JP2001064831A - 紡績機のクリーニング装置 - Google Patents

紡績機のクリーニング装置

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JP2001064831A
JP2001064831A JP23722999A JP23722999A JP2001064831A JP 2001064831 A JP2001064831 A JP 2001064831A JP 23722999 A JP23722999 A JP 23722999A JP 23722999 A JP23722999 A JP 23722999A JP 2001064831 A JP2001064831 A JP 2001064831A
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spindle
spinning
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yarn
spinning nozzle
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Osamu Hirao
修 平尾
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Murata Machinery Ltd
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Murata Machinery Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スピンドル部入口に詰まったファイバの手作
業による除去作業をなくす。 【解決手段】 本発明に係る紡績機1のクリーニング装
置は、紡績ノズル部3に対して近接・離反可能なスピン
ドル部4と、このスピンドル部4に設けられた糸通路2
7及び糸通路27内に圧空を噴射するノズル32と、一
定位置に固定して設けられ、上記スピンドル部4が上記
紡績ノズル部3から離反されたとき、上記糸通路27の
出口27aを押圧状態で塞ぐ閉塞部材53とを備えたも
のである。圧空による逆洗クリーニングが可能となり、
人手を介さない自動クリーニングを達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紡績機のスピンド
ル部の糸通路入口に詰まったファイバを除去するための
クリーニング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に紡績機は、ケンスから送られてく
るスライバをドラフト部で延伸して繊維束とし、これを
紡績ノズル部での旋回空気流及びスピンドル部で実撚り
し、紡績糸を生成するようになっている。
【0003】かかる紡績において、スライバ中にスラブ
塊が含まれたときや、ドラフト部においてイレギュラー
なスライバムラが生じたとき、或いはノズルの撚りムラ
等を原因として、スピンドル入口にこれを通過しない半
糸状のファイバが詰まるケースがある。このとき、糸切
れを起こし、次回糸継ぎする必要があることから、詰ま
ったファイバを除去する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、この除去作業は
紡績ノズル部からスピンドル部を離反分離して手作業で
行っていた。しかし、手作業だと繁雑であるばかりでな
く、次回の糸継ぎにもスムーズに移行できない欠点があ
る。
【0005】そこで、本発明は、スピンドル部入口に詰
まったファイバを手作業によることなく確実に除去する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る紡績機のク
リーニング装置は、紡績ノズル部とスピンドル部とを備
え、紡績ノズル部による旋回流をスピンドル部の先端に
作用させて紡績を行う紡績機のクリーニング装置であっ
て、スピンドル部に設けられた糸通路内に圧空を噴射す
るクリーニングノズルと、上記糸通路の出口を押圧状態
で塞ぐ閉塞部材とを備えたものである。
【0007】ここで、上記スピンドル部が上記紡績ノズ
ル部に対して近接・離反可能であると共に、上記閉塞部
材は一定位置に固定して設けられ、上記スピンドル部が
上記紡績ノズル部から離反されたとき、上記閉塞部材が
上記出口を押圧状態で塞ぐようにするのが好ましい。
【0008】また、上記スピンドル部が旋回部材に取り
付けられ、その旋回軸回りに上記スピンドル部が円弧運
動することにより、上記スピンドル部が上記紡績ノズル
部に対し近接・離反するのが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳述する。
【0010】図3は本発明に係る紡績機の全体を概略的
に示している。図示するように紡績機1は、紡績方向上
流側から順にドラフト部2、紡績ノズル部3及びスピン
ドル部4を備えて主に構成される。スピンドル部4の下
流側には糸送り部5、サクション部6、糸欠陥検出部7
及び糸巻取部8が順次備えられる。
【0011】ドラフト部2は、ケンス9から送られてく
るスライバ10を延伸して細い繊維束11にするための
ものであり、バックローラ12、サードローラ13、エ
プロンベルト14を装架したミドルローラ15及びフロ
ントローラ16の4つのローラから構成されている。
【0012】紡績ノズル部3及びスピンドル部4は後述
する構成により、繊維束11に実撚りを与えて紡績糸1
7を生成する部分である。糸送り部5は、デリベリロー
ラ18及びこれに近接自在なニップローラ19とで紡績
糸17を挟んで下流側に送る。この送られた紡績糸17
が糸巻取部8でパッケージ20に巻き取られる。
【0013】図2に紡績ノズル部3とスピンドル部4と
の構成を詳細に示す。両部の間には狭い隙間、即ち紡績
室21と旋回流排出路22とが区画形成されており、特
に紡績室21内でフロントローラ16から送られてくる
繊維束(図示せず)に旋回流を与え、繊維束を実撚りす
るようになっている。
【0014】紡績ノズル部3はノズルハウジング23と
これに固定支持されたニードルホルダ24とを備える。
ニードルホルダ24には、フロントローラ16から送ら
れてくる繊維束(図示せず)を導入する案内孔25と、
案内孔25から排出された繊維束を中空スピンドル26
の中心孔27に案内するためのニードル28とが設けら
れる。ノズルハウジング23には、紡績室21内にスピ
ンドル軸回りの圧空による旋回流を生じさせるための複
数の旋回ノズル29(第一ノズル)が設けられる。それ
故この旋回流が、繊維束をニードル28に巻き付けなが
ら実撚りし、中空スピンドル26の中心孔27へと順次
送ることになる。旋回流はテーパ状の旋回流排出路22
を通じて排出される。旋回流排出路22は中空スピンド
ル26のテーパ状先端部30とノズルハウジング23の
テーパ穴31との間に区画形成される。
【0015】スピンドル部4は、前記中空スピンドル2
6と、この中空スピンドル26を固定支持するスピンド
ル保持部材27とを備える。中空スピンドル26には中
心孔27が設けられ、この中心孔27が糸通路をなして
実撚り後の紡績糸(図示せず)を挿通状態で順次下流側
(図の左側)に送るようになっている。中心孔27は下
流方向に至るにつれ順次拡径されている。
【0016】ここでは中空スピンドル26の中心孔27
内においても圧空による旋回流を発生させる。即ち、中
空スピンドル26内部に、中心孔27の接線方向に開口
する複数の旋回ノズル孔32(第二ノズル)が設けられ
る。旋回ノズル孔32は中空スピンドル26内部の圧空
通路34を介して圧空入口33に連通される。圧空入口
33には図示しない圧空源から圧空が供給される。これ
によりこの供給された圧空が旋回ノズル孔32から中心
孔27内へと噴出されることになる。このように旋回ノ
ズル孔32は本発明のクリーニングノズルをなす。
【0017】旋回ノズル孔32から圧空が噴出される
と、下流側の方が径が大きくなっているので、中心孔2
7内を旋回しながら下流側に向かう旋回流が生じ、当該
旋回流領域が上流側より負圧となるため、紡績糸が引き
込まれながら下流側へと送られる。この旋回流は先の旋
回ノズル29による旋回流と逆回りである。このため、
互いに逆方向の旋回ノズルにより紡績糸を製造する公知
の紡績技術により、緩い仮撚り状態の繊維束が結束繊維
状に紡績されながら、中空スピンドル26の中心孔出口
27aから排出されることとなる。このとき同時に中心
孔27内の旋回流も中心孔出口27aから排出される。
これにより、パッケージ20側の糸を中空スピンドル2
6内に通すことなく、糸継ぎ時における糸出しを行うこ
とができる。
【0018】ここで、ノズルハウジング23とスピンド
ル保持部材27とは挿抜可能に嵌合接続され、互いに合
体・分離できるようになっている。即ち、スピンドル保
持部材27に嵌合凸部35とフランジ面36とが設けら
れ、ノズルハウジング23にもそれらに対応した嵌合穴
37とフランジ面38とが設けられる。図示するように
合体時は嵌合凸部35が嵌合穴37に嵌合し、フランジ
面36,38同士が密着する。逆に分離時は嵌合凸部3
5が嵌合穴37から抜き出される。
【0019】合体時、紡績ノズル部3とスピンドル部4
との間に狭い隙間である紡績室21及び旋回流排出路2
2ができる。特にこれらの形状が旋回流及び紡績に多大
な影響を及ぼすため、合体時の紡績ノズル部3とスピン
ドル部4との相対位置関係は常に正確且つ一定でなけれ
ばならない。また嵌合部に隙間ができるとエア漏れが生
じ紡績に悪影響を及ぼす。さらに紡績室21の各部材の
相対位置が変化すると糸道がズレ、不良糸ができてしま
う。こういった意味で、紡績ノズル部3とスピンドル部
4との合体(嵌合接続)は常に正確に、安定して行われ
なければならない。なお、正確な合体が行われると中空
スピンドル26とテーパ穴31とが芯ズレのない同軸状
態となる。
【0020】合体時、紡績ノズル部3とスピンドル部4
との間には、比較的広い隙間である吸引通路39もでき
る。これは後述の吸引部材を介して負圧を導入し、紡績
時に旋回流排出路22から排出された空気流及びファイ
バを吸引排出する。
【0021】ところで既述したように、紡績中、紡績室
21特に中空スピンドル26の中心孔入口27bにファ
イバが詰まり、スピンドルチョークを起こすことがあ
る。このままだと紡績不能となり次回の糸継ぎにも支障
をきたす。よってこれを除去しクリーニングするため、
ノズルハウジング23とスピンドル保持部材27、即ち
紡績ノズル部3とスピンドル部4が合体・分離できるよ
うになっている。この合体・分離は以下のようにして両
部を近接・離反させることで行う。
【0022】図1に示すように、スピンドル部4の下部
に鉛直方向に延びる第一旋回アーム40が取り付けら
れ、第一旋回アーム40の下端部が旋回軸41に図示し
ない軸受を介して回転自在に支持される。この第一旋回
アーム40は本発明の旋回部材をなす。一方、紡績ノズ
ル部3の下部にも鉛直方向に延びる第二旋回アーム42
が取り付けられ、第二旋回アーム42の下端部が上記旋
回軸41に図示しない軸受を介して回転自在に支持され
る。これらアーム40,42は独立に旋回動作可能で、
互いに開閉することができる。両アーム40,42の軸
受としては耐塵性の高いシールド玉軸受が用いられる。
【0023】両アーム40,42には、これらを互いに
接近方向(閉方向)に付勢する付勢手段としてのスプリ
ング43が掛け渡されている。スプリング43の一端は
第二旋回アーム42の途中に係止され、スプリング43
の他端は第一旋回アーム40から水平方向後方に延出す
るレバー部44の先端に係止される。
【0024】このレバー部44の先端には起立状態で配
置された駆動手段としてのエアシリンダ45の伸縮ロッ
ド46が接続される。エアシリンダ45は複動式で、そ
の下端部が支持軸47に回転自在に支持されており、傾
動可能である。またエアシリンダ45は速度制御機構に
より比較的低速で伸縮動作するようになっている。
【0025】上記旋回軸41と支持軸47とは紡績機の
固定フレーム48に連結され、位置が固定される。また
固定フレーム48にストッパ手段としてのストッパ部材
49がボルト50により位置調節可能に取り付けられて
いる。
【0026】紡績ノズル部3に、先の吸引通路39と連
通する吸引部材51が設けられる。吸引部材51は管状
で図示しない負圧源から負圧を常時供給される。また、
紡績ノズル部3の前面部(図の右側)にも管状のダスト
コレクタ52が設けられ、紡績ノズル部3の前面部付近
で落下、飛散する風綿を吸引除去できるようになってい
る。吸引部材51、ダストコレクタ52はともに可撓性
を有しており、紡績ノズル部3の移動に追従できるよう
になっている。このように、吸引部材51、ダストコレ
クタ52の吸引口と紡績ノズル部3との相対位置関係を
一定にしたので、常に確実な風綿回収が行える。
【0027】特に、本紡績機1においては、スピンドル
部4が仮想線の如く紡績ノズル部3から離反されたと
き、中心孔出口27aを押圧状態で塞ぐ閉塞部材53が
設けられている。閉塞部材53は支持アーム部材54の
先端部に取り付けられており、この支持アーム部材54
の基端部は固定フレーム48に固定される。これによっ
て閉塞部材53は一定位置に固定される。特にこの位置
は紡績時の糸道から外れており、紡績時の糸の走行に邪
魔にならない位置である。閉塞部材53は比較的厚い弾
性体による板、ここではゴム板からなり、比較的柔らか
い硬度(例えば30°以下)を有している。そして閉塞部
材53は比較的大きくフラットな接触面56を有し、中
心孔出口27a周囲の端面55のほぼ全面に完全に密着
できるようになっている。
【0028】かかる構成によれば、実線で示すようにエ
アシリンダ45の伸張時にスピンドル部4と紡績ノズル
部3とが合体される。
【0029】一方、この状態からエアシリンダ45が収
縮されると、第一旋回アーム40が図の反時計回りに旋
回駆動され、これに伴って上端のスピンドル部4が旋回
軸41回りに円弧運動しつつ後方(図の左側)に移動す
る。そして第二旋回アーム42がスプリング43により
第一旋回アーム40側に引っ張られているので、第一旋
回アーム40の旋回動作に追従して第二旋回アーム42
が反時計回りに旋回し、紡績ノズル部3も旋回軸41回
りに円弧運動しつつ後方に移動する。エアシリンダ45
の収縮が比較的低速なので、両アーム40,42の旋回
動作は比較的低速で行われる。
【0030】やがて第二旋回アーム42がストッパ部材
49に当たると第二旋回アーム42の旋回及び紡績ノズ
ル部3の移動が停止する。しかし、それでもなおエアシ
リンダ45の収縮動作は継続される。このため第一旋回
アーム40がさらに旋回され、同時にスピンドル部4も
後方に移動される。この時点でスピンドル部4が紡績ノ
ズル部3から離反分離され、開状態となる。
【0031】こうして仮想線で示すようにエアシリンダ
45が最大量収縮されると、第一旋回アーム40の旋回
動作及びスピンドル部4の後方移動が停止し、これらが
最大開放位置に保持される。第二旋回アーム42がスト
ッパ部材49に当たった後はスプリング43がシリンダ
力により引き伸ばされ、このスプリング43の引張力に
より第二旋回アーム42がストッパ部材49に押し付け
られ、第一旋回アーム40が第二旋回アーム42側に付
勢される。これによって紡績ノズル部3及びスピンドル
部4のガタつきが防止される。
【0032】そしてこのスピンドル部4の最大開放時
に、後方に待機していた閉塞部材53がスピンドル部4
の端面55にちょうど押し付けられる。これによって閉
塞部材53が端面55に密着して中心孔出口27aを押
圧状態で閉塞する。閉塞部材53が比較的柔らかいゴム
製なので高い密閉性が得られ、またその弾性によりスピ
ンドル部4の停止時の衝撃が抑えられる。閉塞部材53
の密着度合いは支持アーム部材54の取付位置を調節す
ることで容易に変更できる。
【0033】この状態からスピンドル部4を合体させる
には前記と逆の動作を行えばよい。即ち、エアシリンダ
45を伸張させ、第一旋回アーム40と第二旋回アーム
42とを図の時計回りに旋回させ、スピンドル部4を紡
績ノズル部3に接近、合体させるようにする。
【0034】次に、クリーニング方法としては、スピン
ドル部4が最大開放され閉塞部材53が中心孔出口27
aを塞いでいるときに、旋回ノズル孔32から圧空を噴
出させることで行う。こうなると圧空が中心孔入口27
b側に逆流し、その入口27bに詰まっているファイバ
を吹き飛ばして除去する。こうして逆洗クリーニングが
達成され、人手によらない自動的なクリーニングが可能
となる。
【0035】このクリーニングに際しての紡績機1の作
動状況を詳しく説明する。図4はバックローラ12(B/
R) 、旋回ノズル29、旋回ノズル孔32、スピンドル
部4及びノズルシャワーの各作動状況を示す。ノズルシ
ャワーとは図示しないが、紡績ノズル部3の案内孔25
入口に前方から圧空を噴出させ、その案内孔25入口に
ある大きなファイバを小さくするためのものである。
【0036】ここでは時刻T1 で糸欠陥検出部7により
自然糸切れが検出され、時刻T2 でバックローラ12が
停止され、紡績が停止されるとする。なお以下に示すク
リーニング動作は、糸欠陥検出部7により自然糸切れを
検出した場合に行い、糸欠陥検出部7により糸欠陥を検
出してカッターで糸切断を行った場合は行わない。自然
糸切れ時には、チョークが発生した可能性が高く、それ
を確実に除去する必要があるからである。積極的に糸を
切断した場合には、無駄なクリーニング動作を行わず、
機台効率の低下を防止できる。紡績停止前つまり紡績中
は、バックローラ12が運転され(ON)、旋回ノズル2
9から圧空を噴出している(ON)。このとき当然にスピ
ンドル部4は合体(閉)状態にあり、旋回ノズル孔32
及びノズルシャワーはOFF である。
【0037】このように旋回ノズル孔32は紡績中はOF
F であり、前述した糸継ぎ時の糸出しと、後述するクリ
ーニングとに際してONされる。
【0038】時刻T2 でバックローラ12が停止されて
も、暫くの間は旋回ノズル29が圧空を噴出し続け、ス
ピンドル部4も閉状態を維持する。スピンドル部4が開
放されるのはΔT1 の経過後(例えば1秒後)である。
これはドラフト部2に残っている繊維束を全て糸状にし
て中心孔出口27aから排出するためである。
【0039】一方、バックローラ停止と同時にノズルシ
ャワーがONされ、圧空を噴出し、案内孔25入口のファ
イバの一部を前方から吹き飛ばす。このときスピンドル
部4が閉であり、案内孔25と中心孔入口27bとには
ファイバが詰まっている。特に中心孔入口27bが詰ま
っているので、旋回ノズル29から噴出された圧空は案
内孔25へと逆流する。これによって案内孔25に詰ま
ったファイバが逆洗除去される。旋回ノズル孔32から
噴出された圧空は中心孔出口27aから抜け出てしまう
ので、この段階ではまだ中心孔入口27bの逆洗は行え
ない。
【0040】こうしてΔT1 が経過すると、エアシリン
ダ45が収縮動作されスピンドル部4が開放されると共
に、旋回ノズル孔32がONされる。このように、バック
ローラ12が停止したときにドラフト部2内に残ってい
る繊維束を完全に排出した後に旋回ノズル孔32をONす
ることで、スピンドルチョークを発生することなく、残
っている繊維束を確実に糸にして排出することができ
る。そしてスピンドル部4の開放の完了と同時に中心孔
出口27aが閉塞部材53で閉塞される。このとき旋回
ノズル孔32のONが持続されているので、これからの圧
空が中心孔27を逆流し、これにより中心孔入口27b
に詰まったファイバが逆洗除去される。旋回ノズル29
のONも持続されるが、この圧空はスピンドル部4が開放
されているのでそのまま大気開放となる。ノズルシャワ
ーはONされ続けて前方からのクリーニングを続行する。
【0041】この後暫くすると、まずノズルシャワーが
OFF され、次いで旋回ノズル29及び旋回ノズル孔32
がOFF され、クリーニングが終了する。バックローラ停
止の時刻T2 から旋回ノズル29及び旋回ノズル孔32
がOFF されるまでの時間ΔT2 は3秒程度である。
【0042】このように、本紡績機1では人手を介さず
自動でクリーニングを行える。よってクリーニングが大
変容易になると共に、次回の糸継ぎにもスムーズに移行
できシステムの自動化が促進される。しかもこのような
効果を、閉塞部材53を固定的に設けるだけのシンプ
ル、低コストな構成で達成できる。逆洗エアには紡績用
の旋回ノズル孔32の圧空を利用するので、新たな圧空
噴射ノズルを設ける必要がなく、この点も構造上、コス
ト上有利である。
【0043】本紡績機1では、スピンドル部4を旋回軸
41回りに円弧運動させて紡績ノズル部3に対し近接・
離反させている。これは従来の直線移動方式に比べ有利
である。
【0044】即ち、従来(特開平8-218233号公報)は図
5に示すように、シリンダaの伸縮によりスピンドル部
bが直線状ガイドロッドcに沿って直線移動し、紡績ノ
ズル部dに対し近接・離反するようになっていた。しか
し、この直線移動方式だとガイドロッドcの摺動部に比
較的大きなガタがあるため、接近或いは合体時に芯ズレ
を起こし易い欠点がある。
【0045】これにおいてはスピンドル部又は紡績ノズ
ル部の一方にガイドロッドが固定され、他方にガイドロ
ッドの摺動穴が設けられ、ガイドロッドが摺動穴内を軸
方向に移動することでスピンドル部の直線移動を生じさ
せる。構造上、ガイドロッドにはファイバが付着しやす
く、その付着状態でも摺動を許容するため、ガイドロッ
ドと摺動穴との間には比較的大きな隙間(ガタ)を設け
るようにしている。
【0046】このガタの存在ゆえ、互いの芯が合いにく
く、嵌合不十分となったり、斜めに嵌合(いわゆる噛み
込んだ状態)されたりすることがある。こうなると嵌合
部でエア漏れが生じ、所望の旋回流が得られなくなって
不良糸ができたりする。また嵌合が正確に行われない結
果、紡績のための隙間形状や糸道等が変化し、所望の旋
回流が得られなかったり、繊維の引っ掛かりが生じたり
して、弱糸や不良糸が生成されてしまう。本紡績機1は
このような従来の欠点を解消すべく旋回方式を採用し
た。
【0047】即ち、旋回方式だと、本実施形態のように
軸受部に耐塵性の高いシールド軸受を採用でき、ガタを
皆無とすることができる。また軸受の場合、たとえファ
イバが噛み込んだとしても回転性がそれ程低下しない。
従ってスピンドル部4を常に同じ軌跡で移動させること
ができ、合体時にも紡績ノズル部3に対し常に正確に近
接させ、芯ズレなく合体(嵌合)させることができる。
そして合体後の相対位置が常に一定となることから、所
望の紡績性能を常に確保でき、不良糸の生成も未然に防
止される。またスピンドル部4の正確な開閉動作が行え
るので、スピンドル部4と閉塞部材53とを確実に密着
させることができる。
【0048】また、本紡績機1では紡績ノズル部3も円
弧運動によりドラフト部2のフロントローラ16(特に
そのニップ点)から離反できるようになっている。そし
てその離反ストロークは、第二旋回アーム42の旋回を
利用した結果、従来装置より大きくなっている。よって
紡績ノズル部3入口のファイバを除去する際、直接手を
入れて作業することも可能となり、除去作業が容易且つ
確実となる。かかる離反ストロークはストッパ部材49
の位置を変えることにより容易に調節でき、その調節量
も比較的大きい。
【0049】本紡績機1ではスピンドル部4と紡績ノズ
ル部3とを円弧運動させるのに比較的長い第一及び第二
旋回アーム40,42を用いている。こうすると円弧運
動の軌跡が直線に近くなり、両部の直線的な嵌合が安定
して行えるようになる。逆にいえばこのような直線的嵌
合が可能となるように第一旋回アーム40と第二旋回ア
ーム42との長さが設定されている。
【0050】ここで、スピンドル部4の運動軌跡は直線
に近いとはいえあくまでも円弧である。よって最大開放
したときは必ず閉止時よりも高さが変化する。よってこ
れを利用して閉塞部材53を最適位置に固定できる。即
ち、本紡績機1では、閉塞部材53の高さ位置を、完全
閉止時のスピンドル部4の中心孔出口27aの高さ位置
より若干低くし、紡績中は糸道を避けられるようにする
一方で、クリーニング時にスピンドル部4が最大開放し
て中心孔出口27aが後方且つ下方に移動したときに
は、閉塞部材53で中心孔出口27aをちょうど塞げる
ようになっている。閉塞部材53の接触面56は、最大
開放時のスピンドル部4の端面55の傾角θに合わせて
傾斜されている。
【0051】なお、スピンドル部を従来同様の直線移動
方式とした場合は、紡績中の糸道の邪魔になるので閉塞
部材を糸道から逃がすための退避機構を設けるようにす
る。
【0052】本紡績機1では、共通の旋回軸41回りに
第一旋回アーム40と第二旋回アーム42とを旋回さ
せ、スピンドル部4と紡績ノズル部3とを円弧運動させ
ている。こうすると両部の相対位置関係が変化せず、各
部毎の旋回軸を別々の位置に設ける場合に比べ正確な合
体分離動作が可能となる。このように、第一旋回アーム
40の旋回軸と第二旋回アーム42の旋回軸とは同軸に
位置させるのがよい。
【0053】以上、本発明の実施の形態は他にも様々な
ものが考えられる。
【0054】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果が発揮される。
【0055】(1)スピンドル部入口に詰まったファイ
バの自動クリーニングが可能となる。
【0056】(2)クリーニングが容易となり、次回の
糸継ぎ操作にもスムーズに移行できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】紡績機の要部を示す縦断側面図である。
【図2】スピンドル部と紡績ノズル部との内部構造を示
す縦断側面図である。
【図3】紡績機の全体斜視図である。
【図4】クリーニングに際しての紡績機の作動状況を示
すタイムチャートである。
【図5】従来例を示す図である。
【符号の説明】
1 紡績機 3 紡績ノズル部 4 スピンドル部 27 中心孔(糸通路) 27a 出口 32 旋回ノズル孔(クリーニングノズル) 53 閉塞部材 40 第一旋回アーム(旋回部材) 41 旋回軸

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紡績ノズル部とスピンドル部とを備え、
    紡績ノズル部による旋回流をスピンドル部の先端に作用
    させて紡績を行う紡績機のクリーニング装置であって、
    スピンドル部に設けられた糸通路内に圧空を噴射するク
    リーニングノズルと、上記糸通路の出口を押圧状態で塞
    ぐ閉塞部材とを備えたことを特徴とする紡績機のクリー
    ニング装置。
  2. 【請求項2】 上記スピンドル部が上記紡績ノズル部に
    対して近接・離反可能であると共に、上記閉塞部材は一
    定位置に固定して設けられ、上記スピンドル部が上記紡
    績ノズル部から離反されたとき、上記閉塞部材が上記出
    口を押圧状態で塞ぐようにした請求項1記載の紡績機の
    クリーニング装置。
  3. 【請求項3】 上記スピンドル部が旋回部材に取り付け
    られ、その旋回軸回りに上記スピンドル部が円弧運動す
    ることにより、上記スピンドル部が上記紡績ノズル部に
    対し近接・離反する請求項2記載の紡績機のクリーニン
    グ装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2876192A1 (en) 2013-11-25 2015-05-27 Murata Machinery, Ltd. Air-jet spinning device and spinning machine
WO2016006240A1 (ja) * 2014-07-10 2016-01-14 村田機械株式会社 空気紡績装置及び紡績機
CN114481383A (zh) * 2022-02-25 2022-05-13 江阴市查克拉科技有限公司 一种具有空气净化功能的粗纱机

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WO2016006240A1 (ja) * 2014-07-10 2016-01-14 村田機械株式会社 空気紡績装置及び紡績機
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