JP2001066355A - 心内電気現象診断装置 - Google Patents

心内電気現象診断装置

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JP2001066355A JP24386399A JP24386399A JP2001066355A JP 2001066355 A JP2001066355 A JP 2001066355A JP 24386399 A JP24386399 A JP 24386399A JP 24386399 A JP24386399 A JP 24386399A JP 2001066355 A JP2001066355 A JP 2001066355A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】心室の形状や位置の情報を必要とする心内電気
現象の推定を行うときに、従来法で行っていた、磁気セ
ンサと心室との位置関係の特定に伴う事前の計測や演算
を不要にし、準備作業の大幅な簡素化を図り、心内電気
現象を高精度で且つ高速に推定することができるように
する。 【解決手段】被検者の心臓からの磁場を体表部分でセン
サを介して測定する測定手段と、この測定手段のセンサ
と心臓の位置及び向きとの位置関係を必要とする解析法
を磁場の測定値に適用して電気生理的現象を解析する解
析手段とを備える。この解析手段は、磁場の測定値から
心室の位置及び向きを演算するように構成される。な
お、センサを配置するための位置合わせ補助治具を備
え、この治具には、センサを位置合わせするための少な
くとも1個の指標点と、MRイメージングで写るマーカ
体とが備えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検者の心臓の活
動に伴って発生する微弱磁場(磁界)又は電位の計測値
(心電図(ECG:electrocardiogra
m)又は心磁図(MCG:magnetcardiog
ram)と呼ばれる)から心臓内の電気生理的現象を解
析し、その解析結果を提示する心内電気現象診断装置に
係り、とくに、それら計測値を検出するセンサと心室と
の位置関係を予め特定しておくことが不要な解析法、及
び、センサの被検者胴体に対する正確且つ容易な位置合
わせ法の提供に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、生体磁界計測装置は、SQUID
(superconductingquantum i
nterference device:超伝導量子干
渉計)を用いた超伝導システムの代表格として研究開発
が進んでおり、被検者の脳から発生する微弱な脳磁界や
心臓から発生する微弱な心磁界を計測・解析する装置で
ある。この内、脳磁界を計測・解析する装置は脳磁図計
測装置と、心磁界を計測・解析する装置は心磁図計測装
置と呼ばれている。
【0003】心磁図計測装置により計測される心磁図
は、心臓の電気的活動に因って発生する磁場を胸面上で
検出した波形情報である。この心磁図を収集するには、
以前は、1ch又は7ch程度の少数チャンネルのSQ
UIDセンサを有するSQUID磁束計を用い、この磁
束計全体の位置を少しずつ移動させながら胸前の測定範
囲を多数回に分けて計測を行っていた。
【0004】しかし、近年では、多チャンネルのSQU
IDセンサを用いた心磁図計測装置が開発され、測定範
囲全体を一度にカバーして計測できるようになってい
る。このように計測した心磁図は、心肥大や心筋症、狭
心症などの検出に有効性を発揮することが分かってい
る。心磁図を用いてこれらの病気を診断するには、心磁
図のその波形が胸面のどの位置で計測したものであるか
が重要な情報になる。また、心磁図のパターンも診断に
利用されるので、心磁図の被検者胸部に対する位置関係
を再現性良く計測することが極めて重要である。
【0005】<(1):磁気センサの胴体への位置合わ
せ法…その1>この心磁図計測装置を用いて計測を行う
場合、多チャンネルの磁気センサ(SQUIDセンサな
ど)を被検体胸部に位置合わせする準備作業が必要にな
る。すなわち、心磁図計測装置を被検者の胸部前面に配
置する際、この位置合わせが必要になる。
【0006】この位置合わせに関して、従来の簡易な手
法としては、被検体胴体の特徴点(例えば胸骨柄中央く
ぼみや剣状突起:図25参照)の位置に磁気センサのセ
ンサ容器に付した基準目印を目視で合わせるセッティン
グ方法が採られている(図26,27参照)。この位置
合わせ後、被検者には動かないように指示して心磁図が
計測される。この位置合わせ法の場合、それほど高い精
度が確保できないが、心磁図の時間波形やパターンから
診断を行うときには使用可能な手法である。
【0007】<(2):磁気センサの胴体への位置合わ
せ法…その2>一方、近年の心磁図計測装置は、計測し
た心磁図をそのまま診断に供する機能のみならず、その
心磁図を解析して心臓内電気現象を推定する機能を備え
ている。シングルダイポール法はその推定法を代表する
古典的アルゴリズムであり、ある瞬間の胸面上の磁場分
布に基づき、1点に限局して存在すると仮定した磁場の
発生源(電流ダイポール)の位置を推定することができ
る。この電流ダイポールの推定位置をMRI(磁気共鳴
イメージング)によって得られた胸部の画像に重ね合わ
せると、心筋の電気的活動の位置を特定することができ
る。
【0008】この重ね合わせを行うには、電流ダイポー
ルの推定位置がMRI画像上のどの位置に相当するのか
を決めなければならない。これを決定するには、被検者
の胴体の特定位置と磁気センサの位置関係を定めるこ
と、及び、胴体上の実際の特定位置がMRI画像上でど
この位置に相当するかを定めることが必要になる。この
とき、磁気センサと被検者胴体との位置合わせにずれが
在った場合、推定した電流ダイポールがMRI画像上で
表示される位置もずれるため、磁気センサと胴体との位
置関係の高精度な位置合わせが要求される。
【0009】この高精度の位置合わせの従来法として、
3次元デジタイザを用いる方法が知られている。つま
り、図28に模式的に示す如く、被検者胸部上の特徴点
(又はマーカ)の位置及び磁気センサに標された標識位
置が3次元デジタイザで1個ずつ計測され、両者間の位
置関係が正確に求められる。この位置関係が予め定めて
ある所定の位置関係に一致するように被検者又は磁気セ
ンサの位置が調整され、位置合わせが行われる。
【0010】この位置合わせの後、被検者には動かない
ように指示して心磁図が計測される。推定した電流ダイ
ポールをMRI画像に重ね合わせるには、通常、目視に
より、胸部の特徴点の位置がMRI画像上で指定され、
電流ダイポール位置などの推定結果がその指定位置に重
ね合わせられる。なお、胸部の特徴点の代わりに、体表
の任意位置に付けた印を用いることもある。この場合に
は、かかる体表上の任意位置にMRIで描出されるマー
カを付けてMRイメージングがなされる。これにより、
体表上の任意位置の印とMRI画像上のマーカとを位置
合わせすることができる。
【0011】<(3):磁気センサと心室との位置関係
の特定法>さらに、本発明者らによる特願平9−135
627号出願(特開平10−323335号公報)に
は、心磁図あるいは心電図の計測データを用いて心臓内
の興奮伝播時刻の分布と心筋電気活動量(活動電位振
幅、導電率、又はそれらの量の積)の分布を解析・表示
する別の技術が提案されている。
【0012】この方法は、計算機内に心室の形状を表す
モデルを構築し、そのモデルに興奮到達時刻や活動電位
振幅(あるいは導電率、電流ダイポール密度)の分布を
設定し、それに基づいてQRS期間にわたる心電図ある
いは心磁図の空間分布および波形を計算し、測定した心
電図あるいは心磁図と計算した心電図あるいは心磁図と
の差がなるべく小さくなるように、心室モデルに設定す
る興奮到達時刻や活動電位振幅などの分布を変更してい
って、最終的に得られた興奮到達時刻や活動電位振幅の
分布を最終的な解析結果とし、画面などに表示するもの
である。これにより、興奮伝播時刻や心筋電気活動量の
分布を高速に推定することができ、不整脈や虚血性心疾
患の診断に有用な手法を提供している。
【0013】この推定解析を行うには、心室モデルを計
算機内に構築するために、前もって、磁気センサ(例え
ばSQUIDセンサ)と心室との位置関係(すなわち、
SQUIDセンサに対して心室がどこの位置に在るかの
位置情報)をより正確に求めておく必要がある。
【0014】この位置関係は、従来では、以下の手順を
踏んで求められている。まず、心磁図計測装置の磁気セ
ンサを被検者の胸部に設置し、胸部上の特徴点(胸骨柄
など)や胸部体表上に付したマーカの位置と磁気センサ
に付した標識の位置との位置関係を例えば3次元デジタ
イザで計測する(図29、ステップSa)。次いで、M
RI(磁気共鳴イメージング)装置を用いてMR撮影を
行い、被検者胴体とその心室との位置関係を特定する
(ステップSb)。そして、上記2種類の位置関係の計
測値から磁気センサと心室との位置関係を計算する(ス
テップSc)。この求めた位置に心室モデルは配置さ
れ、上述した如く、この心室モデルを使って、心室内の
興奮時刻分布及び活動電位振幅などが解析され、表示さ
れる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来法に係る、磁気センサの胴体への位置合わせ法
(その1及びその2)、及び、磁気センサと心室との位
置関係の特定法にあっては、以下のような解決すべき課
題があった。
【0016】(1):まず、磁気センサの胴体への位置
合わせ法(その1)にあっては、あくまで目印同士の空
間的位置関係を目視で判断しながら、磁気センサを被検
者胸部のしかるべき所定位置にセッティングする手法で
あるため、位置合わせ精度が概して低く且つ不安定であ
る。また、セッティング操作そのものに熟練を要すると
いう問題がある。
【0017】(2):また、磁気センサの胴体への位置
合わせ法(その2)は、逆問題により心内電気現象(興
奮時刻や活動電位振幅など)を推定するときの磁気セン
サと被検者胴体との間の位置計測にも適用できる手法で
はあるが、手間が掛かるという問題がある。とくに、こ
の3次元デジタイザを用いて高精度に位置合わせを行う
には、センサ容器に多数の標識を付しておいて、それら
の標識夫々について位置計測を行う必要があり、時間と
手間が掛かる。また、標識位置を計測した後、被検者は
動かないように指示されるが、呼吸などに因り完全に動
かないということは不可能である。このため、この位置
合わせ法にもまた、位置合わせ精度には限界があった。
【0018】(3):一方、従来法に拠る磁気センサと
心室との位置関係の特定法の場合、磁気共鳴イメージン
グを行うとき及び心磁図計測を行うときの両状態におい
て、体の左右方向の湾曲やねじれを全く一致させること
はできない等、被検者の体位を完全に一致させることも
また不可能であり、磁気センサと心室との位置関係の特
定精度にも限界があった。また、前述と同様に、3次元
デジタイザのプローブを、センサ容器の多数の標識及び
胸部体表上の特徴点の夫々に当てて位置計測を行う必要
があり、時間と手間が掛かるという問題もある。当然
に、この位置関係の特定精度が低いと、逆問題として推
定する心内電気現象の推定精度も低下を余儀なくされ
る。
【0019】ところで、特開平8−289877号(特
願平7−98791号)公報には、興奮伝播シミュレー
ション方法とそれを用いた逆問題の解法が提案されてい
る。すなわち、心磁図或は心電図から、心室内の初期興
奮部位と初期興奮時刻、刺激伝導系の分布、導電率分
布、活動電位振幅分布、及び興奮伝播速度分布の内の1
つ或は複数の項目を興奮伝播シミュレーションを介して
推定する手法が示されている。とくに、それらの項目と
心室の位置、向き及び形状のパラメータとを同時に推定
する手法も提案されている。
【0020】しかしながら、この公報提案の推定を行な
うには、必ず興奮伝播シミュレーションを実行する必要
があるので、推定の高速性に劣るという問題がある。
【0021】本発明は、上述した従来技術に伴う様々な
困難を打破すべくなされたもので、心室の形状や位置の
情報を必要とする逆問題解析(すなわち、心臓内電気現
象の推定)を行うときに、従来法で行っていた、磁気セ
ンサと心室との位置関係の特定に伴う事前の計測や演算
を不要にし、準備作業の大幅な簡素化を図るとともに、
心内電気現象を高精度で且つ高速に推定することができ
る心磁図計測装置などの心内電気現象診断装置を提供す
ることを、第1の目的とする。
【0022】また、センサの被検者胴体への位置合わせ
を容易に、短時間で、且つ精度良く行うことができる心
磁図計測装置などの心内電気現象診断装置を提供するこ
とを、第2の目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】上述した第1の目的を達
成するため、本願の第1の発明によれば、被検者の心臓
の電気的活動に伴って発生する磁場又は電位の分布を体
外又は体表で測定した測定値からその心臓の電気生理的
現象を解析する解析手段と、この解析手段の解析結果を
提示する提示手段とを備えた心内電気現象診断装置にお
いて、前記解析手段は、前記心臓の位置、向き、及び形
状を表現する特徴量を参照して前記磁場又は電位の分布
を演算する演算手段と、前記磁場又は電位の分布の測定
値と前記演算手段により演算された磁場又は電位の分布
とを参照して前記特徴量を推定する推定手段とを有する
ことを特徴とした。
【0024】また、第1の目的を達成するため、本願の
第2の発明によれば、被検者の心臓の電気的活動に伴っ
て発生する磁場又は電位を体外又は体表でセンサを介し
て測定する測定手段と、この測定手段のセンサと心臓の
位置及び向きとの位置関係を必要とする解析法を前記磁
場又は電位の測定値に適用して心臓内の電気生理的現象
を解析する解析手段とを備え、前記解析手段は、前記磁
場又は電位の測定値から心室の位置及び向きを演算する
ように構成したことを特徴とする心内電気現象診断装置
が提供される。
【0025】例えば、前記測定手段は前記磁場を測定す
る手段であり、前記解析手段は前記解析法を前記磁場の
測定値に適用して心臓内の電気生理的現象を解析する手
段である。
【0026】好適には、前記解析手段は、前記磁場の測
定値から1個の電流ダイポールを推定する手段と、この
推定した電流ダイポールの位置に前記心室のモデルを配
置する手段とを備える。また、前記解析手段は、前記磁
場の測定値から前記心室の位置及び向きと前記電気生理
的現象を表す量とを同時に推定する手段を備えていても
よい。この場合、前記推定手段は、前記心室の位置及び
向きの内の所定の成分だけを推定し、残りの成分を固定
する手段であることも好適な態様である。また、前記推
定手段は、前記心室の位置及び向き並びにそれらの探索
範囲の初期値を設定する手段を備えていてもよい。
【0027】さらに、好適には、前記設定手段により設
定される前記探索範囲は、前記心室の初期位置からの所
定距離の周辺部位に限定した範囲である。
【0028】また、前記設定手段は、前記心室の位置及
び向き並びにそれらの探索範囲の初期値をオペレータが
任意に変更可能な手段を備えることができる。
【0029】さらに、前記推定手段は、前記探索範囲内
の心室位置及び向きを線形化して推定する手段であって
もよい。
【0030】前記第2の目的を達成するため、本願の第
3の発明は、被検者の心臓の電気的活動に伴って発生す
る磁場又は電位を体外又は体表でセンサを介して測定す
る測定手段と、この磁場又は電位の測定値から心臓内の
電気生理的現象を解析する解析手段とを備えた心内電気
現象診断装置において、前記センサを前記被検者に対し
て配置するための位置合わせ手段を備えたことを特徴と
する。好適には、前記位置合わせ手段は、前記センサを
位置合わせするための少なくとも1個の指標点と、MR
イメージングで写るマーカ体とを備えた治具である。
【0031】例えば、前記治具は、前記被検者の首に掛
けるストラップと、その被検者の体表に固定する固定手
段とを備えている。また、好適には、前記マーカ体はM
Rイメージングで写る媒体を筒体内に充填して形成する
一方で、このマーカ体を前記指標点の各1個につき複数
個、前記被検体の体軸方向に所定角度傾斜させて配置さ
れる。好適には、この複数本のマーカ体は、これらのマ
ーカ体が指標点で交差する、又は、それらのマーカ体の
延長線が指標点で交差するように配置される。
【0032】さらに、前記第2の目的を達成するため、
本願の第4の発明によれば、被検者の心臓の電気的活動
に伴って発生する磁場又は電位を体外又は体表でセンサ
を介して測定する測定手段と、この磁場又は電位の測定
値から心臓内の電気生理的現象を解析する解析手段とを
備えた心内電気現象診断装置で使用する位置合わせ治具
であって、前記センサを位置合わせするための少なくと
も1個の指標点と、MRイメージングで写るマーカ体と
を備えたことを特徴とする位置合わせ治具が提供され
る。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
心内電気現象診断装置を、添付図面を参照して説明す
る。なお、以下の実施形態やその変形形態にあっては、
心内電気現象診断装置の一例として、心磁界を体表外で
測定して心臓内の電気生理的現象を解析し表示する心磁
図計測装置を説明するが、以下に述べる手法は、心臓の
電気的活動に伴って発生する電位を体表で測定した測定
値から心臓内の電気生理的現象を解析し表示する装置に
も同様に適用できる。
【0034】<第1の実施の形態>第1の実施形態に係
る心磁図計測装置を図1〜図5に基づき説明する。
【0035】この心磁図計測装置は、測定した心磁図デ
ータから心室の位置を推定し、これにより、MRI装置
などのモダリティを用いた心室位置の測定を省くことが
できるという特徴を有する。
【0036】まず、心磁図計測装置の電気的な概略構成
から説明する。この装置は、図1に示す如く、磁気セン
サとしてのSQUID磁束計11、解析及び制御用のコ
ンピュータ装置12、心臓の画像を収集する画像収集装
置13、画像転送装置14、及び呼吸モニタ装置15を
備える。
【0037】SQUID磁束計11は、SQUIDセン
サ11a及び駆動回路11bを備え、高感度な磁気セン
サとしての、マルチチャンネルSQUID磁束計であ
る。このSQUID磁束計11は胸面上の数点での心臓
磁場波形をSQUIDセンサ11aで検出し、その波形
信号を駆動回路11b内の回路で増幅及びフィルタリン
グし、コンピュータ装置12に送る。
【0038】コンピュータ装置12は、その入力側に設
けた信号収集回路12aと、この回路12aに接続され
た演算処理装置12bと、この装置に接続された入力装
置12c、記憶装置12d、及び表示装置12eとを備
える。SQUID磁束計11から送られてきた波形信号
は、信号収集回路12aでA/D変換されてデジタルデ
ータになり、演算処理装置12bに取り込まれる。
【0039】画像収集装置13は、例えばMRI装置、
X線CT装置、超音波診断装置などの3次元画像データ
を収集できるモダリティの一つ又は複数の装置で構成さ
れる。このため、画像収集装置13は、被検者の心臓を
含む領域の複数枚の断層像データを収集することがで
き、これを画像転送装置14に送る。
【0040】画像転送装置14は、送られてきた被検者
の断層像データをコンピュータ装置12に転送する。こ
の画像転送装置14は好ましくは、ネットワークを経由
して又は記憶媒体により断層像データをコンピュータ装
置12に転送する構成を有する。つまり、前者の場合、
画像転送装置14はネットワーク通信装置として構成さ
れ、後者の場合、外部記憶装置として構成される。ま
た、必要に応じて、画像転送装置14は画像フォーマッ
トの変換や3次元画像データへの再構成を行うように構
成される。これらの変換や再構成の処理は、図示しない
CPUが図示しないメモリに記憶させたソフトウェアプ
ログラムを実行することによりなされる。
【0041】コンピュータ装置12は、心臓内の興奮伝
播過程を解析するための解析演算の機能を有し、この機
能を前述した演算処理装置12b、記憶装置12c、入
力装置12c、及び表示装置12dで実現する構成を採
っている。演算処理装置12bは、図示しないCPUを
その主要回路として備え、記憶装置12cに格納した興
奮到達時刻及び活動電位振幅の解析プログラムや画像転
送・解析結果の表示などを実行するプログラムを読み出
して順次、処理するようになっている。
【0042】呼吸モニタ装置15は、被検者の胸部に取
り付けられる呼吸計測装置15aと、この装置15aを
制御する制御回路15bとを備える。呼吸計測装置15
aの概略構造の例を図2(a)〜(c)に例示する。こ
れらの構造はいずれも公知のものであり、呼吸状態を計
測することができるものであれば他の構造のものであっ
てもよい。
【0043】同図(a)の呼吸計測装置15aによれ
ば、被検者に空気バッグABとベルトBTが取りつけら
れ、空気バッグAB内の圧力が呼吸に応じて変化するよ
うに構成されている。この変化する圧力が圧力センサP
Sにより検出され、制御回路15bに送られる。また、
同図(b)の呼吸計測装置15aは、被検者に伸縮可能
なベルトBTを取りつけるもので、このベルトBTは例
えばゴムなどの伸縮可能素材に炭素粉末を混入させて構
成される。このため、ベルトBTが伸縮すると、その抵
抗値が変化するので、この抵抗値の変化を制御回路15
bにより検出することで呼吸状態を計測するようになっ
ている。このベルト構造に替えて、水銀を充填させたチ
ューブを用い、呼吸に伴うチューブ内の水銀の抵抗値変
化を検出する構造を採用してもよい。さらに、同図
(c)の呼吸計測装置15aは、ベッドBDに複数の圧
力センサPSを配設し、呼吸時の体動に因る圧力変化を
計測する構造を有している。
【0044】演算処理装置12bは、一例として、図3
に示す手順にしたがって興奮到達時刻及び活動電位振幅
の分布を推定解析する。
【0045】これを説明すると、演算処理装置12b
は、まず、SQUID磁束計11から供給された磁場波
形データ及び呼吸モニタ装置15から供給された呼吸信
号を信号収集回路12aを介して入力する(図3のステ
ップS1及び図4(a)参照)。呼吸信号は、ここで
は、被検者の動きを表す計測信号の一態様として扱われ
る。
【0046】この磁場波形データ及び呼吸信号は次いで
信号処理に付される(ステップS2)。この信号処理と
して、磁場波形データに対しては、雑音除去のためのフ
ィルタ処理、各種の補正演算などが実行され、心磁図の
QRS群及びT波が各心拍毎に抽出される(図4(b)
参照)。また、呼吸信号に対しては、抽出した各心拍の
心磁図波形と同じ時間帯の呼吸信号も同時に抽出され、
記憶装置12dに記憶される(図4(b)参照)。各心
拍に対応する磁場波形データ(心磁図データ)はB
Β,…,Βとして記憶装置12dに記憶される。Β
はk番目の心拍に対するサンプリング時刻毎の磁場分
布を縦に並べたベクトルを表す。また、対応する呼吸信
号の波形をf,f,…,fとして記憶装置12d
に記憶される。fはk番目の心拍に対する呼吸信号の
値をサンプリング時刻毎に縦に並べたベクトルを表す。
【0047】次いで、演算処理装置12bは画像転送装
置14から複数枚の断層像データを入力し、この画像デ
ータを用いて心室形状および心室位置・向きを演算し、
この演算結果から複数の6面体から成る心室形状モデル
を構築する(ステップS3,S4)。このようにして構
築した心室形状モデルの模式図を図5(a),(b)に
示す。心室の位置は3次元の座標x,y,zによ
り表現され、記憶装置12dに記憶される。心室の向き
はオイラーの角θ、φ、ψで表現され、同様に記
憶装置12dに記憶される。
【0048】次いで、演算処理装置12bは、画像収集
装置13からの画像データから設定した心室の形状及び
位置・向き、並びに、抽出した心磁図データに基づいて
心室内の興奮到達時刻分布及び活動電位振幅分布の解析
を行なう(ステップS5〜S12)。
【0049】興奮到達時刻分布および活動電位振幅分布
を解析するアルゴリズムとしては、例えば順ニュートン
法、共役勾配法、コンジュゲートディレクション法、シ
ミュレーテッドアニーリング法、遺伝的アルゴリズムな
ど各種の非線形最適化アルゴリズムを使用できる。
【0050】これらの典型的なアルゴリズムには興奮到
達時刻分布・活動電位振幅分布の初期値設定処理(ステ
ップS5)、心臓内電流源分布の計算処理(ステップS
6)、磁場計算処理(ステップS7)、誤差算出処理
(ステップS1O)、及び、興奮到達時刻分布・活動電
位振幅分布の変更処理(ステップS9)が含まれ、誤差
算出結果が最も小さくなるように反復される(ステップ
S8,S11)。これらの処理ステップそれぞれをどの
ような順序で実行するかは、個々の非線形最適化アルゴ
リズムにおいて周知であり、採用するアルゴリズムにし
たがってその順序が決められる。図3のフローチャート
には多くのアルゴリズムに適用される順序を模式的に示
してある。以下に各ステップの典型的な処理内容を説明
する。
【0051】ステップS5に係る興奮到達時刻分布・活
動電位振幅分布の初期値設定処理では、心内膜・外膜興
奮到達時刻の初期値及び活動電位振幅の初期値が設定さ
れる。心内膜・心外膜興奮到達時刻の初期値設定によ
り、図5の心室モデルの心内膜側、あるいは心外膜側の
全ての頂点に対して興奮到達時刻の初期値が設定され
る。これは予め定められた範囲内、例えばQRS開始時
刻を基準として0〜80msの間でランダムに決定して
もよいし、正常心臓の典型的な興奮開始時刻を設定して
もよい。活動電位振幅の場合も同様に心室モデルの心内
膜側、あるいは心外膜側の全ての頂点に対して心筋電気
活動量の初期値が設定される。その範囲は、ランダムで
もよく、あるいは正常の心筋電気活動量である約−90
mVを全ての頂点に与えてもよい。
【0052】ステップS6に係る心内電流源分布計算処
理では、心室モデルの各6面体内部の興奮到達時刻や活
動電位振幅を補間法により演算し、それら補間によって
求めた興奮到達時刻と活動電位振幅の値を用いてQRS
期間中のいくつかの時刻の興奮波面の形状と興奮波面上
の電流源分布が計算される。補間法としては、有限要素
法がよく用いられる,例えば(1)式のような補間多項
式を用いればよい。補間方法は興奮到達時刻分布を例に
説明するが、心筋電気活動量分布に対しても同様の方法
が取られる。
【0053】
【数1】
【外1】
【0054】
【数2】 ここで、σは導電率テンソル、Φは活動電位振幅、δ
(x)はx≠0では0;δ(0)=∞であり、∫δ
(x)dx=lとなる関数である。Ωeは対象とする6
面体の領域を表す。6面体内の電流ダイポールの位置
は、例えば6面体の重心位置であると仮定すればよい。
【0055】ステップS7における磁場計算処理では、
計算された多数の電流ダイポールの位置、向き、大きさ
と、MRI装置などの画像収集装置13による収集され
た画像データから測定・設定した心室位置及び向き
,y,z,θ,φ,ψとに基づき、胸面上に設
置された各磁場センサーで計測される磁場をQRS期間
中の各時刻毎に計算する。被検者の胴体の導電率分布を
無限一様媒質又は半無限平板と仮定してビオーサバール
の法則に基づいて計算してもよいし、同心球状導電率球
と仮定してサーバスの式を用いて計算してもよい。ある
いは、境界要素法や有限要素法を用いて心筋、血液、
肺、脂肪層、皮膚などの実形状を考慮して計算するよう
にしてもよい。このように、画像収集装置13が出力し
た画像データから求めた心室位置及び向きを用いて計算
した磁場波形をCとして記憶装置12dに記憶され
る。Cはある時刻毎の磁場分布をサンプル時刻毎に縦
に並べたベクトルである。同様に心室位置をx軸方向に
少しだけ(例えば1cm)移動したときの磁場波形をC
、y軸方向に移動したときの磁場分布をC、Z軸方
向に移動したときの磁場波形をC、θ方向に心室の角
度を少しだけ(例えば10度)回転したときの磁場波形
をCθ、φ方向に回転したときの磁場波形をCφ、ψ方
向に回転したときの磁場波形をCψとして記憶装置12
dに記憶される。
【0056】また、ステップS9の興奮到達時刻分布・
心筋電気活動量分布の変更処理では、心室モデルに設定
されている興奮到達時刻分布と心筋電気活動量分布が変
更される。具体的にどのように変更するかは各種非線形
最適化アルゴリズムにより異なる。
【0057】さらに、ステップS10の誤差算出処理で
は、ステップS7で計算した心磁図データとステップS
1,S2の処理を介して得た心磁図データとがどの位異
なるのかを表す誤差eが計算される。このとき、呼吸に
応じて心臓の位置や向きが変化することを考慮するた
め、k番目の心拍の磁場波形B(k=1,…,N)が
近似的に次の(3)式のように表されると仮定する。こ
れは、心臓(心室)の位置及び向きが呼吸信号の1次関
数で変化し、かつ、心臓の位置及び向きと磁場分布とが
線形関係にあるということを表している。
【0058】
【数3】 ここで、α,α,α,αθ,αφ,αψ,β
β,β,βθ,β φ,βψは上記の関数形を具体的
に決定する係数である。これらパラメータは、以降の演
算により、磁場の測定値から決定される。
【0059】上記(3)式を行列により表現すると、磁
場の測定値Βを縦に並べたベクトル
【数4】
【数5】 のように表される。
【0060】ただし
【数6】 である。このとき、測定した磁場波形Bとの2乗誤差を
最小にする磁場波形は
【数7】 は、
【数8】 のように求められる。ここでΑはΑのムーア・ぺンロ
ーズ一般逆行列である。測定した磁場波形と心臓の動き
を考慮して計算した磁場波形の誤差の最小値は次の
(9)式により計算する。
【0061】
【数9】
【0062】上述したステップS6〜S1Oを、採用し
た非線形最適化アルゴリズムにしたがって反復的に実行
する(ステップS8,S11)。これにより、誤差eが
なるべく小さくなるような興奮到達時刻と活動電位振幅
の心室内の分布が求められる。
【0063】このようにして推定した興奮到達時刻およ
び活動電位振幅の分布データは心室モデルを使って表示
装置12eに表示される(ステップSl2)。
【0064】なお、構成面における上記実施形態と本発
明との対応に関しては、SQUID磁束計11、信号収
集回路12、演算処理装置12b、及び記憶装置12d
が本発明の測定手段の要部を形成する。さらに、演算処
理装置12b及び記憶装置12dが本発明の解析手段
(推定手段)を機能的に構成する。
【0065】(効果…その1)このように、本実施形態
の推定解析によれば、測定した呼吸信号と心臓の位置及
び向きとの関係が予め定義付けられた状態で解析が行わ
れるという効果がある。この効果を、従来法と対比させ
ながら説明する。
【0066】心内電気現象をより正確に解析するには、
心室(心臓)モデルの位置及び向きは、解析に用いる心
磁図を計測したときの心臓の位置及び向きと一致してい
ることが望ましい。しかし、心臓の位置及び向きは被検
者の呼吸に応じて大きく動くことが知られている。この
ため、従来のように呼吸に因る心臓の動きを何ら考慮せ
ず、心磁図波形を無作為に抽出して解析を行うと、MR
I装置などの画像収集装置で断層像を撮影したときの呼
吸相(呼吸の位相)と心磁図を計測したときの呼吸相と
が異なってしまうという状態が頻発する。そのような状
態が発生すると、心臓モデルの位置及び向きと心磁図を
計測したときの心臓の位置及び向きとが異なるので、正
確な解析を行うことができなかった。
【0067】これに対し、本実施形態の解析によれば、
計測した呼吸信号と心臓モデルの位置及び向きとの関係
が予め定められた関数形を採るとして、呼吸に因る心臓
の動きを組み込んだ状態で解析される。つまり、呼吸に
因る心臓の位置及び向きの変化が考慮されて解析され
る。加えて、かかる関数に含まれるパラメータは、測定
磁場分布データから決定するように解析演算が実行され
るので、具体的な関数形を予め知る必要が無く、呼吸信
号に沿って心臓がどの位置及び向きに移動するかは測定
磁場分布から決定される。したがって、MRI装置など
で断層像を撮影したときと解析に用いる心磁図を測定し
たときとで、心臓の位置及び向きが呼吸相の違い等に因
り異なっている場合であっても、常に安定且つ高精度で
興奮到達時刻分布や活動電位振幅分布などの心内電気現
象に関わる量を解析することができる。
【0068】(効果…その2)また、本実施形態の推定
解析の処理における別の効果は、呼吸信号と心臓の位置
及び向きの関係とを表す関数に含まれる少なくとも1個
のパラメータを、測定した磁場分布データから決定する
ことである。心臓内の電気現象の分布を推定する従来法
の場合、通常、SQUIDセンサに対する心室位置や向
きを前もって知っている必要がある。これに対し、本実
施形態によれば、心室位置は、測定した心磁図パターン
と逆問題モデルに基づいて算出した心磁図パターンの残
差が小さくなるように定められる。これにより、心室の
位置や向きが予め分かっていなくても推定できる。した
がって、磁気センサと心室との位置関係の特定に伴う事
前の測定が不要になり、診断コストおよび診断時間が低
減される。また、従来の1つの推定法のように、興奮伝
播シミュレーションを実行する必要が無いので、より高
速に心内電気現象を推定することができる。
【0069】とくに、従来法に拠る磁気センサと心室と
の位置関係の特定法の場合、磁気共鳴イメージングを行
うとき及び心磁図計測を行うときの両状態において、被
検者の体位を完全に一致させることが不可能であり、磁
気センサと心室との位置関係の特定精度、強いては推定
精度にも限界があったが、本実施形態によれば、事前に
行う磁気センサと心室との位置関係の特定が不要にな
り、磁気センサと心室との位置の測定誤差に起因する推
定精度の劣化を回避できるため、心内電気現象を高精度
に推定することができる。また、3次元デジタイザのよ
うに時間と手間が掛かる事前位置計測が不要になるの
で、診断の準備時間や操作上の手間の面でも省力化が図
られる。
【0070】なお、上記パラメータの推定を、本実施形
態では線形最小2乗法により行う例を説明したが、本発
明は必ずしもこれに限るものではない。例えば、非線形
最適化アルゴリズムにより反復的に行って、かかるパラ
メータを推定するようにしてもよい。
【0071】(効果…その3)また、本実施形態によれ
ば、前述したように、呼吸に拠る心臓の位置変化が考慮
されて推定解析が行われるので、運動負荷時などに見ら
れるように、呼吸に拠る心臓の動きが大きい場合でもそ
のことに起因した解析精度の低下を防止できる。したが
って、運動負荷時の心磁図データも高精度に解析でき、
虚血性心疾患などに対する高い診断精度を確保できる。
さらに、運動負荷時に体動抑制するように指令しなけれ
ばならないといった、被検者にとって殆ど無理な注文を
出さなくて済むので、検査が受け易く、また行い易くな
る。
【0072】なお、本実施形態では、呼吸信号と心臓の
位置及び向きとの関係は1次関数で表されると仮定した
が、本発明はこれに限るものではない。例えば呼吸信号
の非線形関数値と心臓の位置及び向きの関係が1次関数
で表されると仮定してもよいし、1次関数の代わりに2
次関数やスプライン関数など、他の多項式で近似するよ
うにしてもよい。
【0073】また、上述した実施形態では、呼吸に対応
して変化するのは心臓の位置及び向きのみであるとし、
心臓の位置及び向きの表現法として3次元座標による位
置及びオイラー角を用いたが、本発明は必ずしもこれに
限るものではない。例えば、呼吸に応じて変化する変数
として、心臓の位置及び向きのほか、例えば心室の長軸
長さなど、心臓の形状を表現できる特徴量が含まれてい
てもよいし、心臓の位置、向き及び大きさを表現するの
に、3次元空間の座標変換行列である4×4のアフィン
変換行列の各要素の値を用いてもよい。
【0074】さらに、心臓の位置及び向きの6個のパラ
メータの内、いくつかのパラメータは呼吸に応じて変化
しないものと設定してもよい。
【0075】さらにまた、本実施形態では、心臓の位
置、向きが呼吸信号に対して予め定められた関数形を採
るものとしたが、センサの位置、向きと呼吸信号とが予
め定められた関数形である、としても全く同等の効果が
得られる。
【0076】<第1の実施形態の変形例>この変形例
は、磁場分布のコンターマップ上で残差が最小になるよ
うに心室位置をフィッティングする手法である。
【0077】前述した第1の実施形態では、呼吸に伴っ
て動く心臓の位置ずれを考慮して推定を行っているが、
この心臓の動きを無視した、簡略化した推定を行うこと
ができる。
【0078】
【外2】
【0079】なお、この変形例においても同様に、心臓
の位置及び向きの代わりに磁気センサの位置及び向きを
決定するように構成してもよい。
【0080】なお、前記第1の実施形態では複数の心拍
の測定データを測定値として用いているが、この簡略化
した推定を行うに際して、運動負荷中など、体動が特に
大きい場合、1心拍のみをデータとして推定し、推定結
果の分布を心拍毎に加算平均することが望ましい。
【0081】<第2の実施の形態>第2の実施形態に係
る心磁図計測装置(心内電気現象診断装置)を図6〜図
10に基づき説明する。なお、この心磁図計測装置は前
述した図1の装置と同じハードウエア構成を有するか、
又は、同図記載の装置から呼吸モニタ装置15を取り外
した状態のハードウエア構成を有して構成されている。
【0082】この心磁図計測装置は、心室と磁気センサ
との間の位置関係をシングルダイポール法に基づき決定
することに特徴を有する。
【0083】これを達成するため、コンピュータ装置1
2の演算処理装置12bは以下の解析処理を行う。
【0084】まず、演算処理装置12bは測定した心磁
図時間波形のPQセグメントを指定する(図6、ステッ
プS21)。図7に、測定した心磁図時間波形を表示装
置12eの画面に表示した様子を示す。この画面にはま
た、ある時刻を指し示す時刻カーソルTCが重畳表示さ
れている。この時刻カーソルTCは、オペレータの指示
により画面上で左右の時間軸方向に移動し、カーソルT
CがPQセグメント後部を示すようにする。このカーソ
ルTCが指し示す時刻がダイポール解析時刻として記憶
装置12dに記録される。
【0085】なお、ダイポール解析時刻を指定する手法
としては、この時刻カーソルTCを用いる手法に代わる
様々な例を挙げることができる。その1つの例は、従来
周知の手法でR波のピークを検出し、このピークよりも
ある時間(例えば50ms)だけ前の時刻を算出し、こ
れをダイポール解析時刻として記憶装置12dに記録し
てもよい。また他の例によれば、Q波を自動検出し、こ
のQ波のピークからある時間だけ後の時刻を算出し、こ
の時刻をダイポール解析時刻として記憶装置12dに記
録するようにしてもよい。さらに他の例によれば、Q波
とR波のピーク時刻間の時間を一定の比率で分割する時
刻を算出し、この時刻をダイポール解析時刻として記憶
装置12dに記録するようにしてもよい。さらに他の例
として、例えばQ波とR波のピーク時刻(又は、2本の
時刻カーソルで指定した2つの時刻)の間の時間を所定
の比率で分割した複数の時刻を算出し、この複数の時刻
を複数のダイポール解析時刻として記憶装置12dに記
録する構成にしてもよい。
【0086】次いで、演算処理装置12bは、PQセグ
メントの時刻のダイポール位置を推定する(ステップS
22:図10参照)。すなわち、従来周知の手法を使っ
て、記憶装置12bに記録されているダイポール解析時
刻(PQセグメント上の時刻)における電流ダイポール
の位置及びそのモーメントを推定し、その推定結果を記
憶装置12bに記録する。
【0087】この推定及び記録処理に際し、複数の時刻
がダイポール解析時刻として記録されている場合、その
全時刻における電流ダイポールの位置及びそのモーメン
トが推定され、記録される。これにより、複数のダイポ
ール位置及びモーメントが得られた場合、ダイポールの
移動速度やモーメントの大きさの変化率に基づいて、そ
れまでとは異なる複数の電流ダイポールの位置及びモー
メントを演算し、この演算値でそれまでの複数の電流ダ
イポールの位置及びモーメントを置き換えるようにして
もよい。例えば、図8で示す如く、電流ダイポールのモ
ーメントの変化率が小さく且つ移動速度が遅い範囲に属
する、ある1つの時刻における電流ダイポールの位置及
びモーメントを演算し、それまでの複数の電流ダイポー
ルの位置及びモーメントをこの演算値に置換する。ま
た、図9に示す如く、電流ダイポールの移動距離を等分
(或は、所定の比率に基づいた分割)した複数の電流ダ
イポールの位置を演算し、それまでの複数の電流ダイポ
ールの位置及びモーメントをその演算値で置き換えても
よい。
【0088】次いで、演算処理装置12bにより、推定
した電流ダイポールの位置に心室モデルを配置する(ス
テップS23:図10参照)。なお、この一連の解析に
際し、前記実施形態と同様に心室モデルが予め作成・記
憶されており、この心室モデルには前もって1個或は複
数個の電流ダイポールの位置とモーメント(これを「心
室モデルダイポールの位置及びモーメント」と呼ぶ)が
記録されている。
【0089】すなわち、演算処理装置12bは、推定し
た1個又は複数個の電流ダイポールの位置及びモーメン
トに、上述の予め記録した「心室モデルダイポールの位
置及びモーメント」が一致するように、心室モデルを移
動、回転、変形させる。これにより、推定した電流ダイ
ポールの位置に心室モデルが配置され、心室モデルの磁
気センサに対する最終的な位置、向き及び形状が決定さ
れる(図10参照)。電流ダイポールの位置が複数個の
ときは、周知の最適化手法を用いて心室モデルが配置さ
れる。なお、心室モデルを移動及び回転させる代わり
に、磁気センサを移動及び回転させる構成であってもよ
く、これによっても同様に配置できる。
【0090】さらに、演算処理装置12bは、上述のよ
うに設定した心室モデルの位置、向き及び形状を用い
て、心内の電気生理的現象としての、例えば活動電位振
幅及び興奮時刻の分布を周知の手法で推定する(ステッ
プ24)。この推定において、活動電位振幅及び興奮時
刻の分布を心室モデルの位置、向き及び形状と同時に推
定する場合、その初期値及び先見情報として、上述のス
テップS23で決定した心室モデルの位置、向き、及び
形状の値(情報)が参照される。また、上述のステップ
S23において、心室モデルを移動、回転した場合、そ
のステップS23で決定した心室モデルの位置及び向き
の値(情報)を用いて活動電位振幅及び興奮時刻の分布
が推定される。
【0091】そして、推定された活動電位振幅及び興奮
時刻が心室モデルと伴に表示装置12eに表示される
(ステップ25)。
【0092】なお、上述の電流ダイポールの推定処理に
おいて、複数の心拍夫々に同期して電流ダイポールの位
置及びモーメントを演算し、それを加算平均するように
構成してもよい。これにより、電流ダイポールの位置を
より高精度に演算できるので、活動電位振幅及び興奮時
刻の分布の推定精度も向上する。一方、複数の心拍夫々
に同期して、前述の如く推定して得た複数の活動電位振
幅及び興奮時刻の分布データを加算平均するように構成
してもよい。これにより、表示される活動電位振幅及び
興奮時刻の分布精度が向上する。
【0093】以上のように処理することで、本実施形態
によれば、磁気センサ及び被検者胴体、及び、被検者胴
体及び心室の位置関係を予め計測する必要が無いので、
そのような計測を必要とする従来の手法に比べて、診断
の準備作業が大幅に簡素化され、オペレータの操作の省
力化及び診断の効率化が図られる。また、被検者にとっ
ても診断を受け易い装置となる。
【0094】また、活動電位振幅及び興奮時刻の分布を
解析するときの心室モデルの位置、向き及び形状の自由
度が小さくなる分、活動電位振幅及び興奮時刻の分布を
より高精度に推定できる。
【0095】<第3の実施の形態>第3の実施形態に係
る心磁図計測装置(心内電気現象診断装置)を図11〜
12に基づき説明する。
【0096】この心磁図計測装置は、磁気センサ及び心
室の位置関係を特定する手法を特徴とし、とくに、心磁
図から心筋電気活動量及び/又は興奮時刻の分布を求め
るときに、それらの位置関係も同時に推定することを特
徴とする。
【0097】なお、以下の説明では、磁気センサ(SQ
UIDセンサ11a)の位置及び向きを同定することを
前提にしているが、これは心室の位置及び向きを同定す
ることと同等であり、同等の作用効果を得るものであ
る。
【0098】この心磁図計測装置では以下の手順により
心内電気現象とSQUIDセンサ及び心室の位置関係と
が同時に推定される。
【0099】
【外3】
【0100】
【外4】
【0101】
【外5】
【0102】しかし、オペレータがそれらの典型値以外
の値Dtypを初期設定したいと欲した場合、オペレー
タの手動指示によってこれらの値を変更できるようにな
っている。つまり、図12に示す如く、変更の必要があ
るか否かの確認を容易にするため、予め格納されている
典型値Dtypを用いて心室及びSQUIDセンサの配
置状態が表示装置12eの画面に表示される(ステップ
S41,S42)。オペレータはこの画面を目視して変
更の要があるか否かを判断する(ステップS43)。変
更の必要がある旨の応答を入力装置12cを介して行な
った場合、演算処理装置12bはオペレータとインター
ラプティブにセンサ位置及び向き、並びに、それらの探
索範囲を変更する(ステップS44)。そして、最終的
に決まったセンサ位置及び向き、並びに、それらの探索
範囲を、センサ位置及び向き、並びに、それらの探索範
囲として初期設定する(ステップS45)。
【0103】
【外6】
【0104】
【数10】
【外7】
【0105】
【外8】
【0106】
【外9】
【0107】なお、この画面表示の処理過程において、
オペレータがこの表示画面を目視観察して更なる位置関
係の変更が必要であると判断した場合、オペレータは画
面上でインターラプティブにセンサの位置及び向きを変
更するようにしてもよい。演算処理装置12bは、オペ
レータの指示により、この変更したセンサ位置及び向き
を記憶装置12dに格納し、次回の推定時にセンサの位
置及び向きの典型値として利用することができる。
【0108】以上のように構成し機能させることで、心
室と磁気センサの位置関係は心内電気現象と同時に推定
することができる。したがって、従来の1つの手法のよ
うに、磁気センサ及び被検者胴体の位置関係、並びに、
その胴体及び心室の位置関係を別の計測手段で予め計測
しておく必要が無いことから、計測作業を含む診断準備
作業を大幅に簡素化させることができる。これはオペレ
ータの操作軽減の観点のみならず、被検者にとっても体
力的、精神的負担を軽減でき、診断を受け易い装置を提
供することができる。
【0109】この実施形態にあっては、さらに、上述の
第2の実施形態で行なった如く、心室モデル内の電流ダ
イポールの位置・向きの軌跡を予め仮定しておく必要が
無い。このため、この仮定軌跡と実際の軌跡とが異なる
ために起こる心室の位置・向きの同定誤差にも影響され
ない。つまり、推定した心筋電気活動量及び興奮時刻の
分布から発生する磁場と計測する磁場の差とが小さくな
るように心室モデルの位置・向きを同定するため、その
同定精度が向上し、心筋電気活動量及び興奮時刻の分布
をより高精度に推定することができる。
【0110】<第3の実施形態の変形例>上述の第3の
実施形態は以下のように変形して種々の態様で実施する
ことができる。
【0111】第1の変形例は、上述の図11のステップ
S34の処理において、心室の位置・向きの典型値(初
期値)として、シングル電流ダイポールの位置演算を介
して第2の実施形態で求めた心室の位置・向きの情報を
用いることができる。
【0112】
【外10】
【0113】
【外11】
【0114】
【外12】
【0115】
【数11】
【外13】
【0116】
【外14】
【数12】
【0117】
【外15】
【0118】
【数13】
【0119】
【外16】
【0120】
【外17】
【0121】
【外18】
【数14】
【外19】
【0122】
【外20】
【0123】<第4の実施の形態>次に、本発明に係る
第4の実施形態を図13〜19に基づき説明する。
【0124】この実施形態は、心磁図計測装置の磁気セ
ンサ(SQUIDセンサなど)を被検体の胸部体表面に
位置合わせするときの操作を容易化できるとともに、M
Rイメージング時にも用いて心臓と磁気センサの相対的
な位置関係を容易に特定できる位置合わせ補助治具を備
える。
【0125】具体的には、この位置合わせ補助治具は、
MRIで写るマーカと、レーザや3次元デジタイザで用
いる指標点(部位)とを備えるとともに、首掛けストラ
ップで体軸方向に位置を固定できる この位置合わせ補助治具51の概念的な外観を図13に
示す。この治具51は全て非磁性材料で形成されてお
り、首掛け用のストラップ52、治具本体53、MRI
用マーカとしての油を充填したパイプ54、54、及び
固定部55を備える。固定部55はゴムひも56と板5
7とを有する。ストラップ部分を被検者の首に掛け、治
具本体部分を胸部体表上に固定して使用される(図14
参照)。
【0126】首掛け用ストラップ52の全長は例えば5
0cm程度であり、その両端とも治具本体53の一方の
端に取り付けられている。図17に拡大して示す如く、
ストラップ52の内、一方の端は固定されるが、もう一
端はフック(又はボタン)により着脱自在に形成されて
いる。このストラップ52を被検者の首に掛けるときは
フックを外し、首に掛けた後でフックを掛ける。
【0127】治具本体53は、図15及び16に示す如
く、所定厚さを有し且つ略短冊状に形成されており、そ
の長手方向の一方の端部の表面側に上述したストラップ
52が取付けられている。この治具本体53のストラッ
プ側の所定位置には、その表面から指標点(標識点)と
しての窪み53Aが穿設されている。
【0128】さらに、治具本体53の両側面から突出す
る状態で、2本のパイプ54,54がストラップ側に所
定角度だけ傾斜して設けられている。このパイプ54,
54は治具本体内部において前述した窪み53Aの位置
で交差するように、又は、それらのパイプ延長線が窪み
53Aの位置で交差するように治具本体内に埋設されて
いる。パイプ54,54の内部に充填した油54Aは、
MRイメージングによって映し出される液体であって、
例えばひまし油、PVAゲルなどから成る。
【0129】また、図16,18に示す如く、治具本体
53のストラップ側の単面には延長部53Bが一体に設
けられており、この延長部53Bには治具本体の裏面側
に出っ張った突起部TKが形成されている。
【0130】治具本体53のストラップ側とは反対側の
他端部面にはゴムひも56が取り付けられ、このゴムひ
も56には板57が取り付けられている。この板57の
裏面にはマジックテープ57Aが貼り付けられている。
一方、被検者の腹部表面にも粘着テープによりマジック
テープが固定されており、これら双方のマジックテープ
が係止される。この係止位置を適宜に調整することで、
ゴムひも56に適度や張力を持たせ、その結果、治具本
体53を胸部表面の所定位置に固定できる。
【0131】治具本体53のストラップ側の突起部TK
が胸骨柄中央の窪みに当たるようにストラップ52の長
さが調節されている。このため、突起部TKが胸骨柄窪
みに確実に収まるので、治具本体53に対する左右方向
の位置ずれを防止又は抑制する効果が発揮される。
【0132】この位置合わせ補助治具51は以上のよう
に構成されているので、首掛け用ストラップ52によ
り、治具全体の体軸方向の位置は固定され、この治具5
1を使って磁気センサを被検体の胸部体表に位置合わせ
できる。
【0133】具体的には、磁気センサ(例えばSQUI
Dセンサ)のカバー体に固定されたレーザ距離計(レー
ザポインタ)からの光線を、指標点としての窪み53A
に合わせる。同時に、その窪み53Aまでの距離を計測
する。この距離により、磁気センサの位置と指標点(窪
み53A)の位置との間の相対的位置関係が得られる。
【0134】また、この位置合わせ補助治具51を上述
と同様にセットした状態でMRイメージングを行ない、
MR像をも得る。図19に示す如く、撮像断面はMRマ
ーカとしての油54A(パイプ54,54)を横切るよ
うに位置決めされるので、油の充填位置がその画像上に
映し出される。これら左右の充填位置を左右から結んだ
2本の直線はある点で交わる。この交点は、治具51の
窪み53A(指標点)の位置と一定の相対的位置関係を
有する(図示の場合は、「一致する」関係)。このた
め、MR像上のこの交点の位置からMR像上の指標点の
位置が求められる。
【0135】前述のようにレーザ距離計を介して求めら
れた磁気センサの位置と指標点の位置との相対的位置関
係を用いると、上述のようにMR画像で得られた指標点
と磁気センサの位置との相対的位置関係により、MR画
像上での磁気センサの位置が求められる。したがって、
MR画像に写った心臓と磁気センサとの間の相対的な位
置関係が決定される。
【0136】このように位置合わせ及び位置関係の特定
を行なえるので、磁気センサを精度良く被検体の胸部体
表面に位置合わせできる。また、MR画像上の指標点の
位置を精度良く求めることができる。さらに、位置の再
現性が良いので、位置合わせ治具を自由に取り外しで
き、被検者に配慮した検査、診断が可能になる。
【0137】なお、上述した実施形態の位置合わせ補助
治具51の場合、被検者の首部の角度が変化すると、治
具そのものの位置(とくに体軸方向の位置)も動き易い
ので、被検者の首部の動きを抑制することが望ましい。
それには例えば、被検者が寝る寝台の天板として、硬度
の高いものを用い、磁気センサのレーザー距離計を合わ
せるときとMRイメージングを行なうときとにおいて、
同じ高さの枕を使用すればよい。
【0138】また、図20,21に示す姿勢固定治具6
1を併用してもよい。この治具61はその全体が非磁性
材料で形成されており、寝台天板上に置いて使用され
る。この治具61には、被検者Pの背中部分から首部、
後頭部に沿って滑らかに起伏する底面部61Aが形成さ
れている。また、治具61の後頭部付近に相当する両側
部61B,61Bは、被検者Pがその両腕AM、AMを
頭HDの後ろで組んだ姿勢にフィットするようにせり上
がっている。
【0139】このように枕や姿勢固定治具を使用するこ
とで、首部の角度が固定又はその動きが抑制され、前述
した位置合わせ治具の体軸方向の動き(ずれ)が禁止又
は抑制される。したがって、かかる位置合わせ治具によ
る位置合わせ、又は、この位置合わせ治具を用いた磁気
センサ及びMR画像間の位置関係の特定を精度良く行な
うことができる。
【0140】<第4の実施形態の変形例>図22〜24
を参照して、上述した第4の実施形態で説明した位置合
わせ補助治具の変形例を説明する。
【0141】図22に示す位置合わせ補助治具71は、
長片状の治具本体72を有し、その長手方向の両端部夫
々に前述したように窪み等に拠る指標点(標識点)PT
1,PT2が穿設されている。指標点PT1,PT2間
の長手方向の距離は例えば18cmに形成される。この
指標点PT1,PT2の夫々に対して、前述した如く、
所定角度を持って2本ずつのMRIマーカ用のパイプ
(PVAなどを充填)74,74および75,75が取
り付けられている。さらに、治具本体72の一端には首
掛け用ストラップ76が前述のように取り付けられると
ともに、もう一端には前述の如く固定部77(ゴムひも
とマジックテープを貼り付けた板とを有する)が取り付
けられている。この位置合わせ補助治具71によれば、
指標点及びMRIマーカが2組となるので、より精度の
高い位置合わせ及び位置関係の特定ができる。
【0142】図23,24に別の位置合わせ補助治具8
1を示す。この治具81は、2本の長片状のアーム82
A,82Bを十字形に固定状態で組み合わせた治具本体
82を有する。アーム82A,82B夫々の両端部に
は、前述した窪みなどによる指標点(標識点)PTa
1,PTa2及びPTb1,PTb2が形成されてい
る。この指標点の夫々に前述の如く所定角度で交差する
ように、MRIマーカ用のパイプ83A〜83Dが全体
で4本、ひし形を成すように取り付けられている。
【0143】これに加えて、2個の指標点が更に形成さ
れている。つまり、上述した2本のアーム82A,82
Bの一端にひも84,84が夫々取り付けられ、このひ
もの他端に略円形状の円盤体84が取り付けられてい
る。この円盤体84の中央には前述した窪みなどに拠る
指標点(標識点)PTc1が穿設され、この指標点PT
c1に対して前述したと同様に4本のMRIマーカ用パ
イプ86、…、86が十字形を成すように取り付けられ
ている。また、2本のアーム82A,82Bには、上述
のひも84,84と左右対象を成す位置に別の1対のひ
も87,87が夫々取り付けられている。このひもの他
端には、上述と同一構成の円盤体88及びMRIマーカ
用パイプ89、…、89が取り付けられている。円盤体
88には指標点(標識点)PTc2が穿設されている。
【0144】さらに、治具本体82のうちの1本のアー
ム82Aの一端部には首掛け用ストラップ90が取り付
けられるとともに、もう一端部には固定部91が取り付
けられている。
【0145】このように構成することで、合計6個の指
標点(標識点)PTa1,PTa2,PTb1,PTb
2,PTc1,PTc2を得ることができる。この内、
固定状態で十字形の四隅に位置する4個の指標点PTa
1,PTa2,PTb1,PTb2は被検者の胸部前面
に配置され、ひも84,87で取り付けた残りの2個の
指標点PTc1,PTc2は図33に示す如く、胸部の
体側両面に位置させることができる。この位置合わせ補
助治具81によれば、比較的コンパクトな構成でありな
がら、指標点及びMRIマーカが6組となるので、より
精度の高い位置合わせ及び位置関係の特定ができる。
【0146】以上説明した実施形態及び変形例は、特許
請求の範囲に記載の発明を例示的に述べたものであっ
て、本発明の範囲の限定を意図するものではなく、当業
者であれば、当然に、特許請求の範囲に記載の発明の趣
旨に基づいて更に様々な態様に変更して実施可能であ
る。
【0147】
【発明の効果】以上のように、本願発明によれば、心室
の形状や位置の情報を必要とする逆問題解析(すなわ
ち、心臓内電気現象の推定)を行うときに、従来法で行
っていた、磁気センサと心室との位置関係の特定に伴う
事前の計測や演算を不要にでき、準備作業の大幅な簡素
化を図るとともに、心内電気現象を高精度で且つ高速に
推定することができる心磁図計測装置などの心内電気現
象診断装置を提供することができる。
【0148】また、センサの被検者胴体への位置合わせ
を容易に、短時間で、且つ精度良く行うことができる心
磁図計測装置などの心内電気現象診断装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る心磁図計測装置
の構成を示す概略ブロック図。
【図2】(a)〜(c)は心磁図計測装置に用いた呼吸
モニタ装置の概要を各々説明する説明図。
【図3】心磁図計測装置の演算処理装置で実施される興
奮到達時刻分布及び活動電位振幅分布の解析手順の概略
を示すフローチャート。
【図4】心磁図波形と呼吸信号、及び、それらの心拍毎
の抽出を説明する図。
【図5】心室形状モデルの一例を示すモデル図。
【図6】第2の実施形態のシングルダイポール法に拠る
心室配置と心内電気現象の推定に関わる処理手順の概要
を示すフローチャート。
【図7】心磁図の時間波形を示す図。
【図8】電流ダイポールの移動速度とそのモーメント変
化率を例示するグラフ。
【図9】複数のダイポール位置の算出法を例示する図。
【図10】第2の実施形態の処理の流れを模式的に説明
する図。
【図11】第3の実施形態における、磁気センサの位置
及び向きを心内電気現象の量と同時に推定するときの処
理を示す概略フローチャート。
【図12】オペレータにより変更可能な、磁気センサの
位置及び向き並びにそれらの探索範囲の初期設定を示す
概略フローチャート。
【図13】第4の実施形態に係る位置合わせ補助治具の
構成を説明する概念図。
【図14】位置合わせ補助治具の装着状態を説明する
図。
【図15】位置合わせ補助治具の詳細構造を示す一部判
断した平面図。
【図16】図23の位置合わせ補助治具の側面図。
【図17】位置合わせ補助治具のストラップの取付け状
態を説明する図。
【図18】治具本体からの突起部の形状を説明する図。
【図19】MRIマーカ用パイプの機能を説明する図。
【図20】第4の実施形態の位置合わせ補助治具に併用
可能な姿勢固定治具を示す一部破断した断面図であっ
て、図21中のA−A線に沿って破断した状態を示す
図。
【図21】第4の実施形態の位置合わせ補助治具に併用
可能な姿勢固定治具を示す長手方向から見た側面図。
【図22】第4の実施形態に係る位置合わせ補助治具の
1つの変形例の構成を示す概念図。
【図23】第4の実施形態に係る位置合わせ補助治具の
別の変形例の構成を示す概念図。
【図24】図32の位置合わせ補助治具の装着状態を説
明する図。
【図25】被検者胸部の特徴点を示す図。
【図26】SQUIDセンサの胸部特徴点への位置合わ
せを説明する図。
【図27】SQUIDセンサの計測領域と胸部特徴点と
の位置合わせを説明する図。
【図28】3次元デジタイザを用いた被検者の特徴点、
マーカ及びSQUIDセンサの標識点の位置計測を説明
する図。
【図29】従来法による、磁気センサとMRI画像との
位置関係の特定手順を説明する図。
【符号の説明】
11 SQUID磁束計 11a SQUIDセンサ 12 コンピュータ装置 12a 信号収集回路 12b 演算処理装置 12d 記憶装置 13 画像収集装置 14 画像転送装置 51、71,81 位置合わせ補助治具(位置合わせ手
段) 52、76,90 ストラップ 53A 窪み(指標点) 53B 延長部 54、74,75、83,86,89 MRIマーカ用
パイプ(マーカ体) 55、77、91 固定部 PT 指標点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相田 聡 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式会 社東芝那須工場内 Fターム(参考) 2G017 AA08 AC08 AD32 BA15 BA18 4C027 AA02 AA10 CC00 FF00

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検者の心臓の電気的活動に伴って発生
    する磁場又は電位の分布を体外又は体表で測定した測定
    値からその心臓の電気生理的現象を解析する解析手段
    と、この解析手段の解析結果を提示する提示手段とを備
    えた心内電気現象診断装置において、 前記解析手段は、前記心臓の位置、向き、及び形状を表
    現する特徴量を参照して前記磁場又は電位の分布を演算
    する演算手段と、前記磁場又は電位の分布の測定値と前
    記演算手段により演算された磁場又は電位の分布とを参
    照して前記特徴量を推定する推定手段とを有することを
    特徴とした心内電気現象診断装置。
  2. 【請求項2】 被検者の心臓の電気的活動に伴って発生
    する磁場又は電位を体外又は体表でセンサを介して測定
    する測定手段と、この測定手段のセンサと心臓の位置及
    び向きとの位置関係を必要とする解析法を前記磁場又は
    電位の測定値に適用して心臓内の電気生理的現象を解析
    する解析手段とを備え、 前記解析手段は、前記磁場又は電位の測定値から心室の
    位置及び向きを演算するように構成したことを特徴とす
    る心内電気現象診断装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の装置において、 前記測定手段は前記磁場を測定する手段であり、前記解
    析手段は前記解析法を前記磁場の測定値に適用して心臓
    内の電気生理的現象を解析する手段である心内電気現象
    診断装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の装置において、 前記解析手段は、前記磁場の測定値から1個の電流ダイ
    ポールを推定する手段と、この推定した電流ダイポール
    の位置に前記心室のモデルを配置する手段とを備えた心
    内電気現象診断装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の装置において、 前記解析手段は、前記磁場の測定値から前記心室の位置
    及び向きと前記電気生理的現象を表す量とを同時に推定
    する手段を備えた心内電気現象診断装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の装置において、 前記推定手段は、前記心室の位置及び向きの内の所定の
    成分だけを推定し、残りの成分を固定する手段である心
    内電気現象診断装置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の装置において、 前記推定手段は、前記心室の位置及び向き並びにそれら
    の探索範囲の初期値を設定する手段を備える心内電気現
    象診断装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の装置において、 前記設定手段により設定される前記探索範囲は、前記心
    室の初期位置からの所定距離の周辺部位に限定した範囲
    である心内電気現象診断装置。
  9. 【請求項9】 請求項7記載の装置において、 前記設定手段は、前記心室の位置及び向き並びにそれら
    の探索範囲の初期値をオペレータが任意に変更可能な手
    段を備えている心内電気現象診断装置。
  10. 【請求項10】 請求項5記載の装置において、 前記推定手段は、前記探索範囲内の心室位置及び向きを
    線形化して推定する手段である心内電気現象診断装置。
  11. 【請求項11】 被検者の心臓の電気的活動に伴って発
    生する磁場又は電位を体外又は体表でセンサを介して測
    定する測定手段と、この磁場又は電位の測定値から心臓
    内の電気生理的現象を解析する解析手段とを備えた心内
    電気現象診断装置において、 前記センサを前記被検者に対して配置するための位置合
    わせ手段を備えたことを特徴とする心内電気現象診断装
    置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の装置において、 前記位置合わせ手段は、前記センサを位置合わせするた
    めの少なくとも1個の指標点と、MRイメージングで写
    るマーカ体とを備えた治具である心内電気現象診断装
    置。
  13. 【請求項13】 請求項11記載の装置において、 前記治具は、前記被検者の首に掛けるストラップと、そ
    の被検者の体表に固定する固定手段とを備えている心内
    電気現象診断装置。
  14. 【請求項14】 請求項11記載の装置において、 前記マーカ体はMRイメージングで写る媒体を筒体内に
    充填して形成する一方で、このマーカ体を前記指標点の
    各1個につき複数個、前記被検体の体軸方向に所定角度
    傾斜させて配置した心内電気現象診断装置。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の装置において、 前記複数本のマーカ体は、これらのマーカ体が指標点で
    交差する、又は、それらのマーカ体の延長線が指標点で
    交差するように配置されている心内電気現象診断装置。
  16. 【請求項16】 被検者の心臓の電気的活動に伴って発
    生する磁場又は電位を体外又は体表でセンサを介して測
    定する測定手段と、この磁場又は電位の測定値から心臓
    内の電気生理的現象を解析する解析手段とを備えた心内
    電気現象診断装置で使用する位置合わせ治具であって、 前記センサを位置合わせするための少なくとも1個の指
    標点と、MRイメージングで写るマーカ体とを備えたこ
    とを特徴とする位置合わせ治具。
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