JP3128794B2 - イオンリッチ水生成用の無隔膜型電解槽 - Google Patents

イオンリッチ水生成用の無隔膜型電解槽

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JP3128794B2
JP3128794B2 JP05152742A JP15274293A JP3128794B2 JP 3128794 B2 JP3128794 B2 JP 3128794B2 JP 05152742 A JP05152742 A JP 05152742A JP 15274293 A JP15274293 A JP 15274293A JP 3128794 B2 JP3128794 B2 JP 3128794B2
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久人 原賀
秀峰 宮原
博 高松
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】
【産業上の利用分野】本発明は、広義には、電気分解に
より上水を改質し、上水の水素イオン濃度(pH)を調
整する装置に関する。より詳しくは、本発明は、上水の
電気分解により水素イオンリッチの酸性水および/又は
水酸イオンリッチのアルカリ性水を生成するようになっ
た電解槽に関する。本発明は、特に、無隔膜型の電解槽
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】水酸イオン(OH)リッチのアルカリ
性水は、従来“アルカリイオン水”とも呼ばれており、
飲用に供する場合には健康増進に効果があり、お茶・コ
ーヒー等や料理に使用する場合には味を引き立たせる効
果があると考えられている。また、水素イオン(H
リッチの酸性水は、麺類をゆでたりするのに適するもの
として知られており、特に水素イオン濃度の高い強酸性
の水は台所のまな板や布巾の滅菌・殺菌等に有用である
として注目されている。
【0003】このため、従来、種々の形式のイオンリッ
チ水生成装置(業界では、しばしば、イオン水生成装置
と呼ばれる)が市販され、或いは、提案されている。イ
オンリッチ水生成装置は水の電気分解を利用したもの
で、陽極と陰極とを備えた電解槽を有する。陽極と陰極
との間に直流電圧を印加すると、図1に模式的に示した
ように、陽極と水との界面においては、水の電離により
水中に存在するOHは陽極に電子を与えて酸化され、
酸素ガスとなって系から除去される。その結果、陽極と
水との界面ではH濃度が高まり、Hリッチの酸性水
が生成される。他方、陰極と水との界面では、Hは陰
極板から電子を受け取って水素に還元され、水素ガスと
なって除去されるので、OH濃度が高まり、陰極側に
はOHリッチのアルカリ性水が生成される。
【0004】初期のイオンリッチ水生成用電解槽はバッ
チ処理式のものであったが、今日では連続通水式の電解
槽が一般的であり、後者は陽極と陰極との間に形成され
た通水路に通水しながら水を電解してイオンリッチ水を
生成するようになっている。連続式の電解槽は、隔膜型
と無隔膜型の2種に大別することができる。
【0005】隔膜型の電解槽においては、例えば、実開
昭56-80292号、特開昭58-189090号、実公昭58-47985号に
開示されているように、陽極と陰極との間に形成され電
解室として作用する通水路は、イオン浸透性で不透水性
の隔膜によって仕切られており、電解により陽極側に生
成した酸性水と陰極側に生成したアルカリ性水とが混合
しないようになっている。このように、不透水性隔膜の
存在により酸性水とアルカリ性水との混合が防止される
ので、隔膜型の電解槽は、生成した酸性水およびアルカ
リ性水を所望の任意の流量でしかも極めて容易に取り出
すことができるという利点がある。
【0006】しかしながら、隔膜型電解槽の難点は、
(1)隔膜のところで細菌や微生物が繁殖しやすいので、
衛生的でないこと、(2)隔膜を配置するためには電極間
隔を大きくせざるを得ないので、装置の消費電力が大き
くなること、(3)隔膜によって分離された陽極側通水路
および陰極側通水路の夫々においては、生成された異な
るpH値のイオンリッチ水の層は均一に混合された上で
夫々の出口から排出されるので、隔膜の位置を可変にし
ない限り、強アルカリ性水または強酸性水だけを取り出
すことができないこと、である。
【0007】そこで、従来技術においては、陽極と陰極
との間の隔膜を廃止した所謂“無隔膜型”の電解槽が提
案されている(例えば、実公昭57-8957号、特開平4-284
889号、実開平4-110189号)。この無隔膜型の電解槽は
層流の原理を利用したもので、陽極板と陰極板とはその
間に隔膜を介在させることなく互いに近接して並置して
あり、陽極板と陰極板とに沿って層流を形成させながら
通水し、水を電解するようになっている。
【0008】斯る無隔膜型の電解槽は、隔膜がないので
衛生的であり、電極間隔を小さくできるので消費電力を
低減できる、という利点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、無隔膜
型電解槽の問題点は、分隔用の隔膜を廃止したので、通
水路に沿って流れる間に酸性水とアルカリ性水とが混合
し易く、所望濃度のイオンリッチ水を得るのが非常に困
難であるということである。
【0010】即ち、図2(図中の数値はpH値を表し、
電極間隔は異なる濃度の層を分かり易く示すため誇張し
てある)に模式的に示したように、陽極板と陰極板との
間に電圧を印加しながら通水すると、強酸性から強アル
カリ性まで水素イオン濃度が漸変する層を形成しながら
電極板に沿って水が流れるが、通水路内の水流に乱流が
発生すると、隔膜が無いので、異なる濃度の層が不可避
的に混合する結果となり、極端な場合には酸性水とアル
カリ性水とが混合して元の中性の水に戻る。特に、消費
電力の低減を目的として電極間隔を例えば1mm以下と
狭くした場合には、異なる濃度の夫々の層は非常に薄く
なるので、小さな規模の乱流でも致命的な影響を与え
る。
【0011】本発明の目的は、乱流の発生を防止し、陽
極板と陰極板との間の通水路に沿って層流を維持するこ
との可能な、無隔膜型の電解槽を提供することである。
【0012】本発明の他の目的は、電極板間の通水路に
おける乱流を防止することにより、強アルカリ性および
/又は強酸性のイオンリッチ水を回収することの可能
な、無隔膜型の電解槽を提供することである。
【0013】
【発明の構成】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者は、
無隔膜型電解槽における乱流発生のメカニズムを理論的
かつ実験的に解明することにより、乱流発生のない無隔
膜型の電解槽を実現するに至った。
【0014】本発明は、無隔膜型の電解槽において、
水流量1cm 3 /秒当たりの、通水路の軸線に垂直で電
極板に平行な方向における通水路の幅Wが、0.09c
、好ましくは0.14cm 、より大きいことを特徴
とする。
【0015】本発明の上記特徴や効果、ならびに、他の
特徴や利点は、以下の実施例の記載に従いより詳しく説
明する。
【0016】
【実施例】先ず初めに、図3から図9を参照しながら、
本発明の無隔膜型電解槽の全体構成と作動の概要を説明
する。
【0017】主として図3および図4を参照するに、無
隔膜型電解槽10は縦長のハウジング12を有する。こ
のハウジング12は、樹脂製の耐圧ケース14の凹み
に、第1陽極板16と陰極板18と第2陽極板20との
3枚の電極板を複数の樹脂製スペーサ22を挟みながら
順次配置し、カバー24をケース14に液密にねじ止め
することにより構成される。陰極板18の両側に陽極板
16と20を夫々配置したことによりこの電解槽10は
いわば二重セル構造になっており、陰極板18の両面を
有効利用することで処理能力を倍増しながらも小さなス
ペースに格納できるようになっている。
【0018】電極板相互の間隔は例えば5本のスペーサ
22によって定められるもので、この実施例ではスペー
サ22は約0.5mmの厚さを有し、従って、電極間隔
が約0.5mmになるようになっている。好ましくは、
電極板16、18、20は、チタン金属板に白金を被覆
することにより製作される。電極板16、18、20に
は端子16A、18A、20Aが夫々固定してある。こ
れらの端子16A、18A、20Aの端部はいづれもケ
ース14の正面に向かって延長するようになっており、
ケースの正面側のみにて電解槽10の直流電源(図示せ
ず)に接続できるようになっている。
【0019】図3からよく分かるように、ケース14に
は、上水入口26、アルカリ性水出口28、酸性水出口
30が形成してある。上水入口26は断面略三角形の上
水分配通路32に連通しており、この上水分配通路32
は、図5からよく分かるように、ケース14とカバー2
4によって形成されており、電極板の上下方向全長にわ
たって延長している。電解槽10の使用に際しては、上
水入口26はホース等により水道管に接続することがで
きる。或いは、電解槽10を浄水器の下流に接続し、浄
水器によって浄化された水を電解槽10の上水入口26
に導入してもよい。
【0020】図8および図9の拡大断面図からよく分か
るように、第1陽極板16と陰極板18との間には第1
通水路34が形成され、陰極板18と第2陽極板20と
の間には第2通水路36が形成される。これらの通水路
34および36は、電極板16、18、20と協動して
電解室として作用するものである。夫々の通水路34お
よび36は水平方向に延長する例えば5本のスペーサ2
2により上下4つのサブ通水路に分割される。図9から
分かるように、これらの通水路34および36の上流側
端部は上水分配通路32に連通しているので、上水入口
26から分配通路32に沿って流下した上水は夫々の通
水路34および36の4つのサブ通水路に分配され、図
8および図9に示したように水平方向に流入する。
【0021】図5および図8に示したように、電解室と
して作用する通水路34および36の下流側端部は、ケ
ース14とカバー24によって形成された断面略5角形
のアルカリ性水回収通路38に開放されている。このア
ルカリ性水回収通路38はアルカリ性水出口28に連通
しており、上水分配通路32と同様に電極板の上下方向
全長にわたって延長している。図5および図8からよく
分かるように、アルカリ性水回収通路38の容量(断面
積)は通水路34および36の流量(流路断面積)に対
して十分に大きくしてあり、乱流を発生させることなく
通水路34および36の末端からアルカリ性水回収通路
38に向かってアルカリ性水をスムースに流出させるよ
うになっている。
【0022】図5からよく分かるように、ケース14お
よびカバー24には、更に、陽極板16および20の上
下方向全長にわたって延長する溝40および42が夫々
形成してあり、陽極板と夫々協動して酸性水回収通路4
4および46を形成するようになっている。これらの酸
性水回収通路44および46の下端は連絡ポート48に
て合流し(図6〜7)、更に酸性水出口30に連通して
いる(図3)。
【0023】図4および図8からよく分かるように、図
示した実施例では、陽極板16および20には、酸性水
回収口として作用するスリット16Cおよび20Cが夫
々形成してあり、スリット16Cおよび20Cを通過し
た水が酸性水回収通路44および46に流入するように
なっている。図5および図8からよく分かるように、こ
れらの酸性水回収通路44および46の容量もスリット
16Cおよび20Cの流路断面積に対して十分に大きく
してあり、スリットから回収された酸性水が乱流を生じ
ることなく酸性水回収通路44および46内にスムース
に流入するようになっている。スリット16Cおよび2
0Cから流出した酸性水は陽極板の上下方向ほぼ全長に
わたって酸性水回収通路44および46内に回収され、
そこから更に酸性水出口30へ送られる。
【0024】この電解槽10の使用に際しては、上水入
口26への上水の供給は従来型の手動又は電動の制御弁
(図示せず)によって制御することができ、アルカリ性
水出口28および酸性水出口30には従来型の流量制御
バルブ50および52を夫々接続することができる。上
水入口26から導入された上水は、前述したように、分
配通路32により電極板16、18、20の上下方向全
長にわたって通水路34および36の入口(上流側端
部)に均一に分配され、通水路34および36内に水平
方向に流入する。
【0025】陰極板18と陽極板16および20との間
に例えば約12Vの直流電圧を印加することにより、通
水路34および36内に通水しながら電気分解を進行さ
せると、図2を参照して前述したように、陽極板と陰極
板との間の電界に垂直な方向にpHの漸変する流れが生
成する。
【0026】酸性水出口30において殺菌の用途に適し
たpH3程度の強酸性水を得たい場合には、アルカリ性
水出口28で得られるアルカリ性水の流量と酸性水出口
30で得られる酸性水の流量との比が約4:1になるよ
うに流量制御バルブ50および/又は52を制御するの
が好ましい。このような流量条件では、陽極板表面近傍
を流れる速度の遅い強酸性水の薄層は酸性水回収スリッ
ト16Cおよび20Cに到達すると、図8に矢印で示し
たようにスリット16Cおよび20Cを介して酸性水回
収通路44および46内に流入するので、酸性水出口3
0において強酸性水が得られる。
【0027】また、アルカリ性水出口28においてpH
10程度の強アルカリ性水を得たい場合には、アルカリ
性水出口28と酸性水出口30の流量比が例えば約3:
2になるように流量制御バルブ50および/又は52を
制御することができる。
【0028】次に、図10に基づいて、本発明の乱流防
止原理について説明する。先ず、流体力学の分野におい
ては、円管内の流れに関しては、レイノルズ数Reが約
2300より大きくなれば、流れが層流から乱流に遷移
することが実験的に知られている。円管内の流れについ
ては、レイノルズ数Reは次式により表される。
【0029】 Re=vD/ν (1) ここで、 v:流体の平均速度 D:円管の水力直径 ν:流体の動粘性 円管内の流れとは異なり、本発明の電解槽10の場合の
ようにスリット状の断面形状を有する通水路における乱
流の発生に関しては、従来技術においては理論的な解明
はなされていない。
【0030】そこで、図10を参照するに、本発明の電
解槽10の任意の一方の通水路(例えば、通水路34)
については、通水路34の軸線54に垂直で電極板16
および18に平行な方向における通水路の幅(図示した
実施例では、この幅は電極板の幅に等しい)をW(c
m)、電極板間隔をd(cm)、流量をQ(cm3/s
ec)とすれば、通水路34を流れる水の流速vは、流
路断面積=Wdであるから、 v=Q/Wd (2) となる。
【0031】他方、円管内の流れについては、水力直径
Dは動水半径(流路断面積を濡れ長さで割った値)の4
倍であるものとして知られている。これに従えば、本発
明の電解槽10の通水路34の水力直径Dは、 D=4Wd/2(d+W)=2dW/(d+W) (3) ところで、本発明の電解槽10においては、電極板間隔
dは0.5mmであり、これに対して電極板の幅Wは十
分に大きいと見做すことができる。従って、近似的に次
式が成立する。
【0032】 d+W≒W (4) 式(4)を式(3)に代入すると、 D=2dW/W=2d (5) 式(1)に式(2)および式(5)を代入すれば、本発
明の電解槽10の通水路34におけるレイノルズ数を求
めることができる。
【0033】 Re=vD/ν =(Q/Wd)・2d/ν =2Q/νW (6) 前述したように、円管の場合に層流が保証される臨界レ
イノルズ数は2300であるから、本発明の電解槽10
の通水路34において層流を保証するためには、式
(6)によるレイノルズ数は2300以下でなければな
らない。
【0034】 Re=2Q/νW<2300 (7) 水の動粘性ν=0.01cm2/secを式(7)に代入し
て式を展開すると、 W>2Q/2300ν=0.087Q (8) 但し、Q:流量(cm3/sec) W:幅(cm) 式(8)から、本発明の電解槽10の通水路34又は3
6内の流れを層流にし、従って、乱流発生を防止するた
めには、理論的には、通水路の幅Wを流量Qの0.08
7倍より大きくすればよいことが導かれる。実際には、
通水路の幅Wは流量Qの0.14倍より大きくするのが
好ましい。図3から図9に示した実施例では、電解槽1
0に約5リッター/分の流量で通水を行うことを想定
し、通水路34および36の上下方向幅W(従って、電
極板16、18、20の長辺の長さ)は12cmにして
ある。この実施例では、通水路の幅Wは流量の約0.3
倍になっている。
【0035】実験例 通水路の幅Wが5cmの電解槽を試作し、流量を変えな
がらアルカリ性水出口のpHを測定した。その結果を図
11のグラフに示す。このグラフから、流量が3リッタ
ー/分を超えて4リッター/分に近づくと、アルカリ性
水出口のpH値が急激に低下して中性に近づき、この電
解槽のアルカリ性水生成性能が悪化することが分かる。
式(8)から、W=5cmの場合に層流を維持できる臨
界流量Qを求めると、約3.5リッター/分である。こ
の数値は図11のグラフに示した結果に一致している。
従って、流量が3リッター/分を超えると性能が悪化し
たのは、通水路内の流れが層流から乱流に遷移したため
と考えられる。
【0036】次に、通水流量を一定(3リッター/分お
よび5リッター/分)にして、通水路の幅Wを変えなが
ら酸性水出口およびアルカリ性水出口のpHを測定し
た。通水路幅Wの変更は通水路にシリコーン樹脂製の邪
魔板を嵌め込み、その邪魔板の幅を変えることにより行
った。この実験は電極板間に3Aの直流電流を印加しな
がら行ったもので、通水路幅Wの減少に伴い電解有効面
積が減少し、電圧が低下した。その結果を図12のグラ
フに示す。図12のグラフにおいて、横軸は通水路の幅
Wを通水流量(3リッター/分および5リッター/分)
で割った値を示し、縦軸は酸性水およびアルカリ性水の
pHを示す。図12のグラフから、通水流量に関係な
く、通水路の幅Wが流量Qの0.09倍を下回ると性能
が悪化し、0.14倍を超えると強酸性水および強アル
カリ性水が得られることが判る。
【0037】本発明者は、更に、印加電流および電極間
距離を変えながら試験した。図13のグラフは、流量5
リッター/分の条件下で印加電流を変えながら行った試
験の結果を示す。電流は電気分解の程度と関係があり、
電流値が高い程強度の酸性水およびアルカリ性水が得ら
れることが判る。しかし、通水路の幅Wが流量Qの0.
09倍を下回ると性能が悪化し、0.14倍を超えると
性能が安定することは、図12のグラフと同様である。
【0038】図14のグラフは、電極間距離を変えて行
った試験の結果を示す。電流は3Aであり、流量は5リ
ッター/分に固定した。電解槽の他の条件は同一にした
ので、電極間距離を大きくした場合には高い電圧を要
し、pH改質が不十分になる傾向にある。しかし、電圧
は別とすれば、通水路の幅Wが流量Qの0.09倍を下
回ると性能が悪化し、0.14倍を超えると性能が安定
することが確認された。
【0039】以上には本発明の特定の実施例について記
載したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本
発明の範囲内で種々の設計変更を加えることができる。
例えば、電極板の極性を逆にし、出口30からアルカリ
性水を取り出し、出口28から酸性水を取り出すことが
できることは言うまでもない。また、図示した実施例で
は電解槽の流量を大きくするため2枚の陽極板を配置し
てあるが、陽極板は1枚にしてもよい。また、電極板1
6と20にはイオンリッチ水回収口として作用するスリ
ット16Cおよび20Cが設けてあるが、イオンリッチ
水回収口はこれらの電極板の下流側エッジに配置しても
よい。
【0040】
【発明の効果】以上から判るように、本発明によれば、
通水路34および/又は36の入口32からアルカリ性
水回収口38および酸性水回収口44、46に至るま
で、図2に示したように通水路に沿って層流を維持させ
ながら水の電気分解を進行させることができる。従っ
て、衛生的で消費電力が小さいという無隔膜型の電解槽
の利点を享受しながらも、従来の無隔膜型電解槽では得
られなかったような強酸性および強アルカリ性のイオン
リッチ水を得ることができる。
【0041】本発明によって得られる強酸性のイオンリ
ッチ水は、特に、台所のまな板や布巾の滅菌・殺菌等の
用途に効果的に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、水の電解によるイオンリッチ水生成原
理を示す模式図である。
【図2】図2は、無隔膜型電解槽の電解室における水素
イオン濃度分布を示す模式図である。
【図3】図3は、本発明の電解槽の一部切欠き正面図で
ある。
【図4】図4は、図3に示した電解槽の分解斜視図であ
る。
【図5】図5は、図3のV−V線に沿った断面図であっ
て、図面簡素化のため電極板とスペーサは省略してあ
る。
【図6】図6は、図3のVI−VI線に沿った断面図であ
る。
【図7】図7は、図3のVII−VII線に沿った断面図であ
る。
【図8】図8は、図5の円A内部分の拡大断面図であ
る。
【図9】図9は、図5の円B内部分の拡大断面図であ
る。
【図10】図10は、図3から図9に示した電解槽の電
極板の模式的斜視図である。
【図11】図11は、本発明の実験例の結果を示すグラ
フで、横軸は流量を表し、縦軸はpHを表す。
【図12】図12は、本発明の他の実験例の結果を示す
グラフで、横軸は通水流量に対する通水路幅Wに比を表
す。
【図13】図13は、本発明の他の実験例の結果を示す
グラフである。
【図14】図14は、本発明の他の実験例の結果を示す
グラフである。
【符号の説明】
10: 電解槽 16、20: 陽極板 18: 陰極板 34、36: 通水路(電解室) 54: 通水路の軸線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 茂 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番 1号 東陶機器株式会社内 (56)参考文献 特公 平8−15598(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/46

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対をなす陽極板と陰極板とを隔膜を介在
    させることなく互いに近接して平行に対向配置すること
    により前記陽極板と陰極板との間に電解室として作用す
    る通水路を形成し、前記通水路に通水しながら水を電気
    分解することによりイオンリッチ水を生成するようにな
    った無隔膜型電解槽において:通水流量1cm 3 /秒当たりの、 前記通水路の軸線に垂
    直で前記電極板に平行な方向における前記通水路の幅
    が、0.09cmより大きいことを特徴とする無隔膜型
    電解槽。
  2. 【請求項2】 通水流量1cm 3 /秒当たりの前記通水
    路の幅が、0.14cmより大きいことを特徴とする請
    求項1に基づく無隔膜型電解槽。
JP05152742A 1993-05-31 1993-05-31 イオンリッチ水生成用の無隔膜型電解槽 Expired - Lifetime JP3128794B2 (ja)

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