JP2001066998A - マグネットシート、壁面パネルおよびシステムウォール - Google Patents

マグネットシート、壁面パネルおよびシステムウォール

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JP2001066998A
JP2001066998A JP24528699A JP24528699A JP2001066998A JP 2001066998 A JP2001066998 A JP 2001066998A JP 24528699 A JP24528699 A JP 24528699A JP 24528699 A JP24528699 A JP 24528699A JP 2001066998 A JP2001066998 A JP 2001066998A
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magnet sheet
panel
wall panel
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JP24528699A
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English (en)
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Masaoki Niinobe
正興 新延
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BUREIN CHIYAIRUDO KK
Original Assignee
BUREIN CHIYAIRUDO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 壁面に凹凸などがあっても強力な保持力を維
持できるマグネットシートを実現し、それにより壁面パ
ネルを取付できるシステムウォールを提供する。 【解決手段】 磁力によって壁体にパネルなどを取り付
けるマグネットシート20であって、マグネットシート
の表面(裏面)の側の磁着層21を切れ込み25を設
け、分割片26を形成することにより壁体の表面の凹凸
あるいは歪みなどによる影響を局所的な範囲に止められ
るようにしている。したがって、壁体の表面の状況に関
わらず、強力な保持力を安定して得ることが可能であ
り、壁体に壁面パネルを磁力により取り付けるシステム
ウォールを構築するのに好適なマグネットシートを提供
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁力によりパネル
などを壁に取付けする技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ゴムシートなどの可撓性の素材と強磁性
体の素材とを組み合わせることによりマグネットシート
あるいはマグネットパネルを形成し、鉄板などの磁性体
からなる壁に化粧板や簡単な壁掛けあるいは壁飾りを取
付ける技術が知られている。ボディーが磁性体である車
両では、若葉マークを取付けたり、さらには、キャリア
を屋根に取付けるためにも応用されている。一方、屋内
においては、鉄板、あるいは鉄板を布などで覆った白板
あるいはパーティションに磁力によりメモを取付けでき
るようにしたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】マグネットシートを用
いて壁掛けを壁に取り付けると、磁性体の壁であればそ
のどこにでも手軽に取付けでき、さらに、壁に損傷を与
えることがない。加えて、壁掛けを取外すのも自由であ
るという利点がある。しかしながら、磁力だけでパネル
を保持するので、フックなどを壁に取り付けて機械的に
パネルなどを支持する場合に比べて許容できる重量は少
ない。さらに、磁場は距離の二乗で減衰するので、パネ
ルを取付ける面の状況によって得られる保持力は大きく
異なってしまい信頼性にかける。すなわち、壁の表面に
微小な凹凸があったり、あるいは歪みがあるだけで得ら
れる保持力は大きく異なってしまう。したがって、従来
のマグネットシートでは絵画などを安定して保持できな
いので、メモなどを一時的に保持するため、あるいは簡
単な壁飾りを取りつけるためだけに使用されているに過
ぎない。
【0004】本願の発明者は、壁体に着脱可能な壁面パ
ネルを用い、ユーザの趣味などによって壁の表面の構成
を自由に変更することができるシステムウォールを提供
することを検討している。そして、この壁面パネルをマ
グネットシートにより着脱可能にすることが最も望まし
い形態であると考えているが、上記のように安定した保
持力が発揮できないのでは壁面の状態を安定させること
ができない。
【0005】そこで、本発明においては、壁表面の細か
な状況に関わらず安定した保持力を得ることができるマ
グネットシートを提供することを目的としている。それ
と共に、そのマグネットシートを用いることにより、壁
面パネルの構成を自由に変更することができ、また、そ
の壁面の状態を安定して維持することができるシステム
ウォールを実現することも本発明の目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】マグネットシートで安定
した保持力を得ることができない最も大きな要因は、壁
面に何らかの理由により凹凸、例えば、若干突き出た部
分があったり、ごみなどが付着していると、その部分だ
けでなく、その周囲も壁面に密着しないのでマグネット
シートによって得られる保持力が急激に減少してしまう
ことである。壁面に歪みや撓みなどがあった場合でも同
様である。マグネットシートにより保持するもの、すな
わち、壁掛け本体がゴム製である場合のように、壁面の
歪みなどに沿って容易に変形する場合は保持力を比較的
維持しやすい。しかしながら、壁掛け本体が木製あるい
は金属製などの硬質なものでフラットな場合は、若干の
歪みや撓み、さらには凹凸でマグネットシートと壁面と
の間に隙間が生じ、その面積が大きくなるのでマグネッ
トシートの磁場によって得られる保持力は大幅に低下す
る。壁面を完全にフラットにできれば、このような問題
が生ずることはないが、完全にフラットな面を有する
壁、特に、構造的に壁として有効な壁の全面をフラット
に形成することは困難であり、実現できたとしても高価
である。さらに、実用上の壁を搬送する際の状況や、組
立てる際の精度を考えるとほとんど完全にフラットな壁
は不可能である。また、壁面からごみや塵などを完全に
除去することも非常に難しい。
【0007】そこで、本発明においては、マグネットシ
ートを局所的に変形可能なものとして、壁の凹凸などを
吸収できるようにしている。すなわち、本発明のマグネ
ットシートは、壁面を構成する部材の少なくとも1部が
磁性体である壁体に取り付け可能な、ゴムあるいはその
他の樹脂製のシートからなる可撓性のマグネットシート
であって、その壁体に面する側に、少なくとも表面が磁
化され、ほぼ独立して変形可能な複数の分割片を有する
磁着層を設けるようにしている。マグネットシートの壁
体(以降においては壁または壁面)に面した側を連続し
た面にすると、壁面の凹凸あるいは歪みなどの影響が広
範囲に及ぶ。そのため凹凸あるいは歪みなどに面したマ
グネットシートの部分だけが壁面から離れるのではな
く、その周囲も離れてしまい、その結果、保持力が大き
く減衰する。これに対し、本発明のマグネットシート
は、壁に面した側に独立して変形可能な複数の分割片を
有しているので、壁に凹凸あるいは歪みなどがあって
も、それに対面した分割片が変形したり壁から離れるだ
けであり、他の部分、すなわち、周囲の他の分割片に及
ぼす影響は非常に小さい。したがって、マグネットシー
トが壁から離れる面積を最小限に止めることができるの
で、凹凸あるいは歪みなどが壁面にあっても磁力による
保持力を維持することができる。
【0008】したがって、壁掛け本体の裏面に本発明の
マグネットシートを設けておくこともより、強い保持力
を安定して維持することができ、信頼性の高い壁掛けを
提供できる。このため、従来のメモなどを一時的に保持
するものに加え、絵画やCDケースなどの重量物あるい
は壊れ物もマグネットシートで壁に掛けることができ
る。
【0009】また、本発明のマグネットシートは、壁面
の凹凸だけではなく、同様に、壁掛け本体の凹凸も局所
的に吸収することができる。したがって、壁掛け本体の
側に多少の凹凸や歪みなどがある場合でも、強い保持力
を安定して得ることができる。
【0010】さらに、本発明のマグネットシートにより
強力な保持力を安定して得られるので、システムウォー
ルの壁面パネルを取付けるためにも最適である。すなわ
ち、マグネットシートにより着脱可能な壁面パネルを壁
体に取り付けることにより壁面を形成し、さらに、壁面
パネルを所定のサイズを単位としたタイル状のデザイン
とすることにより、ユーザの趣味などによって自由に壁
面を構成でき、さらに、変更可能なシステムウォールを
提供できる。このシステムウォールは、従来の壁紙ある
いは木製の化粧板などを貼った壁と異なり、壁面パネル
を交換することによりデザインを変更することも容易で
あり、ユーザが手軽に壁をアレンジでき、それを楽しむ
ことができる。また、部屋あるいは家を移る場合でも、
壁面パネルを持ち歩くことにより、自分の好みに合った
部屋を手軽に作ることができる。そして、本発明のマグ
ネットシートを用いることにより、壁面パネルを極めて
安定して保持できるので、触ったり、寄り掛かかる程度
では壁面パネルがずれることはなく、従来の壁と同じ感
覚で使用できるシステムウォールを提供することができ
る。
【0011】システムウォールの場合、マグネットシー
トを壁側に貼りつけても良いが、壁の構造部材として鉄
あるいはその他の金属などの磁性体を使用することが可
能なので、壁面パネルの側にマグネットシートを設ける
ことが経済的であり、また、壁面パネルを軽量化でき
る。
【0012】マグネットシートの壁に面した側が凹凸と
なるように成型し、その凸部を磁化した脚となる分割片
にすることも可能である。しかしながら、壁に付着する
面積を確保し、最も簡単に分割片を形成する方法は、マ
グネットシートの壁体に面する側に複数の切れ込みを縦
横に形成することである。複数の切れ込みを適当な角度
で交わるように設けることにより、三角形、四角形ある
いはその他の多角形の分割片を形成することが可能であ
る。これらの分割片は、切れ込みが小さい場合は隣接し
た分割片に多少の影響を及ぼすこともあるが、それぞれ
の分割片の変形の自由度は高い。したがって、壁面の形
状に沿って自由に変形して壁面に密着しやすいと共に、
凹凸などの壁面の形状に急激な変化があるところでも、
その形状に沿った面を作り易い。したがって、マグネッ
トシートの磁力を持った面が壁面から浮くのを防止する
ことができる。
【0013】さらに、磁着層に重ねて、圧力により変形
する吸収層を積層しておくことが望ましい。壁の凹凸や
歪みの大きさによっては、磁着層がそれによって変形し
て密着するとしても磁着層の厚みが変化する可能性があ
る。したがって、吸収層によって厚みの変動を吸収する
ことにより、壁掛け本体あるいは壁面パネルが剛性の高
いものであっても、それらにより磁着層が引っ張られて
壁面から離れるのを防止できる。また、吸収層により壁
掛け本体の側の凹凸あるいは歪みもさらに吸収すること
ができる。
【0014】壁掛け本体あるいは壁面パネルの重量が非
常に大きなときであっても、マグネットシートによって
壁から離れることはまずない。しかしながら、壁に沿っ
た方向に動く可能性がある。したがって、重量物をマグ
ネットシートで壁に取り付ける場合は、本体の裏面に壁
体にさし込み可能な突起を設けておくことが望ましい。
そして、壁にはそれをさし込める凹みあるいは孔を設け
ておくことが望ましい。壁面パネルが所定のサイズを単
位としてデザインされている場合は、所定のピッチで壁
に孔を設けておくことで対応することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1に、本発明に係るシステムウ
ォールの支持側となる被着壁(以降においては壁体)1
の一例を示してある。また、図2に、この壁体1に磁力
により取りつけられる(磁着される)壁面パネルの幾つ
かの例を示してある。先ず、本例の壁体1は、適当な径
の穴が所定のピッチで開けられた鉄製のパンチングメタ
ルからなる平板2を芯材としおり、その表面を布、紙あ
るいは樹脂製の薄膜などからなるコーディング材3によ
り覆ったものである。壁体1の表面5は、数cmから数
10cm角程度の所定のサイズの正方形または長方形に
区画化されており、各々の区画6aおよび6bの四隅に
ほぞ孔4が設けられている。
【0016】図2には、正方形の区画6aに取りつける
ことができるデザインされた壁面パネルの幾つかの例が
示されている。図2(a)に示した壁面パネル11は、表
面側11aが木目あるいは特定の模様あるいは色の化粧
パネル12となっており、その化粧パネル12の裏面1
1bがマグネットシート20になっている。この壁面パ
ネル11を壁体1の各区画6aおよび6bに磁力で貼り
つけると、図3に示したような構成の壁(システムウォ
ール)10を組立てることができる。
【0017】図4に、壁面パネル11を裏面11bから
見た様子を示してある。壁面パネル11の裏面11bを
構成する本例のマグネットシート20は2層構造になっ
ている。壁体1に面する側、すなわち、外側(表面また
は裏面)の層21は、マグネットラバー(ゴムマグネッ
ト)で形成された磁着層であり、この磁着層21に重ね
てスポンジ製の吸収層22が積層されている。さらに、
吸収層22に重ねて化粧パネル12が積層されている。
これらの各層21、22および12は、適当な接着剤に
より充分に高い強度が得られるように貼りつけて一体化
することができる。
【0018】さらに、本例のマグネットシート20にお
いては、磁着層21に裏面11bの側から切れ込み25
が縦横に入っており、これらの切れ目あるいは切れ込み
25により磁着層21が賽の目状に分断され、四角形の
分割片26が形成されている。これら各々の分割片26
は、少なくとも裏面11bに面した側が磁化されている
ので、個々が磁力を備えてた脚となっており、さらに切
れ込み25により各々が独立しているのでほぼ独立して
変形させることができる。各々の切れ込み25のサイズ
は壁面パネル11の大きさの1%程度あるいはそれ以下
が望ましい。もちろん、このサイズ以上であっても、凹
凸などを局所的に吸収する効果は得られるが、分割片2
6のサイズは大きくても数cm角程度の範囲に止めるこ
とが望ましい。すなわち、分割片26のサイズとしては
5cm角程度から0.5mm角程度の範囲が望ましく、
加工などを考慮すると、1cm角程度から1mm角程度
がさらに望ましい。もちろん、分割片26の形状は正方
形に限らないことは上述した通りであり、上述した程度
のサイズであれば、長方形、菱形、さらには円柱状のも
のであっても良い。
【0019】切れ込みの形状によっては、隣接する分割
片26との隙間はほとんどないので、各々の分割片26
が完全に独立して変形可能ではない。しかしながら、少
なくとも磁着層21が内側あるいは外側に変形し、分割
片同士の間が開く、あるいは離れるように変形する場合
は、隣接する分割片にそれほどの影響を及ぼすことはな
い。さらに、分割片26が基本的には個々に変形できる
ようになっているので、ある分割片26の動きが他の分
割片26に及ぼす影響は急激に減衰し、ある分割片26
の動きあるいは変形による影響を局所的なものに止める
ことができる。
【0020】さらに、本例の壁面パネル11では、磁着
層21と化粧パネル12との間にスポンジ製の吸収層2
2が設けられている。スポンジは圧力がかけられると容
易に体積あるいは厚みが変わる素材である。したがっ
て、磁着層21が歪んだときに、それによる壁面パネル
11の厚み方向の変位あるいは伸び縮みを吸収層22で
吸収することが可能であり、化粧パネル12に影響が及
ばないようにすることができる。このため、本例の壁面
パネル11は、壁体1の表面に凹凸あるいは歪みなどが
あったときでも、磁着層21と吸収層22の働きによ
り、壁体1の表面5に密着する面積をそれほど減じずに
済み、安定した保持力を確保することができる。また、
化粧パネル12の裏面に凹凸や歪みがあった場合でも吸
収層22でそれを吸収することができる。したがって、
壁面および化粧パネルの表面の仕上げあるいは状態にそ
れほど神経を使わなくても、壁面パネル11を確実に壁
体に取り付けることができる。
【0021】図5に、本例のマグネットシート20を採
用した壁面パネル11の効果を模式的に示してある。図
5(a)に示したように、本例の壁体パネル11では、壁
体1の表面5にごみ9などにより凹凸があると、磁着層
21はその凹凸によって変形する。その際、本例の磁着
層21は、小さな分割片26に分割されているので変形
しやすく、凹凸に面した部分、およびその近傍の分割片
26は大きく変形する。その一方で、各々の分割片26
は分断されているので凹凸に面した部分の分割片26の
変形は、その周囲の分割片にはほとんど伝播せず、凹凸
の周囲の分割片26はほとんど変形しない。このため、
ごみ9などによる凹凸から若干離れた部分では、分割片
26が壁体1の表面5に密着した状態となり、強力な磁
力を得ることができる。
【0022】さらに、凹凸あるいはその近傍で分割片2
6が大きく変形すると、磁着層21が歪む。本例では内
側(表面側)に歪んでいる。しかしながら、スポンジ製
の吸収層22は磁着層21が歪んで圧力が発生するとそ
れを吸収するように薄くなり、表面の化粧パネル12に
は凹凸の影響がほとんど及ばない。したがって、凹凸か
ら離れた場所の分割片26が化粧パネル12に引っ張ら
れて壁体の表面5から離れてしまうようなことはない。
【0023】本例の壁面パネル11においては、このよ
うに、磁着層21が小さな分割片26に分断されている
ため壁体1の凹凸に沿って容易に変形する。したがっ
て、磁着層21自身の厚みの変化も小さい。さらに、吸
収層22で厚みの変化を吸収しているので、化粧パネル
12が壁体1の凹凸によって浮き上がることはほとんど
ない。また、吸収層22で化粧パネル12の浮き上がり
を完全に防止できないような事態があっても、その浮き
上がりを凹凸以外の場所で吸収層22が厚み方向に伸び
ることで吸収することができる。したがって、これらの
効果により磁着層21が壁体1の表面5から離れてしま
うのをほぼ完全に防止することができる。
【0024】これに対し、図5(b)に示すように、一
枚もののマグネットシート29が化粧パネル12の裏面
に貼られた壁面パネル19を想定する。この壁面パネル
19でも、壁体1の表面5についたごみ9などにより凹
凸があると、それに伴ってマグネットシート29が変形
する。マグネットシート29として弾性のあるゴムシー
トが用いられているとしても、全体が一枚もので連続し
ているために、凹凸の部分で局所的に変形することはで
きず、凹凸の部分の変形量が小さくなると共に、その変
形による影響が凹凸の周囲にまで及ぶ。さらに、マグネ
ットシート29の厚みが充分でなければ、凹凸による厚
み方向の変位をマグネットシート29で吸収することが
できず、化粧パネル12が浮き上がる。その結果、化粧
パネル12に引っ張られて、凹凸から離れた部分でもマ
グネットシート29が壁体1の表面5から浮き上がって
しまう。その結果、マグネットシート29で得られる磁
力が急激に減少し、充分な保持力が得られない事態とな
る。
【0025】このように、本発明に係る壁面パネル11
は、壁体1の表面の凹凸による影響を局所的に止めるこ
とができるので、マグネットシート20により強力な保
持力を安定して得ることができる。もちろん、ごみなど
による局所的な凹凸に限らず、壁体の表面5の広範囲に
形成された歪みや撓みも、上記の凹凸と同様にその影響
を歪みや撓みの範囲内に止めることができる。さらに、
本例のマグネットシート20は、小さな分割片26が個
々に変形するので、そのような歪みあるいは撓みの個所
でも個々の分割片26が歪みや撓みに追従するように変
形し、壁体1の表面5に密着することにより強力な保持
力を維持することができる。また、歪みや撓みによる厚
み方向の変位をマグネットシート20の吸収層22でも
吸収できるので、磁着層21の密着性を維持しやすい。
吸収層22がもうけられていないマグネットシートであ
っても、凹凸の影響を局所的にするには充分な効果があ
り安定した磁力を得ることができる。しかしながら、上
述したように、吸収層22を設けることにより、許容可
能な凹凸あるいは歪みの範囲がさらに広がるので好まし
い。
【0026】上記では、ラバーシートによる磁着層21
とスポンジによる吸収層22との組み合わせで説明して
いるが、同質の素材で磁着層21および吸収層22を形
成することも可能である。図4(b)に示した壁面パネ
ル11は、裏面に発泡性ラバーシート23からなるマグ
ネットシート20が設けられている。本例のマグネット
シート20は、ラバーシート23の表面(壁体1に面す
る側、すなわち壁面パネルの裏面11b)から厚みの中
ほどまで切れ込み25を入れて、壁面パネル11の裏面
11bの側に分割片26を備えた磁着層21を形成し、
ラバーシート23のうち、切れ込み25の入っていない
部分を吸収層22として利用できるようにしている。こ
のように、同一の素材で磁着層21と吸収層22を構成
することも可能である。また、発泡性ラバーシートを2
枚重ねて積層し、磁着層21と吸収層22を構成するこ
とも可能である。
【0027】もちろん、通常のラバーシートで磁着層2
1と吸収層22を構成することも可能であるが、壁面の
凹凸などによる厚みの変動を吸収するためには、充分な
厚みを持ったラバーシートまたは発泡性の素材を採用す
ることが望ましい。吸収層としては、発泡程度が10倍
から40倍程度の素材が望ましく、さらに吸収層の厚み
は1mmから10mm程度を確保することが望ましい。
もちろん、ゴム製ラバーに限らず、適度な弾性を備えた
柔らかい他の素材、たとえば軟質塩ビなどの軟質の樹脂
(プラスチック)によりマグネットシートを形成しても
良いことはもちろんである。吸収層を形成する素材の硬
度は、JISK6301(加硫ゴム物理試験方法)によ
る硬度5±3から10±5程度であることが望ましい。
また、ラバーシートで磁着層と吸収層を構成し、さら
に、それにスポンジ層を重ねて3層とし、厚みの変化を
より吸収しやすくすることも可能である。もちろん、マ
グネットシート20を4層以上の多層構造にすることも
可能であるが、コストは高くなる。
【0028】また、本例では、分割片26を形成するた
めに、切れ目25を縦横にほぼ垂直に設けているが、切
れ目25の角度を変えることも可能である。したがっ
て、分割片26は三角形であっても良いし、さらには、
五角形以上の多角形であっても良い。さらに、切れ目2
5により分離された分割片26を形成する変わりに、マ
グネットシートの表面が凹凸になるように型成型し、分
割片を形成しても良い。
【0029】型成型すると、分割片同士の隙間を大きく
できるので、個々の分割片は変形しやすくなり、その影
響が近隣の分割片に及ぶのを防止することができる。し
たがって、凹凸や歪みなどによる影響をさらに受けにく
いマグネットシートおよび壁面パネルを提供することが
可能となる。このため、意図的な曲面を持った壁面、た
とえば、一定の曲率でコーナ部分を形成する壁面に対
し、その曲率に合った形状の壁面パネルを取り付けると
きに適している。しかしながら、型成型すると、壁体1
の表面5に接触する面積は減る傾向となる。このため、
単位面積当たりの保持力を確保するためには、カーブの
曲率にあった間隔で分割片を配置することが望ましく、
曲率にもよるが、間隔は最大で1mm程度に止めること
が望ましい。
【0030】以下では、本発明に係る壁面パネルを用い
たシステムウォールの幾つかの異なる例を説明する。図
3に示したシステムウォール10は、図2(a)に示し
た壁面パネル11を並べて配置したものであるが、図6
に示すように、サイズの異なる壁面パネル13を組み合
わせて配置することも可能である。壁面パネル13は、
壁面パネル11のサイズを単位とデザインされており、
縦あるいは横寸法は壁面パネル11のそれらの整数倍と
なっている。したがって、ユーザは適当に自己の好みな
どに合わせてサイズの異なる壁面パネルを組み合わせて
壁面を構成することができる。もちろん、壁面パネルは
正方形である必要はなく、縦あるいは横に長い帯状の壁
面パネルを取りつけることも可能である。また、壁面パ
ネル11の化粧プレート12のデザインも自由である。
たとえば、図2(c)に示すように、レンガをデザイン
した化粧プレート12の壁面パネル11を壁体1に並べ
て取り付けることにより、レンガのような壁面を得るこ
とも可能である。さらに、木目調の化粧プレートであれ
ば木壁を作ることができるなどユーザの趣味や部屋の雰
囲気などに応じて自由なデザインの壁を楽しむことがで
きる。
【0031】システムウォールを形成する壁面パネルの
表面側、すなわち本体は化粧プレートに限定されるもの
ではなく、他の目的で使用されるものでもあっても良
い。図2(d)および(e)には、本体16が額16a
と、アクリルカバー16bによりケースが構成された壁
面パネル15を示してある。この壁面パネル15では、
アクリルカバー16bの内部に写真やCDなどを入れる
ことが可能であり、透明あるいは半透明なアクリルカバ
ー16bを介して写真やCDのジャケットを見ることが
できる。したがって、この壁面パネル15を壁体1に取
り付けることにより、収納機能を持ち、収納されたもの
を見て楽しむことができるシステムウォール10を組立
てることができる。図7にCDケースとして壁面パネル
15を用いたシステムウォール10の例を示してある。
この壁面パネル15のサイズは、先に説明した化粧パネ
ル12を持った壁面パネル11と同じサイズあるいはそ
れを単位としたサイズでデザインされている。このた
め、壁体1の前面をこの壁面パネル15でカバーしても
良いし、化粧パネル12を持った壁面パネル11と組み
合わせることも可能である。
【0032】さらに図2(f)および(g)に示すよう
に、本体が小物入れ17となった壁面パネル18を提供
することも可能である。本例のマグネットシート20を
壁面パネル18の裏面に設けることにより、強力は保持
力を得ることが可能であり、状差しなどとしては充分な
強度がある。しかしながら、雑誌などの重量物を入れる
物入れてとして提供する場合は、マグネットシート20
だけでは垂直荷重に耐えられない可能性がある。したが
って、その場合は、壁面パネル18の裏面18bの角、
たとえば四隅に壁体1に向かって突き出たほぞ27を設
け、壁体1に予め配置されているほぞ孔4に差し込める
ようにしておくことができる。これらの壁面パネル1
1、13、15および18は、壁体1の表面5に形成さ
れた区画6aあるいは6bに対応し、それをユニットと
してデザインされている。したがって、ほぞ孔4に対応
する位置にほぞ27を設けることは容易である。また、
ほぞ27を設けた壁面パネルを、ほぞのない壁面パネル
と組み合わせてシステムウォールを形成することも可能
である。
【0033】壁面パネルのデザインおよび用途はこれら
に限定されないことはもちろんである。照明、他のイン
テリア、カレンダー、メッセージボード、はしご、時計
さらにはミラーなどを壁面パネル化して提供することが
可能である。そして、所定のユニットサイズが規定され
ているので、そのサイズ内あるいは、そのサイズをユニ
ットとした壁面パネルであれば、どのようなものであっ
ても壁体1に取り付けることができ、また、他の壁面パ
ネルと組み合わせて壁面を構成することができる。した
がって、本例のシステムウォールは、ユーザの趣味ある
いは部屋の用途などによって壁面を自由に構成できるも
のであり、自由なデザインあるいは発想に基づいた壁面
パネルを製造し、流通させるシステムあるいは環境を提
供するものである。
【0034】そして、本例のシステムウォールでは、壁
面を構成する壁面パネルはマグネットで壁体に付着(磁
着)されているだけなので、着脱および交換が極めて簡
単である。したがって、部屋の模様替えを極めて簡単
に、手間およびコストをかけずに行うことが可能とな
る。また、引越しのときもお気に入りの壁面パネルを持
ち歩くことにより、部屋をユーザの気に入った内装に簡
単にアレンジすることができる。そして、内装を変えて
も壁体自体には影響が及ばないので、簡単にもとの状態
に戻すことができる。
【0035】さらに、本例のシステムウォールでは、壁
面パネルの裏面に強力は保持力を安定して得られるマグ
ネットシート(マグネットプレート)20が設けられて
いるので、これらの壁面パネルで構成した壁面の強度は
充分に高い。したがって、壁面パネルがずれたり、落下
することはなく、壁紙を張りつけたり、化粧板を直に釘
や接着剤で張りつけた壁面と同様に安定した壁を作り出
すことができる。また、人体が接触したり、寄りかかっ
た程度では壁面パネルが動かないので、その点でも安心
して利用でき、安全である。
【0036】上記の壁体1は、パンチングメタル2を心
材とし、その表面を適当な素材のコーディングでカバー
するようにしているが、平板状の金属板を用い、金属が
表面に露出した壁体であってももちろん良い。磁性体で
ある金属を露出した壁体の方が、マグネットシートとの
距離がさらに近くなるので、磁力が増し、より強力な保
持力を安定してえることができる。その反面、金属の表
面と塗料などによりコーディングした場合であっても損
傷しやすく、錆などの問題が発生し易い。また、壁体1
の表面5が装飾に乏しい感じになるという問題もある。
したがって、壁体1のデザインは、その表面全体を壁面
パネルで覆うのか、あるいはその一部を壁面パネルで覆
うのか、さらには、その壁体1で区切られる部屋の用途
などによって様々なものを選択しうる。
【0037】また、以上では、壁体1の表面5の全面に
壁面パネル11などを配置して壁面を構成するシステム
ウォールを例に本発明を説明しているが、本発明に係る
マグネットシートを用いることにより強力な保持力を安
定して得ることができるので、壁面パネル11などを単
体で壁体1に取り付ける場合にも有効である。このよう
な場合は、上述した構造の壁面パネルは壁掛け、すなわ
ち、壁飾りとなる。そして、これらを単独で壁に取りつ
けても安定して壁の所定の位置に保持できる。また、本
例のマグネットシート20であれば壁に傷を付けずに多
少の重量物でも安定して保持できるので、絵画や花瓶、
その他の貴重品あるいは壊れ易いものを壁に飾る場合で
も利用できる。さらに、ほぞおよびほぞ孔のように壁と
壁掛けとに凹凸を設けて、この凹凸を組み合わせて垂直
荷重を負担させるようにすればいっそう安定して壁掛け
を保持することができることは上述した通りである。
【0038】また、本発明のマグネットシート20は、
強力は保持力が得られるので、上述したシステムウォー
ルあるいは壁掛け以外の用途においても有用である。例
えば、車体にマグネットにより表示あるいはアクセサリ
ーを取り付けるためにも有効であり、いっそう強力は付
着力を得ることができる。
【0039】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明は、磁力
によって壁体にパネルなどを取り付けるマグネットシー
トに係るものであり、マグネットシートの表面(裏面)
を分割することにより壁体の表面の凹凸あるいは歪みな
どによる影響を局所的な範囲に止められるようにしてい
る。したがって、壁体の表面の状況に関わらず、強力な
保持力を安定して得ることが可能であり、壁体に壁面パ
ネルを磁力により取り付けるシステムウォールを構築す
るのに好適なマグネットシートを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシステムウォールの壁体を示す図
である。
【図2】本発明に係るシステムウォールの壁面パネルを
示す図であり、図2(a)、(c)、(d)および
(f)は、壁面パネルの正面図であり、図2(b)、
(e)および(g)は、壁面パネルの側面図である。
【図3】本発明に係るシステムウォールの一例を示す図
である。
【図4】図2に示した壁面パネルの裏面に設けられたマ
グネットシートの概要を示す図である。
【図5】図4に示すマグネットシートを壁体に取り付け
た状態を示す図である。
【図6】図3と異なるシステムウォールの例を示す図で
ある。
【図7】さらに異なるシステムウォールの例を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 壁体 2 パンチングメタル(磁性体) 3 コーディング材 4 ほぞ孔 5 壁体の表面 10 システムウォール 11、13、15、18 壁面パネル(壁掛け) 12 化粧パネル 16 透明ケース 17 小物入れ 20 マグネットシート(マグネットプレート) 21 磁着層 22 吸収層 27 ほぞ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 壁面を構成する部材の少なくとも1部が
    磁性体である壁体に取り付け可能な可撓性のマグネット
    シートであって、前記壁体に面する側に、少なくとも表
    面が磁化され、ほぼ独立して変形可能な複数の分割片を
    有する磁着層が形成されているマグネットシート。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記壁体に面する側
    に、複数の切れ込みが縦横に形成されているマグネット
    シート。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記磁着層に重ね
    て、圧力により変形する吸収層が積層されているマグネ
    ットシート。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載のマ
    グネットシートを本体の裏面に有する壁面パネル。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記本体の裏面に前
    記壁体にさし込み可能な突起を有することを特徴とする
    壁面パネル。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の壁体と、 所定のサイズを単位としてデザインされ、請求項1ない
    し3のいずれかに記載のマグネットシートを裏面に備え
    た壁面パネルとを有するシステムウォール。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006204664A (ja) * 2005-01-31 2006-08-10 Shoei Kagaku Kk 組合せ鏡
JP2017146339A (ja) * 2016-02-15 2017-08-24 株式会社ナム 磁石片吸着用粘着部材
JP2018036607A (ja) * 2016-09-02 2018-03-08 住友ベークライト株式会社 広告表示化粧板の施工方法、および積層体

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