JP2001066433A - 光学補償シート - Google Patents

光学補償シート

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JP2001066433A JP24309899A JP24309899A JP2001066433A JP 2001066433 A JP2001066433 A JP 2001066433A JP 24309899 A JP24309899 A JP 24309899A JP 24309899 A JP24309899 A JP 24309899A JP 2001066433 A JP2001066433 A JP 2001066433A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、液晶性高分子を用いた光学
補償シートを組み込んだLCDにおいて、視野によるコ
ントラストの低下などを改善し、かつ従来の液晶性高分
子を用いた光学補償シートではなしえなかった液晶性高
分子の配向状態の完全な保持、及び膜安定性、膜強度に
優れた光学補償シートを提供することにある。 【解決手段】 透明支持体上に少なくとも一層の配向膜
層及び少なくとも一層の液晶性高分子が配向状態を示す
層を有する光学補償シートにおいて、該液晶性高分子が
熱又は光エネルギーを加えることにより反応を起こし得
る化学反応性基を有し、該液晶性高分子が液晶状態にお
いて形成した配向状態を化学反応性基間の反応によって
固定化せしめたことを特徴とする光学補償シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレイ
において、視野によるコントラストの低下などを改善す
るための光学補償シートに関し、詳しくは、従来の液晶
性高分子を用いた光学補償シートではなしえなかった配
向状態を完全に保持することによる膜安定性、膜強度に
優れた光学補償シートに関する。
【0002】
【従来の技術】現在用いられているアクティブマトリッ
クス駆動のツイステッドネマティック型液晶表示素子
(以下TN−LCDと省略する)は低電圧駆動、低消費
電力、薄型、軽量化が可能であり、多様な表示機能をも
たせることが可能であることなど数多くの特徴を有して
おり、又、正面から見た場合CRTに匹敵する画質を有
することからワードプロセッサ、ノートパソコン、携帯
用情報端末のみならずデスクトップ型のパソコン等の表
示装置としても広く利用されている。しかしながら、従
来のTN−LCDにおいては、液晶分子を利用するため
に必然的に発生する複屈折性のために、斜めから見たと
きに表示色が変化すること或いは表示コントラストが低
下するといった視野角の問題が根本的に避けられず、そ
の改良が強く望まれている。TN−LCDは駆動方式で
分類すれば、単純マトリックス方式、能動素子を電極と
して用いるTFT(Thin Film Transi
ster)電極、MIM(Metal Insulat
er Metal)、或いはTFD(Thin Fil
m Diode)電極を用いるアクティブマトリックス
方式などのように細分化できる。本発明の補償シートは
いずれの駆動方式に関しても絶大なる効果を有する。
尚、公知の技術であるハーフトーングレースケール方式
や、ドメイン分割方式など、液晶表示素子(LCD)の
視野角拡大を液晶セルの側から行おうという試みで考え
られたものであり、これらのような方式で視野角がある
程度改善されたLCDに対しても本発明の補償シートは
有効に作用し、さらなる視野角拡大が可能となる。
【0003】上記のような問題に関して改良のために様
々な試みがなされている。TN−LCDの表示方法に変
化を与えることで問題を解決しようという方法がある。
1つの画素を複数に分割してそれぞれの画素への印加電
圧を一定の比率で変化させる方法(half tone
方式)、一つの画素を複数に分割してそれぞれの部分で
液晶分子の立ち上がりの方向を変化させる方法(マルチ
ドメイン方式)、液晶分子をディスプレイと平行方向の
電圧をかける方法(IPS方式)、負の誘電異方性をも
った液晶分子を垂直に配向させ駆動する方法(VA方
式)、ベンド配向セルと光学補償シートの組み合わせに
よる方法(OCB方式)などが開発されている。これら
の方法は一定の効果が認められるものの、配向膜、電極
など様々な面においてTN−LCDの構造を大きく変え
る必要があることから従来の方式に比べ、新たな製造技
術の確立、新たな製造設備の設置が必要となり、結果と
して製造の困難さ、コスト高を招いている。
【0004】一方、TN−LCDの構造は一切変えず、
従来のTN−LCDに光学補償シートを組み込むことで
視野角を拡大させる方法がある。この方法はTN−LC
D製造設備の増設等が不要であることからコスト的に優
れており、又簡便に使用できる利点があるため注目され
ており多くの提案がある。ノーマリーホワイト(NW)
モードのTN−LCDに視野角問題が発生する原因は、
電圧を印加した黒表示時の液晶分子の配向状態にある。
この場合液晶分子はセル中で基板に対してほぼ垂直配向
しており、光学的に正の一軸性となっている。従って視
野角を広げるための光学補償シートとしては液晶セルの
黒表示時の正の一軸性を補償するために、光学的に負の
一軸性を示すフィルムを用いる提案がなされている。
又、セル中の液晶分子が黒表示時においても配向膜界面
付近ではセル界面と平行もしくは傾いた配向をしている
ことに着目し、光学軸が傾いた負の一軸性のフィルムを
用いて補償することによって、更に視野角拡大効果を高
める方法も検討されている。
【0005】例えば、特開平4−349424号、同6
−250166号公報にはらせん軸が傾いたコレステリ
ックフィルムを用いた光学補償シート及びそれを用いた
LCDが提案されている。しかしながららせん軸が傾い
たコレステリックフィルムを製造することは困難であ
り、実際にもこれらの特許中にはらせん軸を傾けるため
の方法が全く記載されていない。又、特開平5−249
547号、同6−331979号公報には光軸の傾いた
負の光学一軸性補償基を用いたLCDが提案されてお
り、具体的な実施態様としては多層薄膜補償基を用いて
いる。更に特開平7−146409号、同8−5837
号公報などにおいて光軸が傾いた負の一軸性補償シート
としてディスコティック液晶を傾斜配向させた光学補償
シート及びそれを用いたLCDが提案されている。しか
しながらディスコティック液晶は化学構造が複雑であ
り、合成が煩雑であることから結果的にコスト高となっ
てしまう。
【0006】補償シートの他の形態としては正の一軸性
を有する液晶性高分子を用いたフィルムも提案されてい
る。例えば、特開平7−140326号公報においてね
じれチルト配向した液晶性高分子フィルムからなるLC
Dの視野角拡大フィルムが用いられている。しかしなが
らチルト配向に加えてねじれ配向を導入することは工業
的には容易ではない。又、特開平7−198942号、
同7−181324号公報には類似技術として、ネマテ
ィック液晶性高分子を光軸が板面と交差する様に配向さ
せたフィルムからなる視野角補償板及びそれを用いたL
CDが提案されている。しかしながらこの場合も光軸を
単純に傾斜させた補償板を用いているため、視野角拡大
効果は充分には得られていない。
【0007】これらの問題を解決する方法として、特開
平10−186356号公報には、正の一軸性を有する
液晶性高分子を熱処理によって配向させ、ガラス転位点
以下にすることでその配向状態を保持した光学補償シー
トが開発され、工業的なコストの面のみならず光学補償
に関しても非常に優れた機能を有していることが提案さ
れている。しかしながらこのフィルムは、液晶性高分子
の配向状態を、高分子がガラス転位点以下では流動性を
失うことを利用して保持しているにすぎず、実際は配向
状態の完全な保持は不可能であり、又、膜安定性、及び
膜強度の面で大きな問題を抱えていることからこれらの
点において改良が強く望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、液晶
性高分子を用いた光学補償シートを組み込んだLCDに
おいて、視野によるコントラストの低下などを改善し、
かつ従来の液晶性高分子を用いた光学補償シートではな
しえなかった液晶性高分子の配向状態の完全な保持、及
び膜安定性、膜強度に優れた光学補償シートを提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の手段
により達成される。
【0010】1.透明支持体上に少なくとも一層の配向
膜層及び少なくとも一層の液晶性高分子が配向状態を示
す層を有する光学補償シートにおいて、該液晶性高分子
が熱又は光エネルギーを加えることにより反応を起こし
得る化学反応性基を有し、該液晶性高分子が液晶状態に
おいて形成した配向状態を化学反応性基間の反応によっ
て固定化せしめたことを特徴とする光学補償シート。
【0011】2.透明支持体上に少なくとも一層の配向
膜層及び少なくとも一層の液晶性高分子が配向状態を示
す層を有する光学補償シートにおいて、少なくとも一種
の熱又は光エネルギーによって該液晶性高分子と化学反
応可能な配向固定化化合物が該液晶性高分子含有層に含
まれることを特徴とする光学補償シート。
【0012】3.透明支持体上に少なくとも一層の配向
膜層及び少なくとも一層の液晶性高分子が配向状態を示
す層を有する光学補償シートにおいて、少なくとも一種
の熱又は光エネルギーを加えることにより反応を起こし
得る化学反応性基を有する化合物が該液晶性高分子含有
層に含有され、かつ該化学反応性基を有する化合物が該
液晶性高分子とは化学的に反応せずに、液晶性高分子の
配向状態を固定化せしめたことを特徴とする光学補償シ
ート。
【0013】4.液晶性高分子含有層に含有される化学
反応性基を有する化合物が1分子中に少なくとも2つ以
上の化学反応性基を有する化合物である前記3に記載の
光学補償シート。
【0014】5.液晶性高分子が光学的に正の一軸性を
有し、かつ該液晶性高分子が塗布された光学補償シート
の光学異方性が負であることを特徴とする前記1〜4の
いずれか1項に記載の光学補償シート。
【0015】6.液晶性高分子がネマティックハイブリ
ッド配向である前記1〜5のいずれか1項に記載の光学
補償シート。
【0016】7.化学反応性基が光を照射することによ
って反応することを特徴とする前記1〜6のいずれか1
項に記載の光学補償シート。
【0017】8.化学反応性基が、不飽和エチレン性基
であることを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記
載の光学補償シート。
【0018】9.液晶性高分子含有層に重合開始剤を
0.001〜7重量%含むことを特徴とする前記7に記
載の光学補償シート。
【0019】以下本発明について更に詳しく説明する。
本発明の光学補償シートはTN−LCDの視野角依存性
を大幅に改善するものである。先ず、補償の対象となる
TN−LCDについて説明する。TN−LCDは駆動方
式で分類すれば、単純マトリックス方式、能動素子を電
極として用いるTFT電極,MIM、或いはTFD電極
を用いるアクティブマトリックス方式などのように細分
化できる。本発明の補償シートはいずれの駆動方式に関
しても絶大なる効果を発揮する。尚、公知の技術である
ハーフトーングレースケール方式や、ドメイン分割方式
など、LCDの視野角拡大を液晶セルの側から行おうと
いう試みで考えられた方式で視野角がある程度改善され
たLCDに対しても本発明の補償シートは有効に作用
し、更なる視野角拡大が可能となる。
【0020】上記の如きTN−LCDに対し、優れた視
野角拡大効果を与えうる本発明の補償シートは光学的に
正の一軸性を示す液晶性高分子、具体的には正の一軸性
を示す液晶性高分子化合物又は少なくとも1種の該液晶
性高分子化合物を含有する光学的に正の一軸性を示す液
晶性高分子組成物からなり、該液晶性化合物又は該液晶
性高分子組成物が液晶状態において形成したネマティッ
クハイブリッド配向状態を該液晶性高分子中又は該光学
的異方層内に含まれる別の化合物中の化学反応性基によ
る反応により固定化したものである。これにより従来の
光学補償シートでは得ることの出来なかった高い熱安定
性及び膜強度を光学補償シートに付与したものである。
【0021】本発明でいう液晶性高分子とはいわゆる高
分子、即ち分子量が1万以上のもので液晶性を有するも
のであればよい。
【0022】本発明の液晶表示素子用補償シートはネマ
ティックハイブリッド配向状態を光学異方層内の液晶性
高分子中又は該光学的異方層内に含まれる別の化合物中
の化学反応性基による反応により固定化したものを利用
するものである。本発明でいうネマティックハイブリッ
ド配向とは、光学異方層において液晶性高分子がネマテ
ィック配向しており、この時液晶性高分子のディレクタ
ーと光学異方層を含むフィルム平面のなす角度がフィル
ムの膜厚方向に変化している状態をいう。従って上面界
面近傍と下面界面近傍とで該ディレクターとフィルム平
面とのなす角度が異なっていることから、該フィルムの
上面と下面の間では該角度が連続的に変化しているもの
といえる。
【0023】本発明の補償シートはネマティックハイブ
リッド配向状態を該光学異方層中の液晶性高分子が有す
る化学反応性基、或いは該光学異方層中に含まれる化合
物が有する化学反応性基が様々な架橋反応を起こすこと
によって液晶状態における配向状態を固定化し、更には
その状態を広い条件で保持できるもので、そのために液
晶性高分子のディレクターがフィルムの膜厚方向ですべ
ての場所において異なる角度を向いている。従って本発
明の補償シートは、フィルムという構造体としてみた場
合、もはや光軸は存在しない。
【0024】本発明の透明支持体は光透過率が良好で、
80%以上であることが好ましい。これらの素材として
はトリアセチルセルロースなど、固有複屈折値が小さい
素材から形成された素材が好ましく、トリアセチルセル
ロースフィルム(コニカ(株)製)などを用いることが
できる。
【0025】但し、光透過率が良好であれば、固有屈折
率が大きい素材でも製膜時に特に正面から見たときに光
学的等方性を有するものが好ましい。この様な材料とし
ては、ゼオネックス(日本ゼオン(株)製)、ARTO
N(日本合成ゴム(株)製)などの市販品を使用するこ
とができる。更に、ポリカーボネート、ポリアリレー
ト、ポリスルフォン及びポリエーテルスルフォンなどの
固有複屈折率の大きい素材であっても、溶液流延、溶融
押し出し等の条件、更には縦、横方向に延伸条件等を適
宜設定することにより、得ることが出来る。
【0026】次に用いる配向膜について説明する。本発
明に用いることのできる配向基板として、具体的には面
内の異方性を有しているものが望ましく、ポリイミド、
ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、
ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポ
リケトンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリ
スルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニ
レンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、ア
クリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、
セルロース系プラスチックス、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂などのプラスチックフィルム基板及び一軸延伸プ
ラスチックフィルム基板、表面にスリット状の溝を付け
たアルミ、鉄、銅などの金属基板、表面をスリット状に
エッチング加工したアルカリガラス、ホウ珪酸ガラス、
フリントガラスなどのガラス基板などである。
【0027】本発明においては上記プラスチックフィル
ム基板にラビング処理を施したラビングプラスチックフ
ィルム基板、又はラビング処理を施したプラスチック薄
膜、例えばラビングポリイミド膜、ラビングポリビニル
アルコール膜などを有する上記各種基板、更に酸化珪素
の斜め蒸着膜などを有する上記各種基板なども用いるこ
とができる。
【0028】上記各種基板において、本発明の液晶性高
分子組成物をネマティックハイブリッド配向に形成せし
めるのに好適な該基板としては、ラビングポリイミド膜
を有する各種基板、ラビングポリエーテルスルフォン基
板、ラビングポリフェニレンサルファイド基板、ラビン
グポリエチレンテレフタレート基板、ラビングポリエチ
レンなフタレート基板、ラビングポリアリレート基板、
セルロース系プラスチック基板を挙げることができる。
【0029】又、LCDの配向膜として広く用いられて
いるポリイミド膜(好ましくは弗素原子含有ポリイミ
ド)も有機配向膜として好ましい。これはポリアミック
酸(例えば日立化成(株)製のLQ/LXシリーズ、日
産化学(株)製のSEシリーズ等)を支持体面に塗布
し、100〜300℃で0.5〜1時間焼成した後、ラ
ビングすることにより得られる。
【0030】又、前記ラビング処理は、LCDの液晶配
向処理工程として広く採用されている処理方法を利用す
ることができる。即ち、配向膜の表面を、紙やガーゼ、
フェルト、ゴム或いはナイロン、ポリエステル繊維など
を用いて一定方向に擦ることにより配向を得る方法を用
いることができる。一般的には、長さ及び太さが均一な
繊維を平均的に植毛した布などを用いて数回程度ラビン
グを行うことにより実施される。或いは、この様なラビ
ング処理の代わりに、例えばポリビニルアルコールの薄
膜を4〜5倍に延伸する方法、或いはガラス板を直接ラ
ビングする方法も利用することができる。
【0031】又無機斜方蒸着膜の蒸着物質としては,S
iO2を代表とし,TiO2、ZnO等の金属酸化物、或
いはMgF2等のフッ化物更にAu、Al等の金属が挙
げられる。尚、金属酸化物は、高誘電率のものであれば
斜方蒸着物質として用いることができ、上記に限定され
るものではない。無機斜方蒸着膜は、蒸着装置を用いて
形成することができる。フィルム(支持体)を固定して
蒸着するか、或いは長尺フィルムを移動させて連続的に
蒸着することにより無機斜方蒸着膜を形成することがで
きる。
【0032】光学異方層を配向膜を使用せずに配向させ
る方法として、支持体上の光学異方層を液晶層を形成し
うる温度に加熱しながら、電場或いは磁場を付与する方
法を挙げることができる。又、熱風を吹き付ける方法
や、液晶温度範囲で基板を傾斜させ、液晶性化合物が流
れることによって配向状態を得ることもできる。
【0033】メソゲン基とは液晶性を発現させるために
必須の構造であり、本発明の液晶性化合物はこの構造を
分子中に有することによって液晶性を発現することがで
きる。即ちこの構造が存在しなければ液晶性は発現しな
い部分のことをいい、本来は剛直な部分(コア)、柔軟
な部分(スペーサー)、更に末端基の3種からなる構造
である。この構造は液晶性を発現させることができれば
よく、上記の3種の部分からなる構造に必ずしも限定さ
れるものではない。
【0034】本発明に用いる液晶性高分子は均一な欠陥
のない配向のために、良好なドメイン合一性を示すこと
が望ましい。均一な欠陥のない配向状態を得るために
は、配向膜と、その上に塗布した液晶性高分子を含む光
学異方層との相性も関係してくるが、ドメインの合一性
が悪い場合には得られるフィルム内に無数のドメインが
でき更にドメイン同士の境界に配向欠陥が生じ、光を散
乱するようになる。又、これらはフィルムの光透過率の
低下にもつながるので望ましくない。
【0035】次に、本発明に用いるネマティックハイブ
リッド配向状態をとる液晶性高分子について説明し、つ
いで本発明の液晶性高分子組成物について説明する。
【0036】本発明に該高分子量成分として用いられる
液晶性高分子は、主鎖型の液晶性高分子、例えばポリエ
ステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリ
カーボネート、ポリエステルイミド等が挙げられる。
又、側鎖型の液晶性高分子、例えばポリアクリレート、
ポリメタクリレート、ポリシロキサン、ポリマロネート
等も例示できる。以下、具体的に本発明に用いることの
できる液晶性高分子の構造の好ましい例を示す。
【0037】本発明の光学補償シートは透明支持体上に
液晶性高分子を塗布後、乾燥、熱処理、固定化という操
作を行うことによって得られるものである。本発明の用
途においては光学補償シート内の液晶性高分子を配向さ
せることが求められており、例えば、ネマティック層を
形成する温度が室温以上かつ支持体の熱安定性の観点か
らは上限は支持体のガラス転移点以下で処理することが
できる。この時、該液晶性高分子の液晶温度範囲は構造
などにより異なるために上記の範囲で定義することは困
難である。
【0038】本発明に用いることのできる主鎖型液晶性
高分子のコアの部分の構造の好ましい例としては以下の
ようなA、B、C、Dのコア構造を組み合わせたものを
挙げることができる。これらの構造をコアとして組み合
わせることで本発明に用いることのできる液晶性高分子
が得られる。例として上げた部分のA〜Dまですべての
構造が必須ではなく、液晶性の発現が得られるものであ
ればこれらの組み合わせは特に制限されるものではな
い。又、これらの構造以外にも液晶性を発現させること
が出来るものであれば組み合わせて用いることができ、
これらの構造に特に限定されるものではない。
【0039】
【化1】
【0040】R1〜R4は水素又は炭化水素の置換基を表
す。主鎖にこれらの構造が含まれる時には、少なくとも
1〜R4の中1つは化学反応性基を有する置換基である
ことが必要であるが、光学異方層内に化学反応性基を有
する化合物が他に存在する場合はR1〜R4が化学反応性
基を有する置換基である必要はなく、液晶性高分子の本
来の性質、即ち液晶性を阻害するものでなければ構造は
特に限定されるものではない。
【0041】又これらの主鎖型液晶性高分子化合物はス
ペーサーとして以下のような基を含んでいることが好ま
しい。
【0042】スペーサーとは、液晶相を発現させるため
の構造の中の柔軟な部分であり、これは、コアの両側、
片側、或いは放射状についていることもある。又、本発
明でいうコアとはメソゲンコアともいい、メソゲン基内
の剛直な部分である。又、液晶相が発現するためにスペ
ーサーが特に必要ない場合もあり、長さ、数、構造など
は特に限定されるものではないが、アルキレン鎖、アル
キレンオキシド鎖、シロキサンなどの柔軟なものが好ま
しい。
【0043】
【化2】
【0044】上記コアの部分をX、スペーサーの部分を
Yとすると、本発明に用いることのできる液晶性高分子
はXとYの組み合わせによってえられる。コアの部分の
例として示したA、B、C、Dの組み合わせはRの構造
にもよることから、一概にはいえないが、n1〜n3の
範囲は0〜16が好ましく0〜12の範囲が更に好まし
い。又、上に示したスペーサーの構造は一例であり、液
晶相の発現に寄与できるものであればこの限りである必
要はなく、又、直鎖構造である必要もない。
【0045】代表的な液晶性高分子の例を以下に示す。
【0046】
【化3】
【0047】上記の構造は一例であり、液晶性をもつも
のはこの構造に限ることはない。従って、本発明に用い
られる構造は液晶性をもつものであれば、この構造に限
定されるものではない。上記のような高分子に化学反応
性基をもたせることによって本発明における化学反応性
基を有する液晶性高分子が得られるものである。化学反
応性基を導入する方法としては、主鎖型液晶性高分子の
モノマーと化学反応性基を有するモノマーを共重合させ
る方法、主鎖型液晶性高分子のモノマーに化学反応性基
を有する構造部分を反応させ反応性基を側鎖として含有
するモノマーを合成する方法、或いは高分子反応によっ
て化学反応性基を高分子に導入する方法などがある。
【0048】ついで、本発明の該光学異方層内の液晶性
高分子の有する化学反応性基、或いは該光学異方層内に
含まれる他の化合物が有する化学反応性基について説明
する。化学反応性基の好ましい例は以下に構造を示し
た。該液晶性高分子にこの構造の部分を導入する場合、
該化学反応性基を有するユニットをモノマーに導入し、
液晶をモノマーとの共重合体とする場合や、高分子反応
を用いて液晶性高分子に該化学反応性基を有するユニッ
トを導入する場合がある。導入できる化学反応性基や化
学反応性基を有するユニットの種類は該液晶性高分子の
種類、即ち主鎖型や側鎖型、その複合型、或いは該液晶
性高分子の液晶性やメソゲン基の構造、種類によって、
変化するため一概に言えないが、該高分子の液晶性高分
子としての性質、即ち液晶性を阻害しない限りはこの範
囲に特に限定されるものではない。
【0049】本発明に用いられることの出来る化学反応
性基としては、ラジカル重合性基や、イオン重合性基
等、反応性基同士の化学反応により架橋を行うような基
が好ましく、例えばイソシアナート基、エポキシ基、ア
ジリジン基、ビニルスルホニル基、オキサゾリン基、ア
クリロイル基、ビニル基、ビニルオキシ基、プロパルギ
ル基、メタクリロイル基、アセチレニル基、アレニル
基、シンナモイル基などが挙げられる。これらのうち不
飽和エチレン性基、エポキシ基、又はシンナモイル基で
あることが好ましく、エポキシ基、シンナモイル基であ
ることが更に好ましく、シンナモイル基であることが最
も好ましい。
【0050】該液晶性高分子が化学反応性を有する場合
の、化学反応性基を有するユニットの導入率について説
明する。該液晶性高分子が主鎖型の場合や側鎖型の場
合、或いは高分子反応などによる導入の場合によって、
更にはメソゲン基の構造を含めた高分子の構造によって
大きく変化することから該高分子の液晶性高分子として
の性質即ち液晶性を阻害しない限りはその範囲が特に限
定されるものではないが、その範囲が化学反応性基の割
合を重量%で表すと側鎖型の場合、高分子にしめる化学
反応性基を有するユニットが0.001〜70%の範囲
が好ましく、1〜40%の範囲が更に好ましい。主鎖型
液晶性高分子の場合0.001〜40%の範囲が好まし
く0.5〜20%の範囲が更に好ましい。高分子反応に
よって化学反応性基を高分子に導入した場合は概ね0.
001〜30%の範囲が好ましく0.1〜15%の範囲
が更に好ましい。
【0051】本発明における前記の不飽和エチレン性基
には、例えばラジカル的な反応によって重合し化学結合
を形成するもの、或いはビニルスルホニル基のように例
えばアミノ基との付加反応によって化学結合を形成する
ものなどがある。この反応性は条件によって変化するこ
とから両者を区別することは困難である。
【0052】従って、液晶性高分子の反応性基としては
例えば付加反応をするような基同士、代表的な例として
はエポキシ基とヒドロキシ基或いはカルボキシ基等のよ
うな基、或いは上記のビニルスルホニル基とヒドロキシ
基、アミノ基のような基を異なった分子間に導入し架橋
を行うことで配向を固定化する方法も本発明は除外する
ものではない。
【0053】該光学補償シートは透明支持体上に液晶性
高分子を塗布後、乾燥、熱処理、固定化という操作を行
うことによって得られるものである。ここに示した構造
は本発明に用いる事の出来る液晶性高分子の好ましい例
であるが、本発明の用途においては光学補償シート内の
液晶性高分子を配向させることが求められており、例え
ばネマティック層を形成する温度が室温以上かつ支持体
の熱安定性の観点から上限は支持体のガラス転位点以下
で処理することが出来る。この時、該液晶性高分子の液
晶温度範囲は構造などにより異なるために上記の範囲で
定義することは困難である。
【0054】本発明にはこれら主鎖型液晶性高分子の
他、側鎖型液晶性高分子を用いる事も出来る。側鎖型液
晶性高分子は前記液晶性を示す構造部分であるメソゲン
基すなわち、コア、スペーサー、末端基等の成分が高分
子ポリマー骨格の側鎖として導入された高分子液晶化合
物である他は特に主鎖型の液晶性高分子化合物と液晶性
を示す点においては変わらず、共に液晶性高分子として
よくしられているものであり、本発明において主鎖型液
晶性高分子と共に有利に用いることができる液晶性化合
物である。
【0055】光学補償シートは透明支持体上に液晶性高
分子を塗布後、乾燥、熱処理、固定化という操作を行う
ことによって得られるものである。ここに示した構造は
本発明に用いることの出来る液晶性高分子の好ましい例
であるが、本発明の用途においては光学補償シート内の
液晶性高分子を配向させることが求められており、例え
ばネマティック層を形成する温度が室温以上かつ支持体
の熱安定性の観点から上限は支持体のガラス転位点以下
で処理することが出来る。この時、該液晶性高分子の液
晶温度範囲は構造などにより異なるために上記の範囲を
定義することは困難である。
【0056】本発明に用いられる液晶性高分子の合成法
は、特に限定されるものではない。本発明に用いること
が出来る高分子成分は、当該分野で公知の重合法で合成
することが出来る。例えばポリアクリル酸エステル誘導
体の場合、アクリル単位に対応する不飽和エチレン性モ
ノマーをラジカル重合で高分子化する方法などがある。
又、ポリエステル合成を例に取れば、溶融重合法或いは
対応するジカルボン酸の酸クロライドを用いる酸クロラ
イド法で合成することが出来る。又、ポリエーテル骨格
を有する液晶性高分子の合成にはヒドロキシ基を有する
モノマー化合物とアルキルハライド等を塩基の存在中で
反応させることにより得ることが出来る。
【0057】本発明に用いることが出来る化学反応性基
を有する液晶性高分子の好ましい一例を示す。
【0058】
【化4】
【0059】ここにおいて、mは0〜16、好ましくは
0〜12を表す。x,yは各成分のモル%を表し、xは
0.001〜70、yは0〜100を表し、x+y=1
00である。
【0060】本発明に用いる事の出来る化学反応性基を
有する液晶性高分子の製造は公知の方法により実施する
ことができるが、上記の液晶性高分子化合物又、実施例
において使用した液晶性高分子化合物は、Peter
J.Collings and Michael Hi
rd,Introduction to Liquid
Crystals,−Chemistry and
Physics− 98頁などを参考に合成を行った。
【0061】本発明に用いることのできる液晶性高分子
はネマティックハイブリッド配向状態を化学反応性基間
の反応によって固定化できるものであればよく、又透明
支持体のガラス転位点以下の温度領域でネマティック相
を発現することが好ましい。これらの条件を満たすもの
であれば本発明に用いることの出来る液晶性高分子は上
記の構造に限定されるものではなく、いかなる構造のも
のでも用いる事が出来る。上記した液晶性高分子は本発
明に用いることが出来る液晶性高分子の一例であり、こ
れらの構造に限らず、ネマティックハイブリッド構造を
とることが出来るものがあればよい。
【0062】又、本発明においては、該光学異方層内の
液晶性高分子成分の配向状態を固定化するために化学反
応性基を有する液晶性、又は非液晶性高分子成分、或い
は化学反応性基を有する液晶性又は非液晶性成分を、該
光学異方層に用いる液晶性高分子と混合することが出来
る。又、該化学反応性基含有成分を用いることにより、
組成比の調節でネマティックハイブリッド配向の平均チ
ルト角を自在に制御することが出来る。更にこれらが液
晶性を有する場合はホメオトロピック、ホモジニアス、
チルト配向又はそれ以外の配向性など、いずれの配向性
を示すものであっても特に構わず、例えばホメオトロピ
ック配向性高分子を用いることもできるし、ホモジニア
ス配向性高分子をあてることもできる。該高分子量成分
として用いられる液晶性高分子は、主鎖型の液晶性高分
子、例えばポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポ
リエステル、ポリカーボネート、ポリエステルイミド等
の誘導体が挙げられる。又、側鎖型の液晶性高分子、例
えば、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシ
ロキサン、ポリマロネート等も使用できる。ホメオトロ
ピック配向性液晶性高分子との相溶性を有するものなら
ば特に限定されないが、中でも高分子中に化学反応性基
を有する前記のような液晶性高分子が最も好ましい。更
にこれら液晶性高分子は、ホモジニアス、チルト配向又
はそれ以外の配向性など、いずれの配向性を示すもので
あっても特に構わず、例えば前述のホメオトロピック配
向性高分子を用いることもできるし、ホモジニアス配向
性高分子を用いてもよい。又、該非液晶性成分を該液晶
性成分と併用する場合は該液晶性化合物の構造もしくは
添加する量は特に限定されるものでなく、光学異方層内
の液晶性成分の本来の性質、即ち液晶性を阻害しない範
囲で用いることも出来る。
【0063】本発明における該光学異方層内の液晶性高
分子と混合する化学反応性基含有成分について更に説明
する。化学反応性基としては、前述したようなものが同
様に挙げられるが、この成分は液晶性の場合でも、非液
晶性の場合でもよく、該液晶性高分子の液晶性を損なわ
ないものであれば構造は特に限定されるものではない。
又、光学異方層内の化学反応性基を有する化合物が低分
子である場合は、1分子内に箇所以上の化学反応性基を
有することが好ましい。以下に該化学反応性基含有成分
の構造の好ましい例を示す。これらの化合物を混合する
割合は該光学異方層内の液晶性高分子が液晶性を発現す
るのが阻害されるのでなければよく、更に該液晶性高分
子が液晶状態で形成したハイブリッド配向状態を固定化
できるものであればよい。この割合は液晶性高分子の構
造や化学反応性基の構造などによって大きく変化するた
め、一概には言えないが、概ね0.1〜40%の範囲で
あることが好ましい。しかし、この値は液晶性高分子の
構造、液晶状態或いは化学反応性基を有する化合物によ
って大きく変化するため、この範囲の限りではない。以
下に本発明に用いられる化学反応性基を有する化合物の
例を示す。
【0064】
【化5】
【0065】化学反応性基を有する化合物は、上記の化
合物の他、本発明に用いられる液晶性高分子化合物の本
来の性質、すなわち液晶性を阻害しない限りどの様な化
合物でもよく、光反応性基や、光重合性基、熱重合性基
などの分野で公知の化合物であればどの様なものでも用
いる事が出来る。
【0066】本発明の光学素子用フィルム(光学補償シ
ート)は、該フィルムの上面と下面では、正の一軸性を
を有する液晶性高分子のダイレクターとフィルム平面と
のなす角度が異なる。該基板側のフィルム面は、その配
向処理の方法や正の一軸性を有する液晶性高分子の種類
によって0度以上50度以下又は50度以上90度以下
のどちらかの角度範囲に調節できる。通常、配向基板に
接したフィルムの界面近傍の該液晶性高分子のダイレク
ターとフィルム平面とのなす角度を0度以上50度以下
の角度範囲に調製する方が製造プロセス上望ましい。本
発明の光学素子用フィルム(光学補償シート)は、上記
の如き配向基板上に均一に正の一軸性を有する液晶性高
分子を塗布し、次いで均一配向過程、配向形態の固定化
過程を経て得られる。該液晶性高分子の配向基板への塗
布は、通常正の一軸性を有する液晶性高分子を各種溶媒
に溶解した溶液状態又は該液晶性高分子を溶融した溶融
状態で行うことが出来る。製造プロセス上、正の一軸性
を有する液晶性高分子を溶媒に溶解した溶液を用いて塗
布する溶液塗布が望ましい。
【0067】溶液塗布について説明する。本発明の液晶
性高分子を溶媒にとかし、所定濃度の溶液を調製する。
フィルムの膜厚(正の一軸性を有する液晶性高分子より
形成される層の膜厚)は、該液晶性高分子を基板に塗布
する段階で決まるため、精密に濃度、塗布膜の膜厚など
の制御をする必要がある。
【0068】塗布用の溶液は化学反応性基を有する液晶
性高分子、化合物及び光重合開始剤或いは増感剤等の化
合物を溶剤に溶解することにより作製することが出来
る。上記溶剤の例としては、N,N−ジメチルホルムア
ミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)及
びピリジン等の極性溶剤、トルエン及びヘキサン等の無
極性溶剤、クロロフォルム及びジクロロメタン等のアル
キルハライド類、酢酸メチル及び酢酸ブチル等のエステ
ル類、アセトン及びメチルエチルケトン等のケトン類、
テトラヒドロフラン及び1,2−ジメトキシエタン等の
エーテル類を挙げることができる。これらの中でもアル
キルハライド類及びケトン類が好ましい。溶剤は単独で
も、組み合わせて使用してもよい。
【0069】又、表面張力の高い溶媒を用いる場合など
においては、塗布を安定に行うために必要であれば溶液
に界面活性剤を添加することも可能である。用いる事が
出来る界面活性剤は、溶液の表面張力を下げ塗布膜を安
定化できるものであればいずれのものでも使用できる
が、フッ素系界面活性剤が特に好ましく使用される。具
体例を商品名として挙げるならばフロラード(3M社
製)、ペインタッド(ダウ・コーニング社製)、サーフ
ロン(旭硝子社製)、ユニダイン(ダイキン工業社
製)、メガファック(大日本インキ社製)、エフトップ
(新秋田化成社製)、フタージェント(ネオス社製)、
アロン−G(東亞合成社製)、モディバー(日本油脂社
製)などが好適に使用でき、これらと同等の化学構造を
もつ界面活性剤を使用することも差し支えない。界面活
性剤を使用する場合の使用量は、通常溶液1kgにたい
し0.001g〜2gの範囲であるが、使用量が多すぎ
ると液晶性高分子組成物中の異物となり欠陥の原因とな
ったり、ネマティックハイブリッド配向を形成し難くな
るなど、液晶の配向状態に悪影響を与えるため好ましく
ない。
【0070】溶液の濃度は、液晶性高分子の溶解性や最
終的に目的とする光学補償シートの液晶層の膜厚に依存
するため一概にはいえないが、通常0.3〜55重量%
の範囲で使用され、好ましくは5〜30重量%の範囲で
ある。上記の溶媒を用いて所望の濃度に調整した液晶性
高分子溶液を、前記の配向基板上に塗布する。塗布の方
法としては、カーテンコーティング、押し出しコーティ
ング、ロールコーティング、ディップコーティング、ス
ピンコーティング、印刷コーティング、スプレーコーテ
ィング及びスライドコーティングなどを採用できる。塗
布後、溶媒を除去し、配向基板上に膜厚の均一な液晶性
高分子の層を形成させる。溶媒除去条件は、特に限定さ
れず、溶媒がおおむね除去でき、該液晶性高分子の層が
流動しなければよい。通常、室温下、乾燥炉下、もしく
は温風や熱風の吹きつけなどを利用して溶媒を除去し乾
燥することができる。この塗布・乾燥工程の段階は、ま
ず基板上に均一に液晶性高分子の層を形成させることが
目的であり、液晶性高分子は、熱処理工程、更には化学
反応性基間の反応により、モノドメインなネマティック
ハイブリッド配向及び固定化を行うこともできる。
【0071】本発明の光学異方層は化学反応性基を有す
る化合物が化学反応性基間の反応によって一種の架橋構
造を付与することによりひっかき強度の向上を達成する
ものである。これらは前記重合性基を有する液晶性高分
子と光重合開始剤を適宜組み合わせることにより又、重
合性基を有する化合物と液晶性高分子と光重合開始剤を
適宜組み合わせることによりえることが出来る。本発明
における光重合開始剤としては、光源である高圧水銀ラ
ンプやメタルハライドランプなどの近紫外線を強く吸収
できるものが好ましく、360nm〜450nmの光に
対するモル吸光係数の最大値が100以上、更には50
0以上のものが好ましい。光重合用の光線としては、電
子線、紫外線、可視光線、赤外線(熱線)を必要に応じ
て用いることができるが、一般的には、紫外線が好まし
い。紫外線の光源としては、低圧水銀ランプ(殺菌ラン
プ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電
ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)及び
ショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノ
ンランプ、水銀キセノンランプ)を挙げることができ
る。
【0072】重合開始剤の例としてはアゾビス化合物、
パーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、レドックス
触媒など、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム、tert−ブチルパーオクトエート、ベンゾイルパ
ーオキサイド、イソプロピルパーカーボネート、2,4
−ジクロルベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケ
トンパーオキサイド、クメンハイドロパーキサイド、ジ
クミルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、
2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロ
クロライド或いはベンゾフェノン類、アセトフェノン
類、ベンゾイン類、チオキサントン類等を挙げることが
できる。これらの詳細については「紫外線硬化システ
ム」総合技術センター、63頁〜147頁、1989年
等に記載されている。又、エポキシ基を有する化合物の
重合には、紫外線活性化カチオン触媒として、アリルジ
アゾニウム塩(ヘキサフルオロフォスフェート、テトラ
フルオロボラート)、ジアリルヨードニウム塩、VIa族
アリロニウム塩(PF6、AsF6、SbF6のようなア
ニオンをもつアリルスルホニウム塩)が一般的に用いら
れる。
【0073】本発明の光学異方層は、上記材料を用い
て、上記光照射条件にて形成される。すなわち、一般的
な塗布法により透明支持体上(又は支持体上に設けられ
た配向膜上)に、化学反応性基を有する液晶性高分子と
光重合開始剤からなる薄膜を形成し、乾燥後、液晶層形
成温度範囲内の温度で、ディスコティックネマティック
液晶層又は一軸性の柱状層を形成させつつ一定時間熱処
理し、続いて上記光源を用いて上記照射エネルギーの範
囲で、光重合により架橋させた後、冷却することによっ
て、本発明の光学特性、強度、及び耐熱性を有する改良
された光学補償シートを得ることが出来る。
【0074】該光学補償シートは透明支持体上に液晶性
高分子を塗布後、乾燥、熱処理、固定化という操作を行
うことによって得られるものであるが、熱処理によって
ネマティックハイブリッド配向を形成するにあたって、
前記液晶性高分子の粘性は、配向を付与する上で低い方
がよく、従って熱処理温度は支持体が耐えうる温度範囲
内で高い方が好ましい。又液晶性高分子によっては、得
られる平均チルト角が熱処理温度により異なることがあ
る。その場合には、目的に応じた平均チルト角を得るた
めに熱処理温度を設定する必要がある。例えば、あるチ
ルト角を有する配向を得るために比較的低い温度で熱処
理を行う必要が生じた場合、低い温度では液晶性高分子
の粘性が高く、配向に要する時間が長くなる。そのよう
な場合には、一旦高温で熱処理し、モノドメインな配向
を得た後に、段階的、もしくは徐々に熱処理の温度を目
的とする温度まで下げる方法が有効となる。いずれにせ
よ、用いる正の一軸性を有する液晶性高分子の特性に従
い、ガラス転位点以上の温度で熱処理することが好まし
い。本発明の用途においては光学補償シート内の液晶性
高分子を配向させることが求められており、例えばネマ
ティック層を形成する温度が室温以上かつ支持体の熱安
定性の観点から上限は支持体のガラス転位点以下で処理
することが望ましい。この時、該液晶性高分子の液晶温
度範囲は構造などにより異なるため上記の範囲で定義す
ることは困難である。
【0075】本発明の光学異方層は、上記材料を用い
て、上記光照射条件にて形成される。すなわち、一般的
な塗布法により透明支持体上(又は透明支持体上に設け
られた配向膜上)に、重合性液晶化合物、或いは重合性
化合物を含む液晶性化合物と光重合開始剤からなる薄膜
を形成し、乾燥後、液晶相形成温度範囲内の温度で、ネ
マティックハイブリッド配向状態を形成させつつ一定時
間熱処理し、そのまま続いて上記光源を用いて上記照射
エネルギーの範囲で、光重合(架橋)させた後、冷却す
ることによって、本発明の優れた光学特性と耐熱性を有
する光学補償シートを得ることが出来る。
【0076】本発明では連続塗布が好ましい。従って、
カーテンコーティング、押し出しコーティング、ロール
コーティング及びスライドコーティングが好ましい。上
記光学異方層は、前述したように、上記塗布液を配向膜
上に塗布し、乾燥し、次いで液晶温度範囲まで加熱し、
熱処理後光照射により硬化させ、冷却することにより得
られる。
【0077】上記光学異方層の上には、保護層を設けて
もよい。保護層の材料としては、ポリメチルメタクリレ
ート、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、スチレン/
無水マレイミド共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ
(N−メチロールアクリルアミド)、スチレン/ビニル
トルエン共重合体、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニ
ル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミ
ド、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸
ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、及び
ポリカーボネート等のポリマー及びこれらの誘導体を挙
げる事ができる。
【0078】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が本発明はこれにより限定されるものではない。
【0079】実施例及び比較例に用いた液晶性高分子及
び化合物の構造を以下に示す。又、実施例で行った操作
についてはそれぞに示す。更にA−Bなどの記載はAと
Bが連結していることを示す。又、A−O−BはAとB
の間に酸素原子が入ることを示す。
【0080】
【化6】
【0081】
【化7】
【0082】
【化8】
【0083】
【化9】
【0084】〈液晶性の評価〉高分子の分子量測定はゲ
ルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法を用
い、ポリスチレン換算で算出した。実施例に用いたサン
プルの高分子で液晶性を発現する高分子は、全てネマテ
ィック液晶相を発現することが、偏光顕微鏡観察、示差
走査熱量計(DSC)測定及びX線回折測定の結果など
から確認された。又、界面活性剤を加えた場合はガラス
基板で挟んだサンプルは全てホメオトロピック配向状態
になることがクロスニコル下でのコノスコープ像の観察
から確認された。
【0085】(実施例1)ゼラチン薄膜(0.1μm)
を塗布した80μmの厚さを有するトリアセチルセルロ
ースのフィルム(コニカ(株)製)上に以下の構造で示
されるポリビニルアルコール誘導体MP203(クラレ
製)を含む塗布液を塗布し、40℃の温風にて乾燥させ
た後、ラビング処理を行い、配向膜を形成した。この配
向膜上に、化合物1及び重合開始剤としてイルガキュア
907(チバ・ガイギー社製)を0.3重量%溶解させ
た塩化メチレン溶液を、スピンコート法により配向膜上
に塗布した。この塗布層を130℃まで加熱し、6分後
(光学異方層の化合物を配向させた後)、130℃のま
ま紫外線照射装置を用いて、照度100mW/cm2
10秒間紫外線(UV)照射し、室温まで冷却して、厚
さ2.6μmの硬化した架橋ポリマーを有する光学異方
層を有する本発明の光学補償シート(F−1)を作製し
た。
【0086】
【化10】
【0087】(比較例1)実施例1において、重合開始
剤の量を8.0重量%として、他は同様の条件下で光学
補償シート(F−2)を作製した。
【0088】(実施例2)実施例1において、化合物1
の代わりに化合物2を用い、イルガキュア907に代え
て重合開始剤として5−ニトロアセナフテンをポリマー
の1重量%用い、130℃で15分間熱処理を行った他
は同様の条件下で光学補償シート(F−3)を作製し
た。
【0089】(実施例3)実施例1において、化合物1
の代わりに化合物3を用い、又イルガキュア907に代
えて重合触媒としてカリウムt−ブトキシドをポリマー
の1重量%用い、130℃で20分間熱処理を行い放冷
することで光学補償シート(F−4)を作製した。
【0090】(実施例4)実施例1において、化合物1
の代わりに化合物4を用い、130℃で15分間熱処理
を行い、他は同様の条件下で光学補償シート(F−5)
を作製した。
【0091】(比較例2)実施例1において、化合物1
の代わりに化合物5を用い、イルガキュア907を除い
た他は同様の条件下で光学補償シート(F−6)を作製
した。
【0092】(実施例5)実施例1において、化合物1
の代わりに化合物6を用い、イルガキュア907に代え
て重合開始剤として5−ニトロアセナフテンをポリマー
の1重量%用い、130℃で15分間熱処理を行い、他
は同様の条件下で光学補償シート(F−7)を作製し
た。
【0093】(実施例6)実施例1において、化合物1
の代わりに化合物7を用い、又イルガキュア907に代
えて重合触媒としてカリウムt−ブトキシドをポリマー
の1重量%用い、130℃で15分間熱処理を行い放冷
することで光学補償シート(F−8)を作製した。
【0094】(実施例7)実施例1において、化合物1
の代わりに化合物8を用い、重合開始剤を1.0重量%
とし、130℃で熱処理を行い他は同様の条件下で光学
補償シート(F−9)を作製した。
【0095】(比較例3)実施例4において、化合物4
の代わりに化合物9を用い、重合開始剤を1.0重量%
とし、130℃で15分間熱処理を行い他は同様の条件
下で光学補償シート(F−10)を作製した。
【0096】(実施例8)実施例1において、化合物1
の代わりに化合物10及び化合物11を9:1の重量比
で混合したものを用い、イルガキュア907に代えて重
合開始剤として5−ニトロアセナフテンをポリマーの1
重量%用い、他は同様の条件下で光学補償シート(F−
11)を作製した。
【0097】(実施例9)実施例8において、化合物1
1の代わりに化合物12を用い、化合物10と化合物1
2とを9:1の重量比で混合したものを用い、又5−ニ
トロアセナフテンに代えて重合触媒としてカリウムt−
ブトキシドをポリマーの1重量%用い、同様の方法で塗
布後130℃で15分間熱処理を行い放冷することで光
学補償シート(F−12)を作製した。
【0098】(実施例10)実施例8において、化合物
11の代わりに化合物Sを用い、化合物10と化合物S
とを92:8の重量比で混合したものを用い、5−ニト
ロアセナフテンに代えて重合開始剤としてイルガキュア
907をポリマーの0.3重量%用い、他は同様の条件
下で光学補償シート(F−13)を作製した。
【0099】(実施例11)実施例1において、化合物
1の代わりに化合物13と化合物14とを用い、化合物
13と化合物14とを86:14の重量比で混合したも
のを用い、125℃で熱処理した他は同様の条件下で光
学補償シート(F−14)を作製した。
【0100】(実施例12)実施例11において、化合
物14の代わりに化合物12を用い、化合物13と化合
物12とを91:9の重量比で混合したものを用い、又
イルガキュア907に代えて重合触媒としてカリウムt
−ブトキシドをポリマーの1重量%用い、同様の方法で
塗布後130℃で15分間熱処理後放冷することで光学
補償シート(F−15)を作製した。
【0101】(実施例13)実施例11において、化合
物14の代わりに化合物Sを用い、化合物13と化合物
Sとを88:12の重量比で混合したものを用い、他は
同様の条件下で光学補償シート(F−16)を作製し
た。
【0102】(実施例14)実施例2において、化合物
2の代わりに化合物2と化合物13とを9:1の重量比
で混合したものを用い、他は同様の条件下で光学補償シ
ート(F−17)を作製した。
【0103】(実施例15)実施例6において、化合物
7の代わりに化合物12と化合物13とを9:1の重量
比で混合したものを用い、同様の方法で塗布した後13
0℃で熱処理後放冷することで光学補償シート(F−1
8)を作製した。
【0104】(実施例16)実施例7において、化合物
8の代わりに化合物8と化合物Sとを92:8の重量比
で混合したものを用い、他は同様の条件下で光学補償シ
ート(F−19)を作製した。
【0105】〈光学補償シートの評価〉上記実施例1〜
16及び比較例1〜3で得られた光学補償シートについ
て以下の項目について評価した。
【0106】(1)光学補償シートにおけるリターデー
ション値(Re)の最小値の方向とその光軸の傾き角
尚、リターデーション値とは Re=|(nx−ny)/2−nz|×d で表されるものであり、nx、nyはそれぞれ液晶を含む
層の面内のx方向及びy方向の主屈折率を表し、nz
厚さ方向の屈折率を表し、又、dは液晶を含む層の厚さ
を表し、光学異方層の異方性を示す指標である。
【0107】上記で得られた光学補償シートにについ
て、ラビング軸を含み位相差板面に垂直な面において、
あらゆる方向からのリターデーション値をKSシステム
ズ(株)製自動複屈折計KOBRA−21DHを用いて
測定を行い、Reの最小値の方向の傾き角を求めた。又
測定値より、得られた光学異方層は負の複屈折を有して
いることが判った。その結果、本発明における光学補償
シートはフィルム面と垂直な方向から傾いた方向に0で
ないリターデーションの最小値をもつことが判った。
尚、透明支持体であるトリアセチルセルロースの光軸は
フィルム法線方向であり、面配向(正面)Re値は80
nmであった。
【0108】(2)引っ掻き強度 円錐頂角が90度で、先端の直径が0.25mmのサフ
ァイア針を用いて得られた光学補償シートの光学異方層
の表面を引っ掻き、引っ掻きあとが目視で認められた時
の加重(g)を測定し、引っ掻き強度を測定した。
【0109】(3)高温下放置後の光学補償シートの光
学異方層の耐熱性 得られた光学補償シートを100℃の雰囲気に1000
時間放置し、割れ目等の形状変化、リターデーション値
変化の測定を行い下記のように評価を行った。
【0110】《リターデーション》 A:変化無し B:若干変化するが実用上問題なし C:変化あり 《割れ目など》 A:変化無し C:変化あり 上記、引っ掻き強度及び高温下放置後の割れ目等の形状
変化、リターデーション値変化の結果を表1に示す。
【0111】
【表1】
【0112】(実施例17) 〈液晶表示装置の作製〉ネマティック液晶を90度の捻
れ角で、かつ4.5μmのギャップサイズとなる様に挟
み込まれた液晶セルの一方の表面に、実施例1で作製し
た本発明の光学補償シート(F−1)を2枚積層して貼
りつけ、液晶表示装置を作成した。但し、下側の光学補
償シートのリターデーションの最小値を示す投影方向と
上側基板のラビング方向とのなす角が180度となり、
そして上側の光学補償シートのリターデーションの最小
値を示す投影方向と上側基板のラビング方向とのなす角
が0度となる様に、上記積層体を液晶セル上に配置し
た。更に、一対の偏光板を、光学補償シートを有する液
晶セルの両側に、2つの偏光軸が直交するように貼りつ
けた。得られたTN−LCDは、ノーマリーホワイトモ
ード用に設定した。比較として、上記光学補償シートを
もたないTN−LCDも作製した。
【0113】得られたTN−LCDに55Hzの矩形波
電圧を、0〜5Vで印加し、正面方向及び上/下及び左
/右方向へ傾いた方向からのコントラストの全方位測定
をエレクトロニクス・フォー・ディスプレイ・アンド・
イメージングデバイス社製視野角検査装置イージー・コ
ントラストを用いて測定し、正面コントラスト及びコン
トラストが10以上となる上/下及び左/右の視野角を
求めた。得られた結果を表2に示す。
【0114】
【表2】
【0115】
【発明の効果】本発明の光学補償シートは、TN型液晶
セルを有する液晶表示装置及びカラー液晶表示装置に使
用した場合、視野角を大きく拡大させる事ができ、更に
視野角の増加に伴う黒表示部の斑点、階調の反転、画像
の着色等の発生を大きく低減させることができ、優れた
視野角特性を付与することができる。更に本発明の光学
補償シートは耐熱性に優れ、特に低照射エネルギーによ
り得られるシートは黄変が少なく、液晶表示装置に使用
した場合に耐久性の向上が得られ、更には鮮明な画像を
得ることが出来る。又、耐熱性、耐水性においても従来
の製品と比較して圧倒的な向上が見られ従来のものより
も使用条件の範囲が大きく広がることが期待できる。本
発明の光学補償シートを用いたTN型液晶セルを有する
液晶表示装置は、視野角が大きく拡大しており、視野角
の増加に伴う黒表示部の反転、階調の反転、画像の着色
等の発生が大きく低減されており、優れた視野角特性を
示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月6日(1999.12.
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0106
【補正方法】変更
【補正内容】
【0106】(1)光学補償シートにおけるリターデー
ション値(Re)の最小値の方向とその光軸の傾き角 尚、リターデーション値とは Re=|(n xy)/2−nz|×d で表されるものであり、nx、nyはそれぞれ液晶を含む
層の面内のx方向及びy方向の主屈折率を表し、nz
厚さ方向の屈折率を表し、又、dは液晶を含む層の厚さ
を表し、光学異方層の異方性を示す指標である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 19/38 C09K 19/38 G02F 1/13363 G02F 1/13363 // C08L 101:00 (72)発明者 川上 壮太 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 Fターム(参考) 2H049 BA06 BA42 BB42 BC02 BC04 BC05 BC06 BC09 BC22 2H091 FA11Z FB04 FC02 FC12 FD06 GA01 GA06 GA16 4F073 AA14 BA03 BA08 BA17 BA21 BA22 BA23 BA24 BA25 BA26 BA27 BA29 BA31 BA32 BB01 CA42 CA45 4H027 BA01 BA12 BA13 BB03 BD01 BD12 BD20 BD21

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体上に少なくとも一層の配向膜
    層及び少なくとも一層の液晶性高分子が配向状態を示す
    層を有する光学補償シートにおいて、該液晶性高分子が
    熱又は光エネルギーを加えることにより反応を起こし得
    る化学反応性基を有し、該液晶性高分子が液晶状態にお
    いて形成した配向状態を化学反応性基間の反応によって
    固定化せしめたことを特徴とする光学補償シート。
  2. 【請求項2】 透明支持体上に少なくとも一層の配向膜
    層及び少なくとも一層の液晶性高分子が配向状態を示す
    層を有する光学補償シートにおいて、少なくとも一種の
    熱又は光エネルギーによって該液晶性高分子と化学反応
    可能な配向固定化化合物が該液晶性高分子含有層に含ま
    れることを特徴とする光学補償シート。
  3. 【請求項3】 透明支持体上に少なくとも一層の配向膜
    層及び少なくとも一層の液晶性高分子が配向状態を示す
    層を有する光学補償シートにおいて、少なくとも一種の
    熱又は光エネルギーを加えることにより反応を起こし得
    る化学反応性基を有する化合物が該液晶性高分子含有層
    に含有され、かつ該化学反応性基を有する化合物が該液
    晶性高分子とは化学的に反応せずに、液晶性高分子の配
    向状態を固定化せしめたことを特徴とする光学補償シー
    ト。
  4. 【請求項4】 液晶性高分子含有層に含有される化学反
    応性基を有する化合物が1分子中に少なくとも2つ以上
    の化学反応性基を有する化合物である請求項3に記載の
    光学補償シート。
  5. 【請求項5】 液晶性高分子が光学的に正の一軸性を有
    し、かつ該液晶性高分子が塗布された光学補償シートの
    光学異方性が負であることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか1項に記載の光学補償シート。
  6. 【請求項6】 液晶性高分子がネマティックハイブリッ
    ド配向である請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学
    補償シート。
  7. 【請求項7】 化学反応性基が光を照射することによっ
    て反応することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1
    項に記載の光学補償シート。
  8. 【請求項8】 化学反応性基が、不飽和エチレン性基で
    あることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記
    載の光学補償シート。
  9. 【請求項9】 液晶性高分子含有層に重合開始剤を0.
    001〜7重量%含むことを特徴とする請求項7に記載
    の光学補償シート。
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