JPH0810769A - イオンリッチ水生成用無隔膜型電解槽 - Google Patents

イオンリッチ水生成用無隔膜型電解槽

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JPH0810769A
JPH0810769A JP17207094A JP17207094A JPH0810769A JP H0810769 A JPH0810769 A JP H0810769A JP 17207094 A JP17207094 A JP 17207094A JP 17207094 A JP17207094 A JP 17207094A JP H0810769 A JPH0810769 A JP H0810769A
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water
electrolytic cell
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anode
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JP17207094A
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Kazuyuki Watanabe
一幸 渡邊
Hiroshi Takamatsu
博 高松
Shuho Miyahara
秀峰 宮原
Shigeru Ando
茂 安藤
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】陽極板(16;20)と陰極板(18)とを電気絶縁
性のスペーサ(22)を挟んで対向配置してなる無隔膜型
電解槽(10)において、炭酸カルシウムなどのスケール
がスペーサ(22)に堆積するのを防止することを目的と
する。 【構成】吸水率が0.3%以下、好ましくは0.2%以
下、より好ましくは0.01%以下のプラスチックでス
ペーサ(22)を形成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】
【産業上の利用分野】本発明は、水の電気分解によりア
ルカリ性水や酸性水のようなイオンリッチ水を電気化学
的に生成するための電解槽に関する。より詳しくは、本
発明は、炭酸カルシウムなどのスケールが電解槽の通水
路に析出するのを効果的に防止することの可能な無隔膜
型電解槽に関する。
【0002】
【従来の技術】水酸イオン(OH)リッチのアルカリ
性水は、従来“アルカリイオン水”とも呼ばれており、
飲料に供する場合には健康増進に効果があり、お茶・コ
ーヒー等や料理に使用する場合には味を引き立たせる効
果があると考えられている。また、水素イオン(H
リッチの酸性水は、麺類をゆでたり洗顔したりするのに
適するものとして知られており、水素イオン濃度の高い
酸性水は台所のまな板や布巾などの滅菌・殺菌に有用で
ある。
【0003】このようなアルカリ性水や酸性水を得るた
め、従来、イオンリッチ水生成装置(業界では、しばし
ば、イオン水生成装置と呼ばれている)が使用されてい
る。この装置は水の電気分解を利用したもので、陽極と
陰極を備えた電解槽を有する。電極間に直流電圧を印加
すると、陽極と水との界面においては、水の電離により
水中に存在するOHは陽極に電子を与えて酸化され、
酸素ガスとなって系から除去される。その結果、陽極と
水との界面ではH濃度が高まり、Hリッチの酸性水
が生成される。他方、陰極と水との界面では、Hは陰
極から電子を受け取って水素に還元され、水素ガスとな
って除去されるので、OH濃度が高まり、陰極側には
OHリッチのアルカリ性水が生成される。
【0004】従来技術の一般的な電解槽においては、電
解により生成したアルカリ性水と酸性水とが互いに混合
するのを防止し、それらを別々に取り出すため、図1に
模式的に示したように陽極板1と陰極板2との間には非
透水性で電気伝導性かつイオン浸透性の隔膜3が配置し
てあり、電解室はこの隔膜によってアルカリ性水流路4
と酸性水流路5に区画されている(この形式の電解槽
を、以下、“隔膜型”電解槽と言う)。
【0005】電解槽の使用に伴い、アルカリ性水流路に
は炭酸カルシウムや水酸化カルシウムや水酸化マグネシ
ウムなどの析出物(スケール)6が付着する。図2を参
照しながら炭酸カルシウムの場合を例に取ってスケール
析出の仕組みを説明するに、図2は炭酸カルシウムの見
かけの溶解度とpHとの関係を示す。酸性条件下では炭
酸カルシウムはカルシウムイオンの形で水に溶解してい
るが、pH8を超えると溶解度は急激に低下し、アルカ
リ性水流路内に炭酸カルシウムの沈澱を生じさせる。カ
ルシウムイオンは電極間の電界の作用により陰極板側に
移動し、アルカリ性水流路内ではカルシウムイオン濃度
が増加するので、炭酸カルシウムの沈澱を助勢する。
【0006】隔膜型の電解槽においては、図1に示した
ように、スケールは陰極板2よりも隔膜3に優先的に堆
積する傾向にある。これは、一般に陰極板が研磨された
表面を有するのに対して、隔膜が多孔質であり、沈澱を
生じさせ易いことによるものと考えられる。炭酸カルシ
ウムなどの析出物は絶縁性を有するので、電気抵抗を増
加させて電解槽の電解効率を悪化させると共に、通水抵
抗を増加させる。従って、スケールを除去しない限り、
電解槽は極めて短時間で使用不可能になる。
【0007】そこで、従来技術においては、極性反転ス
イッチ7(図1)を操作して通常の使用時の極性とは逆
極性の電圧を電極板に印加することにより、析出物を溶
解させて除去することが提案されている(例えば、特開
昭51-77584号、実開昭55-91996号、実開昭59-189871
号、特開平1-203097号)。この技術は、業界では俗に
“逆電洗浄”とも言われている。逆電洗浄の原理は、逆
極性の電圧の印加により元のアルカリ性水流路を酸性に
すると、図2から理解されるように炭酸カルシウムなど
のスケールはイオンとなって再び水に溶解するというも
のである。
【0008】しかし、図1からよく分かるように隔膜3
は電極板から大なり小なり離れており、元の陰極板(逆
極性電圧の印加時には陽極となる)2の表面に沿って生
成された強酸性水は水流に乗って流れ、従って、流水中
では隔膜のところまで達することができないので、隔膜
を充分に酸性にすることができず、隔膜に堆積したスケ
ールを迅速に溶解させることができない。また、電解槽
への止水時に逆極性電圧を印加した場合には、元の陰極
板(逆極性電圧印加時の陽極板)2の表面に生成した水
素イオンは隔膜3を透過して拡散し、生成した酸性水と
アルカリ性水は中和されるので、隔膜のところを強酸性
にすることはやはりできない。本発明者が試験したとこ
ろ、逆極性電圧を印加しても、元のアルカリ性水流路4
内のpHは3よりも小さくなることはなく、約2日間に
わたり逆極性電圧の印加を継続したがスケールの除去は
認められなかった。
【0009】このように、“隔膜型”の電解槽において
は、いわゆる逆電洗浄を行ったとしても、スケールを電
気化学的に除去することは困難である。従って、定期的
に電解槽を分解し、人手によりスケールを除去しない限
り、電解槽の寿命は半年から1年しかもたないのが実情
である。また、隔膜にはバクテリアが繁殖しやすいの
で、衛生的でない。更に、隔膜を設けるためには電極板
間隙を大きくしなければならないので、電解槽の消費電
力が大きいという難点がある。
【0010】隔膜型電解槽の斯る難点を解消するため、
特開平4-284889号には、電解槽を隔膜の無い構造にする
ことが提案されている。この形式の電解槽を、本明細書
では“無隔膜型”電解槽と言う。この電解槽において
は、電極板は狭い間隙で配置されており、水が層流を形
成しながら電極板間の通水路を流れるようになってい
る。従って、隔膜を設けなくても、電解により生成した
アルカリ性水と酸性水とを分離することができる。
【0011】この無隔膜型電解槽においては、隔膜が無
いので、スケールが隔膜に付着することがない。従っ
て、構造上、スケールが付着しにくいという利点があ
る。また、バクテリアの繁殖を招く隔膜がないので、極
めて衛生的である。更に、電極板間隙を小さくすること
ができるので、電解槽の消費電力を低減することができ
る。この“無隔膜型”電解槽においても、“隔膜型”電
解槽と同様に、スケール除去(いわゆる、逆電洗浄)の
ために逆極性の電圧が印加されるようになっている。従
って、陰極板の表面に析出したスケールはほぼ除去する
ことができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】特開平4-284889号に開
示された無隔膜型の電解槽構造においては、消費電力を
低減すると共に、陰極板と陽極板との間の通水路を流れ
る水が層流を形成するようにするためには、陰極板と陽
極板はできるだけ狭い間隙で配置するのが好ましい。電
極板に多少の歪みが生じても電極板間隙を一定に保持
し、もって、電解槽毎に電解性能がバラツクのを防止す
るためには、陽極板と陰極板との間に決まった厚さの電
気絶縁性のスペーサを挟むのが好ましい。
【0013】しかしながら、このように電極板間にスペ
ーサを配置すると、図面に基づいて後述するように、ス
ペーサの側面にスケールが析出し、通水路を次第に閉塞
する。これは、スペーサと水との界面においては水の流
速が遅いので、スケールの沈澱を生じさせ易いからであ
ると考えられる。スペーサ側面に析出したスケールは、
逆極性電圧の印加(いわゆる逆電洗浄)によって除去す
るのは困難である。スケールが一旦析出すると、析出し
たスケールによって乱流が発生すると共に、流れの流速
は更に遅くなり、スケールの堆積が促進される。
【0014】本発明の目的は、特開平4-284889号に開示
された無隔膜型電解槽を改良し、スペーサに起因するス
ケールの堆積を効果的に防止することの可能な無隔膜型
電解槽を提供することにある。
【0015】
【発明の構成】
【課題を解決するための手段および作用の概要】本発明
者は、スペーサの表面へのスケール析出の起こり易さ
は、スペーサを形成する素材の吸水率に関連があること
を見出した。吸水率は、物体が水を吸収する性質を定量
的に表すもので、物体を一定温度において一定時間蒸留
水に浸漬したときの重量増加分と原重量との比を百分率
で示すものと定義される。本発明は、スペーサ形成材料
の吸水率が小さい程スケールが析出しにくいという知見
に基づくもので、陽極板と陰極板とを電気絶縁性スペー
サを挟んで対向配置してなる無隔膜型電解槽において、
スペーサを0.3%以下、好ましくは0.2%以下、より
好ましくは0.01%以下の吸水率を有する電気絶縁性
材料で形成したことを特徴とするものである。スペーサ
は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン又はポリプロ
ピレンのような材料で形成することができる。
【0016】スペーサを形成する材料の吸水率がスケー
ルの析出しやすさに影響する理由は必ずしも明らかでは
ないが、吸水率の大きな材料でスペーサを形成した場合
には、スペーサの表面に開気孔が多く存在し、水流はこ
れらの開気孔内に閉じ込められて速度を失うので、沈澱
物の種が成長しやすいからであると考えられる。吸水率
が上記値以下の材料でスペーサを形成すれば、炭酸カル
シウムなどの凝集沈澱物がスペーサに析出するのを長期
間にわたり防止することができ、電解槽の寿命を著しく
延長させることができる。
【0017】
【実施例】図3から図9には、本発明の電解槽の実施例
を示す。主として図3および図4を参照するに、無隔膜
型電解槽10は縦長のハウジング12を有する。このハ
ウジング12は、樹脂製の耐圧ケース14の凹みに、第
1陽極板16と陰極板18と第2陽極板20との3枚の
電極板を複数の樹脂製スペーサ22を挟みながら順次配
置し、カバー24をケース14に液密にねじ止めするこ
とにより構成される。陰極板18の両側に陽極板16と
20を夫々配置したことによりこの電解槽10はいわば
二重セル構造になっており、陰極板18の両面を有効利
用することで処理能力を倍増しながらも小さなスペース
に格納できるようになっている。
【0018】電極板相互の間隔は例えば5本のスペーサ
22によって定められるもので、この実施例ではスペー
サ22は約0.5mmの厚さを有し、従って、電極間隔
が約0.5mmになるようになっている。スペーサ22
は、ポリテトラフルオロエチレンやポリプロピレンのよ
うな吸水率の小さなプラスチックで形成することができ
る。
【0019】電極板16、18、20は、チタン金属板
に白金を被覆することにより製作するのが好ましい。電
極板16、18、20には端子16A、18A、20A
が夫々固定してあり、直流電源(図示せず)に接続でき
るようになっている。
【0020】図4からよく分かるように、ケース14に
は、上水入口26、アルカリ性水出口28、酸性水出口
30が形成してある。上水入口26は断面略三角形の上
水分配通路32に連通している。この上水分配通路32
は、図5からよく分かるように、ケース14とカバー2
4によって形成されており、電極板の上下方向全長にわ
たって延長している。電解槽10の使用に際しては、上
水入口26はホース等により水道管に接続することがで
きる。或いは、電解槽10を浄水器の下流に接続し、浄
水器によって浄化された水を電解槽10の上水入口26
に導入してもよい。
【0021】図8および図9の拡大断面図からよく分か
るように、第1陽極板16と陰極板18との間には第1
通水路34が形成され、陰極板18と第2陽極板20と
の間には第2通水路36が形成される。これらの通水路
34および36は、電極板16、18、20と協動して
電解室として作用するものである。夫々の通水路34お
よび36は水平方向に延長する例えば5本のスペーサ2
2により上下4つのサブ通水路に分割される。
【0022】図9から分かるように、これらの通水路3
4および36は、その流路断面積よりも大きな流路断面
積を有する上水分配通路32に連通させてある。従っ
て、上水入口26から分配通路32に沿って流下した上
水は夫々の通水路34および36の4つのサブ通水路に
分配され、図9に矢印で示したように水平方向に流入す
る。図9に示したように、分配通路32の側壁は通水路
の入口に向かって傾斜させてあり、分配通路32から通
水路に水が滑らかに流入するようになっている。従っ
て、通水路入口34および36に流入した水は、速やか
に層流となる。
【0023】図5および図8に示したように、電解室と
して作用する通水路34および36の下流側端部は、ケ
ース14とカバー24によって形成された断面略5角形
のアルカリ性水回収通路38に開放されている。このア
ルカリ性水回収通路38はアルカリ性水出口28に連通
しており、上水分配通路32と同様に電極板の上下方向
全長にわたって延長している。図5および図8からよく
分かるように、アルカリ性水回収通路38の流路断面積
も通水路34および36の流路断面積に対して十分に大
きくしてあり、乱流を発生させることなく通水路34お
よび36の末端からアルカリ性水回収通路38に向かっ
てアルカリ性水をスムースに流出させるようになってい
る。
【0024】図5からよく分かるように、ケース14お
よびカバー24には、更に、陽極板16および20の上
下方向全長にわたって延長する溝40および42が夫々
形成してあり、陽極板と夫々協動して酸性水回収通路4
4および46を形成するようになっている。これらの酸
性水回収通路44および46の下端は連絡ポート48に
て合流し(図6〜図7)、更に酸性水出口30(図4)
に連通している。
【0025】図3および図8からよく分かるように、図
示した実施例では、陽極板16および20には、酸性水
回収口として作用するスリット16Cおよび20Cが夫
々形成してあり、スリット16Cおよび20Cを通過し
た水が酸性水回収通路44および46に流入するように
なっている。これらの酸性水回収通路44および46の
容量もスリット16Cおよび20Cの流路断面積に対し
て十分に大きくしてあり、スリットから回収された酸性
水が乱流を生じることなく酸性水回収通路44および4
6内にスムースに流入するようになっている。スリット
16Cおよび20Cから流出した酸性水は陽極板の上下
方向ほぼ全長にわたって酸性水回収通路44および46
内に回収され、そこから更に酸性水出口30へ送られ
る。
【0026】この電解槽10を用いてアルカリ性又は酸
性のイオンリッチ水を生成するに際しては、電解槽の上
水入口26はホース等により水道の蛇口に接続すること
ができ、アルカリ性水出口28および酸性水出口30に
は従来型の流量制御バルブ50および52を夫々接続す
ることができる。上水入口26から導入された上水は、
前述したように、分配通路32により電極板16、1
8、20の上下方向全長にわたって通水路34および3
6の入口(上流側端部)に均一に分配され、通水路34
および36内に水平方向に流入する。
【0027】陰極板18と陽極板16および20との間
に例えば約12Vの直流電圧を印加することにより、通
水路34および36内に通水しながら電気分解を進行さ
せると、陰極板18の表面に沿ってアルカリ性水が生成
され、陽極板16および20の表面に沿って酸性水が生
成される。アルカリ性水は電解槽の出口28に回収さ
れ、酸性水は出口30に回収される。
【0028】イオンリッチ水の生成に伴い、陰極板18
の両面には炭酸カルシウムなどの凝集沈澱物が析出す
る。しかし、陰極板18の表面に析出した凝集沈澱物
は、適当な時期に反転スイッチを切換えることにより、
比較的速やかに除去することができる。陰極板18にプ
ラス電圧を印加し、陽極板16および20にマイナス電
圧を印加すれば、陰極板18の表面には強酸性水の層が
生成され、この強酸性水の層は陰極板18表面に析出し
た沈澱物を溶解させる。
【0029】図11に示したように、スペーサ22と水
との界面においては水の流速はゼロに近づく。従って、
スペーサ22を吸水率の大きな材料で形成した場合に
は、図10に示したように、スペーサ22の側面22A
に沿って炭酸カルシウムなどの沈澱物60が析出しやす
い。しかし、本発明に従い、吸水率の小さな材料でスペ
ーサ22を形成した場合には、スペーサ22の側面22
Aに沿って沈澱物が析出するのを防止することができ
る。
【0030】実験例 図3および図4に示した構造の電解槽を試作し、異なる
材料で形成されたスペーサを用いて耐久試験を行った。
スペーサは次のような5種のプラスチック材料で形成し
た。
【0031】スペーサ材料 吸水率(%) ABS樹脂 0.4 ポリサルフォン 0.22 ポリカーボネート 0.15 ポリプロピレン <0.01 ポリテトラフルオロエチレン ≒0.00 約4分通水毎に約15秒間の間逆極性の電圧を印加しな
がら、茅ヶ崎市の上水を電解した。積算稼働時間が約2
00時間(家庭における電解槽の通常の使用条件で、約
7年に相当する)に達した時に電解槽を分解し、陰極板
18の表面における析出物の析出状態を検査した。夫々
のスペーサを用いた場合の陰極板18の表面における沈
澱物の析出状態を図12および図13の写真に示す。
【0032】図12(A)は吸水率の高いABS(アク
リロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂で形成した
スペーサを用いた場合を示すもので、約200時間運転
後にはスケールは許容できない程度に析出している。図
12(B)および図12(C)は、夫々、 吸水率がよ
り小さなポリサルフォンとポリカーボネートで形成した
スペーサを用いた場合を示すもので、スケールの析出は
認められるが、成長の程度はABS樹脂の場合に比べて
著しく少ない。図13(A)および図13(B)は、夫
々、ポリプロピレンおよびポリテトラフルオロエチレン
で形成したスペーサを用いた場合を示すもので、約20
0時間の耐久試験後でもスケールの析出は全く認められ
ない。
【0033】以上には本発明の特定の実施例を記載した
が、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
電解槽は中央電極板18と2枚の側方電極板16および
20を備えた二重セル構造を有するものと説明したが、
側方電極板の一方は廃止してもよいし、電極板の数をさ
らに増してもよい。また、スペーサ22を電気絶縁性で
耐熱性の任意の材料で形成し、その表面を吸水率の小さ
な材料で被覆してもよい。さらに、中央電極板18が陰
極板となり、側方電極板16および20が陽極板となる
ものと記載したが、電解槽の出口28において酸性水を
得、出口30にアルカリ性水を得るためには、中央電極
板18が陽極板となり、側方電極板16および20が陰
極板となるように電圧を印加してもよい。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、電解槽のスペーサ22
にスケールが堆積するのを効果的に防止することがで
き、電解槽の寿命を著しく延長させることができる。
【0035】通常の使用条件では、7年以上の期間にわ
たってスケールの堆積を防止することができるので、電
解槽のメンテナンスは実質的に不要になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来技術の“隔膜型”電解槽の模式図
である。
【図2】炭酸カルシウムの見かけの溶解度とpHとの関
係を示すグラフである。
【図3】図3は、本発明の電解槽の分解斜視図である。
【図4】図4は、図3のIV−IV線に沿った断面図で、電
解槽の組立状態を示す。
【図5】図5は、図4のV−V線に沿った断面図で、図面
簡素化のため電極板とスペーサは省略してある。
【図6】図6は、図4のVI−VI線に沿った断面図であ
る。
【図7】図7は、図4のVII−VII線に沿った断面図であ
る。
【図8】図8は、図5の円A内部分の拡大図である。
【図9】図9は、図5の円B内部分の拡大図である。
【図10】図10は、図3のX−X線に沿った断面図で、
電解槽の組立状態を示す。
【図11】図11は、図10のXI−XI線に沿った模式的
断面図である。
【図12】図12は、スペーサを異なる材料で形成した
場合の電解槽の陰極板への沈澱物の析出状態を図3の矢
印XIIに沿って視たところを示す写真で、図12(A)
はABS樹脂で、図12(B)はポリサルフォンで、図
12(C)はポリカーボネートでスペーサを夫々形成し
た場合を示す。
【図13】図13は、図12と同様の写真で、図13
(A)はポリプロピレンで、図13(B)はポリテトラ
フルオロエチレンでスペーサを形成した場合の陰極板へ
の沈澱物の析出状態を示す。
【符号の説明】
10: 無隔膜型電解槽 16、18、20: 電極板 22: スペーサ 34、36: 通水路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮原 秀峰 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 安藤 茂 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対をなす陽極板と陰極板とを電気絶縁性
    スペーサを挟んで対向配置することにより前記陽極板と
    陰極板との間に電解室として作用する通水路を形成し、
    前記通水路に通水しながら水を電気分解することにより
    イオンリッチ水を生成するようになった無隔膜型電解槽
    において:前記スペーサを約0.3%以下の吸水率を有
    する電気絶縁性材料で形成したことを特徴とする無隔膜
    型電解槽。
  2. 【請求項2】 前記スペーサを約0.2%以下の吸水率
    を有する材料で形成したことを特徴とする請求項1に基
    づく無隔膜型電解槽。
  3. 【請求項3】 前記スペーサを約0.01%以下の吸水
    率を有する材料で形成したことを特徴とする請求項2に
    基づく無隔膜型電解槽。
  4. 【請求項4】 前記スペーサをポリカーボネートで形成
    したことを特徴とする請求項1又は2に基づく無隔膜型
    電解槽。
  5. 【請求項5】 前記スペーサをポリテトラフルオロエチ
    レンで形成したことを特徴とする請求項1から3のいづ
    れかに基づく無隔膜型電解槽。
  6. 【請求項6】 前記スペーサをポリプロピレンで形成し
    たことを特徴とする請求項1から3のいづれかに基づく
    無隔膜型電解槽。
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