JP2001066415A - カラーフィルタとその製造方法、該カラーフィルタを用いた液晶素子 - Google Patents

カラーフィルタとその製造方法、該カラーフィルタを用いた液晶素子

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JP2001066415A
JP2001066415A JP24266899A JP24266899A JP2001066415A JP 2001066415 A JP2001066415 A JP 2001066415A JP 24266899 A JP24266899 A JP 24266899A JP 24266899 A JP24266899 A JP 24266899A JP 2001066415 A JP2001066415 A JP 2001066415A
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Hideaki Takao
英昭 高尾
Shoji Shiba
昭二 芝
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面の平坦性に優れたカラーフィルタを簡易
な工程で作製する。 【解決手段】 透明基板1上に、加熱溶融硬化型樹脂組
成物からなるインク受容層3を形成し、インクジェット
方式によりインク8を付与して被着色部6を着色した
後、熱処理を施し、インク受容層を軟化、溶融状態を経
て硬化させ、着色部9を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーテレビ、パ
ーソナルコンピュータ、パチンコ遊技台等に使用される
液晶素子の構成部材であるカラーフィルタとその製造方
法に関し、さらには該カラーフィルタを用いてなる液晶
素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータの発達、
特に携帯用パーソナルコンピュータの発達に伴い、カラ
ー液晶ディスプレイの需要が増加する傾向にある。しか
しながら、さらなる普及のためには、特にコスト的に比
重の高いカラーフィルタのコストダウンに対する要求が
高まっている。
【0003】従来、カラーフィルタの製造方法として
は、透明基板上に、ゼラチン、カゼイン、グリュー或い
はポリビニルアルコール等の親水性高分子からなる媒染
層を設けた後、該媒染層を染料色素にて染色してカラー
フィルタの着色部を形成する染色法や、顔料等の着色剤
が透明樹脂中に分散されている感光性着色樹脂を用いて
均一層を形成し、該感光性着色樹脂層をフォトリソグラ
フィーによりパターニングして着色部を形成する顔料分
散法等が知られている。
【0004】しかしながら、上記染色法は、各色毎に媒
染層の媒染処理を行うという複雑な工程を必要とするた
め、生産性、歩留等の点で問題があり、特に生産コスト
的に不利である。また、顔料分散法の場合には、高価な
感光性着色樹脂をスピンコート法により基板上に塗布
し、感光性着色樹脂層を形成しているために、感光性着
色樹脂の利用効率が非常に悪く、生産コスト的に不利で
ある。
【0005】これに対し、より簡便な工程で生産コスト
的に有利な方法として、インクジェット方式を用いたカ
ラーフィルタの製造方法が、特開昭59−75205号
公報、特開昭63−235901号公報、特開平1−2
17302号公報等に示されている。
【0006】これらのインクジェット方式によるカラー
フィルタの製造方法では、透明基板上に塗布形成したイ
ンク受容層にインクジェット記録装置よりインクを付与
して浸透させ、着色部を形成する方法がとられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記非
着色部を形成したインク受容層にインクジェット方式に
よりインクを付与して着色した場合、付与するインク量
によっては、平坦なインク受容層がインクを吸収して膨
潤し、凸形状に膨らむといった現象が生じる。
【0008】近年、液晶素子においては、大画面化や高
精細化の方向に進み、より高い表示性能を得るために
は、セルギャップの均一性に大きく影響を及ぼすカラー
フィルタの平坦均一化が強く望まれている。
【0009】このような要求に対し、より平坦性に優れ
たカラーフィルタを得るためには、一般的には平坦能力
の高い保護層を用いる方法等が実施されているが、カラ
ーフィルタの形状依存性が高く、また、各着色部間段差
の影響を大きく受け、且つカラーフィルタの低コスト化
の要求に対して厚膜の保護層を形成できない等の数々の
課題を有していた。
【0010】インクジェット方式によるカラーフィルタ
においても、凸形状に膨潤した着色部を平坦化するため
には、信頼性を始め、諸特性に優れ、且つ平坦性に優れ
た保護層を選定しなければならず、場合によっては厚膜
化が必要であり、カラーフィルタの低コスト化に大きく
影響を及ぼすものであった。
【0011】本発明の目的は、上記問題点を解決し、簡
単な工程で表示品位の高いカラーフィルタを提供するこ
とにあり、特に、インクジェット方式を用い、混色や色
濃度分布が無く、表面平坦性に優れたカラーフィルタを
提供し、該カラーフィルタを用いて、表示品位の高い液
晶素子をより安価に提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のカラーフィルタ
の製造方法は、透明基板上に着色部を有するカラーフィ
ルタの製造方法であって、透明基板上に加熱溶融硬化型
樹脂組成物からなるインク受容層を形成する工程と、上
記インク受容層にインクを付与して着色する工程と、着
色されたインク受容層に加熱処理を施して該インク受容
層を溶融、硬化させて着色部を形成する工程と、を少な
くとも有することを特徴とする。
【0013】また、本発明のカラーフィルタは、透明基
板上に、加熱溶融硬化型樹脂組成物を着色、硬化してな
る着色部を有することを特徴とする。
【0014】さらに、本発明の液晶素子は、一対の基板
間に液晶を狭持してなり、一方の基板が上記本発明のカ
ラーフィルタを用いて構成されていることを特徴とす
る。
【0015】本発明のカラーフィルタの製造方法におい
ては、加熱溶融硬化型樹脂を用いて着色部を形成してい
るため、着色後に膨潤した形状を、加熱硬化処理の過程
で自動的に平坦化することができる。よって、本発明の
カラーフィルタは平坦性に優れ、厚膜の保護層を用いな
くても、該カラーフィルタを用いて表示性能に優れた液
晶素子を構成することが可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】図1に本発明のカラーフィルタの
製造方法の一実施形態の工程図を示す。本実施形態は、
インク受容層を感光性樹脂組成物で形成し、予めパター
ン露光することによって隣接する着色部間に非着色部を
形成することによって、混色防止を図る形態である。
【0017】図1中、1は透明基板、2はブラックマト
リクス、3はインク受容層、4はフォトマスク、5は非
着色部、6は被着色部、7はインクジェットヘッド、8
はインク、9は着色部、10は保護層である。尚、図1
の(a)〜(f)は以下の工程(a)〜(f)にそれぞ
れ対応する断面模式図である。
【0018】工程(a) 透明基板1上に必要に応じてブラックマトリクス2を形
成し、インク受容層3を形成する。透明基板1として
は、通常ガラス基板が用いられるが、カラーフィルタと
しての透明性や機械的強度等必要な特性を備えていれ
ば、プラスチック板等適宜用いることができる。
【0019】また、本発明においては、液晶素子上での
コントラストを向上させたり、隣接する着色部9相互の
混色を隠して色再現性を向上させるために、少なくとも
隣接する異なる色の着色部9間を包含する領域に遮光
層、即ちブラックマトリクス2や或いはブラックストラ
イプを設けることが好ましい。
【0020】上記遮光層の形成材料としては、Cr、A
l、Cu、Mo、Ni等の金属や金属酸化物及びこれら
の金属からなる種々の合金を挙げることができる。ま
た、これらの金属を用いてメタル遮光層を形成する方法
としては、真空成膜法やメッキ法が挙げられる。本発明
においては、メタル遮光層は0.1〜2μm程度の膜厚
で設けることが好ましい。さらに、メタル遮光層を所望
のパターンに形成する場合のパターニングに関しては、
通常のフォトレジストを用いたフォトリソグラフィによ
って、パターニングやエッチング処理を施せばよい。ま
た、メタル遮光層のパターン幅は画素間遮光の観点か
ら、少なくとも、隣接着色部間幅と同等以上とすること
が好ましい。
【0021】尚、必要に応じては、上記のような金属系
の遮光層パターンではなく、種々の樹脂に遮光材料を分
散させた遮光樹脂を用い、フォトリソグラフィ法によっ
てパターニングしたブラックマトリクスを用いても良
い。
【0022】本発明において、インク受容層3を形成す
る材料としては、インク吸収性を有した加熱溶融硬化型
樹脂組成物である。即ち、インク8と化学的親和性を有
する化学構造を持つと共に、加熱処理により、軟化、溶
融状態をとり、その後加熱硬化反応が進むものを用い
る。特に、100℃〜150℃で軟化、溶融状態をと
り、150℃〜230℃で硬化反応が進むような性質を
持つ組成物が好適である。
【0023】このような組成物としては、例えば非感光
性のアクリル系樹脂をベースにした共重合体が好ましく
用いられるが、この他に、通常のアクリル系樹脂、ポリ
アミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、シリコーン系樹脂等の樹脂や、ゼラ
チン、カゼイン、グリュー等の天然物及びポリビニルア
ルコール系樹脂等が用いられる。また、これらの樹脂の
うちの任意のものを共重合或いはブレンドしたものが用
いられる。
【0024】また、インク受容層3に非着色部5を形成
する場合には、UV光やDeep−UV光の照射による
光化学反応で選択的にインク吸収性を有する被着色部6
とインク吸収性が被着色部よりも低い(好ましくは、無
い)非着色部5を形成することができる、感光性樹脂組
成物を用いる。このような感光性樹脂組成物としては、
上記各樹脂に感光性を付与したものが挙げられる。
【0025】特に、諸特性に優れた加熱溶融硬化型樹脂
の一例としては、下記一般式(1)で示される繰り返し
単位を有するアクリルポリマー成分、酸無水物、及び多
官能エポキシ化合物からなる組成物が挙げられ、インク
吸収性を持つ成分と共重合或いはブレンドすることによ
り一体化した組成物が好ましく用いられる。
【0026】
【化1】 (但し、RはHまたはCH3
【0027】上記アクリルポリマー成分としては、上記
一般式(1)で示される繰り返し単位を形成するモノマ
ー成分として、グリシジルアクリレートまたはグリシジ
ルメタクリレート、或いはその両方を用い、必要に応じ
てアクリル酸、メタクリル酸エステル、或いはビニル基
を有する芳香族系化合物等を共重合したものであっても
良い。
【0028】上記アクリルポリマー成分に他の共重合成
分を含める場合には、上記一般式(1)で示される構造
がモル比で30%以上含まれていることが望ましい。ま
た、分子量としては、加熱処理での溶融状態による平坦
化を促進させるため、ある程度低い分子量が好ましく、
具体的には、GPCによるポリスチレン換算の重量平均
分子量で1000〜5000程度が望ましい。
【0029】また、上記酸無水物としては、脂肪族系、
脂環式系及び芳香族系の酸無水物が挙げられるが、諸特
性の観点から特に芳香族系酸無水物が好ましい。具体的
には、例えば無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水
ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等が
挙げられる。該酸無水物は、上記アクリルポリマー成分
に対し、重量比率で5〜100%の範囲で用いられる。
【0030】また、上記多官能エポキシ化合物は、主に
樹脂組成物の粘性の低下に重要で、具体的には、グリシ
ジルエステルエポキシ化合物、グリシジルエーテルエポ
キシ化合物、グリシジルアミンエポキシ化合物、フッ化
エポキシ化合物、ヒダントインエポキシ化合物、或い
は、シクロヘキセンオキサイド基やトリシクロデセンオ
キサイド基を有する脂環式エポキシ化合物等が挙げられ
るが、特に、グリシジルエステルエポキシ化合物や、フ
ッ化エポキシ化合物、ヒダントインエポキシ化合物が好
ましい。当該多官能エポキシ化合物は、アクリルポリマ
ー成分に対し、重量比率で1〜50%の範囲で用いられ
る。
【0031】尚、インク受容層3と透明基板1との接着
性を向上させる必要がある場合には、透明基板1上に予
めシランカップリング剤等を薄く塗布しておくか、或い
は、インク受容層3中にシランカップリング剤等を少量
添加したものを用いることが好ましい。このようにすれ
ば、インク受容層3と透明基板1との接着性を向上させ
ることができる。
【0032】インク受容層3は、上記に例示したような
形成材料をスピンコート法、ロールコート法、印刷法等
により塗布、乾燥させて形成することができる。本発明
に係るインク受容層3の厚さは、0.1〜3.0μmが
好ましく、特に好ましくは0.5〜2.0μmである。
【0033】工程(b) フォトマスク4を用いて、インク受容層3をパターン露
光し、ホットプレート上でPEB(ポスト・エクスポー
ジャー・ベーク)処理して非着色部5を形成する。本実
施形態では露光によりインク吸収性を消失するタイプに
ついて示した。露光によりインク吸収性を発現するタイ
プの場合には、逆のパターンで露光すればよい。また、
後述するインク8付与時に隣接する被着色部6同士での
混色を防止するために、非着色部5が撥インク性を発現
するような成分をインク受容層3に付与しておいても良
い。
【0034】さらに、非着色部5の幅はブラックマトリ
クス2よりも狭くなるように露光することが、着色部9
の外周近傍に発生する白抜けを防止する上で好ましい。
【0035】工程(c) 着色すべき領域に所定の着色パターンに沿って、R
(赤)、G(緑)、B(青)のインク8を付与する。本
実施形態においては、インクジェットヘッド7により、
被着色部6にインクを付与する。
【0036】本発明において用いられるインク8には、
有機顔料、無機顔料、染料等のうち所望の分光特性を得
られるものを適宜選択して、単独或いは混合して用いる
ことができる。また、該インク8の付与手段としては、
本実施形態に示したインクジェット方式が、1工程で複
数色のインクの付与が可能であるため好ましい。インク
ジェット方式においては、水溶性のインクが好ましく用
いられる。即ち、染料等の各種の着色剤を必要に応じて
添加剤と共に、水や有機溶剤等の溶媒に溶解或いは分散
させたインクが好ましく用いられる。
【0037】本発明に好ましく用いられるインクジェッ
ト方式としては、エネルギー発生素子として電気熱変換
体を用いたバブルジェットタイプ、或いは圧電素子を用
いたピエゾジェットタイプ等が使用可能であり、着色面
積及び着色パターンは任意に設定することができる。
【0038】工程(d) 必要に応じてインクを50℃前後の低温で乾燥させる。
インク8を吸収した被着色部6は通常、膨潤して凸形状
の表面状態を有する。
【0039】工程(e) インク受容層全体の加熱溶融硬化処理を行う。処理温度
は用いた素材により異なり、適宜設定する。当該処理に
より、先ず樹脂の軟化、溶融状態をとり、着色された被
着色部6の凸形状の表面状態が平坦化される。次いで、
さらなる温度上昇と共に熱硬化反応が加速され、平坦化
された状態で熱硬化が進行し、平坦な表面を有する着色
部9が形成され、本発明のカラーフィルタが得られる。
【0040】工程(f) 上記のようにして形成された本発明のカラーフィルタに
は、カラーフィルタがより優れた平坦性を要求される場
合や、各種の過激な環境条件から有効に保護するため
に、必要に応じて保護層10を設けることが好ましい。
【0041】本発明に用いられる保護層10の材料とし
ては、例えば、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポ
リイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネー
ト系樹脂及びシリコーン系樹脂等の透明樹脂素材や、S
iN4、SiO2、SiO、Al23、Ta25等の無機
化合物が挙げられる。保護層10を設ける方法として
は、スピンコート、ロールコート、印刷等の塗布法、或
いは蒸着法が挙げられる。また、保護層10の厚みは、
0.1〜2.0μm程度とすることが好ましい。
【0042】次に、本発明の液晶素子の一例を図2に示
す。図2は、図1(f)に示した本発明のカラーフィル
タを用いて構成した液晶素子の一例の断面模式図であ
る。図中、11は共通電極、12,23は配向膜、21
は対向基板、22は画素電極、24は液晶である。本液
晶素子は、画素毎にTFT(薄膜トランジスタ)を配置
したアクティブマトリクスタイプ(いわゆるTFT型)
の液晶素子の一例である。
【0043】カラー表示の液晶素子は、一般的にカラー
フィルタ側基板1と対向基板21を合わせ込み、液晶2
4を封入することにより形成される。対向基板21の内
側に、TFT(図示しない)と透明な画素電極22がマ
トリクス状に形成される。また、透明基板1の内側に
は、画素電極22に対向する位置に、R、G、Bが配列
するようにカラーフィルタの着色部9が設置され、その
上に共通電極11が一面に形成される。ブラックマトリ
クス2は、通常カラーフィルタ側に形成されるが、BM
オンアレイタイプの液晶素子においては対向基板21側
に形成される。さらに、両基板の面内には配向膜12,
23が形成されており、これらをラビング処理すること
により液晶分子を一定方向に配列させることができる。
これらの基板はスペーサー(図示しない)等を介して対
向配置され、シール材(図示しない)によって貼り合わ
され、その間隙に液晶24が充填される。
【0044】上記液晶素子は、透過型の場合には両基板
の外側に偏光板を設置し、一般的に蛍光灯と散乱板を組
み合わせたバックライトを用い、反射型の場合には透明
基板1の外側に偏光板を設置して、それぞれ液晶24を
光の透過率を変化させる光シャッターとして機能させる
ことにより表示を行う。
【0045】上記実施形態においては、TFT型の液晶
素子について説明したが、本発明は単純マトリクス型等
他の駆動タイプの液晶素子にも好ましく適用される。ま
た、本発明の液晶素子は直視型でも投写型でも好適に用
いられる。
【0046】また、本発明の液晶素子においては、本発
明のカラーフィルタを用いて構成されていれば、他の部
材については従来の液晶素子の技術を用いることがで
き、液晶としても一般的に用いられているTN型液晶や
強誘電性液晶等いずれも用いることができる。
【0047】
【実施例】(実施例1)予めパターン状に形成されたブ
ラックマトリクスを有するガラス基板(コーニング社製
「1737」)上に、インク受容層として、グリシジル
メタクリレートを成分として含有する、インク吸収性を
有する加熱溶融硬化型アクリル系樹脂組成物(多官能エ
ポキシ化合物として3,4−エポキシシクロヘキシルメ
チル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレー
トを、酸無水物として無水トリメリット酸を含む)を用
い、スピンコートによって1.0μmの膜厚に塗布形成
した。この基板を50℃にて10分間プリベークした
後、所望のパターン形状を有するフォトマスクを用い、
インク受容層に対してDeep−UV光で60mJ/c
2の露光を行った。
【0048】次いで、上記基板を110℃のホットプレ
ート上で60秒間放置し、PEB(ポスト・エクスポー
ジャー・ベーク)処理を行った後、染料をベースにした
R、G、Bの各インクを、インクジェット方式の描画装
置にて、所定の未露光領域(被着色部)に付与した。
【0049】次に、90℃にて10分間の乾燥を行った
後、230℃にて1時間のポストベーク処理(加熱溶融
硬化処理)を行い、R、G、Bの各着色部を有するカラ
ーフィルタを得た。得られたカラーフィルタは、特に表
面平坦性に優れたものであった。
【0050】さらに、得られたカラーフィルタの表面に
アクリル系熱硬化型樹脂をスピンコートにより1.0μ
mの膜厚に塗布した。その後、90℃で10分間のプリ
ベーク処理を行った後、230℃で1時間のポストベー
ク処理を行い、保護層を形成した。
【0051】得られた保護層付のカラーフィルタは、平
坦性はもとより信頼性等の諸特性に優れたものであっ
た。
【0052】(実施例2)実施例1で作製したカラーフ
ィルタを用いて液晶素子を作製した。
【0053】実施例1のカラーフィルタの保護層上に、
1000Åの厚みのITO電極層を形成し、さらに、該
電極層上に配向機能を付与したポリイミド樹脂からなる
膜厚1200Åの絶縁層を形成した。
【0054】次に、対向基板(アクティブマトリクス基
板)の形成工程について図3に沿って説明する。
【0055】先ず、ガラス基板(コーニング社製「17
37」)31上に1000Åの厚さのITO膜を形成
し、フォトリソ工程により所望のパターンに形成してI
TO画素電極32を形成した(図3(a))。
【0056】Alを1000Åの厚さに真空蒸着し、こ
の蒸着層をフォトリソ工程により所望の形状にパターニ
ングしてゲート電極33を形成した(図3(b))。
【0057】次に、感光性ポリイミド(東レ社製「セミ
コファイン」)を基板全面に塗布して絶縁層34を形成
し、パターン露光及び現像処理によってドレイン電極と
画素電極32とのコンタクト部を構成するスルーホール
35を形成した(図3(c))。
【0058】基板を堆積槽内の所定の位置にセットし、
堆積槽内にH2で希釈されたSiH4を導入し、真空中で
グロー放電法により、基板全面に2000Åの厚さのa
−Siからなる光導電層(イントリンシック層)36を
堆積させた後、同様の操作によって1000Åの厚さの
+層37を堆積させた。この基板を堆積槽から取り出
し、前記n+層37及び光導電層36をそれぞれ順にド
ライエッチング法により所望の形状にパターニングした
(図3(d)、(e))。
【0059】基板全面にAlを1000Åの厚さで真空
蒸着した後、このAl蒸着層をフォトリソ工程により所
望の形状にパターニングして、ソース電極38、ドレイ
ン電極39を形成した(図4(f))。
【0060】基板全面に配向機能を付与した絶縁層40
として、ポリイミド樹脂を1200Åの厚さに塗布し、
250℃で1時間加熱処理して樹脂の硬化を行い、アク
ティブマトリクス基板を得た(図3(g))。
【0061】上記の用にして作製されたアクティブマト
リクス基板と、前記実施例1のカラーフィルタを用いて
形成された基板とを貼り合わせて液晶を封入し、液晶素
子を得た。
【0062】得られた液晶素子は、平坦性に優れたカラ
ーフィルタを用いているため、特にカラー表示性能に優
れたものであった。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、インク受容層にインク
を付与して着色部を形成するカラーフィルタの製造方
法、特に、インクジェット方式により着色部を形成する
製造方法において、特に特別な工程を経ることなく、簡
易なプロセスにより平坦性に優れたカラーフィルタが得
られ、該カラーフィルタを用いて、よりカラー表示品質
が高く信頼性に富む液晶素子を安価に提供することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタの製造方法の一実施形
態の工程図である。
【図2】図2によるカラーフィルタを用いた、本発明の
液晶素子の一実施形態の断面模式図である。
【図3】本発明の実施例におけるアクティブマトリクス
基板の製造工程図である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 ブラックマトリクス 3 インク受容層 4 フォトマスク 5 非着色部 6 被着色部 7 インクジェットヘッド 8 インク 9 着色部 10 保護層 11 共通電極 12 配向膜 21 対向基板 22 画素電極 23 配向膜 24 液晶 31 ガラス基板 32 画素電極 33 ゲート電極 34 絶縁層 35 スルーホール 36 光導電層 37 n+層 38 ソース電極 39 ドレイン電極 40 絶縁層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA24 FB01 FC06 HA46 2H048 BA64 BB02 BB14 BB23 BB37 BB44 2H091 FA02Y FB02 FC10 FC22 GA16 LA12

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に着色部を有するカラーフィ
    ルタの製造方法であって、透明基板上に加熱溶融硬化型
    樹脂組成物からなるインク受容層を形成する工程と、上
    記インク受容層にインクを付与して着色する工程と、着
    色されたインク受容層に加熱処理を施して該インク受容
    層を溶融、硬化させて着色部を形成する工程と、を少な
    くとも有することを特徴とするカラーフィルタの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 上記加熱溶融硬化型樹脂組成物が、10
    0℃〜150℃で軟化、溶融状態をとり、150℃〜2
    30℃で硬化反応が進む組成物である請求項1記載のカ
    ラーフィルタの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記加熱溶融硬化型樹脂組成物が感光性
    樹脂組成物であって、インク受容層を予めパターン露光
    することにより、インク吸収性を有する被着色部と、隣
    接する被着色部間に位置し、該被着色部よりもインク吸
    収性の低い非着色部とを形成し、上記被着色部にインク
    を付与して着色し、着色部を形成する請求項1または2
    に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 【請求項4】 インク受容層にインクを付与する手段
    が、インクジェット方式である請求項1〜3のいずれか
    に記載のカラーフィルタの製造方法。
  5. 【請求項5】 透明基板上に、加熱溶融硬化型樹脂組成
    物を着色、硬化してなる着色部を有することを特徴とす
    るカラーフィルタ。
  6. 【請求項6】 表面に保護層を有する請求項5記載のカ
    ラーフィルタ。
  7. 【請求項7】 一対の基板間に液晶を狭持してなり、一
    方の基板が請求項5または6に記載のカラーフィルタを
    用いて構成されていることを特徴とする液晶素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013146903A1 (ja) 2012-03-28 2013-10-03 凸版印刷株式会社 ディスプレイ用カラーフィルタ

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