JP2001064916A - 継手を含む橋梁の補強方法 - Google Patents
継手を含む橋梁の補強方法Info
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- JP2001064916A JP2001064916A JP24461099A JP24461099A JP2001064916A JP 2001064916 A JP2001064916 A JP 2001064916A JP 24461099 A JP24461099 A JP 24461099A JP 24461099 A JP24461099 A JP 24461099A JP 2001064916 A JP2001064916 A JP 2001064916A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 継手を含む橋桁にプレストレスを導入し、橋
桁の剛性を増して疲労強度を改善すると同時に、配管な
どの添加スペースを容易に確保することが可能な橋梁の
補強方法を提供する点にある。 【解決手段】 継手を含む被補強桁1,2の下部表面上
にポストテンション補強板8を配置し、その一端部8a
を被補強桁1に固着し、ポストテンション補強板8の他
端部と近接するように引張補強板を被補強桁2の下部表
面適所に配置し、前記他端部と前記引張補強板の一端部
とを添接板を介しボルトとナットを用いて連結し、前記
引張補強板の他端部に引張荷重を加えて前記ポストテン
ション補強板に前記引張荷重を伝達させ、所定の引張荷
重に達した後にボルトを締め付けて前記ポストテンショ
ン補強板の他端部を被補強桁に締結し、前記被補強桁の
継手を連結する橋梁の補強方法である。
桁の剛性を増して疲労強度を改善すると同時に、配管な
どの添加スペースを容易に確保することが可能な橋梁の
補強方法を提供する点にある。 【解決手段】 継手を含む被補強桁1,2の下部表面上
にポストテンション補強板8を配置し、その一端部8a
を被補強桁1に固着し、ポストテンション補強板8の他
端部と近接するように引張補強板を被補強桁2の下部表
面適所に配置し、前記他端部と前記引張補強板の一端部
とを添接板を介しボルトとナットを用いて連結し、前記
引張補強板の他端部に引張荷重を加えて前記ポストテン
ション補強板に前記引張荷重を伝達させ、所定の引張荷
重に達した後にボルトを締め付けて前記ポストテンショ
ン補強板の他端部を被補強桁に締結し、前記被補強桁の
継手を連結する橋梁の補強方法である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポストテンション
工法を用いて、橋梁の桁材にプレストレスを導入する橋
梁の補強方法に関するものである。
工法を用いて、橋梁の桁材にプレストレスを導入する橋
梁の補強方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の交通量や通過車両重量の増加など
により、厳しい安全・耐久基準が橋梁に求められてお
り、新しい安全・耐久基準を満たさない古い橋梁などに
補強を施す必要がある。既存の橋梁などにプレストレス
を導入して補強を施す手段として、ポストテンション工
法が広く用いられている。図10に示すように、上部フ
ランジ60a、下部フランジ60bおよびウェブ60c
を有する橋桁60に死荷重や活荷重が加わると、橋桁6
0は弓なりに変形し、その上部フランジ60aには圧縮
応力61が作用し、下部フランジ60bには引張応力6
2が作用するため、橋桁60は疲労して耐久性が低下す
る。ポストテンション工法は、この耐久性低下を補うべ
く、下部フランジ60bに桁行方向の圧縮応力(プレス
トレス)を導入し前記引張応力を緩和する工法である。
により、厳しい安全・耐久基準が橋梁に求められてお
り、新しい安全・耐久基準を満たさない古い橋梁などに
補強を施す必要がある。既存の橋梁などにプレストレス
を導入して補強を施す手段として、ポストテンション工
法が広く用いられている。図10に示すように、上部フ
ランジ60a、下部フランジ60bおよびウェブ60c
を有する橋桁60に死荷重や活荷重が加わると、橋桁6
0は弓なりに変形し、その上部フランジ60aには圧縮
応力61が作用し、下部フランジ60bには引張応力6
2が作用するため、橋桁60は疲労して耐久性が低下す
る。ポストテンション工法は、この耐久性低下を補うべ
く、下部フランジ60bに桁行方向の圧縮応力(プレス
トレス)を導入し前記引張応力を緩和する工法である。
【0003】また、長支間の桁橋では複数の主桁を連結
して用いるのが通常である。図11にこのような主桁の
連結構造を例示する。同図によれば連結構造は、主桁7
0,71が橋軸方向に沿って配置されており、これら主
桁70,71のウェブ70c,71cの表裏両面に連結
板72A,72B(裏側の連結板72Bは図示せず)を
添接してこれらをボルト73A,…とナット73B,…
(裏側のナット73Bは図示せず)で締結し、上部フラ
ンジ70a,71aの両面に連結板74,75を添接し
てこれらをボルト76A,…とナット76B,…で締結
し、下部フランジ70b,71bの両面に連結板77,
78を添接してこれらをボルト79A,…とナット79
B,…で締結するというものである。
して用いるのが通常である。図11にこのような主桁の
連結構造を例示する。同図によれば連結構造は、主桁7
0,71が橋軸方向に沿って配置されており、これら主
桁70,71のウェブ70c,71cの表裏両面に連結
板72A,72B(裏側の連結板72Bは図示せず)を
添接してこれらをボルト73A,…とナット73B,…
(裏側のナット73Bは図示せず)で締結し、上部フラ
ンジ70a,71aの両面に連結板74,75を添接し
てこれらをボルト76A,…とナット76B,…で締結
し、下部フランジ70b,71bの両面に連結板77,
78を添接してこれらをボルト79A,…とナット79
B,…で締結するというものである。
【0004】このような継手を含む主桁にポストテンシ
ョンを導入する従来のポストテンション工法としては、
図12に例示するように、橋桁80の下部フランジ80
bに固定したサドル81,82間に、締付具83,84
で緊張状態にした外ケーブル85を張設して下部フラン
ジ80bにプレストレスを導入するエクスターナルポス
トテンション工法が主流である。この工法の有効性は、
例えば、「主桁の外ケーブル補強におけるケーブル定着
部近傍の応力解析」(平成9年9月土木学会第52回年
次学術講演会)において報告されている。
ョンを導入する従来のポストテンション工法としては、
図12に例示するように、橋桁80の下部フランジ80
bに固定したサドル81,82間に、締付具83,84
で緊張状態にした外ケーブル85を張設して下部フラン
ジ80bにプレストレスを導入するエクスターナルポス
トテンション工法が主流である。この工法の有効性は、
例えば、「主桁の外ケーブル補強におけるケーブル定着
部近傍の応力解析」(平成9年9月土木学会第52回年
次学術講演会)において報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
外ケーブルを用いたエクスターナルポストテンション工
法では、以下の(1),(2)の問題点があった。
(1)上記の外ケーブルはPC鋼材などからなるが、こ
のような外ケーブルでは、橋桁の剛性を増すことができ
ないため橋桁の疲労強度が改善されず、(2)また、橋
梁には配管などが添架されることが多いが、上記外ケー
ブルを用いた工法では、外ケーブルやサドルなどを取り
付けるためにその添架スペースが犠牲になることであ
る。
外ケーブルを用いたエクスターナルポストテンション工
法では、以下の(1),(2)の問題点があった。
(1)上記の外ケーブルはPC鋼材などからなるが、こ
のような外ケーブルでは、橋桁の剛性を増すことができ
ないため橋桁の疲労強度が改善されず、(2)また、橋
梁には配管などが添架されることが多いが、上記外ケー
ブルを用いた工法では、外ケーブルやサドルなどを取り
付けるためにその添架スペースが犠牲になることであ
る。
【0006】本発明がこれら問題に鑑みて解決しようと
するところは、従来のポストテンション工法とは異なる
方法により、継手を含む橋桁にプレストレスを導入し、
橋桁の剛性を増して疲労強度を改善すると同時に、配管
などの添加スペースを容易に確保することが可能な橋梁
の補強方法を提供する点にある。
するところは、従来のポストテンション工法とは異なる
方法により、継手を含む橋桁にプレストレスを導入し、
橋桁の剛性を増して疲労強度を改善すると同時に、配管
などの添加スペースを容易に確保することが可能な橋梁
の補強方法を提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明に係る継手を含む橋梁の補強方法は、継手を
含む被補強桁の下部表面上にポストテンション補強板を
配置し、該ポストテンション補強板の一端部を被補強桁
に固着し、前記ポストテンション補強板の他端部と近接
するように引張補強板を被補強桁の下部表面適所に桁行
方向に直列配置し、前記ポストテンション補強板の他端
部と前記引張補強板の一端部とを添接板を介しボルトと
ナットを用いて連結し且つ被補強桁に取り付け、その
後、前記引張補強板の他端部に引張荷重を加えることに
より、前記引張補強板およびポストテンション補強板と
前記添接板との間に作用するせん断応力を通じて、前記
ポストテンション補強板に前記引張荷重を伝達させ、所
定の引張荷重に達した後に、前記被補強桁の継手を連結
し、前記ポストテンション補強板の他端部を被補強桁に
固着することにより、継手を含む被補強桁にポストテン
ションを導入することを特徴とするものである。
に、本発明に係る継手を含む橋梁の補強方法は、継手を
含む被補強桁の下部表面上にポストテンション補強板を
配置し、該ポストテンション補強板の一端部を被補強桁
に固着し、前記ポストテンション補強板の他端部と近接
するように引張補強板を被補強桁の下部表面適所に桁行
方向に直列配置し、前記ポストテンション補強板の他端
部と前記引張補強板の一端部とを添接板を介しボルトと
ナットを用いて連結し且つ被補強桁に取り付け、その
後、前記引張補強板の他端部に引張荷重を加えることに
より、前記引張補強板およびポストテンション補強板と
前記添接板との間に作用するせん断応力を通じて、前記
ポストテンション補強板に前記引張荷重を伝達させ、所
定の引張荷重に達した後に、前記被補強桁の継手を連結
し、前記ポストテンション補強板の他端部を被補強桁に
固着することにより、継手を含む被補強桁にポストテン
ションを導入することを特徴とするものである。
【0008】ここで、前記継手を含む被補強桁の下部表
面を桁行直角方向において複数の補強領域に分割設定
し、各補強領域毎に被補強桁にポストテンションを導入
することが好ましい。これにより、一つのポストテンシ
ョン補強板を用いて被補強桁の当該範囲を補強する場合
と比べると、複数のポストテンション補強板を用いて同
範囲を補強できるため、ポストテンション付与に必要な
引張荷重(以下、ポストテンション荷重という。)が小
さく済み、また、各ポストテンション補強板の重量が小
さく済むことから施工が容易になる。特に幅広な被補強
桁を補強する場合には、各補強範囲におけるポストテン
ション荷重を調整することにより偏心荷重を低減せしめ
ることが容易となる。
面を桁行直角方向において複数の補強領域に分割設定
し、各補強領域毎に被補強桁にポストテンションを導入
することが好ましい。これにより、一つのポストテンシ
ョン補強板を用いて被補強桁の当該範囲を補強する場合
と比べると、複数のポストテンション補強板を用いて同
範囲を補強できるため、ポストテンション付与に必要な
引張荷重(以下、ポストテンション荷重という。)が小
さく済み、また、各ポストテンション補強板の重量が小
さく済むことから施工が容易になる。特に幅広な被補強
桁を補強する場合には、各補強範囲におけるポストテン
ション荷重を調整することにより偏心荷重を低減せしめ
ることが容易となる。
【0009】また、上記被補強桁の継手に支圧用パッキ
ングを介在させることも好ましい。これにより、上記引
張補強板の他端部に引張荷重を加える際に、この引張荷
重の反力として被補強桁に作用する圧縮荷重が支圧用パ
ッキングを介して継手を伝達するから、連結板を用いて
継手を連結すること無く上記ポストテンション補強板に
引張荷重を付与することが可能となり、施工が容易に且
つ経済的になる。
ングを介在させることも好ましい。これにより、上記引
張補強板の他端部に引張荷重を加える際に、この引張荷
重の反力として被補強桁に作用する圧縮荷重が支圧用パ
ッキングを介して継手を伝達するから、連結板を用いて
継手を連結すること無く上記ポストテンション補強板に
引張荷重を付与することが可能となり、施工が容易に且
つ経済的になる。
【0010】また、上記被補強桁の好適な具体例として
は、上部フランジ、下部フランジおよびウェブからなる
桁材が挙げられる。
は、上部フランジ、下部フランジおよびウェブからなる
桁材が挙げられる。
【0011】また、前記ポストテンション補強板に引張
荷重を伝達させる工程においては、(1)前記ポストテ
ンション補強板の他端部と前記引張補強板の一端部とを
連結するのに用いたボルト、ナットもしくは添接板に衝
撃荷重を作用させたり、(2)このとき、前記ポストテ
ンション補強板の他端部と前記引張補強板の一端部とを
連結するのに用いたボルトの締付トルクを緩めることが
望ましい。これにより、上記添接板を介して上記ポスト
テンション補強板の他端部と引張補強板の一端部とが連
結される継手において、引張補強板およびポストテンシ
ョン補強板と被補強桁および添接板との間の接触面にお
いて作用する摩擦抵抗力を解放し、上記引張荷重をスム
ーズに上昇させてポストテンション補強板に所望の引張
荷重を加えることが可能となる。
荷重を伝達させる工程においては、(1)前記ポストテ
ンション補強板の他端部と前記引張補強板の一端部とを
連結するのに用いたボルト、ナットもしくは添接板に衝
撃荷重を作用させたり、(2)このとき、前記ポストテ
ンション補強板の他端部と前記引張補強板の一端部とを
連結するのに用いたボルトの締付トルクを緩めることが
望ましい。これにより、上記添接板を介して上記ポスト
テンション補強板の他端部と引張補強板の一端部とが連
結される継手において、引張補強板およびポストテンシ
ョン補強板と被補強桁および添接板との間の接触面にお
いて作用する摩擦抵抗力を解放し、上記引張荷重をスム
ーズに上昇させてポストテンション補強板に所望の引張
荷重を加えることが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照しつつ、本発
明に係る橋梁の補強方法の種々の実施形態を説明する。
明に係る橋梁の補強方法の種々の実施形態を説明する。
【0013】図1〜3は、本発明に係る補強方法により
ポストテンション付与された継手構造の一実施例を示す
概略図である。図1は、本実施例の継手構造の側面を示
す概略図、図2(a)は、図1に示した継手構造の平面
図、図2(b)は、図1に示した継手構造の底面図、図
3は、図1に示したA−A断面図である。各図におい
て、符号1,2はI形断面形状を有する橋桁(主桁)、
1a,2aは主桁の上部フランジ、1b,2bは主桁の
下部フランジ、1c,2cは主桁のウェブ、3,4A,
4Bは上部フランジ同士を連結する連結板、5A,5B
はウェブ同士を連結する連結板、6,7A,7Bは下部
フランジ同士を連結する連結板、8はポストテンション
補強板、9は下部フランジの継手に介在する支圧用パッ
キング、10A,…,11A,…,12A,…は主桁を
連結するのに用いるボルト,10B,…,11B,…,
12B,…は主桁を連結するのに用いるナット、13
A,13Bはポストテンション補強板の一端部を下部フ
ランジに締結するボルトおよびナットを示している。
尚、本発明では、被補強桁として、本実施例のI形断面
形状の桁材に制限されることなく箱桁、床桁、縦桁、床
版、コンクリート桁、鋼とコンクリートとの合成桁など
に適用できる。
ポストテンション付与された継手構造の一実施例を示す
概略図である。図1は、本実施例の継手構造の側面を示
す概略図、図2(a)は、図1に示した継手構造の平面
図、図2(b)は、図1に示した継手構造の底面図、図
3は、図1に示したA−A断面図である。各図におい
て、符号1,2はI形断面形状を有する橋桁(主桁)、
1a,2aは主桁の上部フランジ、1b,2bは主桁の
下部フランジ、1c,2cは主桁のウェブ、3,4A,
4Bは上部フランジ同士を連結する連結板、5A,5B
はウェブ同士を連結する連結板、6,7A,7Bは下部
フランジ同士を連結する連結板、8はポストテンション
補強板、9は下部フランジの継手に介在する支圧用パッ
キング、10A,…,11A,…,12A,…は主桁を
連結するのに用いるボルト,10B,…,11B,…,
12B,…は主桁を連結するのに用いるナット、13
A,13Bはポストテンション補強板の一端部を下部フ
ランジに締結するボルトおよびナットを示している。
尚、本発明では、被補強桁として、本実施例のI形断面
形状の桁材に制限されることなく箱桁、床桁、縦桁、床
版、コンクリート桁、鋼とコンクリートとの合成桁など
に適用できる。
【0014】以下、前記継手構造を有する橋桁1,2へ
のポストテンションの導入方法について詳説する。
のポストテンションの導入方法について詳説する。
【0015】先ず、被補強桁である主桁1,2の継手に
おいて、上部フランジ1a,2aの上下表面上に連結板
3,4A,4Bを配置し、高力ボルト10A,…とナッ
ト10B,…とを用いて連結板3,4A,4Bを上部フ
ランジ1a,2bに締結することにより上部フランジ1
a,2aを連結し、同時に、ウェブ1c,2cの表裏面
上に連結板5A,5Bを配置し、高力ボルト11A,…
とナット11B,…を用いて連結板5A,5Bをウェブ
1c,2cに締結してウェブ1c,2cを連結する。
尚、本実施例では、連結板を上部フランジや下部フラン
ジ、ウェブに接合するのに高力ボルトとナットを用いた
が、本発明ではこれに限らず、接着剤を用いて接着して
もよいし、溶接しても構わない。
おいて、上部フランジ1a,2aの上下表面上に連結板
3,4A,4Bを配置し、高力ボルト10A,…とナッ
ト10B,…とを用いて連結板3,4A,4Bを上部フ
ランジ1a,2bに締結することにより上部フランジ1
a,2aを連結し、同時に、ウェブ1c,2cの表裏面
上に連結板5A,5Bを配置し、高力ボルト11A,…
とナット11B,…を用いて連結板5A,5Bをウェブ
1c,2cに締結してウェブ1c,2cを連結する。
尚、本実施例では、連結板を上部フランジや下部フラン
ジ、ウェブに接合するのに高力ボルトとナットを用いた
が、本発明ではこれに限らず、接着剤を用いて接着して
もよいし、溶接しても構わない。
【0016】このように下部フランジ1b,2bを除く
継手部位を締結した後、下部フランジ1b,2bの継手
に支圧用パッキング9を介在させる。前記支圧用パッキ
ング9としては、下部フランジ1b,2bと同一材質お
よび同一断面形状を有し、下部フランジ1b,2bの間
隙と略等しい厚みを有する鋼片が好適であるが、桁が供
用されるとき、下部フランジには引張荷重のみが作用す
るのが通例であり、圧縮力が伝達するのは施工の際の一
時的なものであるからこの伝達力に相応した材質および
断面積を有する鋼片でもよい。次いで、下部フランジ1
b,2bの下表面上にポストテンション補強板8を橋軸
方向に沿って配置し、このポストテンション補強板8の
右側一端部8aを、高力ボルト13A,13Aとナット
13B,13Bとを用いて下部フランジ1bに締結す
る。尚、前記ポストテンション補強板8の一端部8aを
下部フランジ1bにボルト接合する代わりに、エポキシ
系樹脂などの接着剤を用いて接着したり溶接したりして
固着して構わない。
継手部位を締結した後、下部フランジ1b,2bの継手
に支圧用パッキング9を介在させる。前記支圧用パッキ
ング9としては、下部フランジ1b,2bと同一材質お
よび同一断面形状を有し、下部フランジ1b,2bの間
隙と略等しい厚みを有する鋼片が好適であるが、桁が供
用されるとき、下部フランジには引張荷重のみが作用す
るのが通例であり、圧縮力が伝達するのは施工の際の一
時的なものであるからこの伝達力に相応した材質および
断面積を有する鋼片でもよい。次いで、下部フランジ1
b,2bの下表面上にポストテンション補強板8を橋軸
方向に沿って配置し、このポストテンション補強板8の
右側一端部8aを、高力ボルト13A,13Aとナット
13B,13Bとを用いて下部フランジ1bに締結す
る。尚、前記ポストテンション補強板8の一端部8aを
下部フランジ1bにボルト接合する代わりに、エポキシ
系樹脂などの接着剤を用いて接着したり溶接したりして
固着して構わない。
【0017】ところで、既設の橋梁を補強する場合は、
既に上部フランジ、下部フランジおよびウェブは連結さ
れているので、下部フランジのみの連結を解いて補強す
ればよい。既設の橋梁では、主桁の上部構造として床版
などが架設され、床版上に舗装が施されている。床版な
どは相当な死荷重を生じさせ、また、橋上に車両などが
通ると活荷重が生じることから、施工の際は被補強桁を
一時的に支持する必要が生ずることがある。かかる場合
は、被補強桁は、サンドルを積み上げたもので仮受けさ
れたり、ワイヤーストランド(鋼線を撚り合わせた束)
を用いて仮のポストテンションを付与されたり、立設し
たポストにより吊り上げられたり、パイラーメン構造と
なるように配置された支材により仮受けされればよい。
既に上部フランジ、下部フランジおよびウェブは連結さ
れているので、下部フランジのみの連結を解いて補強す
ればよい。既設の橋梁では、主桁の上部構造として床版
などが架設され、床版上に舗装が施されている。床版な
どは相当な死荷重を生じさせ、また、橋上に車両などが
通ると活荷重が生じることから、施工の際は被補強桁を
一時的に支持する必要が生ずることがある。かかる場合
は、被補強桁は、サンドルを積み上げたもので仮受けさ
れたり、ワイヤーストランド(鋼線を撚り合わせた束)
を用いて仮のポストテンションを付与されたり、立設し
たポストにより吊り上げられたり、パイラーメン構造と
なるように配置された支材により仮受けされればよい。
【0018】次に、上記ポストテンション補強板8に引
張応力を作用させる手順を以下に詳説する。図4は、ポ
ストテンション補強板に引張荷重を加えた状態を示す主
桁の概略側面図であり、図5は、図4に示す主桁の概略
底面図である。尚、各図において、図1〜図3に示した
部材と同一符号を付した部材については、同一構成を有
するものとして詳細な説明を省略する。
張応力を作用させる手順を以下に詳説する。図4は、ポ
ストテンション補強板に引張荷重を加えた状態を示す主
桁の概略側面図であり、図5は、図4に示す主桁の概略
底面図である。尚、各図において、図1〜図3に示した
部材と同一符号を付した部材については、同一構成を有
するものとして詳細な説明を省略する。
【0019】図1に示したポストテンション補強板8
は、橋軸方向に沿って左方へ延び、図4に示す他端部8
bまで延設されている。次いで、下部フランジ2bの下
表面上に引張補強板14を配置して、この引張補強板1
4の一端部14aと前記ポストテンション補強板8の他
端部8bとを近接配置させる。そして、前記一端部14
aと前記他端部8bとの下表面に添接板15を添接する
と同時に下部フランジ2bの上表面に添接板15Aを添
接し、高力ボルト16A,…とナット16B,…とを用
いて添接板15,15A、ポストテンション補強板8の
他端部8bおよび引張補強板14の一端部14aを下部
フランジ2bにボルト接合する。ここで、前記高力ボル
ト16A,…は本締めしない状態にされる。
は、橋軸方向に沿って左方へ延び、図4に示す他端部8
bまで延設されている。次いで、下部フランジ2bの下
表面上に引張補強板14を配置して、この引張補強板1
4の一端部14aと前記ポストテンション補強板8の他
端部8bとを近接配置させる。そして、前記一端部14
aと前記他端部8bとの下表面に添接板15を添接する
と同時に下部フランジ2bの上表面に添接板15Aを添
接し、高力ボルト16A,…とナット16B,…とを用
いて添接板15,15A、ポストテンション補強板8の
他端部8bおよび引張補強板14の一端部14aを下部
フランジ2bにボルト接合する。ここで、前記高力ボル
ト16A,…は本締めしない状態にされる。
【0020】他方、前記引張補強板14の他端部14b
は、ボルト17A,…を用いて継手板18のボルト孔に
溶接固定される。尚、溶接固定する代わりに、継手板1
8と引張補強板14の他端部14bとに互いに凹凸係合
する凹部や凸部を設けて、相互固定しても構わない。
は、ボルト17A,…を用いて継手板18のボルト孔に
溶接固定される。尚、溶接固定する代わりに、継手板1
8と引張補強板14の他端部14bとに互いに凹凸係合
する凹部や凸部を設けて、相互固定しても構わない。
【0021】前記継手板18の桁行直角方向両端部に
は、油圧式センターホールジャッキ19A,19Bに差
し込まれたテンションロッド20A,20Bが溶接固定
されている。また、ジャッキ固定ジグ21が高力ボルト
22A,…を用いて下部フランジ2bにボルト接合され
ている。センターホールジャッキ19A,19Bの端部
は、前記ジャッキ固定ジグ21の固定部21a,21b
と当接しており、この状態でジャッキ推力を働かせてテ
ンションロッド20A,20Bを引っ張ることにより、
センターホールジャッキ19A,19Bの端部が固定部
21a,21bに圧接固定される。ここで、継手板18
と引張補強板14とを接合する高力ボルト17A,17
A,…の取付位置は、引張荷重の伝達を良好にする観点
から、前記引張補強板14の一端部14aを下部フラン
ジ2bに接合するのに用いた高力ボルト16A,16
A,…の取付位置と橋軸方向に略等しくすることが好ま
しい。
は、油圧式センターホールジャッキ19A,19Bに差
し込まれたテンションロッド20A,20Bが溶接固定
されている。また、ジャッキ固定ジグ21が高力ボルト
22A,…を用いて下部フランジ2bにボルト接合され
ている。センターホールジャッキ19A,19Bの端部
は、前記ジャッキ固定ジグ21の固定部21a,21b
と当接しており、この状態でジャッキ推力を働かせてテ
ンションロッド20A,20Bを引っ張ることにより、
センターホールジャッキ19A,19Bの端部が固定部
21a,21bに圧接固定される。ここで、継手板18
と引張補強板14とを接合する高力ボルト17A,17
A,…の取付位置は、引張荷重の伝達を良好にする観点
から、前記引張補強板14の一端部14aを下部フラン
ジ2bに接合するのに用いた高力ボルト16A,16
A,…の取付位置と橋軸方向に略等しくすることが好ま
しい。
【0022】次に、センターホールジャッキ19A,1
9Bを作動し、テンションロッド20A,20Bを図面
左方へ引張り、継手板18に溶着したボルト17A,…
を通じて引張補強板14に引張荷重を作用させる。する
と、引張補強板14とポストテンション補強板8との継
手において、前記引張荷重は、引張補強板14およびポ
ストテンション補強板8とこれら補強板14,8に接す
る添接板15,15Aとの間に作用するせん断応力によ
り、引張補強板14からポストテンション補強板8に伝
達される。このようにしてジャッキ荷重を次第に上昇さ
せることにより所望の引張応力をポストテンション補強
板8に付与することが可能となる。
9Bを作動し、テンションロッド20A,20Bを図面
左方へ引張り、継手板18に溶着したボルト17A,…
を通じて引張補強板14に引張荷重を作用させる。する
と、引張補強板14とポストテンション補強板8との継
手において、前記引張荷重は、引張補強板14およびポ
ストテンション補強板8とこれら補強板14,8に接す
る添接板15,15Aとの間に作用するせん断応力によ
り、引張補強板14からポストテンション補強板8に伝
達される。このようにしてジャッキ荷重を次第に上昇さ
せることにより所望の引張応力をポストテンション補強
板8に付与することが可能となる。
【0023】このとき、前記引張荷重に対する反力が、
センターホールジャッキ19A,19Bからジャッキ固
定ジグ21を通して下部フランジ2bに伝達し、下部フ
ランジ2bに圧縮荷重を作用せしめて主桁2に偏心荷重
を付与することとなる。同時に、図1に示した主桁1,
2の継手において支圧用パッキング9が圧縮荷重を受
け、一方の下部フランジ2bから他方の下部フランジ1
bに前記圧縮荷重が伝達する。このように支圧用パッキ
ング9が圧縮荷重を伝達する役目を果たすので、継手に
おける主桁1,2の加工精度を高める必要が無くなり、
施工が容易に且つ経済的になる。
センターホールジャッキ19A,19Bからジャッキ固
定ジグ21を通して下部フランジ2bに伝達し、下部フ
ランジ2bに圧縮荷重を作用せしめて主桁2に偏心荷重
を付与することとなる。同時に、図1に示した主桁1,
2の継手において支圧用パッキング9が圧縮荷重を受
け、一方の下部フランジ2bから他方の下部フランジ1
bに前記圧縮荷重が伝達する。このように支圧用パッキ
ング9が圧縮荷重を伝達する役目を果たすので、継手に
おける主桁1,2の加工精度を高める必要が無くなり、
施工が容易に且つ経済的になる。
【0024】尚、ジャッキ推力を徐々に高めていって
も、ジャッキ荷重は或る値に達すると、それ以上に上昇
し難い状況になる場合がある。この状況を模式的に図示
したのが図6(a)である。同図によれば、ジャッキ荷
重が上昇するにつれて、下部フランジ2bと引張補強板
14およびポストテンション補強板8との間の接触面
や、下部フランジ2bと添接板15Aとの間の接触面、
引張補強板14およびポストテンション補強板8と添接
板15との間の接触面において作用する面摩擦抵抗力や
点摩擦抵抗力が強くなり、これら摩擦抵抗力は或る値を
超えるとジャッキ荷重に打ち勝ってジャッキ荷重の上昇
を阻止するのである。
も、ジャッキ荷重は或る値に達すると、それ以上に上昇
し難い状況になる場合がある。この状況を模式的に図示
したのが図6(a)である。同図によれば、ジャッキ荷
重が上昇するにつれて、下部フランジ2bと引張補強板
14およびポストテンション補強板8との間の接触面
や、下部フランジ2bと添接板15Aとの間の接触面、
引張補強板14およびポストテンション補強板8と添接
板15との間の接触面において作用する面摩擦抵抗力や
点摩擦抵抗力が強くなり、これら摩擦抵抗力は或る値を
超えるとジャッキ荷重に打ち勝ってジャッキ荷重の上昇
を阻止するのである。
【0025】図6(a)に示すように、前記接触面にお
ける面摩擦抵抗力や点摩擦抵抗力が強く作用するため、
ポストテンション補強板8は僅かに曲げ変形を起こして
いる。特に点摩擦抵抗力は、図示したA1点、A2点お
よびB点においてとりわけ高く作用し、面摩擦抵抗力を
上回ることがある。よって、このような点摩擦抵抗力や
面摩擦抵抗力を解放することで、ポストテンション補強
板8に作用する引張応力を更に高めることが可能とな
る。そこで、第1の操作としてボルト16A,16Aの
締付トルクを低減し、第2の操作として、図6(a)に
示す矢印方向に、ナット16B,16Bの端部に左方向
への衝撃荷重23,23を加える。これら操作を挿入す
ることにより、前記点摩擦抵抗や面摩擦抵抗が解放され
て、ポストテンション補強板8は微少距離移動すること
で曲げ変形が無くなると同時に図6(b)に示すような
状態となり、ポストテンション補強板8への引張荷重の
伝達をスムーズに行うことが可能となる。尚、前記衝撃
荷重23,23は、人力もしくは機械力によるハンマー
などを用いて1回または複数回作用させればよい。
ける面摩擦抵抗力や点摩擦抵抗力が強く作用するため、
ポストテンション補強板8は僅かに曲げ変形を起こして
いる。特に点摩擦抵抗力は、図示したA1点、A2点お
よびB点においてとりわけ高く作用し、面摩擦抵抗力を
上回ることがある。よって、このような点摩擦抵抗力や
面摩擦抵抗力を解放することで、ポストテンション補強
板8に作用する引張応力を更に高めることが可能とな
る。そこで、第1の操作としてボルト16A,16Aの
締付トルクを低減し、第2の操作として、図6(a)に
示す矢印方向に、ナット16B,16Bの端部に左方向
への衝撃荷重23,23を加える。これら操作を挿入す
ることにより、前記点摩擦抵抗や面摩擦抵抗が解放され
て、ポストテンション補強板8は微少距離移動すること
で曲げ変形が無くなると同時に図6(b)に示すような
状態となり、ポストテンション補強板8への引張荷重の
伝達をスムーズに行うことが可能となる。尚、前記衝撃
荷重23,23は、人力もしくは機械力によるハンマー
などを用いて1回または複数回作用させればよい。
【0026】このようにセンターホールジャッキ19
A,19Bのジャッキ荷重を上昇させ、添接ボルト16
A,16Aの締付トルクを緩めて上記衝撃荷重を加える
操作を挿入すると、摩擦抵抗力の解放によりジャッキ荷
重が若干低下するが、続けて、再度ジャッキ荷重を上昇
させるという操作を繰り返し実行する。この操作は、上
記衝撃荷重を加えてもジャッキ荷重が変化しなくなるま
で実行されるのが望ましい。これにより、ジャッキ荷重
は、前記の点摩擦抵抗力や面摩擦抵抗力に負けることな
くポストテンション補強板8に伝達するので、ポストテ
ンション補強板8に所望の引張応力を付与することが可
能となる。また、以上の操作は、ポストテンション補強
板8の他端部8bを接合するナット16B,16Bに対
して実行するものであったが、引張補強板14の一端部
14aを接合するナット16B、16Bに対しても同様
な衝撃荷重を加えることが好ましい。この場合、図4に
示すように、ナット16B,16Bの端部に矢印方向へ
の衝撃荷重24,24を加えればよい。また、本実施例
においてはナットの端部に衝撃荷重を加えるものであっ
たが、本発明ではこれに限らず、ボルト16Aの軸部先
端部や添接板15Aの端部に衝撃荷重を加えてもよい。
あるいは主桁下部フランジ2bに衝撃荷重を加えて添接
板15Aやポストテンション補強板8を振動させて上記
摩擦抵抗力を解放させてもよい。
A,19Bのジャッキ荷重を上昇させ、添接ボルト16
A,16Aの締付トルクを緩めて上記衝撃荷重を加える
操作を挿入すると、摩擦抵抗力の解放によりジャッキ荷
重が若干低下するが、続けて、再度ジャッキ荷重を上昇
させるという操作を繰り返し実行する。この操作は、上
記衝撃荷重を加えてもジャッキ荷重が変化しなくなるま
で実行されるのが望ましい。これにより、ジャッキ荷重
は、前記の点摩擦抵抗力や面摩擦抵抗力に負けることな
くポストテンション補強板8に伝達するので、ポストテ
ンション補強板8に所望の引張応力を付与することが可
能となる。また、以上の操作は、ポストテンション補強
板8の他端部8bを接合するナット16B,16Bに対
して実行するものであったが、引張補強板14の一端部
14aを接合するナット16B、16Bに対しても同様
な衝撃荷重を加えることが好ましい。この場合、図4に
示すように、ナット16B,16Bの端部に矢印方向へ
の衝撃荷重24,24を加えればよい。また、本実施例
においてはナットの端部に衝撃荷重を加えるものであっ
たが、本発明ではこれに限らず、ボルト16Aの軸部先
端部や添接板15Aの端部に衝撃荷重を加えてもよい。
あるいは主桁下部フランジ2bに衝撃荷重を加えて添接
板15Aやポストテンション補強板8を振動させて上記
摩擦抵抗力を解放させてもよい。
【0027】このようにポストテンション補強板8に所
望の引張応力を付与した後は、図1に示した主桁1,2
の継手において下部フランジ1b,2bの上表面とポス
トテンション補強板8の下表面とに連結板7A,7B,
8を添え、高力ボルト12A,…とナット12B,…と
を用いて下部フランジ1b,2bにボルト接合すること
により、下部フランジ1b,2bが連結される。そし
て、図4に示した添接ボルト16A,16Aを更に締め
付けてポストテンション補強板8の他端部8bを下部フ
ランジ2bに締結することにより、最終的に主桁1,2
の継手を含む被補強部位に圧縮応力を付与してポストテ
ンションが導入される。
望の引張応力を付与した後は、図1に示した主桁1,2
の継手において下部フランジ1b,2bの上表面とポス
トテンション補強板8の下表面とに連結板7A,7B,
8を添え、高力ボルト12A,…とナット12B,…と
を用いて下部フランジ1b,2bにボルト接合すること
により、下部フランジ1b,2bが連結される。そし
て、図4に示した添接ボルト16A,16Aを更に締め
付けてポストテンション補強板8の他端部8bを下部フ
ランジ2bに締結することにより、最終的に主桁1,2
の継手を含む被補強部位に圧縮応力を付与してポストテ
ンションが導入される。
【0028】尚、上記添接ボルトには、高力ボルトを用
いるのが一般的である。添接ボルトは上記のポストテン
ション導入過程で曲げ荷重を受けるが、この曲げ荷重が
過大であると、ポストテンション導入後、摩擦接合によ
る大きな軸力のため、降伏点を超え、過剰な塑性変形を
起こして破壊される恐れがある。実際に、添接ボルトに
歪みゲージを貼付して実験した結果、前記曲げ荷重が添
接ボルトの弾性変形の範囲内であれば、過剰な塑性変形
が起こらないことが確認された。この過剰な弾性変形
は、被補強フランジや添接板、補強板の厚みが大きい程
に生じ易いので、添接ボルトには、降伏点を超えないよ
うに強度やボルト長さなどを適宜選択したものを用い
る。このような添接ボルトとしては、摩擦接合するのに
適した高力六角ボルトやトルシア形高力ボルトが挙げら
れ、そのねじの呼び寸法がM16,M20,M22,M
24のものが好適であり、その等級は、高力六角ボルト
の場合、F8T,F10Tのもの,トルシア形高力ボル
トの場合、S10Tのものが好適である。尚、添接ボル
トの締付けには、トルクレンチや電動式、油圧式の締付
け機を用い、また、1次締付け用に電動式のインパクト
レンチを用いてもよい。
いるのが一般的である。添接ボルトは上記のポストテン
ション導入過程で曲げ荷重を受けるが、この曲げ荷重が
過大であると、ポストテンション導入後、摩擦接合によ
る大きな軸力のため、降伏点を超え、過剰な塑性変形を
起こして破壊される恐れがある。実際に、添接ボルトに
歪みゲージを貼付して実験した結果、前記曲げ荷重が添
接ボルトの弾性変形の範囲内であれば、過剰な塑性変形
が起こらないことが確認された。この過剰な弾性変形
は、被補強フランジや添接板、補強板の厚みが大きい程
に生じ易いので、添接ボルトには、降伏点を超えないよ
うに強度やボルト長さなどを適宜選択したものを用い
る。このような添接ボルトとしては、摩擦接合するのに
適した高力六角ボルトやトルシア形高力ボルトが挙げら
れ、そのねじの呼び寸法がM16,M20,M22,M
24のものが好適であり、その等級は、高力六角ボルト
の場合、F8T,F10Tのもの,トルシア形高力ボル
トの場合、S10Tのものが好適である。尚、添接ボル
トの締付けには、トルクレンチや電動式、油圧式の締付
け機を用い、また、1次締付け用に電動式のインパクト
レンチを用いてもよい。
【0029】以上の手順によると、ポストテンション補
強板8にポストテンション荷重を付与したとき、下部フ
ランジ1b,2bの継手すなわち支圧用パッキング9に
作用する荷重は圧縮荷重となり、この状態で連結板6,
7A,7Bが下部フランジ1b,2bに取り付けられる
ので、連結板6,7A,7Bに作用する応力はゼロに近
い。そして、ポストテンション荷重を付与したポストテ
ンション補強板8の両端部を下部フランジに締結し、下
部フランジ1,2に圧縮応力が作用することとなる。
強板8にポストテンション荷重を付与したとき、下部フ
ランジ1b,2bの継手すなわち支圧用パッキング9に
作用する荷重は圧縮荷重となり、この状態で連結板6,
7A,7Bが下部フランジ1b,2bに取り付けられる
ので、連結板6,7A,7Bに作用する応力はゼロに近
い。そして、ポストテンション荷重を付与したポストテ
ンション補強板8の両端部を下部フランジに締結し、下
部フランジ1,2に圧縮応力が作用することとなる。
【0030】ここで、下部フランジ1b,2bを連結す
るのに用いた連結板7A,7Bおよび補強板8に作用す
る応力度について考察する。ポストテンション補強板を
含む主桁の断面二次モーメントをI,同じく主桁継手部
の断面二次モーメントをI'とする。活荷重により連結
板に作用する応力度は、σLj=M・yj/I'である
(M:活荷重による曲げモーメント、yj:連結板の中
立軸からの距離)。このとき継手に近接する主桁下部フ
ランジの応力度は、σL=M・yt/Iである(yt:主
桁の中立軸からの距離)。今、距離yjはytに略等し
く、且つ断面二次モーメントIはI'に略等しいから、
σLjとσLの値に大きな差は無いので、σLjをσLで
近似し、また、前記継手に近接するポストテンション導
入前の主桁下部フランジ1b,2bの死荷重による応力
度をσdとする。
るのに用いた連結板7A,7Bおよび補強板8に作用す
る応力度について考察する。ポストテンション補強板を
含む主桁の断面二次モーメントをI,同じく主桁継手部
の断面二次モーメントをI'とする。活荷重により連結
板に作用する応力度は、σLj=M・yj/I'である
(M:活荷重による曲げモーメント、yj:連結板の中
立軸からの距離)。このとき継手に近接する主桁下部フ
ランジの応力度は、σL=M・yt/Iである(yt:主
桁の中立軸からの距離)。今、距離yjはytに略等し
く、且つ断面二次モーメントIはI'に略等しいから、
σLjとσLの値に大きな差は無いので、σLjをσLで
近似し、また、前記継手に近接するポストテンション導
入前の主桁下部フランジ1b,2bの死荷重による応力
度をσdとする。
【0031】前記継手に近接するポストテンション導入
前の主桁下部フランジの応力度は、「初期状態」から
「ポストテンション導入時」、更に「活荷重負荷時」の
3段階に変化すると考えることができる。同様にして、
継手の連結板および補強板に作用する応力度を初期状態
でゼロと考えて表現すると、表1のように表すことがで
きる。
前の主桁下部フランジの応力度は、「初期状態」から
「ポストテンション導入時」、更に「活荷重負荷時」の
3段階に変化すると考えることができる。同様にして、
継手の連結板および補強板に作用する応力度を初期状態
でゼロと考えて表現すると、表1のように表すことがで
きる。
【0032】
【表1】
【0033】上記表1において、σd:死荷重応力度の
大きさ、σf:ポストテンション導入による圧縮応力度
の大きさ、σp:ポストテンション補強板に加わる引張
応力度の大きさ、σL:活荷重応力度の大きさ、であ
る。
大きさ、σf:ポストテンション導入による圧縮応力度
の大きさ、σp:ポストテンション補強板に加わる引張
応力度の大きさ、σL:活荷重応力度の大きさ、であ
る。
【0034】通常、橋桁架設時における死荷重応力度
(σd)は小さいので、σd=0とおくことができて、
このとき、表1より、連結板は母材(主桁下部フラン
ジ)よりもσfだけ大きな応力度を受けることになる。
よって、連結板6,7A,7Bとしては、被補強桁であ
る主桁下部フランジ1b,2bとポストテンション補強
板8との中間程度の引張強度を有する鋼材を用いるのが
経済的であり好ましい。
(σd)は小さいので、σd=0とおくことができて、
このとき、表1より、連結板は母材(主桁下部フラン
ジ)よりもσfだけ大きな応力度を受けることになる。
よって、連結板6,7A,7Bとしては、被補強桁であ
る主桁下部フランジ1b,2bとポストテンション補強
板8との中間程度の引張強度を有する鋼材を用いるのが
経済的であり好ましい。
【0035】尚、図4に示したポストテンション補強板
8と引張補強板14との連結部において、下部フランジ
2bのボルト孔径は、当該ボルト孔がボルト16A,…
の軸部と接触しないように、これらボルト軸部の外径よ
りも大きく加工形成されるのが好ましく、また、ポスト
テンション補強板8、引張補強板14および添接板15
A,15Bのボルト孔は、ポストテンション補強板8お
よび引張補強板14と添接板15A,15Bとの間に働
くせん断荷重が円滑に伝達するように、前記ボルト軸部
の外径と略同じ大きさに加工されるのが好ましい。下部
フランジ2bのボルト孔径については、ボルト軸部の外
径より大きい孔径とすることが示方書に定められてお
り、削孔位置精度を高めることで、下部フランジ2bの
ボルト孔がボルト軸部と接触しないように加工すること
は十分に実現可能である。それでも、引張荷重を付与す
る際にポストテンション補強板8および引張補強板14
の微少移動距離が大きく、ボルト軸部が下部フランジ2
bのボルト孔に接触しそうな場合は、そのボルト孔を橋
軸方向に長円形に加工すればよい。
8と引張補強板14との連結部において、下部フランジ
2bのボルト孔径は、当該ボルト孔がボルト16A,…
の軸部と接触しないように、これらボルト軸部の外径よ
りも大きく加工形成されるのが好ましく、また、ポスト
テンション補強板8、引張補強板14および添接板15
A,15Bのボルト孔は、ポストテンション補強板8お
よび引張補強板14と添接板15A,15Bとの間に働
くせん断荷重が円滑に伝達するように、前記ボルト軸部
の外径と略同じ大きさに加工されるのが好ましい。下部
フランジ2bのボルト孔径については、ボルト軸部の外
径より大きい孔径とすることが示方書に定められてお
り、削孔位置精度を高めることで、下部フランジ2bの
ボルト孔がボルト軸部と接触しないように加工すること
は十分に実現可能である。それでも、引張荷重を付与す
る際にポストテンション補強板8および引張補強板14
の微少移動距離が大きく、ボルト軸部が下部フランジ2
bのボルト孔に接触しそうな場合は、そのボルト孔を橋
軸方向に長円形に加工すればよい。
【0036】また、上記実施例では、ジャッキ荷重を引
張補強板14に伝達させるため、テンションロッド20
A,20Bと引張補強板14とは継手板18を介して連
結されているが、本発明ではこれに限らず、例えばPC
鋼材などからなるワイヤを引張補強板14の端部に繋
げ、このワイヤを通じてジャッキ荷重を引張補強板14
に伝達させてもよい。また、ジャッキ荷重は、橋桁も含
めた構造物全体の負荷応答を構造計算し、活荷重負荷に
対して橋桁の安全性を維持できるように適宜設定され
る。
張補強板14に伝達させるため、テンションロッド20
A,20Bと引張補強板14とは継手板18を介して連
結されているが、本発明ではこれに限らず、例えばPC
鋼材などからなるワイヤを引張補強板14の端部に繋
げ、このワイヤを通じてジャッキ荷重を引張補強板14
に伝達させてもよい。また、ジャッキ荷重は、橋桁も含
めた構造物全体の負荷応答を構造計算し、活荷重負荷に
対して橋桁の安全性を維持できるように適宜設定され
る。
【0037】また、複数のポストテンション補強板を被
補強桁の下部表面上に桁行方向に直列配設することによ
り、継手を含む被補強桁を連続的に補強することも可能
である。上述したように所定の引張応力を付与したポス
トテンション補強板8を下部フランジ2bに締結した
後、ジャッキ固定ジグ19A,19Bおよび継手板18
を下部フランジ2bから取り外し、更にポストテンショ
ン補強板8と橋軸方向に隣接する引張補強板14を新た
なポストテンション補強板となすか、あるいは前記引張
補強板14を取り外して新たなポストテンション補強板
を取り付け、上記した補強手順を実行して、この新たな
ポストテンション補強板に引張応力を付与した後に下部
フランジに締結する。このような手順を繰り返すことに
より、複数のポストテンション補強板を桁行方向に連続
的に設けて主桁を連続的に補強できる。
補強桁の下部表面上に桁行方向に直列配設することによ
り、継手を含む被補強桁を連続的に補強することも可能
である。上述したように所定の引張応力を付与したポス
トテンション補強板8を下部フランジ2bに締結した
後、ジャッキ固定ジグ19A,19Bおよび継手板18
を下部フランジ2bから取り外し、更にポストテンショ
ン補強板8と橋軸方向に隣接する引張補強板14を新た
なポストテンション補強板となすか、あるいは前記引張
補強板14を取り外して新たなポストテンション補強板
を取り付け、上記した補強手順を実行して、この新たな
ポストテンション補強板に引張応力を付与した後に下部
フランジに締結する。このような手順を繰り返すことに
より、複数のポストテンション補強板を桁行方向に連続
的に設けて主桁を連続的に補強できる。
【0038】この状態の一実施例を示したのが図7であ
る。同図によれば、主桁30には、引張応力を付与され
た複数のポストテンション補強板31,32,33が下
部フランジ30bにボルト接合されている。図7におい
て、符号34,34A,35,35Aは添接板、36
A,37A,38Aはボルト、36B,37B,38B
はナットを示している。終端であるポストテンション補
強板33の端部33bにおいては、ボルト孔33e,…
を通して上記継手板が固定されていた。この継手板とジ
ャッキ固定ジグを取り外す前に、ポストテンション補強
板33のボルト孔33f,…と下部フランジ30bのボ
ルト孔30f,…にボルト38A,38Aを差し込み、
ナット38B,38Bを用いて、被補強範囲の終端に位
置するポストテンション補強板33の端部33bは下部
フランジ30bに締結固定される。尚、ジャッキ固定ジ
グと継手板を取り外した後に残ったボルト孔33e,…
にも高力ボルトを入れて締結し、橋桁の強度低下を防ぐ
措置を講じてもよい。
る。同図によれば、主桁30には、引張応力を付与され
た複数のポストテンション補強板31,32,33が下
部フランジ30bにボルト接合されている。図7におい
て、符号34,34A,35,35Aは添接板、36
A,37A,38Aはボルト、36B,37B,38B
はナットを示している。終端であるポストテンション補
強板33の端部33bにおいては、ボルト孔33e,…
を通して上記継手板が固定されていた。この継手板とジ
ャッキ固定ジグを取り外す前に、ポストテンション補強
板33のボルト孔33f,…と下部フランジ30bのボ
ルト孔30f,…にボルト38A,38Aを差し込み、
ナット38B,38Bを用いて、被補強範囲の終端に位
置するポストテンション補強板33の端部33bは下部
フランジ30bに締結固定される。尚、ジャッキ固定ジ
グと継手板を取り外した後に残ったボルト孔33e,…
にも高力ボルトを入れて締結し、橋桁の強度低下を防ぐ
措置を講じてもよい。
【0039】尚、上記補強方法を用いて既設の橋梁をポ
ストテンション補強するには、図11の従来図に示すよ
うに、主桁70,71の継手において下部フランジ70
b,71bを締結する連結板77,78を取り外す必要
がある。しかし、既設の橋梁には主桁の上部に床版など
の重量物が設けられているため相当の死荷重が作用して
おり、車両などの通行による活荷重も作用する。このよ
うな活荷重や死荷重が作用したまま、何らの措置を講ず
ること無く下部フランジ70b,71bの継手の連結を
解くのは危険である。
ストテンション補強するには、図11の従来図に示すよ
うに、主桁70,71の継手において下部フランジ70
b,71bを締結する連結板77,78を取り外す必要
がある。しかし、既設の橋梁には主桁の上部に床版など
の重量物が設けられているため相当の死荷重が作用して
おり、車両などの通行による活荷重も作用する。このよ
うな活荷重や死荷重が作用したまま、何らの措置を講ず
ること無く下部フランジ70b,71bの継手の連結を
解くのは危険である。
【0040】そこで、このような場合は、継手を含む被
補強桁の下部表面を桁行直角方向において複数の補強領
域に分割設定し、各補強領域毎に被補強桁にポストテン
ションを導入することが好ましい。図8(a)〜(d)
を例示してその具体的手順を説明する。最初、主桁の継
手(連結部)の断面は、図8(a)に示す状態である。
図8(a)において、符号40は主桁のウェブ、41は
同主桁の下部フランジ、42,43A,43Bは継手に
おいて下部フランジ同士を連結する連結板、44Aはボ
ルト、44Bはナットを示している。
補強桁の下部表面を桁行直角方向において複数の補強領
域に分割設定し、各補強領域毎に被補強桁にポストテン
ションを導入することが好ましい。図8(a)〜(d)
を例示してその具体的手順を説明する。最初、主桁の継
手(連結部)の断面は、図8(a)に示す状態である。
図8(a)において、符号40は主桁のウェブ、41は
同主桁の下部フランジ、42,43A,43Bは継手に
おいて下部フランジ同士を連結する連結板、44Aはボ
ルト、44Bはナットを示している。
【0041】先ず、図8(b)に示すようにウェブを挟
んで連結板42を桁行方向に切断して2分割し、ボルト
44Aとナット44Bを取り外して一方の連結板42A
を取り外し、ウェブ40を挟んだ一方の継手のみを解体
する。このとき、活荷重が付加されないように、橋梁上
の通行止めの処置などをしておき他方の継手だけで橋梁
の荷重を支持できることを確認しておく。次いで、図8
(c)に示すように下部フランジ41の下表面上に桁行
方向にポストテンション補強板45Aを配置し、その一
端部(図示せず)を下部フランジに固定し、上記補強方
法と同工法でこのポストテンション補強板45Aに引張
荷重を加えて所定の引張荷重に達した後に、ポストテン
ション補強板45Aの他端部(図示せず)を下部フラン
ジに固定する。その後、このポストテンション補強板4
5Aの下表面に連結板46Aを添接するのと同時に下部
フランジ41の上表面に連結板47Aを添接して、これ
らをボルト48Aとナット48Bとを用いて下部フラン
ジ41に締結する。
んで連結板42を桁行方向に切断して2分割し、ボルト
44Aとナット44Bを取り外して一方の連結板42A
を取り外し、ウェブ40を挟んだ一方の継手のみを解体
する。このとき、活荷重が付加されないように、橋梁上
の通行止めの処置などをしておき他方の継手だけで橋梁
の荷重を支持できることを確認しておく。次いで、図8
(c)に示すように下部フランジ41の下表面上に桁行
方向にポストテンション補強板45Aを配置し、その一
端部(図示せず)を下部フランジに固定し、上記補強方
法と同工法でこのポストテンション補強板45Aに引張
荷重を加えて所定の引張荷重に達した後に、ポストテン
ション補強板45Aの他端部(図示せず)を下部フラン
ジに固定する。その後、このポストテンション補強板4
5Aの下表面に連結板46Aを添接するのと同時に下部
フランジ41の上表面に連結板47Aを添接して、これ
らをボルト48Aとナット48Bとを用いて下部フラン
ジ41に締結する。
【0042】次いで、ウェブ40を挟んで他方の継手に
おいても前記と同じ手順で連結板42B,43Bを取り
外して継手を解体し、図8(d)に示すように下部フラ
ンジ41の下表面上にポストテンション補強板45Bを
配置して引張荷重を付与する。その後、このポストテン
ション補強板45Bの下表面に連結板46Bを添接する
のと同時に下部フランジ41の上表面に連結板47Bを
添接して、ボルト49Aとナット49Bとを用いてこれ
らを下部フランジ41に締結する。このようにしてポス
トテンション補強された継手を下方から見たのが図9
(a)である。
おいても前記と同じ手順で連結板42B,43Bを取り
外して継手を解体し、図8(d)に示すように下部フラ
ンジ41の下表面上にポストテンション補強板45Bを
配置して引張荷重を付与する。その後、このポストテン
ション補強板45Bの下表面に連結板46Bを添接する
のと同時に下部フランジ41の上表面に連結板47Bを
添接して、ボルト49Aとナット49Bとを用いてこれ
らを下部フランジ41に締結する。このようにしてポス
トテンション補強された継手を下方から見たのが図9
(a)である。
【0043】前記実施例は、ウェブを挟んだ両側におい
て2枚のポストテンション補強板を用いた工法であった
が、箱桁などの下部フランジは上記実施例に示したI形
桁に比べると幅広である。このような場合には、図9
(b)に示すように、桁行直角方向に亘り多数の分割し
た補強領域を設けて、各補強領域毎にポストテンション
補強板52A〜52Fを用いた補強を施せばよい。この
ような工法を採用することにより、各補強領域毎にポス
トテンション荷重を調整することが容易となり、被補強
桁に加わる偏心荷重を低減させることが可能となる。ま
た、複数のポストテンション補強板を用いるため一枚の
ポストテンション補強板が軽くなり且つ小さいジャッキ
容量のジャッキにより引張荷重を付与すれば済むため施
工を極めて容易に行うことが可能となる。
て2枚のポストテンション補強板を用いた工法であった
が、箱桁などの下部フランジは上記実施例に示したI形
桁に比べると幅広である。このような場合には、図9
(b)に示すように、桁行直角方向に亘り多数の分割し
た補強領域を設けて、各補強領域毎にポストテンション
補強板52A〜52Fを用いた補強を施せばよい。この
ような工法を採用することにより、各補強領域毎にポス
トテンション荷重を調整することが容易となり、被補強
桁に加わる偏心荷重を低減させることが可能となる。ま
た、複数のポストテンション補強板を用いるため一枚の
ポストテンション補強板が軽くなり且つ小さいジャッキ
容量のジャッキにより引張荷重を付与すれば済むため施
工を極めて容易に行うことが可能となる。
【0044】尚、最初にポストテンションを導入した補
強板のポストテンション荷重は、その後のポストテンシ
ョン導入の際に桁が圧縮および曲げ変形するために低下
する。第1回目に、全てのポストテンション補強板に所
定のポストテンション荷重を導入した後に、第2回目以
降に低下したポストテンション荷重を所定値まで上昇さ
せるという操作を行うと、厳密に所定値に達するまで無
限回の操作を行う必要があることになるから、このよう
な操作は実用的では無い。そこで、最初にポストテンシ
ョン補強板に導入する荷重をやや高めに設定しておき、
数回程度の操作で全てのポストテンション補強板への荷
重導入を完了させるのが実際的である。この場合、導入
荷重の計算はやや複雑になるので施工前に設定値を計算
しておくことが好ましい。
強板のポストテンション荷重は、その後のポストテンシ
ョン導入の際に桁が圧縮および曲げ変形するために低下
する。第1回目に、全てのポストテンション補強板に所
定のポストテンション荷重を導入した後に、第2回目以
降に低下したポストテンション荷重を所定値まで上昇さ
せるという操作を行うと、厳密に所定値に達するまで無
限回の操作を行う必要があることになるから、このよう
な操作は実用的では無い。そこで、最初にポストテンシ
ョン補強板に導入する荷重をやや高めに設定しておき、
数回程度の操作で全てのポストテンション補強板への荷
重導入を完了させるのが実際的である。この場合、導入
荷重の計算はやや複雑になるので施工前に設定値を計算
しておくことが好ましい。
【0045】尚、上記ポストテンション補強板として
は、被補強フランジの形状や所望のポストテンション荷
重に相応した断面形状や剛性を有するものが適宜選択さ
れる。これにより、橋桁の所望の箇所を所望のポストテ
ンション荷重で補強し、橋桁の剛性を高めて疲労強度を
高めることが可能となり、また、この補強は、配管など
の添架スペースを犠牲にせずに行うことができる。この
ような補強板としては、具体的には、入手のし易さとい
う点では鋼材が好ましく、軽量かつ高強度という点では
炭素繊維やアラミド繊維を樹脂バインダーで担持した板
材が好ましい。前記鋼材には、鉄や炭素を含む合金、た
とえば引張強度が50kgf/mm2以上の高張力鋼、
引張強度が60kgf/mm2以上の調質鋼もしくは溶
接性が低いため橋梁に用いることが少ない更に高い引張
強度を有する鋼材、銅やクロムなどの金属元素を添加し
た耐候性鋼材などを用いることができる。また、補強板
として炭素繊維やアラミド繊維を樹脂バインダーで担持
した板材を用いる場合は、この補強板をボルト接合する
前にエポキシ樹脂などで被補強桁に接着しておくこと
が、添接ボルトとナットで摩擦接合し易いために好まし
い。
は、被補強フランジの形状や所望のポストテンション荷
重に相応した断面形状や剛性を有するものが適宜選択さ
れる。これにより、橋桁の所望の箇所を所望のポストテ
ンション荷重で補強し、橋桁の剛性を高めて疲労強度を
高めることが可能となり、また、この補強は、配管など
の添架スペースを犠牲にせずに行うことができる。この
ような補強板としては、具体的には、入手のし易さとい
う点では鋼材が好ましく、軽量かつ高強度という点では
炭素繊維やアラミド繊維を樹脂バインダーで担持した板
材が好ましい。前記鋼材には、鉄や炭素を含む合金、た
とえば引張強度が50kgf/mm2以上の高張力鋼、
引張強度が60kgf/mm2以上の調質鋼もしくは溶
接性が低いため橋梁に用いることが少ない更に高い引張
強度を有する鋼材、銅やクロムなどの金属元素を添加し
た耐候性鋼材などを用いることができる。また、補強板
として炭素繊維やアラミド繊維を樹脂バインダーで担持
した板材を用いる場合は、この補強板をボルト接合する
前にエポキシ樹脂などで被補強桁に接着しておくこと
が、添接ボルトとナットで摩擦接合し易いために好まし
い。
【0046】
【発明の効果】以上の如く、本発明の請求項1に係る補
強方法は、前記継手を含む被補強桁の下部表面上にポス
トテンション補強板を配置し、該ポストテンション補強
板の一端部を被補強桁に固着し、前記ポストテンション
補強板の他端部と近接するように引張補強板を被補強桁
の下部表面適所に桁行方向に直列配置し、前記ポストテ
ンション補強板の他端部と前記引張補強板の一端部とを
添接板を介しボルトとナットを用いて連結し且つ被補強
桁に取り付け、その後、前記引張補強板の他端部に引張
荷重を加えることにより、前記引張補強板およびポスト
テンション補強板と前記添接板との間に作用するせん断
応力を通じて、前記ポストテンション補強板に前記引張
荷重を伝達させ、所定の引張荷重に達した後にボルトを
締め付けて前記ポストテンション補強板の他端部を被補
強桁に締結し、前記被補強桁の継手を連結することによ
り、継手を含む被補強桁にポストテンションを導入する
ものであるから、継手を含む被補強桁に対してもポスト
テンション補強することができ、橋桁の剛性を増して疲
労強度を改善すると同時に、配管などの添加スペースを
犠牲するすることが無い。更に、引張荷重を調整するこ
とで所望の補強範囲に所望のポストテンション荷重で補
強することが可能である。
強方法は、前記継手を含む被補強桁の下部表面上にポス
トテンション補強板を配置し、該ポストテンション補強
板の一端部を被補強桁に固着し、前記ポストテンション
補強板の他端部と近接するように引張補強板を被補強桁
の下部表面適所に桁行方向に直列配置し、前記ポストテ
ンション補強板の他端部と前記引張補強板の一端部とを
添接板を介しボルトとナットを用いて連結し且つ被補強
桁に取り付け、その後、前記引張補強板の他端部に引張
荷重を加えることにより、前記引張補強板およびポスト
テンション補強板と前記添接板との間に作用するせん断
応力を通じて、前記ポストテンション補強板に前記引張
荷重を伝達させ、所定の引張荷重に達した後にボルトを
締め付けて前記ポストテンション補強板の他端部を被補
強桁に締結し、前記被補強桁の継手を連結することによ
り、継手を含む被補強桁にポストテンションを導入する
ものであるから、継手を含む被補強桁に対してもポスト
テンション補強することができ、橋桁の剛性を増して疲
労強度を改善すると同時に、配管などの添加スペースを
犠牲するすることが無い。更に、引張荷重を調整するこ
とで所望の補強範囲に所望のポストテンション荷重で補
強することが可能である。
【0047】また、請求項2に係る補強方法は、前記継
手を含む被補強桁の下部表面を桁行直角方向において複
数の補強領域に分割設定し、各補強領域毎に被補強桁に
ポストテンションを導入するものであるから、引張荷重
が小さく済み、また、各ポストテンション補強板の重量
が小さく済むことから施工が容易になると共に、被補強
桁への偏心荷重を低減させることが可能となる。
手を含む被補強桁の下部表面を桁行直角方向において複
数の補強領域に分割設定し、各補強領域毎に被補強桁に
ポストテンションを導入するものであるから、引張荷重
が小さく済み、また、各ポストテンション補強板の重量
が小さく済むことから施工が容易になると共に、被補強
桁への偏心荷重を低減させることが可能となる。
【0048】また、請求項3に係る補強方法によれば、
被補強桁の継手に支圧用パッキングを介在させることに
より、継手を連結しない状態のままポストテンション補
強板にポストテンション荷重を導入することが可能とな
り、また、継手における被補強桁の加工精度を高める必
要が無く、施工が容易に且つ経済的になる。
被補強桁の継手に支圧用パッキングを介在させることに
より、継手を連結しない状態のままポストテンション補
強板にポストテンション荷重を導入することが可能とな
り、また、継手における被補強桁の加工精度を高める必
要が無く、施工が容易に且つ経済的になる。
【0049】また、請求項5および6に係る補強方法に
よれば、前記ポストテンション補強板に引張荷重を伝達
させる工程の際、前記ポストテンション補強板の他端部
と前記引張補強板の一端部とを連結するのに用いたボル
ト、ナットもしくは添接板に衝撃荷重を作用させたり、
前記ボルトの締付トルクを緩めたりすることにより、引
張補強板およびポストテンション補強板と被補強板およ
び添接板との間の接触面や、被補強桁と添接板との間の
接触面において作用する摩擦抵抗力を解放し、上記引張
荷重をスムーズに上昇させることが可能となる。
よれば、前記ポストテンション補強板に引張荷重を伝達
させる工程の際、前記ポストテンション補強板の他端部
と前記引張補強板の一端部とを連結するのに用いたボル
ト、ナットもしくは添接板に衝撃荷重を作用させたり、
前記ボルトの締付トルクを緩めたりすることにより、引
張補強板およびポストテンション補強板と被補強板およ
び添接板との間の接触面や、被補強桁と添接板との間の
接触面において作用する摩擦抵抗力を解放し、上記引張
荷重をスムーズに上昇させることが可能となる。
【図1】本発明に係る継手構造の一実施例を示す概略側
面図である。
面図である。
【図2】(a)は、図1に示した継手構造の平面図であ
り、(b)は、同継手構造の庭園図である。
り、(b)は、同継手構造の庭園図である。
【図3】図1に示すA−A断面図である。
【図4】ポストテンション補強板に引張荷重を加えた状
態を示す主桁の概略側面図である。
態を示す主桁の概略側面図である。
【図5】図4に示す主桁の概略底面図である。
【図6】(a)は、摩擦力によりポストテンション補強
板が曲げ変形を起こした状態を示す概略断面図であり、
(b)は、前記摩擦力が解放された後の状態を示す概略
断面図である。
板が曲げ変形を起こした状態を示す概略断面図であり、
(b)は、前記摩擦力が解放された後の状態を示す概略
断面図である。
【図7】複数のポストテンション補強板により連続的に
補強された主桁の概略側面図である。
補強された主桁の概略側面図である。
【図8】2枚のポストテンション補強板を用いて下部フ
ランジを補強する手順の一実施例を示す説明図である。
ランジを補強する手順の一実施例を示す説明図である。
【図9】複数のポストテンション補強板を用いて補強し
た継手を下方から見た図である。
た継手を下方から見た図である。
【図10】橋桁に加わる応力を説明するための模式図で
ある。
ある。
【図11】従来の主桁の連結構造の一例を示す概略側面
図である。
図である。
【図12】従来の外ケーブルを用いたポストテンション
工法を説明するための概略側面図である。
工法を説明するための概略側面図である。
1,2 橋桁(主桁) 1a,2a 上部フランジ 1b,2b 下部フランジ 1c,2c ウェブ 3,4A,4B 上部フランジ同士を連結する連結板 5A,5B ウェブ同士を連結する連結板 6,7A,7B 下部フランジ同士を連結する連結板 8 ポストテンション補強板 8a ポストテンション補強板の一端部 8b ポストテンション補強板の他端部 9 支圧用パッキング 10A 上部フランジ同士を連結するのに用いるボルト 10B 上部フランジ同士を連結するのに用いるナット 11A ウェブ同士を連結するのに用いるボルト 11B ウェブ同士を連結するのに用いるナット 12A 下部フランジ同士を連結するのに用いるボルト 12B 下部フランジ同士を連結するのに用いるナット 13A ボルト 13B ナット 14 引張補強板 14a 引張補強板の一端部 14b 引張補強板の他端部 15A,15B 添接板 16A 高力ボルト 16B ナット 17A ボルト 18 継手板 19A,19B 油圧式センターホールジャッキ 20A,20B テンションロッド 21 ジャッキ固定ジグ 21a,21b 固定部 22A ボルト 23,24 衝撃荷重 25 ボルト孔 30 主桁 30a 上部フランジ 30b 下部フランジ 30c ウェブ 30f ボルト孔 31,32,33 ポストテンション補強板 33e ボルト孔 33f ボルト孔 34,34A,35,35A 添接板 36A,37A,38A ボルト 36B,37B,38B ナット 40 主桁のウェブ 41 主桁の下部フランジ 42,43A,43B 連結板 44A,45A ボルト 44B,45B ナット 45A,45B ポストテンション補強板 46A,47A,46B,47B 連結板 48A,49A ボルト 48B,49B ナット 50 継手 51 継手 52A〜52F ポストテンション補強板 53A〜53F ボルト 60 橋桁 60a 上部フランジ 60b 下部フランジ 60c ウェブ 61 圧縮応力 62 引張応力 70,71 主桁 70a,71a 上部フランジ 70b,71b 下部フランジ 70c,71c ウェブ 72A,72B 連結板 73A ボルト 73B ナット 74,75 連結板 76A ボルト 76B ナット 77,78 連結板 79A ボルト 79B ナット 80 橋桁 80b 下部フランジ 80c ウェブ 81,82 サドル 83,84 締付具 85 外ケーブル
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年10月20日(1999.10.
20)
20)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明に係る継手を含む橋梁の補強方法は、継手を
含む被補強桁の下部表面上にポストテンション補強板を
配置し、該ポストテンション補強板の一端部を被補強桁
に固着し、前記ポストテンション補強板の他端部と近接
するように引張補強板を被補強桁の下部表面適所に桁行
方向に直列配置し、前記ポストテンション補強板の他端
部と前記引張補強板の一端部とを添接板を介しボルトと
ナットを用いて連結し且つ被補強桁に取り付け、その
後、前記引張補強板の他端部に引張荷重を加えることに
より、前記ボルトを介して前記引張補強板およびポスト
テンション補強板と前記添接板との間に作用するせん断
力を通じて、前記ポストテンション補強板に前記引張荷
重を伝達させ、所定の引張荷重に達した後に、前記被補
強桁の継手を連結し、前記ポストテンション補強板の他
端部を被補強桁に固着することにより、継手を含む被補
強桁にポストテンションを導入することを特徴とするも
のである。
に、本発明に係る継手を含む橋梁の補強方法は、継手を
含む被補強桁の下部表面上にポストテンション補強板を
配置し、該ポストテンション補強板の一端部を被補強桁
に固着し、前記ポストテンション補強板の他端部と近接
するように引張補強板を被補強桁の下部表面適所に桁行
方向に直列配置し、前記ポストテンション補強板の他端
部と前記引張補強板の一端部とを添接板を介しボルトと
ナットを用いて連結し且つ被補強桁に取り付け、その
後、前記引張補強板の他端部に引張荷重を加えることに
より、前記ボルトを介して前記引張補強板およびポスト
テンション補強板と前記添接板との間に作用するせん断
力を通じて、前記ポストテンション補強板に前記引張荷
重を伝達させ、所定の引張荷重に達した後に、前記被補
強桁の継手を連結し、前記ポストテンション補強板の他
端部を被補強桁に固着することにより、継手を含む被補
強桁にポストテンションを導入することを特徴とするも
のである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】ここで、前記継手を含む被補強桁の下部表
面を桁行直角方向において複数の補強領域に分割設定
し、各補強領域毎に被補強桁にポストテンションを導入
することが好ましい。これにより、一つのポストテンシ
ョン補強板を用いて被補強桁の当該補強領域全体を補強
する場合と比べると、複数のポストテンション補強板を
用いて同補強領域を補強できるため、ポストテンション
付与に必要な引張荷重(以下、ポストテンション荷重と
いう。)が小さく済み、また、各ポストテンション補強
板の重量が小さく済むことから施工が容易になる。特に
幅広な被補強桁を補強する場合には、各補強領域におけ
るポストテンション荷重を調整することにより偏心荷重
を低減せしめることが容易となる。
面を桁行直角方向において複数の補強領域に分割設定
し、各補強領域毎に被補強桁にポストテンションを導入
することが好ましい。これにより、一つのポストテンシ
ョン補強板を用いて被補強桁の当該補強領域全体を補強
する場合と比べると、複数のポストテンション補強板を
用いて同補強領域を補強できるため、ポストテンション
付与に必要な引張荷重(以下、ポストテンション荷重と
いう。)が小さく済み、また、各ポストテンション補強
板の重量が小さく済むことから施工が容易になる。特に
幅広な被補強桁を補強する場合には、各補強領域におけ
るポストテンション荷重を調整することにより偏心荷重
を低減せしめることが容易となる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】他方、前記引張補強板14の他端部14b
は、継手板18に溶接固定されるボルト17A,…を用
いて継手板18のボルト孔に連結される。尚、溶接固定
する代わりに、継手板18と引張補強板14の他端部1
4bとに互いに凹凸係合する凹部や凸部を設けて、相互
連結しても構わない。
は、継手板18に溶接固定されるボルト17A,…を用
いて継手板18のボルト孔に連結される。尚、溶接固定
する代わりに、継手板18と引張補強板14の他端部1
4bとに互いに凹凸係合する凹部や凸部を設けて、相互
連結しても構わない。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】次に、センターホールジャッキ19A,1
9Bを作動し、テンションロッド20A,20Bを図面
左方へ引張り、継手板18に溶着したボルト17A,…
を通じて引張補強板14に引張荷重を作用させる。する
と、引張補強板14とポストテンション補強板8との継
手において、前記引張荷重は、引張補強板14およびポ
ストテンション補強板8とこれら補強板14,8に接す
る添接板15,15Aとの間に作用するボルトを介した
せん断力により、引張補強板14からポストテンション
補強板8に伝達される。このようにしてジャッキ荷重を
次第に上昇させることにより所望の引張応力をポストテ
ンション補強板8に付与することが可能となる。
9Bを作動し、テンションロッド20A,20Bを図面
左方へ引張り、継手板18に溶着したボルト17A,…
を通じて引張補強板14に引張荷重を作用させる。する
と、引張補強板14とポストテンション補強板8との継
手において、前記引張荷重は、引張補強板14およびポ
ストテンション補強板8とこれら補強板14,8に接す
る添接板15,15Aとの間に作用するボルトを介した
せん断力により、引張補強板14からポストテンション
補強板8に伝達される。このようにしてジャッキ荷重を
次第に上昇させることにより所望の引張応力をポストテ
ンション補強板8に付与することが可能となる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】尚、上記添接ボルトには、高力ボルトを用
いるのが一般的である。添接ボルトは上記のポストテン
ション導入過程で曲げ荷重を受けるが、この曲げ荷重が
過大であると、ポストテンション導入後、摩擦接合によ
る大きな軸力のため、降伏点を超え、過剰な塑性変形を
起こして破壊される恐れがある。実際に、添接ボルトに
歪みゲージを貼付して実験した結果、前記曲げ荷重が添
接ボルトの弾性変形の範囲内であれば、過剰な塑性変形
が起こらないことが確認された。この過剰な塑性変形
は、被補強フランジや添接板、補強板の厚みが大きい程
に生じ易いので、添接ボルトには、降伏点を超えないよ
うに強度やボルト長さなどを適宜選択したものを用い
る。このような添接ボルトとしては、摩擦接合するのに
適した高力六角ボルトやトルシア形高力ボルトが挙げら
れ、そのねじの呼び寸法がM16,M20,M22,M
24のものが好適であり、その等級は、高力六角ボルト
の場合、F8T,F10Tのもの,トルシア形高力ボル
トの場合、S10Tのものが好適である。尚、添接ボル
トの締付けには、トルクレンチや電動式、油圧式の締付
け機を用い、また、1次締付け用に電動式のインパクト
レンチを用いてもよい。
いるのが一般的である。添接ボルトは上記のポストテン
ション導入過程で曲げ荷重を受けるが、この曲げ荷重が
過大であると、ポストテンション導入後、摩擦接合によ
る大きな軸力のため、降伏点を超え、過剰な塑性変形を
起こして破壊される恐れがある。実際に、添接ボルトに
歪みゲージを貼付して実験した結果、前記曲げ荷重が添
接ボルトの弾性変形の範囲内であれば、過剰な塑性変形
が起こらないことが確認された。この過剰な塑性変形
は、被補強フランジや添接板、補強板の厚みが大きい程
に生じ易いので、添接ボルトには、降伏点を超えないよ
うに強度やボルト長さなどを適宜選択したものを用い
る。このような添接ボルトとしては、摩擦接合するのに
適した高力六角ボルトやトルシア形高力ボルトが挙げら
れ、そのねじの呼び寸法がM16,M20,M22,M
24のものが好適であり、その等級は、高力六角ボルト
の場合、F8T,F10Tのもの,トルシア形高力ボル
トの場合、S10Tのものが好適である。尚、添接ボル
トの締付けには、トルクレンチや電動式、油圧式の締付
け機を用い、また、1次締付け用に電動式のインパクト
レンチを用いてもよい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】
【発明の効果】以上の如く、本発明の請求項1に係る補
強方法は、前記継手を含む被補強桁の下部表面上にポス
トテンション補強板を配置し、該ポストテンション補強
板の一端部を被補強桁に固着し、前記ポストテンション
補強板の他端部と近接するように引張補強板を被補強桁
の下部表面適所に桁行方向に直列配置し、前記ポストテ
ンション補強板の他端部と前記引張補強板の一端部とを
添接板を介しボルトとナットを用いて連結し且つ被補強
桁に取り付け、その後、前記引張補強板の他端部に引張
荷重を加えることにより、前記ボルトを介して前記引張
補強板およびポストテンション補強板と前記添接板との
間に作用するせん断力を通じて、前記ポストテンション
補強板に前記引張荷重を伝達させ、所定の引張荷重に達
した後に、前記被補強桁の継手を連結し、前記ポストテ
ンション補強板の他端部を被補強桁に固着することによ
り、継手を含む被補強桁にポストテンションを導入する
ものであるから、継手を含む被補強桁に対してもポスト
テンション補強することができ、橋桁の剛性を増して疲
労強度を改善すると同時に、配管などの添加スペースを
犠牲するすることが無い。更に、引張荷重を調整するこ
とで所望の補強範囲に所望のポストテンション荷重で補
強することが可能である。
強方法は、前記継手を含む被補強桁の下部表面上にポス
トテンション補強板を配置し、該ポストテンション補強
板の一端部を被補強桁に固着し、前記ポストテンション
補強板の他端部と近接するように引張補強板を被補強桁
の下部表面適所に桁行方向に直列配置し、前記ポストテ
ンション補強板の他端部と前記引張補強板の一端部とを
添接板を介しボルトとナットを用いて連結し且つ被補強
桁に取り付け、その後、前記引張補強板の他端部に引張
荷重を加えることにより、前記ボルトを介して前記引張
補強板およびポストテンション補強板と前記添接板との
間に作用するせん断力を通じて、前記ポストテンション
補強板に前記引張荷重を伝達させ、所定の引張荷重に達
した後に、前記被補強桁の継手を連結し、前記ポストテ
ンション補強板の他端部を被補強桁に固着することによ
り、継手を含む被補強桁にポストテンションを導入する
ものであるから、継手を含む被補強桁に対してもポスト
テンション補強することができ、橋桁の剛性を増して疲
労強度を改善すると同時に、配管などの添加スペースを
犠牲するすることが無い。更に、引張荷重を調整するこ
とで所望の補強範囲に所望のポストテンション荷重で補
強することが可能である。
Claims (6)
- 【請求項1】 継手を含む被補強桁の下部表面上にポス
トテンション補強板を配置し、該ポストテンション補強
板の一端部を被補強桁に固着し、前記ポストテンション
補強板の他端部と近接するように引張補強板を被補強桁
の下部表面適所に桁行方向に直列配置し、前記ポストテ
ンション補強板の他端部と前記引張補強板の一端部とを
添接板を介しボルトとナットを用いて連結し且つ被補強
桁に取り付け、その後、前記引張補強板の他端部に引張
荷重を加えることにより、前記引張補強板およびポスト
テンション補強板と前記添接板との間に作用するせん断
応力を通じて、前記ポストテンション補強板に前記引張
荷重を伝達させ、所定の引張荷重に達した後に、前記被
補強桁の継手を連結し、前記ポストテンション補強板の
他端部を被補強桁に固着することにより、継手を含む被
補強桁にポストテンションを導入することを特徴とする
継手を含む橋梁の補強方法。 - 【請求項2】 前記継手を含む被補強桁の下部表面を桁
行直角方向において複数の補強領域に分割設定し、各補
強領域毎に被補強桁にポストテンションを導入してなる
請求項1記載の継手を含む橋梁の補強方法。 - 【請求項3】 前記被補強桁の継手に支圧用パッキング
を介在させてなる請求項1または2記載の継手を含む橋
梁の補強方法。 - 【請求項4】 上部フランジ、下部フランジおよびウェ
ブからなる桁材を被補強桁となし、前記下部フランジに
ポストテンションを導入してなる請求項1〜3の何れか
1項に記載の橋梁の継手補強方法。 - 【請求項5】 前記ポストテンション補強板に引張荷重
を伝達させる工程において、前記ポストテンション補強
板の他端部と前記引張補強板の一端部とを連結するのに
用いたボルト、ナットもしくは添接板に衝撃荷重を作用
させてなる請求項1〜4の何れか1項に記載の継手を含
む橋梁の補強方法。 - 【請求項6】 前記ポストテンション補強板に引張荷重
を伝達させる工程において、前記ポストテンション補強
板の他端部と前記引張補強板の一端部とを連結するのに
用いたボルトの締付トルクを緩めてなる請求項5記載の
継手を含む橋梁の補強方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24461099A JP2001064916A (ja) | 1999-08-31 | 1999-08-31 | 継手を含む橋梁の補強方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24461099A JP2001064916A (ja) | 1999-08-31 | 1999-08-31 | 継手を含む橋梁の補強方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001064916A true JP2001064916A (ja) | 2001-03-13 |
Family
ID=17121305
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24461099A Pending JP2001064916A (ja) | 1999-08-31 | 1999-08-31 | 継手を含む橋梁の補強方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001064916A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100395589B1 (ko) * | 2001-05-21 | 2003-08-21 | 명보산공 주식회사 | 교량의 강재 주형보 보강공법 및 그 구조 |
KR100403505B1 (ko) * | 2001-06-08 | 2003-10-30 | 명보산공 주식회사 | 교량의 보강공법 및 그 구조 |
KR100467046B1 (ko) * | 2002-05-27 | 2005-01-24 | 동양종합건업 주식회사 | 연결판에 의하여 연속화된 프리스트레스트 콘크리트 빔교량 및 그 단부의 연속화 공법 |
KR100501487B1 (ko) * | 2002-05-28 | 2005-07-18 | 이형훈 | 가로보 및 주형(프리플렉스 빔)을 이용한 연속교 시공방법 |
KR100588446B1 (ko) | 2004-11-23 | 2006-06-09 | 현대제철 주식회사 | 교량의 연속교화 구조 및 그 시공방법 |
CN103415441A (zh) * | 2011-01-17 | 2013-11-27 | 空中客车营运有限公司 | 具有改进的机械性能的鱼尾板连接装置 |
CN106223212A (zh) * | 2016-08-11 | 2016-12-14 | 宁波市交通规划设计研究院有限公司 | 一种遭受火烧损伤桥梁的加固方法 |
CN106836027A (zh) * | 2017-04-11 | 2017-06-13 | 北京市市政工程设计研究总院有限公司 | 一种钢箱梁拼接板更换装置 |
CN108252199A (zh) * | 2018-01-23 | 2018-07-06 | 武汉二航路桥特种工程有限责任公司 | 在役桥梁胶栓连接结构及其连接方法 |
-
1999
- 1999-08-31 JP JP24461099A patent/JP2001064916A/ja active Pending
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100395589B1 (ko) * | 2001-05-21 | 2003-08-21 | 명보산공 주식회사 | 교량의 강재 주형보 보강공법 및 그 구조 |
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KR100467046B1 (ko) * | 2002-05-27 | 2005-01-24 | 동양종합건업 주식회사 | 연결판에 의하여 연속화된 프리스트레스트 콘크리트 빔교량 및 그 단부의 연속화 공법 |
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CN103415441A (zh) * | 2011-01-17 | 2013-11-27 | 空中客车营运有限公司 | 具有改进的机械性能的鱼尾板连接装置 |
CN103415441B (zh) * | 2011-01-17 | 2016-10-12 | 空中客车营运有限公司 | 具有改进的机械性能的鱼尾板连接装置 |
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CN106836027A (zh) * | 2017-04-11 | 2017-06-13 | 北京市市政工程设计研究总院有限公司 | 一种钢箱梁拼接板更换装置 |
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CN108252199A (zh) * | 2018-01-23 | 2018-07-06 | 武汉二航路桥特种工程有限责任公司 | 在役桥梁胶栓连接结构及其连接方法 |
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