JP2001072901A - 偽造印刷物の判別方法およびこれに用いるインクセット - Google Patents

偽造印刷物の判別方法およびこれに用いるインクセット

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JP2001072901A
JP2001072901A JP25225199A JP25225199A JP2001072901A JP 2001072901 A JP2001072901 A JP 2001072901A JP 25225199 A JP25225199 A JP 25225199A JP 25225199 A JP25225199 A JP 25225199A JP 2001072901 A JP2001072901 A JP 2001072901A
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JP25225199A
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Teruhito Kojima
輝人 小嶋
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録物の記録に使用されたインクセットの種
類が容易に判別可能な偽造防止用インクセット、そのイ
ンクセットを使用した記録方法、その記録方法により記
録された記録物及び記録物の判別方法を提供すること。 【解決手段】 少なくとも呈色性化合物と顕色剤とを含
有する画像記録用インクと、溶融時に呈色性化合物と顕
色剤の内のいずれか一方を優先的に溶解する性質を有す
る物質である消色作用物質を含有する消色剤とからなる
偽造防止用インクセット。その偽造防止用インクセット
を用いて画像を記録する際に、記録媒体上に画像記録用
インクにより画像を記録すると、自動的に消色作用物質
による目視不可能な追跡パターンが該画像の少なくとも
一部に重なって記録されるようにし、加熱またはアルコ
ールを塗布することによりその追跡パターンのみを消色
又は退色させ目視可能とすること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偽造防止用インク
セット、特に、記録物の記録に使用されたインクセット
の種類が容易に判別可能な追跡パターンを記録するため
のインクセット、そのインクセットを使用する記録方
法、その記録方法により得られる記録物及びその記録物
の判別方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カラー画像を、複写あるいは複製
できるカラー複写機、カラープリンタ等の画像記録装置
が非常に高性能となってきている。このことから、この
画像記録装置を使って複製された記録物は、極めて高品
質なカラー画像から形成されたものとなっている。 (ここにおいて、「画像」とは、文字及び/又は画像を
表すものとする。)特に、インクジェット記録方法によ
る記録物は、インクの性能向上と合いまって、その品質
は飛躍的に向上してきている。また、インクジェット記
録方法は、モノクロ、カラーの両方の画像記録が可能で
あることから、会社、事務所はもちろんのこと一般家庭
においても使用されるようになってきている。このよう
なことから、このインクジェット記録方法により本来複
写されるべきでない印刷物、例えば、乗車券、入場券、
商品券、証券、紙幣などを不正に作成する恐れが出てき
た。
【0003】しかし、本来複写されるべきでない印刷物
等の複写が行われ、その複写物が悪用された場合に、複
写が行われた際に使用されたインクを特定することが出
来れば、犯罪捜査に役立つばかりか、複写物の悪用の動
機を無くす効果がある。
【0004】従来、このような複写物の悪用をふせぐた
めに、偽造複写印刷物に対し追跡捜査を容易にするため
の技術として、例えば、 ・蛍光染料を含有するインク使って、目視によっては見
え難い特定のマーキングを施して、特定の情報を記録物
に書き込む方法が提案されており(特公昭62−57079号
公報,特公昭62−24024号公報,特開平9−227817号公
報)、 ・また、画像読取部と、画像処理部と、画像処理後の画
像情報に基づいて記録紙上に画像生成を実行する画像生
成部と、見た目には容易に認識できない特珠インクを用
いて各種情報を書き込む情報書込部と、検知センサと、
システムコントローラとを具備する「画像形成装置」等
も提案されている(特開平6−059601号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の偽造防止技術では、蛍光発光強度が弱くて
判別が困難であったり、追跡捜査を容易にするため使用
されるインクは、画像記録用とは別の特殊インクを用
い、画像部分とは別の部分に特種情報を記録するもので
あり、そのために特殊な装置を必要とし、一般のインク
ジェット記録方法を用いるプリンタ等に適用することは
困難であるという問題点がある。また、従来のインクジ
ェット記録方法においては、印字された記録物を用い
て、その記録物が、どのようなインクを使用して記録さ
れたか、どのようなインクジェットプリンターで記録さ
れたか(即ち、どこのメーカーのどの機種で記録された
か)を判断する簡便な方法は存在しなかった。
【0006】そこで、本発明は、上記の問題点等に鑑み
てなされたものであって、その目的とするところは、従
来のような、蛍光インクを使用することなく、また画像
部分と別の部分に特種情報を記録することなしに、画像
部分に特種情報を重ねて記録することにより、ごく簡単
に記録物が偽造記録物かどうかが判別可能であると共
に、記録物の記録に使用されたインクセットの種類も容
易に判別可能なインクセットを提供すること、そのよう
なインクセットを使用した記録方法、そのような記録方
法により記録された記録物及び記録物の判別方法を提供
することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、呈色性化合物
と顕色剤とを含有する画像記録用インクを使用して記録
した画像に重ねて、消色作用物質を含有した透明な消色
剤で特定の追跡パターンを記録することを特徴とするも
ので、その記録部分を加熱するかまたはその記録部分に
アルコールを塗布すると、画像のうちの追跡パターンが
重なった部分のみが消色又は退色し、加熱またはアルコ
ールを塗布する前には見えなかった追跡パターンが現
れ、その追跡パターンから使用したインクセットが特定
できるものである。
【0008】即ち、本発明に係る偽造防止用インクセッ
トは、「少なくとも呈色性化合物と顕色剤とを含有する
画像記録用インクと消色作用物質を含有する消色剤とか
らなることを特徴とする偽造防止用インクセット。」 (請求項1)を要旨(発明を特定する事項)とする。ま
た、本発明に係る偽造防止用インクセットは、 ・「前記消色作用物質が、溶融時に呈色性化合物と顕色
剤の内のいずれか一方を優先的に溶解する性質を有する
物質であること」(請求項2)、 ・「前記インク中における前記顕色剤の量は、前記呈色
性化合物の量に対して、0.1〜10重量%となるよう
な量であり、前記消色剤中における前記消色作用物質の
量は、インク中における前記呈色性化合物の量に対し
て、1〜200重量%となるような量であること」(請
求項3)、 ・「前記消色作用物質が、ステロール化合物、コール
酸、リトコール酸、テストステロン、コルチゾン、及び
これらの誘導体であること」(請求項4)、 ・「前記呈色性化合物が、ロイコオーラミン類、ジアリ
ールフタリド類、ポリアリールカルビノール類、アシル
オーラミン類、アリールオーラミン類、ローダミンBラ
クタム類、インドリン類、スピロピラン類、フルオラン
類などの電子供与性化合物であり、前記顕色剤が、フェ
ノール類、フェノール金属塩類、カルボン酸金属塩類、
ベンゾフェノン類、スルホン酸、スルホン酸塩、燐酸
類、燐酸金属塩類、酸性燐酸エステル類、酸性燐酸エス
テル金属塩類、亜燐酸類、亜燐酸金属塩類などの酸性化
合物であること」(請求項5)、を発明を特定する事項
とすることもできる。
【0009】また、本発明に係る記録方法は、「少なく
とも呈色性化合物と顕色剤とを含有する画像記録用イン
クと消色作用物質を含有する消色剤とからなる偽造防止
用インクセットを用いて画像を記録する方法において、
記録媒体上に画像記録用インクにより画像を記録する
と、自動的に消色作用物質による追跡パターンが該画像
の少なくとも一部に重なって記録されるようにした記録
方法。」(請求項6)を要旨(発明を特定する事項)と
する。また、本発明に係る記録方法は、 ・「前記消色作用物質が、溶融時に呈色性化合物と顕色
剤の内のいずれか一方を優先的に溶解する性質を有する
物質であること」、 ・「前記インク中における前記顕色剤の量は、前記呈色
性化合物の量に対して、0.1〜10重量%となるよう
な量であり、前記消色剤中における前記消色作用物質の
量は、インク中における前記呈色性化合物の量に対し
て、1〜200重量%となるような量であること」、 ・「前記消色作用物質が、ステロール化合物、コール
酸、リトコール酸、テストステロン、コルチゾン、及び
これらの誘導体であること」、 ・「前記呈色性化合物が、ロイコオーラミン類、ジアリ
ールフタリド類、ポリアリールカルビノール類、アシル
オーラミン類、アリールオーラミン類、ローダミンBラ
クタム類、インドリン類、スピロピラン類、フルオラン
類などの電子供与性化合物であり、前記顕色剤が、フェ
ノール類、フェノール金属塩類、カルボン酸金属塩類、
ベンゾフェノン類、スルホン酸、スルホン酸塩、燐酸
類、燐酸金属塩類、酸性燐酸エステル類、酸性燐酸エス
テル金属塩類、亜燐酸類、亜燐酸金属塩類などの酸性化
合物であること」、を発明を特定する事項とすることも
できる。
【0010】また、本発明に係る記録物は、「上記の記
録方法によって記録されたことを特徴とする記録物。」
(請求項7)を要旨(発明を特定する事項)とする。
【0011】また、本発明に係る判別方法は、「上記の
記録物を加熱し、追跡パターンと画像部分が重なった部
分を消色又は退色させることを特徴とする記録物の判別
方法。」(請求項8)を要旨(発明を特定する事項)と
する。
【0012】また、本発明に係る判別方法は、「上記の
記録物にアルコールを塗布し、追跡パターンと画像部分
が重なった部分を消色又は退色させることを特徴とする
記録物の判別方法。」(請求項9)を要旨(発明を特定
する事項)とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係る偽造防止用インクセ
ットは、少なくとも呈色性化合物と顕色剤とを含有する
画像記録用インクと消色作用物質を含有する消色剤とか
らなるものである。画像記録用インクは、呈色性化合物
と顕色剤とを適宜選択して多様な色を得ることができる
ので、多色で使用することも可能である。
【0014】画像記録用インクに含有される呈色性化合
物とは、文字や図形などの画像を形成する色素の前駆体
化合物であり、ロイコオーラミン類、ローダミンBラク
タム類、アシルオーラミン類、アリールオーラミン類、
ジアリールフタリド類、ポリアリールカルビノール類、
フルオラン類、スピロビラン類、インドリン類などの電
子供与性有機物が挙げられる。これらは単独で、又は2
種以上を混合して用いることができる。呈色性化合物の
具体的な例としては、2−アニリノ−6−(N−シクロヘ
キシル−N−メチルアミノ)−3−メチルフルオラン、2
−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−N−プロピル
アミノ)フルオラン、3−[4−(4−フエニルアミノフ
ェニル)アミノフェニル]アミノ−6−メチル−7−クロ
ロフルオラン、2−アニリノ−6−(N−メチルーN−イソ
ブチルアミノ)−3−メチルフルオラン、2−アニリノ−
6−(ジブチルアミノ)−3−メチルフルオラン、3−ク
ロロ−6−(シクロヘキシルアミノ)フルオラン、2−ク
ロロ−6−(ジエチルアミノ)フルオラン、7−(N,N−
ジベンジルアミノ)−3−(N,N−ジエチルアミノ)フ
ルオラン、3,6−ジメチルエトキシフルオラン、3,6−
ジエチルアミノ−6−メトキシ−7−アミノフルオラン、
DEPM、ATP、ETAC、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブ
チルアミノフルオラン、3,6−ビス(ジェチルアミノ)
フルオラン−γ−(4’−ニトロアニリノ)ラクタム、3
−ジエチルアミノベンゾ[a]−フルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−6−メチル−7−アミノフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−7−キシリジノフルオラン、クリスタルバ
イオレットラクトン(CBL)、マラカイトグリ−ンラ
クトン、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニ
ル)−3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イ
ル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェ
ニル)−3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イ
ル)フタリド、3−ジエチルアミノ−7−クロロアニリノ
フルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオ
ラン、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインド−
ル−3−イル)フタリド、クリスタルバイオレットカル
ビノ−ル、マラカイトグリ−ンカルビノ−ル、N−(2,
3−ジクロロフェニル)ロイコオーラミン、N−ベンゾイ
ルオ−ラミン、ロ−ダミンBラクタム、N−アセチルオ−
ラミン、N−フェニルオ−ラミン、2−(フエニルイミノ
エタンジリデン)−3,3−ジメチルインドリン、N,3,
3−トリメチルインドリノベンゾスピロピラン、8’−メ
トキシ−N,3,3−トリメチルインドリノベンゾスピロ
ピラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−ベンジルオキシフルオラ
ン、1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、3,
6−ジ−p−トルイジノ−4,5−ジメチルフルオラン、フ
エニルヒドラジド−γ−ラクタム、3−アミノ−5−メチ
ルフルオランなどを挙げることができる。画像記録用イ
ンク中における呈色性化合物の濃度は、0.1〜10重量
%の範囲であることが好ましい。
【0015】画像記録用インクに含有される顕色剤と
は、呈色性化合物との間で、主として電子又はプロトン
の授受を行なうことにより呈色性化合物を着色させる化
合物であり、フェノール類、スルホン酸類、リン酸類、
亜リン酸類、ベンゾフェノン類、酸性リン酸エステル
類、フェノール金属塩類、カルボン酸金属塩類、スルホ
ン酸塩、リン酸金属塩類、亜リン酸金属塩類、酸性リン
酸エステル金属塩類などの電子受容性化合物が挙げられ
る。これらは単独で、又は2種以上を混合して用いるこ
とができる。顕色剤の具体的な例としては、2,4,
4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,
4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、没食子酸プロ
ピルなどを挙げることができる。また、画像記録用イン
ク中における顕色剤の量は、呈色性化合物の量に対し
て、0.1〜10重量%となるような量である。0.1
重量%より少ないときには、インクの発色が不十分にな
るという問題があり、また、10重量%を超えるときに
は、消色剤と反応したときの消色または退色が不十分に
なり、追跡パターンが判断できないという問題がある。
【0016】画像記録用インクには、その他に目詰まり
を防止するために湿潤剤を添加することができる。湿潤
剤としては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリ
コール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、1,3プロパンジオール、1,5ペンタンジオ
ール等の高沸点低揮発性の多価アルコール類が用いら
れ、その他N−メチル2−ピロリドン、1,3ジメチル
イミダゾリジノン、モノエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミン等の含窒素有機溶剤、
尿素、糖等の固体で吸湿性の高い添加剤等も用いること
ができる。添加量は、4〜30重量%が望ましく、好まし
くは7〜20重量%である。
【0017】画像記録用インクには、更に、従来公知の
水溶性有機溶剤、各種の分散剤、粘度調整剤、蛍光増白
剤、緩衝液によるpH調整剤、防カビ剤等を必要に応じ
て添加することができる。例えば、有機溶剤としては、
メタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1−
4のアルキルアルコール等を挙げることができ、また、
粘度調整剤としては、セルロース類、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルアルコール、水溶性樹脂等の水溶性の
天然あるいは合成の高分子化合物等を挙げることができ
る。
【0018】消色剤は、溶媒中に少なくとも消色作用物
質を含有している無色もしくは実質的に無色な溶液であ
る。消色剤中に含有される消色作用物質は、溶融時に顕
色剤および呈色性化合物のうち一方を優先的に溶解する
性質を有する化合物であり、ステロール化合物、コール
酸、リトコール酸、テストステロン、コルチゾン及びこ
れらの誘導体などである。これらの消色作用物質は、単
独で、または2種以上を混合して用いることができる。
【0019】ステロール化合物としては、具体的には、
コレステロール、スチグマステロール、プレグネノロ
ン、メチルアンドロステンジオール、エストラジオール
ベンゾエート、エピアンドロステン、ステノロン、β−
シトステロール、プレグネノロンアセテート、β−コレ
スタロール、5,16−プレグナジエン−3β−オール−20
−オン、5α−プレグネン−3β−オール−20−オン、5
−プレグネン−3β,17−ジオール−20−オン 21−ア
セテート、5−プレグネン−3β,17−ジオール−20−オ
ン 17−アセテート、5−プレグネンー3β,21−ジオー
ルー20−オン 21−アセテート、5−プレグネン−3β,
17−ジオール ジアセテート、ロコゲニン、チゴゲニ
ン、エスミラゲニン、ヘコゲニン、ジオスゲニンおよび
その誘導体を挙げることができる。
【0020】コール酸、リトコール酸、テストステロ
ン、コルチゾン及びこれらの誘導体としては、具体的に
は、コール酸、コール酸メチルエステル、リトコール
酸、リトコール酸メチルエステル、ヒドロキシコール
酸、ヒドロキシコール酸メチルエステル、テストステロ
ン、メチルテストステロン、11α−ヒドロキシメチルテ
ストステロン、ヒドロコルチゾンをが挙げることができ
る。消色剤中における消色作用物質の量は、インク中に
おける呈色性化合物の量に対して、1〜200重量%と
なるような量である。1重量%より少ないときには、消
色または退色を十分に起こすことができず、追跡パター
ンが判別できないという問題があり、また、200重量
%を超えるときには、インクの発色が不十分になり、記
録物の画質を損ねるという問題がある。
【0021】消色剤に使用される溶媒としては、水が好
ましい。また、水とともに有機溶媒を使用することもで
きる。その他、消色剤には、前記画像記録用のインクに
使用されるような、目詰まりを防止するために湿潤剤、
各種の分散剤、粘度調整剤、防カビ剤等を必要に応じて
添加することもできる。
【0022】次に、上記の偽造防止用インクセットを使
用した記録方法について説明する。画像記録用インクを
使って画像を記録する画像記録用手段、消色剤を使って
追跡パターンを記録する追跡パターン記録用手段、画像
記録用手段が作動したときには必然的に追跡パターン記
録用手段を作動させるように制御する制御手段を少なく
とも備えたプリンターに、前記偽造防止用インクセット
をセットする。プリンターに偽造防止用インクセットが
セットされると、前記の制御手段が自動的に作動し、画
像記録用手段の作動と同時に追跡パターン記録用手段
に、各メーカーの各プリンターに使用するインクセット
の追跡パターン、例えば、セイコーエプソン社製のイン
クジェットプリンター“MJ−930”に使用するイン
クセットについては、「EPSON・MJ−930」の
追跡パターン及びプリンター固有のシリアルNO.の追
跡パターンを記録するように制御する。このようにし
て、偽造防止用インクセットの画像記録用インクによっ
て記録媒体に画像が記録されると、それに重なって消色
剤による追跡パターンの記録がなされるのである。
【0023】図1は、上記の偽造防止用インクセットを
使用した記録方法を実施するための装置を示すものであ
る。2は、画像記録用インクを使って画像を記録する画
像記録用手段と消色剤を使って追跡パターンを記録する
追跡パターン記録用手段を備えたインクジェットプリン
ターであり、画像記録用インクを使って画像を記録する
画像記録用ヘッド21と消色剤を使って追跡パターンを
記録する追跡パターン記録用ヘッド22を有している。
このインクジェットプリンター2への各印刷情報の指示
は、コンピューター1でアプリケーションを実行する。
コンピューター1のディスプレイ上において、例えば、
記録用紙3の固定情報領域11および可変情報領域12
に相当する領域への入力によりなされる。インクジェッ
トプリンター2ではアプリケーションからの印刷指示に
より上記画像記録用ヘッド21と上記追跡パターン記録
用ヘッド22とが所定の動作で記録用紙3に設定通りの
印刷を行う。即ち、画像記録用手段が作動したときには
必然的に追跡パターン記録用手段を作動させるように制
御される。このようなインクジェットプリンターを使用
することにより、上記の偽造防止用インクセットを使用
した記録方法を実施することができる。
【0024】消色剤は、無色もしくは実質的に無色な溶
液であるから、画像記録用インクによって記録媒体に描
かれた画像に重なって記録された追跡パターンは、その
ままの状態では目視することができない。したがって、
本発明に係る偽造防止用インクセットを用いて記録され
た画像は、鑑賞に十分耐える画質を保つことができる。
しかし、その記録媒体を加熱またはアルコール塗布によ
って、短時間に消色作用物質を溶融すると、画像記録用
インクによって描かれた画像の内追跡パターンが重ねて
記録された部分のみが消色又は退色し、追跡パターンが
目視できるようになる。そこで、本発明に係る偽造防止
用インクセットを用いて記録された記録物は、それを単
に加熱またはアルコールを塗布するのみで、本物の場合
には現れることの無いその追跡パターンから、その記録
物が本物かどうかを判別することができるとともに、ど
このメーカーのどの機種のプリンターによって記録され
たかも特定することができる。
【0025】ここで、消色作用物質の消色作用について
説明すると、次のように考えられる。即ち、上記の呈色
性化合物、顕色剤、消色作用物質の3成分が溶融して流
動状態にあるときに、消色作用物質が顕色剤を優先的に
溶解すると想定する。または、上記の呈色性化合物、顕
色剤、消色作用物質の3成分にアルコールを塗布すると
アルコールが消色作用物質と顕色剤を優先的に溶解する
と想定する。室温またはアルコールに溶解しない状態に
おいては、呈色性化合物および顕色剤の相と消色作用物
質の相とが相分離した状態が平衡状態に近い。この場
合、呈色性化合物と顕色剤とが互いに相互作用して発色
状態となっている。この状態から、3成分系を融点以上
に加熱するかまたはアルコールに溶解させると、顕色剤
が流動状態の消色作用物質に優先的に溶解するかまたは
顕色剤、消色作用物質が優先的にアルコールに溶解、結
合し、呈色性化合物との相互作用を失うため消色状態に
なる。溶融状態の3成分系を急冷することによって強制
的に固化するかまたはアルコールに溶解状態にある3成
分系からアルコールを急速に蒸散させると、消色作用物
質は平衡溶解度を越えた量の顕色剤を取り込んで非晶質
化し、室温で無色になる。非晶質の3成分系は、相対的
には非平衡な状態にあるが、ガラス転移点Tg以下の温度
では十分長寿命であり、Tgが室温以上であるならば非晶
質状態から容易に平衡状態に移ることはない。このよう
にして、上記の呈色性化合物、顕色剤、消色作用物質の
3成分が一緒に存在する部分、即ち、画像記録用インク
によって描かれた画像の内追跡パターンが重ねて記録さ
れた部分のみが加熱またはアルコール塗布により消色又
は退色し、追跡パターンが目視できるようになると考え
られる。
【0026】本発明に係る偽造防止用インクセットを用
いて記録された記録物を加熱するための装置は、加熱急
冷が可能な機構を有していればどのような形態でもよ
い。具体的には、サーマルヘッドのような発熱抵抗体を
有する加熱装置が挙げられる。サーマルヘッドの1種で
一般にサーマルバーと呼ばれる、広い面積にわたって紙
を加熱できる発熱抵抗体を用いてもよい。また、本発明
に係る偽造防止用インクセットを用いて記録された記録
物にアルコールを塗布する手段としては、スプレーなど
の簡易な手段を用いることができる。
【0027】
【実施例】次に、本発明の実施例を挙げ、具体的に説明
するが、本発明は、以下の実施例によって限定されるも
のではない。呈色性化合物としてPSD−150(日本
曹達社製)、顕色剤として2,3,4,4’−テトラヒ
ドロキシベンゾフェノンを1:1の割合で配合して発色
させた組成物2重量部、バインダーとしてゼラチン3重
量部、ならびに少量のイソプロピルアルコール及び防黴
剤を水に加え、固形分4%の水性ブラックインクを調製
した。消去剤としてD−グルコース、ならびに少量のイ
ソプロピルアルコール及び防黴剤を水に加え、固形分6
%の消去剤を調製した。これらの水性ブラックインク及
び消色剤からなる偽造防止用インクセットを、ピエゾ素
子を使用したインクジェットプリンター(例えば、エプ
ソン社製PM750Cのようなもの)にセットし、即
ち、水性ブラックインクをプリンターのブラックインク
供給口に供給し、消色剤をプリンターのカラーインク供
給口に供給するようにセットし、A4サイズの紙に印刷
した。モノクロ画像の印字が行われると同時に、プリン
ターに備わった追跡パターン記録用手段(プリンターの
ROM等に組み込まれた固有の追跡情報を、強制的に印
字するようにされているもの)を用いて、追跡パターン
が自動的に印字された。この紙を、サーマルプリンター
ヘッド(TPH)を用い、0.35mJ/dot以上の
パワーで加熱することにより、追跡パターンを確認する
ことができた。
【0028】
【発明の効果】本発明は、以上詳記したとおり、少なく
とも呈色性化合物と顕色剤とを含有する画像記録用イン
クと消色剤とからなるインクセットを用いて画像を記録
する際に、記録媒体上に画像記録用インクによる画像を
記録すると、自動的に消色作用物質による追跡パターン
が該画像の少なくとも一部に重なって記録されるように
することにより、その記録物を単に加熱またはアルコー
ルを塗布することによって、通常は目視できない追跡パ
ターンの部分のみを消色又は退色させて目視可能とし
て、その記録物が本物か偽造物かの判別が容易になると
いう優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る偽造防止用インクセットを使用し
た記録方法を実施するための装置の概略説明図である。
【符号の説明】
1 コンピュター 2 インクジェットプリンター 3 記録用紙 11 固定情報領域 12 可変情報領域 21 画像記録用ヘッド 22 追跡パターン記録用ヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 FC01 2H086 BA01 BA02 BA55 BA59 BA62 3E041 BA09 BB10 4J039 BC05 BC07 BC16 BC19 BC20 BC29 BC31 BC33 BC44 BC50 BC54 BC56 BC65 BC68 BC69 BE33 EA29 GA13 GA24

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも呈色性化合物と顕色剤とを含
    有する画像記録用インクと消色作用物質を含有する消色
    剤とからなることを特徴とする偽造防止用インクセッ
    ト。
  2. 【請求項2】 前記消色作用物質が、溶融時に呈色性化
    合物と顕色剤の内のいずれか一方を優先的に溶解する性
    質を有する物質であることを特徴とする請求項1に記載
    の偽造防止用インクセット。
  3. 【請求項3】 前記インク中における前記顕色剤の量
    は、前記呈色性化合物の量に対して、0.1〜10重量
    %となるような量であり、前記消色剤中における前記消
    色作用物質の量は、インク中における前記呈色性化合物
    の量に対して、1〜200重量%となるような量である
    ことを特徴とする請求項1に記載の偽造防止用インクセ
    ット。
  4. 【請求項4】 前記消色作用物質が、ステロール化合
    物、コール酸、リトコール酸、テストステロン、コルチ
    ゾン、及びこれらの誘導体であることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載の偽造防止用インクセット。
  5. 【請求項5】 前記呈色性化合物が、ロイコオーラミン
    類、ジアリールフタリド類、ポリアリールカルビノール
    類、アシルオーラミン類、アリールオーラミン類、ロー
    ダミンBラクタム類、インドリン類、スピロピラン類、
    フルオラン類などの電子供与性化合物であり、前記顕色
    剤が、フェノール類、フェノール金属塩類、カルボン酸
    金属塩類、ベンゾフェノン類、スルホン酸、スルホン酸
    塩、燐酸類、燐酸金属塩類、酸性燐酸エステル類、酸性
    燐酸エステル金属塩類、亜燐酸類、亜燐酸金属塩類など
    の酸性化合物であることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載の偽造防止用インクセット。
  6. 【請求項6】 少なくとも呈色性化合物と顕色剤とを含
    有する画像記録用インクと消色作用物質を含有する消色
    剤とからなる偽造防止用インクセットを用いて画像を記
    録する方法において、記録媒体上に画像記録用インクに
    より画像を記録すると、自動的に消色作用物質による追
    跡パターンが該画像の少なくとも一部に重なって記録さ
    れるようにした記録方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の記録方法によって記録
    されたことを特徴とする記録物。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の記録物を加熱し、追跡
    パターンと画像部分が重なった部分を消色又は退色させ
    ることを特徴とする記録物の判別方法。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の記録物にアルコールを
    塗布し、追跡パターンと画像部分が重なった部分を消色
    又は退色させることを特徴とする記録物の判別方法。
JP25225199A 1999-09-06 1999-09-06 偽造印刷物の判別方法およびこれに用いるインクセット Withdrawn JP2001072901A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010111871A (ja) * 2008-11-07 2010-05-20 Lg Display Co Ltd インク組成物及びこれを用いた液晶表示装置の製造方法
US9169409B2 (en) 2008-11-07 2015-10-27 Lg Display Co., Ltd. Ink composition for imprint lithography and roll printing

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