JP2001071162A - 鋼板のレーザ溶接方法 - Google Patents
鋼板のレーザ溶接方法Info
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Abstract
を減少させること。 【解決手段】 一方の鋼板(W1)の溶接する部分を結
ぶ線である溶接ライン(L)に沿って前記一方の鋼板
(W1)に貫通孔(11)を形成する溶接部分貫通孔形
成工程と、前記一方の鋼板(W1)に他の鋼板(W2)
を接触させた状態で両鋼板(W1,W2)を固定する鋼
板セッティング工程と、前記固定された両鋼板(W1,
W2)の中の前記一方の鋼板(W1)側から前記溶接ラ
イン(L)に沿ってレーザビーム(B)を照射し、前記
両鋼板(W1,W2)を溶接する溶接工程とからなる鋼
板のレーザ溶接方法。
Description
せて配置した少なくとも2枚の鋼板の一方側からレーザ
ビームを照射することにより前記接触させた鋼板を溶接
するレーザ溶接方法に関する。前記レーザ溶接方法は、
重ね継手溶接およびT継手溶接に使用されており、ま
た、複写機等OA機器のフレームを製作する際にも使用
されている。
ームは、エネルギ密度が高く、アーク溶接に比べ入熱量
が少なく、溶接変形やひずみが圧倒的に少ない等の利点
を有している。このようなレーザ溶接方法において溶接
部に高強度が要求される場合には、レーザビームの出力
(エネルギ密度)と、溶接速度をパラメータとして溶接
条件を設定するのが一般的となっている。そのため、生
産性を上げるために大出力のレーザ発振機が開発され、
製造現場に導入されている。レーザ溶接によりT継手の
貫通溶接を行う場合、鋼板が当接している位置が目視で
確認できないため、レーザビームの照射位置に対し当接
する垂直鋼板の位置的なずれ等が発生することがある。
その場合、所要の強度が得られなかったり、溶接不良が
発生したりすることがある。
する技術としては、例えば、特開平4−253581号
公報に示されるようなレーザ溶接方法がある。そのレー
ザ溶接方法は、レーザビームを照射した際に垂直鋼板の
両側に貫通するエネルギをそれぞれ検出し、それらがバ
ランスするようにレーザビームの照射位置をフィードバ
ック制御しながら溶接を行う技術である。また、溶接部
から発生するプラズマの発光量や、レーザの反射光を測
定し、オンラインで溶接不良を検知する等の技術も確立
されている。また、溶接を行う際には溶融した金属から
金属蒸気が発生し溶融金属の吹き上げ(スパッタ)が発
生する。そのスパッタが鋼板に付着し、製品として使用
中に落下し、製品の性能に悪影響を及ぼすことがある。
前記スパッタを防止する技術はほとんどないため、溶接
後に鋼板に付着したスパッタを拭き取るといった作業を
行っている。そのため生産性が悪化している。
には以下のような問題点がある。 (1)必要とされる溶接強度が高強度の場合に、大出力
のレーザ発振機を用いると、消費電力が増加し大幅な製
造コストのアップとなる。コストアップを避けようとす
れば、レーザの出力のアップには限度がある。その結
果、所要の溶接強度を得るためには溶接速度を低速化し
て対応することが必要になり、生産性の悪化を招いてい
る。 (2)また、T継手溶接の際、溶接部分の位置ずれを検
知しレーザの照射位置を制御しながら溶接を行う前記の
溶接方法では、装置自体が大掛かりとなり、細部や狭部
を溶接する際にはレーザが溶接位置まで届かず、溶接不
可能となる場合がある。 (3)そのほか、溶接を行う際には溶融した金属から金
属蒸気が発生し溶融金属の吹き上げ(スパッタ)が発生
する。このスパッタが鋼板に付着し、その鋼板を用いた
構造体からなる製品の使用時に前記スパッタが落下し、
その製品の性能上悪影響を及ぼすことがある。また、前
記スパッタの付着によりレーザ溶接機の集光レンズの損
傷または集光レンズの損傷を防止するための保護ガラス
の破損が発生することがある。それらの不具合を防止す
るためにも、スパッタの発生量の低減が必要となってい
る。
〜(O03)の記載内容を課題とする。 (O01)鋼板をレーザ溶接する際のスパッタの発生量を
減少させること。 (O02)T継手溶接を行う場合の水平鋼板の溶接部分に
当接させる垂直鋼板の位置ずれの有無を容易に確認でき
るようにすること。 (O03)同じレーザ発振機を用いて溶接強度を増加させ
ること。
る本発明を説明するが、本発明の要素には、後述の実施
例の要素との対応を容易にするため、実施例の要素の符
号をカッコで囲んだものを付記する。なお、本発明を後
述の実施例の符号と対応させて説明する理由は、本発明
の理解を容易にするためであり、本発明の範囲を実施例
に限定するためではない。
発明の鋼板のレーザ溶接方法は、溶接部分を接触させて
配置した2枚の鋼板のうちの一方の鋼板側からレーザビ
ームを照射して溶接を行う鋼板のレーザ溶接方法におい
て、次の工程(A01)〜(A03)を順次実行することを
特徴とする。 (A01)前記一方の鋼板(W1)の溶接する部分を結ぶ
線である溶接ライン(L)に沿って、前記一方の鋼板
(W1)に貫通孔(11、21)を形成する溶接部分貫
通孔形成工程、(A02)前記一方の鋼板(W1)に他の
鋼板(W2)を接触させた状態で両鋼板(W1,W2)
を固定する鋼板セッティング工程、(A03)前記固定さ
れた両鋼板(W1,W2)の中の前記一方の鋼板(W
1)側から前記溶接ライン(L)に沿ってレーザビーム
(B)を照射し、前記両鋼板(W1,W2)を溶接する
溶接工程。
て、前記溶接ライン(L)に沿って形成された「貫通
孔」は、「スリット状貫通孔」、または「円筒状貫通
孔」等を採用することが可能である。
の鋼板のレーザ溶接方法では、溶接部分貫通孔形成工程
において、溶接する2枚の鋼板(W1,W2)の中の一
方の鋼板(W1)の溶接する部分を結ぶ線である溶接ラ
イン(L)に沿って、前記一方の鋼板(W1)に貫通孔
(11、21)を形成する。次に鋼板セッティング工程
において、前記一方の鋼板(W1)に他の鋼板(W2)
を接触させた状態で両鋼板(W1,W2)を固定する。
次に溶接工程において、前記固定された両鋼板(W1,
W2)の中の前記一方の鋼板(W1)側から前記溶接ラ
イン(L)に沿ってレーザビーム(B)を照射し、前記
両鋼板(W1,W2)を溶接する。このレーザ溶接方法
によれば、レーザビーム(B)が照射される際、前記一
方の鋼板(W1)の貫通孔(11、21)内に溶融金属
が流れ落ち、その貫通孔(11、21)内ですみ肉状に
凝固し、貫通溶接にすみ肉溶接を加えた効果が得られ
る。さらに、貫通孔部では、深い溶け込みも得られる。
の鋼板(W1,W2)を接触させた状態で固定して鋼板
のセッティングを行い、前記セッティングされた鋼板
(W1,W2)とレーザビーム(B)の照射開始位置と
を位置決めするため、セッティングされた鋼板(W1,
W2)とレーザ溶接機とのセッティング作業(位置決め
作業)を行うが、溶接ライン(L)に沿って形成された
貫通孔(11、21)があることにより、垂直鋼板(W
2)が溶接位置に当接されたことを目視で確認しながら
セッティング作業を行うことができる。さらに、本発明
のようにレーザビーム照射位置に貫通孔(11、21)
を設けることにより、形成される溶融池(12)が小さ
いため吹き上がるスパッタの発生量が減少する。
溶接方法の実施の形態1は、前記本発明において下記の
要件(A04)を備えたことを特徴とする、(A04)前記
2枚の鋼板(W1,W2)が重ね継手またはT継手を形
成する状態で固定される前記鋼板セッティング工程。
本発明の鋼板のレーザ溶接方法の実施の形態1では、前
記鋼板セッティング工程において、前記2枚の鋼板(W
1,W2)は重ね継手またはT継手を形成する状態で固
定される。したがって、重ね継手またはT継手の形状で
溶接が行われる。
接方法の実施の形態2は、前記本発明または本発明の実
施の形態1において下記の要件(A05)を備えたことを
特徴とする、(A05)スリット状貫通孔(21)または
円形貫通孔(11)を形成する前記溶接部分貫通孔形成
工程。
本発明の鋼板のレーザ溶接方法の実施の形態2では、前
記溶接部分貫通孔形成工程では、一方の鋼板(W1)に
スリット状貫通孔(21)または円形貫通孔(11)が
形成される。前記スリット状貫通孔(21)または円形
貫通孔(11)は加工が容易であり、容易に形成するこ
とができる。
接方法の実施の形態3は、前記本発明または本発明の実
施の形態1もしくは2において下記の要件(A06)を備
えたことを特徴とする、(A06)前記鋼板(W1,W
2)に照射されるレーザビーム径と同等以下の幅を有す
るスリット状貫通孔(21)である前記貫通孔。
本発明の鋼板のレーザ溶接方法の実施の形態3では、前
記貫通孔は、前記鋼板に照射されるレーザビーム径と同
等以下の幅を有するスリット状貫通孔(21)である。
したがって、レーザビーム(B)は溶接ライン(L)に
沿って移動する際、スリット状貫通孔(21)の幅方向
(S)の全領域を照射することができる。すなわち、レ
ーザビーム(B)を鋼板(W1,W2)に照射しながら
溶接ライン(L)に沿って1回移動するだけで、溶接に
必要な全領域にレーザビーム(B)を照射することがで
きる。
接方法の実施の形態4は、前記本発明または本発明の実
施の形態1もしくは2において下記の要件(A07)を備
えたことを特徴とする、(A07)前記溶接ライン(L)
に沿って所定間隔で形成された円形貫通孔(11)であ
る前記貫通孔。
本発明の鋼板のレーザ溶接方法の実施の形態4では、前
記貫通孔(11)は、前記溶接ライン(L)に沿って所
定間隔で形成された円形貫通孔(11)である。したが
って、レーザビーム(B)は溶接ライン(L)に沿って
移動する際、円形貫通孔(11)の全領域を照射するこ
とができる。すなわち、レーザビーム(B)を鋼板(W
1,W2)に照射しながら溶接ライン(L)に沿って1
回移動するだけで、溶接に必要な全領域にレーザビーム
(B)を照射することができる。
接方法の実施の形態5は、前記本発明または本発明の実
施の形態1ないし4のいずれかにおいて下記の要件(A
08)を備えたことを特徴とする、(A08)めっき鋼板で
ある前記2枚の鋼板(W1,W2)。
本発明の鋼板のレーザ溶接方法の実施の形態5では、2
枚のめっき鋼板(W1,W2)の溶接が行われる。めっ
き鋼板は沸点の低いZn(亜鉛)を含むため、めっきし
ていない鋼板に比べて、スパッタが生じ易い。しかしな
がら、本発明ではスパッタを減少させることができるの
で、めっき鋼板の溶接に特に有効である。
明の鋼板のレーザ溶接方法の実施の形態の具体例(実施
例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定される
ものではない。 (実施例1)図1は本発明の鋼板のレーザ溶接方法の実
施例1の説明図である。図2は同実施例1のレーザ溶接
方法で溶接する鋼板に形成された貫通孔の説明図であ
る。図1において、ベース1上に固定された一対の治具
2,2はそれぞれプレート3とアーム4とを備えてい
る。アーム4は前記プレート3上面に固定するための固
定部4aと、上方に延びる鉛直部4bと鉛直部上端から
水平に延びる水平アーム部4cとを有している。前記水
平アーム部4cの先端にはネジ孔が形成されており、前
記ネジ孔には下方に突出する押圧ネジ5が螺合してい
る。押圧ネジ5下端は前記水平アームの下方に突出して
おり、前記プレート3,3上に重ねて載置された一対の
鋼板W1,W2を上方から押圧してプレート3,3上に
固定する。前記治具2は前記プレート3,アーム4およ
び押圧ネジ5により構成されている。
接機(図示せず)の下端部にはレーザ溶接用ヘッドHが
設けられている。前記レーザ溶接ロボットはレーザ溶接
用ヘッドHを水平なXY平面内の溶接開始点と溶接終了
点との間で直線状に移動させる。前記XY平面内の溶接
開始点および溶接終了点は、作業者が前記レーザ溶接用
ヘッドHを実際の溶接開始点および溶接終了点に移動さ
せて制御装置に記憶させることができる。なお、このよ
うなレーザ溶接ロボットは従来公知である。
1,W2の中の上方に配置される鋼板W1には、溶接す
る部分を結ぶ線である溶接ラインLに沿って複数の円形
貫通孔11が形成されている。前記円形貫通孔11の直
径Dおよび間隔Pは本実施例1では次の通りに設定され
ている。 (1)D=2mm (2)P=5mm 本実施例1では前記円形貫通孔は、鋼板W1,W2を前
記治具2にセッティングする前に他の場所で形成されて
いる。しかし、前記レーザ溶接用ヘッドHを有するレー
ザ溶接ロボットと、ドリル等の孔開け装置(図示せず)
とを前記ベース1に隣接して設置しておくことにより、
前記治具2,2に鋼板W1,W2をセッティングしてか
ら前記円形貫通孔11を形成することが可能である。
溶接作業の開始前の状態を示す図で、前記図2のIII−I
II線断面図である。図4は前記実施例1の溶接作業の開
始後の状態を示す図である。図5は前記実施例1の溶接
作業の途中の状態を示す図である。前記図1に示すよう
に鋼板W1,W2をセッティングし、溶接を開始する位
置(図3の位置すなわち、円形貫通孔11に対向する位
置)にレーザ溶接ロボットのレーザ溶接用ヘッドHを移
動させて、レーザ溶接ロボットの制御装置に溶接開始点
の位置を記憶させる。また、同様に溶接終了点にレーザ
溶接用ヘッドHを移動させて、レーザ溶接ロボットの制
御装置に溶接終了点の位置を記憶させる。次に溶接開始
スイッチをオンにすると、レーザ溶接ロボットのレーザ
溶接用ヘッドHは自動的に前記溶接開始点(図3の位
置)に移動して、レーザ溶接を開始する。
から出射されるレーザビームBが円形貫通孔11に照射
されると、円形貫通孔11の縁の部分が溶融し、溶融金
属が円形貫通孔11内に流れ落ち、円形貫通孔11が溶
融池12となる現象が起きる。この場合、重ね合わせ溶
接が行われる。これにより溶接部は、レーザビームBの
照射により、上側および下側の鋼板W1、W2を貫通溶
接及びすみ肉溶接で溶接した状態と同様になり、さらに
貫通孔部では深い溶け込みも得られ、レーザビーム照射
部に円形貫通孔11を形成しない場合に比べ、溶接強度
が増加する。図5において、溶接開始点から溶接ライン
Lに沿って溶接終了点までレーザビームBの照射位置を
移動させる。上記した溶融池12が自然冷却により凝固
して溶接部になった段階で溶接は終了する。このように
溶接がなされた鋼板W1,W2は溶接部で繋がれた状態
となり、溶接終了後に治具2,2による固定を解除して
から、プレート3,3から取り出される。
溶接方法の実施例2の説明図で、前記実施例1の図2に
対応する図である。なお、この実施例2の説明におい
て、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同
一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この実
施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、
他の点では前記実施例1と同様に構成されている。前記
実施例1では上側の鋼板W1に複数の円形貫通孔11が
形成されていたのに対し、本実施例2ではスリット状貫
通孔21が形成されている。図6において溶接する2枚
の鋼板W1,W2の中の上方に配置される鋼板W1に
は、溶接する部分を結ぶ線である溶接ラインLに沿って
スリット状貫通孔21が形成されている。前記スリット
状貫通孔21の幅Sおよび長さQは本実施例2では次の
通りに設定されている。 (1)S=0.3mm (2)Q=L(溶接ラインの長さ)
にレーザビームBを照射すると、スリット状の貫通孔2
1の縁の部分が溶融し、溶融金属がスリット状の貫通孔
21内に流れ落ち、スリット状の貫通孔21が溶融池1
2となる現象が起きる。これにより溶接部は、レーザビ
ームBの照射により、鋼板W1,W2を貫通溶接及びす
み肉溶接で溶接した状態と同様になり、さらにスリット
状貫通孔21では深い溶け込みも得られ、レーザビーム
照射部にスリット状貫通孔21を施さない場合に比べ、
溶接強度が増加する。実施例2では溶接強度が2倍程度
に増加する結果が得られた。また、実施例2でのスパッ
タの発生量は、前記スリット状貫通孔21を施さない場
合の1/5に減少する結果が得られた。
溶接方法の実施例3の説明図である。図8は同実施例3
のレーザ溶接方法で溶接する上側の鋼板に形成された貫
通孔の位置と下側の鋼板の溶接部分との位置関係の説明
図である。なお、この実施例3の説明において、前記実
施例2の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を
付して、その詳細な説明を省略する。この実施例3は、
下記の点で前記実施例2と相違しているが、他の点では
前記実施例2と同様に構成されている。前記実施例2で
は下側の鋼板W2が上側の水平な鋼板W1に重ねて水平
に配置されていたのに対し、本実施例3では下側の鋼板
W2が上側の鋼板W1に対して垂直となるように配置さ
れ、T継手を形成している。なお図7では図示が省略さ
れているが、2枚の鋼板W1,W2をT継手の形状に固
定するためには治具(図示せず)が使用される。
使用して2枚の鋼板W1,W2を図7に示すようなT継
手に固定して、貫通溶接が行われる。その場合、鋼板W
1,W2を治具に固定する際に、鉛直に配置された下側
の鋼板W2の溶接端面が、上側の鋼板W1の溶接される
部分を結ぶ線である溶接ラインLと一致して当接されて
いるかを目視で確認することができる。したがって、図
8に示すように、第2の鋼板W2がずれた位置で溶接さ
れるのを防止することができる。さらに治具に固定した
後にロボットに溶接開始点および溶接終了点の位置を教
示する際には、溶接位置が明確になっているため教示が
容易であり、レーザビームBの照射位置のずれによる溶
接不良が発生せず、良好な貫通溶接が行える。上記の溶
接方法によりスパッタの発生も抑制できる。レーザビー
ムBを照射することにより、上側の鋼板W1のスリット
状の貫通孔21の縁の金属が溶融し、前記スリット状貫
通孔21内で溶融池12を形成するが、溶融金属が少な
いため、溶融池も小さく、スパッタの発生量もレーザビ
ーム照射部に前記スリット状貫通孔を施さない場合に比
べて減少する。
ーザ溶接方法で溶接する上側の鋼板に形成された貫通孔
の位置と下側の鋼板の溶接部分との位置関係の説明図で
あり、前記実施例3の図8に対応する図である。前記図
8に示す実施例3では溶接ラインに沿ってスリット状貫
通孔21が形成されていたのに対し、この実施例4で
は、複数の円形貫通孔11が形成されている。
実施例3と同様に、第2の鋼板W2がずれた位置で溶接
されるのを防止することができる。また、鋼板W1,W
2を貫通溶接及びすみ肉溶接で溶接した状態と同様にな
り、レーザビーム照射部に円形貫通孔11を施さない場
合に比べ、溶接強度が増加する。また、スパッタの発生
量もレーザビーム照射部に前記円形貫通孔11を施さな
い場合に比べて減少する。
たが、本発明は、前記実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内
で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更
実施例を下記に例示する。 (H01)前記上側および下側の鋼板W1およびW2の溶
接部分を接触させた状態で固定する方法(治具上にセッ
ティングする方法)は、種々の方法を採用することが可
能である。 (H02)レーザ溶接用ヘッドHを移動させながらレーザ
溶接を行う代わりに、レーザ溶接用ヘッドHが水平面内
で移動不能の状態で、2枚の鋼板W1,W2を支持する
治具をXYテーブル上に支持し、前記XYテーブルを移
動させながらレーザ溶接を行うことが可能である。 (H03)貫通孔としては、スリット状貫通孔、円形貫通
孔以外の多角形貫通孔、長円形貫通孔やそれらを組み合
わせた貫通孔を採用することが可能である。
のように溶接部に種々の貫通孔を設けることにより、貫
通孔内に流れ落ちた溶融金属がすみ肉となり、さらに、
貫通孔部では深い溶け込みが得られ、レ一ザ溶接及びす
み肉溶接を同時に行った場合と同等となり、溶接強度が
増加する効果がある。従って、貫通孔をレーザビーム照
射位置に設けることにより、レーザ照射部に前記貫通孔
を施さない場合に比べ、ビーム強度、ビーム照射時間等
が同一の条件では溶接強度が向上し、結果として溶接速
度の高速化と、生産性の向上が可能となる。また、T継
手の貫通溶接を行う際には、治具に鋼板を固定するのに
適確な位置を目視で確認することができ、それに伴い溶
接ロボットへの溶接位置の教示も容易に行うことが可能
である。さらに、本発明のレーザ溶接方法により製品の
性能に悪影響を及ぼすスパッタは減少し、さらに、レー
ザ用集光レンズの損傷を防止するための保護ガラスを長
時間の使用に耐えうるようにすることが可能である。
例1の説明図である。
る鋼板に形成された貫通孔の説明図である。
態を示す図で、前記図2のIII−III線断面図である。
態を示す図である。
を示す図である。
例2の説明図で、前記実施例1の図2に対応する図であ
る。
例3の説明図である。
る上側の鋼板に形成された貫通孔の位置と下側の鋼板の
溶接部分との位置関係の説明図である。
溶接する上側の鋼板に形成された貫通孔の位置と下側の
鋼板の溶接部分との位置関係の説明図であり、前記実施
例3の図8に対応する図である。
板、11…円形貫通孔、12…溶融池、21…スリット
状貫通孔。
Claims (1)
- 【請求項1】 溶接部分を接触させて配置した2枚の鋼
板のうちの一方の鋼板側からレーザビームを照射して溶
接を行う鋼板のレーザ溶接方法において、次の工程を順
次実行する鋼板のレーザ溶接方法、(A01)前記一方の
鋼板の溶接する部分を結ぶ線である溶接ラインに沿っ
て、前記一方の鋼板に貫通孔を形成する溶接部分貫通孔
形成工程、(A02)前記一方の鋼板に他の鋼板を接触さ
せた状態で両鋼板を固定する鋼板セッティング工程、
(A03)前記固定された両鋼板の中の前記一方の鋼板側
から前記溶接ラインに沿ってレーザビームを照射し、前
記両鋼板を溶接する溶接工程。
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---|---|---|---|
JP25577199A JP2001071162A (ja) | 1999-09-09 | 1999-09-09 | 鋼板のレーザ溶接方法 |
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---|---|
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