JP2001071113A - 非晶質合金成形品の製造装置 - Google Patents

非晶質合金成形品の製造装置

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JP2001071113A
JP2001071113A JP25253099A JP25253099A JP2001071113A JP 2001071113 A JP2001071113 A JP 2001071113A JP 25253099 A JP25253099 A JP 25253099A JP 25253099 A JP25253099 A JP 25253099A JP 2001071113 A JP2001071113 A JP 2001071113A
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Japan
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mold
amorphous alloy
cavity
metal material
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JP25253099A
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English (en)
Inventor
Akihisa Inoue
明久 井上
Masahide Onuki
正秀 大貫
Hiroto Setogawa
広人 瀬戸川
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単かつ確実により良好な大型(バルク状)
の非晶質合金成形品を得ることができる非晶質合金成形
品の製造装置を提供することにある。 【解決手段】 金属材料溶解部14とキャビティ部13を有
する下型3と、下型3と共働きして金属材料溶解部14の
溶融金属24を押圧しキャビティ部13に流し込んで成型す
るための上型2と、から成る金型1を備える。さらに、
下型3の金属材料溶解部14が熱伝導率が 100kcal/(m・
h・℃) 以上の材料にて構成し、かつ、下型3のキャビ
ティ部13が熱伝導率が10kcal/(m・h・℃) 以上 100kc
al/(m・h・℃) 未満の材料にて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非晶質合金成形品
の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、1〜 100K/sの非常に小さな臨
界冷却速度をもった非晶質合金が開発されている。例え
ば、Zr−Al−Co−Ni−Cu系、Zr−Ti−A
l−Ni−Cu系、Zr−Ti−Nb−Al−Ni−C
u系、Zr−Ti−Hf−Al−Co−Ni−Cu系、
Zr−Al−Ni−Cu系などがある。また、これにと
もない、大型(バルク状)の非晶質合金成形品が種々の
方法により製造されつつある。例えば、溶融金属を押圧
して所定形状にする鍛造法、溶融金属を鋳込んで所定形
状にする鋳造法などである。
【0003】上記鍛造法では、例えば、水冷された銅製
の金型上に設けられた溶解部に、金属材料を設置し、ア
ーク放電などで金属材料を溶解し、所定形状を有する上
記金型上の溶融金属を、上型にて押し広げる(鍛造)と
共に、溶融金属を臨界冷却速度以上で冷却して、非晶質
合金を成形する。この鍛造法は、溶湯を金型に押圧する
過程があるため、鋳造法に比べて溶湯と金型の接触圧が
高く、従って接触部での熱伝導が高いために極めて高い
冷却速度が得られ、過冷却度の高い良好な大型(バルク
状)の非晶質合金成形品が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、より良
好な大型(バルク状)の非晶質合金成形品を得るために
は、次のような問題点がある。 溶融金属が凝固しないうちに成形を完了しなければ
ならないことから、溶解工程から押圧工程に移るまでの
時間を極力短くしなければならないが、水冷された銅製
の金型上で金属材料が溶解されるので、溶解するための
アーク放電や電子ビーム等を停止すれば直ちに金型に熱
を奪われ、溶湯温度の低下が速い。 また、押圧工程中に於ても、金型の溶解部からキャ
ビティ部へ溶融金属の一部が移動する間、溶融金属が水
冷銅金型と接触した部分から次々に熱を奪われてしまい
所望の形状に達するまでに溶融金属が全て凝固してしま
うことがあり、より大型化の成形を行うことは技術的に
困難である。 一方、溶融金属の温度低下を防ぐために熱伝導率の
悪い(小さい)金型を使用することも考えられるが、高
エネルギー熱源からの熱量を吸収しきれずに金型(特
に、金属材料を溶解する溶解部)が溶解してしまう場合
がある。
【0005】そこで、本発明は、簡単かつ確実により良
好な大型(バルク状)の非晶質合金成形品を得ることが
できる非晶質合金成形品の製造装置を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係る非晶質合金成形品の製造装置は、金
属材料を溶解可能な高エネルギー熱源を用いて該金属材
料を溶解して形成した溶融金属を、所定形状に変形し、
かつ、変形と同時にもしくは変形後に上記溶融金属を臨
界冷却速度以上で冷却して、上記所定形状に成型する非
晶質合金成形品の製造装置であって、金属材料溶解部と
キャビティ部を有する下型と、該下型と共働きして上記
金属材料溶解部の溶融金属を押圧し上記キャビティ部に
流し込んで成型するための上型と、から成る金型を備
え、さらに、上記下型の金属材料溶解部が熱伝導率が 1
00kcal/(m・h・℃) 以上の材料にて構成され、かつ、
上記下型のキャビティ部が熱伝導率が10kcal/(m・h・
℃) 以上 100kcal/(m・h・℃) 未満の材料にて構成さ
れているものである。
【0007】また、下型のキャビティ部が、鉄鋼材料も
しくはニッケルから構成されているものである。また、
下型の金属材料溶解部が、銅、銅合金、銀もしくは銀合
金から構成されているものである。また、高エネルギー
熱源がアーク放電である。また、非晶質合金成形品がZ
r系非晶質合金から成るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態を示す図面に基
づき、本発明を詳説する。
【0009】図1は、本発明の非晶質合金成形品の製造
装置の実施の一形態を示し、この製造装置は、特にZr
系非晶質合金から成る成形品の作製に適した製造装置で
あって、金属材料を溶解可能な高エネルギー熱源を用い
て金属材料を溶解して形成した溶融金属を、所定形状に
変形し、かつ、変形と同時もしくは変形後に溶融金属を
臨界冷却速度以上で冷却して、所定形状に成型するもの
である。
【0010】具体的に構造を説明すると、本発明の非晶
質合金成形品の製造装置は、上型2と下型3とから成る
金型1と、下型3上に設置した金属材料を溶解するため
の高エネルギー熱源であるアーク放電を発生させるアー
ク電極(タングステン電極)4及びアーク電源と、金型
1の上型2・下型3及びアーク電極4に水を循環供給す
る冷却水供給装置5と、金型1及びアーク電極4等を収
納する真空チャンバー6と、モータ7にて駆動されると
共に下型3を水平方向へ移動させる下型移動機構8と、
モータ9にて駆動されると共に上型2を上下方向に移動
させる上型移動機構10と、を備えている。
【0011】しかして、図2〜図5に示すように、金型
1は、上型2と下型3とが相互に嵌合する嵌合部を有さ
ない形状である。具体的に説明すると、図2と図3は上
型2の断面正面図と底面図であり、上型2は矩形平板状
に形成されており、その下面11の外周端縁がパーティン
グ面12とされている。なお、上型2には冷却水供給装置
5(図1参照)より供給される冷却水を通して型を冷却
できるよう配管が設けられている。即ち、例えば上型2
は、キャビティを構成するための上型本体33と、冷却水
の配管が設けられた配管用部材34から構成されており、
上型本体33と配管用部材34とはOリング35でシールドさ
れつつボルトにて一体化されている。
【0012】図4と図5は、下型3の断面正面図と平面
図であり、下型3は、その上面の一端側に設けられた金
属材料溶解部14(おにぎり型の浅い凹部)と、この溶解
部14よりも他端側に設けられたキャビティ部13とを有す
ると共に、上面の外周端縁が上型2の上記パーティング
面12に対応するパーティング面15とされている。なお、
金属材料溶解部14の近傍部分はキャビティ部13と連続面
状とされている。
【0013】また、キャビティ部13の他端側のパーティ
ング面15に沿って段付状の隙間形成部16が設けられてお
り、この隙間形成部16によって型閉めの際、上型2との
間に隙間が形成され、余分な溶融金属を吸収するように
している。また、下型3の金属材料溶解部14からキャビ
ティ部13にかけては、溶解部14からの溶融金属がキャビ
ティ部13へ流れ込み易いように広がった形状とされてい
る。
【0014】ところでこの下型3は、上面に上記おにぎ
り型の浅い凹部を有する溶解部形成体31と、溶解部形成
体31を嵌合する貫孔32aを有する下型本体32とを備え、
下型本体32の貫孔32aに溶解部形成体31を隙間無く嵌挿
させることによって形成されている。そして、溶解部形
成体31の凹部を金属材料溶解部14としている。なお、下
型3には冷却水供給装置5(図1参照)より供給される
冷却水を通して溶解部形成体31と下型本体32を共に冷却
できるよう配管が設けられている。即ち、例えば下型3
は、溶解部形成体31を嵌挿したキャビティを構成するた
めの下型本体32と、冷却水の配管が設けられた配管用部
材36とから成り、下型本体32と配管用部材36とはOリン
グ37でシールドされつつボルトで一体化されている。な
お、溶解部形成体31と下型本体32との間にもシールドの
ためのOリング38が設けられている。
【0015】しかして、下型3の金属材料溶解部14は、
熱伝導率が 100kcal/(m・h・℃)以上の材料にて構成
されており、好ましくは 200kcal/(m・h・℃) 以上の
材料である。即ち、溶解部14を構成する溶解部形成体31
が、 100kcal/(m・h・℃)以上好ましくは 200kcal/
(m・h・℃) 以上の熱伝導率の材料にて構成されてい
る。
【0016】この金属材料溶解部14を構成する溶解部形
成体31の材料として具体的には、熱伝導率の比較的高い
銅(熱伝導率 340kcal/(m・h・℃) )、銅合金、銀
(熱伝導率 370kcal/(m・h・℃) )、銀合金、金(熱
伝導率 270kcal/(m・h・℃))などがあるが、熱伝導
率が高いという点で銅や銀が良く、さらに低コストとい
う点で銅が好ましい。つまり、このように熱伝導率の高
い金属材料を使用すると共に水冷することにより、高エ
ネルギー熱源の熱による溶解部14自体の変形や溶解を防
止している。また、これら銅や銅合金や銀や銀合金は導
電性を有しているため、高エネルギー熱源がアーク放電
である場合に好適である。なお、熱伝導率の最も高い材
料としてはダイヤモンド(熱伝導率 570kcal/(m・h・
℃) )があるが、技術的・価格的な点から実用的である
銅や銅合金や銀や銀合金が好ましい。従って、下型3の
金属材料溶解部14の熱伝導率の上限は、 600kcal/(m・
h・℃) 以下であって好ましくは 400kcal/(m・h・
℃) 以下とされる。
【0017】なお、金属材料溶解部14が、熱伝導率が 1
00kcal/(m・h・℃) 未満の材料にて構成されると、高
エネルギー熱源の熱にて金属材料を溶解する際に、溶解
部14自体が変形や溶解を起こし易くなる。また、金属材
料溶解部14が、熱伝導率が 400kcal/(m・h・℃) 以上
の材料にて構成されることは、上述のように技術的・価
格的な点から実用的でないと言える。
【0018】一方、下型3のキャビティ部13は、熱伝導
率が10kcal/(m・h・℃) 以上 100kcal/(m・h・℃)
未満の材料にて構成されており、好ましくは20kcal/(m
・h・℃) 以上 100kcal/(m・h・℃) 未満の材料であ
る。即ち、キャビティ部13を構成する下型本体32が、熱
伝導率が10kcal/(m・h・℃) 以上 100kcal/(m・h・
℃) 未満の材料、好ましくは20kcal/(m・h・℃) 以上
100kcal/(m・h・℃) 未満の材料から形成されてい
る。
【0019】このキャビティ部13を構成する下型本体32
の材料として具体的には、熱伝導率の比較的低い鉄鋼材
料もしくはニッケル(熱伝導率80kcal/(m・h・℃) )
が好ましい。なお、鉄鋼材料としては、純鉄(熱伝導率
60kcal/(m・h・℃) )、鋳鉄(熱伝導率40kcal/(m・
h・℃) )、炭素鋼(熱伝導率50kcal/(m・h・
℃))、ニッケル鋼(熱伝導率20kcal/(m・h・℃) )
等である。つまり、キャビティ部13を熱伝導率の低い金
属材料にて構成することにより、押圧工程中における溶
湯温度の低下による凝固を極力避けるようにしている。
また、溶湯を押圧して変形しつつ臨界冷却速度以上で冷
却して非晶質合金成形品を得る際に、凝固後にも押圧力
がかかっていることから金型を傷めてしまうことがある
が、鉄鋼材料やニッケルにて金型強度を高めることによ
り、金型に傷が入らないようにしている(成形品に傷の
模様が転写されないようにしている)。従って、上型2
も下型本体32と同じ金属材料(鉄鋼材料もしくはニッケ
ル)にて形成するのが、好ましい。
【0020】なお、キャビティ部13が、熱伝導率が10kc
al/(m・h・℃) 未満の材料にて構成されると、金属材
料溶解部14からキャビティ部13に流れ込んだ溶融金属の
凝固に要する時間が長くなり過ぎて、非晶質度の良好な
非晶質合金成形品が得られない。また、キャビティ部13
が、熱伝導率が 100kcal/(m・h・℃) 以上の材料にて
構成されると、溶融金属が凝固するまでの時間が短くな
り過ぎて、十分な湯流れが得られずキャビティ部13を十
分に満たさないうちに凝固してしまう。即ち、所定形状
の大型(バルク状)の非晶質合金成形品が得られない。
【0021】ところで、図1と図6に示すように、19は
上型移動機構10の昇降ロッドであり、この昇降ロッド19
の下端には上型2を保持するための取付部材17が水平状
に取付けられている。そして、取付部材17の下面側に上
型2が傾斜状に取付けられている。具体的には、上型2
の一端側と取付部材17の一端側とが弾発部材18(例えば
コイルスプリング)にて連結されると共に、上型2の他
端側と取付部材17の他端側とは揺動片20,20(図例では
一方のみを示す)及び支軸21,21を介して連結されてお
り、上型2の一端側が弾発部材18にて下方へ弾発付勢さ
れること(又は上型2の自重)によって比較的小さな傾
斜角度θ(例えば1°)で傾斜状とされている。なお、
下型3は取付部材17と同じく水平状とされている。
【0022】しかして、このように構成された本発明の
製造装置を用いて非晶質合金成形品を製造する際は、図
1と図6に示すように、先ず、下型3の金属材料溶解部
14に金属材料22を設置する。
【0023】次に、図1と図6及び図7に示すように、
モータ7にて下型移動機構8を駆動して下型3を水平方
向(矢印A方向)に移動させ、アーク電極4の下方位置
にて停止させる。そして、アーク電源をONにしてアー
ク電極4の先端から金属材料22との間にプラズマアーク
23を発生させ、金属材料22を完全に溶解して溶融金属24
を形成させる。このとき、溶融金属24は金属材料溶解部
14にて流止めされる。
【0024】その後、図1と図7と図8に示すように、
アーク電源をOFFにしてプラズマアーク23を消す。そ
して、速やかに下型3を上型2の下方位置(矢印B方
向)に移動させると共に、モータ9及び上型移動機構10
にて上型2を下降(矢印C方向)させて、得られた融点
以上の溶融金属24を上型2と下型3との共働きによって
押圧して所定形状に変形し、かつ、変形と同時もしくは
変形後に、冷却されている金型1にて溶融金属24を臨界
冷却速度以上で冷却し、それによって溶融金属24が急速
に固化して、図9に示す如く、所定形状の非晶質合金成
形品25(Zr系非晶質合金)となる。
【0025】この図7で説明した溶解工程に於て、下型
3の金属材料溶解部14が熱伝導率の高い銅や銅合金や銀
にて形成されているため、アーク放電による熱で溶解部
14が変形や溶解することが無い。また、図8と図9で説
明したプレス工程に於て、上型2及び下型3のキャビテ
ィ部13が熱伝導率の低い鉄鋼材料やニッケルにて形成さ
れていることに加え、上型2が傾斜状から水平状となっ
て溶融金属24に接触押圧し型閉めされることで、溶融金
属24が流動性の良好な状態で金属材料溶解部14からスム
ースに流れ出してキャビティ部13全体に充満し、かつ、
溶融金属24と金型1との接触圧が大きいため高い冷却速
度が得られ、図10及び図11(イ)に示すような薄肉で大
きな面積(バルク状)の良好な非晶質合金成形品25を得
ることができる。
【0026】なお、得られた非晶質合金成形品25の内、
26は下型3のキャビティ部13に対応する部分であり、27
は金属材料溶解部14及びその近傍に対応する部分であ
り、28は隙間形成部16に対応する部分(バリ部)であ
り、不要な部分27,28を切削・研磨等の加工にて除去し
て図11(ロ)に示す製品化した状態に仕上げる。
【0027】なお、本発明は上述の実施の形態に限定さ
れず、例えば、下型3の金属材料溶解部14及びキャビテ
ィ部13を凹曲面状に形成すると共に、上型2の下面に凸
曲面部を形成して、弯曲板状の非晶質合金成形品25を作
製するも良い。
【0028】
【実施例】次に、具体的な本発明の実施例(図4と図5
で説明した下型3)、及び、図12と図13に示す比較例
(下型30)について、下記の条件で作製した。 (1) 実施例の下型3及び比較例の下型30は、各々その
キャビティ部13の縦寸法Xを 100mm、横寸法Yを50mm、
厚み方向寸法Zを2mmとした。 (2) 実施例の下型3は、鋳鉄(熱伝導率40kcal/(m・
h・℃) )にて下型本体32を形成し、無酸素銅(熱伝導
率 340kcal/(m・h・℃) )にて溶解部形成体31を形成
した複合金型とした。また、比較例の下型30は、全体を
無酸素銅(熱伝導率 340kcal/(m・h・℃) )にて形成
したものを比較例1とし、全体を鋳鉄(熱伝導率40kcal
/(m・h・℃) )にて形成したものを比較例2とした。
【0029】この実施例及び比較例1、2について、下
記の条件で成型実験を行った。 (3) 図1で説明した本発明の非晶質合金製造装置を用
いた。 (4) 上型2は、図2と図3で説明した矩形平板状のも
のを鋳鉄(熱伝導率40kcal/(m・h・℃) )にて形成
し、実施例及び比較例1、2に共通して使用した。 (5) 金属材料としては、Zr55Al10Ni5 Cu30
る合金を使用した。 (6) 成型前の状態に於て、上型2の傾斜角度θを1°
とした。 (7) アーク放電停止後からプレス位置への下型移動時
間を 1.6sとし、型閉め時間を 1.3sとした。
【0030】成型実験結果を表1及び図10と図14に示
す。
【0031】
【表1】
【0032】図10と表1に示すように、実施例では溶湯
がキャビティ部13に完全充填しているが、図14と表1に
示す如く、比較例1では溶湯の凝固により湯流れが不十
分であることが分かる。また、表1に示す如く、比較例
2では下型が溶解してしまい、成形品を得ることができ
なかった。
【0033】次に、実施例及び比較例1について、下記
の条件で成形品の非晶質形成状態及び機械的強度の測定
を行った。 (8) 成形品のキャビティ部に対応する部分が正常に非
晶質化しているか否かを、X線回折により確認した。 (9) 成形品から短冊状のサンプル(長さ50mm、幅10m
m、厚み2mm) を切り出し、インテスコ社製の万能試験
機を用いて3点曲げ破壊試験を行った。試験条件は、ス
パン30mmで、試験速度1mm/minである。なお、比較例1
のものは、湯流れが不十分で型閉めが不完全となり、成
形品の厚みが厚くなってそのままでは試験が行えないた
め、金属材料の仕込み量を減らし、型閉めが完全になっ
て所定の厚み2mmとなる成型条件として成型したもの使
用した。
【0034】測定結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】表2に示すように、実施例と比較例1は共
に良好な非晶質が形成されていることが分かった。即
ち、銅に比べて熱伝導率が低い鋳鉄でキャビティ部を構
成しても、十分な冷却速度が得られ、良好な非晶質が形
成されている。それに加えて、成型性(湯流れ)は良く
なっており、良好でより大きな非晶質合金成形品が得ら
れることが分かった。
【0037】
【発明の効果】本発明は上述の如く構成されるので、次
に記載する効果を奏する。
【0038】(請求項1によれば)下型3の金属材料溶
解部14の熱伝導率を高く設定し、かつ、キャビティ部13
の熱伝導率を低く設定することにより、溶解工程におけ
る溶解部14自体の変形や溶解を防止しつつ、プレス工程
における溶融金属24のキャビティ部13への湯流れを良好
として、所定形状の大型(バルク状)の非晶質合金成形
品25を簡単かつ確実に得ることができる。
【0039】(請求項2によれば)キャビティ部13の金
型強度を高めることができるため、プレス成型時に於
て、溶湯が凝固した後に金型1に押圧力が掛かったとし
てもキャビティ部13に傷が付き難くなり、長期間使用可
能であると共に、成形品に傷の模様が転写されるという
ことも無い。
【0040】(請求項3によれば)銅や銅合金や銀や銀
合金は導電性を有するため、アーク放電による溶融金属
の溶解が可能となる。また、銅や銅合金を使用すれば低
コストにて作製することができるメリットもある。
【0041】(請求項4によれば)効率良く金属材料22
を溶解して溶融金属24を形成することができる。また、
下型3の金属材料溶解部14が導電性の金属から構成され
る場合において、アーク放電による熱源(アーク熱源)
の使用は好適である。(請求項5によれば)より大型
(バルク状)の非晶質合金成形品25を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す簡略構成説明図で
ある。
【図2】上型を示す断面正面図である。
【図3】上型を示す底面図である。
【図4】下型を示す断面正面図である。
【図5】下型を示す平面図である。
【図6】成型前の状態を示す要部断面正面図である。
【図7】溶融金属の形成状態を示す要部断面正面図であ
る。
【図8】成型状態を示す要部断面正面図である。
【図9】型閉め状態を示す要部断面正面図である。
【図10】下型のキャビティ部における溶融金属の充填度
合いを示す平面図である。
【図11】非晶質合金成形品を示す断面正面図である。
【図12】他の下型を示す断面正面図である。
【図13】他の下型を示す平面図である。
【図14】他の下型のキャビティ部における溶融金属の充
填度合いを示す平面図である。
【符号の説明】
1 金型 2 上型 3 下型 13 キャビティ部 14 金属材料溶解部 22 金属材料 24 溶融金属
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大貫 正秀 兵庫県三木市別所町下石野722−2 (72)発明者 瀬戸川 広人 兵庫県明石市大久保町大窪616番地の1 ロワイヤル大久保II302号 Fターム(参考) 4E093 NB05 NB09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属材料22を溶解可能な高エネルギー熱
    源を用いて該金属材料22を溶解して形成した溶融金属24
    を、所定形状に変形し、かつ、変形と同時にもしくは変
    形後に上記溶融金属24を臨界冷却速度以上で冷却して、
    上記所定形状に成型する非晶質合金成形品の製造装置で
    あって、金属材料溶解部14とキャビティ部13を有する下
    型3と、該下型3と共働きして上記金属材料溶解部14の
    溶融金属24を押圧し上記キャビティ部13に流し込んで成
    型するための上型2と、から成る金型1を備え、さら
    に、上記下型3の金属材料溶解部14が熱伝導率が 100kc
    al/(m・h・℃) 以上の材料にて構成され、かつ、上記
    下型3のキャビティ部13が熱伝導率が10kcal/(m・h・
    ℃) 以上 100kcal/(m・h・℃) 未満の材料にて構成さ
    れていることを特徴とする非晶質合金成形品の製造装
    置。
  2. 【請求項2】 下型3のキャビティ部13が、鉄鋼材料も
    しくはニッケルから構成されている請求項1記載の非晶
    質合金成形品の製造装置。
  3. 【請求項3】 下型3の金属材料溶解部14が、銅、銅合
    金、銀もしくは銀合金から構成されている請求項1又は
    2記載の非晶質合金成形品の製造装置。
  4. 【請求項4】 高エネルギー熱源がアーク放電である請
    求項1、2又は3記載の非晶質合金成形品の製造装置。
  5. 【請求項5】 非晶質合金成形品がZr系非晶質合金か
    ら成る請求項1、2、3又は4記載の非晶質合金成形品
    の製造装置。
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