JP2001068161A - 積層形ポリマー電解質電池 - Google Patents

積層形ポリマー電解質電池

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JP2001068161A
JP2001068161A JP23641999A JP23641999A JP2001068161A JP 2001068161 A JP2001068161 A JP 2001068161A JP 23641999 A JP23641999 A JP 23641999A JP 23641999 A JP23641999 A JP 23641999A JP 2001068161 A JP2001068161 A JP 2001068161A
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polymer electrolyte
positive electrode
electrode
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Osamu Ishida
修 石田
Osamu Watanabe
修 渡辺
Hiroshi Yamamoto
宏 山本
Tetsuo Kawai
徹夫 川合
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 釘刺しや圧壊によって短絡した場合でも、発
煙・発火を防ぎ、安全性の高い積層形ポリマー電解質電
池を提供する。 【解決手段】 正極集電体の少なくとも一方の面に正極
合剤層を形成してなる正極と、負極集電体の少なくとも
一方の面に負極合剤層を形成してなる負極とを、それぞ
れの間にポリマー電解質層を介在させて積層した積層電
極群を、金属箔を含む外装体で外装する積層形ポリマー
電解質電池において、上記積層電極群の少なくとも一方
の外側に金属板を配置し、この金属板と負極とを接続
し、かつ正極と外装体中の金属箔とを接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層形ポリマー電
解質電池に関し、さらに詳しくは、特に携帯用電子機
器、電気自動車、ロードレベリングなどの電源として使
用するのに適した積層形ポリマー電解質電池に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリマー電解質電池では、電極および電
解質をシート状にすることができ、それによって、A4
版、B5版などの大面積でしかも薄形の電池の作製が可
能になり、各種薄形製品への適用が可能になるため、電
池に使用範囲が大きく広がっている。このポリマー電解
質を用いた電池は、耐漏液性を含めた安全性、貯蔵性が
優れており、しかも薄く、フレキシブルであることか
ら、機器の形状に合わせた電池を設計できるという、今
までの電池にない特徴を持っている。
【0003】このポリマー電解質電池は、通常、アルミ
ニウム箔を芯材にし、内面側に接着層となる熱融着性樹
脂フィルムを配置したラミネートフィルムを外装体に用
い、得ようとする電気容量に応じて、シート状の電極と
シート状のポリマー電解質層とを積層した積層電極群を
外装体で外装することによって、薄いシート形電池に仕
上げられる。
【0004】この積層形ポリマー電解質電池では、電極
の積層枚数が少なく、電気容量や電気容量密度が低い場
合、すなわち、内在するエネルギーが低い場合には、上
記の優れた安全性が確保される。しかしながら、電極の
積層枚数が多くなって、電気容量や電気容量密度が高く
なると、安全性が充分でなくなり、釘刺しや圧壊などで
電極同士が短絡した場合、大電流が流れ、発熱し、発
煙、発火、破裂などの事故に至る場合のあることが判明
した。
【0005】上記のような問題は、短絡時に流れる大電
流を積層電極群の外に流し、同時に、熱の放散を速やか
にし、蓄熱を少なくすることによって解決することがで
きる。ところが、従来の積層形ポリマー電解質電池の積
層電極群は、熱伝導の悪いポリマー電解質層を介して正
極と負極が対向し、それらを複数枚重ね、かつ、熱伝導
の悪い熱融着性樹脂フィルムを内面側に配置した外装体
で外装しているため、短絡などの発熱による電池内部で
の蓄熱が大きく、内部温度の上昇が大きくなって、発
煙、発火、破裂などの事故に至るものと考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術の問題点を解決し、電池構造に工夫を凝らす
ことにより、高容量化した場合でも安全性を高め、高容
量で、かつ安全性の高い積層形ポリマー電解質電池を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、正極集電体の
少なくとも一方の面に正極合剤層を形成してなる正極
と、負極集電体の少なくとも一方の面に負極合剤層を形
成してなる負極とを、それぞれの間にポリマー電解質層
を介在させて積層した積層電極群を金属箔を含む外装体
で外装する積層形ポリマー電解質電池であって、上記積
層電極群の少なくとも一方の外側に金属板を配置し、こ
の金属板と負極とを接続し、かつ、正極と外装体中の金
属箔とを接続することによって、上記課題を解決したも
のである。
【0008】すなわち、上記積層電極群の外側に配置し
た金属板と負極との接続および正極と外装体中の金属箔
との接続により、釘刺しや圧壊などによる積層電極群内
部での短絡より先に外部短絡させて、電池電圧を低下さ
せ、化学反応による発熱を低減させることができる。し
かも、上記金属板や金属箔が積層電極群の外側に設けら
れているので、それらの金属板や金属箔により放熱をス
ムーズに行わせることができる。したがって、上記のよ
うな金属板と負極との接続や正極と外装体中の金属箔と
の接続により、高容量化した場合でも、安全性を高める
ことができ、安全性の高い積層ポリマー電解質電池を提
供することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、正極電極群の少
なくとも一方の外側に配置し、負極と接続する金属板と
しては、特に材質を問わないが、負極と接続することや
ポリマー電解質からの電解液の漏出があった場合を想定
すると、負極集電体と同じ材質の銅板や、リード体や端
子として用いられるニッケル板が好ましい。そして、こ
の金属板の厚みとしては30μm以上が好ましく、厚み
が30μmより薄い場合は、例えば、釘刺しによって生
じる短絡が原因で流れる大きな電流によって、その接触
部分が局部的に発熱、溶融して電気経路が形成されるこ
とにより短絡が解消され、その用をなさなくなってしま
ったり、もうひとつの役目である放熱促進作用が低下し
て、放熱が遅くなって蓄熱が大きくなり、発煙、発火に
至ってしまうおそれがある。この金属板は厚くなって
も、その機能上問題を生じることはないが、厚みがあま
りにも厚くなりすぎると、電気容量密度を低下させ、積
層形ポリマー電解質電池の特徴を失わせるおそれがある
ので30μm以上で200μm以下が好ましい。
【0010】また、正極と接続する外装体中の金属箔
は、材質として特に限定されることはないが、電解液と
接続することがないので、延展性に富むアルミニウム箔
が好ましい。そして、この金属箔の厚みとしては30μ
m以上が好ましく、30μmより薄い場合は、前記の負
極と接続する金属板の場合と同様に、溶融したり、放熱
が遅くなって、その用をなさなくなるおそれがある。こ
の正極と接続する金属箔は機能上厚くなっても問題はな
いが、あまりにも厚くなりすぎると、電気容量密度を低
下させ、積層形ポリマー電解質電池の特徴を失わせるお
それがあるので、30μm以上で200μm以下が好ま
しい。
【0011】上記の負極と接続する金属板や正極と接続
する金属箔は、必ずしも非多孔質状である必要はなく、
パンチングメタル、網状あるいはラス状メタルなどの多
孔質状のものであってもよい。また、本発明において、
負極と金属板とを接続するとか、正極と外装体中の金属
箔とを接続するといっているのは、電気的に接続するこ
とを意味し、直接負極と金属板や正極と金属箔とが接続
されている場合のみでなく、例えばリード部やリード体
などを介して負極と金属板とが接続していたり、例えば
リード部、リード体、正極端子などを介して正極と金属
箔とが接続していてもよい。
【0012】本発明において、積層電極群を作製するに
あたり、それぞれ別々に作製した正極、負極、ポリマー
電解質層を積層してもよいが、あらかじめ正極または負
極の少なくとも一方の電極をポリマー電解質層で包囲し
て、電極とポリマー電解質層とを一体化しておくことが
好ましい。この場合の形態としては、例えば、ポリマー
電解質層の支持体となる多孔質シートを袋状にして電極
を包囲した後、その全体をポリマー電解質の前駆体であ
るゲル化成分を含有する電解液に浸漬して、ゲル化成分
含有電解液を含浸させ、ゲル化して、ポリマー電解質を
含有した電極と支持体との一体化物を作製する場合や、
ポリマー電解質を含有した電極を、多孔質シートの支持
体を内在した、短冊状のポリマー電解質シートで挟み込
むことによって、電極とポリマー電解質層とを一体化す
る場合などが挙げられる。さらに、後者の電極を短冊状
のポリマー電解質シートで挟み込むことにより電極をポ
リマー電解質層で包囲する場合、1枚の短冊状のポリマ
ー電解質シートをそのほぼ中央部で折り返してそのポリ
マー電解質シートの間に電極を挟み込むことにより電極
をポリマー電解質層で包囲する場合と、電極を2枚の短
冊状のポリマー電解質シートの間に挟み込むことにより
電極をポリマー電解質層で包囲する場合とがある。
【0013】上記の場合において、ポリマー電解質の支
持体となる多孔質シートとしては、例えば、不織布や微
孔性フィルムなどが用いられる。上記不織布としては、
例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの不
織布などが挙げられる。また、微孔性フィルムとして
は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン
−プロピレン共重合体の微孔性フィルムなどが挙げられ
る。
【0014】不織布は、空孔率が高く、ゲル化成分を含
有する電解液を含浸させやすいので、好適に使用できる
ことから、不織布を支持体として用いる場合について詳
述すると、この不織布としては、例えば、坪量が12g
/m2 で厚さが30μmという非常に薄い不織布を用い
ることができる。
【0015】このような不織布は、薄いために引っ張り
強度をはじめとする機械的強度が低く、単体では取り扱
いにくいが、例えば、袋状にし、その袋状の不織布に電
極を収容することにより電極を包囲して、不織布と電極
とを一体化させることにより電極の強度で不織布の強度
不足を補うことができる。また、袋状にしなくても、短
冊状の不織布をそのほぼ中央部で折り返してその不織布
の間に電極を挟み込むことにより電極を不織布で包囲し
て電極と不織布とを一体化させることや2枚の短冊状の
不織布を重ね合わせその一端をシールしてその不織布の
間に電極を挟み込むことにより電極を支持体で包囲して
電極と不織布とを一体化させることによっても、電極の
強度で不織布の強度不足を補うことができ、電池組立時
の作業性の向上や内部抵抗の減少、負荷特性の向上を達
成できる。また、支持体として微孔性フィルムを用いる
場合も、上記不織布の場合と同様である。
【0016】上記のように、不織布などの多孔質シート
からなる支持体で電極を包囲して電極と支持体とを一体
化し、それにゲル化成分を含有する電解液を含浸させて
ゲル化させることにより、電極とポリマー電解質層との
間が、それぞれ単独でゲル化して電極とポリマー電解質
シートにしてから積層するよりも、界面の接着状態が良
好で、層間に気泡、異物などが介在することが少ないの
で、界面でのイオン移動がスムーズになり、正極と負極
との間の反応性が向上する。また、正極、負極のいずれ
かの一方の電極を支持体で包囲することによって、物理
的セパレートの役割も果たすことができる。
【0017】そして、正極または負極のいずれかの一方
の電極をポリマー電解質層で包囲して電極とポリマー電
解質層とを一体化させればよいが、その際、正極をポリ
マー電解質層で包囲して正極とポリマー電解質層とを一
体化させると、負極をポリマー電解質層で包囲する場合
より、電池容量を大きくすることができる。すなわち、
通常、デンドライトの発生の防止や安全性の確保から負
極を正極より大きくすることが一般に行われているので
正極をポリマー電解質層で包囲すれば、負極をポリマー
電解質層で包囲するより、ポリマー電解質層の寸法を小
さくでき、その結果、電池容量を大きくすることができ
る。また、負極をポリマー電解質層で包囲して負極とポ
リマー電解質層とを一体化させる場合も、負極とポリマ
ー電解質層との界面状態を均一にすることができるの
で、正極の場合と同様に、反応性の向上に効果がある。
【0018】さらに、正極および負極の両電極をポリマ
ー電解質層で包囲すると、そのぶんポリマー電解質層の
厚みは増加するが、両電極ともポリマー電解質層と一体
化するので、正極、負極のいずれについても分極を減少
させることができ、充放電時の反応をスムーズに進行さ
せることができるので、負荷特性を大幅に向上させるこ
とができる。
【0019】本発明において、電極とポリマー電解質層
との一体化とは、電極とポリマー電解質層との間に気泡
や異物などを含まないで、電極とポリマー電解質層とを
密接させることを意味していて、不可分に接着させるこ
となどを意味するものではない。
【0020】上記不織布などの多孔質シートからなる支
持体を袋状にする場合、その袋状体は、例えば、四角形
状のものとして説明すると、通常、一辺が開口し、他の
三辺がシールされているが、そのシールにあたって、連
続的にシールすることは必ずしも要求されず、不連続に
シールしたものであってもよい。
【0021】電極を袋状の支持体に収容するにあたっ
て、あらかじめ支持体を袋状にしておくことは要求され
ず、電極を短冊状の支持体(例えば、長さが電極の長さ
の2倍以上で、幅が電極の幅より広いサイズの短冊状の
支持体)の長さ方向のほぼ中央部より一方の側に載置
し、他方の幅を折返し(つまり、電極がほぼ中央部で折
り返した支持体間に挟み込まれる状態にし)、その幅方
向の両側部を連続的または不連続的にシールして、電極
が袋状の支持体に収容された状態にすればよい。
【0022】また、2枚の支持体を重ね合わせてその一
端をシールしてその間に電極を挟み込む場合も、あらか
じめシールしておくことは要求されず、電極を1枚の短
冊状の支持体(例えば、長さが電極の長さより長く、幅
が電極の幅より広いサイズの短冊状の支持体)に載置
し、もう1枚の短冊状の支持体をその上にのせ、それら
の支持体の一端を連続的または不連続的にシールして、
電極が支持体の間に挟み込まれた状態にすればよい。
【0023】ポリマー電解質層を構成するための電解液
としては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカ
ーボネート、メチルエチルカーボネート、プロピオン酸
メチル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネー
ト、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、エチ
レングリコールサルファイト、1,2−ジメトキシエタ
ン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−
メチル−テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどの
有機溶媒に、例えば、LiClO4 、LiPF 6 、Li
BF4 、LiAsF6 、LiCF3 SO3 、LiC4
9 SO3 、LiCF3 CO2 、Li2 2 4 (S
3 2 、LiN(CF3 SO2 2 、LiC(CF3
SO2 3 、LiCn 2n+1 SO3 (n≧2)、Li
N(RfOSO2 2 〔ここでRfはフルオロアルキル
基〕などの無機イオン塩を溶解させることによって調製
したものが使用される。この無機イオン塩の電解液中の
濃度としては、0.5〜1.5mol/l、特に0.9
〜1.25mol/lが好ましい。
【0024】また、電解液をポリマー電解質に変化させ
るゲル化成分としては、例えば、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリロニトリル、
フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体などの
ように直鎖状のポリマーを加熱することにより電解液に
溶解させた後、冷却することによって電解液をゲル化さ
せるポリマーや、活性光線で重合可能な二重結合を一分
子あたり2個以上含みモノマーまたはプレポリマーを主
成分とする架橋性組成物などが挙げられる。
【0025】上記活性光線で重合可能なモノマーとして
は、まず、二重結合を一分子あたり2個有するモノマー
(二官能架橋性モノマー)として、例えば、1,3−ブ
タンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオール
ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレ
ート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレン
グリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジ
アクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコールジアクリレート、プロピレ
ングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコール
ジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレ
ート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、ノ
ボラックジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグ
リコールジアクリレートなどの二官能アクリレートおよ
び上記アクリレートと同様の二官能メタクリレートなど
が挙げられる。
【0026】また、活性光線で重合可能な二重結合を一
分子あたり3個有するモノマー(三官能架橋性モノマ
ー)としては、例えば、トリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレートトリアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールト
リアクリレート、プロポキシ化グリセリルトリアクリレ
ート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパンアク
リレートなどの三官能アクリレートおよび上記アクリレ
ートと同様の三官能メタクリレートなどが挙げられる。
【0027】そして、活性光線で重合可能な二重結合を
一分子あたり4個以上有するモノマー(四官能以上の架
橋性モノマー)としては、例えば、ペンタエリスリトー
ルテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテト
ラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテト
ラアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペ
ンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレートなどの四官能以上のアクリレートおよび上記ア
クリレートと同様の四官能以上のメタクリレートなどが
挙げられる。
【0028】また、活性光線で重合可能な二重結合を2
個以上、好ましくは4個以上有するプレポリマーとして
は、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレ
ート、ポリエステルアクリレートのプレポリマーなどが
挙げられ、前記のモノマーに代えて用いることができ
る。
【0029】本発明において、上記の活性光線で重合可
能な二重結合を一分子あたり2個以上有するモノマーま
たはプレポリマーは、主成分として用いられておればよ
く、例えばゲル硬さなどの物性調整のために一官能モノ
マーなども併用することができる。また、二官能モノマ
ーと六官能モノマーとを混合するというような使い方も
できる。
【0030】本発明において、活性光線で重合可能な二
重結合を一分子あたり2個以上有するモノマーまたはプ
レポリマーを主成分とする架橋性組成物とは、上記架橋
性組成物を活性光線で重合可能な二重結合を一分子あた
り2個以上有するモノマーまたはプレポリマーのみで構
成する場合と、一官能モノマーなどと活性光線で重合可
能な二重結合を一分子あたり2個以上有するモノマーま
たはプレポリマーとを併用する場合の両者を含むが、後
者のように活性光線で重合可能な二重結合を一分子あた
り2個以上有するモノマーまたはプレポリマーを一官能
モノマーなどと併用する場合、その架橋性組成物におい
て、活性光線で重合可能な二重結合を一分子あたり2個
以上有するモノマーまたはプレポリマーが50重量%以
上、特に70重量%以上であることが好ましい。また、
架橋性組成物はそれを構成するものがすべて架橋性でな
くてもよく、全体として架橋性であればよく、例えば、
必要に応じて他の成分を添加することもできる。
【0031】そして、必要に応じ、重合開始剤として、
例えば、ベンゾイン類、ベンゾインアルキルエーテル
類、ベンゾフェノン類、ベンゾイルフェニルフォスフィ
ンオキサイド類、アセトフェノン類、チオキサントン
類、アントラキノン類などを使用することができる。さ
らに重合開始剤の増感剤としてアルキルアミン類、アミ
ノエステル類なども使用することができる。
【0032】本発明において、活性光線としては、例え
ば、紫外線(UV)、電子線(EB)、可視光線、遠紫
外線などを使用することができる。
【0033】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明は実施例に例示のもののみ
に限定されることはない。
【0034】実施例1 まず、この実施例1において用いる正極および負極の作
製、ゲル化成分含有電解液の調製について先に説明す
る。
【0035】正極の作製:正極活物質であるLiCoO
2 80重量部、導電助剤であるアセチレンブラック10
重量部、バインダーであるポリフッ化ビニリデン10重
量部とをN−メチルピロリドンを溶剤として均一になる
ように混合し、正極合剤含有ペーストを調製した。この
正極合剤含有ペーストを正極集電体となる厚さ20μm
のアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥した後、カレン
ダー処理を行って、全厚が130μmになるように正極
合剤層の厚みを調整し、正極合剤層形成部分の面積が7
0mm×40mmになるように切断して正極を作製し
た。ただし、上記正極の作製にあたっては、アルミニウ
ム箔の一部に正極合剤含有ペーストを塗布せずに、アル
ミニウム箔の露出部を残し、そのアルミニウム箔の露出
部を正極端子などとの接続のためのリード部とした。こ
の正極の断面図を図1に模式的に示す。図1に示すよう
に、正極1は正極集電体1aの両面に正極合剤層1bを
形成することによって作製され、そのリード部1cは上
記正極集電体1aを構成するアルミニウム箔の一部に正
極合剤含有ペーストを塗布せず、アルミニウム箔を露出
させることによって構成されている。
【0036】負極Aの作製:負極活物質である黒鉛90
重量部とポリフッ化ビニリデン10重量部とをN−メチ
ルピロリドンを溶剤として均一になるように混合して負
極合剤含有ペーストを調製し、負極集電体となる厚さ1
0μmの銅箔の両面に塗布し、乾燥した後、カレンダー
処理を行って全厚が130μmになるように負極合剤層
の厚みを調整し、負極合剤層形成部分の面積が72mm
×42mmになるように切断して負極Aを作製した。上
記切断は負極端子などとの接続部分となるリード部を電
極の幅方向に対して中央位置になるようにした。また、
上記正極の場合と同様に、負極Aの作製にあたっても、
銅箔の一部に負極合剤含有ペーストを塗布せず、銅箔の
露出部を残し、その銅箔の露出部を負極端子などとの接
続のためのリード部とした。このようにして作製した負
極Aは、負極合剤層が負極集電体の両面に形成された、
いわゆる両面塗布負極と呼ばれるものである。この負極
Aの断面図を図2に模式的に示す。図2に示すように、
負極Aは負極集電体2aの両面に負極合剤層2bを形成
することによって作製され、そのリード部2cは上記負
極集電体2aを構成する銅箔の一部に負極合剤含有ペー
ストを塗布せず、銅箔を露出させて構成されている。な
お、図示にあたっては、この負極Aおよび後述の負極B
とも同一の参照符号2を付して示す。
【0037】負極Bの作製:上記負極Aの場合と同様の
負極合剤含有ペーストを負極集電体となる厚さ10μm
の銅箔の片面に塗布し、乾燥した後、カレンダー処理を
行って全厚が70μmになるように負極合剤層の厚みを
調整し、負極合剤層形成部分の面積が72mm×42m
mになるように切断して負極Bを作製した。この負極B
の作製にあたっても、銅箔の一部に負極合剤含有ペース
トを塗布せず、銅箔の露出部を残し、その銅箔の露出部
を負極端子などとの接続のためのリード部とした。この
ようにして作製した負極Bは、負極合剤層が負極集電体
の片面のみに形成された、いわゆる片面塗布負極と呼ば
れているものである。この負極Bの断面図を図3に模式
的に示す。図3に示すように、負極Bは負極集電体2a
の片面のみに負極合剤層2bを形成することによって作
製されている。
【0038】ゲル化成分含有電解液の調製:プロピレン
カーボネートとエチレンカーボネートとの体積比1:1
の混合溶媒にLiPF6 を1.22mol/l溶解させ
ることによって調製した電解液に、開始剤として2,
4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィン
オキサイド〔商品名:ルシリンTPO、ビーエーエスエ
フジャパン(株)製〕をあらかじめモノマー成分に対し
て2重量%加えて溶解しておき、そこにジペンタエリス
リトールヘキサアクリレートを使用開始10分前に濃度
が6重量%になるように加えて混合し、ゲル化成分を含
有する電解液を調製した。このゲル化成分を含有する電
解液を上記標題のように「ゲル化成分含有電解液」と簡
略化して表現する。
【0039】上記のように作製した正極をポリマー電解
質層の支持体となる不織布で包んで、正極と支持体とを
一体化しておき、その全体にゲル化成分含有電解液を含
浸させ、ゲル化して、ポリマー電解質含有正極ユニット
を得た。ただし、負極は不織布で包むことなく、ゲル化
成分含有電解液を含浸させ、ゲル化して、ポリマー電解
質含有負極を得た。それらの作製方法の詳細を次に示
す。
【0040】ポリマー電解質含有正極ユニットの作製:
支持体としては、厚さ30μm、坪量12g/m2 のポ
リブチレンテレフタレート不織布〔NKK社製、MB1
230(商品名)〕を用い、これを長さ×幅が144m
m×42mmの短冊状に切断した。
【0041】そして、正極の正極合剤層形成部分とリー
ド部とにまたがるようにして、厚さ50μm、幅3mm
のポリイミドテープをその両面から貼着し、短絡の防止
および端子の強度保持と図った。また、リード部の正極
端子との接続に用いる部分のすべての表面を、熱により
接着面の粘着性が失われる熱剥離テープで被覆した後、
この正極を上記ポリブチレンテレフタレート不織布の長
さ方向の中央部より左側の部分に載置し、右側の部分を
折り返して正極を覆った後、その幅方向の両側部を熱融
着器〔商品名:ポリシーラー、富士イパルス(株)製〕
でシールして支持体としてのポリブチレンテレフタレー
ト不織布を袋状にし、両者を密接させて正極と支持体と
を一体化した。この正極と支持体とを一体化した正極ユ
ニットを前記ゲル化成分含有電解液に減圧下で1分間浸
漬して正極ユニットにゲル化成分含有電解液を含浸させ
た後、ポリエチレン製の袋に入れて密閉した。つぎに、
そのポリエチレン製袋の両面から、フュージョンUVシ
ステムズ・ジャパン(株)製の紫外線照射装置を用い
て、紫外線を1W/cm2 の照度で10秒間照射し、電
解液中のモノマー成分を重合させるとともに、電解液を
ゲル化してゲル状ポリマー電解質とした。このポリマー
電解質層と正極との一体化物を袋から取り出し、そのリ
ード部の正極端子との接続に用いる部分に150℃の熱
風を吹き付けることによって熱剥離テープを該部分から
剥がし、ポリマー電解質保持正極ユニットを得た。
【0042】ポリマー電解質含有負極Aの作製:上記の
ように作製した負極Aの負極合剤層形成部分とリード部
とにまたがるようにして、厚さ50μm、幅3mmのポ
リイミドテープをその両面から貼着し、短絡の防止およ
び端子の強度保持を図った。また、リード部の負極端子
との接続に用いる部分のすべての表面を、熱により接着
面の粘着性が失われる熱剥離テープで被覆した後、この
負極Aを前記ゲル化成分含有電解液に減圧下で1分間浸
漬して、ゲル化成分含有電解液を含浸させた後、ポリエ
チレン製の袋に入れて密閉した。つぎに、ポリエチレン
製の袋の両面から、フュージョンUVシステムズ・ジャ
パン(株)製の紫外線照射装置を用いて、紫外線を1W
/cm2 の照度で10秒間照射し、電解液中のモノマー
成分を重合させるとともに、電解液をゲル化してゲル状
ポリマー電解質とした。このゲル状ポリマー電解質を保
持させた負極Aを袋から取り出し、そのリード部の負極
端子との接続に用いる部分に150℃の熱風を吹き付け
ることによって熱剥離テープを該部分から剥がし、ポリ
マー電解質含有負極Aを得た。
【0043】ポリマー電解質含有負極Bの作製:上記の
ように作製した負極Bの負極合剤層形成部分とリード部
とにまたがるようにして、厚さ50μm、幅3mmのポ
リイミドテープをその両面から貼着し、短絡の防止およ
び端子の強度保持を図った。また、リード部の負極端子
との接続に用いる部分のすべての表面を、熱により接着
面の粘着性が失われる熱剥離テープで被覆した後、この
負極Bを前記ゲル化成分含有電解液に減圧下で1分間浸
漬して、ゲル化成分含有電解液を含浸させた後、ポリエ
チレン製の袋に入れて密閉した。つぎに、そのポリエチ
レン製袋の外側から、上記負極Bの負極合剤層形成部分
が配置する側にフュージョンUVシステムズ・ジャパン
(株)製の紫外線照射装置を用いて、紫外線を1W/c
2 の照度で10秒間照射し、電解液中のモノマー成分
を重合させるとともに、電解液をゲル化してゲル状ポリ
マー電解質とした。このゲル状ポリマー電解質を保持さ
せた負極Bを袋から取り出し、そのリード部の負極端子
との接続に用いる部分に150℃の熱風を吹き付けるこ
とによって熱剥離テープを該部分から剥がし、ポリマー
電解質含有負極Bを得た。
【0044】つぎに、前記のようにして作製したポリマ
ー電解質保持正極ユニット5枚と、ポリマー電解質保持
負極A4枚と、ポリマー電解質保持負極B2枚を用意
し、ポリマー電解質保持負極B、ポリマー電解質保持正
極ユニット、ポリマー電解質保持負極A、ポリマー電解
質保持正極ユニット、ポリマー電解質保持負極A、ポリ
マー電解質保持正極ユニット、ポリマー電解質保持負極
A、ポリマー電解質保持正極ユニット、ポリマー電解質
保持負極A、ポリマー電解質保持正極ユニット、ポリマ
ー電解質保持負極Bの順に積層して積層電極群を得た。
この時、2枚のポリマー電解質保持負極Bの負極合剤層
は、いずれも積層電極群の内部側を向くようにして積層
した。つまり、2枚のポリマー電解質保持負極Bの厚さ
10μmの銅箔からなる負極集電体をいずれも積層電極
群の外面側を向くように配置した。
【0045】ここで、図4に基づき、この積層電極群に
ついて説明すると、一番下側にポリマー電解質保持負極
20(このポリマー電解質保持負極20は、負極B、つ
まり片面塗布負極にポリマー電解質を保持させたもので
ある)が配置し、その上にポリマー電解質保持正極ユニ
ット10、ポリマー電解質保持負極20、ポリマー電解
質保持正極ユニット10、ポリマー電解質保持負極2
0、ポリマー電解質保持正極ユニット10、ポリマー電
解質保持負極20、ポリマー電解質保持正極ユニット1
0、ポリマー電解質保持負極20、ポリマー電解質保持
正極ユニット10、ポリマー電解質保持負極20(この
ポリマー電解質保持負極20は、負極B、つまり片面塗
布負極にポリマー電解質を保持させたものであり、最外
層の2枚のポリマー電解質保持負極20以外は、すべて
負極A、つまり、両面塗布負極にポリマー電解質を保持
させてものである)の順に配置している。そして、図
中、ポリマー電解質保持正極ユニット10の周囲の白抜
き部分はポリマー電解質保持正極ユニット10の作製に
あたって正極の周囲に支持体として不織布を配置したこ
とを示すために図示したものである。
【0046】そして、この積層電極群の外側に配置する
金属板として厚さ50μmで負極集電体(この場合、リ
ード部を含んだ状態のものをいう)と同じ寸法、形状の
銅板を用い、それを積層電極群の外側(つまり、下側お
よび上側)に配置した。
【0047】この金属板(銅板)を外側に配置した積層
電極群における電極とその短絡形成板兼放熱促進板とし
ての金属板との接続の様子を図5に示す。金属板7は厚
さ50μmで、負極集電体(この場合、リード部を含ん
だ状態のものをいう)と同じ寸法、形状の銅板で構成さ
れ、積層電極群の両側の最外層のポリマー電解質保持負
極ユニット20における負極の負極集電体と接するよう
に配設され、かつ、そのリード部が積層電極群中の負極
のリード部と一体に接続され、それらの集合体と外部端
子としての負極端子6の一方の端部とが接続されてい
る。
【0048】上記積層電極群を外装する外装体は、図6
に示すように、保護フィルム4a、金属箔4b、熱融着
性樹脂フィルム4cの3層ラミネートフィルムからな
り、この実施例では、上記保護フィルム4aとして厚さ
30μmのナイロンフィルムが用いられ、金属箔4bと
しては厚さ50μmのアルミニウム箔が用いられ、熱融
着性樹脂フィルム4cとしては厚さ30μmの変性ポリ
オレフィンフィルムが用いられていて、上記ナイロンフ
ィルムはアルミニウム箔の損傷や腐食を防ぎ、アルミニ
ウム箔は水分やガスの透過を阻止し、変性ポリオレフィ
ンフィルムは接着剤として作用する。そして、この外装
体4は2枚用いられ、両者とも同じ構成のものである
が、そのうちの一方は上記積層電極群が収容しやすいよ
うに、あらかじめ鍔付きの容器状に成形され、他方はプ
レート状をしていて、それぞれ変性ポリオレフィンフィ
ルムを内面側にして、積層電極群の周囲に配置し、その
接合部を加熱して変性ポリオレフィンフィルムを熱融着
させて封止する。
【0049】この外装体4により上記金属板を外側に配
置した積層電極群を外装したときの正極のリード部と正
極端子との接続状態を図7に模式的に示す。図7に示す
ように、正極のリード部1cは並列接続されてまとめら
れ、正極端子5の一方の端部に接続され、正極端子5の
他方の端部は外装体4、4間の接合部を通過して外部に
引き出されている。なお、この正極端子5、前記負極端
子6とも同じ側(図7では、右側)に引き出されている
が、これは正極端子5が引き出されている位置と負極端
子6が引き出されている位置とがずれていて、正極端子
5と負極端子6とが接触しないようにしつつ引き出され
ていることによるものである。つまり、この図7と前記
の図5とでは切断面が異なっている。
【0050】このように外装体で積層電極群を外装した
後、図7のAで示す部分(外装体のシール部で正極端子
が引き出されている部分)に外装体の表面から超音波照
射すると、外装体中の変性ポリオレフィンフィルムが溶
融し、外装体中のアルミニウム箔と正極端子とが接続で
きる。この状態を示すために、図7のA部を拡大し、そ
の要部を模式的に示したのが図8である。すなわち、図
8に示すように、外装体4、4中の熱融着性樹脂フィル
ム4cである変性ポリオレフィンフィルムが溶融し、金
属箔4dであるアルミニウム箔と正極端子5とが接続し
ている。
【0051】このように、この積層型ポリマー電解質電
池では、負極側では、通常のリード部と負極端子との接
続に加えて、積層電極群の外側に配置した金属板と負極
とを接続し(具体的には、負極のリード部2cと金属板
7のリード部との集合体と負極端子6との接続によっ
て、金属板7と負極2とを電気的に接続している)、正
極側では、通常の正極のリード部と正極端子との接続に
加えて、外装体中の金属箔と正極とを接続している(具
体的には、正極のリード部1cと正極端子5とを接続し
た後、外装体4中の金属箔4bと正極端子5とを接続す
ることによって、外装体4中の金属箔4bと正極1とを
電気的に接続している)。
【0052】比較例1 積層電極群の外側に金属板(銅板)を配設することな
く、また、正極端子と外装体中の金属箔(アルミニウム
箔)との接続をしなかった以外は、実施例1と同様に積
層形ポリマー電解質電池を作製した。
【0053】上記実施例1および比較例1の電池の表面
に熱電対を貼り付け、Vブロックの上に載せ、軸部の直
径3mmのステンレス鋼製釘を5mm/秒の速度で積層
電極群に対して直角に突き刺し、電池の最高到達温度を
測定した。その結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】表1に示すように、実施例1の電池は、最
高到達温度が130℃であって発煙・発火がなかった
が、比較例1の電池は最高到達温度が200℃以上であ
って、発熱反応が暴走するとされている150℃よりも
かなり高くなり、また、発煙・発火を起こすものもあっ
た。
【0056】上記実施例では外装体のラミネートフィル
ム中のアルミニウム箔と正極端子との接続を超音波溶接
で行ったが、上記超音波溶接以外にも、抵抗溶接、かし
め、ネジ止めなどによって行うことができる。ただし、
超音波溶接が特に好ましい。その理由は、外装体のラミ
ネートフィルムの最内層の熱融着性樹脂フィルムの変性
ポリオレフィンフィルムを剥がすという前処理なしで
も、超音波照射することによって変性ポリオレフィンフ
ィルムが溶融し、ラミネートフィルム中のアルミニウム
箔と正極端子との接続ができるからである。なお、上記
実施例では超音波溶接に際して、超音波発信器としてブ
ランソン社製947M型を用い、4kg/cm2の加圧
下で、80ジュールのウエルドエネルギーをアンプリチ
ュード80%で2秒間印加したが、この条件は状況にあ
わせて種々に変更できる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、釘刺
しや圧壊によって短絡した場合でも、発煙・発火を防
ぎ、安全性の高い積層形ポリマー電解質電池を提供する
ことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の積層形ポリマー電解質電池
に用いる正極を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の実施例1の積層形ポリマー電解質電池
に用いる負極Aを模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の実施例1の積層形ポリマー電解質電池
に用いる負極Bを模式的に示す断面図である。
【図4】本発明の実施例1の積層形ポリマー電解質電池
に用いる積層電極群を模式的に示す断面図である。
【図5】本発明の実施例1の積層形ポリマー電解質電池
に用いる積層電極群の外側(上側および下側)に金属板
を配置し、該金属板のリード部および負極のリード部の
集合体と負極端子とを接続した状態を模式的に示す断面
図である。
【図6】本発明の実施例1の積層形ポリマー電解質電池
に用いる外装体を模式的に示す断面図である。
【図7】本発明の実施例1の積層形ポリマー電解質電池
において、正極のリード部と正極端子との接続状態を模
式的に示す断面図である。
【図8】図7のA部の要部拡大図である。
【符号の説明】
1 正極 1a 正極集電体 1b 正極合剤層 1c リード部 2 負極 2a 負極集電体 2b 負極合剤層 3 ポリマー電解質層 4 外装体 4a 保護フィルム 4b 金属箔 4c 熱融着性樹脂フィルム 5 正極端子 6 負極端子 7 金属板 10 ポリマー電解質保持正極ユニット 20 ポリマー電解質保持負極
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 6/46 H01M 6/46 A (72)発明者 山本 宏 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 川合 徹夫 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 5H011 AA13 BB04 CC02 CC06 CC10 DD13 EE04 FF04 GG09 HH13 5H022 AA09 BB12 CC03 CC30 EE01 KK03 5H025 AA12 BB15 CC04 CC16 CC25 CC34 MM07 5H029 AJ03 AJ12 AK03 AL07 AM02 AM07 AM16 BJ04 DJ02 DJ05 EJ01 EJ12 HJ12

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極集電体の少なくとも一方の面に正極
    合剤層を形成してなる正極と、負極集電体の少なくとも
    一方の面に負極合剤層を形成してなる負極とを、それぞ
    れの間にポリマー電解質層を介在させて積層した積層電
    極群を、金属箔を含む外装体で外装する積層形ポリマー
    電解質電池であって、上記積層電極群の少なくとも一方
    の外側に金属板を配置し、この金属板と負極とを接続
    し、かつ、正極と外装体中の金属箔とを接続したことを
    特徴とする積層形ポリマー電解質電池。
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