JP6470547B2 - パネル体 - Google Patents

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Description

本発明は、化粧パネルを構成するパネル体に関する。
オフィスや公共施設、商業施設等の空間において、空間を仕切る壁面や、什器の側面などに化粧パネルを取り付けて壁面や什器の意匠を変更し、空間の雰囲気を変化させることが行われている。このような化粧パネルを用いることで、壁面の仕上げ材を貼り直したり什器を交換したりしなくても空間の雰囲気を簡便にかつ安価で変化させることができる。
このような化粧パネルとして、剛性を有するパネル状の基材と、基材の表面に設けられたクロスなどの表皮材とを有する構成のものがよく用いられている(例えば、特許文献1参照)。そして、使用者が要望する空間の雰囲気に合わせた質感や色彩の表皮材を有する化粧パネルを壁面や什器の側面などに取り付けることで、使用者の要望する雰囲気の空間を提供することができる。
特開2010−261254号公報
このような化粧パネルは、表皮材の質感や色彩を選択することで、視覚の点で使用者の要望に合った雰囲気とすることができるが、柔らかな雰囲気としたい場合、使用者が視覚の点に加えて、触覚の点でも柔らかさを感じられることが望まれている。
そこで、本発明は、使用者が視覚に加えて触覚の点でも柔らかさを感じることができるパネル体(化粧パネル)を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るパネル体は、パネル状に形成され一方の面が取り付け対象面に対向して取り付け可能な基材と、該基材の他方の面および該他方の面の外周縁を含む外周端部を覆う軟性材と、前記基材および前記軟性材を覆い前記基材に固定された表皮材と、を備え、前記基材の外周端部には、少なくとも一部に前記基材の内方に向けて凹んだ溝部が形成され、前記軟性材の外周縁部および前記表皮材の外周縁部は、前記基材の外周端部を巻き込むように折り曲げられて前記溝部の内側に挿入され、前記表皮材の外周縁部が前記溝部の内側に挿入された状態で前記基材に固定されていることを特徴とする。
本発明では、基材の他方の面およびこの他方の面の外縁部を含む外周端部が軟性材に覆われているため、取り付け対象面に取り付けられたパネル体のうち露出して使用者が触れることができる部分には、基材および軟性材を覆った表皮材が配置されていることになる。このため、パネル体に対して使用者が視覚に加えて触覚の点でも柔らかさを感じることができる。
また、本発明に係るパネル体では、前記基材の外周端部には、少なくとも一部に前記基材の内方に向けて凹んだ溝部が形成され、前記表皮材の外周縁部が前記溝部の内側に挿入された状態で前記基材に固定されている。
このような構成とすることにより、表皮材の外周縁部が露出しないため、パネル体の外観を良好にすることができるとともに、表皮材の外周縁部の処理を簡便に行うことができるため、パネル体の製造の簡便化を図ることができる。
また、本発明に係るパネル体では、前記軟性材のうち前記基材の前記他方の面の外周縁を含む外周端部を覆う外周縁部が弾性を有していて、前記表皮材は、前記軟性材の前記外周縁部を圧縮方向に弾性変形させるとともに巻き込むように覆っていることが好ましい。
このような構成とすることにより、軟性材の外周縁部が表皮材に巻き込まれて丸みを帯びた形状となるため、パネル体の外周端部を丸みを帯びた形状とすることができる。これにより、パネル体を視覚の点でより柔らかな雰囲気にすることができる。
また、本発明に係るパネル体では、前記基材には、前記取り付け対象面に吸着可能な磁石が設けられていることが好ましい。
このような構成とすることにより、磁性を有する取り付け対象面にパネル体を容易に着脱することができる。なお、磁性を有する取り付け対象面とは、表面そのものが磁性を有している面に加え、表面そのものが磁性を有していなくても磁性体が近接していて磁石が吸着可能な面も含んでいる。
また、本発明に係るパネル体では、前記基材には、前記一方の面に前記基材の内方に向けて凹んだ凹部が形成され、該凹部に前記磁石が設けられていることが好ましい。
このような構成とすることにより、基材の一方の面から磁石が突出しない、または基材の一方の面から磁石が突出する寸法を抑えることができるため、パネル体が取り付け対象面に取り付けられた際に、取り付け対象面からの突出寸法を抑えることができる。
また、前記磁石は、少なくとも一部が前記基材の前記一方の面よりも突出していても良い。
このような構成とすることにより、取り付け対象面に磁石を吸着させて取り付けると、磁石が一方の面よりも突出しているために、取り付け対象面と基材の一方の面との間に隙間を作ることができる。この隙間により形成される空気層を吸音層として機能させることができ、これによりパネル体の吸音性能を向上させることができる。
本発明によれば、基材の他方の面およびこの他方の面の外縁部を含む外周端部に、軟性材が配されるため、取り付け対象面に取り付けられたパネル体のうち露出して使用者が触れることができる部分には、基材および軟性材を覆った表皮材が配置されていることになる。このため、パネル体に対して使用者が視覚に加えて触覚の点でも柔らかさを感じることができる。
(a)は本発明の実施形態によるパネル体が什器の側面に取り付けられた様子を示す図、(b)は本発明の実施形態によるパネル体が壁面に取り付けられた様子を示す図である。 図1のA−A線断面図である。 本発明の実施形態によるパネル体の分解斜視図である。 表皮材係止部を説明する図である。 (a)は表皮材をパネル基材に係止する手順を説明する図でパネル体を裏側から見た図、(b)は(a)に続く表皮材をパネル基材に係止する手順を説明する図、(c)は(b)に続く表皮材をパネル基材に係止する手順を説明する図である。
以下、本発明の実施形態によるパネル体について、図1乃至図5に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態によるパネル体1は、略矩形の平板状に形成されていて、一方の面1aが什器11(図1(a)参照)の側面11aや壁面12(図1(b)参照)などの取り付け対象面13に対向して取り付けられ、他方の面1bが露出するように使用されている。
ここで、パネル体1に対して、一方の面1a側を裏側とし、他方の面1b側を表側とする。また、図1(a)に示すように、パネル体1をその面が鉛直面となるように設置した状態において、その面に直交する方向を厚さ方向とし、鉛直方向を高さ方向とし、厚さ方向および高さ方向に直交する方向を幅方向とする。なお、図1(b)に示すパネル体1は、幅方向が上下方向となるようにして壁面12に取り付けられている。
図2および図3に示すように、パネル体1は、平板状のパネル基材(基材)2と、パネル基材2の表側の面2bおよび表側の面2bの外周縁2dを含む外周端部2cに沿って連続して設けられたクッション材(軟性材)3と、パネル基材2およびクッション材3をクッション材3の表側から覆いパネル基材2に固定される表皮材4と、パネル基材2に固定されパネル体1を取り付け対象面13に着脱可能とする着脱部5と、を備えている。なお、図3に示されているクッション材3および表皮材4は、製造工程におけるパネル基材2を覆う前の形状に描かれている。
パネル基材2は、板面が厚さ方向を向く3枚の平板状のフェルト芯材21〜23を厚さ方向に重ねあわせて接着した3層構造に形成されている。ここで、3枚のフェルト芯材21〜23のうち、表側に配置されているものを第1フェルト芯材21とし、裏側に配置されているものを第3フェルト芯材23とし、第1フェルト芯材21と第3フェルト芯材23の間に配置されているものを第2フェルト芯材22とする。
第1フェルト芯材21および第3フェルト芯材23は、厚さ方向から見て4つの角部にそれぞれRが形成された略矩形状に形成され、第2フェルト芯材22は、4つの角部にそれぞれ隅切りが形成された略矩形状に形成されている。
第1フェルト芯材21、第2フェルト芯材22および第3フェルト芯材23は、略同じ厚さ寸法に形成されている。
第1フェルト芯材21は、第2フェルト芯材22および第3フェルト芯材23と比べて幅寸法および高さ寸法が大きく形成されている。また、第2フェルト芯材22は、第3フェルト芯材23と比べて幅寸法および高さ寸法が小さく形成されている。
そして、第1フェルト芯材21の外周端面(外周端部)21cは、第2フェルト芯材22の外周端面(外周端部)22cおよび第3フェルト芯材23の外周端面(外周端部)23cよりも全周にわたって外側に配置され、第2フェルト芯材22の外周端面22cは、第3フェルト芯材23の外周端面23cよりも全周にわたって内側に配置されている。
これにより、パネル基材2の外周端部2cには、第1フェルト芯材21の裏側の面21aの外周端面21c近傍と、第3フェルト芯材23の表側の面23bの外周端面23c近傍と、第2フェルト芯材22の外周端面22cによって構成された溝部24(図2参照)が全周にわたって形成されている。
また、第2フェルト芯材22には、厚さ方向に貫通し厚さ方向から見て略矩形に形成された複数の貫通孔22d,22d…が形成されている。本実施形態では、9の貫通孔22d,22d…が、幅方向に所定の間隔をあけて3つずつ、高さ方向に所定の間隔をあけて3つずつ配列されている。
また、第3フェルト芯材23には、厚さ方向に貫通し厚さ方向から見て略矩形に形成された複数の貫通孔23d,23d…が形成されている。本実施形態では、9の貫通孔23d,23d…が、幅方向に所定の間隔をあけて3つずつ、高さ方向に所定の間隔をあけて3つずつ配列されている。
図2に示すように、第2フェルト芯材22の貫通孔22dと、第3フェルト芯材23の貫通孔23dとは、厚さ方向に重なる位置に配置されている。そして、第2フェルト芯材22の貫通孔22dは、表側が第1フェルト芯材21によって塞がれ、第3フェルト芯材23の貫通孔23dは、裏側が開放されている。これにより、パネル基材2には、裏側の面2aから内側に凹んだ凹部25が形成されている。
また、第2フェルト芯材22の貫通孔22dは、高さ寸法が第3フェルト芯材23の貫通孔23dの高さ寸法と略同じで、幅寸法が第3フェルト芯材23の貫通孔23dの幅寸法よりも大きく形成されている。なお、第2フェルト芯材22の貫通孔22dと、第3フェルト芯材23の貫通孔23dとは、幅方向の中心線を厚さ方向に合せるようにして配置されている。
また、図3および図4に示すように、パネル基材2の角部近傍には、溝部24と厚さ方向に重なる位置に、表皮材4を係止するための表皮材係止部26が形成されている。表皮材係止部26は、第3フェルト芯材23の4つの角部にそれぞれ形成されている。表皮材係止部26は、第3フェルト芯材23を厚さ方向にそれぞれ貫通して溝部24と第3フェルト芯材23の裏側の面23a側とを連通させる孔部(連通部)27および切り込み部(連通部)28を有している。
孔部27は、厚さ方向から見て円形状に形成されている。
切り込み部28は、1つの点で交差する4つの直線状の切り込み28a,28a…からなり、これらの4つの切り込み28a,28a…がそれぞれ第3フェルト芯材23を厚さ方向に貫通している。
孔部27と切り込み部28とは近接していて、厚さ方向から見て切り込み部28が孔部27よりも第3フェルト芯材23の対角方向の内側に配置されている。
図2および図3に戻り、クッション材3は、例えば、発泡ウレタン材等の柔軟性と弾性を有する材料で形成されている。クッション材3は、パネル基材2の第1フェルト芯材21の表側の面21bと外周端面21cを一体に覆っている。本実施形態では、クッション材3の外周縁部3cはパネル基材2の溝部24(図2参照)に挿入されている。
なお、図3に示すように、クッション材3は、パネル体1の製造工程において、高さ寸法および幅寸法がパネル基材2の第1フェルト芯材21よりも大きい略矩形の平板状に形成されている。そして、図2に示すように、クッション材3の外周縁部3cは、第1フェルト芯材21の外周端面21cを巻き込むように折り曲げられてパネル基材2の溝部24に挿入されている。
また、図2および図3に示すように、本実施形態では、クッション材3に厚さ方向に貫通する複数の貫通孔31,31…が形成されている。貫通孔31,31…は、厚さ方向から見て高さ方向に延びる長孔状に形成され、6つの貫通孔31,31…が、幅方向にそれぞれ所定の間隔をあけて3つずつ、高さ方向にそれぞれ間隔をあけて2つずつ配列されている。なお、高さ方向の上側に配置されている貫通孔31,31…は、下側に配置されている貫通孔31,31…よりも高さ寸法が長い長孔状に形成されている。
そして、図2に示すように、クッション材3がパネル基材2の第1フェルト芯材21の表側の面21bを覆うと、貫通孔31の裏側に第1フェルト芯材21が配置され、クッション材3の貫通孔31の内周面および第1フェルト芯材21の表側の面21bによって凹部32が形成されている。
表皮材4は、例えばポリエステルの布材等、弾性変形可能な材質で形成されている。表皮材4は、表側の面2bにクッション材3が設けられたパネル基材2を、クッション材3の表側から覆っている。表皮材4の外周縁部4cはパネル基材2の溝部24に挿入されている。
なお、図3に示すように、表皮材4は、パネル体1の製造工程において、高さ寸法および幅寸法がクッション材3よりも大きい略矩形状に形成されている。そして、表皮材4の外周縁部4cは、クッション材3の外周縁部3c近傍および第1フェルト芯材21の外周端面21cを巻き込むように折り曲げられてパネル基材2の溝部24に挿入されている。
そして、図5(a)に示すように、表皮材4の外周縁部4cの角部4dは、パネル基材2の溝部24に挿入されると、図5(b)に示すように、第3フェルト芯材23の表側から第3フェルト芯材23の表皮材係止部26の孔部27に挿入される。そして、図5(c)に示すように、孔部27を貫通し第3フェルト芯材23の裏側に引き出された表皮材4の外周縁部4cの角部4dは、第3フェルト芯材23の裏側から第3フェルト芯材23の表皮材係止部26の切り込み部28に押し込まれて溝部24に挿入されている。このとき、表皮材4の外周縁部4cの角部4dは切り込み部28に係止されている。
このとき、孔部27と切り込み部28との間の表皮材4の外周縁部4cは、第3フェルト芯材23の裏側に配置されているが、孔部27と切り込み部28とが近接しているため、表皮材4の外周縁部4cのうち第3フェルト芯材23の裏側に配置された部分はわずかな量となっている。また、表皮材4の外周縁部4cのうち第3フェルト芯材23の裏側に配置された部分は、第3フェルト芯材23の裏側の面23aからほとんど突出しないように、第3フェルト芯材23の裏側の面23aに沿うように均されている。
ここで、図2に示す表皮材4は、弾性変形可能な材質で形成されていることにより、伸長した状態でクッション材3およびパネル基材2を覆っている。このため、第1フェルト芯材21の外周端面21cを覆うクッション材3は、表皮材4に押されるように圧縮方向に弾性変形し、パネル体1の外周端部1cが丸みを帯びた状態となっている。
また、図2および図3に示すように、表皮材4は、クッション材3の全体を覆うよう設けられている。表皮材4は、クッション材3の外表面3aと、貫通孔31において外表面3aに直交する内周面31bと、貫通孔31の底部に露出する第1フェルト芯材21の表側の面21bとに沿うよう、接着されている。このようにして、表皮材4が、クッション材3に形成された複数の貫通孔31に沿うことで、パネル体1の表面には、複数の長円形状の凹部1dが形成されている。そして、各凹部1dにおいて、表皮材4は、貫通孔31を通して、パネル基材2の表面を形成する第1フェルト芯材21に接着されている。ここで、表皮材4は、例えばポリエステル等、弾性変形可能な材質で形成され、伸長した状態でクッション材3及びパネル基材2を覆っている。クッション材3は、外表面3a側の貫通孔31の周縁において外方に向けて凸となる角部31aが、表皮材4によって内方に向けて押圧される。これにより、クッション材3は、角部31aにおいて圧縮方向に弾性変形し、貫通孔31の角部31aは、円弧状断面とされている。
着脱部5は、取り付け対象面13に吸着可能な磁石51と、磁石51をパネル基材2に係止する磁石係止具52と、を有している。
磁石係止具52は、鋼板などの板材を断面形状ハット状に形成した部材で、板面が厚さ方向を向く略矩形板状の第1板部53と、第1板部53の幅方向の両端部からそれぞれ厚さ方向の一方側(表側)に突出する略矩形板状の一対の第2板部54,54と、一対の第2板部54,54の厚さ方向の一方側の端部から幅方向のそれぞれ離間する方向に突出する板面が略矩形板状の一対の第3板部55,55と、を有している。なお、一対の第2板部54,54の板面はそれぞれ幅方向を向き、一対の第3板部55,55の板面はそれぞれ厚さ方向を向いている。
磁石係止具52は、厚さ方向から見て、第2フェルト芯材22の貫通孔22dよりもやや小さい略矩形状に形成されている。また、磁石係止具52の第1板部53は、厚さ方向から見て第3フェルト芯材23の貫通孔23dよりもやや小さい略矩形状に形成されている。
このような磁石係止具52は、パネル基材2の凹部25内に配置されて、第3板部55,55側が第2フェルト芯材22の貫通孔22d内に配置され、第1板部53側が第3フェルト芯材23の貫通孔23d内に配置されている。そして、一対の第3板部55,55の表側の面55bが、第1フェルト芯材21の裏側の面21aに固定されている。
なお、第3板部55の厚さ寸法は、第2フェルト芯材22の厚さ寸法よりも小さく設定されていて、第3板部55の裏側に第3フェルト芯材23が配置されている。また、第1板部53の裏側の面53aは、第3フェルト芯材23の裏側の面23aよりも内側(表側)に位置している。
図2に示すように、磁石51は、平板状に形成されていて、一方の面51bが磁石係止具52の第1板部53の裏側の面53aに固定されている。そして、磁石51の他方の面51aは、第3フェルト芯材23の裏側の面23aと略面一に配置されている。
ここで、取り付け対象面13は、磁石51が吸着可能に構成されている。なお、取り付け対象面13は、表面そのものが磁性を有していてもよいし、表面そのものが磁性を有していなくても磁性体が近接していて磁石51が吸着可能に構成されていてもよい。
そして、取り付け対象面13に対してパネル体1の裏側の面1aを接触させると、磁石51が取り付け対象面13に吸着し、パネル体1が取り付け対象面13に固定される。
次に、上述したパネル体1の作用・効果について図面を用いて説明する。
上述した本実施形態によるパネル体1では、パネル基材2の第1フェルト芯材21の表側の面21bおよび表側の面21bの外周縁21dを含む外周端面21cがクッション材3に覆われている。これにより、取り付け対象面13に取り付けられたパネル体1のうち露出して使用者が触れることができる部分には、パネル基材2およびクッション材3を覆った表皮材4が配置されていることになる。このため、パネル体1に対して使用者が視覚に加えて触覚の点でも柔らかさを感じることができる。
また、クッション材3は弾性を有していて、表皮材4はクッション材3の外周縁部3cを圧縮方向に弾性変形させてクッション材3およびパネル基材2を覆っている。これにより、クッション材3の外周縁部3cが表皮材4に巻き込まれて丸みを帯びた形状となり、パネル体1の外周端部1cを丸みを帯びた形状とすることができる。これにより、パネル体1を視覚の点でより柔らかな雰囲気にすることができる。
また、パネル基材2には、磁石51を有する着脱部5が設けられていることにより、磁性を有する取り付け対象面13に対してパネル体1を容易に着脱することができる。
また、パネル基材2には、裏側の面2aからの内方に向けて凹んだ凹部25が形成され、凹部25に着脱部5が配置されている。これにより、パネル基材2の裏側の面2aから着脱部5が突出しないため、パネル体1が取り付け対象面13に取り付けられた際に、パネル体1の取り付け対象面13からの突出寸法を抑えることができる。このため、パネル体1が取り付けられた什器や壁面などの外観を良好にすることができる。
また、パネル基材2の外周端部2cには、溝部24が形成され、表皮材4の外周縁部4cが溝部24の内側に巻き込まれた状態でパネル基材2に固定されていることにより、表皮材4の外周縁部4cが露出しないため、パネル体1の外観を良好にすることができる。また、表皮材4の外周縁部4cの処理を簡便に行うことができるため、パネル体1の製造の簡便化を図ることができる。
以上、本発明によるパネル体の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、パネル体1は、平板状に形成されているが、屈曲した面状や、曲面状などに形成されていて、屈曲した取り付け対象面や曲面状の取り付け対象面などに取り付けられるように構成されていてもよい。
また、パネル体1が取り付けられる取り付け対象面13は、什器の11の側面11aや壁面12以外でもよく、例えば、建具などに取り付けられてもよい。また、什器11の天板など鉛直面以外の取り付け対象面13に取り付けてもよい。
また、上記の実施形態では、パネル基材2は、3つのフェルト芯材21〜23を接着した3層構造であるが、フェルト芯材による3層以外の構造であってもよいし、フェルト芯材21〜23に代わって、紙系材料、樹脂系材料、木質系材料などで形成されたパネル基材2としてもよい。なお、パネル基材2にフェルト芯材を用いることで、パネル基材2の軽量化を図ることができる。また、パネル基材2は、フェルト芯材以外で形成された場合も、外周端部2cに溝部24が形成されていてもよいし、溝部24が形成されていなくてもよい。また、上記の実施形態では、クッション材3に貫通孔31が形成されていて、パネル体1の表側の面に凹部が形成されているが、クッション材3に貫通孔31が形成されず、パネル体1の表側の面に凹部が形成されていなくてもよい。
また、上記の実施形態では、パネル基材2の外周端部2cに溝部24が形成され、溝部24にクッション材3の外周縁部3cおよび表皮材4の外周縁部4cが挿入されているが、パネル基材2の外周端部2cに溝部24が形成されておらず、クッション材3の外周縁部3cおよび表皮材4の外周縁部4cがパネル基材2の裏側に巻き込まれていてもよい。
また、上記の実施形態では、パネル基材2の全周にわたって溝部24が形成されているが、パネル基材2の外周端部2cの一部または複数の部分に溝部が形成され、この溝部に表皮材4およびクッション材3の一部または複数の部分が挿入されていてもよい。
また、上記の実施形態では、孔部27と切り込み部28とを有する表皮材係止部26によって表皮材4がパネル基材2に固定されているが、表皮材係止部26以外の手段によって表皮材4がパネル基材2に固定されていてもよい。
また、上記の実施形態では、パネル体1は、パネル基材2に設けられた磁石51を有する着脱部5によって取り付け対象面13に着脱可能に構成されているが、着脱部5に代わって吸盤や接着剤、ビスなどの固定具などによって取り付け対象面13に取り付けられる構成としてもよい。
また、上記の実施形態では、着脱部5の磁石51は、磁石係止具52を介してパネル基材2に固定されているが、磁石係止具52を介さずにパネル基材2に直接固定されていてもよい。また、磁石係止具52が設けられている場合も、磁石係止具52の形状は適宜設定されてよい。
また、上記の実施形態では、着脱部5は、パネル基材2の裏側の面2aに形成された凹部25の内部に配置されているが、パネル基材2の裏側の面2aに凹部25が形成されず、パネル基材2の裏側の面2aなどに取り付けられていてもよい。
また、磁石51の他方の面51aは、第3フェルト芯材23の裏側の面23aと略面一に配置されているとしたが、これに限るものではない。例えば、凹部25の内部に磁石51が配置されつつ、その一部が裏側の面2aから突出しても良い。また、凹部25aが無い構成とし、磁石51全体が裏側の面2aから突出するようにしても良い。いずれにおいても、磁石51の他方の面51aが裏側の面23aから突出した位置に配置されることで、他方の面51aを取り付け対象面13に当接させるようにして磁石を吸着させた場合、取り付け対象面13とパネル体1の裏側の面23aとの間には隙間を作ることができる。このため、この隙間により形成される空気層を吸音層として機能させることができ、これによりパネル体の吸音性能を向上させることができる。
また、表皮材4は、上記のようにクッション材3の外表面3aと、貫通孔31の内周面31bと、第1フェルト芯材21の表側の面21bとに沿うよう、接着されているが、表皮材4を形成する生地が弾性的に伸縮して撓むことで沿う形態に限るものではない。表皮材4を、クッション材3の外表面3aと、貫通孔31の内周面31bと、第1フェルト芯材21の表側の面21bとにより形成される凹部と対応する凸部形状にプレス成型等で塑性変形させて、当該凸部を凹部に嵌合させるようにしても良い。このようにプレス成型等で塑性変形させて凸形状を形成するようにすることで、表皮材4が伸縮性の低い材料であったとしても、パネル体1に容易に凹部1dを形成することができる。
1 パネル体
2 パネル基材(基材)
2a 裏側の面(一方の面)
2b 表側の面(他方の面)
2c 外周端部
2d 外周縁
3 クッション材(軟性材)
3c 外周縁部
4 表皮材
4c 外周縁部
5 着脱部
13 取り付け対象面
21c 外周端面(外周端部)
22c 外周端面(外周端部)
23c 外周端面(外周端部)
24 溝部
25 凹部
51 磁石

Claims (5)

  1. パネル状に形成され一方の面が取り付け対象面に対向して取り付け可能な基材と、
    該基材の他方の面および該他方の面の外周縁を含む外周端部を覆う軟性材と、
    前記基材および前記軟性材を覆い前記基材に固定された表皮材と、を備え
    前記基材の外周端部には、少なくとも一部に前記基材の内方に向けて凹んだ溝部が形成され、
    前記軟性材の外周縁部および前記表皮材の外周縁部は、前記基材の外周端部を巻き込むように折り曲げられて前記溝部の内側に挿入され、
    前記表皮材の外周縁部が前記溝部の内側に挿入された状態で前記基材に固定されていることを特徴とするパネル体。
  2. 前記軟性材のうち前記基材の前記他方の面の外周縁を含む外周端部を覆う外周縁部が弾性を有していて、
    前記表皮材は、前記軟性材の前記外周縁部を圧縮方向に弾性変形させるとともに巻き込むように覆っていることを特徴とする請求項1に記載のパネル体。
  3. 前記基材には、前記取り付け対象面に吸着可能な磁石が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のパネル体。
  4. 前記基材には、前記一方の面に前記基材の内方に向けて凹んだ凹部が形成され、
    該凹部に前記磁石が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のパネル体。
  5. 前記磁石は、少なくとも一部が前記基材の前記一方の面よりも突出していることを特徴とする請求項3または4に記載のパネル体。
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