JP2001064589A - 中塗り塗膜および被塗物 - Google Patents

中塗り塗膜および被塗物

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JP2001064589A
JP2001064589A JP24154599A JP24154599A JP2001064589A JP 2001064589 A JP2001064589 A JP 2001064589A JP 24154599 A JP24154599 A JP 24154599A JP 24154599 A JP24154599 A JP 24154599A JP 2001064589 A JP2001064589 A JP 2001064589A
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intermediate coating
resin
group
resins
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Norio Kosaka
典生 小坂
Masazumi Miokawa
正澄 澪川
Shigeru Komazaki
茂 駒崎
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 上塗り塗装適性、サンディング適性などの
諸性能を保持しつつ、チッピングないしはピーリングな
どの性能にも優れる中塗り塗膜と、この中塗り塗膜を有
する被塗物とを提供すること 【解決手段】 −50〜−20℃における測定周波数1
1Hzでの複素弾性率の実数部(貯蔵弾性率)に対する
虚数部(損失弾性率)の比(tanδ)が0.015〜
0.05で、測定周波数11Hzでの複素弾性率測定に
おける主分散が30〜150℃である中塗り塗膜、およ
び、この中塗り塗膜を有する被塗物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規にして有用な
る中塗り塗膜と、この中塗り塗膜を有する被塗物とに関
するものである。特に、自動車走行中に起こる砂利、岩
塩等の衝突による塗膜のワレ、ハガレによる腐食、即ち
耐チッピング性、耐ピーリング性に優れた自動車用中塗
り塗膜として、極めて実用性の高い中塗り塗膜と、この
中塗り塗膜を有する被塗物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】未舗装道路での砂、小石や降雪地におい
て道路へ散布される岩塩、砂利等が自動車走行中に塗膜
へ衝突し、塗膜損傷、錆発生の原因となる事が自動車用
塗料の分野で大きな問題となっている。このような問題
を解決する為に、伸び率大、破壊エネルギー大なる塗膜
を作成する方法が提案されている。しかし、この方法で
は、塗膜硬度が低い塗膜となり、サンディング適性をは
じめとする諸性能に劣るのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、上述した
従来技術に従う限りは、サンディング適性などを保持し
つつ、チッピングないしはピーリングと称される塗膜の
剥離を見事に解決できるというような中塗り塗膜を得る
ことは頗る困難であるというのが現状である。
【0004】そこで、本発明者らは上塗り塗装適性なら
びにサンディング適性などを保持しつつ、チッピングな
いしはピーリングなどのいわゆる塗膜剥離という課題に
対しても、極めて有用なる中塗り塗膜を求めて鋭意研究
に着手した。
【0005】したがって、本発明が解決使用とする課題
は、上塗り塗装適性ならびにサンディング適性などの諸
性能を保持しつつ、チッピングないしはピーリングなど
の性能にも優れるという斬新なる中塗り塗膜と、この中
塗り塗膜を有する被塗物とを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述したよ
うな課題に照準を合わせて、中塗り塗膜の動的粘弾性と
チッピングないしはピーリングとの相関について研究し
た。その結果、中塗り塗膜のチッピングないしはピーリ
ングは、低温領域での複素弾性率から導出される緩和ス
ペクトルに依存し、−50〜−20℃における測定周波
数11Hzでの複素弾性率の実数部(貯蔵弾性率)に対
する虚数部(損失弾性率)の比(tanδ)が0.01
5〜0.05の範囲にあり、測定周波数11Hzでの複
素弾性率測定における主分散が30〜150℃の範囲に
ある中塗り塗膜が、上塗り塗装適性ならびにサンディン
グ適性などの諸性能を保持しつつ、チッピングないしは
ピーリングなどの性能にも優れること、このような中塗
り塗膜としては、主剤樹脂(A)と硬化剤(B)とを含
有する塗膜、なかでも、主剤樹脂(A)としてポリエス
テル樹脂および/または水酸基含有樹脂を用いた塗膜が
好ましいこと、ポリエステル樹脂としては、その多塩基
酸成分中に脂環式多塩基酸を30モル%以上含有するポ
リエステル樹脂が好ましいこと、更に、主剤樹脂(A)
として水酸基含有樹脂を用いた場合、硬化剤(B)とし
てはアミノ樹脂、ブロックイソシアネート樹脂、ポリイ
ソシアネート樹脂が好ましく、この場合の主剤樹脂
(A)と硬化剤(B)の固形分重量比(A/B)は50
/50〜90/10が好ましいこと、これらの中塗り塗
膜を有する被塗物は、チッピングないしはピーリングな
どの性能に優れること等を見い出し、本発明に到った。
【0007】すなわち、本発明は、 1. −50〜−20℃における測定周波数11Hzで
の複素弾性率の実数部(貯蔵弾性率)に対する虚数部
(損失弾性率)の比(tanδ)が0.015〜0.0
5の範囲にあり、測定周波数11Hzでの複素弾性率測
定における主分散が30〜150℃の範囲にあることを
特徴とする、中塗り塗膜、
【0008】2. 必須成分として主剤樹脂(A)と硬
化剤(B)とを含有してなる塗膜である、上記1記載の
中塗り塗膜、
【0009】3. 主剤樹脂(A)が、ポリエステル樹
脂である、上記2記載の中塗り塗膜、
【0010】4. 主剤樹脂(A)が、その多塩基酸成
分中に脂環式多塩基酸を30モル%以上含有するポリエ
ステル樹脂である、上記2記載の中塗り塗膜、
【0011】5. 主剤樹脂(A)が水酸基含有樹脂で
あり、かつ、硬化剤(B)がアミノ樹脂、ブロックイソ
シアネート樹脂およびポリイソシアネート樹脂からなる
群から選ばれる1種以上の樹脂である、上記2、3また
は4記載の中塗り塗膜、
【0012】6. 主剤樹脂(A)と硬化剤(B)の固
形分重量比(A/B)が50/50〜90/10であ
る、上記2、3、4または5記載の中塗り塗膜、およ
び、
【0013】7. 上記1〜6のいずれか1つに記載の
中塗り塗膜を有することを特徴とする被塗物、を提供し
ようとするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の具体的構成及びそ
の作用効果について説明する。本発明の中塗り塗膜は、
中塗り塗膜単膜に対する測定周波数11Hzでの動的粘
弾性測定において、−50〜−20℃での複素弾性率の
実数部(貯蔵弾性率)に対する虚数部(損失弾性率)の
比(tanδ)が0.015〜0.05の範囲にあり、
主分散が30℃〜150℃の範囲にあることが必須であ
り、通常の場合、顔料とバインダ成分とを含有してな
る。
【0015】−50〜−20℃におけるtanδが、
0.015未満の場合は非常に脆い塗膜となりチッピン
グないしはピーリングといった性能に劣ることとなり、
0.05を越える場合には非常に柔らかくサンディング
適性に劣る塗膜となる。
【0016】さらに、通常動的粘弾性から算出される塗
膜のガラス転移温度と呼ばれる、上記主分散ピークが、
30℃未満であると塗膜が非常に柔らかくサンディング
適性に劣る塗膜となり、150℃を越える場合には非常
に脆く諸性能に劣る塗膜となる。
【0017】中塗り塗膜のバインダ成分としては、特に
制限はないが、通常は、必須成分として主剤樹脂(A)
とその硬化剤(B)とを含有してなるものが挙げられ
る。こので用いる主剤樹脂(A)としては、硬化剤
(B)と反応する官能基を有する樹脂であれば良く、例
えば、それぞれ硬化剤(B)と反応する官能基を有す
る、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等
が挙げられ、なかでもポリエステル樹脂が好ましい。
【0018】上記主剤樹脂(A)中の官能基としては、
硬化剤(B)が有する官能基と反応するものであれば良
く、例えば、エポキシ基、炭素原子に結合した水酸基、
カルボキシル基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、
シクロカーボネート基、ヒドロキシメチルアミノ基、ア
ルコキシメチルアミノ基、イソシアネート基、ブロック
イソシアネート基、ブロック水酸基、ブロックカルボキ
シル基、ブロックアミノ基、オキサゾリン基、オキサゾ
リジン基、カルボン酸無水物基、アセトアセトキシ基等
が挙げられる。
【0019】主剤樹脂(A)中に官能基を導入する方法
は、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂では、
導入しようとする官能基を有するアクリルモノマーを原
料モノマーとして用いてアクリル樹脂を合成する方法
や、アクリル樹脂に導入しようとする官能基を有する化
合物を付加させる方法等があり、また、ポリエステル樹
脂では、多塩基酸成分もしくは多価アルコール成分のい
ずれかを過剰に用いて酸基もしくは水酸基を有するポリ
エステル樹脂とする方法や、ポリエステル樹脂に導入し
ようとする官能基を有する化合物を付加させる方法等が
ある。
【0020】これら主剤樹脂(A)中の官能基と、硬化
剤(B)が有する官能基の組み合わせとしては、例え
ば、エポキシ基と水酸基、エポキシ基とカルボキシル
基、エポキシ基とブロックカルボキシル基、エポキシ基
とアミノ基、エポキシ基とブロックアミノ基、シクロカ
ーボネート基とカルボキシル基、水酸基とアルコキシカ
ルボニル基、水酸基とイソシアネート基、ブロック水酸
基とイソシアネート基、水酸基とブロックイソシアネー
ト基、水酸基とヒドロキシメチルアミノ基、水酸基とア
ルコキシメチルアミノ基、水酸基とカルボン酸無水基、
アセトアセトキシ基とイソシアネート基、アセトアセト
キシ基とブロックイソシアネート基、オキサゾリン基と
カルボキシル基、ブロック水酸基とカルボン酸無水物
基、オキサゾリジン基とイソシアネート基、オキサゾリ
ジン基とカルボン酸無水基等、各種組み合わせが挙げら
れるが、硬化性の点より、水酸基とイソシアネート基、
水酸基とブロックイソシアネート基、水酸基とアルコキ
シメチルアミノ基または水酸基とヒドロキシメチルアミ
ノ基の組み合わせが好ましい。
【0021】上記主剤樹脂(A)としては、なかでも、
水酸基含有ポリエステル樹脂、水酸基含有アクリル樹脂
等の水酸基含有樹脂が好適であり、水酸基含有ポリエス
テル樹脂が特に好ましい。
【0022】一方、主剤樹脂(A)として水酸基含有樹
脂を用いた場合、硬化剤(B)としては、アミノ樹脂、
ブロックイソシアネート樹脂、ポリイソシアネート樹脂
等が好適な代表例として挙げられる。
【0023】この場合、主剤樹脂(A)と硬化剤(B)
の固形分重量比(A/B)としては、付着性等の諸性能
や硬化性に優れる中塗り塗膜が得られることから、50
/50〜90/10の範囲内が好適である。
【0024】上記したポリエステル樹脂には、樹脂粘度
が適当で塗装外観に優れる塗膜が得られることから、多
塩基酸成分中に脂環式多塩基酸を30モル%以上含有す
ることが好ましい。
【0025】ポリエステル樹脂の調製に用いられる脂環
式多塩基酸として代表的なもののみを例示するにとどめ
れば、1,1−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒ
ドロ(無水)フタル酸、1,3−シクロヘキサンジカル
ボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テトラ
ヒドロ(無水)フタル酸、(無水)ヘット酸、(無水)
ハイミック酸〔日立化成化学工業(株)の登録商標〕、
メチルヘキサヒドロ(無水)フタル酸、水添トリメリッ
ト酸の如き、各種脂環式多塩基酸類などがある。
【0026】必要に応じて更に、4−tert−ブチル
シクロヘキサンモノカルボン酸、ヘキサヒドロ安息香酸
をはじめとする種々の脂環式モノカルボン酸ないしはポ
リカルボン酸、或いはこれらのメチルエステルもまた使
用できる。
【0027】さらに、ポリエステル樹脂の調製には、通
常用いられるような多塩基酸成分と多価アルコール成分
とが使用できる。それらのうちでも特に代表的なるもの
のみを例示するにとどめれば、まず、酸成分としては、
(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、p−
tert−ブチル安息香酸若しくは(無水)トリメリッ
ト酸の如き、各種芳香族酸類、さらには、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、テトラヒドロ(無水)フタ
ル酸、テトラクロル(無水)フタル酸、(無水)マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸などをも用いることが出来
る。
【0028】これらの酸成分と共に用いられる多価アル
コール成分として特に代表的なるもののみを例示するに
とどめれば、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレング
リコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、ジエチ
レングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、
トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペン
タエリスリトール、ジペンタエリスリトールまたはソル
ビトール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェ
ノールAなどが挙げられる。
【0029】ところで、当該ポリエステル樹脂を調製す
るに当たっての酸成分の一部として油長が30%未満と
なるような範囲内において油成分をも使用することが出
来る。
【0030】これらの油成分の特に代表的なるものとし
ては、やし油、水添やし油、カージュラーE(シェル社
製の分岐状脂肪族モノカルボン酸類)、オクテン酸また
はイソノナン酸などが挙げられるが、さらに必要なら
ば、米糠油脂肪酸、トール油脂肪酸、大豆油、ひまし油
または脱水ひまし油なども適宜使用することができる。
【0031】主剤樹脂(A)として水酸基含有樹脂を用
いた場合、硬化剤(B)として好適に用いることができ
るアミノ樹脂としては、なかでもメラミン樹脂類が好ま
しく、その代表的なもののみを例示するにとどめれば、
アルキル化エーテルメラミンがあげられる。かかるアル
キル化エーテルメラミンとしては、例えば、「スーパー
ベッカミンL−117−60」〔日本インキ化学工業
(株)製〕のごときブトキシメチル化メラミン樹脂;
「サイメル303」(三井サイアナミド製)の如きメト
キシメチル化メラミン樹脂;「サイメル1130」(三
井サイアナミド製)の如き各種メトキシ・ブトキシ混合
エーテル化メチルメラミン樹脂などがある。
【0032】また、同様に硬化剤(B)として好適に用
いることのできるポリイソシアネート樹脂としては、キ
シリレンジイソシアネートもしくはイソホロンジイソシ
アネートの如き各種環状ジイソシアネート類(脂環式ジ
イソシアネート類)、トリレンジイソシアネートもしく
は4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートの如き各
種の芳香族ジイソシアネート類のような有機ジイソシア
ネート化合物;これら有機ジイソシアネート化合物と、
多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂(ポリエス
テルポリオール)または水などとの付加物;上掲された
如き有機ジイソシアネート化合物同士の重合体(イソシ
アヌレート型ポリイソシアネート化合物をも含む。)
や、イソシアネート・ビゥレット体などが挙げられ、ま
た、ブロックイソシアネート樹脂としては、上掲した如
き各種のポリイソシアネート樹脂を、公知慣用のブロッ
ク化剤でブロック化せしめて得られる樹脂が挙げられ
る。
【0033】市販のポリイソシアネート樹脂としては、
例えば「バーノックDN−980」、「バーノックDN
−990」〔以上、大日本インキ化学工業(株)製〕な
どが挙げられ、市販のブロックイソシアネート樹脂とし
ては、例えば「バーノックDB−980K」〔大日本イ
ンキ化学工業(株)製〕、コロネート2507〔日本ポ
リウレタン(株)製〕、タケネートB−815N〔武田
薬品工業(株)製〕などが挙げられる。
【0034】中塗り塗膜としては、各種の顔料が使用可
能であることは言うまでもない。例えば、カーボンブラ
ック、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化
鉄、ケイ酸塩類、クロム酸ストロンチウム、クロム酸亜
鉛、硫酸バリウムなどの無機顔料、フタロシアニンブル
ー、フタロシアニングリーン、キナクリドン、ベンズイ
シダゾロンなどの有機顔料が挙げられ、これらの単独あ
るいは任意の組み合わせで塗料化時に配合される。
【0035】中塗り塗膜を作成するための中塗り塗料に
は、必要に応じて、他の樹脂類、溶剤類などや、流動調
整剤、色分れ防止剤などの如き公知慣用の各種添加剤を
加えることが出来るのは無論である。
【0036】前記した他の樹脂類の代表的なものには、
ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレートの
如き各種の繊維素系樹脂をはじめ、塩化ビニル、酢酸ビ
ニル、共重合樹脂、ケトン樹脂、石油樹脂、フッ素樹脂
などがある。
【0037】また、前記溶剤類としては、トルエン、キ
シレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、オクタンの如
き炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレン
グリコールモノエチルエーテルアセテートの如きエステ
ル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン
の如きケトン系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、N−メチルピロリドンの如きアミド系溶
剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、is
o−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノー
ル、sec−ブタノール、tert−ブタノール、エチ
レングリコールモノアルキルエーテルの如きアルコール
系溶剤、あるいは、これらの混合物などが代表的なもの
である。
【0038】かくして得られる、中塗り塗料を用いて、
本発明の目的とする実用的効果の高い中塗り塗膜を形成
するには、例えば、表面処理を施し、あるいは必要に応
じて、予め、プライマー層(例えば電着塗料層)を塗設
した被塗物基材表面に、本発明組成物を用いた中塗り塗
料を、通常の方法によって、乾燥膜厚が10〜50μm
になるように、所望の条件でもって塗装し硬化せしめれ
ばよい。
【0039】しかるのち、上塗り塗装としては、例えば
2コート1ベーク(2C1B)または3コート2ベーク
(3C2B)メタリック塗料や、2C1Bまたは1コー
ト1ベーク(1C1B)ソリッドカラー塗料などを乾燥
膜厚が20〜80μmとなるように、所望の条件でもっ
て塗装し硬化せしめる、というのが普通の方法である。
【0040】さらに、中塗り、上塗りをいわゆるウエッ
トオンウエットで塗装する形での2C1Bや3コート1
ベーク(3C1B)といった条件で塗装し硬化せしめる
方法も用いることも可能である。
【0041】通常、上述したそれぞれの硬化の条件とし
ては、110〜170℃で15〜40分間程度が適切で
あり、なかでも120〜160℃で20〜30分間が好
ましい。
【0042】かくて、本発明の中塗り塗膜は、それ自体
サンディング性が良好であり、引き続いて上塗り塗膜を
も施した総合塗膜の外観は言うに及ばず、チッピングな
いしはピーリングなどが顕著に優れる。
【0043】本発明の中塗り塗膜は前述したように、中
塗り塗膜として全般的に利用できるものであるが、特
に、自動車用中塗り塗膜として、極めて実用性の高いも
のである。なかでも、自動車の金属基材類に対して有効
である。
【0044】
【実施例】次に本発明を参考例、実施例、応用例及び応
用比較例により一層具体的に説明することにするが、以
下において、部及び%は特に断りの無い限り、すべて重
量基準であるものとする。
【0045】参考例1〜6(ポリエステル樹脂の調製) 攪拌機、温度計、脱水トラップ付き還流冷却器および窒
素ガス導入管を備えた3リットルの四つ口フラスコに、
第1表に示す原料を仕込み、150℃まで昇温した。つ
いで、ジブチル錫オキサイド0.5部を加えて、220
℃まで昇温し、さらにこの温度で脱水縮合反応を行い、
目的の水酸基価となるまで反応を続行した。反応終了後
は冷却し、キシレンを加えて不揮発分が60%なる目的
ポリエステル樹脂(P−1)〜(P−6)を得た。
【0046】
【表1】第1表
【0047】なお、第1表中の略記号は次のような化合
物を意味するものである。 IPA :イソフタル酸 HHPA:ヘキサヒドロ無水フタル酸 THPA:テトラヒドロ無水フタル酸 AA :アジピン酸 NPG :ネオペンチルグリコール CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール TMP :トリメチロールプロパン
【0048】参考例7(アクリル樹脂の調製) 撹拌器、不活性ガス導入口、温度計及び冷却器を備えた
4つ口フラスコに、キシレン350部を仕込んで140
℃の反応温度まで昇温し、スチレン195部、2−エチ
ルヘキシルアクリレート260部、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート195部、アクリル酸3部およびt-ブ
チルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート33部を滴下
した。更に、その反応温度を4時間維持した後、合成を
中止し、同表に示す固形分からなるアクリル樹脂(P−
7)を得た。
【0049】参考例8〜14(中塗り塗料の調製) ステンレス容器に第2表(1)〜(2)に示す原料Aと
ガラスビーズ80部を仕込み、ペイントシェーカーにて
1時間にわたり分散せしめた後、第2表(1)〜(2)
に示す原料Bを仕込んで均一に攪拌したのちガラスビー
ズを除き、さらに、キシレン/1−ブタノールを8/2
の重量比で混合してなる希釈用溶剤にてフォードカップ
No.4で20〜22秒となるように粘度を調製して中
塗り塗料(N−1)〜(N−7)を得た。
【0050】
【表2】第2表(1)
【0051】
【表3】第2表(2)
【0052】なお、同表中の略記号は次のような化合物
を意味するものである。 R−820 :タイペークR−820〔石原産業(株)製の酸化チタン〕 混合溶剤 :酢酸ブチル/キシレン=1/1(重量比)なる混合溶剤 L−117−60:スーパーベッカミンL−117−60〔大日本インキ化学工 業(株)製のメラミン樹脂〕 DN−980 :バーノックDN−980〔大日本インキ化学工業(株)製の ポリイソシアネート樹脂〕
【0053】参考例14(ベースコート塗料の調製) 下記するような組成で配合せしめた配合物を、トルエン
/酢酸エチルを9/1の重量比で混合してなる希釈用溶
剤でもってフォードカップNo.4での粘度が12〜1
3秒となる様に調製して目的とする塗料を得た。以下、
これを塗料(B−1)と略記する。
【0054】 アクリディック A−322 160部 〔大日本インキ化学工業(株)製のアクリル樹脂〕 スーパーベッカミン L−117−60 33部 〔大日本インキ化学工業(株)製のメラミン樹脂) アルペースト 1860YL 23部 〔東洋アルミニウム工業(株)製のアルミニウムペースト) ファーストゲンブルーNK 2部 〔大日本インキ化学工業(株)製のシアニンブルー)
【0055】参考例15(クリヤーコート塗料の調製) 下記するような組成で配合せしめた配合物を、キシレン
/1−ブタノールを8/2の重量比で混合してなる希釈
用溶剤でもってフォードカップNo.4での粘度が22
〜24秒となる様に調製して目的とする塗料を得た。以
下、これを塗料(C−1)と略記する。
【0056】 アクリディック A−345 127部 〔大日本インキ化学工業(株)製のアクリル樹脂〕 スーパーベッカミン L−117−60 50部 〔大日本インキ化学工業(株)製のメラミン樹脂〕 チヌビン 900 3部 (チバガイギー社製の紫外線吸収剤) チヌビン 765 1部 (チバガイギー社製のラジカル捕捉剤) KP−321 0.05部 〔信越化学(株)製のレベリング剤〕
【0057】実施例1〜6および比較例1 (動的粘弾性測定用中塗り塗膜の作成)参考例7〜13
で得た中塗り塗料(N−1)〜(N−7)を、それぞ
れ、エンジニアリングテストサービス社製のポリプロピ
レン板上に、乾燥膜厚が35μmとなるように塗装し、
10分間室温に放置した後、140℃で30分間焼き付
けを行った。ついで、この塗板より中塗り塗膜のみを剥
離し、動的粘弾性測定用の試料とした。
【0058】(中塗り塗膜の動的粘弾性測定)得られた
中塗り塗膜の動的粘弾性測定は、オリエンテック社製R
EHOVIBRON MODEL DDV−II−EPを
使用し、測定周波数11Hz、昇温速度5℃/分、−1
00℃〜200℃の温度範囲で複素弾性率の測定を行
い、得られた複素弾性率の実数部(貯蔵弾性率)に対す
る虚数部(損失弾性率)の比(tanδ)を求めた。
【0059】(中塗り板の作成)参考例7〜13で得た
中塗り塗料(N−1)〜(N−7)を、それぞれ、日本
ルートサービス社製の電着板上に、乾燥膜厚が35μm
となるように塗装し、10分間室温に放置した後、14
0℃で30分間焼き付けを行い、中塗り板を得た。
【0060】(上塗り板の作成)参考例7〜13で得た
中塗り塗料(N−1)〜(N−7)を、それぞれ、日本
ルートサービス社製の電着板上に、乾燥膜厚が35μm
となるように塗装し、10分間室温に放置した後、14
0℃で30分間焼き付けを行って中塗り塗膜を得、次い
でこの上にベースコート塗料(B−1)を乾燥膜厚が1
5μmとなる様に塗装し、3分間室温に放置した後、ク
リヤーコート塗料(C−1)を乾燥膜厚が30μmとな
るように塗装した。しかるのち、室温に10分間放置
し、140℃で30分間焼き付けを行い、上塗り板を得
た。
【0061】(塗膜性能試験)中塗り塗料膜厚、中塗り
板のサンディング適性、ベースコート塗料膜厚、クリヤ
ーコート塗料膜厚、上塗り板の外観と耐チッピング性
を、それぞれ求めた。その結果を中塗り塗膜単独の動的
粘弾性試験結果と共に第3表(1)〜(2)に示す。
【0062】
【表4】第3表(1)
【0063】
【表5】第3表(2)
【0064】(第3表の脚註) 1)中塗り板のサンディング適性:#600サンドペー
パーを用いた手作業による中塗り塗膜の研磨作業性を下
記の基準で判定した。 ○:研磨作業が問題なく行える。 △:研磨時にやや引っかかる感じがあり、研磨しにくい ×:塗膜が柔らかく、研磨を行うことが出来ない。 2)上塗り板の外観:下記の基準で目視により判定し
た。 ○:良好 △:ツヤ感がやや劣る ×:ツヤがなく、不良 3)上塗り板の耐チッピング性:スガ試験機製の「グラ
ベロメータ」なる試験機でもって、−20℃の雰囲気中
で50gの7号砕石を0.4MPaで送出し、上塗り板
表面に衝突させた際の塗膜剥離の程度を、下記の基準で
目視により判定した。 ○:ハガレ傷がほとんどない。 △:ハガレ傷がところどころに認められる。 ×:大きなハガレ傷が全面に認められる。
【0065】
【発明の効果】以上のように本発明の中塗り塗膜は、上
塗り塗装適性ならびにサンディング適性、サンディング
適性などはもとよりのこと、とりわけ、チッピングない
しはピーリングなどに優れており、しかも、この中塗り
塗膜を有する被塗物は外観が良好でチッピングないしは
ピーリングなどに優れるため、いずれも極めて実用性が
高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 CG141 CH121 DA112 DD001 DD081 DG111 DG191 DG261 DG301 GA03 JB18 KA03 NA11 NA12 PB07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 −50〜−20℃における測定周波数1
    1Hzでの複素弾性率の実数部(貯蔵弾性率)に対する
    虚数部(損失弾性率)の比(tanδ)が0.015〜
    0.05の範囲にあり、測定周波数11Hzでの複素弾
    性率測定における主分散が30〜150℃の範囲にある
    ことを特徴とする、中塗り塗膜。
  2. 【請求項2】 必須成分として主剤樹脂(A)と硬化剤
    (B)とを含有してなる塗膜である、請求項1記載の中
    塗り塗膜。
  3. 【請求項3】 主剤樹脂(A)が、ポリエステル樹脂で
    ある、請求項2記載の中塗り塗膜。
  4. 【請求項4】 主剤樹脂(A)が、その多塩基酸成分中
    に脂環式多塩基酸を30モル%以上含有するポリエステ
    ル樹脂である、請求項2記載の中塗り塗膜。
  5. 【請求項5】 主剤樹脂(A)が水酸基含有樹脂であ
    り、かつ、硬化剤(B)がアミノ樹脂、ブロックイソシ
    アネート樹脂およびポリイソシアネート樹脂からなる群
    から選ばれる1種以上の樹脂である、請求項2、3また
    は4記載の中塗り塗膜。
  6. 【請求項6】 主剤樹脂(A)と硬化剤(B)の固形分
    重量比(A/B)が50/50〜90/10である、請
    求項2、3、4または5記載の中塗り塗膜。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の中
    塗り塗膜を有することを特徴とする被塗物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015193795A (ja) * 2014-03-26 2015-11-05 日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社 中塗り塗料組成物、複層塗膜及びこの複層塗膜の形成方法
US9663681B2 (en) 2014-03-26 2017-05-30 Nippon Paint Automotive Coatings Co., Ltd. Intermediate coating composition, multilayered coating film, and method for forming the multilayered coating film

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JP2015193795A (ja) * 2014-03-26 2015-11-05 日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社 中塗り塗料組成物、複層塗膜及びこの複層塗膜の形成方法
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