JP2001070940A - 電解水生成装置 - Google Patents

電解水生成装置

Info

Publication number
JP2001070940A
JP2001070940A JP25015899A JP25015899A JP2001070940A JP 2001070940 A JP2001070940 A JP 2001070940A JP 25015899 A JP25015899 A JP 25015899A JP 25015899 A JP25015899 A JP 25015899A JP 2001070940 A JP2001070940 A JP 2001070940A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
outlet pipe
pair
electrolytic
electrode plates
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25015899A
Other languages
English (en)
Inventor
Takao Kuroda
孝夫 黒田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoshizaki Electric Co Ltd
Original Assignee
Hoshizaki Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoshizaki Electric Co Ltd filed Critical Hoshizaki Electric Co Ltd
Priority to JP25015899A priority Critical patent/JP2001070940A/ja
Publication of JP2001070940A publication Critical patent/JP2001070940A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 無隔膜式の電解水生成装置において、生成さ
れる電解水のpH値の範囲を広くし、電極へのスケール
の付着を防止する。 【解決手段】 電解水生成装置は、内面Ra,Rbに1
対の電極板20,25を設けた無隔膜の電解室Rと、1
対の導出管45,46と、流量調整弁V2,V3を有す
る1対の注出管47,48と、導出管と注出管を選択的
に接続する切換弁V1を備えている。塩水は各供給溝1
3a,18aに連通された流入口14a,19aから、
電解室の内面に形成した各流入溝13b,18bと下部
スリットS1,S2を通って電解室の下部に入って上昇
しながら電気分解され、電解室の上部で分かれて上部ス
リットS3,S4と各流出溝13d,18dに連通され
た流出口14b,19bを通り、各導出管と切換弁と注
出管を通って注出される。各電極板に印加される電圧の
極性と切換弁は連動して切り換えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、隔膜を有しない電
解槽により塩水(塩化ナトリウム水溶液、塩化カリウム
水溶液等)を電気分解して電解水を生成する電解水生成
装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の電解水生成装置としては、例え
ば特開平7−136660号公報に開示されたものがあ
る。これは電解槽の内面に当接して設けた1対の陽極板
の間に水平方向に延びる各5本のスペーサを介して1枚
の陰極板を保持し、各スペーサの間に形成されるサブ通
水路を通って水平に流れる塩水を電気分解して電解水を
生成するものである。そして陽極の表面に沿って流れる
酸性水は酸性水導出管に導き、陰極の表面に沿って流れ
るアルカリ性水はアルカリ性水導出管に導き、各導出管
に設けた流量調整弁の開度を制御して、酸性水導出管か
ら導出される酸性水と、アルカリ性水導出管から導出さ
れるアルカリ性水の流量比を調整することにより、所望
のpH値及び有効塩素濃度の電解水を生成するようにし
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来技術の電解水生成装置により生成される電解水の
pH値は4〜6の範囲に限られ、このpH値の範囲を広
くすることはできなかった。その理由としては次のよう
な原因が考えられる。すなわち、この電解水生成装置で
は陽極の表面に沿って水平に流れる酸性水が陽極の途中
に上下方向に形成したスリットを通して取り出されるよ
うにしているが、陽極の表面に沿って流れる酸性水の一
部はこのスリットを通り過ぎ、電解室の一側に形成され
たアルカリ性水回収通路まで流れてアルカリ性水に混入
される。このため、pH値の範囲を広くすることができ
ない。
【0004】またこの種の電解水生成装置では陰極側に
スケールが付着するが、上述した従来技術の電解水生成
装置では各電極の極性が固定されているので、長期間使
用するとこのスケールの付着により次第に電気分解が阻
害されるようになり、所望の電解水が得られなくなると
いう問題がある。本発明はこのような各問題を解決する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による電解水生成
装置は、隔膜を有しない電解室を内部に形成する電解槽
と、電解室内に互いに平行に対向配設され印加される直
流電圧により同電解室内に供給される塩水を電気分解す
る1対の電極板と、一方の電極板の表面に沿って流れる
電解水を導出する第1導出管と、他方の電極板の表面に
沿って流れる電解水を導出する第2導出管と、両導出管
にそれぞれ連通される第1注出管及び第2注出管と、こ
の両注出管の少なくとも一方に設けた流量調整弁よりな
る電解水生成装置において、電解室は電解槽内に互いに
平行に対向して形成された1対の長方形の内面を有する
ものとすると共に、各電極板は長方形でそれぞれ各内面
に当接されるものとし、更に各電極板に形成した一側縁
に沿って各内面に形成され一側縁の外側を通って電解室
と連通される1対の流入溝と、各電極板の一側縁と反対
側に形成した他側縁に沿って各内面に形成され他側縁の
外側を通って電解室と連通される1対の流出溝と、各電
極板の裏側に位置して各流入溝と平行となるように各内
面に形成されその長手方向において対称的に配置された
連通溝を介してそれぞれ各流入溝に連通された1対の供
給溝と、この供給溝の中央部に連通するように電解槽に
形成されてそれぞれ塩水が供給される1対の流入口と、
流出溝の中央部に連通するように電解槽に形成されてそ
れぞれ各導出管に連通される1対の流出口を備えたこと
を特徴とするものである。
【0006】電解室に供給される塩水は、各電極板の裏
側に形成された各供給溝から長手方向において対称に配
置された各連通溝を介して各流入溝内に導入され、各電
極板の一側縁の外側を通り、両電極板の間の中心面に対
し対称的な流れとなって両電極板の間の電解室内に流入
する。従って塩水は、電解室の厚さ方向及び幅方向の両
方向において、対称的に電解室内に流入する。この塩水
は層流となって電解室内を流出溝側に向かって流れなが
ら電気分解され、陽極となる電極板の表面に沿って流れ
る塩水は酸性水となり、陰極となる電極板の表面に沿っ
て流れる塩水はアルカリ性水となる。各注出管から注出
される電解水の流量比は、流量調整弁を制御することに
より調整され、流出溝側となる電解室の末端部に達した
酸性水とアルカリ性水は、各注出管からの注出量が同じ
場合は、両電極板の間の中心面付近を境として分かれて
各注出管から注出される。また各注出管からの注出量が
異なる場合は、両電極板の間の中心面からいずれか一方
の電極板側に偏った面を境として分かれて注出される。
【0007】また本発明は、第1導出管を第1注出管及
び第2注出管に選択的に切り換え連通すると共に第2導
出管を第1導出管が連通されていない方の第1注出管ま
たは第2注出管に連通するよう切り換える切換弁と、直
流電源から電極板に印加される電圧の極性を切換弁の切
り換えと連動して反転させる通電切換装置を備えたもの
とするのがよい。印加する電圧の極性を反転することに
より、それまで陰極であってスケールが付着した方の電
極板は陽極となるので、それまでに付着したスケールは
自動的に除去される。またこの反転と連動して切換弁も
切り換えられるので、電圧の極性を反転しても各注出管
から注出される電解水はもとのままである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に図1〜図7に示す実施の形
態により、本発明の説明をする。先ず図1によりこの実
施の形態による電解水生成装置の全体的説明をする。こ
の電解水生成装置は、隔膜を有しない電解室R内に1対
の電極板20,25を設けた電解槽10と、ほゞ飽和状
態の食塩水を収容する濃塩水タンク43を有する塩水供
給系と、切換弁V1を有する電解水注出系と、通電切換
装置51を介して電極板20,25に直流電圧を印加す
る直流電源50により構成されている。
【0009】濃塩水タンク43からの濃塩水はポンプP
及び逆止弁V5を備えた濃塩水導入管42を介して、電
磁給水弁V4を備えた水道水導入管40から送られてき
た水道水に混合され、これにより生成された希塩水は、
先端部が互いに同一の流入抵抗となるように2つに分か
れた希塩水導入管41を介して、電解槽10の下部に対
向して形成された1対の流入口14a,19aから電解
室R内に供給される。詳細な説明は省略するが、ポンプ
Pの作動は直流電源50から両電極板20,25への通
電電流に基づいてフィードバック制御され、これにより
希塩水導入管41を通る塩水(希食塩水)の濃度が調整
される。これら各導入管40〜42、濃塩水タンク4
3、ポンプP、電磁給水弁V4及び逆止弁V5が塩水供
給系を構成している。
【0010】電解室R内で生成された電解水は、電解槽
10の上部に対向して形成された1対の流出口14b,
19bにそれぞれ接続された導出管45,46により取
り出される。この導出管45,46は、切換弁V1によ
り、それぞれ流量調整弁V2,V3を有する注出管4
7,48に選択的に切り換え接続される。この選択的切
り換え接続は、切換弁V1の弁体Vaが図1の実線に示
す状態のときは電解槽10の右流出口14bに接続され
た第1導出管45を第1注出管47に接続すると共に左
流出口19bに接続された第2導出管46を第2注出管
48に接続し、また弁体Vaが二点鎖線に示す状態にあ
るときは第1導出管45を第2注出管48に接続すると
共に第2導出管46を第1注出管47に接続するように
行われる。この切換弁V1、導出管45,46、注出管
47,48及び流量調整弁V2,V3が電解水注出系を
構成している。
【0011】通電切換装置51は、直流電源50から各
電極板20,25に印加される電圧の極性を定期的に反
転させるものである。この極性の反転は切換弁V1の切
換と連動して行われ、この例では通電切換装置51は、
弁体Vaが実線の状態のときは右電極板20が陽極で左
電極板25が陰極となり、弁体Vaが二点鎖線の状態の
ときは左電極板25が陽極で右電極板20が陰極となる
ように極性を切り換えるようになっている。上記極性の
反転の時間的間隔は、陰極となる電極板20,25に付
着するスケールの量が電気分解の障害となる前に反転が
なされるように設定されている。
【0012】次に図2〜図7により、電解槽10並び
に、その内部に設けられる電極板20,25及びスペー
サ30の説明をする。主として図2及び図3に示すよう
に、電解槽10は、分解可能に結合された1対のケーシ
ングプレート11,16により構成されている。各ケー
シングプレート11,16は合成樹脂等の絶縁材よりな
る長方形の厚板状で、互いに対向する面の中央部には浅
くて広い長方形(図4参照)の凹所12,17が形成さ
れている。図においてにおいて右側となる右ケーシング
プレート11には、図4に示すように、凹所12より一
定の小距離をおいた外側に凹所12を取り囲む突条11
aが形成されている。また左ケーシングプレート16に
は、突条11aと対応する位置にこれを充分に収納する
断面形状の凹条16aが形成され、その内部にはゴム等
の柔軟弾性体よりなるシール部材16cが設けられてい
る。図1に示すようにこの両ケーシングプレート11,
16を接合し、周囲に形成した多数のボルト孔11b、
16bにボルト15を挿通してナット15aにより一体
的に締付け固定すれば、ケーシングプレート11,16
の内部には、凹所12,17により長方形の電解室Rが
形成され、その外周部は突条11aとシール部材16c
により液密にシールされる。各凹所12,17の底面に
より形成される電解室Rの内面Ra,Rbは、狭い一定
距離をおいて互いに対向配置されている。左右のケーシ
ングプレート11,16の形状は、突条11a及び凹条
16aを除き、互いに対称である。
【0013】各ケーシングプレート11,16の凹所1
2,17の底面には、図2〜図4に示すように、その下
縁となる一側縁の全長に沿って1対の一定幅の流入溝1
3b、18bが形成されている。各凹所12,17の底
面には各流入溝13b,18bのやや上方にこれと平行
してやや短い供給溝13a,18aが形成され、その長
手方向である水平方向において対称的に配置した1対の
上下方向に延びる連通溝13c,18cにより、各供給
溝13a,18aは各流入溝13b,18bに連通され
ている。また凹所12,17の底面には、その上縁とな
る他側縁の全長に沿って1対の一定幅の流出溝13d,
18dが、流入溝13b、18bと同様に形成されてい
る。各ケーシングプレート11,16に形成されて各凹
所12,17の下部に開口する流入口14a,19a
は、各供給溝13a,18aの中央部と連通され、また
各凹所12,17の上部に開口する流出口14b,19
bは各流出溝13d,18dの中央部と連通されてい
る。また各ケーシングプレート11,16には、各凹所
12,17の中央に開口する、内側が大径となる段付孔
12a,17aが形成されている。
【0014】各電極板20,25は長方形の薄板状で、
図2〜図4に示すように、その横幅は凹所12,17の
横幅と実質的に同じであり、上下幅は凹所12,17の
上下幅よりも小である。各電極板20,25には裏面中
央にナット21,26が溶接などにより一体的に固着さ
れ、この各ナット21,26を各ケーシングプレート1
1,16の段付孔12a,17aに挿入してOリング2
3,28を介して各電極端子22,27を各ナット2
1,26にねじ込むことにより、各電極板20,25は
各凹所12,17の底面(電解室Rの内面Ra,Rb)
に密着して固定される。このように固定された状態で
は、各電極板20,25の下縁(一側縁)は流入溝13
b,18bの上下方向中央よりやや下方に位置し、また
各電極板20,25の上縁(他側縁)は流出溝13d,
18dの下縁とほゞ一致している。各供給溝13a,1
8aと連通溝13c,18cは各電極板20,25の下
部の裏側に位置している。各電極板20,25はチタン
あるいはチタンに白金コーティングを施したものであ
り、その形状は互いに対称である。
【0015】スペーサ30は、主として図5に示すよう
に、互いに平行に延びる多数(図示の実施の形態では1
1本)細長いガイド部材31の両端をこれと直交する細
長い1対の連結部材32により連結したものである。各
部材31,32は合成樹脂等の絶縁材よりなるもので、
その断面は何れも細い長方形状である。図2〜図4に示
すように、このスペーサ30は、1対のものが各ガイド
部材31が当接するように背中合わせにされ、それぞれ
の連結部材32が各凹所12,17の上下内縁の全長に
沿ってはめ込まれるように各ケーシングプレート11,
16に取り付けられる。組立状態では、互いに重ね合わ
されて上下方向に延びる各ガイド部材31は電極板2
0,25の互いに対向する表面に当接して、電解室R内
を上下方向に延びる多数のサブ通路rに分割している。
各電極板20,25の下縁(一側縁)とその外側となる
下側の各連結部材32の間には、電解室Rの全幅におい
て各流入溝13b,18bを電解室Rの下端部に連通す
る下部スリットS1,S2が形成され、また各電極板2
0,25の上縁(他側縁)とその外側となる上側の各連
結部材32の間には、電解室Rの全幅において各流出溝
13d,18dを電解室Rの上端部に連通する上部スリ
ットS3,S4が形成される。
【0016】先ず切換弁V1の弁体Vaが図1の実線に
示す位置にあり、右電極板20が陽極で左電極板25が
陰極であり、流量調整弁V2,V3の開度を同一として
各注出管47,48からの注出量を同じとした場合につ
き述べる。希塩水導入管41から供給された塩水は均等
に2分されて右流入口14aと左流入口19aに入り、
図6に示すように、各流入口14a,19a入った塩水
は供給溝13a,18aから連通溝13c,18cを通
って流入溝13b,18b内に入り、更に互いに向かい
合った下部スリットS1,S2を通って電解室R(サブ
通路r)の下端部内に入り、それぞれ各電極板20,2
5の表面に沿った層流となって上昇する。各連通溝13
c,18cは凹所12,17の横幅方向中心に対し対称
的に配置してあるので各流入溝13b,18bには長手
方向(水平方向)に沿った流れは殆ど生ぜず、従ってサ
ブ通路r内に入る際に塩水の乱れを生じることはない。
【0017】サブ通路r内を層流となって上昇する塩水
は両電極板20,25に印加される直流電圧により電気
分解され、陽極である右電極板20に沿って上昇する塩
水は次亜塩素酸を含む酸性水となり、陰極である左電極
板25に沿って上昇する塩水は水酸化ナトリウムを含む
アルカリ性水となる。この酸性水とアルカリ性水は成分
の差により多少比重が異なるが、それらの流れの方向は
重力の作用方向と同じ上下方向で平行に流れるので、サ
ブ通路r内を上昇する間に混合することはない。このよ
うに上昇した酸性水とアルカリ性水はサブ通路rの上端
部で左右に分かれ、酸性水は上部右スリットS3、流出
溝13d、右流出口14b、第1導出管45、切換弁V
1を通って、第1注出管47から注出され、アルカリ性
水は上部左スリットS4、流出溝18d、左流出口19
b、第2導出管46、切換弁V1を通って、第2注出管
48から注出される。
【0018】この状態では各注出管47,48を通る流
量は同一であるので、酸性水及びアルカリ性水は、図7
(a) に示すように、両電極板20,25の中心面C1付
近を境として分かれて各注出管47,48から注出され
る。すなわち電気分解されたままの酸性水とアルカリ性
水が混合することがないので、第1注出管47から注出
される酸性水は強酸性となり、第2注出管48から注出
されるアルカリ性水は強アルカリ性となる。
【0019】次に、切換弁V1の位置と両電極板20,
25の極性は同じであるが、第1流量調整弁V2の開度
を第2流量調整弁V3の開度より大とし、第1注出管4
7からの注出量を第2注出管48からの注出量よりも大
とした場合につき述べる。上記場合と同様、この場合も
希塩水導入管41から供給された塩水は均等に2分され
て右流入口14aと左流入口19aに入り、供給溝13
a,18aから連通溝13c,18c、流入溝13b,
18b、下部スリットS1,S2を通って電解室R(サ
ブ通路r)の下端部内に入り、それぞれ各電極板20,
25の表面に沿った層流となって上昇して電気分解され
る。この場合は第1注出管47を通る流量は第2注出管
48を通る流量より多くなるので、陽極である右電極板
20に沿って上昇する酸性水と、陰極である左電極板2
5に沿って上昇するアルカリ性水は、図7(b) に示すよ
うに、両電極板20,25の中心面C1より左電極板2
5側に偏った面C2を境として分かれて各注出管47,
48から注出される。注出量が多くなる第1注出管47
から注出される酸性水にはアルカリ性水の一部が混入さ
れるので注出される酸性水には次亜塩素酸ナトリウムの
量が増大して、そのpH値は上昇する。
【0020】これと逆に、第1流量調整弁V2の開度を
第2流量調整弁V3の開度より小とし、第2注出管48
からの注出量を第1注出管47からの注出量よりも大と
した場合は、第2注出管48から注出されるアルカリ性
水には酸性水の一部が混入されるので注出されるアルカ
リ性水には次亜塩素酸ナトリウムの量が増大して、その
pH値は低下する。また流量調整弁V2,V3の何れか
一方だけを閉じることにより酸性水とアルカリ性水を全
て混合して何れか一方の注出管47,48より注出する
ようにすれば、次亜塩素酸ナトリウムを含む弱アルカリ
性の電解水が得られる。
【0021】またこの種の電解水生成装置では陰極側に
スケールが付着するので、同じ極性のまま長期間使用す
るとこのスケールの付着により次第に電気分解が阻害さ
れるようになる。この実施の形態では、これを防ぐため
に、上述した状態において陰極となる左電極板25に付
着するスケールの量が電気分解の障害となる前に、切換
弁V1を弁体Vaが図1の二点鎖線で示す位置に切り換
え、これと連動して左電極板25が陽極で右電極板20
が陰極となるように通電切換装置51を切り換えるよう
にしている。このように両電極板20,25に印加する
電圧の極性を反転することにより、それまで陰極であっ
てスケールが付着した左電極板25は陽極となるので、
それまでに付着したスケールは引き続き行われる電気分
解により自動的に除去される。
【0022】この反転後は、陽極である左電極板25に
沿って上昇する酸性水は上部左スリットS4、流出溝1
8d、左流出口19b、第2導出管46、切り換えられ
た切換弁V1を通り、第1注出管47から注出され、陰
極である右電極板20に沿って上昇するアルカリ性水は
上部右スリットS3、流出溝13d、右流出口14b、
第1導出管45、切換弁V1を通り、第2注出管48か
ら注出される。すなわち、弁体Vaと通電切換装置51
を切り換えても、酸性水が注出されるのは第1注出管4
7であり、アルカリ性水が注出されるのは第2注出管4
8である。また、また各注出量を変えることにより酸性
水及びアルカリ性水のpH値を調整する流量調整弁V
2,V3は注出管47,48に設けられているので、弁
体Vaと通電切換装置51を切り換えることにより、各
注出管47,48より注出される酸性水及びアルカリ性
水のpH値が変わることはない。
【0023】上述した実施の形態によれば、流量調整弁
V2,V3を調整して各注出管47,48を通る流量比
を変えれば、それに応じて電気分解された酸性水とアル
カリ性水が混合されて各注出管47,48から注出され
るので得られる酸性水の酸性度とアルカリ性水のアルカ
リ性度を低下させることができ、また各注出管47,4
8を通る流量を同一とすれば電気分解されたままの酸性
水とアルカリ性水が混合されることなく注出管47,4
8から注出されるので、強酸性の酸性水と強アルカリ性
のアルカリ性水が得られる。従ってpH値の範囲が広い
多様な殺菌水や洗浄水を得ることができる。
【0024】また各電極板20,25の表面に沿って上
昇する酸性水とアルカリ性水は成分の差により多少比重
が異なるが、それらの流れの方向は重力の作用方向と同
じ上下方向で平行に流れるので、サブ通路r内を上昇す
る間に混合することはない。これによっても各注出管4
7,48を通る流量を同一とした場合に得られる酸性水
の酸性度とアルカリ性水のアルカリ性度が大きくなるの
で、得られる電解水のpH値の差を大きい状態(例えば
2.7〜11.3)で注出することができる。
【0025】また上述した実施の形態では、陰極側に付
着するスケールの量が電気分解の障害となる前に、電極
板20,25の極性を反転させまたこれと連動して切換
弁V1を切り換えおり、これによりそれまでに陰極に付
着したスケールは自動的に除去されるので長期間にわた
り電解の効率が落ちることなく所望の電解水が得られ
る。またこの極性の反転にかかわらず第1注出管47か
らは常に酸性水が注出され、第2注出管48からはアル
カリ性水が注出され、また得られる酸性水及びアルカリ
性水のpH値が変わることはないので、電解水生成装置
の使い勝手が悪くなることはない。
【0026】なお、上述した実施の形態では原水を導入
する側となる電極板20,25の一側縁を下縁とし、電
解水を導出する側となる電極板20,25の他側縁を上
縁としている。しかしながら本発明は、電極板の下縁の
ほゞ全長に沿って内側にスリットを形成してその上側内
縁を原水を導入する側である一側縁とし、また電極板の
上縁のほゞ全長に沿って内側にスリットを形成してその
下側内縁を原水を導入する側である他側縁として実施す
ることも可能である。あるいはこのようなスリットを電
極板の左右の側縁に形成して実施することも可能であ
る。
【0027】また上述した実施の形態では、2個のスペ
ーサ30を背中合わせにして使用しているが、これを一
体化してもよい。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、塩水は電解室の厚さ方
向及び幅方向の両方向において、対称的に電解室内に流
入するので、電解室内を流入溝から流出溝に向かって流
れる塩水は偏りのない一様な層流となる。また陽極とな
る電極板の表面に沿って流れる酸性水と、陰極となる電
極板の表面に沿って流れるアルカリ性水は、各注出管か
らの注出量が同じ場合は、流出溝側となる電解室の末端
部において両電極板の間の中心面付近を境として分か
れ、電気分解されたままの酸性水とアルカリ性水が混合
することなく各注出管から注出されるので、強酸性水と
強アルカリ性水が得られる。流量調整弁を調整して各注
出管からの注出量を異ならせた場合は、酸性水とアルカ
リ性水は両電極板の間の中心面からいずれか一方の電極
板側に偏った面を境として分かれて注出されるので、量
が多い方の注出管から注出される電解水は、各注出管か
らの注出量の流量比に応じて酸性水とアルカリ性水が混
合されたものとなる。従ってpH値が大きく異なる電解
水を生成することができる。
【0029】また各導出管と注出管を選択的に切り換え
る切換弁と、これと連動して電極板に印加される電圧の
極性を反転させる通電切換装置を備えた発明によれば、
電圧の極性を反転することにより、それまでに陰極に付
着したスケールは自動的に除去されるので長期間にわた
り所望の電解水が得られ、またこの反転と同時に切換弁
も切り換えられるので各注出管から注出される電解水は
もとのままであり、従って電解水生成装置の使い勝手が
悪くなることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による電解水生成装置の一実施形態の
全体構成を示す図である。
【図2】 図1に示す実施形態の電解槽の構造を示す断
面図である。
【図3】 図2に示す電解槽を分解した状態で示す断面
図である。
【図4】 図2に示す電解槽の右ケーシングプレートと
これに組み付けられた電極板及びスペーサの一部を示す
正面図である。
【図5】 図2に示す電解槽のスペーサの正面図であ
る。
【図6】 図1の下部の部分拡大断面図である。
【図7】 図1の上部の互いに異なる2つの作動状態を
示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
10…電解槽、13a,18a…供給溝、13b,18
b…流入溝、13c…連通溝、13d,18d…流出
溝、14a,19a…流入口、14b,19b…流出
口、20,25…電極板、30…スペーサ、31…ガイ
ド部材、45…第1導出管、46…第2導出管、47…
第1注出管、48…第2注出管、51…通電切換装置、
R…電解室、Ra,Rb…内面、r…サブ通路、V1…
切換弁、V2,V3…流量調整弁。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隔膜を有しない電解室を内部に形成する
    電解槽と、前記電解室内に互いに平行に対向配設され印
    加される直流電圧により同電解室内に供給される塩水を
    電気分解する1対の電極板と、一方の前記電極板の表面
    に沿って流れる電解水を導出する第1導出管と、他方の
    前記電極板の表面に沿って流れる電解水を導出する第2
    導出管と、前記両導出管にそれぞれ連通される第1注出
    管及び第2注出管と、この両注出管の少なくとも一方に
    設けた流量調整弁よりなる電解水生成装置において、前
    記電解室は前記電解槽内に互いに平行に対向して形成さ
    れた1対の長方形の内面を有するものとすると共に、前
    記各電極板は長方形でそれぞれ前記各内面に当接される
    ものとし、更に前記各電極板に形成した一側縁に沿って
    前記各内面に形成され前記一側縁の外側を通って前記電
    解室と連通される1対の流入溝と、前記各電極板の前記
    一側縁と反対側に形成した他側縁に沿って前記各内面に
    形成され前記他側縁の外側を通って前記電解室と連通さ
    れる1対の流出溝と、前記各電極板の裏側に位置して前
    記各流入溝と平行となるように前記各内面に形成されそ
    の長手方向において対称的に配置された連通溝を介して
    それぞれ前記各流入溝に連通された1対の供給溝と、こ
    の供給溝の中央部に連通するように前記電解槽に形成さ
    れてそれぞれ前記塩水が供給される1対の流入口と、前
    記流出溝の中央部に連通するように前記電解槽に形成さ
    れてそれぞれ前記各導出管に連通される1対の流出口を
    備えたことを特徴とする電解水生成装置。
  2. 【請求項2】 前記第1導出管を前記第1注出管及び第
    2注出管に選択的に切り換え連通すると共に前記第2導
    出管を前記第1導出管が連通されていない方の前記第1
    注出管または第2注出管に連通するよう切り換える切換
    弁と、前記直流電源から前記電極板に印加される電圧の
    極性を前記切換弁の切り換えと連動して反転させる通電
    切換装置を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電
    解水生成装置。
JP25015899A 1999-09-03 1999-09-03 電解水生成装置 Pending JP2001070940A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25015899A JP2001070940A (ja) 1999-09-03 1999-09-03 電解水生成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25015899A JP2001070940A (ja) 1999-09-03 1999-09-03 電解水生成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001070940A true JP2001070940A (ja) 2001-03-21

Family

ID=17203694

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25015899A Pending JP2001070940A (ja) 1999-09-03 1999-09-03 電解水生成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001070940A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007167747A (ja) * 2005-12-21 2007-07-05 River Suton:Kk 電解槽
JP2011067758A (ja) * 2009-09-25 2011-04-07 Toto Ltd 電解槽
JP2013202539A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Toto Ltd 酸性水生成装置およびトイレ装置
JP2015192972A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 Toto株式会社 除菌水生成装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007167747A (ja) * 2005-12-21 2007-07-05 River Suton:Kk 電解槽
JP2011067758A (ja) * 2009-09-25 2011-04-07 Toto Ltd 電解槽
JP2013202539A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Toto Ltd 酸性水生成装置およびトイレ装置
JP2015192972A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 Toto株式会社 除菌水生成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5534120A (en) Membraneless water electrolyzer
RU2716075C2 (ru) Система электролиза воды в большом объеме и способ ее применения
CA2315355A1 (en) Electrochemical treatment of an aqueous solution
JP5069292B2 (ja) 電気化学的な水処理のための装置
JP2001070940A (ja) 電解水生成装置
JPH0815598B2 (ja) イオン水生成器
KR101974147B1 (ko) 전해조 및 전해조 제어방법
JP4590668B2 (ja) 水改質装置
JP4056623B2 (ja) 電解中性水生成機の電解槽
JPH06246269A (ja) 電解水の生成装置
JPH08257561A (ja) 電解水生成装置
WO2017119073A1 (ja) 電解水製造装置および電解水製造方法
JPS59189988A (ja) 連続式水電解装置における水量制御機構
JPH09192667A (ja) 電解水生成装置
JPH06312185A (ja) 電解水の生成装置
JPH05245473A (ja) 電解イオン水生成器
JPH09206755A (ja) 電解によるアルカリイオン水と次亜塩素酸殺菌水の生 成方法及び装置
JPH08309355A (ja) 無隔膜型水電解装置
JP3474430B2 (ja) 電解水生成装置
JP3120417B2 (ja) 無隔膜型電解槽
JP3128794B2 (ja) イオンリッチ水生成用の無隔膜型電解槽
JP3733476B2 (ja) 連続式電解水生成装置の洗浄方法及びこの方法を実施する機構を備えた連続式電解水生成装置
JP2000167556A (ja) 電解水生成装置
JPH07204646A (ja) 電解イオン水生成装置
JPH07290061A (ja) イオン水生成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060828

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080415

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090929

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100302