酵素活性を有するように当該ペルオキシダーゼが
固定されていることが望ましい。
【0037】本発明の免疫クロマトグラフ法において
は、発色基質溶液、ペルオキシダーゼ標識特異的結合
体、被検物質等の展開に際して、吸水性基材からなる試
験片が用いられる。
【0038】本発明において用いる吸水性基材は、被検
液を吸収できる基材、またはこれらを緩衝液によって希
釈した希釈液を吸収する基材であれば特に限定されな
い。本発明においては、被検液中の被検物質が特異的結
合物質や後述の固定相の特異的結合物質と充分な反応を
行うための時間を確保できるような吸水性基材が用いら
れる。好ましい具体例としては、適度な吸水速度を有す
る観点から、例えば、不織布、濾紙、ガラス繊維布、ガ
ラスフィルター、ニトロセルロース、多孔質材料等が挙
げられる。
【0039】吸水性基材の吸水性の程度は、5mm幅の
短冊状に裁断した吸水性基材の片端部に水を浸漬し、1
分間経過後の吸水距離が0.5〜5cm程度のものが好
ましい。親水性重合体を使用して吸水性基材の吸水性を
調整することもできる。
【0040】本発明において、吸水性基材の形状は、被
検液を展開できる形状であれば特に限定されるものでは
なく、例えば、矩形のシート状(片状)やロッド状等が
好ましい。
【0041】本発明において、前記試験片には、被検物
質−特異的結合体の複合体を捕捉する固定相を設けるこ
とができる。
【0042】固定相には、前記特異的結合物質と同様
に、抗体、抗原、ハプテンおよびオリゴヌクレオチドか
らなる群より選ばれた少なくとも1種が用いられ、かか
る固定相は、該特異的結合物質に応じて適宜選択され
る。
【0043】例えば、特異的結合体中の特異的結合物質
が抗体の場合、固定相には、同じ抗体または同一抗原の
別のエピトープを認識する抗体を使用することができ
る。特異的結合体中の特異的結合物質が抗原やハプテン
の場合、固定相には、同一の抗原、ハプテンあるいは特
異的結合体中の特異的結合物質とは異なるが被検物質と
特異的に結合する抗原、抗体、ハプテンなどが用いられ
る。特異的結合体中の特異的結合物質がオリゴヌクレオ
チドの場合は、固定相には、そのオリゴヌクレオチドの
配列に相補的な配列とは異なり、かつ被検物質の他の部
分のヌクレオチド配列と相補的な配列を有するオリゴヌ
クレオチドが利用できる。
【0044】固定相は、公知の物理吸着法、共有結合法
などにより作製されうる。また、固定相に使用する特異
的結合物質と親水性重合体とを含む溶液を吸水性基材に
塗布した後、該親水性重合体を凝固させる凝固溶剤に浸
漬することで固定相を作製することもできる。親水性重
合体としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、
ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロースな
どが挙げられる。凝固溶剤としては、アセトン、エタノ
ール、メタノール、エーテルなどが挙げられる。
【0045】固定相は、被検液の吸液によって展開し移
動してきた複合体を捕捉するために、吸水性基材上に特
異的結合物質を好ましくは0.005〜5mg/cm2
になるように塗布することが望ましい。
【0046】固定後の吸水性基材は、不用なタンパク質
の基材への非特異的吸着の防止、展開の容易性、特異的
結合物質の安定性の観点から、慣用のブロッキング剤、
界面活性剤および糖を含有する溶液で処理されることが
好ましい。
【0047】本発明に用いられる試験片は、適宜、試料
受領部、前記特異的結合体を展開できるように固定させ
た標識相を有する試験片であってもよい。
【0048】前記標識相を有する試験片の場合、特異的
結合体を固定させる方法としては、例えば、特異的結合
体の溶液を吸水性基材に塗布したのち、適当な条件にて
乾燥させる方法が挙げられる。
【0049】前記ペルオキシダーゼ標識特異的結合体の
溶液として、水溶性重合体またはサッカロースを含有し
た溶液を用いることにより、液体成分と接触したとき
に、ペルオキシダーゼ標識特異的結合体を速やかに基材
から脱離させうる。水溶性重合体としては、例えばポリ
ビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレ
ングリコール、セルロースエーテル(例えば、メチルセ
ルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、カルボキシエチルセルロース、オキシエチルセル
ロース、シアノエチルセルロース)、ゼラチンなどが好
ましい。
【0050】標識相を有する(即ち、ペルオキシダーゼ
標識特異的結合体を固定した)吸水性基材を用いること
により、吸水性基材上での展開中に被検物質を含有する
被検液とペルオキシダーゼ標識特異的結合体を接触させ
ることにより複合体を形成させることができる。
【0051】標識相に固定させるペルオキシダーゼ標識
特異的結合体の量は、例えば、0.5〜50μgである
ことが望ましい。
【0052】また、本発明に用いられる試験片におい
て、展開移動距離は、固定相での発色の均一性および発
色感度の観点から、0.5cm以上、好ましくは1cm
以上となり、固定相までの被検液の到達性、発色感度お
よび測定時間の観点から、6cm以下、好ましくは4c
m以下となるように設定されていることが好ましい。本
発明に用いる試験片は、前記展開移動距離を得るよう
に、試料受領部、固定相などを配置すればよい。
【0053】以下、本発明の免疫クロマトグラフ法の一
例を挙げる。 (1) ペルオキシダーゼ標識特異的結合体と被検物質
との複合体を形成させ、吸水性基材に展開する工程 ペルオキシダーゼ標識特異的結合体と被検物質との複合
体は、吸水性基材に展開する前に予め形成させてもよい
し、吸水性基材での展開中に被検物質を含有した被検液
とペルオキシダーゼ標識特異的結合体とを接触させるこ
とにより吸水性基材上で複合体を形成させてもよい。
【0054】展開方法としては、吸水性基材の一端側か
ら、例えば、上記の方法で調製した複合体の溶液を加
え、毛細管現象によって自然展開させる。また、試料受
領部の反対端に吸水パッドを設けることによって吸水性
基材中を展開する液体成分を吸収するので展開が容易に
進行する。
【0055】また、吸水性基材上に標識相としてペルオ
キシダーゼ標識特異的結合体を有する場合、標識相の上
流または同じ箇所に位置する試料受領部へ被検物質溶液
を添加する。また、被検物質を試料受領部に直接塗布す
る場合は、試料受領部へ被検物質を溶解しうる溶媒を添
加する。溶液は吸水性基材中を毛細管現象によって展開
してゆく。また、前記吸水性基材上には、発色基質溶液
との接触により脱離するように硫酸デキストランを保持
していてもよい。
【0056】(2) 被検物質に対する特異的結合物質
を含む固定相にて、工程(1)の複合体を捕捉する工程 工程(2)においては、被検物質に対する特異的結合物
質を固定した吸水性基材上の固定相により工程(1)の
複合体を捕捉する。
【0057】複数の被検物質を同時に検出する場合に
は、各被検物質に対応する固定相をそれぞれ設ければよ
い。
【0058】(3) 発色基質溶液を展開し、捕捉した
複合体を検出する工程 工程(3)においては、デキストラン硫酸を配合した発
色基質溶液を展開させる。展開時間は、発色基質がペル
オキシダーゼ標識特異的結合体−被検物質複合体と反応
して発色するに十分な時間であればよい。
【0059】また、工程(3)においては、標識に用い
たペルオキシダーゼの反応に十分な反応温度で展開する
ことが好ましい。
【0060】また、発色基質溶液の使用量は、該発色基
質溶液が吸水性基材上の固定相へ到達して複合体と反応
し、発色するのに充分な量であればよい。
【0061】
【実施例】実施例1〜3 発色基質溶液の調製 3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TM
B)溶液〔KPL社製、商品名:TMB membrane peroxid
ase substrate kit 〕5mlと、過酸化水素〔0.9重
量%NaClを含む0.2M NH4 Cl(pH6.
0)中0.002重量%〕5mlと、平均分子量50
0,000、10,000または5,000のデキスト
ラン硫酸(シグマ社製)の1.2重量%水溶液1mlと
を混合し、発色基質溶液(それぞれ実施例1〜3)を調
製した。
【0062】比較例1 実施例1〜3において、デキストラン硫酸水溶液の代わ
りに蒸留水を用いた他は、同様に調製した。
【0063】調製例1 特異的結合体の作製 1)水分散性高分子粒子懸濁液の作製 スチレン50g、アクリル酸0.5g、トリエチレング
リコールジメタクリレート0.2g、蒸留水440gか
らなる混合液を窒素ガス雰囲気下で75℃に維持、攪拌
しながら、重合開始剤としての過硫酸カリウム0.25
gを蒸留水10gに溶解した水溶液を加え、10時間重
合を行った。その結果、カルボキシル化された水分散型
高分子粒子としてカルボキシル化ポリスチレンラテック
ス粒子(平均粒子径:約0.2μm)を得た。得られた
カルボキシル化ポリスチレンラテックス粒子を0.01
M−ホウ酸緩衝液(pH8.2)に固形分濃度が5重量
%になるように分散した。
【0064】2)固定化 前記1)で得たラテックス粒子懸濁液3mlに、水溶性
カルボジイミド〔DOJIN 社製、1−エチル−3−(3−
ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、10
mg/ml、0.01M−ホウ酸緩衝液(pH8.
2)〕0.5ml、ヤギ抗大腸菌O157:H7ポリク
ロナール抗体〔Kirkegaard & Perry Laboratories Inc.
社製、1mg/ml、0.01M−ホウ酸緩衝液(pH
8.2)〕2mlを加えて10℃で3時間反応させた
後、洗浄液として0.01M−ホウ酸緩衝液pH8.2
を用いて遠心分離洗浄を行った。同緩衝液で固形分濃度
5重量%に調整し、抗体固定化ラテックス粒子の分散液
を得た。
【0065】ついで、上記で作製した、抗体固定化ラテ
ックス粒子の分散液3mlに、水溶性カルボジイミド
(DOJIN 社製、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノ
プロピル)カルボジイミド塩酸塩、10mg/ml、
0.01M−ホウ酸緩衝液pH8.2)1ml、西洋ワ
サビ由来ペルオキシダーゼ〔以下HRPと略す;オリエ
ンタル酵母社製、12mg/ml、0.01M−ホウ酸
緩衝液(pH8.2)〕2mlを加えて10℃で3時間
反応させたのち、洗浄液として0.01M−ホウ酸緩衝
液(pH8.2)を用いて遠心分離洗浄を行い、同緩衝
液で固形分濃度2重量%に調整し、HRPおよび抗体を
固定化した特異的結合体の分散液を得た。
【0066】特異的結合体について、抗体(分子量約1
6万)の固定量は11.1mg、酵素(分子量約4万)
の固定量は17.3mgであった。また、この結果より
抗体1分子あたりの酵素数を算出すると、6.2分子で
あった。また、特異的結合体ペルオキシダーゼ活性は、
580nmにおける吸光度を1分間に1上昇させる活性
を1U(ユニット)と定義して、ラテックス粒子の乾燥
重量1gあたり85230Uであった。
【0067】調製例2:免疫クロマトグラフ型試験片の
作製 ニトロセルロースメンブレン(孔径8μm、6mm×6
0mm)の一端から30mmの箇所にヤギ抗大腸菌O1
57:H7抗体(1mg/ml、リン酸緩衝液pH7.
2)を1.5μl、ディスペンサーを用いてライン状
(幅1mm)に塗布した(固定相)。
【0068】このメンブレンをウシ血清アルブミン(オ
リエンタル酵母社製、1重量%)およびプライサーフ
(和光純薬工業社製、0.1重量%)、サッカロース
(和光純薬工業社製、1重量%)からなる水溶液中に1
0分間浸漬させてのち、40℃で2時間乾燥させた。次
いで、このメンブレンの裏側(抗体塗布面の反対側)に
ポリエステルフィルム(100μm厚)をスプレー糊を
用いて貼り合わせた。
【0069】抗体塗布箇所から24〜30mmの箇所に
ポリエステル製不織布(6mm×6mm、厚さ1mm)
を貼り合わせ、試料受領部を作製した。また、抗体塗布
箇所の上流側5〜11mmの箇所にポリエステル製不織
布(6mm×6mm、厚さ1mm)を貼り合わせ、発色
基質溶液受領部を作製した。
【0070】さらに、抗体塗布箇所の下流側10〜30
mmの箇所にガラス繊維製吸水材(15mm×30m
m、厚さ1mm)を貼り合わせた。
【0071】実験例 市販のO157:H7陽性コントロール(KPL 社製)を
0.01M−ホウ酸緩衝液(pH8.2)中、0(対
照)、104 または105 細胞/mlの濃度になるよう
に添加し、被検液を調製した。
【0072】前記各被検液100μlに、それぞれ特異
的結合体が0.06重量%となるように、調製例1で得
た特異的結合体の分散液を混合した。得られた各混合液
60μlを、調製例2で得た試験片の試料受領部にそれ
ぞれ供し、5分間展開した。ついで、洗浄用緩衝液〔組
成:0.2M−塩化アンモニウム緩衝液+0.9重量%
NaCl(pH8.2)〕60μlを試料受領部に供し
た。5分間展開させた後、各試験片のそれぞれの発色基
質溶液受領部に実施例1〜3および比較例1で調製した
発色基質溶液60μlを供し、15分間展開させた。展
開後、それぞれの試験片の固定相における発色の有無
と、固定相以外の場所(バックグランド)での色素の拡
散の度合いを目視観察した。結果を表1〜4に示す。な
お、判定基準は、以下の通りである。
【0073】+:固定相に発色が見られる −:固定相に発色が見られない
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
【表3】
【0077】
【表4】
【0078】表1〜3に示すように、平均分子量50
0,000、10,000または5,000のデキスト
ラン硫酸を用いた場合、バックグラウンドにおける色素
拡散が観察されず、検出感度も良好であった。また、平
均分子量が大きいデキストラン硫酸を用いた場合ほど検
出感度が向上した。
【0079】一方、デキストラン硫酸無添加の場合(表
4)、検出感度は低く、バックグランドにおける色素拡
散が観察された。
【0080】
【発明の効果】本発明の免疫クロマトグラフ測定法によ
れば、ペルオキシダーゼを使用する酵素免疫測定におい
て、デキストラン硫酸の存在下にペルオキシダーゼを反
応させることにより、該ペルオキシダーゼの反応により
生成した色素が、液体成分の展開により拡散することが
ないため、固定相において明瞭な発色ラインを形成する
ことができ、判定が容易になるという優れた効果を奏す
る。また、本発明の発色基質溶液は、デキストラン硫酸
を含有しているため、本発明の免疫クロマトグラフ測定
法に有用であり、判定が容易になるという優れた効果を
奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 雜賀 健 大阪府茨木市下穂積1−1−2 日東電工 株式会社内 (72)発明者 千田 修治 大阪府茨木市下穂積1−1−2 日東電工 株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペルオキシダーゼを使用する酵素免疫測
    定において、デキストラン硫酸の存在下にペルオキシダ
    ーゼを反応させることを特徴とする免疫クロマトグラフ
    法。
  2. 【請求項2】 デキストラン硫酸を含有してなる発色基
    質溶液。
  3. 【請求項3】 発色基質がベンジジン誘導体および過酸
    化水素である請求項2記載の発色基質溶液。
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