JP2001071227A - 分離式チェーンポット装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、工作機械自動工具交換装置における
分離式チェーンポット装置において、チェーンからツー
ルポットを円軌道方向に分離することが可能でツールポ
ットのチェーンからの分離と移動が一工程で連続的に行
うことができ工具交換時間の短縮、ツールポットの移動
のための駆動装置を一つの装置で行うことができ、加工
時間の短縮ができ、生産コストの低減化できる。 【構成】工作機械自動工具交換装置における分離式チェ
ーンポット装置において、ツールポットの横方向の位置
決めとツールポットの前後方向の位置決めとを個別の部
材により行う構造としたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上に利用分野】本発明は、工作機械の自動工具交
換装置における分離式チェーンポット装置に関する。詳
細には本発明は工作機械の自動工具交換装置におけるツ
ールポットを分離して工具交換を行う分離式チェーンポ
ット装置において、ツールポットの横方向の位置決めと
ツールポットの前後方向の位置決めを個別の部材により
行う構造としたことを特徴とする分離式チェーンポット
装置に関する。

【０００２】本発明に係る構造とすることにより、チェ
ーンからツールポットを円軌道方向に分離することが可
能であり、ツールポットのチェーンからの分離と移動が
一工程で連続的に行うことができ工具交換時間の短縮が
でき、ツールポットの移動のための駆動を一つの装置で
行うことができ、加工時間の短縮を図ることができるの
で生産コストを低減することができる。

【０００３】

【従来の技術】工作機械の自動工具交換装置における分
離式チェーンポット装置において、ツールポットの横方
向の位置決めとツールポットの前後方向の位置決めは、
従来は、図９に示しすようにチェーンリンクプレート
と、ツールポットに穿設された該チェーンリンクプレー
トに嵌合する溝により行われる構造となっている。この
溝はツールポットの側部のチェーンリンクプレートと接
する部分の２箇所または４箇所に設けられている。

【０００４】上記のような位置決め構造とした従来の分
離式チェーンポット装置では、チェーンからのツールポ
ットの分離は、ツールポットに穿設されたチェーンリン
クプレートに嵌合する溝に沿った直線方向にのみ可能で
ある。したがって、ツールポットをチェンから分離して
切削作業等の工作作業が行われる場所にツールポットを
移動するには、先ずチェーンから溝に沿ってツールポッ
トを直線方向に移動して取り出し、取り出したツールポ
ットを回転等を行って作業部位に移動することが必要で
ある。そして作業部位で作業が終わったツールポットを
元のチェーンに戻すにはチェーンから取り出すのと全く
逆の作動を行ってチェーンリンクプレートに、ツールポ
ットに設けられた溝部に嵌合するようにして戻さなけれ
ばならない。したがって、工具交換には少なくとも２工
程の作動が必要となりそれぞれの工程に必要な駆動装置
によって行われる。

【０００５】工作機械自動工具交換装置において、作業
工程の短縮化、工作機械の作動の迅速化、コストの低減
化などに伴って工具交換時間の短縮化、迅速化が求めら
れているが、従来のような位置決め方式による分離式チ
ェーンポット装置、すなわちチェーンリンクプレート
と、ツールポットに穿設された該チェーンリンクプレー
トに嵌合する溝部とにより行われる方式では、ツールポ
ットのチェーンからの分離と作業部位への移動の少なく
とも２工程となり工具交換時間はおのずと制限される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、工作機械自
動工具交換装置における分離式チェーンポット装置にお
いて、チェーンからのチェーンポットの分離を直線方向
のみならず円軌道方向にも分離可能な分離式チェーンポ
ット装置とすることにより工具交換時間の短縮を図るこ
とができ、ツールポットの移動を一つの駆動装置で行う
ことができコストの低減を図ることができる分離式チェ
ーンポット装置を提供するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、工作機械の自
動工具交換装置における分離式チェーンポット装置にお
いて、ツールポットの横方向の位置決めとツールポット
の前後方向の位置決めを、チェーンリンクプレートと、
ツールポットに穿設された該チェーンリンクプレートに
嵌合する溝とにより行わず、ツールポットの横方向の位
置決めとツールポットの前後方向の位置決めを、個別の
部材で規制する構造とした分離式チェーンポット装置に
よって解決される。

【０００８】

【発明の実施態様】すなわち、本発明の装置に係る第一
の態様は、工作機械の自動工具交換装置におけるチェー
ンからツールポットを分離して工具交換を行う分離式チ
ェーンポット装置において、ツールポットの横方向の位
置決めは相対する２枚一対のチェーンリンクプレートに
より規制し、ツールポットの前後方向の位置決めをチェ
ーンリンクプレートに付設された凸部形状部材、または
凹部形状と、ツールポット下部に設けられた前記凹凸部
に嵌合するそれぞれ対応した凹凸形状部材とにより位置
決めを行う構造としたことを特徴とする分離式チェーン
ポット装置である。

【０００９】本発明の装置に係る別の態様（第二の態
様）は、工作機械の自動工具交換装置におけるチェーン
からツールポットを分離して工具交換を行う分離式チェ
ーンポット装置において、ツールポットの横方向の位置
決めはチェーンリンクプレートに付設したＵ字型のツー
ルポットガイドの側面により規制し、ツールポットの前
後方向の位置決めをチェーンリンクプレートに付設した
Ｕ字型のツールポットガイドに設けられた凹凸形状を有
する部材と、ツールポット下部に設けられた前記凹凸部
に嵌合するそれぞれ対応した凹凸形状部材とにより位置
決めを行う構造としたことを特徴とする分離式チェーン
ポット装置である。

【００１０】本発明を、添付した図面を参照しながらさ
らに具体的に説明する。先ず、第一の態様は、工作機械
の自動工具交換装置におけるチェーンからツールポット
を分離して工具交換を行う分離式チェーンポット装置に
おいて、図１〜４に示されるように２枚一対のＵ字形状
のチェーンリンクプレート（２）で構成されるチェーン
リンクプレートの一方（通常前部側のチェーンリンクプ
レート）にツールポット（１）の前後方向の位置決めを
行うための凹凸形状の部材（３１）又は（４）が、チェ
ーンリンクプレート（２）のＵ字形の底辺部分に設けら
れた板状体に付設されている。

【００１１】一方ツールポット（１）の下部には、前記
チェーンリンクプレートに設けられた凹形状又は凸形状
の部材（３１）又は（４）に嵌合する形状の凹部又は凸
部（３１）又は（４１）が形成されており、ツールポッ
ト（１）の前後方向の位置決めをチェーンリンクプレー
ト（２）に設けられた凹凸形状の部材と、これに嵌合す
るツールポットの底部に設けられた凹部又は凸部とによ
り行われ、ツールポットの横方向の位置決めは一対のチ
ェーンリンクプレート（２）によって規制される構造と
なっている。

【００１２】上記の構造において、ツールポットの底部
に設けられる凹部又は凸部は当然のことながらチェーン
リンクプレートに設けられた凹凸形状の部材に対応する
位置に設けられる。

【００１３】図１および図３はチェーンリンクプレート
（２）に凸部（４）を設け、ツールポット（１）の下部
に凹部（３）を設けた構造のものである。図２および図
４はチェーンリンクプレート（２）に凹部（３１）を設
け、ツールポット（１）の下部に凸部（４１）を設けた
構造のものを示している。

【００１４】図１および図２または図５および図６に示
される凸部（４）又は（４１）は、断面形状が台形を示
す円錐台であり、図３および図４または図７および図８
に示される凸部（４）又は（４１）は所謂台形の形状で
あるものを示す。

【００１５】なお図３および図４または図７および図８
では凸部の長手方向の断面形状が方形であるものが示さ
れているがこの形状である必要はなく長手方向の断面形
状も台形を示すものであってもよい。

【００１６】チェーンリンクプレートのＵ字形の底辺部
分に設けられる凹凸部は、通常チェーンリンクプレート
の内側に設けられ、凹凸部はチェーンリンクプレートの
一部を折り曲げた板状体に凹凸形状の部材を取り付けて
もよく、また凹凸形状を取り付けた別途の板状体部材を
チェーンリンクプレートに取り付けることもできる。

【００１７】図５〜図８は、本発明の別の態様（第二の
態様）に相当するものを示すものである。工作機械の自
動工具交換装置におけるチェーンからツールポットを分
離して工具交換を行う分離式チェーンポット装置におい
て、Ｌ字形状のチェーンリンクプレート（２１）にＵ字
形のツールポットガイド（６）が付設されている。

【００１８】この態様では、ツールポットの前後方向の
位置決めをチェーンリンクプレート（２１）に付設した
Ｕ字形のツールポットガイド（６）に設けられた凹凸形
状（３１）又は（４）を有する部材と、ツールポット
（１）下部に設けられた前記ツールポットガイドに設け
られた凹凸部に嵌合するそれぞれ対応した凹凸形状部
（３）、（４１）とにより位置決めを行う構造となって
いる。

【００１９】図５および図７はツールポットガイド
（６）に凸部（４）を設け、ツールポット（１）の下部
に凹部（３）を設けた構造のものである。図６および図
８はツールポットガイド（６）に凹部（３１）を設け、
ツールポット（１）の下部に凸部（４１）を設けた構造
のものを示している。

【００２０】本発明においてチェーンリンクプレートあ
るいはツールポットガイドに設けられる凹部は、図２
（３）または図８（３）に示されるように貫通していて
もよく、図４（３）に示されるように皿状であってもよ
い。

【００２１】また図１ないし図４に示されるように２枚
一対に構成されるチェーンリンクプレートは固定棹
（５）によってチェーン幅の寸法に固定されツールポッ
トの長さ方向を規制される。

【００２２】本発明において、ツールポットの前後方向
の位置決め用部材をチェーンリンクプレートに付設した
凹凸形状の部材に代えて、チェーンリンクプレートのＵ
字形底辺部分の一部の板状体を一定の角度、つまりツー
ルポットをチェーンリンクプレートから円軌道方向に分
離できる角度、すなわち、ツールポットを分離する駆動
装置の回転軌道によって決まる角度でチェーンリンクプ
レートの内側方向に折り曲げた部材とし、ツールポット
の下部は、上記の折り曲げた部材が滑り込み所定の位置
で停止するような構造とすればよい。このような構造
は、たとえば上記の折り曲げた部材の幅でテーパを付
け、当該部材が所定の位置で停止する長さの切り込み様
溝とした構造とすることもできる。

【００２３】図９は従来の工作機械の自動工具交換装置
における分離式チェーンポット装置におけるツールポッ
トの位置決め構造を示すもので、チェーンリンクプレー
ト（２２）と、ツールポット（１１）に穿設された該チ
ェーンリンクプレートに嵌合する溝（８）により行われ
る構造となっている。この溝（８）はツールポット（１
１）の側部のチェーンリンクプレート（２２）と接する
部分の２箇所または４箇所に設けられている。

【００２４】

【発明の効果】以上のような本発明の構造とすることに
より、工作機械自動工具交換装置における分離式チェー
ンポット装置において、チェーンからチェーンポットの
分離を直線方向のみならず円軌道方向にも分離可能な分
離式チェーンポット装置とすることができる。これによ
り工具交換時間の短縮ができ、ひいては加工時間の短縮
化を図ることができ製品のコストの低減化ができるもの
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】は、本発明の分離式チェーンポット装置の一例
であり、チェーンリンクプレートに円錐台の凸部形状部
材が設けられ、ツールポット下部に対応する形状の凹部
が設けられた例を示す。図１（１）は正面図、図１
（２）は平面図、図１（３）は側面図を示す。

【図２】は、本発明の分離式チェーンポット装置の一例
であり、ツールポット下部に円錐台の凸部形状部材が設
けられ、チェーンリンクプレートに対応する形状の凹部
が設けられた例を示す。図１（１）は正面図、図１
（２）は平面図、図１（３）は側面図を示す。

【図３】は、本発明の分離式チェーンポット装置の一例
であり、チェーンリンクプレートに台形形状の凸部形状
部材が設けられ、ツールポット下部に対応する形状の凹
部が設けられた例を示す。図１（１）は正面図、図１
（２）は平面図、図１（３）は側面図を示す。

【図４】は、本発明の分離式チェーンポット装置の一例
であり、ツールポット下部に台形形状の凸部形状部材が
設けられ、チェーンリンクプレートに対応する形状の凹
部が設けられた例を示す。図１（１）は正面図、図１
（２）は平面図、図１（３）は側面図を示す。

【図５】は、本発明のチェーンリンクプレートにツール
ポットガイドを設けた分離式チェーンポット装置の一例
であり、ツールポットガイドに円錐台の凸部形状部材が
設けられ、ツールポット下部に対応する形状の凹部が設
けられた例を示す。図１（１）は正面図、図１（２）は
平面図、図１（３）は側面図を示す。

【図６】は、本発明のチェーンリンクプレートにツール
ポットガイドを設けた分離式チェーンポット装置の一例
であり、ツールポットの下部に円錐台の凸部形状部材が
設けられ、ツールポットガイドに対応する形状の凹部が
設けられた例を示す。図１（１）は正面図、図１（２）
は平面図、図１（３）は側面図を示す。

【図７】は、本発明のチェーンリンクプレートにツール
ポットガイドを設けた分離式チェーンポット装置の一例
であり、ツールポットガイドに台形形状の凸部形状部材
が設けられ、ツールポット下部に対応する形状の凹部が
設けられた例を示す。図１（１）は正面図、図１（２）
は平面図、図１（３）は側面図を示す。

【図８】は、本発明のチェーンリンクプレートにツール
ポットガイドを設けた分離式チェーンポット装置の一例
であり、ツールポットの下部に台形形状の凸部形状部材
が設けられ、ツールポットガイドに対応する形状の凹部
が設けられた例を示す。図１（１）は正面図、図１
（２）は平面図、図１（３）は側面図を示す。

【図９】は、従来の分離式チェーンポット装置を示す。
図１（１）は正面図、図１（２）は平面図、図１（３）
は側面図を示す。 図面の符号の説明 １、１１・・・・ツールポット ２、２１、２２・・・チェーンリンクプレート ３、３１・・・・円錐台形状の凹部部材 ４、４１・・・・円錐台形状の凸部部材 ５・・・・・・・チェーンリンクプレート固定棹 ６・・・・・・・ツールポットガイド ８・・・・・・・嵌合溝

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】工作機械の自動工具交換装置におけるチェ
   ーンからツールポットを分離して工具交換を行う分離式
   チェーンポット装置において、ツールポットの横方向の
   位置決めとツールポットの前後方向の位置決めを個別の
   部材により行う構造としたことを特徴とする分離式チェ
   ーンポット装置。
2. 【請求項２】工作機械の自動工具交換装置におけるチェ
   ーンからツールポットを分離して工具交換を行う分離式
   チェーンポット装置において、ツールポットの横方向の
   位置決めは相対する２枚一対のチェーンリンクプレート
   により規制し、ツールポットの前後方向の位置決めをチ
   ェーンリンクプレートに付設された凸部形状部材と、ツ
   ールポット下部に設けられた前記凸部に嵌合する凹部形
   状とにより位置決めを行う構造としたことを特徴とする
   分離式チェーンポット装置。
3. 【請求項３】工作機械の自動工具交換装置におけるチェ
   ーンからツールポットを分離して工具交換を行う分離式
   チェーンポット装置において、ツールポットの横方向の
   位置決めは相対する２枚一対のチェーンリンクプレート
   により規制し、ツールポットの前後方向の位置決めをチ
   ェーンリンクプレートに付設された凹部形状部材と、ツ
   ールポット下部に設けられた前記凹部に嵌合する凸部形
   状の部材とにより位置決めを行う構造としたことを特徴
   とする分離式チェーンポット装置。
4. 【請求項４】チェーンリンクプレートは平板状のチェー
   ン接続部と平板の側辺部が上部に突出しＵ字型に形成さ
   れた形状で２枚一対で構成され、相対する一対のチェー
   ンリンクプレートは突出した側辺の上部が固定棹により
   固定されている構造からなる請求項２および３記載の分
   離式チェーンポット装置。
5. 【請求項５】工作機械の自動工具交換装置におけるチェ
   ーンからツールポットを分離して工具交換を行う分離式
   ツールポット装置において、ツールポットの横方向の位
   置決めはチェーンリンクプレートに付設したＵ字型のツ
   ールポットガイドの側面により規制し、ツールポットの
   前後方向の位置決めをチェーンリンクプレートに付設し
   たＵ字型のツールポットガイドに設けられた凹部と、ツ
   ールポット下部に設けられた前記凹部に嵌合する形状の
   凸部形状部材とにより位置決めを行う構造としたことを
   特徴とする分離式チェーンポット装置。
6. 【請求項６】工作機械の自動工具交換装置におけるチェ
   ーンからツールポットを分離して工具交換を行う分離式
   チェーンポット装置において、ツールポットの横方向の
   位置決めはチェーンリンクプレートに付設したＵ字型の
   ツールポットガイドの側面により規制し、ツールポット
   の前後方向の位置決めをチェーンリンクプレートに付設
   したＵ字型のツールポットガイドに設けられた凸部形状
   部材と、ツールポット下部に設けられた前記凸部に嵌合
   する形状の凹部とにより位置決めを行う構造としたこと
   を特徴とする分離式チェーンポット装置。
7. 【請求項７】チェーンリンクプレートがＬ字形状である
   請求項５および６記載の分離式チェーンポット装置。
8. 【請求項８】凸部形状が円錐台または台形である請求項
   ２および３または請求項５および６記載の分離式チェー
   ンポット装置。