JP2001073786A - 負圧アクチュエータの制御装置 - Google Patents

負圧アクチュエータの制御装置

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JP2001073786A
JP2001073786A JP24371899A JP24371899A JP2001073786A JP 2001073786 A JP2001073786 A JP 2001073786A JP 24371899 A JP24371899 A JP 24371899A JP 24371899 A JP24371899 A JP 24371899A JP 2001073786 A JP2001073786 A JP 2001073786A
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negative pressure
vgt
control
pressure
engine
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JP24371899A
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English (en)
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Kota Matsue
浩太 松江
Takeshi Imai
猛 今井
Hiroshi Ebino
弘 海老野
Masatoshi Shoji
正敏 小路
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過給機のタービンに対するノズル開度を制御
して過給効率を制御する負圧作動式のアクチュエータ
に、デューティ率に応じた制御負圧を生成して供給する
電磁弁の個体差や経年変化に起因する上記制御負圧のバ
ラつき、ひいては過給効率のバラつきの問題を是正する
ことを課題とする。 【解決手段】 電磁弁37はコントロールユニット10
0からのデューティ率信号に応じた負圧を生成し、負圧
通路36を介して負圧アクチュエータ30に供給する。
負圧アクチュエータ30は供給された負圧の程度に応じ
て過給機20の可動ベーン24を駆動してノズル開度を
制御し、過給圧を調整する。出力変動の少ないアイドル
時、コントロールユニット100は複数の所定デューテ
ィ率を電磁弁37に印加し、そのとき負圧センサ83で
検出した負圧通路36内の負圧と基準負圧との誤差を算
出し、その誤差分を補正してデューティ率を設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は負圧アクチュエータ
の制御装置、より詳しくは、負圧アクチュエータに供給
する制御負圧を生成する電磁弁を学習補正する技術分野
に属する。
【0002】
【従来の技術】燃焼室から排出される排気ガスの流動の
エネルギーを利用して、燃焼室へ供給される空気量の増
大を図る過給機は、一般に、排気通路に排気ガスの流動
を受けて回転駆動されるタービンを配置し、また吸気通
路に該タービンによって回転駆動されるブロワを配置し
た構成で、吸入空気と燃料との混合を促進し、酸素利用
率を上げて燃焼効率を向上させることから、特に、エミ
ッション対策としてディーゼルエンジン等に広く搭載さ
れる。
【0003】近年では、例えば特開平10−77856
号公報に開示されるように、タービン入口に傾きが可変
とされた可動ベーンを備え、該ベーンで形成されるノズ
ルの開度を調整可能としたタービン効率可変型の過給機
(バリアブル・ジオメトリ・ターボチャージャ:VG
T)が広く採用されるに至っている。この過給機では、
タービンに対するノズルの開度を調整することにより、
タービン効率を連続的に変化させて、吸気通路内に生成
される過給圧を運転状態に応じて制御し、もってエンジ
ン制御を行なうことが可能となる。
【0004】例えば、エンジン回転数やエンジン負荷等
のエンジンの運転状態に応じて過給圧の目標値を設定
し、上記タービンに対するノズルの開度を調整すること
により、吸気通路内の過給圧を上記目標過給圧にフィー
ドバック制御することが可能となる。これによれば、吸
気通路内の実過給圧を精度よく理想的な最適過給圧に制
御することができ、良好な加速性と、NOx対策との両
立を図ること等が可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報に
は、可動ベーンの傾きを変化させ、ノズルの開度を制御
するものとして、負圧作動式のアクチュエータが開示さ
れている。この負圧アクチュエータは、例えばダイヤフ
ラムに接続されたロッドを負圧の給排を受けて進退させ
ることにより、該ロッドの先端に連結されたリングを所
定の方向に回動させ、これにより、可動ベーンの傾きを
一斉に変化させるように構成されている。
【0006】そして、この負圧アクチュエータと、負圧
源であるバキュームポンプとの間に負圧通路が設けら
れ、該負圧通路に、可変絞りとして、例えばデューティ
ソレノイドバルブを配設して、該バルブに印可するデュ
ーティ率信号を制御する。これにより、そのデューティ
率に応じた値の負圧が上記バルブによって生成され、該
負圧が負圧通路を介して負圧アクチュエータに供給され
る。その結果、その負圧の供給を受けた負圧アクチュエ
ータが該負圧に応じた量だけ過給機のノズルの開度を増
減制御する。
【0007】このようなシステムの場合、デューティソ
レノイドバルブで生成され、負圧通路を介して負圧アク
チュエータに供給される制御負圧と、該制御負圧に応じ
て変化する過給機のノズルの開度、ないし過給機で生成
される過給圧との間には、間接的ではあるが相関関係が
ある。したがって、そもそもデューティソレノイドバル
ブに印可するデューティ率が誤っていたり、デューティ
ソレノイドバルブで生成される制御負圧が誤差を含んで
いたりすると、結果的に、過給機のノズル開度がバラつ
き、過給圧のフィードバック制御の信頼性が低下するこ
とになる。
【0008】しかしながら、デューティ率の算出が誤っ
ていなくても、デューティソレノイドバルブ自体の固体
差、あるいは経年変化等に起因して、同じデューティ率
を印可しても、該バルブで生成され、負圧アクチュエー
タに供給される制御負圧が一定しないという不具合が生
じる。このような問題は、上記のようなタービン効率可
変型の過給機における可動ベーンないし可変ノズル駆動
用の負圧アクチュエータのみならず、例えば、エンジン
の燃焼状態を制御するスワール用の負圧アクチュエータ
等においても同様に生じる問題である。
【0009】そこで、本発明は、印加された制御信号に
応じた負圧を電磁弁で生成し、その電磁弁で生成した負
圧を負圧アクチュエータに供給するように構成された負
圧アクチュエータの制御装置における上記不具合に対処
するもので、上記電磁弁による負圧生成のバラつきに起
因する問題を解消することを課題とする。以下、その他
の課題を含め、本発明を詳しく説明する。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、上記課題を解
決するため、本願の特許請求の範囲における請求項1に
記載の発明は、少なくともエンジンの吸入空気量を含む
エンジン制御に関連する変数を制御する変数制御手段を
備えると共に、印加された制御信号に応じた負圧を生成
する電磁弁と、該電磁弁で生成された負圧の供給を受け
て、該負圧に応じた量だけ上記変数制御手段を駆動する
負圧アクチュエータとを有する負圧アクチュエータの制
御装置であって、上記電磁弁で生成された負圧を検出す
る負圧検出手段と、上記電磁弁に所定の制御信号を印加
したときに上記検出手段で検出される実負圧と上記検出
手段で検出されるべき基準負圧との間の誤差を検出する
誤差検出手段と、該誤差検出手段により検出された誤差
に基いて、上記電磁弁に印可する制御信号を補正する補
正手段とが備えられていることを特徴とする。
【0011】これによれば、負圧アクチュエータに供給
する制御負圧を生成する電磁弁に、予め決められた所定
の制御信号を出力、印加し、そのとき生成された実際の
負圧と、予め求めておいた生成されるべき基準となる負
圧との誤差を算出して、その誤差を考慮して、制御目標
の所定の制御負圧ないしエンジン制御変数を実現するた
めに該電磁弁に印加する制御信号を補正して設定するこ
とが可能となる。
【0012】その結果、電磁弁の固体差や経年変化等に
起因して、負圧アクチュエータに供給される負圧がバラ
つき、その結果、エンジン制御に関連する変数の制御が
一定しない、あるいは精度が低下する等といった不具合
が是正、解消される。
【0013】次に、請求項2に記載の発明は、上記請求
項1に記載の発明において、変数制御手段は、排気通路
に設けられた過給機のタービンに対するノズルの開度を
調整することにより、該過給機で吸気通路内に生成され
る過給圧を制御するものであることを特徴とする。
【0014】これによれば、電磁弁の固体差や経年変化
等に起因して、前述のタービン効率可変型の過給機で生
成される過給圧がバラつくことが是正され、過給圧制御
の精度低下が解消されることになる。
【0015】次に、請求項3に記載の発明は、上記請求
項2に記載の発明において、誤差検出手段は、アイドル
時に、誤差の検出を行なうことを特徴とする。
【0016】電磁弁で生成される負圧の誤差の検出、換
言すれば負圧の学習では、予め決められた所定の制御信
号が電磁弁に印加されるから、そのときの運転状態とは
無関係な値の所定のエンジン制御変数、特に、この場合
は、過給圧が生成する。したがって、それに伴って出力
変動等が起こり、運転者に違和感を与えてしまう。
【0017】そこで、このような不具合を抑制するため
に、そもそも排気ガス量が少なく、過給圧レベルが低く
て、出力変動の影響の僅かなアイドル運転時に、この電
磁弁の補正を実行するようにしたものである。
【0018】次に、請求項4に記載の発明は、上記請求
項1ないし請求項3のいずれかに記載の発明において、
誤差検出手段は、電磁弁の周辺温度の変化が小さいとき
に、誤差の検出を行なうことを特徴とする。
【0019】また、請求項5に記載の発明は、上記請求
項1ないし請求項3のいずれかに記載の発明において、
エンジンにより駆動されて負圧を生成する負圧源が備え
られ、電磁弁は、この負圧源で生成された負圧を元圧と
して負圧アクチュエータに供給する負圧を生成すると共
に、誤差検出手段は、エンジン回転数の変化が小さいと
きに、誤差の検出を行なうことを特徴とする。
【0020】負圧の学習は、電磁弁に所定の制御信号を
印加したときに生成された実負圧を、所定の基準負圧と
比較してその誤差を検出するものであるから、この負圧
学習を実行するときの周辺環境が一定していないと、学
習結果自体がバラついて、学習精度が低下してしまう。
【0021】そこで、このような不具合を解消するため
に、エンジン温度やエンジンルーム温度等の電磁弁の周
囲温度が一定で、電磁弁の電気特性が安定しているとき
や、例えば暖機やアイドルアップが完了してエンジン回
転数が落ち着き、バキュームポンプ等の負圧源で生成さ
れる制御負圧の元負圧が安定しているときに、この負圧
学習を実行するようにしたものである。
【0022】次に、請求項6に記載の発明は、上記請求
項1ないし請求項5のいずれかに記載の発明において、
誤差検出手段は、電磁弁に所定の制御信号を所定の時間
だけ継続して印加し、印加を開始してから所定時間が経
過したのちに負圧検出手段で検出される負圧を実負圧と
して採用することを特徴とする。
【0023】負圧学習は、電磁弁に実際に所定の制御信
号を印加して生成される実負圧を検出するものであるか
ら、制御信号を印加してから実際に負圧が生成されて安
定するまでにある程度の時間がかかる。したがって、印
加を開始して直ちに負圧を検出しても、それはまだ十分
には立ち上がっていない過渡期の負圧である可能性が大
きく、そのような実負圧に基いて学習補正を行なうと、
学習精度が低下してしまう。
【0024】そこで、制御信号を印加し始めてから実負
圧が安定化するだけの所定時間が経過したのちの負圧の
値を検出して、これと基準値との誤差を検出するように
したものである。
【0025】以下、発明の実施の形態を通して、本発明
をさらに詳しく説明する。
【0026】
【発明の実施の形態】図1に示すように、本実施の形態
に係るエンジン1は、多気筒ディーゼルエンジンであっ
て、各気筒2(1つのみ図示する)内にピストン3が往
復動可能に嵌挿されている。ピストン3により区画され
る燃焼室の上方には、燃料噴射弁4から燃料が噴射され
る予燃焼室5が設けられている。
【0027】燃焼室にエアクリーナ6で濾過した吸気を
供給する吸気通路7は、その下流端部において分岐し、
それぞれ吸気バルブ8を備えた吸気ポートで各気筒2の
燃焼室に接続されている。燃焼室から排気を排出する排
気通路9は、その上流端部において分岐し、それぞれ排
気バルブ10を備えた排気ポートで各気筒2の燃焼室に
接続されている。排気通路9には、エンジン水温が低い
ときに閉じ方向に駆動されて暖機を促進する排気シャッ
タ11、排気中のHC、CO、NOxを浄化する触媒コ
ンバータ12、及びサイレンサ13等が配設されてい
る。
【0028】吸気通路7にはターボ過給機20のブロア
21が、また排気通路9にはターボ過給機20のタービ
ン22がそれぞれ配設されている。タービン22は排気
通路9内の排気エネルギーにより回転駆動されてブロア
21を回転駆動し、回転駆動されたブロワ21は吸気通
路7内の吸気を圧縮する。ブロア21の下流側には、該
ブロア21で圧縮されて高温となった吸気を冷却し、吸
気の密度を大きくするインタークーラ14が配設されて
いる。
【0029】ターボ過給機20は、図2に示すように、
排気ガスが矢印方向に流れ込んでくるタービン室23の
入口に、軸24a回りに回動可能な複数の可動ベーン2
4…24がタービン22を取り囲むように配置されたタ
ービン効率可変型の過給機(VGT)である。同図に実
線で示すように、可動ベーン24…24を相互に近接さ
せるように傾斜させて、該ベーン24…24で形成され
るノズル25…25の開度(ノズル断面積)を小さく絞
れば過給効率が高くなり、逆に鎖線で示すように、可動
ベーン24…24を相互に離反させるように傾斜させ
て、ノズル25…25の開度を大きく開けば過給効率が
低くなる。
【0030】可動ベーン24…24は負圧アクチュエー
タ30によって傾斜角度が変更される。負圧アクチュエ
ータ30は、図3に示すように、アクチュエータハウジ
ング31を仕切るダイヤフラム32に接続されたロッド
33を有し、このロッド33の先端部に可動ベーン24
…24が連結されたリング(図示せず)が接続されてい
る。ダイヤフラム32で画成された負圧室34にはスプ
リング35が内装されている。
【0031】負圧室34内の負圧が弱い(負圧の絶対値
が小さい)ときには、ロッド33がスプリング35の付
勢力によってハウジング31外へ進出し、該ロッド33
の先端部のリングが回動して可動ベーン24…24をノ
ズル25…25の開方向に回動させる。一方、負圧室3
4内の負圧が強い(負圧の絶対値が大きい)ときには、
ロッド33がスプリング35の付勢力に抗してハウジン
グ31内に後退し、該ロッド33の先端部のリングが逆
方向に回動して可動ベーン24…24をノズル25…2
5の閉方向に回動させる。
【0032】負圧室34に通じるVGT負圧通路36は
デューティソレノイドバルブ37に接続されている。こ
のデューティソレノイドバルブ(VGTDSV)37
は、エンジン1のクランク軸により駆動されるバキュー
ムポンプ38から第1負圧ライン39を介して供給され
る負圧と、第1大気圧ライン40を介して供給される大
気圧とから、印加されたデューティ率に応じた値の負圧
(VGT負圧)を生成し、これを上記VGT負圧通路3
6を介して負圧アクチュエータ30の負圧室34に供給
する。
【0033】VGTDSV37は、デューティ率が0%
のときに、VGT負圧通路36と第1負圧ライン39と
の連通度を0%とし、VGT負圧通路36と第1大気圧
ライン40との連通度を100%として、負圧アクチュ
エータ30のロッド33を最大限に進出させ、ノズル2
5…25の開度を最大限に大きくする。一方、VGTD
SV37は、デューティ率が100%のときに、VGT
負圧通路36と第1負圧ライン39との連通度を100
%とし、VGT負圧通路36と第1大気圧ライン40と
の連通度を0%として、負圧アクチュエータ30のロッ
ド33を最大限に後退させ、ノズル25…25の開度を
最大限に小さくする。そして、VGTDSV37は、こ
れらの中間のデューティ率で、ノズル25…25の開
度、すなわちVGT20の過給効率を滑らかに調整す
る。
【0034】なお、上記第1負圧ライン39には、バキ
ュームポンプ38で生成される負圧の変動を抑制する負
圧タンク15が接続されている。
【0035】吸気通路7と排気通路9との間には、排気
通路9内の排気の一部を吸気通路7に戻して各気筒2の
燃焼室に還流する排気ガス還流通路(EGR通路)50
が設けられている。このEGR通路50は、排気通路9
におけるタービン22よりも上流側の部位と、吸気通路
7におけるブロワ21よりも下流側の部位とを連絡す
る。EGR通路50には、排気を冷却し、排気の密度を
大きくするEGRクーラ51が配設されている。EGR
通路50は、EGRクーラ51の下流側において、第
1、第2の分岐通路52,53に分岐したのち再合流
し、各分岐通路52,53にそれぞれ第1、第2の排気
ガス還流量調整弁(EGR弁)54,55が配設されて
いる。
【0036】各EGR弁54,55は、相互に類似の構
成で、図4に示すように、弁ハウジング56を仕切るダ
イヤフラム57に接続された弁棒58を有し、この弁棒
58の先端部に各分岐通路52,53に突出する弁本体
59が連結されている。ダイヤフラム57で画成された
負圧室60にはスプリング61が内装されている。
【0037】負圧室60内の負圧が弱い(負圧の絶対値
が小さい)ときには、弁棒58がスプリング61の付勢
力によってハウジング56外へ進出し、弁本体59を各
分岐通路52,53の閉方向に移動させる。一方、負圧
室60内の負圧が強い(負圧の絶対値が大きい)ときに
は、弁棒58がスプリング61の付勢力に抗してハウジ
ング56内に後退し、弁本体59を各分岐通路52,5
3の開方向に移動させる。
【0038】第1EGR弁54の負圧室60に通じる第
1EGR負圧通路62はデューティソレノイドバルブ6
3に、第2EGR弁55の負圧室60に通じる第2EG
R負圧通路64はオンオフソレノイドバルブ65にそれ
ぞれ接続されている。バキュームポンプ38で生成され
た負圧が第2の負圧ライン66を介して供給される負圧
調整用のデューティソレノイドバルブ67と、大気圧が
第2の大気圧ライン68を介して供給される大気圧調整
用のデューティソレノイドバルブ69とが備えられ、最
終的に大気圧調整用デューティソレノイドバルブ69で
予備調整された負圧が予備調整負圧ライン70を介して
上記デューティソレノイドバルブ63に供給される。
【0039】このデューティソレノイドバルブ(EGR
DSV)63は、三方弁であって、デューティ率が0%
のときに、第1EGR負圧通路62と予備調整負圧ライ
ン70との連通度を0%とし、且つ第1EGR負圧通路
62を大気開放として、第1EGR弁54の弁棒58を
最大限に進出させ、第1EGR分岐通路52を完全に閉
じる。一方、EGRDSV63は、デューティ率が10
0%のときに、第1EGR負圧通路62と予備調整負圧
ライン70との連通度を100%として、第1EGR弁
54の弁棒58を最大限に後退させ、第1EGR分岐通
路52を完全に開く。そして、EGRDSV63は、こ
れらの中間のデューティ率で、第1EGR分岐通路52
の開度、すなわち排ガス還流量(EGR量)を滑らかに
調整する。
【0040】一方、上記のように二つのデューティソレ
ノイドバルブ67,69で予備調整されず、バキューム
ポンプ38で生成されたままの負圧が、上記第2負圧ラ
イン66から分岐した無調整負圧ライン71を介して上
記オンオフソレノイドバルブ65に直接供給される。こ
のオンオフソレノイドバルブ(EGRSV)65も、ま
た三方弁であって、オフのときに、第2EGR負圧通路
64と無調整負圧ライン71との連通度を0%とし、且
つ第2EGR負圧通路64を大気開放として、第2EG
R弁55の弁棒58を最大限に進出させ、第2EGR分
岐通路53を完全に閉じる。一方、EGRSV65は、
オンのときに、第2EGR負圧通路64と無調整負圧ラ
イン71との連通度を100%として、第2EGR弁5
5の弁棒58を最大限に後退させ、第2EGR分岐通路
53を完全に開く。
【0041】このような異なる性格の第1、第2のEG
R弁54,55をEGR通路50に並列に配置すること
により、両EGR弁54,55の容量を大きくすること
なく、第2のEGR弁55でEGR量を応答性よく速や
かに広い範囲で増減調整しながら、第1のEGR弁54
でEGR量を精度よく緻密に高い分解能で微調整するこ
とが可能となる。
【0042】このように、EGR通路50の上流端部
が、排気通路9におけるVGT20の可動ベーン24…
24、ないし開度(断面積)可変のノズル25…25、
あるいはタービン22の配設部位の上流側に開口されて
いることから、上記VGT20のノズル25…25の開
度を小さく絞れば、それが排気通路9内の排気ガスの流
動にとって抵抗となり、排気ガスはEGR通路50を経
由して吸気通路7側に還流され易くなる。したがって、
同じEGR弁54,55の開度であっても、VGT20
のノズル開度が小さいときは、大きいときに比べて、E
GR量は増える傾向となる。
【0043】このエンジン1に備えられたコントロール
ユニット100は、燃料噴射弁4から燃焼室ないし予燃
焼室5に噴射する燃料噴射量及び燃料噴射時期をエンジ
ン1の運転状態に応じて制御するほか、少なくとも、吸
気通路7に配設された吸入空気圧センサ(過給圧セン
サ)81及び吸入空気温センサ82からの信号と、VG
T負圧通路36に配設され、負圧アクチュエータ30の
負圧室34に供給されるVGT負圧を検出するVGT負
圧センサ83からの信号と、第1EGR弁54の弁棒5
8のリフト量、すなわち第1EGR分岐通路52の開度
を検出するリフト量センサ84からの信号と、エンジン
1の冷却水の温度を検出する水温センサ85からの信号
と、エンジン1のクランク軸の回転角度からエンジン回
転数を検出する電磁ピックアップ式のエンジン回転数セ
ンサ86からの信号と、図示しないアクセルペダルの操
作量(踏込量)からアクセル開度を検出するアクセル開
度センサ87からの信号と、エンジンルームの温度を検
出するエンジンルーム温センサ88からの信号と、内蔵
された大気圧センサ89からの信号とを入力し、これら
の信号が示す検出値に基いて、上記VGTDSV37を
介しての過給圧制御(VGT制御)を実行すると共に、
EGRDSV63、EGRSV65、負圧調整用デュー
ティソレノイドバルブ67、及び大気圧調整用デューテ
ィソレノイドバルブ69を介しての排気ガス還流制御
(EGR制御)を実行する。
【0044】特に、EGR制御については、図5にEG
R領域として示すように、エンジン回転数が低く且つエ
ンジン負荷(燃料噴射量)が低い運転状態から、エンジ
ン回転数が中程度且つエンジン負荷が中程度の運転状態
に亘る範囲内(定常運転状態)において、これを実行す
る。このEGR制御は、例えばEGR通路50に配設し
た第1EGR弁54のリフト量センサ84で検出される
実リフト量を目標リフト量に収束させるEGR量のフィ
ードバック制御である。
【0045】これに対し、図5に非EGR領域として示
すように、エンジン回転数が高い運転状態、ないしエン
ジン負荷が高い運転状態(加速運転状態)においては、
EGR制御は実行しない。これは、エンジン1の加速運
転時には、燃料噴射量の増大に応じて吸入空気量を速や
かに増大させる必要があり、そのためにはEGR制御を
非実行として、EGR量を速やかに減少させる必要があ
るからである。なお、減速時においてもまたEGR制御
は実行しない。
【0046】一方、VGT制御については、図6に示す
ように、基本的動作としては、エンジン回転数又はエン
ジン負荷が高くなるほど、すなわち加速運転状態になる
ほど、良好な加速性能を得るために、VGTDSV37
に対するデューティ率を大きくし、ノズル25…25の
開度を小さくして、VGT20による過給効率を高くす
る。
【0047】しかし、図6に符号R1、R2、R3で示
すように、低回転領域においては、エンジン負荷が高く
なるほど、デューティ率を小さくし、ノズル25…25
の開度を大きくする。すなわち、アイドル状態を含む低
回転且つ低負荷領域(R1)では、例えばデューティ率
を100%としてノズル25…25の開度を最大限に小
さくし、低回転且つ中負荷領域(R2)では、例えばデ
ューティ率を50%としてノズル25…25の開度を中
程度に大きくし、低回転且つ高負荷領域(R3)では、
例えばデューティ率を0%としてノズル25…25の開
度を最大限に大きくする。
【0048】これにより、エンジン1が低回転且つ低負
荷の運転状態(R1)にあるときには、EGR弁54,
55を介しての排気ガスの還流が行なわれると共に、V
GT20のノズル25…25の開度が小さくされるか
ら、これが排気ガスの流動の抵抗となって排気通路9内
の排気ガスは下流側に抜け難くなり、排気通路9におい
て、エンジン1の排気ポートから、VGT20の可動ベ
ーン24…24ないしノズル25…25、あるいはター
ビン22の配設部位までの間の排気ガス圧が高くなる。
その結果、EGR通路50を経由させて排気ガスを吸気
通路7側に還流させる推進力が高くなり、例えば吸気通
路7側に絞り弁等の別部材を設けて該吸気通路7内に負
圧を生成するようなことをしなくても、このエンジン1
に併設されているVGT20を利用することによって、
所定のEGR量を良好に確保することが可能となる。
【0049】また、低回転低負荷時は、そもそも排気ガ
ス量が少ないから、このようにVGT20のノズル25
…25の開度を小さくしても、タービン22が過回転す
ることがなく、VGT20の過給効率が過大となること
もない。
【0050】一方、エンジン1が低回転且つ高負荷の運
転状態(R3)にあるときには、VGT20のノズル2
5…25の開度が大きくされるから、上記の低回転低負
荷の運転状態(R1)からの発進時にアクセルペダルが
踏み込まれて、この低回転高負荷の運転状態(R3)に
移行した際には、ノズル25…25の開度が閉状態から
開状態に切り換えられる。その結果、排気通路9内の排
気ガスは下流側に抜け易くなり、タービン22の回転数
が急激に上昇することがなく、タービン22の過回転
や、タービン軸22a(図1参照)の焼付き等のVGT
20の信頼性の問題が回避される。
【0051】また、発進時にアクセルペダルが踏み込ま
れた当初の短時間は、まだ閉状態から開状態に完全に切
り換わっていないノズル25…25に対し、すでに増量
した排気ガスが吹き込んで、タービン22に大きな回転
駆動力が加わり、これがタービン22の回転を上昇させ
る最初の推進力となるから、そののちノズル25…25
の開度が大きくされてタービン22に作用する駆動力が
それほど増大しなくても、タービン22は十分大きな慣
性で回り続け、加速性能が大きく落ち込むことがない。
【0052】特に、低回転且つ低負荷状態、すなわちア
イドル状態という発生頻度の高いエンジン1の運転状態
において、上記のようにしてEGR量が良好に確保さ
れ、また、該アイドル状態からの発進という同じく発生
頻度の高いエンジン1の運転状態において、上記のよう
にしてVGT20の信頼性が良好に確保されるから、い
ずれも顕著に好ましい効果が得られることになる。
【0053】さらに、エンジン1が低回転且つ中負荷の
運転状態(R2)にあるときには、VGT20のノズル
25…25の開度が、上記両運転状態(R1),(R
3)のときのノズル25…25の開度の間の開度とされ
るから、上記発進時に運転状態(R1)から運転状態
(R3)に移行する途中で、中程度のノズル開度を経由
することになり、ノズル開度が段階的に大きくされて、
閉から開への一気の急激な切換えが緩和される。その結
果、タービン22に作用する駆動力の増大率が段階的に
低減されて、運転者が違和感を感じることが低減され
る。
【0054】なお、図6には、低回転領域を、エンジン
負荷に応じてR1,R2,R3の三つの領域に分割した
場合を示したが、これに限らず、四つ以上の領域に分割
してよいことはいうまでもない。低回転低負荷の運転状
態からの発進時に低回転高負荷の運転状態に移行する途
中で、VGT20のノズル25…25の開度が滑らかに
大きくなり、ノズル開度の閉から開への切換えがよりよ
く緩和される。その結果、タービン22に作用する駆動
力の増大率が滑らかに低減され、運転者が違和感を感じ
ることがより一層低減されることになる。
【0055】次に、VGT20は、エンジン回転数やエ
ンジン負荷等の運転状態に応じて設定される目標過給圧
が実現するように、そのノズル25…25の開度がフィ
ードバック制御される。特に、図7に過給圧フィードバ
ック領域(a)として示すように、エンジン負荷が極め
て高い運転状態と、同じく過給圧フィードバック領域
(b)として示すように、エンジン回転数が中程度且つ
エンジン負荷が中程度の運転状態とにおいては、吸気通
路7に配設した過給圧センサ81で検出される実過給圧
が目標過給圧となるように、ノズル25…25の開度を
フィードバック制御する過給圧フィードバック制御が行
なわれる。
【0056】これは、領域(a)においては、そもそも
目標過給圧が、著しく高いエンジン負荷(燃料噴射量)
に対応して、極めて高い値に設定されるから、吸気通路
7内の実際の過給圧に基いて、精度よく、VGT20の
制御を行わないと、過給圧が大きくなり過ぎ、タービン
22が過回転し、その結果、タービン軸22aの焼付き
等のVGT20の信頼性の問題が生じるためである。
【0057】また、領域(b)については、図7に鎖線
で示すように、該領域(b)がEGR領域の範囲内にあ
るから、同じく吸気通路7内の実際の過給圧に基いて、
精度よく、VGT20の制御を行わないと、EGR通路
50を経由するEGR量がバラつき、EGR量のフィー
ドバック制御が困難となり、その結果、NOx排出量に
バラつきが生じるためである。
【0058】これに対し、図7にVGT負圧フィードバ
ック領域として示すように、エンジン回転数が低い運転
領域及び定常運転領域を含むその他の運転領域において
は、上記の過給圧フィードバック制御に代えて、VGT
負圧通路36に配設したVGT負圧センサ83で検出さ
れる実VGT負圧が目標VGT負圧となるように、ノズ
ル25…25の開度をフィードバック制御するVGT負
圧フィードバック制御が行なわれる。
【0059】これは、概略、次のような理由による。す
なわち、上記の過給圧フィードバック制御では、精度の
面においては優れるものの、吸気通路7内の実過給圧を
過給圧センサ81で検出してから、その実過給圧と目標
過給圧との偏差がなくなるようなデューティ率信号をV
GTDSV37に出力し、VGT負圧アクチュエータ3
0の負圧室34に供給されるVGT負圧が変化して、V
GT20のノズル開度が調節され、その結果、実際にタ
ービン効率が変化して、最終的に吸気通路7内の実過給
圧が増減制御されるまでのタイムラグが比較的大きく、
応答性の面でやや難がある。この応答遅れの不具合は、
排気ガス量が少なく、したがって、実過給圧の増減変化
が遅れ気味となる低回転領域において、特に問題とな
る。
【0060】のみならず、時間的にかなり以前にVGT
DSV37に出力したデューティ率信号に対応する実過
給圧に基いて偏差が算出されるから、フィードバック制
御量が大きくなり過ぎ、いきおい、オーバーシュートし
易く、ハンチングが起こって、制御の安定性の面でも難
が生じる。また、吸気通路7内に生成される過給圧は幅
広い値をとるから、この点においてもハンチングが生じ
易くなる。この制御安定性の不具合は、エンジン出力の
変動をもたらすため、安定した走行を行っている定常運
転領域において、特に問題となる。
【0061】一方、VGT制御における直接の制御対象
はVGTDSV37であり、その制御の最終的な結果は
吸気通路7内に発生する過給圧となって現われるのであ
るが、上記VGTDSV37が直接的に生成するVGT
負圧と、該VGT負圧を受けて変化するVGT20のノ
ズル25…25の開度、ないしVGT20で生成される
上記過給圧との間には、間接的ではあるが相関関係があ
る。したがって、VGT制御の最終的な結果である吸気
通路7内の実過給圧の代わりに、上記VGTDSV37
が直接的に生成するVGT負圧通路36内のVGT負圧
に基いて、VGT20をフィードバック制御することも
可能である。
【0062】しかも、この場合、VGT負圧は、VGT
DSV37が直接生成する結果であるから、上記過給圧
フィードバック制御のような長いタイムラグがなく、さ
らにVGT負圧は、過給圧に比べてとり得る値の幅が狭
く、したがって、応答遅れの不具合、及び制御安定性の
不具合が解消される。
【0063】およそ以上のような理由により、エンジン
回転数が低い運転領域や、定常運転領域等においては、
過給圧フィードバック制御に代えて、精度の面において
はやや劣るものの、制御の応答性及び安定性の面におい
て優れる、VGT負圧フィードバック制御を実行するよ
うにしたものである。
【0064】なお、このように過給圧フィードバック制
御と、負圧フィードバック制御とのいずれを実行するか
は、そのときの運転状態に要求される制御の特質と、各
制御が具備している特質との関係による。したがって、
上記のように完全に両フィードバック制御を選択に切り
換えて実行するだけでなく、例えば、両フィードバック
制御の特質が要求される場合や、いずれのフィードバッ
ク制御の特質でもよい場合等は、両制御を併用してフィ
ードバック制御を実行してもよい。
【0065】さらに、あるいは、図8にオープン制御領
域として示すように、上記のようにVGT制御に精度が
要求されるエンジン負荷の極めて高い運転領域(過給圧
フィードバック領域(a))、及び中回転中負荷のEG
R領域とオーバーラップする運転領域(過給圧フィード
バック領域(b))を除く、上記低回転領域及び定常運
転領域を含むその他の運転領域においては、フィードバ
ック制御を実行せずに、オープン制御を実行してもよ
い。ただし、その場合は、特にオープン制御領域から、
過給圧フィードバック制御領域に移行したときのVGT
20の制御形態の切換えに伴って、次のような問題が生
じる。より具体的には、アクセルペダルが踏み込まれ、
アクセル開度が急増する加速要求時のように、低負荷領
域から領域(a)のような高負荷、全負荷のフィードバ
ック領域に移行したときのVGT20の制御形態の切換
えに伴って、次のような問題が生じる。
【0066】すなわち、オープン制御時は、VGT20
のノズル25…25の開度が、単に、エンジン回転数や
エンジン負荷等の運転状態に応じて設定される基本目標
過給圧が実現するように調整されるのに対し、過給圧フ
ィードバック制御時は、VGT20のノズル25…25
の開度が、さらに、実過給圧と目標過給圧との偏差も解
消するように増減調整される。ここで、図23のタイム
チャートに実線(ア)で示すように、フィードバック制
御のための目標過給圧は、加速時に、アクセルペダルが
踏み込まれ、運転状態が低負荷領域から高負荷ないし全
負荷領域に移行して、過給圧フィードバック制御領域に
突入した当初から直ちに算出、設定されるのに対し、実
過給圧は、前述したようなVGT制御の応答遅れのため
に、鎖線(イ)で示すように、その立ち上がりが遅く、
したがって、フィードバック制御開始時(時刻t11
〜)における実過給圧(イ)と目標過給圧(ア)との間
の偏差(Δ)は相当量大きなものとなる。
【0067】その結果、これを解消しようとするフィー
ドバック制御量が過大となり、いきおい、符号(ウ)で
示すように、実過給圧がオーバーシュートし易くなっ
て、タービン22の回転数が急激に上昇し、タービン2
2の過回転や、タービン軸22aの焼付き等のVGT2
0の信頼性の問題が発生することになる。また、制御が
ハンチングし易くなって、制御安定性が損なわれ、加速
時といえども、エンジン出力が変動して運転者に違和感
を与えてしまうことになる。
【0068】そこで、コントロールユニット100は、
例えば、加速時に、低負荷領域から高負荷ないし全負荷
領域のフィードバック領域(a)に移行したときには、
直ちには、VGT20の制御形態をフィードバック制御
に切り換えることをせず、オープン制御のままとして、
該オープン制御により、図23に破線(エ)で示すよう
に、実過給圧が、フィードバック目標過給圧(ア)に対
して、所定の範囲(h)内まで近づくのをまってから、
時刻(t13)において、過給圧フィードバック制御に
切り換えるように構成されている。
【0069】これにより、同図に示すように、時刻(t
11)で、アクセルペダルが踏み込まれて、アクセル開
度が急増し、その結果、時刻(t12)で、エンジン回
転数が、全負荷判定の所定回転数を越えて、全負荷判定
フラグがセットされるような場合に、フィードバック領
域への突入時(t11)には、フィードバック目標過給
圧(ア)と実過給圧(エ)との偏差(Δ)が著しく大き
くても、該過給圧偏差(Δ)に基くフィードバック制御
が行なわれないから、VGT制御に、符号(ウ)で示す
ようなオーバーシュートや、ハンチングが発生するのを
抑制することができる。
【0070】そして、上記過給圧偏差(Δ)が、フィー
ドバック目標過給圧(ア)と、フィードバック制御開始
判定圧(k:フィードバック目標過給圧(ア)より圧力
(h)だけ大きい圧力又は小さい圧力)との偏差(h)
より小さくなった時点(t13)で、フィードバック制
御が開始されるので、その比較的小さい過給圧偏差(Δ
<h)を解消しようとするフィードバック制御量が過大
となることがなく、オーバーシュートやハンチングが解
消されて、VGT20の信頼性の問題、制御安定性の問
題、エンジン出力の変動の問題が解消される。
【0071】ここで、上記時刻(t11)〜(t13)
の期間中は、オープン制御が続行されるのであるが、該
期間中におけるVGT20のノズル25…25の開度
を、通常設定されるノズル25…25の開度よりも、幾
分開き気味として、実過給圧(エ)の立ち上がりを抑制
するようにしてもよい。実過給圧(エ)がフィードバッ
ク制御開始判定圧(k)を越えてオーバーシュートする
ことが確実に回避でき、タービン22の過回転防止や、
制御の安定化がより一層担保される。
【0072】また、フィードバック領域(a),(b)
への移行直後にはVGT20の制御形態をフィードバッ
ク制御に切り換えないということは、すなわち、該フィ
ードバック制御を抑制することであるが、そのフィード
バック制御を抑制する具体的手法としては、例えば、フ
ィードバック制御のプログラムを実行すること自体を禁
止することや、フィードバック制御のプログラムの実行
は禁止しないが、それによって得られたフィードバック
制御量を無効とすること、あるいは制御ゲインを小さく
すること等が挙げられる。
【0073】次に、コントロールユニット100は、例
えば、アイドル運転時であって、暖機が終了し、エンジ
ン温度ないしエンジンルーム温度が所定温度以上で安定
しているとき、及びアイドルアップが終了し、エンジン
回転数が安定して、バキュームポンプ38で生成される
負圧が所定値で安定しているとき等に、VGTDSV3
7が生成するVGT負圧の学習を実行する。
【0074】すなわち、VGTDSV37の固体差に起
因して、同じデューティ率を印加しても、負圧アクチュ
エータ30に供給されるVGT負圧がバラついている
と、VGT20のノズル25…25の開度が一定せず、
所定の目標過給圧を実現することが困難となるから、か
かる不具合を解消するために、VGTDSV37に対し
て、予め決められた所定のデューティ率を印加し、その
とき生成されたVGT負圧と、予め求めておいた基準V
GT負圧との誤差を算出し、その誤差を考慮して、所定
の目標過給圧を実現するためのVGTDSV37に印加
するデューティ率を設定するのである。
【0075】その場合に、負圧学習実行時の周辺環境が
一定していないと、学習結果がまたバラつき、学習精度
が低下することになる。そこで、エンジン温度やエンジ
ンルーム温度等のVGTDSV37の周囲温度が一定
で、該VGTDSV37の電気特性が安定しているとき
や、VGT負圧の元圧であるバキュームポンプ38で生
成される元負圧が安定しているとき等に限って、このV
GT負圧の学習を実行するようにしたものである。
【0076】また、運転状態とは無関係に、予め決めら
れた所定のデューティ率をVGTDSV37に印加する
から、運転状態とは無関係な過給圧が生成する。したが
って、それに伴う運転者の違和感を抑制するために、排
気ガス量が少なく、得られる過給圧が低くて、影響の少
ないアイドル運転時に限って、このVGT負圧の学習を
実行するようにしたものである。
【0077】図9及び図10は、およそ以上のような特
徴的動作を含むように構成されたVGTDSV37に対
する制御プログラムの一例を示すメインフローである。
ステップS1で、各センサからの検出信号を読み込んだ
うえで、ステップS2で、まず、負圧アクチュエータ3
0の負圧室34に供給する基本目標VGT負圧(Fa)
を設定する。
【0078】この基本目標VGT負圧(Fa)の設定
は、図11に示すフローチャートに従って行なわれる。
ステップS21〜S29で、エンジン1の様々な運転状
態毎にそれぞれ対応する基本目標負圧がまず設定され
る。ここで、ステップS23で判定される過給カット領
域とは、図12に示すように、エンジン回転数に拘ら
ず、吸気通路7内の実過給圧が極めて高い領域をいい、
実過給圧がこの範囲内にあるときは、VGT20による
過給圧の生成が強制的に中止される。
【0079】すなわち、エンジン1の始動時に設定され
る始動時目標負圧(ステップS21,S22)、及び、
実過給圧が過給カット領域にあるときに設定される過給
カット時目標負圧(ステップS23,S24)として
は、それぞれVGT20のノズル開度が全開となるVG
T負圧が設定される。
【0080】そして、エンジン1の運転状態がアイドル
状態であるときに設定されるアイドル時目標負圧(ステ
ップS25,S26)としては、VGT20のノズル開
度が全閉となるVGT負圧が設定され、エンジン1の運
転状態が全負荷状態であるときに設定される全負荷時目
標負圧(ステップS27,S28)としては、VGT2
0のノズル開度が全開となるVGT負圧が設定され、こ
れら以外のとき、つまりエンジン1の運転状態が部分負
荷状態であるときに設定される部分負荷時目標負圧(ス
テップS29)としては、VGT20のノズル開度がや
や開となるVGT負圧が設定される。
【0081】これにより、EGR制御が行われる低回転
低負荷領域において、所定のEGR量が良好に確保さ
れ、空燃比制御等が円滑に進行することになる。また、
発進時において、VGT20の信頼性の問題が回避され
ると共に、運転者に対する違和感が低減することにな
る。
【0082】次いで、ステップS30で、このように設
定された基本目標負圧に、大気圧による補正を施す。こ
の補正は、例えば、図13に示すように、大気圧が低い
ほど、燃焼室に供給される空気量を増大するべく、VG
T20のノズル開度が閉となるように行なう。
【0083】次いで、ステップS31で、吸気温度によ
る補正を施す。この補正は、例えば、図14に示すよう
に、吸気温度が高いほど、燃焼室に供給される空気量を
増大するべく、VGT20のノズル開度が閉となるよう
に行なう。
【0084】次いで、ステップS32で、このように補
正された基本目標負圧に、なまし処理を施す。この処理
は、例えば、次の数1に示す式に従って、基本目標負圧
の急な変化を抑制するべく、過去の履歴を考慮して行な
う。
【0085】
【数1】
【0086】ここで、FU1は、なまし処理後の今回
値、FU1[i−1]は、なまし処理後の前回値、FU
0は、なまし処理前の今回値、つまり上記ステップS3
1で吸気温度補正まで施されて得られた基本目標負圧、
及びK1は、係数であって、例えば(0.5<K1<
1)である。
【0087】そして、最後に、ステップS33で、進み
補正を施すことにより、基本目標VGT負圧(Fa)を
設定する。この進み補正は、例えば、次の数2に示す式
に従って、過給圧変化の応答遅れを抑制する目的で行な
う。
【0088】
【数2】
【0089】ここで、FU2は、進み補正後の今回値、
FU1[i]は、なまし処理後の今回値、FU1[i−
1]は、なまし処理後の前回値、及びK2は、係数であ
って、例えば(0<K2<0.5)である。
【0090】メインフローに戻り、次いで、ステップS
3で、VGT負圧フィードバック制御の実行を許可する
条件が成立しているか否かを判定する。その結果、条件
成立時は、ステップS4で、VGT負圧フィードバック
制御を実行して、そのフィードバック制御量(VGTフ
ィードバック負圧:Fb)を設定する一方、条件非成立
時は、ステップS5で、該VGTフィードバック負圧
(Fb)をゼロとする。すなわち、VGT負圧フィード
バック制御を行わない。
【0091】ここで、ステップS3で判定される実行許
可条件としては、例えば、エンジン1の運転状態が、図
7に示すVGT負圧フィードバック領域にあり、且つ基
本目標VGT負圧(Fa)の変化率が小さく、且つ実V
GT負圧の変化率が小さいことである。
【0092】ステップS4のVGT負圧フィードバック
制御は、図15に示すフローチャートに従って行なわれ
る。ステップS41で、現制御サイクルまでにそれぞれ
設定された基本目標VGT負圧を積算し、また、ステッ
プS42で、現制御サイクルまでにそれぞれ検出された
実VGT負圧を積算する。次いで、ステップS43で、
以上のように積算した基本目標VGT負圧を平均化し、
また、ステップS44で、以上のように積算した実VG
T負圧を平均化する。つまり、目標負圧と実負圧とを共
に積分処理することになる。これにより、フィードバッ
ク制御量の急変が回避され、これによってもVGT制御
の安定化が図られることになる。
【0093】次いで、ステップS45で、基本特性に基
いて、以上のように平均化した基本目標VGT負圧から
デューティ率を演算し、また、ステップS46で、基本
特性に基いて、以上のように平均化した実VGT負圧か
らデューティ率を演算する。ここで、基本特性とは、V
GT負圧の学習制御のための基準となる特性である。し
たがって、これらのステップS45,S46で算出され
るデューティ率は、VGTDSV37の固体差に起因す
るVGT負圧のバラつきが考慮されていないことにな
る。そして、ステップS47で、両デューティ率の偏差
(基本特性に基くデューティ率偏差)を演算する。
【0094】次いで、ステップS48で、学習値に基い
て、同じく平均化した基本目標VGT負圧からデューテ
ィ率を演算し、また、ステップS49で、学習値に基い
て、同じく平均化した実VGT負圧からデューティ率を
演算する。ここで、学習値とは、VGT負圧の学習制御
で得られた学習補正量(予め求めておいた基準VGT負
圧との誤差)である。したがって、これらのステップS
48,S49で算出されるデューティ率は、VGTDS
V37の固体差に起因するVGT負圧のバラつきが考慮
されていることになる。そして、ステップS50で、両
デューティ率の偏差(学習値に基くデューティ率偏差)
を演算する。
【0095】次いで、ステップS51で、以上のように
して算出した、基本特性に基くデューティ率偏差と、学
習値に基くデューティ率偏差とから、VGT負圧フィー
ドバック制御量を設定し、そして、最終的に、ステップ
S52で、例えば、次の数3に示す式に従って、制御量
の急変を回避するために過去の履歴を反映させることに
より、VGTフィードバック負圧(Fb)を設定する。
【0096】
【数3】
【0097】ここで、FBS[i]は、VGTフィード
バック負圧(Fb)の今回値、FBS[i−1]は、V
GTフィードバック負圧(Fb)の前回値、FBは、上
記ステップS51で設定されたVGT負圧フィードバッ
ク制御量、及びK3は、係数であって、例えば(0<K
3<0.5)である。
【0098】メインフローに戻り、次いで、ステップS
6で、VGT負圧の学習の実行を許可する条件が成立し
ているか否かを判定する。その結果、条件成立時は、ス
テップS7で、VGT負圧の学習を実行する。
【0099】ここで、ステップS6で判定される実行許
可条件としては、例えば、エンジン1がアイドル状態に
あり、且つアイドル状態に移行してから所定時間が経過
しており、且つエンジン水温が所定温度以上であり、且
つ大気圧が標準大気圧であり、且つエンジンルーム温度
が所定温度以上であることである。これにより、VGT
DSV37の電気特性が安定し、且つバキュームポンプ
38で生成される負圧が安定して、学習精度が確保され
る状況において、このVGT負圧の学習が行なわれると
共に、出力変動が僅かで、運転者への違和感が少なくな
る状況において、このVGT負圧の学習が行なわれるこ
とになる。
【0100】ステップS7のVGT負圧の学習は、図1
6ないし図18に示すフローチャートに従って行なわれ
る。本実施形態では、学習用にVGTDSV37に印可
するデューティ率として、図19に示すように、80
%、50%、20%の3種類のデューティ率を予め決め
ており、各デューティ率についてそれぞれステップS7
1〜S79、ステップS80〜S88、及びステップS
89〜S97で学習を行い、最終的に、ステップS98
で、それぞれ得られた学習値α,β,γ間を補完して、
図20に鎖線で示すような全範囲に及ぶ学習データXを
作成する。
【0101】なお、学習用にVGTDSV37に印可す
るデューティ率の数や値は、特に限られるものではな
く、上記設例値以外に、例えば、100%、50%、1
2.5%等であってもよい。
【0102】以下、図21のタイムチャートを参照して
説明する。なお、このタイムチャートにおいて、時刻
(t1)でアイドルモードが判定されても、時刻(t
2)まで学習の実行を待機するように示しているのは、
アイドル状態に移行してから所定時間が経過しているこ
と、エンジン水温が所定温度以上であること、エンジン
ルーム温度が所定温度以上であること、という上記の実
行許可条件を表わしているものである。
【0103】まず、ステップS71で、第1の学習デー
タの演算が完了していないことを確認する。この第1学
習データは、3種類の学習用デューティ率のうちの一の
デューティ率(図例では80%)を印加した時に得られ
る学習値αであり、ステップS79で演算される。
【0104】次いで、ステップS72で、タイマー(T
t)をセットする。このセットするタイマーの値として
は、例えば4秒等である。次いで、ステップS73で、
学習用デューティ率(80%)をVGTDSV37に出
力する。
【0105】次いで、ステップS74で、タイマー(T
t)がゼロになったか否か、つまり、VGTDSV37
に学習用デューティ率(80%)を4秒間印加したか否
かを判定し、まだであれば、ステップS75で、学習用
デューティ率(80%)をVGTDSV37に出力した
後、所定時間(Ta)が経過したか否かを判定する。ま
だであれば、ステップS76で、タイマー(Tt)をデ
クリメントしてステップS73に戻る。ここで、所定時
間(Ta)としては、例えば2秒等である。
【0106】ステップS75で、所定時間(Ta)が経
過しているときは、ステップS77で、VGT負圧セン
サ83を介してVGT負圧通路36内のVGT負圧を検
出し、次いで、ステップS78で、各制御サイクル毎に
検出されたこのVGT負圧を積算していく。
【0107】そして、ステップS74で、タイマー(T
t)がゼロになったときに、ステップS79に進んで、
例えば、ステップS78で積算された検出VGT負圧を
平均化し、これと、基準となるVGT負圧とを比較し
て、その誤差を求めることにより、第1学習データαを
演算する。
【0108】ここで、VGTDSV37でVGT負圧通
路36内に生成されるVGT負圧の検出を、該VGTD
SV37に学習用デューティ率を出力したのち直ちには
行わず、所定時間(Ta)が経過してから、タイマー
(Tt)がゼロとなるまでの時間(Tb)内において行
うのは、図21に示すように、VGTDSV37にデュ
ーティ率を印加しても、VGT負圧が実際に変化して安
定するまでに時間がかかるから、該実VGT負圧が安定
化する期間、すなわち、デューティ率印加時間(Tt)
の後半部分でこれを検出するようにしたものである。
【0109】以上により、図21に示す時刻(t2)〜
(t3)が経過したことになり、上記ステップS71〜
S79の第1学習データαの演算ルーティンに準じて、
次のステップS80〜S88、及びステップS89〜S
97で、それぞれ第2学習データβ、及び第3学習デー
タγを演算する。これで、図21に示す時刻(t3)〜
(t4)及び時刻(t4)〜(t5)が経過したことに
なる。
【0110】そして、最終的に、ステップS98で、そ
れぞれ得られた第1、第2、第3学習データα,β,γ
間を線形補完することにより、図20に鎖線で示す全範
囲学習データXを作成する。例えば、VGT負圧(a)
を生成する場合、基準デューティ率は(b)であるが、
学習の結果、該基準デューティ率(b)より学習補正値
(c)だけ低いデューティ率(d)をVGTDSV37
に印加する必要のあることが分かる。
【0111】メインフローに戻り、次いで、ステップS
8で、過給圧フィードバック制御の実行を許可する条件
が成立しているか否かを判定する。その結果、条件成立
時は、ステップS9で、過給圧フィードバック制御を実
行して、そのフィードバック制御量(過給圧フィードバ
ック負圧:Fc)を設定する一方、条件非成立時は、ス
テップS10で、該過給圧フィードバック負圧(Fc)
をゼロとする。すなわち、過給圧フィードバック制御を
行わない。
【0112】ここで、ステップS8で判定される実行許
可条件としては、例えば、エンジン1の運転状態が、図
7又は図8に示す全負荷の過給圧フィードバック領域
(a)又は部分負荷の過給圧フィードバック領域(b)
にあり、且つ目標過給圧の変化率が小さく、且つ目標過
給圧と実過給圧との偏差が所定値(h)以下であること
である。
【0113】これにより、エンジン1の運転状態が過給
圧フィードバック領域(a)又は(b)に移行しても、
過給圧フィードバック制御が直ちには開始されず、実過
給圧がフィードバック目標過給圧に対して所定の範囲
(h)内まで近づくのをまってから、過給圧フィードバ
ック制御が開始されることになるから、前述したよう
に、フィードバック領域(a),(b)に突入した際の
VGT制御形態の切換えが円滑化して、オーバーシュー
トや制御のハンチングが抑制でき、VGT20の信頼性
の問題や、制御安定性の問題、ないしエンジン出力の変
動の問題が解消されることになる。
【0114】ステップS9の過給圧フィードバック制御
は、図22に示すフローチャートに従って行なわれる。
ステップS101で、まず、基本目標過給圧を演算し、
これを、ステップS102で、大気圧補正したのち、ス
テップS103で、吸気通路7内の実過給圧を過給圧セ
ンサ81を介して読み込む。
【0115】次いで、ステップS104で、これらの大
気圧補正した基本目標過給圧と実過給圧との偏差を算出
したのち、ステップS105で、フィードバック補正量
のうちの比例項(p項)を算出し、また、ステップS1
06で、フィードバック補正量のうちの積分項(i項)
を算出する。そして、ステップS107で、現制御サイ
クルまでにそれぞれ算出された積分項(i項)の平均値
を演算する。
【0116】次いで、ステップS108で、過給圧フィ
ードバック制御のうち、部分負荷の過給圧フィードバッ
ク領域(b)にあるのか、又は全負荷の過給圧フィード
バック領域(a)にあるのかを判定し、それぞれステッ
プS109又はS110において、区別して、前回の制
御サイクルで求められた積分項(i項)に、上記ステッ
プS107で算出した今回の積分項(i項)の平均値を
加算し、且つ該積分項(i項)の上限値及び下限値でク
リップする。
【0117】そして、ステップS111で、上記ステッ
プS105で算出した比例項(p項)と、上記ステップ
S109又はS110で算出した積分項(i項)とか
ら、最終的に、過給圧フィードバック制御の補正値を演
算する。このように、特に積分項(i項)に平均化等の
種々の処理を施すことによって、比例項(p項)による
フィードバック制御量の急変の影響が希釈化されて、こ
のフィードバック制御の安定化が増強されることにな
る。
【0118】なお、本実施形態では、上記ステップS1
05〜S111までで得られる上記比例項(p項)、積
分項(i項)、及びフィードバック補正値は、VGT2
0のノズル25…25の開度として算出する。したがっ
て、最後に、ステップS112で、上記ステップS11
1で算出したフィードバック補正値を、例えばデューテ
ィ率が100%のときの負圧値等に基いて、負圧に変換
し、これを過給圧フィードバック負圧(Fc)とする。
【0119】メインフローに戻り、次いで、ステップS
11で、このようにして得られた基本目標VGT負圧
(Fa)、VGTフィードバック負圧(Fb)、及び過
給圧フィードバック負圧(Fc)を加算することによ
り、VGT目標負圧(Fo)を決定する。
【0120】次いで、ステップS12で、VGT負圧の
学習を実行中か否かを判定する。その結果、実行中であ
れば、ステップS13で、上記学習用デューティ率(8
0%、50%、20%等)に相当する負圧(Fg)を最
終目標負圧(Ffo)とする一方、実行中でなければ、
ステップS14で、上記VGT目標負圧(Fo)を最終
目標負圧(Ffo)とする。
【0121】次いで、ステップS15で、該最終目標負
圧(Ffo)をVGTDSV37に印加するデューティ
率(Da)に変換したのち、ステップS16で、各種の
補正を施すことにより、最終デューティ率(Do)を演
算する。ここで、ステップS16における補正のうち、
学習補正は、上記ステップS7で実行されるVGT負圧
学習で得られる学習データ(X)に基く補正である。ま
た、バッテリ電圧による補正は、図24に示すようにバ
ッテリ電圧が所定電圧以下で1以上となる補正係数を用
いて、バッテリ電圧不足によるデューティ率低下を補う
ものである。
【0122】次いで、ステップS17で、VGT20の
ノズル25…25を強制的に全開とすべき条件、つまり
過給禁止条件が成立しているか否かを判定する。ここ
で、この過給禁止条件としては、例えば、イグニッショ
ンがOFFであるとき、始動時であるとき、排気シャッ
タ11が作動しており、排気ガス圧が変動するとき、又
は、各種センサ類、特に当該VGT制御に関与する負圧
センサ83等の故障判定時等である。
【0123】その結果、条件成立時は、ステップS18
で、上記ステップS16で各種の補正が施された最終デ
ューティ率(Do)をゼロとしたのち、一方、条件非成
立時は、ステップS18をスキップして、最終的に、ス
テップS19で、上記最終デューティ率(Do)の信号
をVGTDSV37に出力する。
【0124】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
負圧学習を行なうことにより、電磁弁の個体差や経年変
化等に起因して負圧アクチュエータに供給される制御負
圧がバラつき、ひいては負圧アクチュエータの駆動量が
バラつくという不具合が是正、抑制される。本発明は、
印加された制御信号に応じた負圧を生成する電磁弁と、
該電磁弁で生成された負圧の供給を受けて、該負圧に応
じた量だけ駆動する負圧アクチュエータとを有するシス
テム一般に広く好ましく適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るエンジンの全体構
成図及び制御システム構成図である。
【図2】 過給機のタービン室の概略拡大断面図であ
る。
【図3】 負圧アクチュエータの概略拡大断面図であ
る。
【図4】 EGR弁の概略拡大断面図である。
【図5】 EGR制御を実行する運転領域を表わすマッ
プ図である。
【図6】 過給機ノズルの開度と運転領域との関係を表
わすマップ図である。
【図7】 過給圧のフィードバック制御を実行する運転
領域を表わすマップ図である。
【図8】 過給圧のオープン制御を実行する運転領域を
表わすマップ図である。
【図9】 過給機制御用デューティソレノイドバルブに
対する具体的制御動作の一例を示すフローチャートであ
る。
【図10】 同フローチャートの後半部分である。
【図11】 目標負圧の設定動作の一例を示すフローチ
ャートである。
【図12】 過給カット領域を表わすマップ図である。
【図13】 ノズル開度と大気圧との関係を表わす特性
図である。
【図14】 ノズル開度と吸気温度との関係を表わす特
性図である。
【図15】 負圧フィードバック制御動作の一例を示す
フローチャートである。
【図16】 負圧学習動作の一例を示すフローチャート
である。
【図17】 同フローチャートの中間部分である。
【図18】 同フローチャートの後半部分である。
【図19】 負圧学習で作成される特性図の一例であ
る。
【図20】 同特性から得られる学習データの一例であ
る。
【図21】 負圧学習時のタイムチャートである。
【図22】 過給圧フィードバック制御動作の一例を示
すフローチャートである。
【図23】 過給圧フィードバック制御時のタイムチャ
ートである。
【図24】 バッテリ電圧と最終デューティ率を算出す
るための補正係数との関係を表わす特性図である
【符号の説明】
1 エンジン 7 吸気通路 9 排気通路 20 ターボ過給機 22 過給機タービン 24 可動ベーン 25 過給機ノズル 30 負圧アクチュエータ 36 VGT負圧通路 37 過給機制御用デューティソレノイドバルブ 81 過給圧センサ 82 吸入空気温センサ 83 VGT負圧センサ 85 水温センサ 86 エンジン回転数センサ 87 アクセル開度センサ 88 エンジンルーム温センサ 89 大気圧センサ 100 コントロールユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 海老野 弘 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 小路 正敏 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3G005 DA02 EA04 EA15 EA16 FA06 FA35 FA60 GA04 GC05 GD02 GD07 GD12 GD13 GD14 GE03 GE10 HA12 HA13 JA00 JA11 JA12 JA13 JA23 JA24 JA39 JA51 JB02 JB05 JB20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともエンジンの吸入空気量を含む
    エンジン制御に関連する変数を制御する変数制御手段を
    備えると共に、印加された制御信号に応じた負圧を生成
    する電磁弁と、該電磁弁で生成された負圧の供給を受け
    て、該負圧に応じた量だけ上記変数制御手段を駆動する
    負圧アクチュエータとを有する負圧アクチュエータの制
    御装置であって、上記電磁弁で生成された負圧を検出す
    る負圧検出手段と、上記電磁弁に所定の制御信号を印加
    したときに上記検出手段で検出される実負圧と上記検出
    手段で検出されるべき基準負圧との間の誤差を検出する
    誤差検出手段と、該誤差検出手段により検出された誤差
    に基いて、上記電磁弁に印可する制御信号を補正する補
    正手段とが備えられていることを特徴とする負圧アクチ
    ュエータの制御装置。
  2. 【請求項2】 変数制御手段は、排気通路に設けられた
    過給機のタービンに対するノズルの開度を調整すること
    により、該過給機で吸気通路内に生成される過給圧を制
    御するものであることを特徴とする請求項1に記載の負
    圧アクチュエータの制御装置。
  3. 【請求項3】 誤差検出手段は、アイドル時に、誤差の
    検出を行なうことを特徴とする請求項2に記載の負圧ア
    クチュエータの制御装置。
  4. 【請求項4】 誤差検出手段は、電磁弁の周辺温度の変
    化が小さいときに、誤差の検出を行なうことを特徴とす
    る請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の負圧アク
    チュエータの制御装置。
  5. 【請求項5】 エンジンにより駆動されて負圧を生成す
    る負圧源が備えられ、電磁弁は、この負圧源で生成され
    た負圧を元圧として負圧アクチュエータに供給する負圧
    を生成すると共に、誤差検出手段は、エンジン回転数の
    変化が小さいときに、誤差の検出を行なうことを特徴と
    する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の負圧ア
    クチュエータの制御装置。
  6. 【請求項6】 誤差検出手段は、電磁弁に所定の制御信
    号を所定の時間だけ継続して印加し、印加を開始してか
    ら所定時間が経過したのちに負圧検出手段で検出される
    負圧を実負圧として採用することを特徴とする請求項1
    ないし請求項5のいずれかに記載の負圧アクチュエータ
    の制御装置。
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