JP2001072861A - 弾性舗装用結合材とその製造方法並びに用途 - Google Patents

弾性舗装用結合材とその製造方法並びに用途

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JP2001072861A
JP2001072861A JP2000199028A JP2000199028A JP2001072861A JP 2001072861 A JP2001072861 A JP 2001072861A JP 2000199028 A JP2000199028 A JP 2000199028A JP 2000199028 A JP2000199028 A JP 2000199028A JP 2001072861 A JP2001072861 A JP 2001072861A
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binder
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pavement
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Tadaaki Ikeda
忠昭 池田
Takayoshi Torigata
隆悦 鳥潟
Akira Maruyama
陽 丸山
Munehiro Murakami
▲むね▼弘 村上
Shokichi Hairi
昭吉 羽入
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Nichireki Co Ltd
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Nichireki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細粒分を多く含む現地発生材に対しても良好
な混合性を示し、弾性を有する骨材を使用することなく
弾性舗装を実現でき、しかも、実質的に透明で骨材本来
の色彩を隠すことが少なく、かつ、混合物の製造に際し
て加熱を必要とせず常温で他の配合成分と混合すること
ができる新規な弾性舗装用結合材と、その製造方法、並
びに用途を提供することを課題とする。 【解決手段】 ポリウレタンポリイソシアネートプレポ
リマーと石油樹脂と可塑剤とを主成分とする弾性舗装用
結合材を提供すると共に、石油樹脂と可塑剤とを混合す
る第1の工程と、第1の工程で得られた混合物とポリウ
レタンポリイソシアネートプレポリマーとを混合する第
2の工程を含む弾性舗装用結合材の製造方法、更には、
そのような弾性舗装用結合材と骨材とを主成分とする弾
性舗装用混合物並びにその製造方法、加えて、そのよう
な弾性舗装用混合物を用いて構築された舗装体を提供す
ることによって上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性舗装用結合材
とその製造方法並びに用途に関し、詳しくは、現地発生
材を骨材として使用しつつ、弾性に優れた混合物を得る
ことを可能にする弾性舗装用結合材とその製造方法、並
びに、その弾性舗装用結合材と骨材とを主成分とする弾
性舗装用混合物及びその製造方法、更には、その弾性舗
装用混合物を用いて構築された舗装体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、公園や河川敷などに於ける遊歩道
や散策路、ジョギング道路等において、歩行者に対して
は自然で柔らかな歩行感覚を与えると共に、ジョギング
者に対しては着地時の衝撃を吸収して膝や踵などに加わ
る負荷を和らげる目的で、現地発生土や現地発生砂利等
で代表される現地発生材を利用した弾性舗装が試みられ
ている。現地発生材は、もともと舗装現場近辺に存在す
る材料であるので、輸送の手間が少なくて済む上に、周
囲の景観とも調和し易く、更には、多量に存在するので
入手が容易である上に、往々にして利用されないままの
状態であることが多く、そのような現地発生材を弾性舗
装に利用することは、種々の面でメリットがある。
【0003】しかしながら、現地発生材は、通常の舗装
用骨材に比べて細粒分が多いので、舗装用混合物に使用
した場合には、結合材との均一な混合が困難である上
に、混合物自体の強度を上げるにも限界があり、交通に
供するまでに養生時間を長く取らなければならないとい
う問題がある。しかも、現地発生材は、それ自身が弾性
を有しないものであることが多く、そのような現地発生
材を用いて弾性舗装を構築するには、混合物中にゴム片
やゴムチップや、更には必要に応じて細骨材を加えなけ
ればならず、その分、作業効率が悪くなるという欠点が
あった。
【0004】また、これまでの弾性舗装用結合材には、
例えば石油アスファルトのように黒色という濃い有色の
ものが多く、現地発生材が有している固有の色彩を隠し
てしまうという欠点があり、しかも、得られる弾性舗装
体の弾力性が十分でないという問題があった。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な従来技術の欠点を解決するために為されたもので、細
粒分を多く含む現地発生材に対しても良好な混合性を示
し、弾性を有する骨材を使用することなく弾性舗装を実
現でき、しかも、実質的に透明で骨材本来の色彩を隠す
ことが少なく、かつ、混合物の製造に際して加熱を必要
とせず常温で他の配合成分と混合することができる新規
な弾性舗装用結合材と、その製造方法、並びに用途を提
供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、弾性舗装
用結合材として使用できる材料について研究を重ねた結
果、ポリウレタンポリイソシアネートプレポリマーと石
油樹脂と可塑剤とを混合することによって、上記課題を
解決するに足る特性を備えた新規な弾性舗装用結合材が
得られることを見出し、同時に、その弾性舗装用結合材
の製造方法を確立すると共に、その弾性舗装用結合材が
細粒分を多く含む現地発生材とも常温で良く混合し、自
身が弾性を備え、弾性を有する骨材を使用することなく
弾性舗装を構築できること、しかも、実質的に無色であ
り、骨材本来の色彩を隠すことがないことを確認して本
発明を完成した。
【0007】即ち、本発明は、ポリウレタンポリイソシ
アネートプレポリマーと石油樹脂と可塑剤とを主成分と
する弾性舗装用結合材を提供すると共に、石油樹脂と可
塑剤とを混合する第1の工程と、第1の工程で得られた
混合物とポリウレタンポリイソシアネートプレポリマー
とを混合する第2の工程を含む弾性舗装用結合材の製造
方法、更には、そのような弾性舗装用結合材と骨材とを
主成分とする弾性舗装用混合物並びにその製造方法、加
えて、そのような弾性舗装用混合物を用いて構築された
舗装体を提供することによって上記課題を解決するもの
である。
【0008】本発明の弾性舗装用結合材は、通常、ポリ
ウレタンポリイソシアネートプレポリマーと石油樹脂と
可塑剤とを主成分とするものであるが、ポリウレタンポ
リイソシアネートプレポリマーを調製するに際して、ポ
リイソシアネートと1分子中に2個以上の活性水素を有
するポリオールなどの化合物とを反応させるのに加え
て、N−ヒドロキシアルキル−オキサゾリジンを反応さ
せると、粘度の低いポリウレタンポリイソシアネートプ
レポリマーが得られ、可塑剤の使用量を低減させること
が可能となる。可塑剤を多く含む弾性舗装用結合材を用
いた混合物は、ややもすると、施工直後から可塑剤が滲
出し、混合物の強度低下や色褪せが発生し易いという欠
点があるものの、N−ヒドロキシアルキル−オキサゾリ
ジンを用いてポリウレタンポリイソシアネートプレポリ
マーを調製することによって、使用する可塑剤の量を低
減させることが可能となり、良好な作業性を確保しなが
ら、可塑剤の滲出のない弾性舗装用結合材や舗装用混合
物を得ることができるという利点がある。
【0009】本発明の弾性舗装用結合材は、現地発生土
や現地発生砂利等に代表される細粒分を多く含む現地発
生材とも良好な混合性を示し、自身が弾性を備えている
ことに加えて、骨材と混合された際、厚く骨材表面を覆
うので、他に弾性骨材を用いることなく、安価で入手が
容易な現地発生材を使用しながら、構築される舗装体に
弾性を付与することができる。しかも、混合物中の弾性
舗装用結合材の配合量を調整することによって、構築さ
れる舗装体の弾性の程度を調節することが可能である。
加えて、本発明の弾性舗装用結合材は実質的に無色であ
り、現地発生材などの骨材が本来有している色彩を覆い
隠すというようなことがない。また、本発明の弾性舗装
用結合材を用いる舗装用混合物は、混合物の製造時に、
従来結合材として使用されてきたアスファルトや改質ア
スファルトの場合のように高温を必要とせず、常温で骨
材などと混合することが可能である。しかも常温で施工
することが可能であるので、炭酸ガスの発生が少なく、
安全でもある。本発明の弾性舗装用混合物は、公園や河
川敷等における遊歩道や散策路、庭園、歩道などの弾性
舗装に利用することが可能であり、それらの場所におい
て、現地発生土を利用した弾性舗装を実現することを可
能にするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0011】本発明の弾性舗装用結合材は、ポリウレタ
ンポリイソシアネートプレポリマーと石油樹脂と可塑剤
とを主成分とするものである。ここで主成分とは、得ら
れる組成物の主たる特性が、ポリウレタンポリイソシア
ネートプレポリマーと石油樹脂と可塑剤と、それらの配
合割合によって決まることをいい、必ずしも、これら3
つの成分が他の成分に比べて多量に存在する必要はな
い。しかしながら、通常は、弾性舗装用結合材中の大部
分をこれら3つの成分が占めることになる。
【0012】上記3つの成分の配合割合は、通常、ポリ
ウレタンポリイソシアネートプレポリマー100重量部
に対して、石油樹脂40〜110重量部、可塑剤40〜
110重量部の割合である。ポリウレタンポリイソシア
ネートプレポリマー100重量部に対して、石油樹脂が
40重量部未満の場合には、結合材としたときの接着
力、結合力が低下する。一方、ポリウレタンポリイソシ
アネートプレポリマー100重量部に対して、石油樹脂
が110重量部超の場合には、粘性が高くなり過ぎて混
合攪拌が困難になる。
【0013】また、ポリウレタンポリイソシアネートプ
レポリマー100重量部に対して、可塑剤が40重量部
未満では、結合材の粘度が高くなり過ぎて、接着力、結
合力に劣ることとなる。一方、ポリウレタンポリイソシ
アネートプレポリマー100重量部に対して、可塑剤が
110重量部超では、組成物の粘性が低くなり過ぎて、
骨材との混合性は良くなるものの、混合物自体が柔らか
なものとなってしまい、圧密を十分に行うことができな
いという不都合がある。しかしながら、後述するよう
に、ポリウレタンポリイソシアネートプレポリマーを調
製するに際して、ポリイソシアネートと1分子中に2個
以上の活性水素を有するポリオールなどの化合物とを反
応させるのに加えて、N−ヒドロキシアルキル−オキサ
ゾリジンを反応させると、粘度の低いポリウレタンポリ
イソシアネートプレポリマーが得られ、可塑剤の使用量
を100重量部未満にまで低減させることが可能とな
る。従って、ポリウレタンポリイソシアネートプレポリ
マーを調製するに際して、N−ヒドロキシアルキル−オ
キサゾリジンを使用する場合には、可塑剤の量は、ポリ
ウレタンポリイソシアネートプレポリマー100重量部
に対して40重量部未満でも良く、N−ヒドロキシアル
キル−オキサゾリジンの使用量によっては、0重量部で
も良い。
【0014】以下、使用する材料について順次説明す
る。
【0015】〈ポリウレタンポリイソシアネートプレポ
リマー〉本発明で使用するポリウレタンポリイソシアネ
ートプレポリマーは、ポリイソシアネートと1分子中に
2個以上の活性水素を有する化合物と、場合によっては
更にN−ヒドロキシアルキル−オキサゾリジンとを反応
させることによって得られるものである。
【0016】使用することのできるポリイソシアネート
に特に制限はなく、m―フェニレンジイソシアネート、
p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニ
ルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネ
ート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート、
4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジ
フェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソ
シアネート、1,3−または1,4−キシリレンジイソ
シアネート、もしくはそれらの混合物などの芳香脂肪族
ジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テ
トラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2
−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイ
ソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、
1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−また
は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ
ート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエートな
どの脂肪族ジイソシアネート、1,3−シクロペンテン
ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシア
ネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3
−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシク
ロヘキシルイソシアネート、4,4’−メチレンビス
(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−
シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シ
クロヘキサンジイソシアネート、1,4−ビス(イソシ
アネートメチル)シクロヘキサンなどの脂環族ジイソシ
アネート、及び、これらジイソシアネートのカルボジイ
ミド変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性
体、二量体、三量体など、通常ポリウレタン樹脂の製造
に使用されるポリイソシアネートを挙げることができ、
これらは単独または2種以上の混合物として用いること
ができる。ただし、N−ヒドロキシアルキル−オキサゾ
リジンを使用しない場合には、ジフェニルメタンジイソ
シアネート若しくはクルードジフェニルメタンジイソシ
アネートを用いるのが望ましい。
【0017】また、1分子中に2個以上の活性水素を有
する化合物としては、例えば、ポリブタジエンポリオー
ルやポリイソプレンポリオールに代表されるポリオレフ
ィン系ポリオールやその水素添加物を用いるのが望まし
く、これらに代えて、或いは、これらと共に、例えば、
エチレングリコール、プロパンジオール、プロピレング
リコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチ
レングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,6
−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのア
ルカンジオール(炭素数2〜22)、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ルなどのポリアルキレングリコール(炭素数2〜1
5);その他、水素化ビスフェノールA、1,4−ジヒ
ドロキシ−2−ブテン、2,6−ジメチル−1−オクテ
ン−3,8−ジオール、2−メチル−2−ヒドロキシメ
チル−1,3−プロパンジオール、ビスヒドロキシエト
キシベンゼン、キシレングリコール、ビスヒドロキシエ
チレンテレフタレートなどの分子量350以下の低分子
ジオール;グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオー
ル、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパ
ン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−3−ブタノー
ル、及びその他の脂肪族トリオール(炭素数8〜20)
などの分子量350以下の低分子トリオール;2,4−
ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタンなどのポ
リオール;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、ヒドラジン、1,2−ジアミノ
エタン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノ
ペンタン、1,6−ジアミノヘキサンジアミノトルエ
ン、ビス−(4−アミノフェニル)メタン、ビス−(4
−アミノ−3−クロロフェニル)メタンなどの分子量3
50以下の低分子ジアミン;ジエチレントリアミン、ト
リエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペ
ンタエチレンヘキサミン、2,2’−ジアミノジエチル
アミンなどの分子量350以下の3官能以上の低分子ポ
リアミン;以上のような低分子ジオール、トリオール、
ポリオール、ジアミン、または3官能以上のポリアミン
と、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどの
アルキレンオキサイドとの付加反応によって得られるポ
リオキシアルキレンポリオール;前記の低分子ポリオー
ルとエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリ
メチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、α−メチル
トリメチレンオキサイド、3,3’−ジメチルトリメチ
レンオキサイド、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど
の環状エーテルの開環重合または共重合によって得られ
るポリエーテルポリオール;テトラヒドロフランの開環
重合によって得られるポリテトラメチレングリコール;
前記低分子ジオール、低分子トリオールの1種または2
種以上と、例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フ
マル酸、フタル酸、イソフタル酸、コハク酸、メチルコ
ハク酸、グルタール酸、アジピン酸、1,1−ジメチル
−1,3−ジカルボキシプロパン、3−メチル−3−エ
チルグルタール酸、アゼライン酸、セバチン酸、その他
の脂肪族カルボン酸(炭素数11〜13)、ヘット酸及
びこれらのカルボン酸の、例えば無水シュウ酸、無水コ
ハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水2−アル
キル(炭素数12〜18)コハク酸などの酸無水物、さ
らには、これらのカルボン酸の、シュウ酸ジクロリド、
アジピン酸クロライド、セバチン酸クロライドなどの酸
ハライドとの反応によって得られるポリエステルポリオ
ール;前記低分子ジオール、低分子トリオールを開始剤
としてε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等のラ
クトンを開環重合して得られるポリエステルポリオー
ル;前記低分子ジオール、低分子トリオールを開始剤と
してエチレンカーボネートを開環重合して得られるポリ
カーボネートポリオール;ひまし油などの天然油脂ポリ
オールやペンタエリスリトール、ソルビトール、ショ糖
などを使用しても良い。ただし、N−ヒドロキシアルキ
ル−オキサゾリジンが使用される場合には、1分子中に
2個以上の活性水素を有する化合物としては、例えば、
ポリブタジエンポリオールやポリイソプレンポリオール
に代表されるポリオレフィン系ポリオールやその水素添
加物が用いられる。
【0018】使用されるN−ヒドロキシアルキル−オキ
サゾリジンとは、(ヒドロキシアルキル)ジアミンとケ
トンまたはアルデヒドとの脱水縮合反応によって得られ
るものであり、下記化学式1で表されるように、オキサ
ゾリジン環の窒素原子に結合する置換基の末端に水酸基
を有するものであれば良い。
【0019】
【化1】
【0020】化学式1において、Rは炭素数2〜5の
アルキレン基、Rは水素原子または炭素数1〜3のア
ルキル基、R及びRは、同一または異なって、水素
原子または炭素数1〜20の炭化水素基であるのが好ま
しい。Rで表される炭素数2〜5のアルキレン基とし
ては、例えばエチレン基、イソプロピレン基などが好ま
しく挙げられ、Rで表される炭素数1〜3のアルキル
基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基などが挙げられるが、Rとしては水素
原子またはメチル基が好ましい。R及びRで表され
る炭素数1〜20の炭化水素基としては、飽和もしくは
不飽和脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基のいずれで
あっても良いが、脂肪族炭化水素基としては、例えば、
メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソペンチル基
などの炭素数1〜7のものが好ましく、芳香族炭化水素
基としては、フェニル基、トルイル基、ベンジル基など
の炭素数6〜10のものが好ましい。なお、R3及びR
4のうち、いずれか一方が水素原子であるのが、オキサ
ゾリジン化合物の貯蔵安定性の点からは好ましい。
【0021】使用されるN−ヒドロキシアルキル−オキ
サゾリジンの具体例としては、2−イソプロピル−3−
(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジン、2−(1−
メチルブチル)−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサ
ゾリジン、2−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチ
ル)オキサゾリジン、2−イソプロピル−3−(2−ヒ
ドロキシプロピル)−5−メチルオキサゾリジンなどが
挙げられる。
【0022】以上のようなポリイソシアネートと1分子
中に2個以上の活性水素を有する化合物との反応は、イ
ソシアネート基が過剰の条件下で行うのが望ましく、例
えば、N−ヒドロキシアルキル−オキサゾリジンを使用
しない場合には、ポリイソシアネート中のイソシアネー
ト基と1分子中に2個以上の活性水素を有する化合物中
の水酸基との当量比が、好ましくは、(イソシアネート
基)/(水酸基)=1.05〜5.0であるような範囲
でポリイソシアネートと1分子中に2個以上の活性水素
を有する化合物とを混合し、50〜100℃の温度で、
0.5〜20時間反応させることによって、本発明で使
用するポリウレタンポリイソシアネートプレポリマーを
得ることができる。
【0023】このようにして得られたポリウレタンポリ
イソシアネートプレポリマーは、その平均分子量が20
0〜10000、好ましくは、300〜8000であ
る。平均分子量が200未満の場合には、低粘化し接着
性や結合力は良好となるが、骨材と混合した際の被膜厚
さが厚くなるほど発泡(CO)し易く、弾力性が失わ
れて硬い組成物になり易い。また、平均分子量が100
00を超えると、ゴム弾性は増大し、発泡も減少する
が、プレポリマー自体の粘度が増大し、作業性に問題を
生じるようになる。また、プレポリマー中の遊離のイソ
シアネート基の含量は0.5〜20重量%、好ましくは
1〜10重量%、より好ましくは約2重量%であり、遊
離のイソシアネート基の含量が0.5重量%未満では、
プレポリマー自体の粘度が高くなり熱可塑性の性質とな
って好ましくなく、また、遊離のイソシアネート基の含
量が20重量%を超えると、粘性は低くなるが、硬くな
りゴム弾性が失われる傾向にある。
【0024】一方、N−ヒドロキシアルキル−オキサゾ
リジンを使用する場合には、ポリイソシアネート中のイ
ソシアネート基と1分子中に2個以上の活性水素を有す
る化合物中の水酸基との当量比が、好ましくは、(イソ
シアネート基)/(水酸基)=2〜10であるような範
囲でポリイソシアネートと1分子中に2個以上の活性水
素を有する化合物とを混合し、更に、1分子中に2個以
上の活性水素を有する化合物との反応分を除いて残るイ
ソシアネート基とN−ヒドロキシアルキル−オキサゾリ
ジン中の水酸基との当量比が、(イソシアネート基)/
(水酸基)=2〜20であるような量のN−ヒドロキシ
アルキル−オキサゾリジンを混合して反応させて、本発
明で使用するポリウレタンポリイソシアネートプレポリ
マーを得ることができる。反応温度、反応時間は、N−
ヒドロキシアルキル−オキサゾリジンを使用しない場合
と同じである。1分子中に2個以上の活性水素を有する
化合物として使用されるポリオレフィン系ポリオールの
ポリウレタンポリイソシアネートプレポリマー中の使用
量は、0.5重量%〜15重量%の範囲が望ましい。ポ
リオレフィン系ポリオールの使用量が0.5重量%未満
では、アスファルトとプレポリマーとの相溶性が悪くな
る傾向があり、一方、ポリオレフィン系ポリオールの使
用量が15重量%を超えると、プレポリマーの粘度が高
くなり、常温での取り扱いに不都合をきたすおそれがあ
る。
【0025】このようにして得られるポリウレタンポリ
イソシアネートプレポリマーは、粘度が500〜200
00(mPa・s/25℃)であり、使用する可塑剤の
量を低減しても、十分にアスファルトと混合し、さらに
は骨材とまぜて舗装用混合物とすることができる。ポリ
イソシアネート中のイソシアネート基と1分子中に2個
以上の活性水素を有する化合物中の水酸基との当量比
(イソシアネート基)/(水酸基)が2未満であると、
得られるプレポリマーの粘度が高くなりすぎて、製造上
および混合物作成上好ましくなく、逆に上記の当量比が
10超であると、COによる発泡が多くなり、混合物
物性等に悪影響を与えるので好ましくない。また、1分
子中に2個以上の活性水素を有する化合物との反応分を
除いて残るイソシアネート基とN−ヒドロキシアルキル
−オキサゾリジン中の水酸基との当量比(イソシアネー
ト基)/(水酸基)が2未満であると、得られるプレポ
リマーの粘度が高くなりすぎて、製造上、貯蔵上、およ
び混合物作成上好ましくなく、逆に上記の当量比が20
超であると、COによる発泡が多くなり、混合物物性
等に悪影響を与えるので好ましくない。プレポリマー中
の遊離のイソシアネート基の含量は1.5〜15重量%
の範囲が好ましく、遊離のイソシアネート基の含量が
1.5重量%未満では、プレポリマー自体の粘度が高く
なり熱可塑性の性質となって好ましくなく、また、遊離
のイソシアネート基の含量が15重量%を超えると、粘
性は低くなるが、発泡が多くなり、また、硬くなりゴム
弾性が失われる傾向にある。
【0026】〈石油樹脂〉本発明で使用する石油樹脂と
しては、ナフサ分解生成物の蒸留により分離される沸点
が20〜60℃の留分(C5留分)を主成分とする脂肪
族系(C5系)石油樹脂、同じくナフサ分解生成物の蒸
留により分離される沸点が160〜260℃の留分(C
9留分)を主成分とする芳香族系(C9系)石油樹脂、
これらC5系及びC9系石油樹脂を共重合させた脂肪族
/芳香族共重合系(C5/C9系)石油樹脂、及び、主
としてナフサ分解生成物の蒸留により分離される高純度
のジシクロペンタジエンを主成分とする脂環族系(DC
PD系)石油樹脂などがあり、本発明で使用する人工ア
スファルトにおいては、これらのうちの1種若しくは2
種以上が混合して使用される。
【0027】以上のような石油樹脂は、石油樹脂単独で
使用しても良いが、石油樹脂を軟らかくして、骨材、特
に細粒骨材との混合性を改善したり、骨材への被覆厚を
厚くする目的で、石油樹脂100重量部に対して石油系
配合油及び/又は潤滑油を配合して使用しても良い。た
だし、これらの石油系配合油及び潤滑油を余りに多く入
れすぎると、混合物に腰がなくなり、また、施工後のお
さまりが悪くなるので、配合割合は、石油樹脂100重
量部に対して石油系配合油及び/又は潤滑油の合計量で
20〜60重量部の範囲が好ましい。
【0028】〈石油系配合油〉本発明で使用する石油系
配合油とは、プロセスオイルとも呼ばれ、芳香族炭素数
が全炭素数の35%以上である芳香族系、ナフテン環炭
素数が全炭素数の30〜45%であるナフテン系、及
び、パラフィン側鎖炭素数が全炭素数の50%以上であ
るパラフィン系などがあり、本発明で使用する石油系配
合油においては、これらのうちの1種若しくは2種以上
が適宜使用される。
【0029】〈潤滑油〉本発明で使用する潤滑油として
は、石油系潤滑油、合成潤滑油、脂肪油などが挙げら
れ、これらはそのうちの1種又は2種以上が適宜使用で
きるが、合成潤滑油を用いるのが最も好ましい。
【0030】石油系潤滑油とは、原油の常圧蒸留の蒸留
残油として得られる沸点およそ300℃以上の重油を、
真空蒸留によって各種流出油と残油に分け、それぞれ
に、例えば、脱ロウ、硫酸処理、溶剤抽出、脱アスファ
ルト、白土処理などの適当な精製処理を行い、最終製品
に仕上げたものである。
【0031】合成潤滑油とは、有機合成法によって製造
される潤滑油で、一般に用途によって区分けされ、例え
ば、スピンドル油、コンプレッサ油、ダイナモ油、ター
ビン油、マシン油、エンジン油、シリンダー油、ジェッ
トエンジン油、作動油などが挙げられる。
【0032】脂肪油とは、主として石油系潤滑油に混合
し、混成潤滑油として油性あるいは乳化性を必要とする
用途に使用されるものである。
【0033】〈可塑剤〉本発明で使用する可塑剤として
は、フタル酸ジメチル(DMP)、ジエチルフタレート
(DEP)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジ
ヘプチル(DHP)、フタル酸ジオクチル(DOP)、
フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジイソデ
シル(DIDP)、フタル酸ジトリデシル(DTD
P)、フタル酸ブチルベンジル(BBP)、フタル酸ジ
シクロへキシル(DCHP)、テトラヒドロフタル酸エ
ステル、リン酸トリクレシル(TCP)、トリエチルホ
スフェート(TEP)、トリブチルホスフェート(TB
P)、トリ(クロロエチル)ホスフェート(TCE
P)、トリジクロロプロピルホスフェート(CRP)、
トリブトキシエチルホスフェート(TBXP)、トリフ
ェニルホスフェート(TPP)、クレジルジフェニルホ
スフェート(CDP)等が挙げられ、これらの可塑剤
は、その1種又は2種以上が使用されるが、中でも、フ
タル酸ジイソノニル又はフタル酸ジオクチルを、それぞ
れ単独で使用するのが好ましい。
【0034】以上のような材料に加えて本発明の弾性舗
装用結合材には、耐熱性向上や、紫外線等による劣化防
止、作業性向上、並びに接着性向上等の目的で、紫外線
吸収剤や、各種添加剤、粘度調整剤、粘着付与剤、硬化
反応調整剤、接着増強剤、整泡剤、剥離防止剤、老化防
止剤などを添加しても良い
【0035】本発明の弾性舗装用結合材は、例えば、以
下のような方法で、プレミックスタイプの結合材として
製造することができる。
【0036】(第1の工程)まず、石油樹脂と可塑剤と
を混合、攪拌する。この場合、石油樹脂には、所定量の
石油系配合油または潤滑油を予め混合しておいても良
い。第1の工程における混合、攪拌温度は100〜15
0℃であり、攪拌機の回転数は20〜100r.p.
m.の範囲であることが望ましい。攪拌機の回転数が2
0r.p.m.未満であると十分な混合攪拌ができない
恐れがあり、逆に攪拌機の回転数が100r.p.m.
を超えると空気が混入される恐れがあって望ましくな
い。なお、この第1の工程は可塑剤を使用する場合に必
要とされる工程であって、N−ヒドロキシアルキル−オ
キサゾリジンを使用することによって例えば可塑剤の使
用量を0重量部にまで低減することができる場合には、
必要でない工程であることは言うまでもない。
【0037】(第2の工程)次に、第1の工程で得られ
た混合物、或いは可塑剤を使用しない場合には石油樹脂
に、ポリウレタンポリイソシアネートプレポリマーを添
加し、混合、攪拌して、本発明の弾性舗装用結合材を得
る。第2の工程における混合、攪拌温度は0℃以上、5
0℃未満であるのが望ましい。混合攪拌温度が0℃未満
であると良好な弾性舗装用結合材が得られない恐れがあ
り、混合攪拌温度が50℃以上であると、加熱に要する
設備等が大がかりなものとなり好ましくない。また、第
2の工程は、例えば、窒素、アルゴン、二酸化炭素、ネ
オン、ドライエアー等の乾燥気体の雰囲気下で行う必要
がある。乾燥気体の中ではドライエアーの使用が安価で
あり好ましい。第2の工程を乾燥気体雰囲気下で行うの
は、雰囲気中に水分が存在すると、被混合物が水分を吸
収し反応してしまうのを避けるためである。乾燥気体の
圧力は、0.2kgf/cm以上、3kgf/cm
未満の範囲であることが望ましい。圧力が0.2kgf
/cm未満であると、圧力が低すぎて余り効果がな
く、逆に圧力が3kgf/cm以上となると、設備が
大がかりなものとなり好ましくない。
【0038】以上のようにして製造された弾性舗装用結
合材は、実質的に無色であり、それ自身が弾性を備えた
結合材である。ここで「実質的に無色」とは、併用され
る骨材などが本来有している色彩や光反射性、光輝性、
蛍光性、蓄光性などの特性や、必要に応じて混合される
顔料の色彩を損なわない程度に無色ということであっ
て、必ずしも、完全に透明である必要はなく、半透明で
あっても、若干の飴色を有していても良い。
【0039】本発明の弾性舗装用結合材は、適宜の骨
材、更には必要に応じて、適宜の顔料、水硬性無機材
料、繊維材料などを添加して、常温で混合することによ
って弾性舗装用混合物とすることができる。骨材として
はどのようなものを使用しても良いが、現地発生材を使
用するのが好ましい。骨材と弾性舗装用結合材との配合
割合は、骨材100重量部に対して弾性舗装用結合材5
〜12重量部の範囲が望ましい。骨材の種類にも依る
が、弾性舗装用結合材の量が5重量部未満であると混合
物がパサついて粘性が乏しくなり、舗設現場でのおさま
りが不良となる。また、逆に弾性舗装用結合材の量が1
2重量部を超えると混合性が悪くなるだけでなく、敷き
均し時に作業性が悪くなる。
【0040】本発明の弾性舗装用混合物は、一般の舗装
用混合物と同様に舗装用混合物製造所や舗装現場で製造
することができ、使用する混合攪拌ミキサーとしては、
連続型のものでも、バッチ型のものでもいずれでも使用
できる。混合は、まず、骨材をミキサーに投入し、20
〜30秒空練りした後に、常温(大気温)の状態で本発
明の弾性舗装用結合材を投入し、40〜60秒本混合を
行うだけで、良好な混合物を製造することができる。使
用する骨材に応じて、適宜の含水調整を行うことは言う
までもない。顔料、水硬性無機材料、繊維材料は、必要
に応じて空練り時に投入しておくのが良い。
【0041】以下、混合物の製造に使用する材料につい
て説明する。
【0042】〈現地発生材〉本明細書でいう現地発生材
とは、地域により豊富に産出する現地特有の材料のこと
で、例えば、まさ土、スコリア、シラス、クロボク、関
東ローム、山砂、山砂利、丘砂、丘砂利、川砂、川砂
利、海岸砂、火山系堆積土砂、腐植土等が挙げられる。
また、これらの他に、その地域の砂質土、礫質土、堆積
粒状土、丘陵地に見られる塊粒土なども挙げられ、更に
は、砂利道に代表される人工的に砕石や砂利等が搬入さ
れた道路敷の砂利混じり土等も挙げられる。また、農業
地域においては、米、麦等の収穫時に多量に廃棄される
穀物殻や、林業地域においては、間伐材などをチップ化
したもの、その他、プラスチック粒、ガラス粒、コンク
リート破砕砂、砕石屑、鉱石屑、各種産業廃棄物を小片
化ないしは粒状化したものなども現地発生材として使用
することができる。
【0043】以上のような現地発生材のうち、まさ土と
は、各種の花崗岩や片麻岩などが風化してその場に残留
している堆積土のことであり、本州、四国、九州に広く
分布し、特に六甲山以西の瀬戸内海沿岸地方に典型的に
見られるものである。土粒子は風化途中のもので、物理
的、化学的に不安定である上に、母岩の性質を反映して
鉱物組成の上でもかなりの差異を有するために、普通土
とは異なった工学的性質を示すものである。
【0044】また、スコリアとは、火山砕屑物の一種
で、多孔質で密度が小さく、暗褐色ないしは黒色を呈
し、玄武岩質のマグマに由来しており、別称、岩滓とも
呼ばれるものである。シラスとは、一般に灰白色を呈す
る浮石質の火山弾や火山砂、火山灰などが堆積したもの
で、自然状態では緩い岩相を呈しているが、崩したもの
は砂質の粒状をなしているものである。クロボクは、腐
植に富む粘性土で、火山性(火山灰質有機質土)のもの
と非火山性のものとがあり、前者は火山ガラスがアロフ
ェン化して、それが腐植しているとされるものであり、
後者は母材が段丘堆積物の氾濫ローム起源の場合が多い
とされるものである。関東ロームとは、火山噴出物の堆
積土の一種であって、火山性洪積層の代表的なものとさ
れ、火山灰が空気中に噴火で吹き上げられ偏西風に乗っ
て運ばれ堆積したもので、関東地方の洪積台地および丘
陵地に豊富に堆積しているものである。
【0045】〈顔料〉本発明の弾性舗装用混合物には、
着色の目的で、例えば、以下に示すような有機系及び/
又は無機系の顔料を用いることが可能である。使用する
無機系顔料としては、例えば、 白色:二酸化チタン、酸化亜鉛、鉛白 黒色:鉄黒、黒鉛、カーボンブラック 赤色:カドミウムレッド 橙色:モリブデンオレンジ 黄色:水酸化第二鉄、酸化鉄黄、黄鉛 緑色:酸化クロム、クロムグリーン 青色:群青、紺青、コバルトブルー 紫色:マンガンバイオレット などが挙げられる。
【0046】また、有機系の顔料としては、 赤色:ウオッチングレッド、キナクリドンレッド 橙色:パーマネントオレンジ 黄色:ファストイエロー 緑色:フタロシアニングリーン 青色:フタロシアニンブルー 紫色:ジオキサジンバイオレット などが挙げられる。
【0047】これらの顔料は、1種又は2種以上を組み
合わせて併用しても良い。また、これら顔料の使用量
は、弾性舗装用混合物100重量部に対して、12重量
部以下、好ましくは、8重量部以下である。顔料を12
重量部を越えて使用しても効果にさほど差が見られず不
経済である。
【0048】〈水硬性無機材料〉本発明の弾性舗装用混
合物には、混合物の強度を高めるため、或いはまた養生
時間を短縮するため、更には、過剰な水分を吸収する含
水量調整剤として、水硬性無機材料を添加することがで
きる。使用できる水硬性無機材料としては、セメント、
無水石膏、半水石膏、粉末状スラグなどが挙げられ、セ
メントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポル
トランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸
熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、
高炉セメント、シリカセメント、アルミナセメント、膨
張セメント、高炉コロイドセメント、コロイドセメン
ト、超速硬セメント、白色セメント、フライアッシュセ
メント、耐硫酸塩セメント、ジェットセメントなどが挙
げられる。これらの水硬性無機材料は、その1種もしく
は2種以上を併用することも可能で、更には、水や、公
知のセメント用混和材料、例えば、収縮補償材、硬化促
進材、硬化遅延材、分散剤、空気連行剤、増粘剤、減水
剤、充填剤などを併用することも可能である。
【0049】使用する水硬性無機材料の量は、弾性舗装
用混合物100重量部に対して、通常、0〜10重量部
の範囲である。水硬性無機材料の量が10重量部を越え
ると、構築された弾性舗装体が硬くなり過ぎるだけでな
く、混合物の硬化が早くなり過ぎて作業性が悪くなるの
で好ましくない。
【0050】〈繊維材料〉本発明の弾性舗装用混合物に
は、構築される舗装体をより強固なものとするために適
宜の繊維材料を添加しても良く、使用することができる
繊維材料としては、ポリエステル、ポリアミド、芳香族
ポリアミド、ポリプロピレン、ビニロン、アクリル、ポ
リ塩化ビニリデン等の合成繊維、または半合成繊維、天
然繊維、ガラス繊維、再生繊維、炭素繊維、金属繊維
等、種々のものが用いられるが、中でも、ポリエステル
繊維が好ましい。これらの繊維は、適当な長さに切断さ
れた短繊維として用いることもできるが、モノフィラメ
ントや、モノフィラメントを多数集束させたマルチフィ
ラメントとしても、あるいは、紡績糸や撚糸としても用
いることが可能でありが、短繊維として使用するのが最
も好ましい。短繊維の長さに特に制限はないが、あまり
短いと繊維による強度維持やひび割れ追従性等に効果が
ないので、1.5mm以上のもの、好ましくは20〜3
5mm程度のものが好ましい。
【0051】本発明の弾性舗装用混合物には、更に、硬
化反応調整剤、安定剤、発泡剤等の助剤を添加しても良
い。
【0052】本発明の弾性舗装用混合物を使用して舗装
体を構築する際の構築方法の一例を示せば以下のようで
ある。
【0053】本発明の弾性舗装用混合物は、通常、舗装
構成層の最上部に、約3〜10cmの厚さに舗設され、
弾性舗装体を形成する。本発明の弾性舗装用混合物が舗
設される下側の層は、路盤であっても良く、他の既設舗
装体であっても良い。或いは、既設の舗装体上に約3c
m厚の細粒アスファルトコンクリート層を舗設し、その
上に本発明の弾性舗装用混合物を舗設するようにしても
良い。
【0054】舗設に際しては、まず、準備作業としてタ
ックコート及び/又はプライムコートを散布する。これ
らタックコートやプライムコートを施すことによって、
下部層との密着性を強固にし、構築される表層や基層が
「ズレ現象」や「剥離現象」を起こすのを防止すること
ができる。タックコートやプライムコートの散布量は、
通常、0.3〜2.0(l/m)で、タックコートま
たはプライムコートとしては、接着力や結合力に優れた
ゴム入りや樹脂入り等の改質アスファルト乳剤や溶剤型
プライマーを使用するのが好ましい。
【0055】本発明の弾性舗装用混合物の敷き均しは、
常温で行うことができ、通常、アスファルトフィニッシ
ャーを用いて行うが、レーキやスコップを用いて人力に
よって行っても良い。舗装厚は、通常約3〜10cmで
あるが、必ずしもこの範囲でなければならないというこ
とはない。
【0056】本発明の弾性舗装用混合物の敷き均しの終
了後、敷き均し面上を転圧して締め固める。転圧は、通
常、継目転圧、初転圧、二次転圧、仕上げ転圧の順に行
うが、舗装現場の状況に応じて、いずれかの転圧を省略
したり、他の転圧方法で代用したり、いずれかの転圧を
複数回行うなど、適宜の変更が可能である。使用する転
圧機は、通常の舗装作業において使用されているものな
らばどのようなものを用いても良く、例えば、鉄輪ロー
ラーや振動ローラー、タイヤローラー、バイブレータ
ー、或いはこれらを組み合わせた転圧機などを使用する
ことができる。転圧速度に特に制限はないが、鉄輪ロー
ラーの場合約2〜3km/h程度、振動ローラーの場合
約3〜6km/h、タイヤローラーの場合約6〜10k
m/h程度が好ましい。
【0057】初転圧は、通常、重量約10〜12tの鉄
輪ローラーで1〜2往復程度行い、転圧クラックが生じ
ないように丁寧に行うのが望ましい。なお、転圧クラッ
クとは、ローラーの線圧過大や過転圧などが原因で現れ
るヘアークラックである。
【0058】二次転圧は、通常、重量約8〜20t又は
6〜10tの振動ローラーやタイヤローラーを使用す
る。タイヤローラーによる転圧には、交通荷重と同じよ
うな締め固め作用があり、骨材相互の噛み合わせを良く
すると共に、深さ方向に均一な密度が得やすいので重交
通道路や摩耗を受けやすい箇所などの転圧に適してお
り、振動ローラーは、ローラーの荷重や振動数並びに振
幅が適切であれば、少ない転圧回数で所定の締め固め度
を得ることができる転圧手段である。いずれの転圧機を
用いるにしても、二次転圧は転圧作業中の最も重要な工
程であるので、混合物の十分な締め固めをこの二次転圧
で行うのが一般的である。
【0059】仕上げ転圧は、不陸の修正、ローラーマー
クの消去等の目的で行われるもので、タイヤローラー或
いは鉄輪ローラーで1〜2往復程度転圧する。二次転圧
に振動ローラーを使用した場合には、仕上げ転圧にタイ
ヤローラーを使用するのが望ましい。小規模の面積を施
工する場合は、もちろんのことであるが、これらの転圧
機の小型のものを、あるいはポンピングダンパー等を使
用し、十分に締め固めを行う。
【0060】各々の転圧時には、転圧面に水を噴霧又は
散布するのが望ましく、水を噴霧又は散布することによ
って、混合物が水と接触し、反応、硬化を促進すること
ができる。転圧機に混合物が付着しないように、噴霧又
は散布する水中に付着防止剤を添加することも適宜行う
ことができる。
【0061】現場の状況に応じては、以上のようにして
構築された弾性舗装体の上に、更に保護層を設けること
も可能である。保護層としては、弾性舗装体上に結合材
を一層散布したあと、その散布面上に骨材を一層散布し
て、合わせて一つの層を形成する、いわゆるシールコー
トや、そのようなシールコートを複数層重ねて構築す
る、いわゆるアーマーコートなどがあり、そのいずれを
採用しても良い。保護層としてシールコートを構築する
場合には、例えばアスファルト乳剤などの結合材を10
0m当たり80〜120リットル程度散布したのち
に、砂又は7号砕石程度の骨材を同じく100m当た
り0.3〜0.6m程度散布するのが良い。また、ア
ーマーコートのように多層に保護層を構築する場合に
は、上層になるほど結合材及び骨材ともに散布量をやや
少な目にするのが良い。このような保護層としてのシー
ルコートやアーマーコートは、余りに厚く構築すると、
下の弾性舗装体の弾性を殺してしまうので好ましくな
い。また、結合材として透明なものを使用したり、骨材
として有色のものを使用して、周囲の景観と色彩的にマ
ッチした保護層を構築するようにするようにしても良
い。
【0062】本発明の弾性舗装用混合物は、本発明の弾
性舗装用結合材と現地発生材とを主として混合するもの
であるので、以上に述べたような本発明の弾性舗装用結
合材と現地発生材とを混合機中で混合して弾性舗装用混
合物を製造し、それを舗設する工法に加えて、骨材とし
ての現地発生材と本発明の弾性舗装用結合材とを、舗設
路面上で混合して弾性舗装用混合物とする路上混合方式
でも製造することが可能である。
【0063】即ち、舗装体を構築しようとする路上にロ
ードスタビライザーなどの施工機械を導入し、現場路面
を所定深さにわたって破壊、粉砕、攪拌して、現地発生
材からなる骨材とし、同時に本発明の弾性舗装用結合材
を散布しながら、路面上で現地発生材と本発明の弾性舗
装用結合材とを混合、攪拌して、弾性舗装用混合物とす
る工法である。現地発生材からなる骨材の粒度等が不適
であるような場合には、必要な粒度に調整するための補
足材を現地発生材上に継ぎ足して、混合、攪拌を行い、
所定の粒度とすることも可能である。ロードスタビライ
ザーは、現地発生材と結合材とを混合、攪拌して弾性舗
装用混合物とした後、敷き均し、混合物表面を平らに整
形する。整形が不十分である場合には、モーターグレー
ダ等で不陸整正を行って、上に述べたような転圧作業を
行う。
【0064】本発明の弾性舗装用結合材は、細粒度分を
多く含む現地発生土などとも良く混じり合い、骨材表面
へ厚い被膜となって付着する。しかも、混合物中に存在
する弾性舗装用結合材と骨材とのモルタル状混合部分が
弾性を備えているために、それ自身が富弾性体である。
従って、混合物中にゴムチップやゴム片などの弾性質の
骨材を添加しなくても弾性を備えているが、更に弾性力
を向上させるために、ゴムチップやゴム片、木材チップ
等の弾性質の骨材を添加しても良いことは勿論である。
更には、光反射性骨材や、光輝性を有する骨材や、蛍光
或いは蓄光性の骨材を使用したり添加したりして、光反
射性、光輝性、蛍光性、或いは蓄光性舗装用の混合物と
しても良い。
【0065】次に、実施例を用いて本発明を更に詳細に
説明する。
【0066】〈実施例1〉次の材料を用いて本発明の弾
性舗装用結合材を製造した。 1)石油樹脂:脂肪族系(C5系)石油樹脂100重量
部に、石油系配合油として脂肪族系の配合油45重量部
を混合したもの。 2)可塑剤:DINP(大八化学工業株式会社製) 3)ポリウレタンポリイソシアネートプレポリマー:商
品名「L−1077」(武田薬品工業株式会社製) 4)硬化反応調整剤:商品名「フォーメイトS−9」
(武田薬品工業株式会社製)
【0067】製造は、先ず第1の工程として、上記石油
樹脂80重量部と可塑剤70重量部とをミキサーに投入
し、タービン翼型の混合・攪拌機を使用して、50r.
p.m.の混合速度で、30分間混合・攪拌した。この
ときの混合温度は120℃であった。次に、ミキサー内
温度を同温度に保ったまま、ポリウレタンポリイソシア
ネートプレポリマー100重量部と硬化反応調整剤0.
45重量部とを投入し、第1の工程と同じ混合・攪拌機
を使用して、50r.p.m.の混合速度で、更に45
分間混合・攪拌し、目的とする弾性舗装用結合材を得
た。この第2の工程は、0.5kgf/cm圧の乾燥
窒素ガス雰囲気下で行った。得られた弾性舗装用結合材
の物性をJIS K6251−1993に規定するダン
ベル試験方法によって測定した。測定結果を表1に示
す。
【0068】
【表1】
【0069】〈実施例2〉実施例1で得た弾性舗装用結
合材と、大阪府能勢産のまさ土と、水硬性無機材料とし
てのセメント(普通ポルトランドセメント(住友大阪セ
メント株式会社製))とを、容量200kgのパグミル
ミキサーを用いて混合し、本発明の弾性舗装用混合物を
得た。なお、混合終了後、混合物の一部を取り出したと
ころ、骨材表面に結合材が厚く付着し、厚い被膜が形成
されていることが観察された。使用したまさ土の粒度分
布を表2に示す。
【0070】
【表2】
【0071】混合は次の手順で行った。即ち、まずまさ
土を乾燥状態に換算して92.0重量%とセメント3.
8重量%とをパグミルミキサーに投入し20秒間空練り
を行った。このとき、まさ土の含水比が少な目であった
ので、水道水を添加して骨材含水比を4.5%になるよ
うに調整した。次いで、実施例1で得た弾性舗装用結合
材を4.2重量%投入し、45秒間本練りを行い、弾性
舗装用混合物を得た。なお、空練り、本練りとも混合温
度は常温(23.5℃)、ミキサーの回転速度は50
r.p.m.であった。
【0072】〈実施例3〉可塑剤を使用せず、ポリウレ
タンポリイソシアネートプレポリマーとして以下のもの
を使用した以外は実施例1と同様にして弾性舗装用結合
材を製造し、その物性を実施例1と同様にして測定し
た。結果を表3に示す。
【0073】使用したポリウレタンポリイソシアネート
プレポリマーは次のようにして製造した。すなわち、平
均分子量3000のポリオキシプロピレンジオール54
0重量部と、ポリブタジエンポリオールR−45HT
(出光石油化学株式会社製)72重量部と、4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネート325重量部を窒素
雰囲気下、80℃で2時間攪拌反応させ、つづいて、2
−イソプロピル−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサ
ゾリジン64重量部を添加して、さらに50℃で3時間
反応させ、ポリウレタンポリイソシアネートプレポリマ
ーを得た。得られたポリウレタンポリイソシアネートプ
レポリマー中の末端イソシアネート基の含量は7.44
重量%であった。
【0074】
【表3】
【0075】〈実施例4〉弾性舗装用結合材として実施
例3で得た弾性舗装用結合材を使用した以外は実施例2
と同様にして、本発明の弾性舗装用混合物を得た。弾性
舗装用混合物を製造する際の作業性は、実施例3の弾性
舗装用結合材は可塑剤を使用していないにも関わらず、
実施例1の弾性舗装用結合材と変わらなかった。また、
混合終了後、混合物の一部を取り出したところ、実施例
2におけると同様に、骨材表面には結合材が厚く付着し
ており、厚い被膜が形成されていることが観察された。
【0076】〈比較例1〉実施例1で得た弾性舗装用結
合材の代わりに、細粒用アスファルト乳剤(商品名「ポ
リカゾール」(ニチレキ株式会社製))を結合材として
使用した以外は実施例2と同様にして、比較用の舗装用
混合物を得た。
【0077】〈実験1〉実施例2及び実施例4で得た本
発明の弾性舗装用混合物、及び、比較例1で得た比較用
の舗装用混合物を用いて、供試体を作製し、以下の3種
の試験を行った。試験の種類及び試験方法は次のとお
り。ただし、供試体を作製してから試験までの養生時間
は、マーシャル安定度試験の場合は24時間、路上再生
セメント・アスファルト乳剤安定処理路盤材料の一軸圧
縮試験の場合は当該試験方法に定められているとおり6
日間空中養生後1日水浸養生、弾力性試験の場合は24
時間とした。
【0078】A.マーシャル安定度試験 「舗装試験法便覧」、社団法人日本道路協会、平成7年
6月10日発行、506〜516頁に記載されたマーシ
ャル安定度試験法に従って行った。
【0079】B.路上再生セメント・アスファルト乳剤
安定処理路盤材料の一軸圧縮試験 「舗装試験法便覧」、社団法人日本道路協会、平成7年
6月10日発行、586〜593頁に記載された試験法
に従って行った。
【0080】C.弾力性試験 「舗装試験法便覧別冊」、社団法人日本道路協会、平成
8年10月20日発行、34〜38頁に記載された弾力
性試験法に従って行った。
【0081】結果を表4に示す。
【0082】
【表4】
【0083】表4の結果から明らかなように、従来の結
合材を使用した比較用の舗装用混合物に比べて、本発明
の弾性舗装用混合物は、マーシャル安定度においてやや
劣るものの、フロー値においては約4倍の値を示し、こ
のことは、本発明の弾性舗装用混合物は、載荷試験にお
いて十分に「たわみ」現象を示した後に破壊したことを
示しており、弾性に富んでいることを物語っている。
【0084】一軸圧縮試験の結果は、一軸圧縮強さ、一
次変位量、残留強度率のいずれにおいても本発明の弾性
舗装用混合物の方が優れており、一次変位量が大きいこ
とからも分かるように、本発明の弾性舗装用混合物が一
軸圧縮状態においても十分にたわみ、しかも残留強度率
が高いということは、最大強度を経た後にも供試体がす
ぐには破壊しないこと、換言すれば、本発明の弾性舗装
用混合物は「腰」が強いことを物語っている。
【0085】弾力性試験の結果は、本発明の弾性舗装用
混合物が、GB係数、SB係数のいずれにおいても、比
較用の舗装用混合物に比べて遙かに小さな値を示してお
り、これは本発明の弾性舗装用混合物が高い衝撃吸収力
を備えていることを示すものである。したがって、本発
明の弾性舗装用混合物は弾性舗装用混合物として極めて
優れた特性を有していると言える。
【0086】〈実施例5〉実施例2で得られたのと同じ
弾性舗装用混合物を使用し、構内の建物と建物との間の
連絡通路に、仕上げ厚5cm、面積3m(=1m×3
m)の規模で、本発明の弾性舗装用混合物を敷き均し
た。敷き均しに先立ち、タックコートとしてゴム入りア
スファルト乳剤(商品名「カチオゾールGM」、ニチレ
キ株式会社製)を0.4(l/m)の割合で散布し
た。本発明の弾性舗装用混合物は、細粒骨材と結合材と
が良好に混合されてモルタル状となり、そのモルタル分
が良く骨材表面を被覆していた。また、本発明の弾性舗
装用混合物は、粘着性に富んでいたが、敷き均し作業は
レーキを用いて楽に行うことができた。敷き均し後、敷
き均し面を、バイブレーターを用いて転圧した。転圧
は、バイブレーターの底面に水を塗布しながら行ったの
で、バイブレーター底面への混合物の付着は全く認めら
れなかった。
【0087】舗設後、2日の養生期間をおいて、舗装面
上を歩くと、ゴム板の上を歩くような感触があった。ま
た、ハンマーで舗設面上を強打すると、ハンマーの打撃
跡が残るのが観察されたが、約10分後には元の状態に
復元し、打撃跡が消失しているのが観察された。また、
使用したまさ土の色調は淡褐色であり、この色はそのま
ま施工後においても変わることがなく、舗装表面に確認
された。
【0088】〈実施例6〉弾性舗装用混合物を実施例4
で得られたものに変えた以外は、実施例5と同様にし
て、本発明の弾性舗装用混合物を敷き均し、弾性舗装体
を構築した。使用した弾性舗装用混合物は、粘着性に富
んでいたが、敷き均し作業はレーキを用いて楽に行うこ
とができた。敷き均し後、敷き均し面を、バイブレータ
ーを用いて転圧した。転圧は、バイブレーターの底面に
水を塗布しながら行ったので、バイブレーター底面への
混合物の付着は全く認められなかった。
【0089】舗設後、2日の養生期間をおいて、舗装面
上を歩くと、ゴム板の上を歩くような感触があった。ま
た、ハンマーで舗設面上を強打すると、ハンマーの打撃
跡が残るのが観察されたが、約10分後には元の状態に
復元し、打撃跡が消失しているのが観察された。また、
可塑剤を使用していないので可塑剤の滲み出しもなく、
使用したまさ土の色調がそのまま施工後においても変わ
ることがなく、舗装表面に確認された。
【0090】
【発明の効果】以上のように、本発明の弾性舗装用結合
材は、石油樹脂とポリウレタンポリイソシアネートプレ
ポリマーとを含んでいるので、自身が弾性に富み、しか
も細粒分を多く含むような現地発生材とも良く混合し、
骨材表面を厚く被覆するので、特段、弾性を有する骨材
を使用することなく、安価で入手が容易な現地発生材を
用いて、弾力性に富む舗装体を構築することができるも
のである。しかも、混合物中の弾性舗装用結合材の配合
量を調合することによって、構築される舗装体の弾性の
程度を調節することが可能である。また、本発明の弾性
舗装用結合材は、実質的に無色であり、骨材として使用
する現地発生材の本来の色調を損なうことがない。
【0091】本発明の弾性舗装用結合材を結合材として
用いる舗装用混合物は、弾力性に富んでおり、荷重によ
って一時的に変形しても短時間で元の状態に復元する優
れた回復力を備えており、弾性舗装用混合物として極め
て優れた性質を有するものである。また、ポリウレタン
ポリイソシアネートプレポリマーを製造するに際して、
ポリイソシアネート成分と1分子中に2個以上の活性水
素を有する化合物に加えて、N−ヒドロキシアルキル−
オキサゾリジンを使用することによって可塑剤の量を低
減させることができるので、混合物を施工した際にも可
塑剤が滲み出すことがなく、混合物の強度低下や色褪せ
などを招く恐れがない。更には、本発明の弾性舗装用結
合材を結合材として用いる弾性舗装用混合物は、混合物
の製造並びに施工を常温で行うことが可能である、製造
及び施工において、材料の加熱に伴う炭酸ガスの発生が
少なく、地球環境的に優れていると共に、加熱する必要
がないので、安全でもある。
【0092】このように、本発明の弾性舗装用結合材、
それを用いる弾性舗装用混合物、並びに、その弾性舗装
用混合物を用いて構築される舗装体は、従来の結合材や
混合物、舗装体にはない種々の優れた特性を備えてお
り、こうした舗装の構築を奨めている当産業界にもたら
す影響には多大のものがある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/521 C08K 5/521 7/02 7/02 C08L 57/02 C08L 57/02 75/12 75/12 91/00 91/00 E01C 7/08 E01C 7/08 15/00 15/00 (72)発明者 村上 ▲むね▼弘 栃木県那須郡西那須野町下永田一丁目1006 番地10号 ウィステリア西那須野801号室 (72)発明者 羽入 昭吉 栃木県河内郡南河内町祇園三丁目1番地2 号 自治医大アーバンコンフォート305号 室

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリウレタンポリイソシアネートプレポ
    リマーと石油樹脂と可塑剤とを主成分とする弾性舗装用
    結合材。
  2. 【請求項2】 ポリウレタンポリイソシアネートプレポ
    リマー100重量部に対し、石油樹脂40〜110重量
    部、可塑剤0〜110重量部を含有する請求項1記載の
    弾性舗装用結合材。
  3. 【請求項3】 石油樹脂が、石油樹脂100重量部に対
    して、石油系配合油及び/又は潤滑油を20〜60重量
    部配合したものである請求項1又は2記載の弾性舗装用
    結合材。
  4. 【請求項4】 ポリウレタンポリイソシアネートプレポ
    リマーが、ジフェニルメタンジイソシアネート若しくは
    クルードジフェニルメタンジイソシアネートと1分子中
    に2個以上の活性水素を有する化合物とを反応させて得
    られる分子量が200〜10000で、かつ、末端遊離
    イソシアネート基含量が0.5〜20重量%のものであ
    る請求項1、2又は3記載の弾性舗装用結合材。
  5. 【請求項5】 ポリウレタンポリイソシアネートプレポ
    リマー100重量部に対し、可塑剤40〜110重量部
    を含有する請求項4記載の弾性舗装用結合材。
  6. 【請求項6】 ポリウレタンポリイソシアネートプレポ
    リマーが、ポリイソシアネートと、1分子中に2個以上
    の活性水素を有する化合物と、N−ヒドロキシアルキル
    −オキサゾリジンとを反応させて得られる、粘度が50
    0〜20000(mPa・s/25℃)で、かつ、末端
    遊離イソシアネート基含量が1.5〜15重量%のもの
    である請求項1、2又は3記載の弾性舗装用結合材。
  7. 【請求項7】 ポリウレタンポリイソシアネートプレポ
    リマー100重量部に対し、可塑剤を40重量部未満含
    む請求項6記載の弾性舗装用結合材。
  8. 【請求項8】 石油樹脂と可塑剤とを混合する第1の工
    程と、第1の工程で得られた混合物とポリウレタンポリ
    イソシアネートプレポリマーとを混合する第2の工程を
    含む請求項1〜7のいずれかに記載の弾性舗装用結合材
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 第1の工程が100〜150℃の温度下
    で、第2の工程が0℃以上、50℃未満の温度下で行わ
    れる請求項8記載の弾性舗装用結合材の製造方法。
  10. 【請求項10】 第2の工程が、0.2kgf/cm
    以上、3kgf/cm未満の圧力下、乾燥気体中で行
    われる請求項8又は9記載の弾性舗装用結合材の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜7のいずれかに記載された
    弾性舗装用結合材と骨材とを主成分とする弾性舗装用混
    合物。
  12. 【請求項12】 骨材が現地発生材である請求項11記
    載の弾性舗装用混合物。
  13. 【請求項13】 それ自身が弾性を備えた骨材を実質的
    に含まない請求項11又は12記載の弾性舗装用混合
    物。
  14. 【請求項14】 顔料及び/又は水硬性無機材料及び/
    又は繊維材料を含んでいる請求項11、12又は13記
    載の弾性舗装用混合物。
  15. 【請求項15】 配合成分の混合を常温で行う請求項1
    1、12、13又は14のいずれかに記載の弾性舗装用
    混合物の製造方法。
  16. 【請求項16】 既存路面をその場で破砕して既存路面
    の破砕された構成材料を現地発生材とし、この現地発生
    材と、請求項1〜7のいずれかに記載された弾性舗装用
    結合材とを、現地発生材の発生現場において混合する工
    程を含む弾性舗装体の構築方法。
  17. 【請求項17】 請求項11、12、13又は14のい
    ずれかに記載の弾性舗装用混合物を用いて構築された舗
    装体。
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