JP2001074713A - タンク検査装置 - Google Patents

タンク検査装置

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JP2001074713A
JP2001074713A JP25391299A JP25391299A JP2001074713A JP 2001074713 A JP2001074713 A JP 2001074713A JP 25391299 A JP25391299 A JP 25391299A JP 25391299 A JP25391299 A JP 25391299A JP 2001074713 A JP2001074713 A JP 2001074713A
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bottom plate
tire
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side plate
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JP25391299A
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Koji Yamada
浩司 山田
Hiroyasu Ide
裕恭 井出
Toshiaki Fujita
利明 藤田
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Japan Techno Mate Corp
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Japan Techno Mate Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タンク内の石油等の内容物を抜き取ることな
く、簡単な方法でタンク外面からタンクの底板及び側板
の検査をすることのできるタンク検査装置を提供する。 【解決手段】 計測・制御装置24を有する装置本体2
3と、装置本体23に取り付けられた伸縮保持手段25
と、伸縮保持手段25に保持されたタイヤ型超音波探触
子27と、装置本体23をタンクの側板又は底板に設置
した走行レールに沿って移動させる移動手段とを備え、
計測・制御装置24は、タイヤ型超音波探触子27の信
号に基づいて減肉部の検出を行う超音波探傷器24c
と、装置本体23の移動距離を検出する距離計24a
と、距離計24a及び超音波探傷器24cの信号を入力
して減肉部の位置を特定する演算制御手段24dと、演
算制御手段24dの演算結果を記憶する記憶手段24e
とを備えてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波を用いた非
破壊検査技術に関し、特に石油タンク等のタンク底板及
び側板の減肉を検査するタンク検査装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】石油タンク等の危険物を貯蔵する屋外設
置タンクにおいては、地震防災対策等のため点検が義務
付けられている。図16はこのような石油タンクの下部
の断面図であり、図において、11はタンクの側板、1
3は底板(本明細書において底板というときはアニュラ
板を含む)、15は側板11と底板13の溶接部であ
る。そして、上記のような構造の石油タンクでは、タン
ク外周部からの水分と酸素の補給が容易であることに起
因して側板11の下部及び底板(特にアニュラ板)13
に腐食が多く生ずる傾向にあることが広く認められてい
る。このようなことから、側板11及び底板13溶接部
の非破壊検査と底板13の板厚計測(腐食管理)を主と
する開放検査制度(開放周期10年に1回または5年に
1回)が導入されている。
【0003】そして従来、石油タンク等の開放検査時等
に実施するタンク底板の検査には、次のような方法が用
いられていた。 (1)最も一般的なものとしては、人間による手探傷に
よる方法である。 (2)また、漏洩磁束法を利用した装置を用いて、板厚
を測定することにより、腐蝕等を発見する方法もある。 (3)また、複数の超音波探触子を利用したタンク底板
自動肉厚測定装置を用いる方法がある(例えば、特許第
1760891号)。これは測定時に探触子を被測定表
面に押し当てコーティング樹脂の上から板厚を測り、計
測終了後は探触子を持ち上げて次の測定個所に装置が移
動するという動作を繰り返し、板厚を測定するというも
のである。
【0004】図17は上記のような方法により、開放検
査を行う場合の作業工程のフローチャートである。図1
7に基づいて、作業工程を概説する。まず、検査対象タ
ンクの内容物を移設して、マンホールを開放する。そし
て、タンク内残留スラッジを除去し、さらにタンク底板
表面のクリーニングを行う。その後、人手による場合に
は、人手によって板厚を測定し、不良個所のマーキング
と記録を行う。また、自動機による場合には、自動(半
自動)検査装置をタンクの内部に搬入し、組み立てを行
う。そして、この装置による自動板厚測定、自動マーキ
ング・自動記録を実施し、終了後には解体と搬出を行
う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法はいずれも
開放検査であり、開放検査を実施するためには、内部の
石油を抜き取り、底板表面に残存した土砂、水を除去す
る必要があり、大変な労力を要するものであった。
【0006】本発明はかかる課題を解決するためになさ
れたものであり、従来の開放検査のごとく石油等の内容
物を抜き取る必要がなく、タンク外面から簡単な方法で
タンクの底板及び側板の検査をすることのできる装置を
提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るタンク検査
装置は、計測・制御装置を有する装置本体と、該装置本
体に取り付けられた伸縮保持手段と、該伸縮保持手段に
保持されたタイヤ型超音波探触子と、前記装置本体をタ
ンクの側板又は底板に設置した走行レールに沿って移動
させる移動手段とを備え、前記計測・制御装置は、前記
タイヤ型超音波探触子の信号に基づいて減肉部の検出を
行う超音波探傷器と、前記装置本体の移動距離を検出す
る距離計と、該距離計及び前記超音波探傷器の信号を入
力して減肉部の位置を特定する演算制御手段と、該演算
制御手段の演算結果を記憶する記憶手段とを備えてなる
ものである。
【0008】また、前記移動手段に代えて、タンクの側
板又は底板に吸着しながら回転して前記装置本体を移動
させるマグネット磁輪を備えたものである。
【0009】また、前記タイヤ型超音波探触子の振動子
をアレイ型にしたことを特徴とするものである。
【0010】また、前記演算制御手段の制御信号に基づ
いてタンクにマーキングをするマーカーを備え、前記演
算制御手段は前記超音波探傷器の信号に基づいて減肉部
の検出をしたと判断したときに、前記マーカーにマーキ
ングの指示する制御信号を送出することを特徴とするも
のである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は超音波探触子を用いた斜
角探傷により、石油タンク等の側板、底板の検査を行う
装置に関するものである。そこで、実施の形態の説明の
前提として、超音波斜角探傷の概説及び発明に至る経緯
を説明する。図14は斜角探傷の原理を説明する説明図
であり、1は鋼板2の上下面に塗膜3を施した被検査
体、5は被検査体1上に設置された超音波探触子であ
る。
【0012】斜角探傷による検査方法は、超音波探触子
5から高出力の超音波を、被検査体1に斜めに入射する
ことにより、腐食などによる減肉部6からの反射を検知
し、反射強度の評価曲線により減肉部の深さを評価する
というものである。
【0013】しかしながら、石油タンク等における底板
検査をタンク外面から行う場合、超音波探触子を底板に
おける外側延出部に設置して、タンクの内方に向けて超
音波を入射することになるが、この場合には、つぎのよ
うな問題がある。すなわち、超音波ビームには一定の広
がりがあること、及び超音波は底板と側板との溶接部を
伝播することから、入射角度が不適当な場合には、図1
5に示すように、超音波ビームの一部は溶接部15を介
して側板11に伝播し、他の一部は底板13に伝播する
ことになる。このような場合には、例え減肉部からの反
射波を検知したとしても、それが側板11からのものか
底板13のものかを特定することができない。
【0014】そこで、本発明においては、超音波探触子
の位置及び超音波の入射角度(屈折角)を所定値に設定
すると共に、この所定値を維持しながらタンクの全周に
亘って連続移動できるようにすることによって、タンク
底板又は側板の全周に亘る探傷を迅速にできるようにし
たものである。以下、具体的な実施の形態について説明
する。
【0015】実施の形態1.図1、図2は本発明の実施
の形態1の説明図であり、図1は断面図、図2は正面図
を示している。なお、図1,2において図16と同一部
分には同一の符号を付している。また、図の左方がタン
クの外面側である。図において、21はタンクの側板1
1の下部にタンク全周に亘って設置された走行レール、
23は後述の計測・制御装置を有する装置本体である。
装置本体23は、図示しない移動手段を介して走行レー
ル21に沿って移動できるように構成されている。25
は後述のタイヤ型超音波探触子を保持する例えばエアシ
リンダからなる伸縮式の保持具、27は保持具25に取
り付けられたタイヤ型超音波探触子である。
【0016】各部の詳細を説明する。図3は装置本体2
3の内部に設置された計測・制御装置24の説明図であ
る。計測・制御装置24は、開始地点からの距離を検出
する距離計24a、減肉部が検出された位置を底板にマ
ーキングするマーカー24b、タイヤ型超音波探触子2
7の信号に基づいて減肉部を検出する超音波探傷器24
c、マーカー24bを制御するとともに距離計24a及
び超音波探傷装置24cの情報に基づいて減肉部の位置
を演算する演算制御手段24d、演算制御手段24dの
演算結果を記憶する記憶手段24eを備えている。な
お、演算制御手段24d及び記憶手段24eはパソコン
によって実現される。
【0017】マーカー24bは、例えば、ペンキを入れ
たボンベと電磁弁とを備えてなり、演算制御手段24d
の制御信号に基づいて電磁弁を開閉することによって底
板13にペンキを噴射してマーキングする。なお、マー
カー24bの他の構成としては、例えばマーキングペン
と、マーキングペンを回動させる手段からなり、演算制
御手段24dの制御信号に基づいてマーキングペンを回
動させて底板13にマーキングするようなものでもよ
い。
【0018】演算制御手段24dは、超音波探傷器24
cからしきい値を超えた反射波の信号、距離計24aの
距離情報、及び反射信号を送信してから戻るまでの時間
を入力して、これらの情報に基づいて減肉部の位置を特
定する。そして、減肉部が検出されるとその情報に基づ
いてマーカー24bを駆動して底板にマーキングする。
また、記憶手段24eは、演算制御手段24dで演算さ
れた減肉部の位置情報を記憶する。
【0019】なお、底板13の外縁部の面積が小さいた
めにタイヤ型超音波探触子27とほぼ同位置にマーカー
24bを設置できない場合には、タイヤ型超音波探触子
27に対して進行方向に一定距離だけ後方に設置して、
減肉部が検出された後、距離計24aの情報に基づいて
一定距離(タイヤ型超音波探触子27とマーカー24b
の位置づれ量)だけ進んだ地点でマーキングするように
すればよい。
【0020】次に、タイヤ型探触子27について説明す
る。タイヤ型超音波探触子27は、図4に示すように、
一対の固定軸29と、一対の固定軸29の間に取り付け
られた振動子31と、振動子31を囲むように一対の固
定軸29に軸受33を介して、回転自在に取り付けられ
たタイヤ35と、振動子31とタイヤ35との間に充填
された水や油等の接触媒体37とを備えて構成されてい
る。
【0021】上記のように構成されたタイヤ型超音波探
触子27においては、振動子31から超音波を底板に向
けて発信させると、超音波は接触媒体37及びタイヤ3
5を伝播し、その後底板を伝播し、減肉部が存在すれ
ば、反射エコーは往路と同経路で再び振動子31に入射
する。そして、タイヤ型超音波探触子27を連続的に移
動することにより、石油タンクの底板に存在する減肉部
を連続的に検出することができる。
【0022】次に、タイヤ型超音波探触子27の底板上
における配置について説明する。本実施の形態において
は、底板13の外縁部にタイヤ型超音波探触子27を設
置すると共に、タイヤ型超音波探触子27から発信され
る超音波ビームが側板11と底板13との溶接部15を
跨いで伝播するように、タイヤ型超音波探触子27の設
置位置及び超音波の入射角を設定している。
【0023】さらに、具体的に説明する。超音波ビーム
は一定の広がりをもって進行するが、この超音波ビーム
の中心が垂直線と成す角度を屈折角という。いま、この
屈折角をθとし、ビーム強度がピークの半分(-6dB)に
なる角度をθ1,θ2とする(図5参照)。そして、図6
に示すように、底板13の厚みをt、側板11の内面側
位置とタイヤ型超音波探触子27の発信位置との水平距
離をL、側板11の内面側と底板13の溶接部15にお
けるタンク内面側への延出幅をWとする。このとき、ta
1=(L+W)/(2t)となるように、タイヤ型超
音波送探触子27の発信位置及びθ1の値を設定する。
このように設定することにより、図7に示すように、超
音波ビームは底板13のみを伝播し、側板11側へ伝播
することがない。したがって、反射波を検知することに
より底板13における減肉部を特定することができ、タ
ンクを開放することなく、タンク外面から超音波探傷を
実施することができるのである。
【0024】次に、上記のように構成した本実施の形態
の動作を説明する。走行レール21をタンクの側板11
の周囲に設置して、装置本体23を移動手段を介して走
行レール21の開始地点に設置する。このとき、タイヤ
型超音波探触子27を、前述した図6に示すような配置
に設定する。この配置関係の調整のために、装置本体側
と走行レール21との間に位置調整手段を設けるとよ
い。
【0025】装置本体23の設置が終わると、距離計2
4aの原点を設定する。走行を開始すると共に、探傷を
開始する。演算制御手段24dは超音波探傷器24cか
ら送信される反射エコーの有無及び大きさ、反射に要す
る時間、距離計24aの情報に基づいて、減肉部の有無
及び位置を特定すると共に記憶手段24eに記憶させ
る。そして、減肉部が検出されると、マーカー24bに
指示してマーキングを行う。なお、マーカー24bの設
置位置がタイヤ型超音波探触子27によりも後方に設置
されている場合には、減肉部検出から一定距離だけ進ん
だ時にマーキングするようにすることで、ちょうど減肉
部の検出箇所にマーキングできる。
【0026】上記のような動作により、タンクを一周す
ることで底板13の減肉部を迅速に検出することができ
る。そして、マーキングされた箇所については、再度入
念な検査を行うことでより検査精度を高めることができ
る。以上のように、本実施の形態によれば、タンクの底
板13を全周に亘って、迅速に検査することができる。
【0027】なお、上記の具体例においては、タイヤ型
超音波探触子27から発射された超音波が、まず底板1
3の下面側で反射して、この反射波が外側溶接部及び内
側溶接部の両方を跨ぐようにしたものであるが、タイヤ
型超音波探触子27の配置はこれに限るものではなく、
要するに超音波が溶接部に入射しないで溶接部を跨いで
伝播するように配置すればよい。
【0028】他の設置例としては、例えば、図8に示す
ように、タイヤ型超音波探触子27から発射された超音
波が、まず底板13の下面側で反射して、この反射波が
側板11と底板13との接合面(溶接部を除く)で反射
するようにしてもよい。また、図9に示すように、タイ
ヤ型超音波探触子27から発射された超音波が、まず底
板13の下面側で反射して、この反射波が側板11と底
板13との接合部の手前で反射して両溶接部15を跨い
で伝播するようにしてもよい。なお、図8、図9におい
て一定の幅を有する超音波ビームを一本の線で表現して
いる。
【0029】また、上記の実施の形態1においては、タ
イヤ型超音波探触子27を底板13側に設置して底板1
3の減肉部を検査するようにしたが、タイヤ型超音波探
触子27を側板11側に設置して側板11の減肉部を検
査するこもできることは言うまでもない。
【0030】また、永久磁石を取り付けた走行体と励磁
コイルを固定した走行レールとからなるリニアモータを
タンク円周に設け、前記走行体に装置本体23を取り付
けることにより、防爆型のタンク検査装置を実現するこ
とができる。
【0031】実施の形態2.実施の形態1においては、
タイヤ型超音波探触子27を底板13又は側板11に設
置して、それぞれにおける減肉部を個別に検査する例を
示した。この実施の形態2においては、タイヤ型超音波
探触子の振動子として微小振動子を多数配列したアレイ
型振動子を用い、このタイヤ型超音波探触子をタンクの
側板の下部外周面に配置して、側板及び底板内側部の同
時検査できるようにしたものである。なお、アレイ型振
動子は、微小な振動子群から異なったタイミングで超音
波を発生させることによって、合成波面を形成し、超音
波ビームを収束させることができるものである。
【0032】前述したように、底板13と側板11との
接合面においては、超音波は伝播せずに反射してしまう
が、溶接部15では超音波が伝播する(図15参照)。
そこで、本実施の形態2においては、側板11の下部外
周面に設置したタイヤ型超音波探触子27から超音波
を、側板11と底板13の接合部における内側の溶接部
を通過させるようにしたものである。このようにするこ
とによって、超音波は側板11から溶接部を通過して底
板13側に伝播して、側板11及び底板13の探傷を行
うことができる。
【0033】図10は、実施の形態2を説明する説明図
であり、図において、図1と同一部分には同一の符号を
付しているが、側板11と底板13の溶接部15のう
ち、内側の部分を溶接部15aと表し、外側の部分を溶
接部15bと表している。また、装置本体23を走行レ
ール21に移動可能に保持させる手段として保持用アー
ム24を用い、保持用アーム24と走行レール21との
係合部に図示しない移動手段が設けられている。また、
図中、θは超音波の屈折角、tは側板11の厚み、L1
は側板11の内面下端位置と超音波探触子の発信位置と
の垂直距離である。
【0034】本実施の形態においては、tanθ1=L1
(3t)となるように、超音波送探触子の発信位置及び
θ1の値を設定し、さらに超音波探触子5から発射され
た超音波が、溶接部15aの位置に収束するように焦点
調整をする。
【0035】上記のように設定及び焦点調整することに
より、図10に示すように、タイヤ型超音波探触子27
から発信された超音波26(一定の幅を有する超音波ビ
ームを一本の線で表現している。)は、側板11を伝播
し、内側の溶接部15aを通過して、それ以降は底板1
3の内側部分を伝播する。そして、側板11又は底板1
3に減肉部があれば、そこで反射して前記と同様の経路
でタイヤ型超音波探触子27に入射する。このようにし
て、側板11及び底板13の内側部分を同時に検査する
ことができるのである。なお、装置本体23の動作につ
いては実施の形態1と同様である。
【0036】実施の形態3.本実施の形態3は側板11
と底板13の外縁部とを同時に検査できるようにしたも
のである。なお、タイヤ型超音波探触子27の振動子と
して微小振動子を多数配列したアレイ型を用いる点は実
施の形態2と同様である。
【0037】図11は、実施の形態3を説明する説明図
であり、タイヤ型超音波探触子27の配置関係の一例を
示したものである。図において、図10と同一部分には
同一の符号を付している。また、屈折角をθ、側板11
の厚みをt、側板11の外面下端位置とタイヤ型超音波
探触子27の発信位置との垂直距離をL2と表記してい
る。そして、本実施の形態においては、tanθ=L2
(2t)となるように、タイヤ型超音波送探触子27の
発信位置及びθの値を設定し、さらにタイヤ型超音波探
触子27から発射された超音波が、溶接部15bの位置
に収束するように焦点調整をする。
【0038】上記のように設定することにより、図11
に示すように、タイヤ型超音波探触子27から発信され
た超音波6は、側板11を伝播し、外側の溶接部15b
を通過して、それ以降は底板13の外縁部を伝播する。
そして、側板11又は底板13に減肉部があれば、そこ
で反射して前記と同様の経路でタイヤ型超音波探触子2
7に入射する。このようにして、側板11及び底板13
の外縁部を同時に検査することができるのである。
【0039】実施の形態4.図12、図13は本発明の
実施の形態4の説明図であり、図12は断面図、図13
は正面図を示している。図12、図13において、図1
と同一部分には同一の符号を付している。実施の形態1
においては、タイヤ型超音波探触子27を一定の位置に
保持しながらタンクの周囲を移動させる手段として走行
レール21を用いたが、本実施の形態4においては、走
行レール21に代えて、マグネット磁輪41を用いたも
のである。
【0040】マグネット磁輪41は永久磁石からなりタ
ンクの側面に吸着すると共に、図示しない駆動機構によ
り回転して装置本体23をタンクの側板11に沿って移
動させる。なお、移動中に若干の上下動があったとして
も、保持具25の伸縮によって吸収され、タイヤ型超音
波探触子21を底板13に密着させて移動することがで
きる。
【0041】本実施の形態によれば、タンクの側板11
に走行レールを設ける必要がないので、設備が簡略化で
きる。
【0042】なお、装置本体23に、装置本体23と底
板13との距離を測定する距離測定センサを設置し、こ
の距離測定センサの検出値に基づいて、マグネット磁輪
41の方向を制御することで、装置本体23の高さ位置
を一定に保持することができ、ひいてはタイヤ型超音波
探触子21の高さ位置をより確実に一定に保持させるこ
とができる。
【0043】
【実施例】上記実施の形態1で説明した方法により、実
際の石油タンクの減肉検査を実施した結果を下記に記
す。 1.超音波探触子の仕様 振動子:20mm×20mm 周波数:2MHZ 屈折角:70度 2.タンク仕様 底板の板厚:9mm 側板の板厚:12mm 3.測定結果 底板の外縁部に超音波探触子を設置し、底板の減肉を検
査した。厚膜の塗装が施されていても、最も小さい深さ
が約0.5mmの減肉まで検出することができた。また、超
音波探触子と減肉部との距離が600mmまで、前記約0.
5mmの減肉を検出することができた。なお、消防危第1
69号によれば屋外タンクの底板検査としては、側板内
面から500mmまでの範囲を100mm間隔の格子点ごと
に検査することとしており、上記のように600mmの範
囲まで測定が可能である本方法はタンクの底板検査に有
用であることが実証できた。また、反射エコーの減衰曲
線を利用して、減肉深さを推定することができ、実測値
との誤差は±1mm程度であり、有用であることを確認し
た。
【0044】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、次のような効果を奏する。
【0045】計測・制御装置を有する装置本体と、該装
置本体に取り付けられた伸縮保持手段と、該伸縮保持手
段に保持されたタイヤ型超音波探触子と、前記装置本体
をタンクの側板又は底板に設置した走行レールに沿って
移動させる移動手段とを備え、前記計測・制御装置は、
前記タイヤ型超音波探触子の信号に基づいて減肉部の検
出を行う超音波探傷器と、前記装置本体の移動距離を検
出する距離計と、該距離計及び前記超音波探傷器の信号
を入力して減肉部の位置を特定する演算制御手段と、該
演算制御手段の演算結果を記憶する記憶手段とを備えた
ことにより、石油等の内容物を抜き取ることなく、簡単
な方法でタンク外面からタンクの底板又は側板の検査を
迅速に行うことができる。
【0046】また、タンクの側板又は底板に吸着しなが
ら回転して前記装置本体を移動させるマグネット磁輪を
備えたことにより、走行レールが不要となり、設備を簡
略化できる。
【0047】さらに、タイヤ型超音波探触子の振動子を
アレイ型にしたことにより、タイヤ型超音波探触子から
発信される超音波がタンクの側板と底板との溶接部のみ
を通過させることが可能となり、タンクの外面からタン
クの側板及び底板を同時に検査することができる。
【0048】また、演算制御手段の制御信号に基づいて
タンクにマーキングをするマーカーを備え、前記演算制
御手段は前記超音波探傷器の信号に基づいて減肉部の検
出をしたと判断したときに、前記マーカーにマーキング
の指示する制御信号を送出するようにしたので、減肉部
の位置を視覚で確認でき、再度精密検査することが可能
となり、検査精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の説明図(側面図)で
ある。
【図2】 本発明の実施の形態1の説明図(正面図)で
ある。
【図3】 本発明の実施の形態1の計測・制御装置の説
明図である。
【図4】 本発明の実施の形態1のタイヤ型超音波探触
子の説明図である。
【図5】 本発明の実施の形態1の超音波の屈折角の説
明図である。
【図6】 本発明の実施の形態1のタイヤ型超音波探触
子の配置関係の説明図である。
【図7】 本発明の実施の形態1の超音波の伝播状態の
説明図である。
【図8】 本発明の実施の形態1の他の態様の説明図で
ある。
【図9】 本発明の実施の形態1の他の態様の説明図で
ある。
【図10】 本発明の実施の形態2の説明図(側面図)
である。
【図11】 本発明の実施の形態3のタイヤ型超音波探
触子の配置関係の説明図である。
【図12】 本発明の実施の形態4の説明図(側面図)
である。
【図13】 本発明の実施の形態4の説明図(正面図)
である。
【図14】 本発明の原理を説明する説明図である。
【図15】 本発明の背景を説明する説明図である。
【図16】 屋外型石油タンクの一部断面図である。
【図17】 従来の石油タンクの検査方法を説明するフ
ローチャートである。
【符号の説明】
11 側板 13 底板 15 溶接部 21 走行レール 23 装置本体 25 保持具 27 タイヤ型超音波探触子
フロントページの続き (72)発明者 井出 裕恭 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 藤田 利明 三重県津市雲出伊倉津町字14割1187 株式 会社ジャパンテクノメイト内 Fターム(参考) 2F068 AA03 AA28 CC09 CC15 FF12 FF15 FF17 KK12 LL04 NN02 2G047 AA07 AB04 AB07 AC12 AD11 BC11 EA09 EA12 GA19 GB02 GB04 GG19 GJ02 GJ07 GJ14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 計測・制御装置を有する装置本体と、該
    装置本体に取り付けられた伸縮保持手段と、該伸縮保持
    手段に保持されたタイヤ型超音波探触子と、前記装置本
    体をタンクの側板又は底板に設置した走行レールに沿っ
    て移動させる移動手段とを備え、 前記計測・制御装置は、前記タイヤ型超音波探触子の信
    号に基づいて減肉部の検出を行う超音波探傷器と、前記
    装置本体の移動距離を検出する距離計と、該距離計及び
    前記超音波探傷器の信号を入力して減肉部の位置を特定
    する演算制御手段と、該演算制御手段の演算結果を記憶
    する記憶手段とを備えてなることを特徴とするタンク検
    査装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のタンク検査装置におい
    て、前記移動手段に代えて、タンクの側板又は底板に吸
    着しながら回転して前記装置本体を移動させるマグネッ
    ト磁輪を備えたことを特徴とするタンク検査装置。
  3. 【請求項3】 前記タイヤ型超音波探触子の振動子をア
    レイ型にしたことを特徴とする請求項1又は2記載のタ
    ンク検査装置。
  4. 【請求項4】 前記演算制御手段の制御信号に基づいて
    タンクにマーキングをするマーカーを備え、前記演算制
    御手段は前記超音波探傷器の信号に基づいて減肉部の検
    出をしたと判断したときに、前記マーカーにマーキング
    の指示する制御信号を送出することを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載のタンク検査装置。
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